JP2002315519A - 食品の原材料の型崩れ防止剤及び食品の原材料の食感保持剤、これらが添加されている食品の原材料、並びにこの食品の原材料から得られる食品 - Google Patents

食品の原材料の型崩れ防止剤及び食品の原材料の食感保持剤、これらが添加されている食品の原材料、並びにこの食品の原材料から得られる食品

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JP2002315519A JP2001127589A JP2001127589A JP2002315519A JP 2002315519 A JP2002315519 A JP 2002315519A JP 2001127589 A JP2001127589 A JP 2001127589A JP 2001127589 A JP2001127589 A JP 2001127589A JP 2002315519 A JP2002315519 A JP 2002315519A
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Katsuhiro Shiba
克宏 柴
Makiko Anezaki
真紀子 姉嵜
Yuji Uzuhashi
祐二 埋橋
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INA Food Industry Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】豆類、芋類、野菜類、魚類などの食品の原材料
を煮込んだり、長時間漬けても、煮崩れなどの型崩れが
生じることを防止することができる食品の原材料の型崩
れ防止剤、及び軟化して食感が変化するのを防止するこ
とができる食品の原材料の食感保持剤を提供することで
ある。 【解決手段】アラビアガム、大豆多糖類、プルラン、ア
ラビノガラクタン、低粘性グアーガム、低粘性ローカス
トビーンガム、低粘性タラガム、低粘性タマリンドガム
及び低粘性コンニャクマンナンのうち少なくとも1以上
からなる糊料が含まれていることを特徴とする食品の原
材料の型崩れ防止剤及び食品の原材料の食感保持剤であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食品の原材料の型
崩れ防止剤及び食品の原材料の食感保持剤、これらが添
加されている食品の原材料、並びにこの食品の原材料か
ら得られる食品に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、我が国において豆類、芋類、
野菜類又は魚類などは、煮込むことによって煮物として
食される場合があり、また野菜類などは、長時間調味液
などに漬けることによって漬物として食される場合があ
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一般に、例え
ば甘納豆、赤飯及び鹿の子などを作るときなど、小豆に
代表される豆類を煮上げるときに、腹割れといった皮が
破れて割れてしまう現象が起こる場合がある。腹割れが
起きないように豆類を煮上げるためには、豆類を金網籠
に入れておどらせないように煮上げるなど熟練した技術
を必要としている。このような腹割れは、例えば生の小
豆が吸水し膨張比が高い状態で加熱されるため生じてし
まうと考えられる。また、近年、甘味離れにより加糖さ
れた糖類の糖濃度が下げられる傾向にあるため、低糖度
の豆類は、腹割れをより起こし易い傾向にある。特に、
善哉や田舎しる粉などは、その価値としていかに腹割れ
が生じないかが重要である。
【0004】さらに、豆類以外の栗や芋についても同様
の問題があり、煮崩れによって、和菓子のみならず、マ
ロングラッセなどの洋菓子についての商品価値が著しく
低下する場合がある。また、シロップに浸漬した実の甘
露煮の流通などにおいて、搬送における物理的衝撃によ
って実が壊れ、商品価値が低下する場合がある。さら
に、イチゴやマンゴなどの果実や野菜の砂糖漬若しくは
シロップ漬などの漬物又はプレザーブなどのジャムにお
いても、長時間漬けることにより型崩れが生じる場合が
あり、かぼちゃ、じゃがいも、里芋、ゆりねなどの野菜
類も惣菜として長時間煮ることにより、煮崩れが生じる
