JP2523279B2 - 磁気記録媒体およびその製造方法 - Google Patents

磁気記録媒体およびその製造方法

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JP2523279B2 JP61102856A JP10285686A JP2523279B2 JP 2523279 B2 JP2523279 B2 JP 2523279B2 JP 61102856 A JP61102856 A JP 61102856A JP 10285686 A JP10285686 A JP 10285686A JP 2523279 B2 JP2523279 B2 JP 2523279B2
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Description

【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、磁気記録媒体、特に、連続薄膜型の磁性層
を有する磁気記録媒体およびその製造方法に関するもの
である。
先行技術とその問題点 ビデオ用、オーディオ用等の磁気記録媒体として、テ
ープ化して巻回したときのコンパクト性から、連続薄膜
型の磁性層を有するものの開発が活発に行われている。
このような連続薄膜型の媒体の磁性層としては、特性
上、基体法線に対し、所定の傾斜角にて蒸着を行う、い
わゆる斜め蒸着法によって形成したCo、Co−Ni、Co−
O、CO−Ni−O系等の蒸着膜が最も好適である。
しかしながら、このような磁性層は、経時的に酸化が
進行し、さびの発生等に伴い、特性の劣化、例えば、出
力、走行耐久性等の低下が生じる。また、媒体のカール
ないしカッピングによりヘッドタッチが悪く、出力変動
が生じる。
このような問題に対し、磁性層上にプラズマ重合膜を
設けたり(特開昭58−8828号公報、同58−8829号公報、
同58−102330号公報、同58−194131号公報、同59−7265
3号公報、同59−154641号公報、同59−154643号公報、
同59−160828号公報等)、あるいは磁性層表面を酸化処
理し金属酸化物層とし、その上にプラズマ重合膜を設け
る旨(特開昭59−171028号)等の提案がなされている。
これらによると耐食性、耐久性等は改善されるが、媒体
のカールないしカッピングによる出力変動等の改善につ
いては、十分満足のいく結果は得られておらず、さらに
より一層の改善が望まれている。
II 発明の目的 本発明の目的は、媒体のカールないしカッピングを防
止し、出力変動がきわめて少なく、しかも耐食性、走行
耐久性にすぐれた磁気記録媒体およびその製造方法を提
供することにある。
III 発明の開示 このような目的は、下記の本発明によって達成され
る。
すなわち、第1の発明は、基体上にCoを含有する連続
薄膜型の磁性層を有し、この磁性層が有機物の重合体を
含有し、磁性層中に含有されるC/Coの原子比が10-8〜10
-2であり、この磁性層上にプラズマ重合膜からなるトッ
プコート膜を設けたことを特徴とする磁気記録媒体であ
る。
第2の発明は、基体上にCoを含有する連続薄膜型の磁
性層を有する磁気記録媒体の製造方法において、上記磁
性層を真空成膜法により形成する際に有機物ガスを導入
して有機物をとりこませるとともに磁性層上に有機物を
堆積し、有機物を重合させることにより、磁性層中に含
有されるC/Coの原子比を10-8〜10-2とし、磁性層上にプ
ラズマ重合膜からなるトップコート膜を形成することを
特徴とする磁気記録媒体の製造方法である。
IV 発明の具体的構成 以下、本発明の具体的構成について詳細に説明する。
本発明の磁気記録媒体は、基体上に磁性層を有する。
磁性層は、連続薄膜型の種々のものであってよく、通
常、コバルト、ニッケルあるいはこれらを主成分とす
る。
この場合、本発明においては、Coを必須成分とし、C
