JP2023036109A - 食品の製造方法およびレトルト食品 - Google Patents

食品の製造方法およびレトルト食品 Download PDF

Info

Publication number
JP2023036109A
JP2023036109A JP2021142922A JP2021142922A JP2023036109A JP 2023036109 A JP2023036109 A JP 2023036109A JP 2021142922 A JP2021142922 A JP 2021142922A JP 2021142922 A JP2021142922 A JP 2021142922A JP 2023036109 A JP2023036109 A JP 2023036109A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
food
pretreatment liquid
liquid
food material
producing
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2021142922A
Other languages
English (en)
Inventor
仁詩 竹治
Hitoshi Takeji
利裕 田邉
Toshihiro Tanabe
将志 厚木
Masashi ATSUGI
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyo Seikan Group Holdings Ltd
Original Assignee
Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyo Seikan Kaisha Ltd filed Critical Toyo Seikan Kaisha Ltd
Priority to JP2021142922A priority Critical patent/JP2023036109A/ja
Priority to CN202210998492.2A priority patent/CN115720980A/zh
Publication of JP2023036109A publication Critical patent/JP2023036109A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】 結着性が高いレベルで維持され、かつ、対象食材同士の剥がれやすさが良好で食べ易さや所期の外観が得られる食品の製造方法およびレトルト食品の提供。【解決手段】 食品の製造方法は、対象食材の少なくとも一部を前処理液に接触させて液処理食材を得る接触工程と、前記液処理食材を加熱処理して加熱食材を得る加熱工程と、を有する食品の製造方法であって、前記前処理液が、互いに異なる複数種の増粘多糖類を含有する溶液であることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、対象食材の食感等を改良するために加熱処理等を施す食品の製造方法およびレトルト食品に関する。
従来、レトルト食品の製造においては、対象食材を容器に収容して密封包装した後に、加熱および/または加圧することで殺菌処理を行うことが行われている。このような食品において、特に常温流通が前提となるレトルト食品においては、対象食材の種類によっては加熱殺菌時の熱によってその食感が硬くなってしまう。
こうした問題を解決するために、例えば、特許文献1には、対象食材の硬化防止のために対象食材にカラギーナンを添加した後にレトルト処理を行うことが開示されている。
特開平9-51757号公報
一方、レトルト食品においては、対象食材の柔らかさだけではなく、対象食材の各片が形状を維持できずにボロボロとなる煮崩れが生じて食べ応えが得られない、という問題もある。また、対象食材がスライスされた形状を有する場合は、容器内への気体の充填方法や密封時の押圧の仕方によっては、レトルト処理時に対象食材同士が互いに貼り付いて塊状となってしまい、容器から取り出した際や食べる際にも各片が塊状のままとなって対象食材の分離性や分散性が得られず、食べ難い上に意図した美味しそうな外観が得られない、という問題が生じることが判明した。
本発明は、上記の問題点を解決するものであって、その目的は、対象食材の結着性が高いレベルで維持され、かつ、対象食材同士の剥がれやすさが良好で食べ易さや所期の外観が得られる食品の製造方法およびレトルト食品を提供することにある。
本発明の食品の製造方法は、対象食材の少なくとも一部を前処理液に接触させて液処理食材を得る接触工程と、
前記液処理食材を加熱処理して加熱食材を得る加熱工程と、を有する食品の製造方法であって、
前記前処理液が、互いに異なる複数種の増粘多糖類を含有する溶液であることにより、前記課題を解決するものである。
