JPH0610870B2 - 磁気記録媒体 - Google Patents
磁気記録媒体Info
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- JPH0610870B2 JPH0610870B2 JP23924984A JP23924984A JPH0610870B2 JP H0610870 B2 JPH0610870 B2 JP H0610870B2 JP 23924984 A JP23924984 A JP 23924984A JP 23924984 A JP23924984 A JP 23924984A JP H0610870 B2 JPH0610870 B2 JP H0610870B2
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- thin film
- metal thin
- ferromagnetic metal
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Description
【発明の詳細な説明】 I 発明の背景 技術分野 本発明は、磁気記録媒体、特に連続薄膜型の強性層を有
する磁気記録媒体のトップコート膜の改良に関する。
する磁気記録媒体のトップコート膜の改良に関する。
先行技術とその問題点 ビデオ用、オーディオ用等の磁気記録媒体として、テー
プ化して巻回したときのコンパクト性から、連続薄膜型
の磁性層を有するものの開発が活発に行われている。
プ化して巻回したときのコンパクト性から、連続薄膜型
の磁性層を有するものの開発が活発に行われている。
このような連続薄膜型の媒体の磁性層としては、特性
上、基体法線に対し所定の傾斜角にて蒸着を行う、いわ
ゆる斜め蒸着法によって形成したCo、Co−Ni、C
o−O、Co−Ni−O系等の蒸着膜が最も好適であ
る。
上、基体法線に対し所定の傾斜角にて蒸着を行う、いわ
ゆる斜め蒸着法によって形成したCo、Co−Ni、C
o−O、Co−Ni−O系等の蒸着膜が最も好適であ
る。
しかし、このような磁性層は、走行摩擦が大きく、膜強
度が低く、ヘッドタッチも悪く、特に、走行耐久性が低
く、くりかえし走行によって出力が低下してしまう。
度が低く、ヘッドタッチも悪く、特に、走行耐久性が低
く、くりかえし走行によって出力が低下してしまう。
また、ビデオ用の媒体では、スチルと称される静止画像
モードでの耐久時間が小さい。
モードでの耐久時間が小さい。
さらに、いわゆるドロップアウトも多い。
このような実状から、従来、斜め蒸着膜磁性層のトップ
コート膜が種々提案されている。
コート膜が種々提案されている。
そして、トップコート膜の1例としてフッ化炭化水素系
のプラズマ重合膜が知られている(特開昭59−154
641号等)。
のプラズマ重合膜が知られている(特開昭59−154
641号等)。
しかし、通常の方法で得られたフッ化炭化水素系のプラ
ズマ重合膜トップコートでは、耐食性付与の点で不十分
であり、さらにはヘッド付着や目づまりが発生する等の
不都合がある。
ズマ重合膜トップコートでは、耐食性付与の点で不十分
であり、さらにはヘッド付着や目づまりが発生する等の
不都合がある。
II 発明の目的 本発明の目的は、耐食性が良好であり、さらにはヘッド
目づまりやヘッド付着の発生の少ない磁気記録媒体を提
供することにある。
目づまりやヘッド付着の発生の少ない磁気記録媒体を提
供することにある。
III 発明の開示 このような目的は下記の本発明によって達成される。
すなわち、本発明は支持体上に強磁性金属薄膜を有し、
この強磁性金属薄膜上にトップコート膜を有する磁気記
録媒体において、 トップコート膜が、炭素、水素およびフッ素を含有し、
炭素/水素およびフッ素/水素の原子比が、それぞれ2
〜8および1.0〜3.0であり、膜厚10〜40Åの
プラズマ重合膜であって、水との接触角が100〜13
0゜であり、なおかつ、トップコート膜の表面で測定さ
