JP2023011741A - アクチビン-ActRIIアンタゴニスト並びに骨障害及び他の障害の治療に対する使用 - Google Patents

アクチビン-ActRIIアンタゴニスト並びに骨障害及び他の障害の治療に対する使用 Download PDF

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Abstract

【課題】低回転型骨障害を治療する方法の提供。【解決手段】対象における低回転型骨障害を治療する方法は、治療有効量のActRIIインヒビターを、低回転型骨障害の治療を必要とする対象に投与することを含む。さらに本明細書に提供されるのは、腎疾患と関連している骨障害の治療のための組成物並びに低代謝回転骨障害及び血管石灰化の治療のための組成物である。【選択図】図1

Description

本出願は、その各々の開示が引用により完全に本明細書中に組み込まれる、2012年11月
2日に出願された米国仮特許出願第61/721,898号、及び2012年12月21日に出願された米国
仮特許出願第61/740,665号に対する優先権を主張する。
(1.序論)
本明細書に提供されるのは、腎疾患、例えば、慢性腎疾患-骨ミネラル障害(「CKD-MBD
」)と関連している骨障害の治療方法であって、該治療を必要とする対象へのアクチビン-
ActRIIインヒビターの投与を含む、方法である。また本明細書に提供されるのは、低代謝
回転骨障害の治療のための方法及び組成物であり、ここで、該方法は、該治療を必要とす
る対象へのアクチビン-ActRIIインヒビターの投与を含む。また本明細書に提供されるの
は、腎疾患と関連している骨障害の治療のための組成物並びに低代謝回転骨障害及び血管
石灰化の治療のための組成物である。
(2.背景)
骨の成長及び石化は、破骨細胞及び骨芽細胞という2つの細胞型の活性に依存するが、
軟骨細胞及び血管系の細胞もこれらのプロセスの極めて重要な局面に関与する。発生的に
、骨形成は、軟骨内骨化及び膜内骨化という2つの機構を介して起こり、前者は、縦方向
の骨形成に関与し、後者は、頭蓋骨などのトポロジー的に平らな骨の形成に関与する。軟
骨内骨化は、骨芽細胞、破骨細胞、血管系の形成、及びその後の石灰化の鋳型としての役
割を果たす成長板における軟骨構造の連続的な形成及び破壊を必要とする。膜内骨化の間
、骨は、結合組織で直接形成される。両プロセスは、骨芽細胞の浸潤及びその後の基質沈
着を必要とする。
慢性腎疾患は、ミネラル恒常性の進行性の低下と関連しており、リン及びカルシウムの
正常な血清及び組織濃度の乱れ、並びに副甲状腺ホルモン、25-ヒドロキシビタミンD、1,
25-ジヒドロキシビタミンD、他のビタミンD代謝体、線維芽細胞成長因子-23、及び成長ホ
ルモンなどの循環ホルモンの変化を伴う。慢性腎疾患-骨ミネラル障害(CKD-MBD)、国際腎
臓病予後改善機構(Kidney Disease: Improving Global Outcomes)(KDIGO) CKD-MBD作業部
会: Kidney Int Suppl.(2009) 76(補遺113):S1-130、S3ページを参照されたい。慢性腎疾
患で混乱しているミネラル及びホルモンの恒常性は、成長期の初期骨形成(骨モデリング)
並びに成人期の骨構造及び骨機能(骨リモデリング)に極めて重要である。結果として、骨
異常は、慢性腎疾患を有する患者に見出される。さらに、同様に、ミネラル及び内分泌機
能の混乱が原因で、骨外性石灰化は、慢性腎疾患を有する患者に見出すことができる。こ
れらの症候群は、慢性腎疾患関連骨ミネラル障害(「CDK-MBD」)と呼ばれる。
骨は、連続的な代謝回転を経る。骨代謝回転は、骨の再吸収と、それに続く置換のプロ
セスである。骨芽細胞と破骨細胞は、骨代謝回転に必要な細胞である。低代謝回転及び低
回転型骨疾患は、骨の再吸収及び置換の低下又は欠如を特徴とする。CKD-MBDは、低代謝
回転又は低回転型骨を特徴とし得る。(慢性腎疾患-骨ミネラル障害(CKD-MBD)、国際腎臓
病予後改善機構(KDIGO) CKD-MBD作業部会: Kidney Int Suppl.(2009) 76(補遺113):S1-13
0、S34ページ)。
血管系におけるカルシウムレベルの増加は、血管硬化の増大を特徴とする状態である、
血管石灰化を引き起こし得る。血管石灰化を有する患者は、心筋梗塞のリスクが増加して
おり、血管石灰化は、腎疾患、例えば、CKD-MBDに罹患している患者に特によく見られる
。例えば、Shanahanらの文献、2011, Circ. Res. 109:697-711を参照されたい。
2つの関連するII型受容体、ActRIIA及びActRIIBが、アクチビンのII型受容体として同
定されている(Mathews及びValeの文献、1991, Cell 65:973-982; Attisanoらの文献、199
2, Cell 68: 97-108)。アクチビンの他に、ActRIIA及びActRIIBは、BMP7、Nodal、GDF8、
及びGDF11を含む、いくつかの他のTGF-βファミリータンパク質と生化学的に相互作用す
ることができる(Yamashitaらの文献、1995, J. Cell Biol. 130:217-226; Lee及びMcPher
ronの文献、2001, Proc. Natl. Acad. Sci. 98:9306-9311; Yeo及びWhitmanの文献、2001
, Mol. Cell 7: 949-957; Ohらの文献、2002, Genes Dev. 16:2749-54)。ALK4は、アクチ
ビン、特に、アクチビンAの主なI型受容体であり、ALK-7は、同様に、アクチビン、特に
、アクチビンBの受容体としての役割を果たし得る。
(3.概要)
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象における低回転型骨障害(ady
namic bone disorder)を治療する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを、該
低回転型骨障害の治療を必要とする対象に投与することを含む、方法である。さらに本明
細書に提供されるのは、対象における低回転型骨障害形態のCKD-MBDを治療する方法であ
って、治療有効量のActRIIインヒビターを、該低回転型骨障害形態のCKD-MBDの治療を必
要とする対象に投与することを含む、方法である。
あるより具体的な実施態様において、該低回転型骨障害は、石灰化した骨へのテトラサ
イクリン取込みの欠如を特徴とする。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象における低骨代謝回転形態の
CKD-MBDを治療する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを、該低骨代謝回転
形態のCKD-MBDの治療を必要とする対象に投与することを含む、方法である。より具体的
な実施態様において、該低骨代謝回転形態のCKD-MBDは、骨軟化症である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象における高リン血症を特徴と
する骨障害を治療する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを、該高リン血症
を特徴とする骨障害の治療を必要とする対象に投与することを含む、方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象におけるアテローム性動脈硬
化性石灰化を治療する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを、該アテローム
性動脈硬化性石灰化の治療を必要とする対象に投与することを含む、方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象における腎疾患を治療する方
法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを、該腎疾患の治療を必要とする対象に投
与することを含む、方法である。より具体的な実施態様において、該腎疾患は、腎線維症
である。
具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象における骨外性石灰化を
治療する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを該対象に投与することを含む
、方法である。別の具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象におけ
る骨外性石灰化を予防する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを該対象に投
与することを含む、方法である。具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法によ
り対象において治療又は予防される骨外性石灰化は、血管石灰化、すなわち、対象の血管
系におけるカルシウム塩の蓄積、例えば、該対象の動脈の石灰化である。
ある実施態様において、本明細書に提供される方法とともに使用することができるActR
IIインヒビターは:配列番号2と90%同一のもの;配列番号2と95%同一のもの;配列番号2と
98%同一のもの;配列番号2;配列番号3と90%同一のもの;配列番号3と95%同一のもの;配
列番号3と98%同一のもの;配列番号3;配列番号6と90%同一のもの;配列番号6と95%同一
のもの;配列番号6と98%同一のもの;配列番号6;配列番号7と90%同一のもの;配列番号7と
95%同一のもの;配列番号7と98%同一のもの;配列番号7;配列番号12と90%同一のもの;配
列番号12と95%同一のもの;配列番号12と98%同一のもの;配列番号12;配列番号17と90%
同一のもの;配列番号17と95%同一のもの;配列番号17と98%同一のもの;配列番号17;配列
番号20と90%同一のもの;配列番号20と95%同一のもの;配列番号20と98%同一のもの;配
列番号20;配列番号21と90%同一のもの;配列番号21と95%同一のもの;配列番号21と98%
同一のもの;及び配列番号21からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチド
である。より具体的な実施態様において、該ActRIIインヒビターは、配列番号7のアミノ
酸配列を含むポリペプチドである。より具体的な実施態様において、該ActRIIインヒビタ
ーは、非経口投与される。
具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法とともに使用することができる
ActRIIインヒビターはActRIIAインヒビターであり、ここで、該ActRIIAインヒビターは:
a.配列番号2と少なくとも90%同一なポリペプチド; b.配列番号2と少なくとも95%同一な
ポリペプチド; c.配列番号2と少なくとも98%同一なポリペプチド; d.配列番号2; e.配列
番号3と少なくとも90%同一なポリペプチド; f.配列番号3と少なくとも95%同一なポリペ
プチド; g.配列番号3と少なくとも98%同一なポリペプチド; h.配列番号3; i.配列番号6
と少なくとも90%同一なポリペプチド; j.配列番号6と少なくとも95%同一なポリペプチ
ド; k.配列番号6と少なくとも98%同一なポリペプチド; l.配列番号6; m.配列番号7と少
なくとも90%同一なポリペプチド; n.配列番号7と少なくとも95%同一なポリペプチド; o
.配列番号7と少なくとも98%同一なポリペプチド; p.配列番号7; q.配列番号12と少なく
とも90%同一なポリペプチド; r.配列番号12と少なくとも95%同一なポリペプチド; s.配
列番号12と少なくとも98%同一なポリペプチド;及びt.配列番号12からなる群から選択さ
れるポリペプチドを含むか、又は該ポリペプチドからなる。具体的な実施態様において、
該ActRIIAインヒビターは、配列番号7のアミノ酸配列を含むか、又は該アミノ酸配列から
なるポリペプチドである。
別の具体的な実施態様において、本明細書に提供される方法とともに使用することがで
きるActRIIインヒビターはActRIIBインヒビターであり、ここで、該ActRIIBインヒビター
