JP2512712B2 - 電子写真感光体 - Google Patents

電子写真感光体

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JP2512712B2 JP13171886A JP13171886A JP2512712B2 JP 2512712 B2 JP2512712 B2 JP 2512712B2 JP 13171886 A JP13171886 A JP 13171886A JP 13171886 A JP13171886 A JP 13171886A JP 2512712 B2 JP2512712 B2 JP 2512712B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は新規な電子写真感光体に関し、さらに詳しく
は感光層が特定の分子構造から成るアゾ顔料を含有する
電子写真感光体に関する。
〔従来の技術〕
従来より、光導電性を示す顔料や染料については、数
多くの文献等で発表されている。
例えば、“RCA Review"Vol.23,P.413〜P.419(1962.
9)ではフタロシアニン顔料の光導電性についての発表
がなされており、又このフタロシアニン顔料を用いた電
子写真感光体が米国特許第3397086号公報や米国特許第3
816118号公報等に示されている。その他に、電子写真感
光体に用いる有機光導電体としては、例えば米国特許第
4315983号公報、米国特許第4327169号公報や“Research
Disclosure"20517(1981.5)に示されているビリリウ
ム系染料、米国特許第3824099号公報に示されているス
クリアリック酸メチン染料、米国特許愛3898084号公
報、米国特許第4251613号公報等に示されたジスアゾ顔
料などが挙げられる。
このような有機光導電体は無機光導電体に比べて合成
が容易で、しかも分子設計により(可視光感度に関して
は)感光波長域を比較的容易に変えることができるた
め、感色性のコントロールができ、かつ無公害で生産性
も経済性も格段に優れている。このようなことから、近
年、各社競って開発を急いでいるが、感度や耐久性など
実用化のレベルに達したものもあるものの、なお一層の
レベルアップが要求されている。
一方、これら有機光導電体を近赤外の半導体レーザの
波長(現状では750nm以上、とくに780〜800nm付近が経
済性、出力、感材とのマッチング等実用上最も好まし
い)にまで感光波長域を伸し、レーザープリンタなどデ
ジタル記録用の感光体として使用したいとの要求も急速
に高まってきた。
この観点から従来の有機光導電体を顧りみるに、前出
のフタロシアニン顔料、これを改良した米国特許第4426
434号公報に示されているアルミニウムフタロシアニン
顔料、米国特許第4436800号、同443950公報に記載のト
リフェニルアミン系トリスアゾ顔料、米国特許第44475
号に示されたテトラキスアゾ顔料等が半導体レーザーの
光導電体として提案されている。
しかし、半導体レーザー用の感光体として有機光導電
体を使用する場合、まず感光波長域が長波長にまで伸び
ていること、次に感度、耐久性が良好であること、使用
時、温度によって半導体レーザーの波長が変わることか
ら広い波長域にわたり感度が一定であること、更には生
産性の良いこと等が必要とされる。前出の有機光導電体
はこれら諸条件を十分に満足するものではない。本発明
者らは鋭意研究開発を重ねた結果、特殊な分子構造のカ
ップラーを用いたアゾ顔料を光導電体とすることによ
り、一般的た電子写真感光体としての有用性はむろんの
こと近赤外線用の光導電体としても上記諸条件を十分に
満足する、有機光導電体を製造することに成功したもの
である。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明の第1の目的は、新規な電子写真感光体を提供
することにある。
本発明の第2の目的は可視域における実用的な高感度
特性と繰り返し使用に際し、安定した電位特性を有する
電子写真感光体を提供することにある。
本発明の第3の目的は新規な近赤外線用の光導電体を
用いた電子写真感光体を提供することであり、本発明の
第4の目的はレーザー複写機、レーザービームプリンタ
等デジタル記録用感光体に半導体レーザーを使用するプ
ロセスにおいて、実用的な高感度特性と繰り返し使用時
における安定した電位特性を有する電子写真感光体を提
供することにある。
[課題を解決するための手段] 本発明の上記目的は、導電性基体上に感光層を有する
電子写真感光体において、前記感光層が下記一般式
〔I〕又は〔II〕で示されるトリスアゾ顔料を含有する
ことを特徴とする電子写真感光体によって、達成され
る。
式中Ar1,Ar2およびAr3は置換基を有してもよい、フェ
ニレン、ビフェニレン、ナフチレン、アンスリレン等の
アリーレン基、又はフラン、チオフェン、ピリジン、キ
ノリン、インドリン、カルバゾール、チアゾール、オキ
サゾール、オキサジアゾール、ベンゾオキサゾール、ベ
ンゾチアゾール、ベンゾカルバゾール、ジベンゾフラン
等から誘導される2価の複素環基を示す。上記置換基と
してはメチル、エチル、プロピル等のアルキル基、フッ