れるフッ素/水素の原子比が、強磁性金属薄膜側からト
ップコート全膜厚の1/3の位置で測定されるフッ素/
水素の原子比の1.5以上であり、プラズマ重合膜の形
成が、W/F・M(ここに、Wはプラズマ投入電力、F
は原料ガス流量、Mは原料ガス分子量)が107〜10
12Joule/Kgの条件で行われることを特徴とする磁気記録
媒体である。
この強磁性金属薄膜上にトップコート膜を有する磁気記
録媒体において、 トップコート膜が、炭素、水素およびフッ素を含有し、
炭素/水素およびフッ素/水素の原子比が、それぞれ2
〜8および1.0〜3.0であり、膜厚10〜40Åの
プラズマ重合膜であって、水との接触角が100〜13
0゜であり、なおかつ、トップコート膜の表面で測定さ
れるフッ素/水素の原子比が、強磁性金属薄膜側からト
ップコート全膜厚の1/3の位置で測定されるフッ素/
水素の原子比の1.5以上であり、プラズマ重合膜の形
成が、W/F・M(ここに、Wはプラズマ投入電力、F
は原料ガス流量、Mは原料ガス分子量)が107〜10
12Joule/Kgの条件で行われることを特徴とする磁気記録
媒体である。
IV 発明の具体的構成 本発明の具体的構成について、以下に詳細に説明する。
本発明の磁気記録媒体のトップコート膜は、プラズマ重
合膜である。
合膜である。
そして、この膜は炭素、水素およびフッ素を含有する薄
膜である。
膜である。
これらの元素を含む薄膜は、通常操作性の良いことから
常温で気体のフッ化炭化水素、例えばフロロメタン、ジ
フロロメタン、トリフロロメタン、ジフロロエタン、テ
トラフロロエタン等の1種以上やフッ化炭素例えば、テ
トラフロロメタン、オクタフロロプロパン、オクタフロ
ロシクロブタン、テトラフロロエチレン、ヘキサフロロ
エチレン等と、炭化水素例えば、メタン、エタン、プロ
パン、ブタン、ペンタン、エチレン、プロピレン、ブテ
ン、ブタジエン、アセチレン、メチルアセチレン等のそ
れぞれ1種以上やさらにはこれらの混合体を原料ガスと
して用い、プラズマ重合によって形成される。
常温で気体のフッ化炭化水素、例えばフロロメタン、ジ
フロロメタン、トリフロロメタン、ジフロロエタン、テ
トラフロロエタン等の1種以上やフッ化炭素例えば、テ
トラフロロメタン、オクタフロロプロパン、オクタフロ
ロシクロブタン、テトラフロロエチレン、ヘキサフロロ
エチレン等と、炭化水素例えば、メタン、エタン、プロ
パン、ブタン、ペンタン、エチレン、プロピレン、ブテ
ン、ブタジエン、アセチレン、メチルアセチレン等のそ
れぞれ1種以上やさらにはこれらの混合体を原料ガスと
して用い、プラズマ重合によって形成される。
また、その他のフッ化物たとえば、フッ化ホウ素、フッ
化窒素、フッ化ケイ素等も原料ガスの1成分として上記
ガスと混合して用いることもできる。
化窒素、フッ化ケイ素等も原料ガスの1成分として上記
ガスと混合して用いることもできる。
またさらに、必要に応じて常温で液体または固体のフロ
ン12、フロン13B1、フロン22等を原料として用
いてもよい。
ン12、フロン13B1、フロン22等を原料として用
いてもよい。
また、必要に応じて、原料に窒素、酸素、ホウ素、リン
等の微量成分を添加することによりプラズマ重合膜の性
質をさらに改善し磁気記録媒体の耐摩耗性、耐食性をあ
げることもできる。
等の微量成分を添加することによりプラズマ重合膜の性
質をさらに改善し磁気記録媒体の耐摩耗性、耐食性をあ
げることもできる。
また、プラズマ重合膜に含有される炭素/水素の原子比
は2〜8であり、より好ましくは3〜5である。この原
子比が2未満であると、耐食性が十分でなく、また、こ
の原子比が8をこえると、耐久走行後の出力低下が大と
なり、実用に耐えない。
は2〜8であり、より好ましくは3〜5である。この原
子比が2未満であると、耐食性が十分でなく、また、こ
の原子比が8をこえると、耐久走行後の出力低下が大と
なり、実用に耐えない。
また、フッ素/水素の原子比は1.0〜3.0であり、