場合がある。またさらに、ダイコンなどのおでんの具な
ども長時間加熱することにより味が染み込む利点がある
が、逆に素材の組織が壊れて具の持つ食感の良さを損
い、魚介類などの佃煮も同様に煮崩れにより商品価値が
低下する場合がある。
【0005】一方、果実や野菜などを加熱することによ
り軟化して、食感として本来望ましいシャキット感や歯
ごたえが失ってしまう場合があり、コーンやアスパラガ
スなども水煮によって食感が変化してしまう。また、野
菜の浅漬けなども食感を変化させてしまう場合がある。
【0006】そこで、本発明は、豆類、芋類、野菜類、
魚類などの食品の原材料を煮込んだり、長時間漬けて
も、煮崩れなどの型崩れが生じることを防止することが
できる食品の原材料の型崩れ防止剤を提供することを第
1の目的とする。
【0007】また、本発明は、豆類、芋類、野菜類、魚
類などの食品の原材料を煮込んだり、長時間漬けても、
軟化して食感が変化するのを防止することができる食品
の原材料の食感保持剤を提供することを第2の目的とす
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記第1の
目的を達成するために、鋭意研究を重ねた結果、アラビ
アガム、大豆多糖類、プルラン、アラビノガラクタン、
低粘性グアーガム、低粘性ローカストビーンガム、低粘
性タラガム、低粘性タマリンドガム及び低粘性コンニャ
クマンナンのうち少なくとも1以上からなる糊料を添加
することにより、豆類、芋類、野菜類、魚類などの食品
の原材料を煮込んだり、長時間漬けるなどの料理を行っ
ても、食品の原材料の煮崩れなどの型崩れが生じること
を防止することができることを見出した。
【0009】また、本発明者は、上記第2の目的を達成
するために鋭意研究を重ねた結果、アラビアガム、大豆
多糖類、プルラン、アラビノガラクタン、低粘性グアー
ガム、低粘性ローカストビーンガム、低粘性タラガム、
低粘性タマリンドガム及び低粘性コンニャクマンナンの
うち少なくとも1以上からなる糊料を添加することによ
り、豆類、芋類、野菜類、魚類などの食品の原材料を煮
込んだり、長時間漬けるなどの料理を行っても、食品の
原材料が軟化して食感が変化して、シャキット感や歯ご
たえが失ってしまうのを防止することができることを見
出した。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明に係る食品の原料の型崩れ
防止剤及び食感保持剤において、低粘性グアーガム、低
粘性ローカストビーンガム、低粘性タラガム、低粘性タ
マリンドガム及び低粘性コンニャクマンナンとは、グア
ーガム、ローカストビーンガム、タラガム、タマリンド
ガム及びコンニャクマンナンを酵素又は酸・熱などによ
る加水分解により低粘度に調整されたものである。具体
的には、3重量%水溶液のときの20℃の粘度が0.5
〜300mPa・s、特に3.0〜50mPa・sに調
整されたものである。本発明において糊料の粘度は、B
型粘度計で測定した値である。
【0011】本発明に係る食品の原材料の型崩れ防止剤
及び食感保持剤が用いられる食品の原材料としては、小
豆などの豆類、里芋などの芋類、かぼちゃ、トウモロコ
シ、アスパラ、ダイコン、及びきゅうりなどの野菜類、
イチゴなどの果物類、茎わかめなどの海藻類、わかさぎ
などの魚類、並びにはんぺんなどの練物類などがある。
【0012】これら食品の原材料から得られる食品とし
ては、善哉、かぼちゃの煮付け、里芋の白煮、アスパラ
ガスの水煮、おでん、佃煮、及び甘露煮などの煮物、浅
漬け、砂糖漬、及びシロップ漬の漬物、並びにプレザー
ブなどのジャムなどがある。
【0013】本発明に係る食品の原材料の型崩れ防止剤
及び食感保持剤は、食品の原材料に調味液などを加える
際に単に添加しても良く、また予め食品の原材料の表面
にコーティングしておいても良い。
【0014】
【実施例】実験例1 先ず、本発明に係る食品の原材料の型崩れ剤の効果につ
いて、生餡を用いて実験例を行った。生餡1kgに水を
加えて沸騰加熱して1.3kgの均質化した餡液を作っ
た。その餡液を5つの容器それぞれに充填し、これにア
ラビアガム(伊那食品工業(株)製)を0、0.25、
0.5、1.0、2.0重量%になるように加えて12
1℃で30分間レトルト殺菌した。殺菌後の餡粒子の状