o、Co+Ni、Co+O、またはCo+Ni+Oからなることが
好ましい。
すなわち、Co単独からなってもよく、CoとNiとからな
ってもよい。
Co+Niである場合、Co/Niの重量比は、1.5以上である
ことが好ましい。
さらに、CoまたはCo+Niに加え、Oが含まれていても
よい。Oが含まれたときには、電磁変換特性や走行耐久
性の点で、より好ましい結果をうる。
このような場合、O/Co(Niが含まれない場合)あるい
はO/(Co+Ni)の原子比は0.5以下、特に0.15〜0.45で
あることが好ましい。
一方、磁性層中には、Co、Co+Ni、Co+OあるいはCo
+Ni+Oに加え、Crが含有されてもよい。
このような場合、Cr/Co(Niが含まれない場合)ある
いはCr/(Co+Ni)の重量比は、0.001〜0.1であること
が好ましい。
この場合、Cr/CoあるいはCr/(Co+Ni)の重量比は、
0.005〜0.05であると、より一層好ましい結果を得る。
なお、このような磁性層中には、さらに他の微量成
分、特に遷移金属元素、例えば、 Fe、Mn、V、Zr、Nb、Ta、Mo、W、Ti、Cu、Zn等が含
まれていてもよい。
このような磁性層は、通常、基体主面の法線に対して
傾斜した柱状結晶構造の粒子の集合体であることが好ま
しい。これにより、電磁変換特性が向上する。
このような場合、柱状結晶構造の粒子は、基体の主面
の法線に対して、20〜60°の範囲で傾斜していることが
好ましい。
また、各柱状結晶粒子は、通常、磁性層の厚さ方向全
域に亘る長さをもち、その短径は一般に50〜500Å程度
とされる。
そして、Coと必要に応じ添加されるNi、Cr等は、この
柱状結晶自体を構成するものであり、Oが添加されたと
き、Oは通常、各柱状結晶粒子の表面に、主として酸化
物の形で存在している。
このような磁性層は、通常、0.05〜0.5μmの厚さに
形成される。
この場合、磁性層は、基体上に直接設けられていても
よく、あるいは基体上に下地層を介して設けられていて
もよい。
また、磁性層は通常、単一の層として形成されるが、
場合によっては中間層を介して、複数の層を積層して形
成されていてもよい。
このような磁性層を形成する強磁性薄膜は斜め蒸着法
を用いて形成される。
用いる斜め蒸着法としては、公知の斜め蒸着法を用い
ればよく、基体法線に対する入射角の最小値は、20°以
上とすることが好ましい。
なお、蒸着条件および後処理法等は、公知の条件およ
び方法に従えばよい。この場合、有効な後処理法として
は、磁性層中へのO導入のための公知の各種処理法等が
ある。
本発明においては、このような磁性層中に有機物の重
合体が含有されている。このような有機物の重合体は、
磁性層の中、特に磁性層を形成する柱状粒子と柱状粒子
の間を埋めるように存在するものである。このような有
機物重合体は、磁性層の柱状粒子と空気中のO2分子とが
直接触れ得ない程度のち密なものである。
このような有機物の重合体を含有する磁性層中のC/Co
の原子比は10-8〜10-2である。
C/Co比が上記の範囲をはずれると出力および保磁力が
低下する。
また、耐食性の改善効果もあらわれない。
磁性層中のC/Coの原子比は、磁性層の組成をオージェ
分光分析、SIMSで同定すれば容易に得られる。
また、有機物の重合体としては種々のものが可能であ
るが、特にCとHとを含有するものが好ましい。
この場合、C/Hの原子比は1〜6程度であることが好
ましい。
以上述べてきたような、有機物の重合体を磁性層中へ
含有させる方法は、以下に示す方法に従えばよい。
第1図および第2図には、本発明の媒体の製造装置が
例示されている。第1図には、有機物をとりこませなが
ら磁性層を形成させる蒸着装置1が示されており、また
第2図には有機物重合処理装置10(第2図にはその1例
としてプラズマ処理装置)が示されている。
蒸着装置1において、蒸発源6から蒸発した物質は高