素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メトキシ、
プロポキシ等のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ基、ト
リフルオロメチル基等があげられる。
式中Aはフェノール性水酸基を有するカプラー残基を
示し、そのより好ましい具体例としては一般式〔III〕
〜〔IX〕で示される。
式〔III〕中、Xはベンゼン環と縮合して置換基を有
していてもよいナフタレン環、アントラセン環、カルバ
ゾール環、ベンズカルバゾール環、ジベンゾフラン環、
ベンゾナフトフラン環、ジフェニレン、サルファイド環
等の多環芳香族環ないしはヘテロ環を形成するに必要な
残基を示す。とりわけXの縮合した環はナフタレン環又
はベンズカルバゾール環とした場合の電子写真特性が良
好である。
Xの有する置換基としてはメチル、エチル、プロピル
等のアルキル基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロ
ゲン原子、メトキシ、エトキシ等のアルコキシ基、ニト
ロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基等があげられ
る。
R3,R4は水素、置換基を有していてもよいアルキル
基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基ないしはR3
とR4は一緒になってその結合する窒素原子と共に環状ア
ミノ基を示す。
アルキル基の具体例としてはメチル、エチル、プロピ
ル、ブチル等があげられる。アラルキル基の具体例とし
てはベンジル、フェネチル、ナフチルメチル等の基があ
げられる。
アリール基としてはフェニル、ジフェニル、ナフチ
ル、アンスリル等があげられる。とりわけR3をハロゲン
原子、ニトロ基、シアノ基、トリフルオロメチル基等の
電子吸引性基を有するフェニル基、R4を水素原子とした
場合の電子写真特性がとくに良好である。
ヘテロ環基としてはカルバゾール、ジベンゾフラン、
ベンズイミダゾロン、ベンズチアゾール、チアゾール、
ピリジン等があげられる。
式〔IV〕,〔V〕中のR5,R6は置換基を有していても
よいアルキル基、アラルキル基、アリール基を示す。
R5,R6の具体例は前記R3,R4と同じ例によって示され
る。
一般式〔III〕〜〔V〕中の置換基R3〜R6の示すアル
キル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ基は更に他
の置換基、例えば、メチル、エチル、プロピル等のアル
キル基、メトキシ、エトキシ、プロポキシ等のアルコキ
シ基、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、
ニトロ基、シアノ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミ
ノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミノ等の置換アミ
ノ基等により置換されていてもよい。
式〔VI〕,〔VII〕中のYは芳香族炭化水素の2価の
基ないしは窒素原子を環内に含むヘテロ環の2価の基を
示す。
芳香族炭化水素の2価の基としては、o−フェニレ
ン、等の単環式芳香族炭化水素の2価の基、o−ナフチ
レン、ペリナフチレン基、1,2−アンスリレン基、9,10
−フェナンスリレン基等の縮合多環式芳香族炭化水素の
2価の基が挙げられる。
また、窒素原子を環内に含むヘテロ環の2価の基とし
ては、例えば、3,4−ピラゾールジイル基、2,3−ピリジ
ンジイル基、4,5−ピリミジンジイル基、6,7−インダゾ
ールジイル基、5,6−ベンズイミダゾールジイル基、6,7
−キノリンジイル基等の5〜6員環、ヘテロ環で2価の
基等が挙げられる。
式〔VIII〕中のR7は置換基を有していてもよいフェニ
ル基、ナフチル基、アンスリル基、ピレニル基等のアリ
ール基ないしはピリジル基、チェニル基、フリル基、カ
ルバゾリル基等のヘテロ環基を表わす。
R7の示すアリール基、ヘテロ環基の置換基としてはフ
ッ素、塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子、メチル、
エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、メトキシ、
エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、ニ
トロ基、シアノ基、ジメチルアミノ、ジエチルアミノ、
ジプロピルアミノ、ジベンジルアミノ、ジフェニルアミ
ノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピロリジノ等の置換アミ
ノ基等があげられる。
式〔IX〕中のR8,R9は置換基を有してもよい、メチ
ル、エチル、プロピル、ブチル等のアルキル基、ベンジ
ル、フェネチル、ナフチルメチル等のアラルキル基、フ
ェニル、ナフチル、アンスリル、ジフェニル等のアリー
ル基、又はカルバゾール、ジベンゾフラン、ベンズイミ
ダゾロン、ベンズチアゾール、チアゾール、ピリジン等
のヘテロ環基を表わす。
R8,R9の示すアルキル基、アラルキル基、アリール