本発明の食品の製造方法によれば、接触工程において対象食材に互いに異なる複数種の増粘多糖類が作用されることによって、結着性が高いレベルで維持され、かつ、対象食材同士の剥がれやすさが良好で食べ易さや所期の外観が得られる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明は、例えば容器に収容されたレトルト食品等に好適な食品を製造する方法である。本発明の食品の製造方法は、対象食材の少なくとも一部を前処理液に接触させて液処理食材を得る接触工程と、液処理食材を加熱処理して加熱食材を得る加熱工程と、を有する。さらに、後記に詳述するように、加熱工程を経て得られた加熱食材を充填した容器を密封して密封容器を得る密封工程と、密封容器を加熱して殺菌処理する殺菌工程とをさらに有してもよい。
対象食材は特に限定されるものではなく、肉類、魚介類等、公知の食材を使用することができるが、特に、対象食材をスライスした形状として用いる機会の多い肉類を使用することが好ましい。肉類としては、例えば牛肉、豚肉等の畜肉、獣肉および鶏肉等、様々な肉類を使用することができるが、これらに限定されるものではない。また、肉類の部位としては、まとまった状態で筋線維が存在する部位である、もも肉、ウデ肉、肩肉、ヒレ肉およびばら肉等を使用することが特に好ましいが、これらに限定されるものではない。
このような対象食材を必要に応じて適当な大きさにカットして以下の工程に供する。対象食材がパウチ等の容器内において重なる程度の形状や大きさである場合であって、特に対象食材がスライスされた肉類である場合に、本発明の食品の製造方法を好ましく適用することができる。スライスされた肉類の厚みは、例えば0.6~10.0mmの厚みとされる。
〔接触工程〕
接触工程においては、対象食材の少なくとも一部を前処理液に接触させる接触処理を行って液処理食材を得る。
この接触処理によって対象食材に前処理液を浸透させる。少なくとも対象食材の表層部に前処理液を浸透させれば、本発明の効果を得ることができるが、対象食材の中心部にまで前処理液を浸透させる方が、さらに結着性に優れるとともに良好な剥がれやすさが実現される食品を製造することができるという点で好ましい。
接触処理においては、対象食材の全体を前処理液に接触させてよいし、対象食材の一部を前処理液に接触させる状態としてもよい。対象食材の一部を前処理液に接触させる場合は、結着性が低下しやすい部分や軟化させたい部分だけ、例えば肉類であれば赤身などのみを部分的に接触する状態等、所望の箇所のみを接触させる方法としてもよい。
接触処理の具体的な方法としては、前処理液に対象食材を浸漬させる方法、前処理液を対象食材に対して注入する方法等が挙げられる。
対象食材を前処理液に接触させる温度は、例えば1~30℃、好ましくは下限温度が冷蔵庫等で制御しやすい温度であり上限温度を黄色ブドウ球菌が毒素を産生しない温度である4~10℃とされる。
対象食材を前処理液に接触させる時間は、例えば10分間~24時間、好ましくは1~16時間とすることが好ましい。
また、接触処理は常圧で行ってもよいし、加圧条件下で行ってもよい。
対象食材の少なくとも一部を上述した温度・時間・圧力条件で前処理液に接触させることにより、確実に対象食材の内部まで増粘多糖類を浸透させることができる。
なお、接触処理に係る温度や時間は、複数種の増粘多糖類の各濃度、対象食材の厚さ等に依存するため、上記の条件に限定されるものではない。
(前処理液)
接触処理に用いる前処理液は、互いに異なる複数種の増粘多糖類を含有する溶液である。前処理液の溶媒は水とされる。
互いに異なる複数種の増粘多糖類としては、カラギーナン(κ-カラギーナン、ι-カラギーナン、κ/ιカラギーナン)、グアーガム、キサンタンガム、ペクチン、ローカストビーンガム、カードラン、トラガントガム、アラビアガム、ジェランガム、タマリンドシードガム、カシアガム、タラガム、アルギン酸ナトリウム、寒天、グルコマンナン、大豆多糖類、プルラン、サイリウム、キトサン、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、デキストリン等の群から、互いに異なる2種類以上を選択することができる。
互いに異なる2種の増粘多糖類をそれぞれ第1の増粘多糖類と第2の増粘多糖類と称すると、第1の増粘多糖類としてカラギーナンを用いるとともに第2の増粘多糖類としてローカストビーンガム、タラガム、グアーガム等の種子粘質物を用いることが好ましく、第1の増粘多糖類としてカラギーナンを用いるとともに第2の増粘多糖類としてローカストビーンガムを用いることが特に好ましい。
上記のような種の増粘多糖類を含有する前処理液を用いる食品の製造方法によれば、増粘多糖類は食品添加物として広く使用されているため安全性が高く、入手が容易であるため、本発明を容易に実施することができる。
前処理液における第1の増粘多糖類の濃度は、0.1~3.0質量%とされることが好ましく、より好ましくは0.2~1.5質量%、さらに好ましくは0.3~1.0質量%である。
第1の増粘多糖類の濃度は、対象食材のサイズ、接触処理の時間によっても異なり、接触処理を長時間にわたって行う場合は低濃度、短時間で行う場合は高濃度とされることが好ましい傾向にある。このように、濃度や接触処理時間等を組み合わせて調製することにより、任意の結着性を維持した対象食材を有する食品を製造することができる。