は: a.配列番号17、18、23、26、27、29、30、31、32、33、36、37、42、もしくは43と少
なくとも90%同一なポリペプチド; b.配列番号17、18、23、26、27、29、30、31、32、33
、36、37、42、もしくは43と少なくとも95%同一なポリペプチド; c.配列番号17、18、23
、26、27、29、30、31、32、33、36、37、42、もしくは43と少なくとも98%同一なポリペ
プチド; d.配列番号17、18、23、26、27、29、30、31、32、33、36、37、42、もしくは43
; e.配列番号20、21、24、25、34、35、38、39、40、41、44、46、もしくは47と90%同一
なポリペプチド; f.配列番号20、21、24、25、34、35、38、39、40、41、44、46、もしく
は47と95%同一なポリペプチド; g.配列番号20、21、24、25、34、35、38、39、40、41、
44、46、もしくは47と98%同一なポリペプチド;及びh.配列番号20、21、24、25、34、35
、38、39、40、41、44、46、もしくは47からなる群から選択されるポリペプチドを含むか
、又は該ポリペプチドからなる。具体的な実施態様において、該ActRIIBインヒビターは
、配列番号23を含むか、又は配列番号23からなるポリペプチドである。別の具体的な実施
態様において、該ActRIIBインヒビターは、配列番号25を含むか、又は配列番号25からな
るポリペプチドである。
別の具体的な実施態様において、ActRIIAインヒビター及びActRIIBインヒビターを、本
明細書に提供される方法で使用することができ(例えば、ActRIIAインヒビター及びActRII
Bインヒビターを含む組成物を使用することができるか;又はActRIIAインヒビターとActRI
IBインヒビターの両方を、本明細書に記載の方法に従って治療されている対象に、別々に
投与することができる)、ここで、該ActRIIAインヒビターは: a.配列番号2と少なくとも9
0%同一なポリペプチド; b.配列番号2と少なくとも95%同一なポリペプチド; c.配列番号
2と少なくとも98%同一なポリペプチド; d.配列番号2; e.配列番号3と少なくとも90%同
一なポリペプチド; f.配列番号3と少なくとも95%同一なポリペプチド; g.配列番号3と少
なくとも98%同一なポリペプチド; h.配列番号3; i.配列番号6と少なくとも90%同一なポ
リペプチド; j.配列番号6と少なくとも95%同一なポリペプチド; k.配列番号6と少なくと
も98%同一なポリペプチド; l.配列番号6; m.配列番号7と少なくとも90%同一なポリペプ
チド; n.配列番号7と少なくとも95%同一なポリペプチド; o.配列番号7と少なくとも98%
同一なポリペプチド; p.配列番号7; q.配列番号12と少なくとも90%同一なポリペプチド;
r.配列番号12と少なくとも95%同一なポリペプチド; s.配列番号12と少なくとも98%同
一なポリペプチド;及びt. 配列番号12からなる群から選択されるポリペプチドを含むか、
又は該ポリペプチドからなり;かつ該ActRIIBインヒビターは: a.配列番号17、18、23、26
、27、29、30、31、32、33、36、37、42、もしくは43と少なくとも90%同一なポリペプチ
ド; b.配列番号17、18、23、26、27、29、30、31、32、33、36、37、42、もしくは43と少
なくとも95%同一なポリペプチド; c.配列番号17、18、23、26、27、29、30、31、32、33
、36、37、42、もしくは43と少なくとも98%同一なポリペプチド; d.配列番号17、18、23
、26、27、29、30、31、32、33、36、37、42、もしくは43; e.配列番号20、21、24、25、
34、35、38、39、40、41、44、46、もしくは47と90%同一なポリペプチド; f.配列番号20
、21、24、25、34、35、38、39、40、41、44、46、もしくは47と95%同一なポリペプチド
; g.配列番号20、21、24、25、34、35、38、39、40、41、44、46、もしくは47と98%同一
なポリペプチド;及びh.配列番号20、21、24、25、34、35、38、39、40、41、44、46、も
しくは47からなる群から選択されるポリペプチドを含むか、又は該ポリペプチドからなる
。具体的な実施態様において、該ActRIIAインヒビターは、配列番号7を含むか、又は配列
番号7からなるポリペプチドであり、かつ該ActRIIBインヒビターは、配列番号23を含むか
、又は配列番号23からなるポリペプチドである。別の具体的な実施態様において、該ActR
IIAインヒビターは、配列番号7を含むか、又は配列番号7からなるポリペプチドであり、
かつ該ActRIIBインヒビターは、配列番号25を含むか、又は配列番号25からなるポリペプ
チドである。
ある実施態様において、本明細書に提供される方法で治療される対象は、18歳未満であ
る。ある実施態様において、本明細書に提供される方法で治療される対象は、末期腎疾患
を有する。ある実施態様において、本明細書に提供される方法で治療される対象は、透析
を受けている。ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、該対象の身長を増加
させる方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象における高リン血症、(リン
の増加が原因の)二次性副甲状腺機能亢進症、骨外性石灰化、例えば、血管石灰化、及び
低回転型骨障害を治療又は予防する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを、
高リン血症、(リンの増加が原因の)二次性副甲状腺機能亢進症、骨外性石灰化、例えば、
血管石灰化、及び低回転型骨の治療を必要とする対象に投与することを含む、方法である
(4.図面の簡単な説明)
腎部分切除術後のマウスの体重。
マウスにおける腎部分切除術後のDEXAスキャンによるBMDの変化。
マウスにおける腎部分切除術後の配列番号7のマウス対応物(「mActRIIA-Fc」)によるヘマトクリット変化。
マウスにおける腎部分切除術後の代表的な骨のMicroCT 3Dイメージ。
mActRIIA-Fc処置は、ヘマトクリットを増加させる。
mActRIIA-Fcは、骨ミネラル密度を増加させる。
大腿骨の代表的なmicroCTスキャン
mActRIIA-Fcは、大腿骨骨幹中央部の皮質厚を増加させる。
mActRIIA-Fcは、骨梁体積を増加させる。
mActRIIA-Fcは、遠位大腿骨の骨梁厚を増加させる。
mActRIIA-Fcは、CKDマウスモデルにおいて大動脈内カルシウムのレベルの低下を引き起こす。
(5.詳細な説明)
(5.1 概説)
本明細書に提供されるのは、一態様において、慢性腎疾患-骨ミネラル障害(CKD-MBD)の
治療方法であって、ActRIIのインヒビターを、治療を必要とする患者に投与することを含
む、方法である。ActRIIのインヒビターは、ActRIIA及び/又はActRIIBのインヒビターで
あることができる。
CKD-MBDは、慢性腎疾患によるミネラル及び骨代謝の全身障害と診断され、(1)カルシウ
ム;リン;カルシウム×リン積;アルカリホスファターゼ(全体もしくは骨特異的);重炭酸塩
;副甲状腺ホルモン(「PTH」); 1-84 PTH、1-84-PTH/7-84 PTH比;オステオカルシン;オス
テオプロテグリン;酒石酸耐性酸ホスファターゼアイソフォーム5b(「TRAP-5b」);ピリジ
ノリン及びデオキシピリジノリン;プロコラーゲン1型アミノ末端伸長ペプチド; C末端架
橋;コラーゲンのC末端架橋;線維芽細胞成長因子23(「FGF23」);フェツリン-A;又はビタミ
ンD代謝の異常;(2)骨の代謝回転、石化、体積、線形成長、又は強度の異常;並びに(3)血
管又は他の軟組織石灰化のどれか1つ又は組合せによって明らかになり得る。Nickolasの
文献、2008, Kidney International 74:721-731;及びMoeらの文献、2006, Kidney Intern
ational 69:1945-1953を参照されたい。CKD-MBDの診断に関するガイドラインは、例えば
、慢性腎疾患-骨ミネラル障害(CKD-MBD)の予防、診断、評価、及び治療に関するKDIGO臨
床実践ガイドライン、国際腎臓病予後改善機構(KDIGO) CKD-MBD作業部会: Kidney Int Su
ppl.(2009) 76(補遺113):S1-130に見出すことができる。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、低骨代謝回転形態のCKD-MBDの治
療方法であって、ActRIIのインヒビターを、治療を必要とする患者に投与することを含む
、方法である。ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、高リン血症及び/又
は高カルシウム血症を特徴とするCKD-MBDの治療方法である。ある実施態様において、本
明細書に提供されるのは、骨外性石灰化、例えば、限定されないが、アテローム性動脈硬
化性石灰化を特徴とする、CKD-MBDの治療方法である。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、慢性腎疾患が、ステージ3、ステ
ージ4、ステージ5、又はステージ5Dに達している、CKD-MBDの治療方法である。具体的な
実施態様において、該腎疾患は、末期腎疾患である。ある実施態様において、本明細書に
提供されるのは、成人における60ml/分/1.73m2未満の又は小児患者における89ml/分/1.73
m2未満の糸球体濾過量を特徴とするCKD-MBDの治療方法である。Moeらの文献、2006, Kidn
ey International 69:1945-1953を参照されたい。ある実施態様において、本明細書に提
供されるのは、50ml/分/1.73m2、40ml/分/1.73m2、30ml/分/1.73m2、20ml/分/1.73m2未満
、又は10ml/分/1.73m2未満の糸球体濾過量を特徴とするCKD-MBDの成人における治療方法
である。ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、80ml/分/1.73m2、70ml/分/
1.73m2、60ml/分/1.73m2、50ml/分/1.73m2、40ml/分/1.73m2、30ml/分/1.73m2、20ml/分/
1.73m2未満、又は10ml/分/1.73m2未満の糸球体濾過量を特徴とするCKD-MBDの小児患者に
おける治療方法である。
理論によって束縛されるものではないが、成人患者における60ml/分/1.73m2未満の及び
小児患者における89ml/分/1.73m2未満の糸球体濾過量は、カルシウムレベル、リンレベル
、PTHレベル、及びビタミンD代謝の検出可能な異常をもたらし;これらのマーカーの異常
なレベルは、骨疾患をもたらす。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、慢性腎疾患と関連する骨病変、す
なわち、CKD-MBDの治療方法である。Moeらの文献、2006, Kidney International 69:1945
-1953を参照されたい。ある実施態様において、CKD-MBDは、低代謝回転CKD-MBDである。
低代謝回転CKD-MBDは、下の表1に示す組織学的特徴によって診断されることができる。米
国腎臓財団(National Kidney Foundation)のウェブサイト上の米国腎臓財団、腎疾患予後
改善対策ガイドライン(Kidney Disease Outcomes Quality Initiative Guidelines)を参
照されたい。
Figure 2023011741000002
具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象における骨外性石灰化の
治療方法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを該対象に投与することを含む、方
法である。別の具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象における骨