基、ヘテロ環基の置換基としては、フッ素、塩素、臭
素、ヨウ素等のハロゲン原子、メチル、エチル、プロピ
ル、ブチル等のアルキル基、メトキシ、エトキシ、プロ
ポキシ、ブトキシ等のアルコキシ基、ニトロ基、シアノ
基、ジメチルアミノ、ジプロピルアミノ、ジベンジルア
ミノ、ジフェニルアミノ、モルホリノ、ピペリジノ、ピ
ロリジノ等の置換アミノ基等が挙げられる。
本発明は、トリスアゾ顔料の骨格にリン原子を配する
ことにより顔料の極性に変化をもたらしキャリヤー生成
効率ないしはキャリヤー搬送性のいずれか一方ないしは
双方がよくなる為に、感度や耐久使用時における電位安
定性が確保されるものと推定される。高感度化の達成に
より高速の複写機や、レーザービームプリンター、LED
プリンター、液晶プリンター等への適用が可能となり、
更に感光体の前歴によらず安定した電位が確保される
為、安定した美しい画像が得られる様になった。
以下に、本発明に用いられるトリスアゾ顔料の代表例
を列挙する。
これらトリスアゾ顔料は1種または2種以上組み合せ
て用いることができる。
本発明に用いられるトリスアゾ顔料は例えば一般式
〔I−III〕および〔I−IV〕で示されるアミンを常法
により亜硝酸塩で 処理してジアゾニウム化し、次いで一般式〔III〕〜〔I
X〕で示されるフェノール性水酸基を有するカップラー
をアルカリの存在下に水系カップリングするか、または
前記アミンのヘキサゾニウム塩を、BF4塩,PF6塩あるい
は塩化亜鉛複塩等の形で一旦単離した後、適当な溶媒、
例えばN,N−ジメチルホルムアミド、ジメチルスルキシ
ド等の溶媒中でアルカリの存在下にカップラーとカップ
リングすることにより容易に製造することができる。
次に、本発明で用いるアゾ顔料の代表的な合成例を下
記に示す。
合成例1(前記例示のトリスアゾ顔料No.1の合成) 100mlビーカーに水20ml,濃塩酸10.8ml(0.123モ
ル),トリス−(3−アミノフェニル)ホスフィンオキ
サイド4.0g(0.0124モル)を入れ、氷水浴で冷却しなが
ら撹拌し、液温を3℃とした。次に亜硝酸ソーダ2.74g
(0.0391モル)を水8mlに溶かした液を液温を0〜5℃
の範囲にコントロールしながら25分間で摘下し、摘下終
了後、同温度で更に30分撹拌した。反応液にカーボンを
加え過してヘキサゾ化液を得た。次に1ビーカーに
水500mlを入れ水酸化ナトリウム13.6g(0.340モル)を
溶解した後、ナフトールAS(3−ヒドロキシ−2−ナフ
トエ酸アニリド)10.5g(0.0399モル)を添加して溶解
した。このカプラー溶液を6℃に冷却し、液温を6〜10
℃にコントロールしながら前述のヘキサゾ化液を30分か
けて撹拌下摘下して、その後2時間撹拌し、更に1晩放
置した。反応液を過後、水洗過し、固形分換算で1
4.0gの水ペーストを得た。
次に400mlのN,N−ジメチルホルムアミドを用い、室温
で撹拌過を4回繰り返した。その後400mlのMEKで2回
撹拌過を繰り返した後、減圧乾燥し精製顔料12.5g
(収率88.0%)を得た。
融点>250℃ 元素分析 計算値(%) 実験値(%) C 72.30 72.27 H 4.23 4.22 N 11.00 11.01 以上代表的な顔料の合成法について述べたが一般式
〔I〕,〔II〕で示される他のトリスアゾ顔料も同様に
して合成される、但しアルカリ水溶液に対するカプラー
の溶解度の低い場合や一般式〔VIII〕で示されるタイプ
のカプラーの様に加水分解され易いカプラーを用いてカ
ップリング反応する場合は、カプラーをDMFやDMACの様
な溶剤に溶解し、酢酸ソーダー,ピリジン,トリメチル
アミン,トリエチルアミン等の有機の塩基を用いてカプ
ラーや反応溶剤の分解に注意しながらヘキサゾニウム塩
と反応する事が望ましい。
前述のトリスアゾ顔料を有する被膜は光導電性を示
し、従って下述する電子写真感光体の感光層に用いるこ
とができる。
すなわち、本発明の具体例では導電性支持体の上に前
述のアゾ顔料を適当なバインダー中に分散含有させて被
覆形成することにより感光体を調製することができる。
本発明の好ましい具体例では、電子写真感光体の感光
層を電荷発生層と電荷輸送層に機能分離しその電荷発生
層として前述の光導電性被覆を適用することができる。
電荷発生層は、十分な吸光度を得るために、できる限
り多くの前述の光導電性を示すトリスアゾ顔料を含有
し、且つ発生した電荷キャリアが電荷輸送層との界面な
いしは導電性基板との界面まで効率的に輸送されるため
に被覆層、例えば5μ以下、好ましくは0.01〜1μの膜
厚をもつ薄膜層とすることが好ましい。このことは、入
射光量の大部分が電荷発生層で吸収されて、多くの電荷
キャリアが生成すること、さらに発生した電荷キャリア
を再結合や捕獲(トラップ)により失活することなく電
荷輸送層に注入する必要があることに帰因している。
電荷発生層は、前述のトリスアゾ顔料を適当なバイン
ダーに分散させ、これを基体の上に塗工することによっ
て形成できる。
上記バインダーとしては広範な絶縁性樹脂から選択で
き、またポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルア
ントラセンやポリビニルピレンなどの有機光導電性ポリ
マーから選択できる。好ましくは、ポリビニルブチラー