態について走査型電子顕微鏡(日立製作所S―420
0)によって観察した。この100倍の顕微鏡写真を図
1乃至5に示す。図1乃至5から明らかなように、アラ
ビアガムが含有されたものは、餡粒子の崩壊(澱粉の流
出)がなく糊状感のない餡であった。
【0015】実験例2 次に、本発明に係る食品の原材料の型崩れ防止剤及び食
感保持剤としてアラビアガムを食品の原材料に添加した
善哉について説明する。先ず、小豆を一晩水漬け後に沸
騰加熱し、冷水をかけて渋きりを行い、再度加熱し水切
りした(この状態を以下、「茹で小豆」という)。その
後、この茹で小豆に表1に示す配合で砂糖、水及びアラ
ビアガムを加えて容器に詰めて、レトルト加熱(121
℃、30分)を行って、実施例1乃至3は糖度30度、
実施例4乃至6は糖度50度に調整して善哉を作った。
また、同様に、表1に示す配合で容器に詰めて、レトル
ト加熱(121℃、30分)を行って、比較例1は糖度
30度、比較例2は糖度50度に調整して善哉を作っ
た。
【0016】
【表1】
【0017】また、これら実施例2及び3並びに比較例
1に係る善哉について目視で観察した。この善哉の状態
写真を図6乃至8に示す。図6乃至8から明らかなよう
に、アラビアガムを添加することにより腹割れが少なく
なることが分かる。さらに、低糖度の善哉であっても、
アラビアガムの濃度を上げることにより腹割れを防止す
ることができることが分かる。
【0018】実験例3 次に、実験例2と同様に得られた茹で小豆に表2に示す
配合で大豆多糖類(三栄源エフエフアイ(株)製)、プ
ルラン((株)林原商事製)、アラビノガラクタン(M
RCポリサッカライド(株)製)などを容器に詰めて、
レトルト加熱(121℃、30分)して糖度30度に調
整して善哉を作った。
【0019】
【表2】
【0020】実施例7乃至12について重量測定によっ
て膨潤率(それぞれの糊料をいれない(無添加)ものを
100としたときの比率)を測定した。その結果を表3
に示す。表3から明らかなように、実施例7乃至12に
係る善哉は、膨潤を抑えて割れも少ないという結果を得
た。
【0021】
【表3】
【0022】また、これら実施例7乃至12に係る善哉
について目視にて観察した。この善哉の状態写真を図9
乃至14に示す。図9乃至14から明らかなように、そ
れぞれの糊料を添加することにより腹割れが少なくなる
ことが分かる。
【0023】さらに、実施例7及び12に係る善哉につ
いての食感についてパネラー8名で官能試験を行った。
その結果、実施例7乃至12に係る善哉は、食味におい
ても好ましいという評価を得た。
【0024】実験例4 次に、本発明に係る食品の原材料の型崩れ防止剤及び食
感保持剤としてアラビアガムを食品の原材料に添加した
かぼちゃの煮付けについて説明する。先ず、角切にした
かぼちゃ300gと調味料(砂糖4%、醤油6%、みり
ん3%含有)700gにアラビアガムを1.0、2.0
及び0重量%添加して容器に詰めてレトルト加熱(11
5℃、40分)することによって、実施例13(1重量
%)及び14(2重量%)、並びに比較例3(0重量
%)に係るかぼちゃの煮付けを作った。実施例14及び
比較例3に係るかぼちゃの煮付けの写真を図15及び1
6に示す。
【0025】また、かぼちゃの溶け出した量を測定する
ため、調味液を濾過し、その濾液の量を測定した。その
結果を表4に示し、実施例14及び比較例3の濾液の写
真を図17及び18に示す。このようにアラビアガムを
添加することによってかぼちゃの溶け出し量が少なくな
ること、すなわちかぼちゃの煮崩れが少ないことが分か
る。
【0026】
【表4】
【0027】さらに、実施例13及び14並びに比較例
3に係るかぼちゃの煮付けの食感についてパネラー8名
で官能試験を行った。その結果、アラビアガムを入れた
実施例13及び14の方が、比較例3に比し8人とも、
味が染み込んで柔らかく煮えているにも拘らず、どろっ
とせず、しっかりした食感があるという評価を得た。
【0028】実験例5 次に、本発明に係る食品の原材料の型崩れ防止剤及び食
感保持剤としてアラビアガムを食品の原材料に添加した
里芋の白煮について説明する。先ず、面をつけながら剥
いた里芋を水煮しあくをとり、この里芋400gと調味
液(砂糖5%、白だし8%含有)にアラビアガムを1.