外性石灰化を予防する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを該対象に投与す
ることを含む、方法である。具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法により対
象において治療又は予防される骨外性石灰化は、血管石灰化、すなわち、対象の血管系に
おけるカルシウム塩の蓄積、例えば、対象の動脈の石灰化である。
ある実施態様において、本明細書に提供される骨外性石灰化、例えば、血管石灰化の治
療又は予防方法は、骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患うリスクのある対象に対して
実施される(すなわち、該リスクのある対象に、本明細書に記載の方法に従って、ActRII
インヒビターが投与される)。具体的な実施態様において、骨外性石灰化、例えば、血管
石灰化を患うリスクのある対象は、高コレステロール血症を有する。別の具体的な実施態
様において、骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患うリスクのある対象は、高血圧を有
する。別の具体的な実施態様において、骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患うリスク
のある対象は、糖尿病を有する。別の具体的な実施態様において、骨外性石灰化、例えば
、血管石灰化を患うリスクのある対象は、腎疾患(例えば、末期腎疾患)を有する。別の具
体的な実施態様において、骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患うリスクのある対象は
、慢性腎疾患を有する。別の具体的な実施態様において、骨外性石灰化、例えば、血管石
灰化を患うリスクのある対象は、増大した酸化的ストレス、例えば、血管系における酸化
物質産生と抗酸化物質活性の不均衡を有する。別の具体的な実施態様において、骨外性石
灰化、例えば、血管石灰化を患うリスクのある対象は、石灰化インヒビター欠損(例えば
、フェツイン-A、マトリックスglaタンパク質(MGP)、及びオステオプロテゲリン(OPG)の
うちの1つ又は複数の欠損)を有する。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される血管石灰化を患って
いる対象は、中膜石灰化(別名、メンケベルク硬化症又は中膜石灰症)を有する。中膜石灰
化は、動脈中膜内の広範性ミネラル沈着を特徴とする。具体的な実施態様において、中膜
石灰化を患っている対象は、高齢者である。具体的な実施態様において、中膜石灰化を患
っている対象は、中膜石灰化を引き起こす障害、例えば、糖尿病、腎疾患(例えば、CKD)
を有する。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される血管石灰化を患って
いる対象は、内膜石灰化を有する。内膜石灰化は、アテローム性動脈硬化症と関連してお
り、アテローム性動脈硬化プラークの進行につれて進行する。
ある実施態様において、ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰
化を患っているか又はそれを患うリスクのある対象は、機械的負荷の減少、骨形成の減少
、交換可能な貯蔵中のリンの過剰に応答して骨細胞により産生されるホルモンであるFGF2
3のレベルが、ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患って
いないか又はそれを患うリスクのない対象におけるFGF23レベルと比べて増加している(例
えば、Hruska及びMathewの文献、2011, Advances in Chronic Kidney Disease 18(2):98-
104を参照されたい)。FGF23のレベルは、対象由来の試料、例えば、血液、血清を用いて
、当技術分野で公知の方法、例えば、ELISAを用いて検出することができる。具体的な実
施態様において、ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患っ
ているか又はそれを患うリスクのある対象におけるFGF23のレベル(例えば、血清中で検出
可能なレベル)は、ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患
っていないか又はそれを患うリスクのない対象におけるFGF23のレベル(例えば、血清中で
検出可能なレベル)よりも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50
%、又は50%を超えて大きい。別の具体的な実施態様において、ある形態のCKD-MBD及び/
又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患っているか又はそれを患うリスクのある対象
におけるFGF23のレベル(例えば、血清中で検出可能なレベル)は、ある形態のCKD-MBD及び
/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患っていないか又はそれを患うリスクのない
対象におけるFGF23のレベル(例えば、血清中で検出可能なレベル)よりも約5~10%、10~
20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、50~75%、又は75~100%大きい。
ある実施態様において、ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰
化を患っているか又はそれを患うリスクのある対象におけるFGF23のレベルを用いて、本
明細書に記載の方法、例えば、ある形態のCKD-MBDを治療する方法及び/又は骨外性石灰化
(例えば、血管石灰化)を治療する方法の有効性をモニタリングすることができ、ここで、
そのような方法は、治療有効量の本明細書に記載のActRIIインヒビターの投与を含む。具
体的な実施態様において、本明細書に記載の方法のうちの1つ又は複数に従って治療され
る対象は、本明細書に記載の方法で治療される前の該対象で検出されるFGF23のレベルと
比較して(例えば、該対象の血清中で検出される)FGF23のレベルが減少している。別の具
体的な実施態様において、本明細書に記載の方法で治療される、ある形態のCKD-MBD及び/
又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患っているか又はそれを患うリスクのある対象
におけるFGF23のレベル(例えば、血清中で検出可能なレベル)は、本明細書に記載の方法
による治療の前の該対象で検出されるFGF23のレベル(例えば、血清中で検出可能なレベル
)と比べて、約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、又は50%
を超えて減少している。別の具体的な実施態様において、ある形態のCKD-MBD及び/又は骨
外性石灰化、例えば、血管石灰化を患っているか又はそれを患うリスクのある対象におけ
るFGF23のレベル(例えば、血清中で検出可能なレベル)は、本明細書に記載の方法による
治療の前の該対象で検出されるFGF23のレベル(例えば、血清中で検出可能なレベル)と比
べて、約5~10%、10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、50~75%、又
は75~100%減少している。
具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、ある形態のCKD-MBD及び/又は
骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を治療する方法であって:(i)ActRIIインヒビターを、
ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を有する個体に投与する
こと;(ii)該ActRIIインヒビターの投与後の該個体の組織試料(例えば、血清)中のFGF23の
量を決定すること;並びに(iii)該組織試料中のFGF23の量が、該ActRIIインヒビターの投
与前の該個体由来の同じ組織型の試料(例えば、同じ個体由来の血清の異なる試料)中で決
定されるFGF23の量と比較して、わずか約5%、10%、15%、20%、もしくは25%、又は約
5~10%、10~20%、20~30%減少している場合、ActRIIインヒビターの投与を反復する
ことを含む、方法である。ある実施態様において、FGF23の量がActRIIインヒビターの投
与後に減少していない場合、投与されるActRIIインヒビターの用量を増加させることがで
きる。ある実施態様において、FGF23の量がActRIIインヒビターの投与後に減少していな
い場合、投与されるActRIIインヒビターの投与の頻度を増加させることができる。
ある実施態様において、ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰
化を患っているか又はそれを患うリスクのある対象は、CKD-MBDに罹患しているか又はCKD
-MBDに罹患するリスクのある対象で増加しているタンパク質であるスクレロスチン(例え
ば、Graciolliらの文献、2010, J Am Soc Nephrol 21:774Aを参照)のレベルが、ある形態
のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患っていないか又はそれを患う
リスクのない対象におけるスクレロスチンレベルと比べて増加している。スクレロスチン
のレベルは、対象由来の試料、例えば、血液、血清を用いて、当技術分野で公知の方法、
例えば、ELISAを用いて検出することができる。具体的な実施態様において、ある形態のC
KD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患っているか又はそれを患うリス
クのある対象におけるスクレロスチンのレベル(例えば、血清中で検出可能なレベル)は、
ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患っていないか又はそ
れを患うリスクのない対象におけるスクレロスチン(例えば、血清中で検出可能なレベル)
のレベルよりも約5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、50%、又は5
0%を超えて大きい。別の具体的な実施態様において、ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外
性石灰化、例えば、血管石灰化を患っているか又はそれを患うリスクのある対象における
スクレロスチンのレベル(例えば、血清中で検出可能なレベル)は、ある形態のCKD-MBD及
び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患っていないか又はそれを患うリスクのな
い対象におけるスクレロスチン(例えば、血清中で検出可能なレベル)のレベルよりも約5
~10%、10~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、50~75%、又は75~100
%大きい。
ある実施態様において、ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰
化を患っているか又はそれを患うリスクのある対象におけるスクレロスチンのレベルを用
いて、本明細書に記載の方法、例えば、ある形態のCKD-MBDを治療する方法及び/又は骨外
性石灰化(例えば、血管石灰化)を治療する方法の有効性をモニタリングすることができ、
ここで、そのような方法は、治療有効量の本明細書に記載のActRIIインヒビターの投与を
含む。具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法のうちの1つ又は複数に従って
治療される対象は、本明細書に記載の方法で治療される前の該対象で検出されるスクレロ
スチンのレベルと比較して(例えば、該対象の血清中で検出される)スクレロスチンのレベ
ルが減少している。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法で治療される
、ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患っているか又はそ
れを患うリスクのある対象におけるスクレロスチンのレベル(例えば、血清中で検出可能
なレベル)は、本明細書に記載の方法による治療の前の該対象で検出されるスクレロスチ
ンのレベル(例えば、血清中で検出可能なレベル)と比べて、約5%、10%、15%、20%、2
5%、30%、35%、40%、45%、50%、又は50%を超えて減少している。別の具体的な実
施態様において、ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を患っ
ているか又はそれを患うリスクのある対象におけるスクレロスチンのレベル(例えば、血
清中で検出可能なレベル)は、本明細書に記載の方法による治療の前の該対象で検出され
るスクレロスチンのレベル(例えば、血清中で検出可能なレベル)と比べて、約5~10%、1
0~20%、20~30%、30~40%、40~50%、50~60%、50~75%、又は75~100%減少して
いる。
具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、ある形態のCKD-MBD及び/又は
骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を治療する方法であって:(i)ActRIIインヒビターを、
ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば、血管石灰化を有する個体に投与する
こと;(ii)該ActRIIインヒビターの投与後の該個体の組織試料(例えば、血清)中のスクレ
ロスチンの量を決定すること;並びに(iii)該組織試料中のスクレロスチンの量が、該ActR
IIインヒビターの投与前の該個体由来の同じ組織の試料(例えば、同じ個体由来の血清の
異なる試料)中で決定されるスクレロスチンの量と比較して、わずか約5%、10%、15%、
20%、もしくは25%、又は約5~10%、10~20%、20~30%減少している場合、該ActRII
インヒビターの投与を反復することを含む、方法である。ある実施態様において、スクレ
ロスチンの量が、ActRIIインヒビターの投与後に減少していない場合、投与されるActRII
インヒビターの用量を増加させることができる。ある実施態様において、スクレロスチン
の量が、ActRIIインヒビターの投与後に減少していない場合、投与されるActRIIインヒビ
ターの投与の頻度を増加させることができる。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される血管石灰化を患って
いる対象は、18歳未満である。具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法に従っ
て治療される血管石灰化を患っている対象は、13歳未満である。別の具体的な実施態様に
おいて、本明細書に記載の方法に従って治療される血管石灰化を患っている対象は、12歳
未満、11歳未満、10歳未満、9歳未満、8歳未満、7歳未満、6歳未満、又は5歳未満である
。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される血管石灰化
を患っている対象は、1~3歳、3~5歳、5~7歳、7~9歳、9~11歳、11~13歳、13~15歳
、15~20歳、20~25歳、25~30歳、又は30歳超である。別の具体的な実施態様において、
本明細書に記載の方法に従って治療される血管石灰化を患っている対象は、30~35歳、35
~40歳、40~45歳、45~50歳、50~55歳、55~60歳、又は60歳超である。別の具体的な実
施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される血管石灰化を患っている対象
は、60~65歳、65~70歳、70~75歳、75~80歳、又は80歳超である。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法に従って治療される血管石灰化を患って
いる対象は、末期腎疾患を有する。ある実施態様において、本明細書に記載の方法に従っ
て治療される血管石灰化を患っている対象は、透析を受けている。
ある実施態様において、骨外性石灰化、例えば、血管石灰化の治療又は予防の有効性は
、当業者に公知の1以上のアッセイを用いて評価される。例示的アッセイは、第5.3節(a)(
iv)に記載されている。そのような実施態様に従って、当業者は、本明細書に記載のActRI
Iインヒビターで治療されている対象が、アッセイの結果に基づいてその治療レジメンを
調整し得ることを理解するであろう。例えば、カルシウム、例えば、血管内カルシウム(
例えば、動脈内カルシウム)のレベルの増加を示す、本明細書に記載の方法によって治療
されている対象に、増加用量のActRIIインヒビターを投与することができるか、又はActR
IIインヒビターをより高い頻度で投与することができる(すなわち、用量投与間の時間を
短縮することができる)。逆に、カルシウム、例えば、血管内カルシウム(例えば、動脈内
カルシウム)のレベルの減少を示す、本明細書に記載の方法によって治療されている対象
に、減少用量のActRIIインヒビターを投与することができるか、又はActRIIインヒビター
をより低い頻度で投与することができる(すなわち、用量投与間の時間を延長することが
できる)。
ある実施態様において、本明細書に提供される方法は、以下のもの:高リン血症、(リン
の増加が原因の)二次性副甲状腺機能亢進症、及び骨外性石灰化、例えば、血管石灰化の
うちの1つ又は複数の症状の改善をもたらす。これらの症状の程度を決定するための当業
者に公知の任意の方法を本明細書に提供される方法とともに使用することができる。具体
的な実施態様において、本明細書に記載の方法は、血管石灰化の1以上の症状の改善をも
たらす。例示的な症状としては、血管内(例えば、動脈内)カルシウムのレベルの増加、血
管平滑筋細胞のアポトーシスの増加、動脈の弾力性の喪失、PWV(脈波伝播速度)の増加、
左心室肥大の発症、冠動脈灌流の減少、及び心筋虚血が挙げられるが、これらに限定され
るものではない。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法は、対象における、少なくとも5%、10
%、15%、20%、25%、30%、35%、40%、45%、又は50%の血管内カルシウム、例えば
、動脈内カルシウムのレベルの減少をもたらす。ある実施態様において、本明細書に記載
の方法は、対象における、5%~10%、10%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30
%、30%~35%、35%~40%、40%~45%、又は45%~50%の血管内カルシウム、例えば
、動脈内カルシウムのレベルの減少をもたらす。
具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、対象における血管内カルシウ
ムのレベルを低下させる方法であって:(i)ActRIIインヒビターを、血管内カルシウムレベ
ルの低下を必要とする対象(例えば、ある形態のCKD-MBD及び/又は骨外性石灰化、例えば
、血管石灰化を有する対象)に投与すること;(ii)該ActRIIインヒビターの投与後の該対象
の組織試料(例えば、血清)中の血管内カルシウムの量を決定すること;並びに(iii)該組織
試料中の血管内カルシウムの量が、該ActRIIインヒビターの投与前の該対象由来の同じ組
織の試料(例えば、同じ個体由来の血清の異なる試料)中で決定される血管内カルシウムの
量と比較して、わずか約5%、10%、15%、20%、もしくは25%、又は約5~10%、10~20
%、20~30%減少している場合、該ActRIIインヒビターの投与を反復することを含む、方
法である。ある実施態様において、血管内カルシウムの量が、ActRIIインヒビターの投与
後に減少していない場合、投与されるActRIIインヒビターの用量を増加させることができ
る。ある実施態様において、血管内カルシウムの量が、ActRIIインヒビターの投与後に減
少していない場合、投与されるActRIIインヒビターの投与の頻度を増加させることができ
る。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法は、血管石灰化を有するか又はそれを発
症するリスクのある対象のアガットストンスコアの進行の低下をもたらす。具体的な実施
態様において、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載の方法によるActRIIインヒビタ
ーの投与前の対象のアガットストンスコアと比較したとき、血管石灰化を有するか又はそ
れを発症するリスクのある対象のアガットストンスコアの5%、10%、15%、20%、25%
、30%、又は30%を超える減少をもたらす(例えば、第5.3節(a)(iv)を参照されたい)。別
の具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法は、本明細書に記載の方法によるAc
tRIIインヒビターの投与前の対象のアガットストンスコアと比較したとき、血管石灰化を
有するか又はそれを発症するリスクのある対象のアガットストンスコアの5%~10%、10
%~15%、15%~20%、20%~25%、25%~30%、30%~35%、35%~40%、40%~45%
、又は45%~50%減少をもたらす(例えば、第5.3節(a)(iv)を参照されたい)。
別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法は、対象の血管系におけるカル
シウムのレベルの減少、例えば、対象、例えば、血管石灰化を有するか又はそれを発症す
るリスクのある対象の1以上の動脈におけるカルシウムのレベルの減少をもたらす。別の
具体的な実施態様において、本明細書に記載の方法は、対象の血管系におけるリンのレベ
ルの減少、例えば、対象、例えば、血管石灰化を有するか又はそれを発症するリスクのあ
る対象の1以上の動脈におけるリンのレベルの減少をもたらす。
ある実施態様において、本明細書に提供されるのは、低代謝回転骨障害の治療方法であ
る。低骨代謝回転は、下記の第5.3節(a)に示す試験を用いて診断することができる。骨代
謝回転の生化学的マーカーとしては:血清又は尿コラーゲン架橋(N-テロペプチド又はC-テ
ロペプチド)、骨特異的アルカリホスファターゼ、血清オステオカルシン及び/又はプロペ
プチド1型コラーゲン、25ヒドロキシビタミンD、並びに副甲状腺ホルモン(「PTH」)が挙
げられる。具体的な実施態様において、低代謝回転骨障害は、低回転型骨障害である。あ
る実施態様において、本明細書に提供される方法で治療される患者は、少なくとも10%、
20%、25%、30%、40%、50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99
%の、又は100%の骨代謝回転の低下を有する。ある実施態様において、本明細書に提供
される方法で治療される患者は、多くても10%、20%、25%、30%、40%、50%、60%、
70%、75%、80%、85%、90%、95%、98%、99%の、又は100%の骨代謝回転の低下を
有する。ある実施態様において、本明細書に提供される方法で治療される患者は、10%~
25%、20%~35%、30%~45%、40%~55%、50%~65%、60%~75%、70%~85%、80
%~95%、90%~100%の骨代謝回転の低下を有する。ある実施態様において、骨代謝回
転の低下は、同じ患者の病歴データと比較される。他の実施態様において、骨代謝回転の
低下は、骨障害を有しない集団における平均骨代謝回転と比較される。骨障害を有しない
集団は、患者と同じ年齢及び/又は同じ性別であることができる。
具体的な実施態様において、本明細書に提供されるのは、低代謝回転骨障害、例えば、
低回転型骨障害を治療する方法であって:(i)ActRIIインヒビターを、低代謝回転骨障害を
有する対象に投与すること;(ii)該ActRIIインヒビターの投与後の該対象における骨代謝
のレベルを(例えば、下記の第5.3節(a)に示す試験のうちの1つもしくは複数を用いること
により、及び/又は骨代謝回転の1以上の生化学的マーカーを測定することにより)決定す