より好ましくは1.2〜2.5である。
より好ましくは1.2〜2.5である。
この原子比が1.0未満であると、初期摩擦が大きくな
り実用に耐えない。
り実用に耐えない。
また、3.0をこえると、耐久走行後の出力低下が大き
くなり実用に耐えない。
くなり実用に耐えない。
そして、プラズマ重合膜の膜厚は10〜40Åであり、
より好ましくは15〜30Åである。
より好ましくは15〜30Åである。
連続薄膜型の磁気記録媒体では、プラズマ重合膜が40
Åを越えるとスペーシングロス(厚み分による磁気の損
失)が大きくなりすぎて磁束密度が低下する。目づまり
が増加するとか、耐久走行後の出力低下が大きい等の問
題点が多く発生する。
Åを越えるとスペーシングロス(厚み分による磁気の損
失)が大きくなりすぎて磁束密度が低下する。目づまり
が増加するとか、耐久走行後の出力低下が大きい等の問
題点が多く発生する。
10Åより薄いと、本発明の耐食性がえられない。
このような膜厚の制御はプラズマ重合膜形成の以下で述
べるように反応時間、媒体移行速度、原料ガス流量を制
御することによってきわめて容易にすることができ、ス
ペーシングロスが少なく、耐食性が良好な媒体が実現す
る。
べるように反応時間、媒体移行速度、原料ガス流量を制
御することによってきわめて容易にすることができ、ス
ペーシングロスが少なく、耐食性が良好な媒体が実現す
る。
そして、このトップコート膜と水との接触角は100〜
130゜であり、より好ましくは110〜120であ
る。この接触角が100未満であると、初期摩擦が大き
く、実用上使用に耐えない。
130゜であり、より好ましくは110〜120であ
る。この接触角が100未満であると、初期摩擦が大き
く、実用上使用に耐えない。
また、この接触角が130゜をこえるプラズマ重合膜を
つくるのは困難であり、また実用上その必要性がないか
らである。
つくるのは困難であり、また実用上その必要性がないか
らである。
本発明のプラズマ重合膜の形成は、W/F・M〔ここ
に、Wはプラズマ投入電力(Joule/sec)、Fは原料ガ
ス流量(Kg/sec)、Mは原料ガス分子量〕値が107〜
1012Joule/Kgの条件範囲内で行われる。より好ましく
はW/F・M値が108〜1011Joule/Kgである。W/
F・M値が107未満であると表面が緻密なプラズマ重
合膜が出来ない。そのため耐食性に劣り、実用に耐えな
い。1012をこえると下地に対するダメージが大きくな
るため、実用に耐えない。
に、Wはプラズマ投入電力(Joule/sec)、Fは原料ガ
ス流量(Kg/sec)、Mは原料ガス分子量〕値が107〜
1012Joule/Kgの条件範囲内で行われる。より好ましく
はW/F・M値が108〜1011Joule/Kgである。W/
F・M値が107未満であると表面が緻密なプラズマ重
合膜が出来ない。そのため耐食性に劣り、実用に耐えな
い。1012をこえると下地に対するダメージが大きくな
るため、実用に耐えない。
なお、原料ガスを2種以上用いるとき、FおよびMはそ
の総和で算入される。
の総和で算入される。
このようなプラズマ重合膜は、フッ素/水素の原子比が
膜厚方向に濃度勾配をもつ。
膜厚方向に濃度勾配をもつ。
これにより、耐食性がより向上し、しかもヘッド付着や
目づまりの発生が、きわめて少なくなる。
目づまりの発生が、きわめて少なくなる。
このような場合、トップコート膜表面で測定されるフッ
素/水素の原子比は強磁性金属薄膜側からトップコート
全膜厚の1/3の位置で測定されるそれの1.5以上で
あることが好ましい。
素/水素の原子比は強磁性金属薄膜側からトップコート
全膜厚の1/3の位置で測定されるそれの1.5以上で
あることが好ましい。
より具体的には、表面部のフッ素/水素の原子比は1.
5〜3.0、また反対側のフッ素/水素の原子比は1.
0〜1.5であり、その比が1.5以上であることが好
ましい。
5〜3.0、また反対側のフッ素/水素の原子比は1.