ル、ポリビニルベンザール、ポリアクリレート(ビスフ
エノールAとフタル酸の縮重合体など。)、ポリカーボ
ネート、ポリエステル、フエノキシ樹脂、ポリ酢酸ビニ
ル、アクリル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、ポリアミ
ド、ポリビニルピリジン、セロース系樹脂、ウレタン樹
脂、エポキシ樹脂、カゼイン、ポリビニルアルコール、
ポリビニルピロリドンなどの絶縁性樹脂を挙げることが
できる。電荷発生層中に含有する樹脂は、80重量%以
下、好ましくは40重量%以下が適している。
これらの樹脂を溶解する溶剤は樹脂の種類によって異
なり、また下述の電荷輸送層や下引層を溶解しないもの
から選択することが好ましい。具体的な有機溶剤として
は、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどの
アルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、メ
チルエチルケトン、ジクロヘキサノンなどのケトン類、
N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミ
ドなどのアミド類、ジメチルスルホキシドなどのスルホ
キシド類、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチレン
グリコールモノメチルエーテルなどのエーテル類、酢酸
メチル、酢酸エチルなどのエステル類、クロロホルム、
塩化メチレン、ジクロルエチレン、四塩化炭素、トリク
ロルエチレンなどの脂肪族ハロゲン化炭化水素類あるい
はベンゼン、トルエン、キシレン、モノクロルベンゼ
ン、ジクロルベンゼンなどの芳香族類などを用いること
ができる。
塗工は、浸漬コーティング法、スプレーコーティング
法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング
法、マイヤーバーコーティング法、ブレードコーティン
グ法、ローラーコーティング法、カーチンコーティング
法などのコーティング法を用いて行なうことができる。
乾燥は、室温における指触乾燥後、加熱乾燥する方法が
好ましい。加熱乾燥は、30℃〜200℃の温度で5分〜2
時間の範囲の時間で、静止または送風下で行なうことが
できる。
電荷輸送層は、前述の電荷発生層と電気的に接続され
ており、電界の存在下で電荷発生層から注入された電荷
キャリアを受け取るとともに、これらの電荷キャリアを
表面まで輸送できる機能を有している。この際、この電
荷輸送層は、電荷発生層の上に積層されていてもまたそ
の下に積層されていてもよい。
電荷輸送層が電荷発生層の上に形成される場合、電荷
輸送層における電荷キャリアを輸送する物質(以下、単
に電荷輸送物質という)は、前述の電荷発生層が感応す
る電磁波の波長域に実質的に非感応性であることが好ま
しい。ここで言う「電磁波」とは、γ線、X線、紫外
線、可視光線、近赤外線、赤外線、遠赤外線などを包含
する広義の「光線」の定義を包含する。電荷輸送層の光
感応性波長域が電荷発生層のそれと一致またはオーバー
ラップする時には、両者で発生した電荷キャリアが相互
に捕獲し合い、結果的には感度の低下の原因となる。
電荷輸送物質には電子輸送性物質と正孔輪送正物質
が、あり、電子輸送性物質としては、クロルアニル、ブ
ロモアニル、テトラシアノエチレン、テトラシアノキノ
ジメタン、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン、2,
4,5,7−テトラニトロ−9−フルオレノン、2,4,7−トリ
ニトロ−9−ジシアノメチレンフルオレノン、2,4,5,7
−テトラニトロキサントン、2,4,8−トリニトロチオキ
サントン等の電子吸引性物質やこれら電子吸引性物質を
高分子化したもの等がある。
正孔輪送性物質としては、ピレン、N−エチルカルバ
ゾール、N−イソプロピルカルバゾール、N−メチル−
N−フエニルヒドラジノ−3−メチリデン−9−エチル
カルバゾール、N,N−ジフエニルヒドラジノ−3−メチ
リデン−9−エチルカルバゾール、N,N−ジフエニルヒ
ドラジノ−3−メチリデン−10−エチルフエノチアジ
ン、N,N−ジフエニルヒドラジノ−3−メチリデン−10
エチルフエノキサジン、P−ジエチルアミノベンズアル
デヒド−N,N−ジフエニルヒドラゾン、P−ジエチルア
ミノベンズアルデヒド−N−α−ナフチル−N−フエニ
ルヒドラゾン、P−ピロヌジノベンズアルデヒド−N,N
−ジフエニルヒドラゾン、1,3,3−トリメチルインドレ
ニン−ω−アルデヒド−N,N−ジフエニルヒドラゾン、
P−ジエチルベンズアルデヒド−3−メチルベンズチア
ゾリノン−2−ヒドラゾン等のヒドラゾン類、2,5−ビ
ス(P−ジエチルアミノフエニル)−1,3,4−オキサジ
アゾール、1−フェニル−3−(P−ジエチルアミノス
チリル)−5−(P−ジエチルアミノフエニル)ピラゾ
リン、1−〔キノリル(2)〕−3−(P−ジエチルア
ミノスチリル)−5−(P−ジエチルアミノフエニル)
ピラゾリン、1−〔ピラジル(2)〕−3−(P−ジエ
チルアミノスチリル)−5−(P−ジエチルアミノフエ
ニル)ピラゾリン、1−〔6−メトキシ−ピリジル