ること;並びに(iii)該対象における骨代謝回転のレベルが、該ActRIIインヒビターの投与
前の該対象における骨代謝回転のレベルと比較して、わずか約5%、10%、15%、20%、
もしくは25%、又は約5~10%、10~20%、20~30%減少している場合、該ActRIIインヒ
ビターの投与を反復することを含む、方法である。ある実施態様において、骨代謝回転の
レベルが、ActRIIインヒビターの投与後に減少していない場合、投与されるActRIIインヒ
ビターの用量を増加させることができる。ある実施態様において、骨代謝回転のレベルが
、ActRIIインヒビターの投与後に減少していない場合、投与されるActRIIインヒビターの
投与の頻度を増加させることができる。
(5.2 ActRIIのインヒビター)
((a)ActRIIAのインヒビター)
本明細書で使用されるように、「ActRIIA」という用語は、任意の種由来のアクチビン
受容体IIa型(ActRIIA)タンパク質のファミリー及び突然変異生成又は他の修飾によってそ
のようなActRIIAタンパク質から得られた変異体を指す。本明細書中でのActRIIAに対する
言及は、現在同定されている形態のいずれか1つに対する言及であると理解される。ActRI
IAファミリーのメンバーは、一般に、システインに富む領域を含むリガンド結合細胞外ド
メイン、膜貫通ドメイン、及び予想上のセリン/トレオニンキナーゼ活性を有する細胞質
ドメインから構成される、膜貫通タンパク質である。
本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIAインヒビターとしては、限定す
るものではないが、アクチビン結合可溶性ActRIIAポリペプチド;アクチビン(特に、βA又
はβBとも呼ばれる、アクチビンA又はBサブユニット)に結合し、ActRIIA結合を破壊する
抗体; ActRIIAに結合し、アクチビン結合を破壊する抗体;アクチビン又はActRIIA結合に
ついて選択された非抗体タンパク質(そのようなタンパク質並びにその設計及び選択方法
については、例えば、その各々が引用により完全に本明細書中に組み込まれる、WO/2002/
088171号、WO/2006/055689号、WO/2002/032925号、WO/2005/037989号、US 2003/0133939
号、及びUS 2005/0238646号を参照);並びにFcドメインにコンジュゲートすることができ
る、アクチビン又はActRIIA結合について選択されたランダム化ペプチドが挙げられる。
ある実施態様において、アクチビン又はActRIIA結合活性を有する2以上の異なるタンパ
ク質(又は他の部分)、特に、それぞれI型(例えば、可溶性I型アクチビン受容体)及びII型
(例えば、可溶性II型アクチビン受容体)結合部位を遮断するアクチビンバインダーを1つ
に連結させて、ActRIIAを阻害し、したがって、本明細書に記載の組成物及び方法で使用
することができる、二機能性又は多機能性結合分子を作出することができる。ある実施態
様において、ActRIIAを阻害するアクチビン-ActRIIAシグナル伝達軸アンタゴニストとし
ては、核酸アプタマー、小分子、並びに本明細書に記載の組成物及び方法で使用される他
の薬剤が挙げられる。
((i)ActRIIAポリペプチドを含むActRIIAインヒビター)
「ActRIIAポリペプチド」という用語には、ActRIIAファミリーメンバーの任意の天然の
ポリペプチド並びに有用な活性を保持するその任意の変異体(突然変異体、断片、融合体
、及びペプチド模倣形態を含む)を含むポリペプチドが含まれる。例えば、ActRIIAポリペ
プチドには、ActRIIAポリペプチドの配列と少なくとも約80%同一な、及び任意に、少な
くとも85%、90%、95%、97%、98%、99%、又はそれを上回って同一な配列を有する任
意の公知のActRIIAの配列に由来するポリペプチドが含まれる。例えば、ActRIIAポリペプ
チドは、ActRIIAタンパク質及び/又はアクチビンに結合し、それらの機能を阻害すること
ができる。ActRIIBポリペプチドは、骨成長及び骨石灰化を促進するその能力について選
択することができる。ActRIIAポリペプチドの例としては、ヒトActRIIA前駆ポリペプチド
(配列番号1)並びに可溶性ヒトActRIIAポリペプチド(例えば、配列番号2、3、7、及び12)
が挙げられる。そのアミノ酸配列が配列番号1に示されているActRIIA前駆ポリペプチドに
関して、ヒトActRIIA前駆ポリペプチドのシグナルペプチドは、アミノ酸位置1~20に位置
し;細胞外ドメインは、アミノ酸位置21~135に位置し、ヒトActRIIA前駆ポリペプチド(配
列番号1)のN結合型グリコシル化部位は、配列番号1のアミノ酸位置43及び56に位置する。
配列番号1のヒトActRIIB前駆ポリペプチドをコードする核酸配列は、配列番号4(Genbank
エントリーNM_001616のヌクレオチド164~1705)として開示されている。配列番号2の可溶
性ヒトActRIIAポリペプチドをコードする核酸配列は、配列番号5として開示されている。
配列の説明については、表6を参照されたい。
具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIAポ
リペプチドは、可溶性ActRIIAポリペプチドである。ActRIIAタンパク質の細胞外ドメイン
は、アクチビンに結合することができ、かつ通常、可溶性であり、したがって、可溶性ア
クチビン結合ActRIIAポリペプチドと呼ぶことができる。したがって、本明細書で使用さ
れる場合、「可溶性ActRIIAポリペプチド」という用語は、通常、ActRIIAタンパク質の任
意の天然の細胞外ドメインを含む、ActRIIAタンパク質の細胞外ドメインを含むポリペプ
チド並びにその任意の変異体(突然変異体、断片、及びペプチド模倣形態を含む)を指す。
可溶性ActRIIAポリペプチドは、アクチビンに結合することができる;しかしながら、野生
型ActRIIAタンパク質は、アクチビンへの結合に関してGDF8/11と比べて顕著な選択性を示
さない。天然又は改変ActRIIAタンパク質を第二のアクチビン選択的結合剤とカップリン
グさせることにより、該タンパク質に、アクチビンに対する特異性の付加を与えることが
できる。可溶性アクチビン結合ActRIIAポリペプチドの例としては、配列番号2、3、7、12
、及び13に示される可溶性ポリペプチドが挙げられる。可溶性アクチビン結合ActRIIAポ
リペプチド他の例は、ActRIIAタンパク質の細胞外ドメインに加えて、シグナル配列、例
えば、ミツバチメリチンリーダー配列(配列番号8)、組織プラスミノーゲン活性化因子(TP
A)リーダー(配列番号9)、又は天然のActRIIAリーダー(配列番号10)を含む。配列番号13に
示されるActRIIA-hFcポリペプチドでは、TPAリーダーが使用されている。
ある実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIAのイン
ヒビターは、抗体のFc部分に連結されたActRIIAのアクチビン結合ドメインを含むコンジ
ュゲート/融合タンパク質を含む。ある実施態様において、該アクチビン結合ドメインは
、リンカー、例えば、ペプチドリンカーを介して、抗体のFc部分に連結される。任意に、
Fcドメインは、Asp-265、リジン322、及びAsn-434などの残基に1以上の突然変異を有する
。ある場合には、これらの突然変異のうちの1つ又は複数(例えば、Asp-265突然変異)を有
する突然変異体Fcドメインは、野生型Fcドメインと比べてFcγ受容体に結合する能力が低
下している。他の場合には、これらの突然変異のうちの1つ又は複数(例えば、Asn-434突
然変異)を有する突然変異体Fcドメインは、野生型Fcドメイン比べてMHCクラスI関連Fc受
容体(FcRN)に結合する能力が増大している。Fcドメインに融合したActRIIAの可溶性細胞
外ドメインを含む例示的な融合タンパク質は、配列番号6、7、12、及び13に示されている
具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIAイ
ンヒビターは、抗体のFc部分に連結されたActRIIAの細胞外ドメイン、又はその一部を含
み、ここで、該ActRIIAインヒビターは、配列番号6、7、12、及び13から選択されるアミ
ノ酸配列と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列を含む。別の具体的な実施態様におい
て、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIAインヒビターは、抗体のFc部
分に連結されたActRIIAの細胞外ドメイン、又はその一部を含み、ここで、該ActRIIAイン
ヒビターは、配列番号6、7、12、及び13から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、
85%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるアミノ酸配列を含む。
ある実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIAのイン
ヒビターは、ActRIIAの細胞外ドメインの切断形態を含む。切断は、ActRIIAポリペプチド
のカルボキシ末端及び/又はアミノ末端にあることができる。ある実施態様において、切
断は、成熟したActRIIBポリペプチドの細胞外ドメインと比べて、1、2、3、4、5、6、7、
8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25アミノ酸
長いものであることができる。ある実施態様において、切断は、成熟したActRIIAポリペ
プチドの細胞外ドメインの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、1
7、18、19、20、21、22、23、24、又は25個のN末端アミノ酸であることができる。ある実
施態様において、切断は、成熟したActRIIAポリペプチドの細胞外ドメインの1、2、3、4
、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又
は25個のC末端アミノ酸であることができる。例えば、ActRIIAの切断形態としては、アミ
ノ酸20~119; 20~128; 20~129; 20~130; 20~131; 20~132; 20~133; 20~134; 20~
131; 21~131; 22~131; 23~131; 24~131;及び25~131を有するポリペプチドが挙げら
れ、ここで、該アミノ酸位置は、配列番号1におけるアミノ酸位置を指す。
ある実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIAのイン
ヒビターは、1以上のアミノ酸置換を有するActRIIAの細胞外ドメインを含む。ある実施態
様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIAのインヒビターは、
アミノ酸置換も保有するActRIIA細胞外ドメインの切断形態を含む。
具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIAイ
ンヒビターは、ヒトActRIIA受容体の細胞外ドメインとIgG1のFc部分の融合タンパク質で
ある。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるAc
tRIIAインヒビターは、ヒトActRIIA受容体の切断された細胞外ドメインとIgG1のFc部分の
融合タンパク質である。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方
法で使用されるActRIIAインヒビターは、ヒトActRIIA受容体の切断された細胞外ドメイン
とIgG1のFc部分の融合タンパク質であり、ここで、該ヒトActRIIA受容体の切断された細
胞外ドメインは、1以上のアミノ酸置換を保有する。
ActRIIAポリペプチドの機能的に活性のある断片は、例えば、ActRIIAポリペプチドをコ
ードする核酸の対応する断片から組換え産生されたポリペプチドをスクリーニングするこ
とにより得ることができる。さらに、断片を、従来のメリフィールド固相f-Moc又はt-Boc