入射角θmax(aの位置)から遮へい板7で規制される
低入射角θmin(bの位置)へと漸減的に基体上に被着
し、磁性層が形成される。
本発明においては、この磁性層形成時にa〜b間に存
在するノズル5から有機物ガスが導入され、磁性層中に
有機物がとりこまれる。
有機物としては、10-5Torr程度の減圧下で気体となる
もの、例えば、 (A)メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、
エチレン、プロピレン、ブテン、ブタジエン、アセチレ
ン、メチルアセチレン、ベンゼン、スチレンその他の飽
和ないし不飽和の炭化水素や、 (B)フロロメタン、ジフロロメタン、トリフロロメタ
ン、ジフロロエタン、テトラフロロエタン、その他の飽
和ないし不飽和のフッ化炭化水素や、 (C)テトラフロロメタン、ヘキサフロロエタン、オク
タフロロプロパン、オクタフロロシクロブタン、テトラ
フロロエチレン、ヘキサフロロピロピレン、その他の飽
和ないし不飽和のフッ化炭素や、 (D)その他、メチルメタアクリレート、アクリル酸、
塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げられる。
通常は、これら(A)〜(D)の中の1種類を単独で
原料ガスとして用いるが、2種以上混合して用いてもよ
い。
また必要に応じて、原料に窒素、酸素、ホウ素、リン
等の微量成分を添加することもできる。
これらの中では、特に炭素数3以下のメタン、エタ
ン、エチレン、アセチレン、プロパン、プロピレン、メ
チルアセチレン、テトラフロロメタン、テトラフロロエ
チレン等を用いるのが好ましい。
これらの原料ガスは、磁性層を形成する蒸着粒子と接
触させるため第1図に示されるa−b間のいずれの位置
から導入してもよい。
原料ガスの流量は、真空槽の容積等に応じて適宜決定
すればよいが、通常は10〜1000SCCM程度とされる。
なお、磁性層を蒸着以外の真空成膜法、例えば、イオ
ンプレーティングやスパッタにて形成する場合にも、上
記有機物の導入は同様に応用できるものである。
このようにして磁性層の形成時に、磁性層中にとりこ
まれた有機物は、その後、第2図に示されるような有機
物重合処理装置10によって重合される。重合処理装置10
内に設置される重合手段は特に制限されるものではない
が、通常、下記の方法などが用いられる。
(1)プラズマを利用し、プラズマ雰囲気中で重合させ
る方法。
(2)電子線・紫外線等の放射線照射により重合させる
方法。
ただし上記(2)の放射線を用いる場合には、前記磁
性層中にとりこませる有機物としては、エチレン、アセ
チレン、プロピレン、ブタジエン、スチレン、ベンゼン
等の多重結合を有するものに限定される。
第2図には、上記(1)の方法を用いてプラズマ雰囲
気中で、磁性層中にとりこまれた有機物を重合させる装
置が示されている。
プラズマ雰囲気は例えば、H2、O2、N2、Ar、He、Ne等
のガスを用い、これらのガスの放電プラズマによってつ
くられる。
原理について概説すると、気体を低圧に保ち電場を作
用させると、気体中に少量存在する自由電子は、常圧に
比べ分子間距離が非常に大きいため、電界加速を受け5
〜10eVの運動エネルギー(電子温度)を獲得する。
この加速電子が原子や分子に衝突すると、原子軌道や
分子軌道を分断し、これらを電子、イオン、中性ラジカ
ルなど、通常の状態では不安定の化学種に解離させる。
解離した電子は再び電界加速を受けて、別の原子や分
子を解離させるが、この連鎖作用で気体はたちまち高度
の電離状態となる。そしてこれはプラズマガスと呼ばれ
ている。
気体分子は電子との衝突の機会が少ないのでエネルギ
ーをあまり吸収せず、常温に近い温度に保たれている。
このように、電子の運動エネルギー(電子温度)と、
分子の熱運動が分離した系は低温プラズマと呼ばれ、こ
こでは化学種が比較的原型を保ったまま重合等の加成的
化学反応を進めうる状況を創出しており、本発明はこの