(2)〕−3−(P−ジエチルアミノスチリル)−5−
(P−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、1−〔ピ
リジル(3)〕−3−(P−ジエチルアミノスチリル)
−5−(P−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、1
−〔レピジル(2)〕−3−(P−ジエチルアミノスチ
リル)−5−(P−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリ
ン、1−〔ピリジル(2)〕−3−(P−ジエチルアミ
ノスチリル、4−メチル−5−(P−ジエチルアミノフ
エニル)ピラゾリン、1−〔ピリジル(2)〕−3−
〔α−メチル−P−ジエチルアミノスチリル)−5−
(P−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、1−フエ
ニル−3−(P−ジエチルアミノスチリル)−4−メチ
ル−5−(P−ジエチルアミノフエニル)ピラゾリン、
1−フエニル−3−(α−ベンジル−P−ジエチルアミ
ノスチリル)−5−(P−ジエチルアミノフエニル)ピ
ラゾリン、スピロピラゾリンなどのピラゾリン類、2−
(P−ジエチルアミノスチリル)−6−ジエチルアミノ
ベンズオキサゾール、2−(P−ジエチルアミノフエニ
ル)−4−(P−ジメチルアミノフエニル)−5−(2
−クロロフエニル)オキサゾール等のオキサゾール系化
合物、2−(P−ジエチルアミノスチリル)−6−ジエ
チルアミノベンゾチアゾール等のチアゾール系化合物、
ビス(4−ジエチルアミノ−2−メチルフエニル)−フ
エニルメタン等のトリアリールメタン系化合物、1,1−
ビス(4−N,N−ジエチルアミノ−2−メチルフエニ
ル)ヘプタン、1,1,2,2−テトラキスニルブチラール、
ポリビニルホルマール、ポリスルホン、ポリアクリルア
ミド、ポリアミド、塩素化ゴムなどの絶縁性樹脂、ある
いはポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリビニルアント
ラセン、ポリビニルピレンなどの有機光導電性ポリマー
を挙げることができる。
電荷輸送層は、電荷キャリアを輸送できる限界がある
ので、必要以上に膜厚を厚くすることができない。一般
的には、5μ〜30μであるが、好ましい範囲は8μ〜20
μである。塗工によって電荷輸送層を形成する際には、
前述した様な適当なコーティング法を用いることができ
る。
この様な電荷発生層と電荷輸送層の積層構造からなる
感光層は、導電性を有する基体の上に設けられる。導電
性を有する基体としては、基体自体が導電性をもつも
の、例えばアルミニウム、アルミニウム合金、銅、亜
鉛、ステンレス、バナジウム、モリブデン、クロム、チ
タン、ニッケル、インジウム、金や白金などを用いるこ
とができ、その他にアルミニウム、アルミニウム合金、
酸化インジウム、酸化錫、酸化インジウム−酸化錫合金
などを真空蒸着法によって被膜形成された層を有するプ
ラスチック(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポ
リ塩化ビニル、ポリエチレンテレフタレート、アクリル
樹脂、ポリフッ化エチレンなど)、導電性粒子(例え
ば、アルミニウム粉末、酸化チタン、酸化錫、酸化亜
鉛、カーボンブラック、銀粒子など)を適当なバインダ
ーとともにプラスチック又は前記導電性基体の上に被覆
した基体、導電性粒子をプラスチックや紙に含浸した基
体や導電性ポリマーを有するプラスチックなどを用いる
ことができる。
導電性基体と感光層の中間に、バイヤー機能と接着機
能をもつ下引層を設けることもできる。下引層は、カゼ
イン、ポリビニルアルコール、ニトロセルロース、エチ
レン−アクリル酸コポリマー、ポリアミド(ナイロン
6、ナイロン66、ナイロン610、共重合ナイロン、アル
コキシメチル化ナイロンなど)、ポリウレタン、ゼラチ
ン、酸化アルミニウムなどによって形成できる。
下引層の膜厚は、0.1〜5μ、好ましくは0.5〜3μが
適当である。
導電性基体、電荷発生層、電荷輸送層の順に積層した
感光体を使用する場合において電荷輸送物質が電子輸送
性物質からなるときは、電荷輸送層表面を正に帯電する
必要があり、帯電後露光すると露光部では電荷発生層に
おいて生成した電子が電荷輸送層に注入され、そのあと
表面に達して正電荷を中和し、表面電位の減衰が生じ未
露光部との間に静電コントラストが生じる。この様にし
てできた静電潜像を負荷電性のトナーで現像すれば可視
像が得られる。これを直接定義するか、あるいはトナー
像を紙やプラスチックフィルム等に転写後、現像し定着
することができる。
また、感光体上の静電潜像を転写紙の絶縁層上に転写
後現像し、定着する方法もとれる。現像剤の種類や現像
方法、定着方法は公知のものや公知の方法のいずれを採
用しても良く、特定のものに限定されるものではない。
一方、電荷輸送物質が正孔輸送物質から成る場合、電
荷輸送層表面を負に帯電する必要があり、帯電後、露光
すると露光部では電荷発生層において生成した正孔が電
荷輸送層に注入され、その後表面に達して負電荷を中和
し、表面電位の減衰が生じ未露光部との間に静電コント
ラストが生じる現像時には電子輸送性物質を用いた場合