0〜1.5であり、その比が1.5以上であることが好
ましい。
なお、このような濃度勾配は連続的であっても非連続的
であってもよい。
であってもよい。
プラズマ重合膜の膜厚方向に存在するフッ素/水素の原
子比濃度勾配は、例えば以下に述べる方法によって測定
される。
子比濃度勾配は、例えば以下に述べる方法によって測定
される。
すなわち、まず最初に、プラズマ重合膜を一定のエッチ
ング速度でイオンエッチングを行いながらSIMS(2
次イオン質量分析)で元素分析を行う。
ング速度でイオンエッチングを行いながらSIMS(2
次イオン質量分析)で元素分析を行う。
そして、強磁性金属薄膜に到達するまでの時間(金属薄
膜を構成する金属イオンが発生する)を測定する。
膜を構成する金属イオンが発生する)を測定する。
これにより、重合膜の厚さ分をエッチングするのに要す
る時間が測定できることになる。
る時間が測定できることになる。
そして、この要した時間の最初から2/3時間経過した
時点での膜中の元素分析をSIMSを用いて測定する。
時点での膜中の元素分析をSIMSを用いて測定する。
こうすることによって、強磁性金属薄膜側からトップコ
ートの全膜厚の1/3の位置でのフッ素/水素の原子比
が測定できる。
ートの全膜厚の1/3の位置でのフッ素/水素の原子比
が測定できる。
またトップコート膜の表面の元素分析は同様にSIMS
で容易に測定できる。これら2つの値の比をもってフッ
素/水素の濃度勾配とする。
で容易に測定できる。これら2つの値の比をもってフッ
素/水素の濃度勾配とする。
さらに、前記した重合膜の組成比は、上記のようにして
SIMSによる組成プロファイルを測定して算出すれば
よい。
SIMSによる組成プロファイルを測定して算出すれば
よい。
なお、プラズマ重合膜の膜厚測定は、エリプソメーター
を用いて測定できる。
を用いて測定できる。
プラズマ重合膜は、原料ガスとして前述のフッ化炭化水
素、炭化水素、フッ化炭素等を用いこのガスの放電プラ
ズマを磁性層に接触させることにより重合膜を形成する
ものである。
素、炭化水素、フッ化炭素等を用いこのガスの放電プラ
ズマを磁性層に接触させることにより重合膜を形成する
ものである。
プラズマ重合の原理について概説すると、気体を低圧に
保ち電場を作用させると、気体中に少量存在する自由電
子は、常圧に比べ分子距離が非常に大きいため、電界加
速を受け5〜10eVの運動エネルギー(電子温度)を獲
得する。
保ち電場を作用させると、気体中に少量存在する自由電
子は、常圧に比べ分子距離が非常に大きいため、電界加
速を受け5〜10eVの運動エネルギー(電子温度)を獲
得する。
この加速電子が原子や分子に衝突すると、原子軌道や分
子軌道を分断し、これらを電子、イオン、中性ラジカル
など、通常の状態では不安定の化学種に解離させる。
子軌道を分断し、これらを電子、イオン、中性ラジカル
など、通常の状態では不安定の化学種に解離させる。
解離した電子は再び電界加速を受けて、別の原子や分子
を解離させるが、この連鎖作用で気体はたちまち高度の
電離状態となる。そしてこれはプラズマガスと呼ばれて
いる。
を解離させるが、この連鎖作用で気体はたちまち高度の
電離状態となる。そしてこれはプラズマガスと呼ばれて
いる。
気体分子は電子との衝突の機会が少ないのでエネルギー
をあまり吸収せず、常温に近い温度に保たれている。
をあまり吸収せず、常温に近い温度に保たれている。
このように、電子の運動エネルギー(電子温度)と、分
子の熱運動(ガス温度)が分離した系は低温プラズマと
呼ばれ、ここでは化学種が比較的原型を保ったまま重合
等の加成的化学反応を進めうる状況を創出しており、本
発明はこの状況を利用して強磁性金属薄膜上にプラズマ
重合膜を形成しようとするものである。なお低温プラズ
マを利用するため、ベースフィルムや磁性層の熱影響は
全くない。
子の熱運動(ガス温度)が分離した系は低温プラズマと
呼ばれ、ここでは化学種が比較的原型を保ったまま重合
等の加成的化学反応を進めうる状況を創出しており、本
発明はこの状況を利用して強磁性金属薄膜上にプラズマ
重合膜を形成しようとするものである。なお低温プラズ
マを利用するため、ベースフィルムや磁性層の熱影響は
全くない。
プラズマにより、ベースフィルム上に設けた磁性層表面