状況を利用して磁性層中にとり込まれた有機物をプラズ
マ雰囲気にさらすことによって重合させようとするもの
である。なお低温プラズマを利用するため、基体や磁性
層などへの熱影響は全くない。
第2図において、反応容器Rには、処理ガス源11また
は12から処理ガスがそれぞれマスフローコントローラ13
および14を経て供給される。ガス源11または12から別々
のガスを供給する場合は、混合器15において混合して供
給する。
処理ガスは、各々1〜250ml/分の流量範囲をとりう
る。
反応容器R内においては、基体上に有機物をとりこん
だ磁性層を有する例えばフィルム状の被処理体がくり出
しロール21からくり出され、巻き取りロール20によって
巻きとられる。この間に磁性層中にとりこまれた有機物
の重合が行なわれる。
さらに重合処理装置10について詳細に説明すると、被
処理体を間に挾んで対向する電極17、57が設けられてお
り、一方の電極17は周波数可変型の電源16に接続され、
他方の電極57は18にて接地されている。
さらに、反応容器R内には、容器内を排気するための
真空系統が配備され、そしてこれは液体窒素トラップ11
1、油回転ポンプ112および真空コントローラ113を含
む。これら真空系統は反応容器内を0.01〜10Torrの真空
度の範囲に維持する。
操作においては、反応容器R内がまず、10-3Torr以下
になるまで油回転ポンプにより容器内を排気し、その
後、処理ガスが所定の流量において容器内に混合状態で
供給される。
このとき、反応容器内の真空は0.01〜10Torrの範囲に
管理される。
被処理体の移行速度ならびに処理ガスの流量が安定す
ると、周波数可変型電源がオンにされる。こうして、移
行中の被処理体がプラズマ処理される。
このようなプラズマ処理において、本発明ではプラズ
マガスとして、前述したようなH2、O2、N2,Ar、Ne、He
等のガスを用いる。
これらのガスは、通常、1種類を単独で用いるが、必
要に応じて2種類以上混合して用いてもよい。
プラズマ処理条件は、室内圧力0.01〜10Torr、周波数
10KHz〜2GHz、電力0.5〜5KW程度とされ、これらの条件
は、磁性層の膜質に影響するために、製造装置ごとに実
験的に求められるものである。
ところで、磁性層中にとりこまれた有機物を重合させ
るに際して、このようなプラズマを用いる方法のかわり
に放射線を照射する方法を用いる場合には、第2図に示
される装置にかえて公知の種々の放射線照射装置が用い
られる。
その場合、例えば重合に使用する活性エネルギー線と
しては、放射線加速器を線源とした電子線、Co60を線源
としたγ−線、Sr90を線源としたβ−線、X線発生器線
源としたX線あるいは紫外線等が使用される。
特に照射線源としては吸収線量の制御、製造工程ライ
ンへの導入、電離放射線の遮蔽等の見地から放射線加熱
器により放射線を使用する方法が有利である。
使用する放射線特性としては、透過力の面からの加速
電圧100〜750KV、好ましくは150〜300KVの放射線加速器
を用い吸収線量を0.5〜20メガラッドになるように照射
するのが好都合である。
重合に際しては、米国エナージーサイエンス社にて製
造されている低線量タイプの放射線加速器(エレクトロ
カーテンシステム)等がテープ加工ラインへの導入、加
速器内部の2次X線の遮蔽等に極めて有利である。
勿論、従来より放射線加速材として広く活用されてい
るところのファンデグラフ型加速器を使用してもよい。
また放射線架橋に際しては、N2ガス、Heガス等の不活
性ガス気流中で放射線を照射することが重要であり、空
気中で放射線を照射することは、重合に際し放射線照射
により生じたO3等の影響で有機物中に生じたラジカルが
有利に重合反応に働くことを阻害するので極めて不利で
ある。従って、活性エネルギー線を照射する部分の雰囲
気は、特に酸素濃度が最大で5%である、N2、He、CO2