とは逆に正電荷性トナーを用いる必要がある。
導電性基体・電荷輸送層・電荷発生層の順に積層した
感光体を使用する場合において、電荷輸送物質が電子輸
送性物質からなるときは、電荷発生層表面を負に帯電す
る必要があり帯電後露光すると、露光部では電荷発生層
において生成した電子は電荷輸送層に注入されそのあと
基体に達する。一方電荷発生層において生成した正孔は
表面に達し表面電位の減衰が生じ未露光部との間に静電
コントラストが生じる。この様にしてできた静電潜像を
正荷電性のトナーで現像すれば可視像が得られる。これ
を直接定着するか、あるいはトナー像を紙やプラスチッ
クフィルム等に転写後現像し定着することができる。ま
た、感光体上の静電潜像を転写紙の絶縁層上に転写後現
像し、定着する方法もとれる。現像剤の種類や現像方
法、定着方法は公知のものや公知の方法のいずれを採用
してもよく、特定のものに限定されるものではない。
一方、電荷輸送層が正孔輸送性物質からなるときは、
電荷発生層表面を正に帯電する必要があり、帯電後露光
すると露光部では電荷発生層において生成した正孔は電
荷輸送層に注入されその後基体に達する。一方電荷発生
層において生成した電子は表面に達し表面電位の減衰が
生じ未露光部との間に静電コントラストが生じる。現像
時には電子輸送性物質を用いた場合とは逆に負電荷性ト
ナーを用いる必要がある。
本発明の別の具体例としては前述の一般式〔I〕,
〔II〕で示されるトリスアゾ顔料を電荷輸送物質ととも
に同一層に含有させた感光体を挙げることができる。こ
の際前述の電荷輸送物質の他にポリ−N−ビニルカルバ
ゾールとトリニトロフルオレノンからなる電荷移動錯体
化合物を用いることができる。この例の電子写真感光体
は前述のアゾ顔料と電荷移動錯体化合物をテトラヒドロ
フランに溶解されたポリエステル溶液中に分散させた
後、被膜形成させて調製できる。
いずれの感光体においても用いる顔料は一般式〔I〕
及び〔II〕で示されるトリスアゾ顔料から選ばれる少な
くとも一種類の顔料を含有しその結晶形は非晶質であっ
ても結晶質であってもよい。又必要に応じて光吸収の異
なる顔料を組合せて使用し感光体の感度を高めたり、パ
ンクロマチックな感光体を得るなどの目的で一般式
〔I〕,〔II〕で示されるアゾ顔料を2種類以上組合せ
たり、または公知の染料、顔料から選ばれた電荷発生物
質と組合せて使用することも可能である。
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用する
のみならず、デジタル用電子写真複写機やレーザービー
ムプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プ
リンター、レーザー製版等の近赤外光線を用いたデジタ
ル記録システムの多数の応用分野にも広く用いることが
できる。
以下本発明を実施例によって説明する。
実施例1〜15 アルミ板上にカゼインのアンモニア水溶液(カゼイン
11.2%,アンモニア水1g,水222ml)をマイヤーバーで乾
燥後の膜厚が1.0μとなる様に塗布し乾燥した。
次に前記例示のトリスアゾ顔料No.1、5gをエタノール
95mlにブチラール樹脂(ブチラール化度63モル%)2gを
溶かした液に加えサンドミルで2時間分散した。この分
散液を先に形成したカゼイン層の上に乾燥後の膜厚が0.
5μとなる様にマイヤーバーで塗布し乾燥して電荷発生
層を形成した。次いで構造式 のヒドラゾン化合物5gとポリメチルメタクリレート樹脂
(数平均分子量100000)5gをベンゼン70mlに溶解しこれ
を電荷発生層の上に乾燥後の膜厚が15μとなる様にマイ
ヤーバーで塗布し乾燥して電荷輸送層を形成し実施例1
の感光体を作成した。アゾ顔料No.1に代えて第1表に示
す他の例示顔料を用い実施例2〜15に対応する感光体を
全く同様にして作成した。
この様にして作成した電子写真感光体を静電複写紙試
験装置(川口電機(株)製Model SP−428)を用いてス
タティック方式で−5kVでコロナ帯電し、暗所で1秒間
保持した後、照度2luxで露光し帯電特性を調べた。帯電
特性としては表面電位(V0)と1秒間暗減衰させた時の
電位を1/2に減衰するに必要な露光量(E 1/2)を測定し
た。
第1表の結果から本発明になる感光体はいずれも十分
な帯電能と十分な感度を有していることが判る。
実施例16〜24 前記例示のアゾ顔料No.47,5gをメチルイソブチルケト
ン95mlにベンザール樹脂(ベンザールと重合度500のポ
バールから合成,ベンザール化度7)2gを溶かした液に
加えサンドミルで4時間分散した。この分散液をアルミ
板上に乾燥後の膜厚が0.5μとなる様にマイヤーバーで
塗布し乾燥して電荷発生層を形成した。次いで構造式 のスチルベン型化合物5gとポリメチルメタクリレート樹
脂(数平均分子量100000)5gをベンゼン70mlに溶解しこ
れを電荷発生層の上に乾燥後の膜厚が15μとなる様にマ
イヤーバーで塗布し、乾燥して電荷輸送層を形成し実施
例16の感光体を作成した。アゾ顔料No.47に代えて第2
表に示す他の例示顔料を用い実施例17〜24に対応する感
光体を全く同様にして作成した。
この様にして作成した感光体を780nmの半導体レーザ
ー及びそのスキャニングユニットをタングステン光源に