0、2.0及び0重量%を添加して容器に詰めてレトル
ト加熱(115℃、40分)することにより、実施例1
5(1重量%)及び16(2重量%)、並びに比較例4
(0重量%)に係る里芋の白煮を作った。
【0029】里芋の溶け出した量を測定するため、調味
液を濾過し、その量を測定した。その結果を表5に示
し、濾過された調味液の写真を図19乃至21に示す。
このようにアラビアガムを添加することによって里芋の
溶け出し量が少なくなること、すなわち里芋の煮崩れが
少ないことが分かる。
【0030】
【表5】
【0031】さらに、実施例15及び16並びに比較例
4に係る里芋の白煮の食感について、パネラー8名で官
能試験を行った。その結果、アラビアガムを入れた実施
例15及び16の方が比較例14に比し、味が染み込ん
で柔らかく煮えているにも拘らず、まわりのぬめりが少
なくしっかりした食感があるとの評価を得た。
【0032】実験例6 次に、本発明に係る食品の原材料の型崩れ防止剤及び食
感保持剤としてアラビアガムを食品の原材料に添加した
コーンについて説明する。先ず、トウモロコシの粒をア
ラビアガム1、2及び0重量%がそれぞれ添加された水
に加えて、コーンのホールスタイル缶詰としてレトルト
加熱(115℃、40分)することによって、実施例1
7(1重量%)及び18(2重量%)、並びに比較例5
(0重量%)に係るコーンを得た。
【0033】実施例17及び18並びに比較例5に係る
コーンについて初期と3ヶ月後の食感についてパネラー
8名で官能試験を行った。その結果、缶詰した初期及び
3ヵ月後のいずれのときもアラビアガムを入れた実施例
17及び18の方が、比較例5に比し8人ともしっかり
した食感(シャキリとして固さがある)という評価を得
た。
【0034】実験例7 次に、本発明に係る食品の原材料の型崩れ防止剤及び食
感保持剤としてアラビアガムを食品の原材料に添加した
ホワイトアスパラガスについて説明する。先ず、ホワイ
トアスパラガスをアラビアガム1.0、2.0及び0重
量%がそれぞれ添加された水に加えて、ホワイトアスパ
ラガスの水煮缶詰とし、それらについてレトルト加熱
(115℃、40分)することによって、実施例19
(1重量%)及び20(2重量%)並びに比較例6(0
重量%)に係るホワイトアスパラガスを得た。
【0035】実施例19及び20並びに比較例6に係る
ホワイトアスパラガスの水煮缶詰について初期と3ヶ月
後の食感についてパネラー8人で官能検査を行った。そ
の結果、缶詰した初期及び3ヵ月後のいずれのときもア
ラビアガムを入れた実施例19及び20に係るホワイト
アスパラガスの方が、比較例6に比し8人ともしっかり
した食感(シャキリとして固さがある)という評価を得
た。
【0036】また、実施例19及び20並びに比較例6
に係るホワイトアスパラガスについて、レトルト加熱前
とレトルト加熱後の膨潤率を重量測定によって測定し
た。比較例6を100とした場合の結果を表6に示す。
表6から明らかなように吸水膨潤が抑えられていること
が分かる。
【0037】
【表6】
【0038】実験例8 次に、本発明に係る食品の原材料の型崩れ防止剤及び食
感保持剤としてアラビアガムを食品の原材料に添加した
おでんについて説明する。先ず、はんぺん、餅きんちゃ
く、ダイコン、昆布巻きを具材として、アラビアガム
2.0及び0重量%加えた出し汁で煮込んだおでんを実
施例21(2重量%)及び比較例7(0重量%)として
作った。
【0039】実施例21及び比較例7に係るおでんの3
時間煮込んだものとさらに9時間加熱(90℃)し続け
たものの食感についてパネラー8人で官能検査を行っ
た。その結果、3時間及びさらに9時間加熱したいずれ
のものもアラビアガムが添加された実施例21に係るお
でんの方が、比較例7に比し8人ともしっかりした食感
(シャキリとして固さがある)で味の染み込みも良いと
いう評価を得た。特に、さらに9時間加熱し続けたもの
ではその差が顕著であることがこの官能検査により分か
った。
【0040】また、これら実施例21及び比較例7にお
ける大根の状態を目視にて観察した。その状態写真を図
22及び23に示す。さらに9時間加熱し続けた実施例
21及び比較例7に係るおでんのダイコンの強度につい