等の不活性ガス雰囲気に保つことが重要となる。
このようにして、磁性層中にとりこまれた有機物を重
合させることによって、得られた媒体のカールおよびカ
ッピングの発生はきわめて少ないものとなる。
そのため出力が安定し、しかも耐食性、走行耐久性に
すぐれた効果を発揮する。
こような有機物の重合体を含有する磁性層の上にトッ
プコート膜を設層する。
トップコート膜としては種々のものが可能であるが、そ
の中でも特に、CとFおよび/またはHとを含有する有
機物の重合膜、特に、プラズマ重合膜を用いる。このと
き、本発明の効果はさらにより一層向上する。
トップコート膜中により好ましい態様として含有され
るH/Fの原子比は0.3〜1.0、C/Hの原子比は2〜8であ
る。膜厚は10〜40Å程度とされる。
なお、これらの元素分析は前述した磁性層の場合と同
様にすればよい。
このような磁性層上への有機物のプラズマ重合膜の形
成は例えば以下に示す手順および方法に従えばよい。
すなわち、前述したように第2図の有機物重合処理装
置10内において、磁性層中にとりこまれた有機物をプラ
ズマを利用し重合させる場合には、重合装置内に、前述
したような無機ガスを加え、減圧下、プラズマ雰囲気を
つくり、この中に被処理体を入れるいわゆるプラズマ処
理法を用いる。このようにプラズマ処理した後、その表
面にトップコート膜としてプラズマ重合膜を形成でき
る。また、被処理体をH2、Ar、N2、O2等のプラズマ雰囲
気中を通過させ、ラジカルイオンを表面に形成した後、
有機ガスを供給して重合膜を形成するいわゆるプラズマ
開始重合法を用いてもよい。
このようにすることによって、磁性層形成時に磁性層
中にとりこまれた有機モノマーを重合させるとともに、
さらに磁性層上に新たな有機モノマーの重合膜を形成さ
せることができる。
また、前述したように蒸着装置1内で磁性層形成時に
磁性層中にとりこまれた有機物を重合装置内で放射線に
より重合させ、その後、第2図に示されるような重合装
置を用いて磁性層上にプラズマ重合膜のトップコート膜
を形成させるようにしてもよい。
なお、上述してきたような成膜、処理等はオフライン
に限らずオンラインで行うこともできる。
このように磁性層中の有機物を重合させた後磁性層上
にプラズマ重合膜のトップコート膜を形成させる場合、
用いる原料有機物としては、上記、磁性層中に含有させ
る有機ガスと同様なものすなわち(A)〜(D)で示さ
れるものが好ましい。
これらの中でも特に炭素数1〜3の有機物が最適であ
る。
なお、プラズマ重合条件は前記の重合処理の場合と同
様とすればよい。
本発明において用いる基体3には特に制限はないが、
特に可とう性の基体、特にポリエステル、ポリイミド、
ポリプロピレン等の樹脂製のものであることが好まし
い。
また、その厚さは、種々のものであってよいが、特に
5〜20μmであることが好ましい。
そして、その磁性層形成面の裏面には、バックコート
層を設層することが好ましい。
V 発明の具体的作用効果 本発明の磁気記録媒体は、磁性層中に有機物の重合体
を含有し、さらに、プラズマ重合膜からなるトップコー
ト膜を有する。
従って、得られた媒体は、カールないしカッピング等
がほとんどなく、出力が安定し、しかも耐食性、走行耐
久性にすぐれた効果を有するものである。
そして本発明の磁気記録媒体は、ビデオ用、オーディ
オ用、OA用、計算機用等の媒体として有用である。
VI 発明の具体的実施例 以下に本発明の具体的実施例について詳細に説明す
る。
Co/Niの重量比4/1のCoNi合金を用い、10μm厚のポリ
エチレンテレフタレート(PET)フイルム上に、斜め蒸
着法により、磁性層を0.2μm厚さに形成した。
斜め蒸着における入射角は90〜30°とし、蒸着雰囲気
は PAr=2×10-2Pa PO2=1×10-2Paとした。
なお、蒸着に際しては、下記表1に示されるような有
機物ガスを所定量真空槽に導入しながら行った。
このように磁性層中に有機物をとりこませた後、次工