置きかえた静電複写紙試験装置(川口電機(株)製Mode
l SP−428)の改造機を用いてスタティック方式で−5kV
でコロナ帯電し暗所で1秒間保持した後レーザー光で露
光し帯電特性を調べた。帯電特性としては表面電位
(V0)と1秒間暗減衰させた時の電位を1/5に減衰する
に必要な露光量(E 1/5)を測定した。
また、上記感光体の分光吸収率をユニオン技研製の瞬
間マルチ測定検出器MCPD−100を用いて測定し、分光吸
収波形で急峻に立下りを示す波長λと分光吸収の800n
mにおける波高と、760nmにおける波高の比即ち(H
λ800/Hλ760)×100=F(フラットネス)の数値をと
って感光波長域の評価を行った。因みにMCPD−100の測
定波形と、フィルターを交換しつつ改造前の上記Model
SP−428を用いて得た感度波形とは極めてよい一致を示
す。上記電位特性と感光波長域測定の結果を第2表に示
す。
第2表の結果から本発明になる感光体はいずれも十分
な感度電位特性と、実用上760〜800nm間にフラットな感
光波長域を有していることが明らかである。
実施例25〜30 実施例1,2,10,16,23,24に用いた感光体を用い、繰り
返し使用時の明部電位と暗部電位の変動を測定した。方
法としては−5.6kVのコロナ帯電器、露光光学系、現像
器、転写帯電器、除電露光光学系およびクリーナーを備
えた電子写真複写機のシリンダーに感光体を貼り付けて
測定した。実施例16,23,24の感光体については780nmの
半導体レーザーを露光光学系として測定した。この複写
機はシリンダーの駆動に伴い、転写紙上に画像が得られ
る構造になっている。この複写機を用いて初期の明部電
位(VL)と暗部電位(VD)をそれぞれ−100V,−600V付
近に設定して初期VD,VLを測定し、更に5000回使用した
後のVD,VLを測定した。
実施例31 実施例1で作成した電荷発生層の上に、2,4,7−トリ
ニトロ−9−フルオレノン5gとポリ−4,4′−ジオキシ
ジフェニル−2,2′−プロパンカーボネート(分子量30
0,000)5gをテトラヒドロフラン70mlに溶解して作成し
た塗布液を乾燥後の塗工量が10g/m3となる様に塗布し、
乾燥した。
こうして作成した電子写真感光体を実施例1と同様の
方法で帯電測定を行なった。この時、帯電極性はとし
た。この結果を第4表に示す。
第4表 V0 580ボルト E1/2:3.51ux・sec 実施例32 アルミニウムシリンダー上にカゼインのアンモニア水
溶液(カゼイン11.2g,28%アンモニア水1g,水22.2ml)
を浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して塗工量1.0g/m
3の下引層を形成した。
次に、前述のトリスアゾ顔料No.32の1重量部、プチ
ラール樹脂(エスレツクBM−2:積水化学(株)製)1重
量部とイソプロピルアルコール30重量部をボールミル分
散機で4時間分散した。この分散液を先に形成した下引
層の上に浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して電荷発
生層を形成した。この時の膜厚は0.3ミクロンであっ
た。次に、4−ジフエニルアミノ−4−メトキシスチル
ベン1重量部、ポリスルホン樹脂(P1700:ユニオンカー
バイド社製)、1重量部とモノクロルベンゼン6重量部
を混合し、撹拌機で撹拌溶解した。この液を電荷発生層
の上に浸漬コーティング法で塗工し、乾燥して電荷輸送
層を形成した。この時の膜厚は、12ミクロンであった。
こうして調整した感光体に−5kVのコロナ放電を行な
った。この時の表面電位を測定した(初期電位V0)。さ
らに、この感光体を5秒間暗所で放置した後の表面電位
を測定した(暗減衰VK)。感度は、暗減衰した後の電位
VKを1/2に減衰するに必要な露光量(E 1/2マイクロジュ
ール/cm2)を測定することによって評価した。この際、
光源としてガリウム/アルミニウム/ヒ素の三元系半導
体レーザー(出力:5mW,発振波長780nm)を用いた。これ
らの結果は、次のとおりであった。
V0:−550ボルト 電位保持率:94% E 1/2:マイクロジュール/cm2 次に同上の半導体レーザーを備えた反転現像方式の電
子写真方式プリンターであるレーザービームプリンター
(キヤノン製LBP−CX)に上記感光体をLBP−CXの感光体
に置き換えてセットし、実際の画像形成テストを行っ
た。条件は以下の通りである。
一次帯電後の表面電位:−700V、像露光後の表面電
位;−150V(露光量1.2μJ/cm2)、転写電位;+700V、
現像剤極性;負極性、プロセススピード;50mm/sec、現
像条件(現像バイアス);−450V、像露光スキャン方
式;イメージスキャン、一次帯電前露光;50lux・secの
赤色全面露光、画像形成はレーザービームを文字信号及
び画像信号に従ってラインスキャンして行ったが文字、
画像共に良好なプリントが得られた。
実施例33 アルミ蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムのア
ルミ面上に膜厚0.5ミクロンのポリビニルアルコールの
被膜を形成した。
次に実施例1で用いたアゾ顔料の分散液を先に形成し