て、レオメーター(サン科学社製)によって測定した。
その結果を表7に示す。表7に示すように、アラビアガ
ムが添加された実施例21に係るおでんのダイコンの方
が、強度を有すること、すなわち煮崩れが生じ難いこと
及び味の染み込みすぎないことが分かる。特に、近年コ
ンビニエンスストア等において長時間加熱し続けられる
おでんに対して有効であることが分かる。
【0041】
【表7】
【0042】実験例9 次に、本発明に係る食品の原材料の型崩れ防止剤及び食
感保持剤としてアラビアガムを食品の原材料に添加した
茎わかめの佃煮について説明する。先ず、茎わかめ20
0gを短冊に切り、調味液300g(水飴10%、砂糖
50%、醤油38%、みりん2%含有)を加え、さらに
アラビアガム2.0及び0重量%それぞれを添加し、そ
れらについてレトルト加熱(115℃、40分)するこ
とによって、実施例22(2重量%)及び比較例8(0
重量%)に係る茎わかめの佃煮を作った。
【0043】実施例22及び比較例8に係る茎わかめの
佃煮の食感についてパネラー8人で官能検査を行った。
その結果、アラビアガムが添加された実施例22に係る
茎わかめの佃煮の方が、比較例8に比し8人とも海藻の
ヌメリがなく優れた食感という評価を得た。
【0044】また、実施例22及び比較例8に係る茎わ
かめの佃煮について、レトルト加熱前とレトルト加熱後
の膨潤率を重量比較によって測定した。比較例8を10
0とした場合の結果を表8に示す。表8から明らかなよ
うにアラビアガムを添加したものが食感がしっかりして
いることが分かる。
【0045】
【表8】
【0046】実験例10 次に、本発明に係る食品の原材料の型崩れ防止剤及び食
感保持剤としてアラビアガムを食品の原材料に添加した
わかさぎの甘露煮について説明する。先ず、わかさぎ2
00gに調味液300g(水飴15%、砂糖47%、醤
油38%)を加え、さらにアラビアガム2.0及び0重
量%をそれぞれ添加し、それらについてレトルト加熱
(115℃、40分)することによって、実施例23
(2重量%)及び比較例9に係るわかさぎの甘露煮を作
った。
【0047】実施例23及び比較例9に係るわかさぎの
甘露煮の食感についてパネラー8人で官能検査を行っ
た。その結果、アラビアガムが添加された実施例23に
係るわかさぎの甘露煮の方が、比較例9に比し8人とも
煮崩れも少なく、しっかりした食感という評価を得た。
【0048】また、実施例23及び比較例9に係るわか
さぎの甘露煮について、レトルト加熱後の重量比率を測
定したところ、比較例9のものを100とした場合、表
9に示す結果となった。表9から明らかなようにアラビ
アガムを添加したものの方が食感がしっかりしているこ
とが分かった。
【0049】
【表9】
【0050】実験例11 次に、本発明に係る食品の原材料の型崩れ防止剤及び食
感保持剤としてアラビアガムを食品の原材料に添加した
きゅうりの浅漬けについて説明する。先ず、きゅうりを
浅漬けの素に浸し、それにアラビアガム2.0及び0重
量%を添加して、3時間漬けることによって、実施例2
4(2重量%)及び比較例10(0重量%)に係るきゅ
うりの浅漬けを得た。
【0051】実施例24及び比較例10に係るきゅうり
の浅漬けの食感についてパネラー8人で官能検査を行っ
た。その結果、アラビアガムが添加された実施例24に
係るきゅうりの浅漬けの方が、比較例10に比し8人と
も味が浸透するとともに、歯ざわりの良い食感という評
価を得た。
【0052】また、実施例24及び比較例10に係るき
ゅうりの浅漬けについて、漬ける前のきゅうりの重量を
100として、測定した結果を表10に示す。表10か
ら明らかなようにアラビアガムを添加したものの方が食
感がしっかりしていることが分かった。
【0053】
【表10】
【0054】
【発明の効果】以上のように、本発明によれば、アラビ
アガム、大豆多糖類、プルラン及びアラビノガラクタン
のうち少なくとも1以上からなる糊料を添加することに
より、豆類、芋類、野菜類、魚類などの食品の原材料を
煮込んだり、長時間漬けるなどの料理を行っても、食品
の原材料の煮崩れなどの型崩れが生じることを防止する
ことができ、また食品の原材料が軟化して食感が変化し