前処理液における第1の増粘多糖類の含有量が過少である場合は、対象食材の結着性の向上効果を十分に得られずに煮崩れを抑止することができないおそれがある。一方、前処理液における第1の増粘多糖類の含有量が過多である場合は、前処理液の粘度が高くなりすぎて接触工程中の取り扱いが難しくなるという不具合が生じる。
前処理液における第2の増粘多糖類(種子粘質物)の濃度は、0.1~3.0質量%とされることが好ましく、より好ましくは0.1~1.0質量%、さらに好ましくは0.1~0.5質量%である。
第2の増粘多糖類の濃度は、対象食材のサイズ、接触処理の時間によっても異なり、接触処理を長時間にわたって行う場合は低濃度、短時間で行う場合は高濃度とされることが好ましい傾向にある。このように、濃度や接触処理時間等を組み合わせて調製することにより、任意の剥がれやすさを有する対象食材を有する食品を製造することができる。
前処理液における第2の増粘多糖類の含有量が過少である場合は、対象食材に剥がれやすさが十分に得られず、得られる食材が塊状となって食べ易さや意図した美味しそうな外観が得られないものとなる。一方、前処理液における第2の増粘多糖類の含有量が過多である場合は、前処理液の粘度が高くなりすぎて接触工程中の取り扱いが難しくなるという不具合が生じる。
前処理液における第1の増粘多糖類と第2の増粘多糖類との含有比率は、各成分が上記の範囲内にあれば特に限定されない。
〔加熱工程〕
加熱工程においては、接触工程を経て得られた液処理食材に対して加熱処理を行う。このとき、前処理液を除去してから液処理食材を加熱処理してもよいし、液処理食材の少なくとも一部が前処理液に接触した状態で前処理液ごと加熱処理してもよい。前処理液を除去する場合は、液処理食材の表面に存在する前処理液を拭き取る、あるいは、流水や貯留水等で洗浄する等の方法によって除去すればよい。液処理食材の少なくとも一部が前処理液に接触した状態で前処理液ごと加熱処理を行う場合においては、液処理食材の周囲にゲル状となった前処理液がまとわりついた状態で加熱処理に供することもでき、また、液状の前処理液と液処理食材とを容器内に収容した状態で加熱処理に供することもできる。
対象食材の加熱処理は、対象食材をボイル、焼成、蒸煮、フライ、マイクロ波加熱、ジュール加熱等の公知の方法で加熱することによって行われるが、これらに限定されるものではない。ボイルする場合は、対象食材を直接ボイルしてもよいし、湯煎してもよい。
加熱処理の温度は、限定されるものではないが、例えば60~100℃とされ、好ましくは80~100℃とされる。
また、加熱処理の時間は、限定されるものではないが、例えば10~600秒間とされ、好ましくは30~300秒間とされる。
加熱処理は、常圧で行ってもよく、加圧条件下で行ってもよい。
この加熱処理は、対象食材の殺菌処理を兼ねることも可能であり、対象食材の保存条件に応じて任意の殺菌条件を採用すればよい。
以上の接触工程および加熱工程を経た加熱食材は、それ自体が優れた結着性および対象食材同士の剥がれやすさが得られる食品となり得る。また、この加熱食材を容器に充填して密封した後、加圧加熱処理等の殺菌処理を行うことにより、いわゆるレトルト食品やチルド食品等を得ることができる。
〔密封工程〕
密封工程においては、加熱工程を経て得られた加熱食材を容器に充填した後、この容器を密封して密封容器を得る。加熱工程後の放置時間は特に設ける必要はなく、加熱食材は直ちに密封工程に供されればよい。
容器としては、例えば常温流通やチルド流通ができる密封性および実用強度がある袋状や硬質容器状などの容器が挙げられるが、これらに限定されるものではない。硬質容器状の容器としては、樹脂性のカップ容器の開口に例えばプラスチックフィルムをヒートシールによって密封可能に構成されたものや、金属缶の開口を金属等の剛性のある蓋で巻締められて構成される缶詰容器が挙げられる。また、袋状の容器としては、樹脂製の袋の開口をヒートシールによって密封可能に構成されたものが挙げられる。また、高温で加熱殺菌するための耐熱性、酸素ガスや光を遮断するバリア性、容易に開封を可能とする易開封性など、機能性を付与した容器としてもよい。レトルト食品が袋状の軟質容器などの密封後に外部から力が掛けられ、加熱食材にその力が伝達される形状の容器を用いて構成されている場合に特に対象食材同士の貼り付きが生じるため、袋状の軟質容器を採用する場合などに本発明を好ましく適用することができる。
このような容器は、例えばカップやパウチなどの樹脂性容器の場合は、食品側の最内層にはポリプロピレンなどの熱可塑性樹脂層、外側にはポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート,ポリブチレンテレフタレートなど)等といった樹脂層や、ポリエステル系樹脂やポリアミド系樹脂などに、ケミカルベーパーデポジション(CVD)や真空蒸着法などの公知の方法により、シリコンオキサイド等の無機物、アルミナ等のセラミック、カーボン等を蒸着することにより形成される蒸着層、あるいは公知のバリア性樹脂コーティング剤から成るコーティング層とした酸素バリア材や、公知の易引裂き性樹脂層を、接着剤を介して若しくは共押出により積層加工して作製される。また、金属缶の場合は、アルミや鋼板にスズをメッキしたブリキ等の薄板を加工して作製される。容器の容積は特に限定されない。