たポリビニルアルコール層の上に乾燥後の膜厚が0.5ミ
クロンとなる様にマイヤーバーで塗布し、乾燥して電荷
発生層を形成した。
次いで、構造式 のピラゾリン化合物5gとポリアリレート樹脂(ビスフエ
ノールAとテレフタル酸−イソフタル酸の縮重合体)5g
をテトラヒドロフラン70mlに溶かした液を電荷発生層の
上に乾燥後の膜厚が10ミクロンとなる様に塗布し、乾燥
して電荷輸送層を形成した。
こうして調整した感光体の帯電特性および耐久特性を
実施例と同様の方法によって測定した。この結果を第5
表に示す。
第5表の結果より感度も良く耐久使用時の電位安定性
も良好である。
実施例34 厚さ100ミクロン厚のアルミ板上にカゼインのアンモ
ニア水三液を塗布し、乾燥して膜厚0.5ミクロンの下引
層を形成した。
次に、2,4,7−トリニトロ−9−フルオレノン5gとポ
リ−N−ビルカルバゾール(数平均分子量300000)5gを
テトラヒドロフラン70mlに溶かして電荷移動錯化合物を
形成した。この電荷移動錯化合物と前記例示のトリスア
ゾ顔料No.451gを、ポリエステル樹脂(バイロン:東洋
紡製)5gをテトラヒドロフラン70mlに溶かした液に加
え、分散した。この分散液を下引層の上に乾燥後の膜厚
が12ミクロンとなる様に塗布し、乾燥した。こうした調
製した感光体の帯電特性と耐久特性を実施例1と同様の
方法によって測定した。この結果を第6表に示す。但
し、帯電特性はとした。
第6表 V0:580V E 1/2:4.5lux・sec 実施例35 実施例1で用いたカゼイン層を施したアルミ基板のカ
ゼイン層上に実施例1の電荷輸送層、電荷発生層を順次
積層し、層構成を異にする以外は実施例1と全く同様に
して感光層を形成し、実施例1と同様に帯電測定した。
但し帯電極性をとした。帯電特性を第7表に示す。
第7表 V0 580V E 1/2:3.0lux・sec 更に実施例33と帯電をにした他は同様にして耐久安
定性を評価したところ であった。
「発明の効果」 以上で明らかな如く、本発明によれば特定のアゾ顔料
を感光層に用いることにより、感光層内部に於けるキャ
リヤー発生効率ないしはキャリヤー輸送効率のいずれか
一方ないしは双方が改善され感度や耐久使用時に於ける
電位安定性のすぐれた電子写真感光体が得られる。更に
は長波長域にまで感度を有する優れた電子写真感光体が
得られる。

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基体上に感光層を有する電子写真感
    光体において、前記感光層が下記一般式[I]で示され
    るトリスアゾ顔料を含有することを特徴とする電子写真
    感光体。 (式中Ar1,Ar2,Ar3は置換基を有してもよいアリーレン
    基又は2価の複素環基を示す。Aはフェノール性水酸基
    を有するカプラー残基を示す。)
  2. 【請求項2】導電性基体上に感光層を有する電子写真感
    光体において、前記感光層が下記一般式[II]で示され
    るトリスアゾ顔料を含有することを特徴とする電子写真
    感光体。 (式中Ar1,Ar2,Ar3は置換基を有してもよいアリーレン
    基又は2価の複素環基を示す。Aはフェノール性水酸基
    を有するカプラー残基を示す。)
  3. 【請求項3】Aが下記一般式[III]〜[IX]で示され
    る特許請求の範囲第(1)項又は第(2)項記載の電子
    写真感光体。 (式[III]中のXはベンゼン環と縮合して多環芳香族
    環ないしはヘテロ環を形成するに必要な残基を示す。
    R3,R4はそれぞれ水素、置換基を有していてもよい、ア
    ルキル基、アラルキル基、アリール基、ヘテロ環基、な
    いしはR3とR4は一緒になってその結合する窒素原子とと
    もに環状アミノ基を示す。 式[IV],[V]中のR5,R6はそれぞれ置換基を有して
    いてもよい、アルキル基、アラルキル基、アリール基を
    示す。 式[VI],[VII]中のYは芳香族炭化水素の2価の基
    ないしは窒素原子を環内に含むヘテロ環の2価の基を示
    す。 式[VIII]中のR7は置換基を有していてもよい、アリー
    ル基又はヘテロ環基を示す。Xは一般式[III]中のX
    と同じ意味を表わす。 式[IX]中のR8,R9は置換基を有していてもよい、アル
    キル基、アラルキル基、アリール基又はヘテロ環基を示
    し、Xは一般式[III]中のXと同じ意味を表わす。)
  4. 【請求項4】感光層が電荷発生層と電荷輸送層を含む積
    層構造であり、前記電荷発生層が前記一般式[I]又は
    [II]のトリスアゾ顔料を含有する特許請求の範囲第
    (1)項又は第(2)項記載の電子写真感光体。
  5. 【請求項5】感光層が単層構造である特許請求の範囲第
    (1)項又は第(2)項記載の電子写真感光体。
  6. 【請求項6】前記一般式[III]において、R3(R10はハロゲン原子、ニトロ基、シアノ基、トリフル
    オロメチル基より選択される置換基を示す)であり、R4
    は水素原子である特許請求の範囲第(3)項記載の電子
    写真感光体。
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