にプラズマ重合膜を形成する装置例が第1図に示してあ
る。第1図は周波数可変型の電源を用いたプラズマ重合
装置である。
にプラズマ重合膜を形成する装置例が第1図に示してあ
る。第1図は周波数可変型の電源を用いたプラズマ重合
装置である。
第1図において、反応容器Rには、原料ガス源511ま
たは512から原料ガスがそれぞれマスフローコントロ
ーラ521および522を経て供給される。ガス源51
1または512から別々のガスを供給する場合は、混合
器53において混合して供給する。
たは512から原料ガスがそれぞれマスフローコントロ
ーラ521および522を経て供給される。ガス源51
1または512から別々のガスを供給する場合は、混合
器53において混合して供給する。
原料ガスは、各々1〜250m/分の流量範囲をとり
うる。
うる。
反応容器R内には、磁性層を設けた被処理ベースフィル
ム支持装置が設置され、ここでは磁気テープ用の磁性層
を設けたフィルムの処理を目的として、繰出しロール5
61と巻取りロール562とが示してある。
ム支持装置が設置され、ここでは磁気テープ用の磁性層
を設けたフィルムの処理を目的として、繰出しロール5
61と巻取りロール562とが示してある。
被処理磁気記録媒体用ベースフィルムの形態に応じて様
々の支持装置が使用でき、例えば載置式の回転支持装置
が使用されうる。
々の支持装置が使用でき、例えば載置式の回転支持装置
が使用されうる。
被処理ベースフィルムを間に挟んで対向する電極55
1、552が設けられており、一方の電極551は周波
数可変型の電源54に接続され、他方の電極552は接
地されている。
1、552が設けられており、一方の電極551は周波
数可変型の電源54に接続され、他方の電極552は接
地されている。
さらに、反応容器R内には、容器内を排気するための真
空系統が配備され、そしてこれは液体窒素トラップ5
7、油回転ポンプ58および真空コントローラ59を含
む。これら真空系統は反応容器内を0.01〜10Torr
の真空度の範囲に維持する。
空系統が配備され、そしてこれは液体窒素トラップ5
7、油回転ポンプ58および真空コントローラ59を含
む。これら真空系統は反応容器内を0.01〜10Torr
の真空度の範囲に維持する。
操作においては、反応容器R内がまず10-3Torr以下に
なるまで油回転ポンプにより容器内を排気し、その後原
料ガスが所定の流量において容器内に混合状態で供給さ
れる。
なるまで油回転ポンプにより容器内を排気し、その後原
料ガスが所定の流量において容器内に混合状態で供給さ
れる。
このとき、反応容器内の真空は0.01〜10Torrの範
囲に管理される。
囲に管理される。
フィルムの移行速度ならびに原料ガスの流量が安定する
と、周波数可変型電源がオンにされる。こうして、移行
中の磁性層を設けたベースフィルムの磁性層表面にプラ
ズマ重合膜が形成される。
と、周波数可変型電源がオンにされる。こうして、移行
中の磁性層を設けたベースフィルムの磁性層表面にプラ
ズマ重合膜が形成される。
なお、キャリアガスとして、Ar、N2、He、H2な
どを使用できる。
どを使用できる。
なお、印加電流、処理時間等は通常の条件とすればよ
い。
い。
プラズマ発生源としては、上述した高周波放電の他にマ
イクロ波放電、直流放電、交流放電等いずれも利用でき
る。
イクロ波放電、直流放電、交流放電等いずれも利用でき
る。
また、トップコート膜にフッ素の濃度勾配をもたせるに
は、通常、原料ガスの供給位置と供給量とを制御して行
えばよい。
は、通常、原料ガスの供給位置と供給量とを制御して行
えばよい。
また、プラズマ重合膜のトップコート層は、強磁性金属
薄膜上に設層される。
薄膜上に設層される。
この下地層としての強磁性金属薄膜層は、Coを主成分
とし、これにOを含み、さらに必要に応じNiおよび/
またはCrが含有される組成を有する。
とし、これにOを含み、さらに必要に応じNiおよび/
またはCrが含有される組成を有する。
すなわち、好ましい態様においては、Co単独からなっ
てもよく、CoとNiからなってもよい。Niが含まれ
る場合、Co/Niの重量比は、1.5以上であること
が好ましい。
てもよく、CoとNiからなってもよい。Niが含まれ
る場合、Co/Niの重量比は、1.5以上であること
が好ましい。