加熱食材を容器に充填する際には、他の食材等を同時に添加してもよいし、必要に応じて容器に気体を充填してもよい。充填する気体は、空気、窒素ガスおよび炭酸ガスなどの不活性ガスであればよい。このような気体を気体供給装置から容器に充填し、その後、容器を密封する。あるいは、気体を充填せず、バキュームシール機やバキュームシーマーを用いて密封してもよい。
〔殺菌工程〕
殺菌工程においては、密封工程後に加熱食材が充填された密封容器を例えば加熱により殺菌処理する。殺菌工程で行う殺菌処理は、常温流通を可能とするレトルト殺菌処理や、チルド流通を可能とする120℃、4分未満の加熱処理等が挙げられるが、これらに限定されず、公知の種々の殺菌処理を採用することができる。レトルト殺菌処理とは、加圧加熱処理をいい、例えば耐熱性容器に充填した製品を品温上昇に伴う製品の内圧で容器が破損しないように加圧しながら110℃~130℃程度の蒸気又は熱水で数十分間程度加熱し、少なくとも120℃4分間相当以上であるF0値=3.1以上となるように処理することをいう。レトルト殺菌処理はバッチ式レトルト殺菌装置、連続式レトルト殺菌装置等の公知のレトルト殺菌装置を用いることができる。また、チルド流通可能な加熱殺菌は、例えば、一般的に多く用いられる90℃10分間相当以上の加熱処理することをいうが、バッチ式レトルト殺菌装置、連続式レトルト殺菌装置を用いて同条件の殺菌を行ってもよい。
以上、本発明の実施形態に係る食品の製造方法について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の実施例および比較例について説明する。
牛ばら肉(対象食材)を70×30×1.8mmの大きさにスライスするとともに、表1に示す2種の増粘多糖類を含有する前処理液を調製した。そして、牛ばら肉の全部が前処理液に浸漬される状態で、5℃で16時間浸漬した(接触工程)後、牛ばら肉を前処理液から取り出さずに前処理液ごと90℃の熱水中で1分間ボイルした(加熱工程)。ボイル後、牛ばら肉(加熱食材)を熱水中から引き上げ、3片を注液である水と共に容器(スタンディングパウチ(透明、層構成:外側から厚み12μmのアルミナの蒸着させた蒸着ポリエチレンテレフタレート/厚み15μmのナイロン/厚み70μmの無延伸ポリプロピレン、150×150mm(下部折り込み高さ41mm)、東洋製罐株式会社製))に充填(内容総量120g)し、ヒートシールによって密封した(密封工程)。密封時には、市販品の実情に合わせてヘッドスペースに空気(10mL)を封入した。密封後、蒸気加圧殺菌シャワー冷却(殺菌温度:120℃、殺菌時間:25分間、殺菌圧力0.150MPa、加圧冷却3分間、圧降時間10分間)を行った(殺菌工程)。
前処理液における溶媒は水であり、前処理液における各増粘多糖類の濃度は表1に示す通りである。これらを、それぞれサンプル〔1〕~〔4〕とする。
Figure 2023036109000001
(結着性)
得られたサンプルについて、下記の評価基準に従って結着性を評価した。結果を表1に示す。
本発明において、結着性が合格ライン(A)であれば実用性を有して煮崩れが抑制されていると評価した。
-結着性の評価基準-
A:肉片を箸で持ち上げることができ、5秒間より長く、肉片が崩れず箸で持ち上げた姿勢を維持することができる(合格)。
B:肉片を箸で持ち上げることができるが、5秒間以内に肉片が崩れる(不合格)。
C:パウチから取り出す際に肉片が崩れる、または、肉片を箸で持ち上げることができずに肉片が切れてしまう(不合格)。
(剥がれやすさ)
得られたサンプルについて、下記の評価基準に従って対象食材同士の剥がれやすさを評価した。結果を表1に示す。
本発明において、剥がれやすさが合格ライン(A)であれば実用性を有して食材が分離して均一感が得られると評価した。
-剥がれやすさの評価基準-
A:肉片の1片を箸で持ち上げたときに、他の肉片と塊状となって共に持ち上げられることなく、他の肉片から分離することができる(合格)。
B:肉片の1片を箸でつまめるが、持ち上げたときに他の肉片と塊状となって共に持ち上げられてしまい、塊状の肉片を箸で振れば剥がれる場合もあるが、箸でつまんだままでは他の肉片から分離させることが困難である(不合格)。
C:肉片同士が明らかな塊状となっており、肉片の1片を箸でつまむことができず、塊状の肉片を箸で振っても分離させることができない(不合格)。
表1から明らかなように、カラギーナンを含有するがローカストビーンガムを含有しない前処理液を用いたサンプルにおいては肉片同士の剥がれやすさが得られず、一方、前処理液にローカストビーンガムが含有されている場合は肉片同士の剥がれやすさが向上することが確認された。また、ローカストビーンガムを含有するがカラギーナンを含有しない前処理液を用いたサンプルにおいては結着性が得られずに煮崩れが発生し、一方、前処理液にカラギーナンが含有されている場合は結着性が得られて煮崩れの発生が抑制されることが確認された。
以上の結果から、本発明の食品の製造方法は、対象食材の結着性が高いレベルで維持され、かつ、対象食材同士の剥がれやすさが良好とすることができる方法であることが確認された。
本発明の食品の製造方法は、缶、カップ、パウチなどの様々な容器に収容されたレトルト食品やチルド食品の下処理方法に応用できる。