化学などの当技術分野で公知の技術を用いて化学合成することができる。該断片を(組換
えによるか又は化学合成によって)産生し、試験して、ActRIIAタンパク質又はアクチビン
によって媒介されるシグナル伝達のアンタゴニスト(インヒビター)として機能し得るペプ
チジル断片を同定することができる。
さらに、ActRIIAポリペプチドの機能的に活性のある変異体は、ActRIIAポリペプチドを
コードする対応する突然変異核酸から組換え産生された修飾ポリペプチドのライブラリー
をスクリーニングすることにより得ることができる。該変異体を産生し、試験して、ActR
IIAタンパク質又はアクチビンによって媒介されるシグナル伝達のアンタゴニスト(インヒ
ビター)として機能し得るものを同定することができる。ある実施態様において、ActRIIA
ポリペプチドの機能的変異体は、配列番号2又は3から選択されるアミノ酸配列と少なくと
も75%同一であるアミノ酸配列を含む。ある場合には、該機能的変異体は、配列番号2又
は3から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99
%、又は100%同一なアミノ酸配列を有する。
機能的変異体は、例えば、ActRIIAポリペプチドの構造を、治療効力、又は安定性(例え
ば、エクスビボでの保存期間及びインビボでのタンパク質分解に対する抵抗性)を増強す
るような目的で修飾することにより作製することができる。アクチビン結合を保持するよ
うに選択された場合のそのような修飾ActRIIAポリペプチドは、天然のActRIIAポリペプチ
ドの機能的等価物とみなすことができる。修飾ActRIIAポリペプチドは、例えば、アミノ
酸置換、欠失、又は付加により産生することもできる。例えば、ロイシンとイソロイシン
もしくはバリンとの、アスパラギン酸とグルタミン酸との、トレオニンとセリンとの単独
置換、又はあるアミノ酸と構造的に関連するアミノ酸との同様の置換(例えば、保存的突
然変異)によって、得られる分子の生物活性が大きく影響を受けることはないであろうと
予想するのは合理的である。保存的置換は、その側鎖において関連があるアミノ酸のファ
ミリー内で起こる置換である。ActRIIAポリペプチドのアミノ酸配列の変化によって機能
的ホモログが生じるかどうかは、野生型ActRIIAポリペプチドと同様の様式で細胞内の応
答を引き起こす変異体ActRIIAポリペプチドの能力を評価することにより容易に決定する
ことができる。
ある実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIAインヒ
ビターは、該ポリペプチドのグリコシル化を改変することができる1以上の特定の突然変
異を有するActRIIAポリペプチドを含むことができる。そのような突然変異は、1以上のグ
リコシル化部位、例えば、O結合型又はN結合型グリコシル化部位を導入し又は消失させる
ことができる。アスパラギン結合型グリコシル化認識部位は、通常、適当な細胞グリコシ
ル化酵素によって特異的に認識されるアスパラギン-X-トレオニン(又はアスパラギン-X-
セリン)(ここで、「X」は、任意のアミノ酸である)というトリペプチド配列を含む。改変
は、野生型ActRIIAポリペプチドの配列への1以上のセリンもしくはトレオニン残基の付加
、又は該残基による置換によって行うこともできる(O結合型グリコシル化部位の場合)。
グリコシル化認識部位の1番目もしくは3番目のアミノ酸位置のうちの一方もしくは両方に
おける種々のアミノ酸置換もしくは欠失(及び/又は2番目の位置におけるアミノ酸欠失)は
、修飾されたトリペプチド配列中での非グリコシル化をもたらす。ActRIIAポリペプチド
上の炭水化物部分の数を増加させる別の手段は、ActRIIAポリペプチドへのグリコシドの
化学的又は酵素的カップリングによるものである。使用されるカップリング様式に応じて
、糖(複数可)を、(a)アルギニン及びヒスチジン;(b)遊離カルボキシル基;(c)遊離スルフ
ヒドリル基、例えば、システインの遊離スルフヒドリル基;(d)遊離ヒドロキシル基、例え
ば、セリン、トレオニン、もしくはヒドロキシプロリンの遊離ヒドロキシル基;(e)芳香族
残基、例えば、フェニルアラニン、チロシン、もしくはトリプトファンの芳香族残基;又
は(f)グルタミンのアミド基に結合させることができる。これらの方法は、引用により本
明細書中に組み込まれる、1987年9月11日に公開されたWO 87/05330号、及びAplin及びWri
stonの文献(1981) CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259-306に記載されている。ActRIIAポ
リペプチド上に存在する1以上の炭水化物部分の除去は、化学的に及び/又は酵素的に達成
することができる。化学的脱グリコシル化は、例えば、化合物トリフルオロメタンスルホ
ン酸、又は同等の化合物へのActRIIAポリペプチドの暴露を含み得る。この処理は、結合
糖(N-アセチルグルコサミン又はN-アセチルガラクトサミン)を除くほとんど又は全ての糖
の切断をもたらすが、アミノ酸配列は無傷のまま残す。化学的脱グリコシル化は、Hakimu
ddinらの文献(1987) Arch. Biochem. Biophys. 259:52及びEdgeらの文献(1981) Anal. Bi
ochem. 118:131によりさらに記載されている。ActRIIAポリペプチド上の炭水化物部分の
酵素的切断は、Thotakuraらの文献(1987) Meth. Enzymol. 138:350により記載されている
ような種々のエンドグリコシダーゼ及びエキソグリコシダーゼの使用により達成すること
ができる。ActRIIAポリペプチドのアミノ酸配列は、適切な場合、使用される発現系の種
類に応じて調整することができるが、それは、哺乳動物、酵母、昆虫、及び植物の細胞が
全て、該ペプチドのアミノ酸配列によって影響され得る異なるグリコシル化パターンを導
入することができるためである。一般に、ヒトで使用されるActRIIAタンパク質は、適切
なグリコシル化を提供する哺乳動物細胞株、例えば、HEK293又はCHO細胞株で発現させる
ことができるが、他の発現系、例えば、他の哺乳動物発現細胞株、グリコシル化酵素が改
変されている酵母細胞株、及び昆虫細胞も同様に有用であると考えられる。
本明細書にさらに提供されるのは、突然変異体、特に、ActRIIAポリペプチドのコンビ
ナトリアル突然変異体のセット、及び切断突然変異体を作製する方法であり;コンビナト
リアル突然変異体のプールは、機能的変異体配列を同定するのに特に有用である。そのよ
うなコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングする目的は、例えば、アゴニストも
しくはアンタゴニストのいずれかとして作用することができるか、又はその代わりに、新
規の活性を全て併せ持つ、ActRIIAポリペプチド変異体を作製することであり得る。種々
のスクリーニングアッセイは以下に提供されており、そのようなアッセイを用いて、変異
体を評価することができる。例えば、ActRIIAポリペプチド変異体を、ActRIIAリガンドに
結合する能力、ActRIIAリガンドのActRIIAポリペプチドへの結合を妨げる能力、又はActR
IIAリガンドによって引き起こされるシグナル伝達に干渉する能力についてスクリーニン
グすることができる。
天然のActRIIAポリペプチドと比べて選択的な又は全般的に増大した効力を有する、コ
ンビナトリアル由来の変異体を作製することができる。同様に、突然変異生成により、対
応する野生型ActRIIAポリペプチドとは劇的に異なる細胞内半減期を有する変異体を生じ
させることができる。例えば、改変タンパク質を、タンパク質分解、又は天然のActRIIA
ポリペプチドの破壊、さもなければ、不活化をもたらす他の細胞プロセスに対してより安
定な状態又はあまり安定でない状態にするにすることができる。そのような変異体、及び
それらをコードする遺伝子を用いて、ActRIIAポリペプチドの半減期を調節することによ
り、ActRIIAポリペプチドレベルを改変することができる。例えば、短い半減期は、より
一時的な生物学的効果を生じることができ、患者内の組換えActRIIAポリペプチドレベル
のより厳しい制御を可能にすることができる。Fc融合タンパク質では、突然変異をリンカ
ー(存在する場合)及び/又はFc部分中で生成させて、タンパク質の半減期を変化させるこ
とができる。
コンビナトリアルライブラリーは、各々が潜在的ActRIIAポリペプチド配列の少なくと
も一部を含むポリペプチドのライブラリーをコードする遺伝子の縮重ライブラリーによっ
て生成させることができる。例えば、潜在的ActRIIAポリペプチドヌクレオチド配列の縮
重セットが、個々のポリペプチドとして、又はその代わりに、より大きな融合タンパク質
のセット(例えば、ファージディスプレイの場合)として発現可能となるように、合成オリ
ゴヌクレオチドの混合物を遺伝子配列に酵素的に連結することができる。
潜在的ホモログのライブラリーを縮重オリゴヌクレオチド配列から作製することができ
る多くの方法がある。縮重遺伝子配列の化学合成を自動DNA合成装置で実行することがで
き、その後、合成遺伝子を発現用の適当なベクターに連結することができる。縮重オリゴ
ヌクレオチドの合成は、当技術分野で周知である(例えば、Narang, S Aの文献(1983) Tet
rahedron 39:3; Itakuraらの文献(1981) Recombinant DNA, Proc. 3rd Cleveland Sympos
. Macromolecules, AG Walton, Amsterdam編: Elsevier pp 273-289; Itakuraらの文献(1
984) Annu. Rev. Biochem. 53:323; Itakuraらの文献(1984) Science 198:1056; Ikeらの
文献(1983) Nucleic Acid Res. 11:477を参照されたい)。そのような技術は、他のタンパ
ク質の定方向進化において利用されている(例えば、Scottらの文献(1990) Science 249:3
86-390; Robertsらの文献(1992) PNAS USA 89:2429-2433; Devlinらの文献(1990) Scienc
e 249: 404-406; Cwirlaらの文献(1990) PNAS USA 87: 6378-6382;並びに米国特許第5,22
3,409号、第5,198,346号、及び第5,096,815号を参照されたい)。
或いは、他の形態の突然変異生成を用いて、コンビナトリアルライブラリーを作製する
ことができる。例えば、ActRIIAポリペプチド変異体を、例えば、アラニンスキャニング
突然変異生成などを用いるスクリーニングによって(Rufらの文献(1994) Biochemistry 33
:1565-1572; Wangらの文献(1994) J. Biol. Chem. 269:3095-3099; Balintらの文献(1993
) Gene 137:109-118; Grodbergらの文献(1993) Eur. J. Biochem. 218:597-601; Nagashi
maらの文献(1993) J. Biol. Chem. 268:2888-2892; Lowmanらの文献(1991) Biochemistry
30:10832-10838;及びCunninghamらの文献(1989) Science 244:1081-1085)、リンカース
キャニング突然変異生成によって(Gustinらの文献(1993) Virology 193:653-660; Brown
らの文献(1992) Mol. Cell Biol. 12:2644-2652; McKnightらの文献(1982) Science 232:
316);飽和突然変異生成によって(Meyersらの文献(1986)Science 232:613); PCR突然変異
生成によって(Leungらの文献(1989) Method Cell Mol Biol 1:11-19);又は化学的突然変
異生成などを含むランダム突然変異生成によって(Millerらの文献(1992) 細菌遺伝学の短
期講座(A Short Course in Bacterial Genetics)、CSHL Press, Cold Spring Harbor, N.