さらに、強磁性金属薄膜層中には、Crが含有されてい
てもよい。
てもよい。
Crが含有されると、電磁変換特性が向上し、出力およ
びS/N比が向上し、さらに膜強度も向上する。
びS/N比が向上し、さらに膜強度も向上する。
このような場合、Cr/CoあるいはCr/(Co+N
i)の重量比は0.1以下、特に0.001〜0.1、
より好ましくは、0.005〜0.05であることが好
ましい。
i)の重量比は0.1以下、特に0.001〜0.1、
より好ましくは、0.005〜0.05であることが好
ましい。
さらに、強磁性金属薄膜中にはOが含有されるものであ
る。
る。
強磁性金属薄膜中の平均酸素量は、原子比、特にO/
(CoまたはCo+Ni)の原子比で、0.5以下、よ
り好ましくは0.05〜0.5であることが好ましい。
(CoまたはCo+Ni)の原子比で、0.5以下、よ
り好ましくは0.05〜0.5であることが好ましい。
この場合、強磁性金属薄膜層の表面では、酸素が強磁性
金属(Co、Ni)と酸化物を形成している。
金属(Co、Ni)と酸化物を形成している。
すなわち、表面部、特に表面から50Å〜500Å、よ
り好ましくは50Å〜200Åの厚さの範囲には、オー
ジェ分光分析により、酸化物を示すピークが認められる
ものである。
り好ましくは50Å〜200Åの厚さの範囲には、オー
ジェ分光分析により、酸化物を示すピークが認められる
ものである。
そして、この酸化物層の酸素含有量は、原子比で0.5
〜1.0程度である。
〜1.0程度である。
なお、このような強磁性金属薄膜中には、さらに他の微
量成分、特に遷移元素、例えばFe、Mn、V、Zr、
Nb、Ta、Ti、Zn、Mo、W、Cu等が含まれて
いてもよい。
量成分、特に遷移元素、例えばFe、Mn、V、Zr、
Nb、Ta、Ti、Zn、Mo、W、Cu等が含まれて
いてもよい。
このような強磁性金属薄膜層は、好ましい態様におい
て、上記したCoを主成分とする柱状結晶粒の集合体か
らなる。
て、上記したCoを主成分とする柱状結晶粒の集合体か
らなる。
この場合、強磁性金属薄膜層の厚さは、0.05〜0.
5μm、好ましくは、0.07〜0.3μmとされる。
5μm、好ましくは、0.07〜0.3μmとされる。
そして、柱状の結晶粒は、薄膜の厚さ方向のほぼ全域に
亘る長さをもち、その長手方向は、基体の主面の法線に
対して、10〜70゜の範囲にて傾斜していることが好
ましい。
亘る長さをもち、その長手方向は、基体の主面の法線に
対して、10〜70゜の範囲にて傾斜していることが好
ましい。
なお、酸素は、表面部の柱状の結晶粒の表面に前記のと
おり化合物の形で存在するものである。
おり化合物の形で存在するものである。
また、強磁性金属薄膜層の酸素の濃度勾配の如何には特
に制限はない。
に制限はない。
また、結晶粒の短径は、50Å〜500Å程度の長さを
もつことが好ましい。
もつことが好ましい。
このような強磁性金属薄膜層を形成する基板は、非磁性
のものでありさえすれば特に制限はないが、特に可とう
性の基板、特にポリエステル、ポリイミド等の樹脂製の
ものであることが好ましい。
のものでありさえすれば特に制限はないが、特に可とう
性の基板、特にポリエステル、ポリイミド等の樹脂製の
ものであることが好ましい。
また、その厚さは、種々のものであってよいが、特5〜
20μmであることが好ましい。
20μmであることが好ましい。
この場合、基板の強磁性金属薄膜層形成面の裏面には、
公知の種々のバックコート層が形成されていてもよい。
公知の種々のバックコート層が形成されていてもよい。
なお、基板と強磁性金属薄膜層との間には、必要に応
じ、公知の各種下地層を介在させることもできる。
じ、公知の各種下地層を介在させることもできる。
また、もし必要であるならば、強磁性金属薄膜層を複数
に分割して、その間に非強磁性金属薄膜層を介在させて
もよい。
に分割して、その間に非強磁性金属薄膜層を介在させて
もよい。
磁性層の形成は電解蒸着、イオンプレーティング等を用
いることもできるが、いわゆる斜め蒸着法によって形成
されることが好ましい。
いることもできるが、いわゆる斜め蒸着法によって形成
されることが好ましい。
この場合、基体法線に対する、蒸着物質の入射角の最小
値は、20゜以上とすることが好ましい。
値は、20゜以上とすることが好ましい。