Claims (10)

  1. 対象食材の少なくとも一部を前処理液に接触させて液処理食材を得る接触工程と、
    前記液処理食材を加熱処理して加熱食材を得る加熱工程と、を有する食品の製造方法であって、
    前記前処理液が、互いに異なる複数種の増粘多糖類を含有する溶液であることを特徴とする食品の製造方法。
  2. 前記複数種の増粘多糖類として、カラギーナンおよび種子粘質物を用いることを特徴とする請求項1に記載の食品の製造方法。
  3. 前記種子粘質物としてローカストビーンガムを用いることを特徴とする請求項2に記載の食品の製造方法。
  4. 前記前処理液における前記カラギーナンの濃度が、0.1~3.0質量%であることを特徴とする請求項2または請求項3に記載の食品の製造方法。
  5. 前記前処理液における前記ローカストビーンガムの濃度が、0.1~3.0質量%であることを特徴とする請求項2乃至請求項4のいずれかに記載の食品の製造方法。
  6. 前記対象食材がスライスされた肉類であることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の食品の製造方法。
  7. 前記加熱食材を充填した容器を密封して密封容器を得る密封工程と、前記密封容器を加熱して殺菌処理する殺菌工程とをさらに有することを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の食品の製造方法。
  8. 前記殺菌工程が、常温流通が可能となるよう殺菌処理することを特徴とする請求項7に記載の食品の製造方法。
  9. 請求項7または請求項8に記載の食品の製造方法によって得られることを特徴とするレトルト食品。
  10. 前記密封容器が、開口を有する樹脂製の袋であってその開口がヒートシールによって密封可能に構成されたものであることを特徴とする請求項9に記載のレトルト食品。