Y.;及びGreenerらの文献(1994) Strategies in Mol Biol 7:32-34)、ライブラリーから作
製し、単離することができる。特にコンビナトリアル設定でのリンカースキャニング突然
変異生成は、ActRIIAポリペプチドの切断(生物活性)形態を同定する魅力的な方法である
点突然変異及び切断によって作製されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物を
スクリーニングするための、さらに言うなら、特定の性質を有する遺伝子産物のcDNAライ
ブラリーをスクリーニングするための、広範な技術が当技術分野で公知である。そのよう
な技術は、一般に、ActRIIAポリペプチドのコンビナトリアル突然変異生成によって作製
される遺伝子ライブラリーの迅速スクリーニングに適用可能である。大きな遺伝子ライブ
ラリーのスクリーニングに最も広く使用されている技術は、通常、遺伝子ライブラリーを
複製可能な発現ベクターにクローニングすること、適当な細胞を得られたベクターのライ
ブラリーで形質転換すること、及びコンビナトリアル遺伝子を、所望の活性の検出によっ
て、その産物が検出された遺伝子をコードするベクターの比較的簡単な単離が容易になる
条件下で発現させることを含む。好ましいアッセイとしては、アクチビン結合アッセイ及
びアクチビン媒介性細胞シグナル伝達アッセイが挙げられる。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法及び組成物のインヒビターで使用される
ActRIIAポリペプチドは、該ActRIIAポリペプチドに天然に存在する任意の修飾に加えて、
翻訳後修飾をさらに含み得る。そのような修飾としては、アセチル化、カルボキシル化、
グリコシル化、リン酸化、脂質化、及びアシル化を挙げることができるが、これらに限定
されない。結果として、修飾されたActRIIAポリペプチドは、非アミノ酸要素、例えば、
ポリエチレングリコール、脂質、多糖又は単糖、及びホスフェートを含有し得る。ActRII
Aポリペプチドの機能性に対するそのような非アミノ酸要素の効果は、当業者に公知の任
意の方法によって試験することができる。ActRIIAポリペプチドが、該ActRIIAポリペプチ
ドの新生形態を切断することによって細胞内で産生される場合、翻訳後プロセシングもま
た、該タンパク質の正確なフォールディング及び/又は機能に重要であり得る。様々な細
胞(例えば、CHO、HeLa、MDCK、293、W138、NIH-3T3、又はHEK293)は、そのような翻訳後
活性のための特異的細胞装置及び特徴的機構を有しており、該細胞を、ActRIIAポリペプ
チドの正確な修飾及びプロセシングを保証するように選択することができる。
ある態様において、本明細書に記載の方法及び組成物のインヒビターで使用されるActR
IIAポリペプチドの機能的変異体又は修飾形態には、ActRIIAポリペプチドの少なくとも一
部及び1以上の融合ドメインを有する融合タンパク質が含まれる。そのような融合ドメイ
ンのよく知られた例としては、ポリヒスチジン、Glu-Glu、グルタチオンSトランスフェラ
ーゼ(GST)、チオレドキシン、プロテインA、プロテインG、免疫グロブリン重鎖定常領域(
Fc)、マルトース結合タンパク質(MBP)、又はヒト血清アルブミンが挙げられるが、これら
に限定されない。融合ドメインを、所望の特性を付与するように選択することができる。
例えば、いくつかの融合ドメインは、親和性クロマトグラフィーによる融合タンパク質の
単離に特に有用である。親和性精製の目的で、親和性クロマトグラフィー用の関連するマ
トリックス、例えば、グルタチオン、アミラーゼ、及びニッケル又はコバルトコンジュゲ
ート樹脂が使用される。そのようなマトリックスの多くは、「キット」形態で入手可能で
あり、これには、例えば、(HIS6)融合パートナーと合わせて有用な、Pharmacia GST精製
システム及びQIAexpress(商標)システム(Qiagen)がある。別の例として、融合ドメインを
、ActRIIAポリペプチドの検出を容易にするように選択することができる。そのような検
出ドメインの例としては、様々な蛍光タンパク質(例えば、GFP)及び通常、特異的抗体が
利用可能な短いペプチド配列である「エピトープタグ」が挙げられる。特異的モノクロー
ナル抗体がすぐに利用可能である周知のエピトープタグとしては、FLAG、インフルエンザ
ウイルスヘマグルチニン(HA)、及びc-mycタグが挙げられる。場合により、融合ドメイン
は、例えば、第Xa因子又はトロンビン用のプロテアーゼ切断部位を有し、該部位は、関連
するプロテアーゼが融合タンパク質を部分消化し、それにより、組換えタンパク質をそれ
から遊離させることを可能にする。その後、遊離したタンパク質を、後続のクロマトグラ
フィー分離によって融合ドメインから単離することができる。ある好ましい実施態様にお
いて、ActRIIAポリペプチドを、インビボでActRIIAポリペプチドを安定化するドメイン(
「スタビライザー」ドメイン)と融合させる。「安定化する」とは、血清半減期を延長す
る全てのことを意味し、これは、破壊の減少によるものか、腎臓によるクリアランスの減
少によるものか、又は他の薬物動態作用によるものかを問わない。免疫グロブリンのFc部
分との融合は、広範なタンパク質に望ましい薬物動態特性を付与することが知られている
。同様に、ヒト血清アルブミンへの融合は、望ましい特性を付与することができる。選択
され得る他のタイプの融合ドメインとしては、多量体化(例えば、二量体化、四量体化)ド
メイン及び(望ましい場合、追加の生物学的機能、例えば、骨成長又は筋肉成長のさらな
る刺激を付与する)機能ドメインが挙げられる。
融合タンパク質の様々なエレメントを、所望の機能と一致する任意の方法で配置し得る
ことが理解される。例えば、ActRIIAポリペプチドを異種ドメインのC末端に配置すること
ができ、又はその代わりに、異種ドメインをActRIIAポリペプチドのC末端に配置すること
ができる。ActRIIAポリペプチドドメイン及び異種ドメインは、融合タンパク質中で隣接
している必要がなく、追加のドメイン又はアミノ酸配列を、どちらかのドメインのC末端
もしくはN末端、又はこれらのドメインの間に含めることができる。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法及び組成物のインヒビターで使用される
ActRIIAポリペプチドは、ActRIIAポリペプチドを安定化することができる1以上の修飾を
含むことができる。例えば、そのような修飾は、ActRIIAポリペプチドのインビトロ半減
期を向上させるか、ActRIIAポリペプチドの循環半減期を向上させるか、又はActRIIAポリ
ペプチドのタンパク質分解を低下させることができる。そのような安定化修飾としては、
融合タンパク質(例えば、ActRIIAポリペプチド及びスタビライザードメインを含む融合タ
ンパク質を含む)、グリコシル化部位の修飾(例えば、ActRIIAポリペプチドへのグリコシ
ル化部位の付加を含む)、並びに炭水化物部分の修飾(例えば、ActRIIAポリペプチドから
の炭水化物部分の除去を含む)を挙げることができるが、これらに限定されない。融合タ
ンパク質の場合、ActRIIAポリペプチドを、スタビライザードメイン、例えば、IgG分子(
例えば、Fcドメイン)に融合させる。本明細書で使用されるように、「スタビライザード
メイン」という用語は、融合タンパク質の場合に見られる融合ドメイン(例えば、Fc)を指
すだけでなく、炭水化物部分などの非タンパク質性修飾、又はポリエチレングリコールな
どの非タンパク質性ポリマーも含む。
ある実施態様において、他のタンパク質から単離されているか、又は別の方法で他のタ
ンパク質を実質的に含まない、単離及び/又は精製された形態のActRIIAポリペプチドを、
本明細書に記載の方法及び組成物とともに使用することができる。ActRIIAポリペプチド
は、通常、組換え核酸からの発現によって産生することができる。
ある態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIAポリペプチ
ドは、本明細書に開示される断片、機能的変異体、及び融合タンパク質を含む、ActRIIA
ポリペプチド(例えば、可溶性ActRIIAポリペプチド)のいずれかをコードする単離された
及び/又は組換え核酸を用いて作製される。例えば、配列番号4は、天然のヒトActRIIA前
駆ポリペプチドをコードし、一方、配列番号5は、ActRIIAのプロセシングされた細胞外ド
メインをコードする。そのような核酸は、一本鎖又は二本鎖であり得る。そのような核酸
は、DNA又はRNA分子であり得る。これらの核酸を、例えば、ActRIIAポリペプチドを作製
する方法で、又は直接的な治療剤として(例えば、遺伝子療法の手法で)使用することがで
きる。
ある態様において、ActRIIAポリペプチドをコードする核酸には、配列番号4又は5の変
異体である核酸が含まれ得る。変異体ヌクレオチド配列には、1以上のヌクレオチド置換
、付加、又は欠失によって異なる配列、例えば、アレル変異体が含まれる。
ある実施態様において、ActRIIAポリペプチドをコードする単離された又は組換え核酸
配列は、配列番号4又は5と少なくとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、又は
100%同一であり得る。当業者は、配列番号4又は5に相補的な核酸配列、及び配列番号4又
は5の変異体を、本明細書に記載の方法及び組成物で使用するのに好適なActRIIAポリペプ
チドの産生に使用し得ることを理解するであろう。さらなる実施態様において、そのよう
な核酸配列は、単離されたもの、組換え体、及び/もしくは異種ヌクレオチド配列に融合
されたもの、又はDNAライブラリーに由来するものであることができる。
他の実施態様において、本明細書に記載の方法及び組成物で使用するのに好適なActRII
Aポリペプチドの産生で使用される核酸は、極めてストリンジェントな条件下で、配列番
号4もしくは5に表記されたヌクレオチド配列、配列番号4もしくは5の相補配列、又はそれ
らの断片にハイブリダイズするヌクレオチド配列も含み得る。当業者は、DNAハイブリダ
イゼーションを促進する適切なストリンジェンシー条件を変化させることができることを
理解するであろう。例えば、ハイブリダイゼーションを、約45℃での6.0×塩化ナトリウ
ム/クエン酸ナトリウム(SSC)、次いで、50℃での2.0×SSCの洗浄で実施することができる
。例えば、洗浄工程での塩濃度を、50℃で約2.0×SSCの低いストリンジェンシーから50℃
で約0.2×SSCの高いストリンジェンシーまで選択することができる。さらに、洗浄工程で
の温度を、室温、約22℃での低いストリンジェンシー条件から約65℃での高いストリンジ
ェンシー条件へと上昇させることができる。温度と塩の両方を変化させることができ、又
は他の変数を変化させながら、温度もしくは塩濃度を一定に保つことができる。一実施態
様において、室温での6×SSC、次に、室温での2×SSCでの洗浄の低いストリンジェンシー
条件下でハイブリダイズする核酸を、本明細書に記載の方法及び組成物とともに使用する
ことができる。
遺伝暗号の縮重のために配列番号4又は5に示される核酸とは異なる単離された核酸も、
本明細書に記載の方法及び組成物で使用するのに好適なActRIIAポリペプチドの産生で使
用することができる。例えば、いくつかのアミノ酸は、複数のトリプレットによって指定
される。同じアミノ酸を特定するコドン、又はシノニム(例えば、CAUとCACは、ヒスチジ