入射角が20゜未満となると、電磁変換特性が低下す
る。
る。
なお、蒸着雰囲気は、通常、アルゴン、ヘリウム、真空
等の不活性雰囲気に、酸素ガスを含む雰囲気とし、10
-5×100Pa程度の圧力とし、また、蒸着距離、基体
搬送方向、キャンやマスクの構造、配置等は公知の条件
と同様にすればよい。
等の不活性雰囲気に、酸素ガスを含む雰囲気とし、10
-5×100Pa程度の圧力とし、また、蒸着距離、基体
搬送方向、キャンやマスクの構造、配置等は公知の条件
と同様にすればよい。
そして、酸素雰囲気での蒸着により、表面に金属酸化物
の被膜が形成される。なお、金属酸化物が形成される酸
素ガス分圧は、実験から容易に求めることができる。
の被膜が形成される。なお、金属酸化物が形成される酸
素ガス分圧は、実験から容易に求めることができる。
なお、表面に金属酸化物の被膜を形成するには、各種酸
化処理が可能である。
化処理が可能である。
適用できる酸化処理としては下記のようなものがある。
1)乾式処理 a.エネルギー粒子処理 特願昭58−76640号に記載したように、蒸着の後
期に、イオンガンや中性ガンにより酸素をエネルギー粒
子として磁性層にさしむけるもの。
期に、イオンガンや中性ガンにより酸素をエネルギー粒
子として磁性層にさしむけるもの。
b.グロー処理 O2、H2O、O2+H2O等とAr、N2等の不活性
ガスとを用い、これをグロー放電してプラズマを生じさ
せ、このプラズマ中に磁性膜表面をさらすもの。
ガスとを用い、これをグロー放電してプラズマを生じさ
せ、このプラズマ中に磁性膜表面をさらすもの。
c.酸化性ガス オゾン、加熱水蒸気等の酸化性ガスを吹きつけるもの。
d.加熱処理 加熱によって酸化を行うもの。加熱温度は60〜150
℃程度。
℃程度。
2)湿式処理 a.陽極酸化 b.アルカリ処理 c.酸処理 クロム酸塩処理、過マンガン酸塩処理、リン酸塩処理等
を用いる。
を用いる。
d.酸化剤処理 H2O2等を用いる。
V 発明の具体的効果 本発明によれば、支持体上に設置された強磁性金属薄膜
層上に炭素、水素およびフッ素を含有するプラズマ重合
膜を有する磁気記録媒体は、耐食性に優れ、しかもヘッ
ド付着や目づまりをおこさないなどの効果がある。
層上に炭素、水素およびフッ素を含有するプラズマ重合
膜を有する磁気記録媒体は、耐食性に優れ、しかもヘッ
ド付着や目づまりをおこさないなどの効果がある。
VI 発明の具体的実施例 以下、本発明の具体的実施例を示し、本発明をさらに詳
細に説明する。
細に説明する。
実施例1 10μmのポリエチレンテレフタレート(PET)製の
基板を、真空槽中に設けた冷却用ロールに沿わせて走行
させながら、Co−Ni合金をEBガンで加熱しO2を
導入しつつ蒸着した。
基板を、真空槽中に設けた冷却用ロールに沿わせて走行
させながら、Co−Ni合金をEBガンで加熱しO2を
導入しつつ蒸着した。
この場合バックグランドの圧力は、5×10-5Torr、O
2導入後の圧力は2×10-4Torr、とした。
2導入後の圧力は2×10-4Torr、とした。
また、蒸着の入射角は、90゜から30゜まで連続的に
減少させた。
減少させた。
組成は、Co80−Ni20(重量比)であり、膜厚は
約1500Åとした。
約1500Åとした。
その後これを真空チャンバ中に入れて、10-3Torrの真
空に引いた。そしてこの中に、ガス状のトリフロロメタ
ンCHF3を、炭化水素としてエチレンC2H4を、キ
ャリヤーガスとしてH2を導入した。その後、ガス圧
0.05Torrに保ちながら750W、13.56MHzの
高周波電圧をかけてプラズマを発生させ、プラズマ重合
膜を磁性層上に形成した。
空に引いた。そしてこの中に、ガス状のトリフロロメタ
ンCHF3を、炭化水素としてエチレンC2H4を、キ
ャリヤーガスとしてH2を導入した。その後、ガス圧
0.05Torrに保ちながら750W、13.56MHzの
高周波電圧をかけてプラズマを発生させ、プラズマ重合
膜を磁性層上に形成した。
なお、ここで形成したプラズマ重合膜の膜厚は15Åで
あった。
あった。
また、W/F・M値は9×108でありこの膜をSIM
Sで測定した結果、C/H比は3.5、F/Hは2.2
であった。そして、トップコート膜の表面部のF/Hの
原子比は、強磁性金属薄膜側部のF/Hの原子比の2.