て、シャキット感や歯ごたえが失ってしまうのを防止す
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】アラビアガム無添加の餡粒子の状態の走査型電
子顕微鏡写真(100倍)である。
【図2】0.25重量%アラビアガム添加の餡粒子の状
態の走査型電子顕微鏡写真(100倍)である。
【図3】0.5重量%アラビアガム添加の餡粒子の状態
の走査型電子顕微鏡写真(100倍)である。
【図4】1.0重量%アラビアガム添加の餡粒子の状態
の走査型電子顕微鏡写真(100倍)である。
【図5】2.0重量%アラビアガム添加の餡粒子の状態
の走査型電子顕微鏡写真(100倍)である。
【図6】実施例2に係る善哉の写真である。
【図7】実施例3に係る善哉の写真である。
【図8】比較例1に係る善哉の写真である。
【図9】実施例7に係る善哉の写真である。
【図10】実施例8に係る善哉の写真である。
【図11】実施例9に係る善哉の写真である。
【図12】実施例10に係る善哉の写真である。
【図13】実施例11に係る善哉の写真である。
【図14】実施例12に係る善哉の写真である。
【図15】実施例14に係るかぼちゃの煮付けの写真で
ある。
【図16】比較例3に係るかぼちゃの煮付けの写真であ
る。
【図17】実施例14に係るかぼちゃの煮付けの濾液の
写真である。
【図18】比較例3に係るかぼちゃの煮付けの濾液の写
真である。
【図19】実施例15に係る里芋の白煮の濾液の写真で
ある。
【図20】実施例16に係る里芋の白煮の濾液の写真で
ある。
【図21】比較例4に係る里芋の白煮の濾液の写真であ
る。
【図22】実施例21に係る大根の写真である。
【図23】比較例7に係る大根の写真である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 埋橋 祐二 長野県伊那市西春近5074番地 伊那食品工 業株式会社内 Fターム(参考) 4B016 LC05 LE03 LG06 LG10 LK09 LP04 LP06 4B020 LB27 LB30 LC04 LG08 LK05 LK06 LP02 LP04 4B035 LC03 LE05 LG20 LG32 LG33 LG42 LP06 LP26 4B041 LC03 LC07 LD01 LD03 LH07 LH08 LH09 LH17 LP09 4B069 AA01 HA01 HA18 KA10 KB03 KC29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アラビアガム、大豆多糖類、プルラン、
    アラビノガラクタン、低粘性グアーガム、低粘性ローカ
    ストビーンガム、低粘性タラガム、低粘性タマリンドガ
    ム及び低粘性コンニャクマンナンのうち少なくとも1以
    上からなる糊料が含まれていることを特徴とする食品の
    原材料の型崩れ防止剤。
  2. 【請求項2】 アラビアガム、大豆多糖類、プルラン、
    アラビノガラクタン、低粘性グアーガム、低粘性ローカ
    ストビーンガム、低粘性タラガム、低粘性タマリンドガ
    ム及び低粘性コンニャクマンナンのうち少なくとも1以
    上からなる糊料が含まれていることを特徴とする食品の
    原材料の食感保持剤。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の食品の原材料の型崩れ防
    止剤及び請求項2記載の食品の原材料の食感保持剤のう
    ち少なくとも1以上が添加されていることを特徴とする
    食品の原材料。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の食品の原材料の型崩れ防
    止剤及び請求項2記載の食品の原材料の食感保持剤のう
    ち少なくとも1以上で表面がコーティングされているこ
    とを特徴とする食品の原材料。
  5. 【請求項5】 請求項3又は4記載の食品の原材料から
    得られることを特徴とする食品。
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