程のプラズマ処理真空槽を通過させることによって、磁
性層中の有機物を重合させた。
プラズマ処理真空槽中のプラズマ処理条件は、槽内圧
力0.01Torr、RF 13.56MHzを用い500Wとし、Arでプラズマ処理した。
これに準じて表1に示されるような種々のサンプルを
作成した。
これら各サンプルにつき、下記の特性を測定した。
(1)磁性層中の平均C/Co比 イオンエッチングを行いながらオージュ分光分析また
はSIMS分析で、各組成の厚さ方向のプロファイルを測定
し、磁性層中の平均C/Co比を算出した。本測定において
は標準サンプル炭化コバルトCo2Cを測定し、その測定感
度を求め、 で求めた。
(2)カッピング 1/2″巾にスリットしたカッピングの高さを測定した。
(3)耐食性 各サンプルを60℃、相対湿度90%にて7日間放置し、
1cm2あたりの−Δφm/φm(%)を測定した。
(4)走行耐久性 各サンプルに対し、市販のVTR装置を用いて50パス試
験を行い、4KHzの信号の減少量(dB)を測定した。
これらの結果を表1に示す。
上記の場合に準じて表1に示されるような磁性層を形
成し、さらにこの上にプラズマ重合膜からなるトップコ
ート膜を形成した。プラズマ重合膜の形成に際し、導入
ガスは表2に示されるとおりとし、重合条件は、上記磁
性層のプラズマ処理条件の場合と同様にした。
このようにして、下記表2に示される種々のサンプル
を作製し、これらについても上記と同様な特性を測定し
た。ただし、表2に示されるサンプルでは、さらに、市
販の8ミリHi8VTRを用いて7MHzにおける出力を測定し
た。そして、サンプルNo.207の出力を100とした相対出
力を算出した。
結果を表2に示す。
表1および表2の結果より本発明の効果が明らかであ
る。
【図面の簡単な説明】
第1図は蒸着装置の概略図である。 第2図はプラズマ処理装置の概略図である。 符号の説明 1…蒸着装置、2…巻出しロール、3…基体、4…冷却
ドラム、5…ノズル、6…蒸発源、7…遮へい板、10…
重合処理装置、11、12…処理ガス源、13、14…マスフロ
ーコントローラ、15…混合器、16…直流、交流および周
波数可変型電源、17、57…電極、20…巻取りロール、21
…くり出しロール、111…液体窒素トラップ、112…油回
転ポンプ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基体上にCoを含有する連続薄膜型の磁性層
    を有し、この磁性層が有機物の重合体を含有し、磁性層
    中に含有されるC/Coの原子比が10-8〜10-2であり、この
    磁性層上にプラズマ重合膜からなるトップコート膜を設
    けたことを特徴とする磁気記録媒体。
  2. 【請求項2】基体上にCoを含有する連続薄膜型の磁性層
    を有する磁気記録媒体の製造方法において、 上記磁性層を真空成膜法により形成する際に有機物ガス
    を導入して有機物をとりこませるとともに磁性層上に有
    機物を堆積し、有機物を重合させることにより、磁性層
    中に含有されるC/Coの原子比を10-8〜10-2とし、磁性層
    上にプラズマ重合膜からなるトップコート膜を形成する
    ことを特徴とする磁気記録媒体の製造方法。
  3. 【請求項3】磁性層にとりこませた有機物をプラズマ雰
    囲気中で重合させる特許請求の範囲第2項に記載の磁気
    記録媒体の製造方法。
  4. 【請求項4】磁性層にとりこませた有機物を放射線照射
    により重合させる特許請求の範囲第2項に記載の磁気記
    録媒体の製造方法。
  5. 【請求項5】有機物を磁性層中に含有させたのち重合さ
    せる特許請求の範囲第2項ないし第4項のいずれかに記
    載の磁気記録媒体の製造方法。
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