JP2021142922A 2021-09-02 2021-09-02 食品の製造方法およびレトルト食品 Pending JP2023036109A (ja)

Priority Applications (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021142922A JP2023036109A (ja) 2021-09-02 2021-09-02 食品の製造方法およびレトルト食品
CN202210998492.2A CN115720980A (zh) 2021-09-02 2022-08-19 食品的制造方法以及蒸煮食品

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2021142922A JP2023036109A (ja) 2021-09-02 2021-09-02 食品の製造方法およびレトルト食品

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2023036109A true JP2023036109A (ja) 2023-03-14

Family

ID=85292851

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2021142922A Pending JP2023036109A (ja) 2021-09-02 2021-09-02 食品の製造方法およびレトルト食品

Country Status (2)

Country Link
JP (1) JP2023036109A (ja)
CN (1) CN115720980A (ja)

Family Cites Families (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3946528B2 (ja) * 2001-03-30 2007-07-18 三栄源エフ・エフ・アイ株式会社 煮物及び煮物の煮くずれ並びに硬化防止方法
JP2002315519A (ja) * 2001-04-25 2002-10-29 Ina Food Ind Co Ltd 食品の原材料の型崩れ防止剤及び食品の原材料の食感保持剤、これらが添加されている食品の原材料、並びにこの食品の原材料から得られる食品
JP2006304719A (ja) * 2005-04-28 2006-11-09 Q P Corp 具材入りレトルト液状食品の製造方法
JP7317584B2 (ja) * 2019-06-14 2023-07-31 ハウス食品株式会社 加工挽肉及びその製造方法
CN111772170A (zh) * 2020-07-14 2020-10-16 周益俊 一种用于食物软化的发酵处理粉剂及食物软化方法

Also Published As

Publication number Publication date
CN115720980A (zh) 2023-03-03

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPWO2014087705A1 (ja) 硬質容器入り食品およびその製造方法
US11064708B2 (en) Process to produce safe pasteurized shrimp and other shellfish of high sensory quality and extended refrigerated shelf-life
JP6628922B1 (ja) 包装された調理済魚介製品およびその製造方法
JP6923986B1 (ja) 容器詰麺類入り加工食品の製造方法
CN113428438A (zh) 一种即食食品的杀菌保鲜方法及其应用
TWI424816B (zh) Processing solid food and its manufacturing method
JP2023036109A (ja) 食品の製造方法およびレトルト食品
JP3374217B2 (ja) 食品の製造方法
KR20170087790A (ko) 꼬막통조림의 제조방법 및 꼬막통조림
JPH02255051A (ja) 軸付とうもろこしのレトルト加工方法
JP2022077499A (ja) 食品の製造方法
JP2023086426A (ja) 食品の製造方法および食品
JP2024002652A (ja) 食品の製造方法および密封容器入り加熱調理済み食品
JP4538432B2 (ja) 殺菌処理済み煮豆食品包装体及び殺菌処理済み煮豆食品包装体の製造方法
JP5043875B2 (ja) 容器入り即食リゾットの製造方法
JPH0423973A (ja) 具の固定化されたレトルト包装食品
CN107019170A (zh) 一种方便即食白煮蛋及其制备方法
CN105595179A (zh) 一种荷包腊味饭
JP3562536B2 (ja) 常温保存可能な調理済食品の製造方法
JP2016036293A (ja) スペアリブ製品の製造方法
JP2002281918A (ja) 成形容器詰めレトルト食品の製造方法及びレトルト食品
JP3117068B2 (ja) 調味ソースの製造方法
TW202119930A (zh) 製造收容於容器之食品的方法
CN105639299A (zh) 风味烤鸡的制作工艺
JP3599406B2 (ja) 肉ジャガのレトルト加工方法

Legal Events

Date Code Title Description
RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20221101