1であった(サンプルNo.1)。
Sで測定した結果、C/H比は3.5、F/Hは2.2
であった。そして、トップコート膜の表面部のF/Hの
原子比は、強磁性金属薄膜側部のF/Hの原子比の2.
1であった(サンプルNo.1)。
これに準じ、磁性層上に、下記表1に示されるトップコ
ート層を形成した。
ート層を形成した。
これら各サンプルについて特性を測定した。
なお、特性の判定は以下のとおりである。
(1)耐食性 初期および60℃、相対湿度80%にて3日間保存後の
Δφm/φm(%)を測定した。
Δφm/φm(%)を測定した。
(2)ヘッド目づまり 録音時間30分のビデオテープも用い、10pass当りの
テープの目づまり回数を測定した。目づまり回数/10
pass (3)耐久走行後の出力低下 録画時間30分のビデオテープを50pass走行させた後
の初期出力との差をdBで示す。
テープの目づまり回数を測定した。目づまり回数/10
pass (3)耐久走行後の出力低下 録画時間30分のビデオテープを50pass走行させた後
の初期出力との差をdBで示す。
(4)初期摩擦 1パス目の摩擦係数を示す。
これらの結果から、本発明の効果があきらかである。
第1図は直流、交流および周波数可変型電源を使用した
プラズマ処理装置の概略図である。 符号の説明 53……混合器、 54……直流、交流および周波数可変型電源、 57……液体窒素トラップ、 58……油回転ポンプ、 511,512……処理ガス源、 521,522……マスフローコントローラ、 561,562……繰出しおよび巻取りロール
プラズマ処理装置の概略図である。 符号の説明 53……混合器、 54……直流、交流および周波数可変型電源、 57……液体窒素トラップ、 58……油回転ポンプ、 511,512……処理ガス源、 521,522……マスフローコントローラ、 561,562……繰出しおよび巻取りロール
Claims (3)
- 【請求項1】支持体上に強磁性金属薄膜を有し、この強
磁性金属薄膜上にトップコート膜を有する磁気記録媒体
において、 トップコート膜が、炭素、水素およびフッ素を含有し、
炭素/水素およびフッ素/水素の原子比が、それぞれ2
〜8および1.0〜3.0であり、膜厚10〜40Aの
プラズマ重合膜であって、水との接触角が100〜13
0゜であり、なおかつ、トップコート膜の表面で測定さ
れるフッ素/水素の原子比が、強磁性金属薄膜側からト
ップコート全膜厚の1/3の位置で測定されるフッ素/
水素の原子比の1.5以上であり、 前記プラズマ重合膜の形成が、W/F・M(ここに、W
はプラズマ投入電力、Fは原料ガス流量、Mは原料ガス
分子量)が107〜1012Joule/Kgの条件で行われる磁
気記録媒体。 - 【請求項2】強磁性金属薄膜がCoを主体とする金属薄
膜である特許請求の範囲第1項に記載の磁気記録媒体。 - 【請求項3】強磁性金属薄膜がOを含む特許請求の範囲
第2項に記載の磁気記録媒体。
Priority Applications (5)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23924984A JPH0610870B2 (ja) | 1984-11-13 | 1984-11-13 | 磁気記録媒体 |
GB8527246A GB2166668B (en) | 1984-11-09 | 1985-11-05 | Magnetic recording medium |
US06/795,433 US4844978A (en) | 1984-11-09 | 1985-11-06 | Magnetic recording medium |
DE19853539724 DE3539724A1 (de) | 1984-11-09 | 1985-11-08 | Magnetaufzeichnungsmedium |
US07/041,340 US4749608A (en) | 1984-11-09 | 1987-04-22 | Magnetic recording medium |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP23924984A JPH0610870B2 (ja) | 1984-11-13 | 1984-11-13 | 磁気記録媒体 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS61160825A JPS61160825A (ja) | 1986-07-21 |
JPH0610870B2 true JPH0610870B2 (ja) | 1994-02-09 |
Family
ID=17041950
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP23924984A Expired - Lifetime JPH0610870B2 (ja) | 1984-11-09 | 1984-11-13 | 磁気記録媒体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0610870B2 (ja) |
-
1984
- 1984-11-13 JP JP23924984A patent/JPH0610870B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS61160825A (ja) | 1986-07-21 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
EXPY | Cancellation because of completion of term |