ンについてのシノニムである)は、タンパク質のアミノ酸配列に影響を及ぼさない「サイ
レント突然変異」を生じさせることができる。しかしながら、対象タンパク質のアミノ酸
配列の変化を実際にもたらすDNA配列多型が哺乳動物細胞の間に存在すると考えられる。
当業者は、特定のタンパク質をコードする核酸の1以上のヌクレオチドにおけるこれらの
変異(variation)(ヌクレオチドの最大約3~5%)が、天然のアレル変異(variation)が原因
で、所与の種の個体間に存在し得ることを理解するであろう。
ある実施態様において、組換え核酸を、発現コンストラクト中の1以上の調節ヌクレオ
チド配列に機能的に連結することができる。調節ヌクレオチド配列は、通常、発現に使用
される宿主細胞に適したものである。種々の宿主細胞について、数多くの種類の適切な発
現ベクター及び好適な調節配列が当技術分野で公知である。一般に、該1以上の調節ヌク
レオチド配列としては、プロモーター配列、リーダー又はシグナル配列、リボソーム結合
部位、転写開始及び終結配列、翻訳開始及び終結配列、並びにエンハンサー又はアクチベ
ーター配列が挙げられるが、これらに限定されない。当技術分野で公知の構成的又は誘導
性プロモーターが本明細書で企図される。プロモーターは、天然プロモーター、又は複数
のプロモーターのエレメントを組み合わせるハイブリッドプロモーターのどちらかであり
得る。発現コンストラクトは、細胞内でプラスミドなどのエピソーム上に存在してもよく
、又は発現コンストラクトは、染色体に挿入されてもよい。好ましい実施態様において、
発現ベクターは、形質転換した宿主細胞の選択を可能にする選択可能マーカー遺伝子を含
む。選択可能マーカー遺伝子は当技術分野で周知であり、使用される宿主細胞によって異
なる。
ある態様において、本明細書に記載の方法及び組成物で使用するのに好適なActRIIAポ
リペプチドの産生で使用される核酸は、ActRIIAポリペプチドをコードし、少なくとも1つ
の調節配列に機能的に連結されているヌクレオチド配列を含む発現ベクター中に提供する
ことができる。調節配列は当技術分野で認められており、ActRIIAポリペプチドの発現を
導くように選択される。したがって、調節配列という用語は、プロモーター、エンハンサ
ー、及び他の発現制御エレメントを含む。例示的な調節配列は、Goeddelの文献;遺伝子発
現技術:酵素学の方法(Gene Expression Technology: Methods in Enzymology), Academic
Press, San Diego, Calif.(1990)に記載されている。例えば、それに機能的に連結され
たときDNA配列の発現を制御する多種多様な発現制御配列のいずれかをこれらのベクター
中で用いて、ActRIIAポリペプチドをコードするDNA配列を発現させることができる。その
ような有用な発現制御配列としては、例えば、SV40の初期及び後期プロモーター、tetプ
ロモーター、アデノウイルス又はサイトメガロウイルス前初期プロモーター、RSVプロモ
ーター、lacシステム、trpシステム、TAC又はTRCシステム、その発現がT7 RNAポリメラー
ゼによって誘導されるT7プロモーター、ラムダファージの主要オペレーター及びプロモー
ター領域、fdコートタンパク質の制御領域、3-ホスホグリセレートキナーゼ又は他の解糖
系酵素のプロモーター、酸ホスファターゼ、例えば、Pho5のプロモーター、酵母のα接合
因子のプロモーター、バキュロウイルス系のポリヘドロンプロモーター、並びに原核もし
くは真核細胞又はそれらのウイルスの遺伝子の発現を制御することが知られている他の配
列、並びにこれらの様々な組合せが挙げられる。発現ベクターの設計は、形質転換される
宿主細胞の選択及び/又は発現が望まれるタンパク質の種類のような因子によって決まる
ことが理解されるべきである。さらに、ベクターのコピー数、そのコピー数を制御する能
力、及び該ベクターによってコードされる任意の他のタンパク質、例えば、抗生物質マー
カーの発現も考慮されるべきである。
本明細書に記載の方法及び組成物で使用するのに好適なActRIIAポリペプチドの産生で
使用される組換え核酸は、クローニングされた遺伝子、又はその一部を、原核細胞、真核
細胞(酵母、鳥類、昆虫、もしくは哺乳動物)、又はその両方における発現に好適なベクタ
ー中に連結することにより産生することができる。組換えActRIIAポリペプチドの産生用
の発現ビヒクルとしては、プラスミド及び他のベクターが挙げられる。例えば、好適なベ
クターとしては、大腸菌(E. coli)などの原核細胞における発現用の、以下のタイプのプ
ラスミド: pBR322由来プラスミド、pEMBL由来プラスミド、pEX由来プラスミド、pBTac由
来プラスミド、及びpUC由来プラスミドが挙げられる。
いくつかの哺乳動物発現ベクターは、細菌におけるベクターの増殖を促進する原核生物
配列と、真核細胞で発現される1以上の真核生物転写ユニットの両方を含む。pcDNAI/amp
、pcDNAI/neo、pRc/CMV、pSV2gpt、pSV2neo、pSV2-dhfr、pTk2、pRSVneo、pMSG、pSVT7、
pko-neo 及びpHyg由来ベクターは、真核細胞のトランスフェクションに好適な哺乳動物発
現ベクターの例である。これらのベクターのうちのいくつかは、原核細胞と真核細胞の両
方における複製及び薬物耐性選択を容易にするために、pBR322などの細菌プラスミド由来
の配列で修飾されている。或いは、ウシパピローマウイルス(BPV-1)、又はエプスタイン-
バーウイルス(pHEBo、pREP由来、及びp205)などのウイルスの派生物を、真核細胞におけ
るタンパク質の一過性発現に使用することができる。(レトロウイルスを含む)他のウイル
ス発現系の例は、以下の遺伝子療法送達系の記載において見出すことができる。プラスミ
ドの増殖及び宿主生物の形質転換に利用される様々な方法は、当技術分野で周知である。
原核細胞と真核細胞の両方に関する他の好適な発現系、及び一般的な組換え手順について
は、分子クローニング 実験マニュアル(Molecular Cloning A Laboratory Manual)、第3
版、Sambrook、Fritsch、及びManiatis編(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001)
を参照されたい。いくつかの例において、バキュロウイルス発現系の使用によって組換え
ポリペプチドを発現させることが望ましい場合がある。そのようなバキュロウイルス発現
系の例としては、pVL由来ベクター(例えば、pVL1392、pVL1393、及びpVL941)、pAcUW由来
ベクター(例えば、pAcUW1)、並びにpBlueBac由来ベクター(例えば、β-gal含有pBlueBac
III)が挙げられる。
Pcmv-Scriptベクター(Stratagene, La Jolla, Calif.)、pcDNA4ベクター(Invitrogen,
Carlsbad, Calif.)、及びpCI-neoベクター(Promega, Madison, Wis.)などのベクターを、
CHO細胞内での対象ActRIIAポリペプチドの産生用に設計することができる。明らかになる
ように、対象遺伝子コンストラクトを用いて、例えば、精製用の、融合タンパク質又は変
異体タンパク質を含む、タンパク質を産生するために、培養で増殖した細胞内での対象Ac
tRIIAポリペプチドの発現を生じさせることができる。
1以上の該対象ActRIIAポリペプチドのコード配列(例えば、配列番号4又は5)を含む組換
え遺伝子でトランスフェクトされた宿主細胞を、本明細書に記載の方法及び組成物で使用
するのに好適なActRIIAポリペプチドの産生で使用することができる。宿主細胞は、任意
の原核又は真核細胞であり得る。例えば、本明細書に提供されるActRIIAポリペプチドを
、大腸菌などの細菌細胞、昆虫細胞(例えば、バキュロウイルス発現系を用いる)、酵母、
又は哺乳動物細胞で発現させることができる。他の好適な宿主細胞は、当業者に公知であ
る。
したがって、本明細書に提供されるのは、ActRIIAポリペプチドを産生する方法である
。例えば、ActRIIAポリペプチドをコードする発現ベクターでトランスフェクトされた宿
主細胞を、ActRIIAポリペプチドの発現が生じるのを可能にする適当な条件下で培養する
ことができる。ActRIIAポリペプチドを分泌させ、細胞とActRIIAポリペプチドを含む培地
の混合物から単離することができる。或いは、ActRIIAポリペプチドを細胞質内又は膜画
分に保持し、細胞を回収し、溶解させ、タンパク質を単離することができる。細胞培養物
には、宿主細胞、培地、及び他の副産物が含まれる。細胞培養用の好適な培地は、当技術
分野で周知である。対象ActRIIAポリペプチドは、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル
濾過クロマトグラフィー、限外濾過、電気泳動、ActRIIAポリペプチドの特定のエピトー
プに特異的な抗体による免疫親和性精製、及びActRIIAポリペプチドに融合したドメイン
に結合する物質による親和性精製(例えば、プロテインAカラムを用いて、ActRIIA-Fc融合
体を精製することができる)を含む、タンパク質を精製するための当技術分野で公知の技
術を用いて、細胞培養培地、宿主細胞、又はその両方から単離することができる。好まし
い実施態様において、ActRIIAポリペプチドは、その精製を容易にするドメインを含む融
合タンパク質である。一実施態様において、精製は、例えば、以下のもの:プロテインAク
ロマトグラフィー、Qセファロースクロマトグラフィー、フェニルセファロースクロマト
グラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、及び陽イオン交換クロマトグラフィーのう
ちの3つ以上を、任意の順序で含む、一連のカラムクロマトグラフィー工程により達成さ
れる。精製は、ウイルス濾過及びバッファー交換で終了させることができる。本明細書で
実証されるように、ActRIIA-hFcタンパク質は、サイズ排除クロマトグラフィーにより決
定して98%を超える純度、SDS PAGEにより決定して95%を超える純度に精製された。この
精製レベルは、マウスの骨に対する望ましい効果並びにマウス、ラット、及び非ヒト霊長
類における許容し得る安全性プロファイルを達成するのに十分であった。
別の実施態様において、組換えActRIIAポリペプチドの所望の部分のN末端におけるポリ
-(His)/エンテロキナーゼ切断部位配列などの精製リーダー配列をコードする融合遺伝子
は、Ni2+金属樹脂を用いる親和性クロマトグラフィーによる発現された融合タンパク質の
精製を可能にすることができる。次いで、精製リーダー配列をエンテロキナーゼによる処
理によって後から除去し、精製ActRIIAポリペプチドを提供することができる(例えば、Ho
chuliらの文献(1987) J. Chromatography 411:177;及びJanknechtらの文献、PNAS USA 88
:8972を参照されたい)。
融合遺伝子を作製する技術は周知である。本質的に、異なるポリペプチド配列をコード
する様々なDNA断片の接続は、ライゲーションのための平滑末端又は互い違い末端、適切
な末端を提供するための制限酵素消化、必要な場合の付着末端の充填(filling-in)、望ま
しくない接続を避けるためのアルカリホスファターゼ処理、及び酵素的ライゲーションを
利用する従来の技術に従って実施される。別の実施態様において、融合遺伝子は、自動化
DNA合成装置を含む従来の技術によって合成することができる。或いは、後からアニーリ
ングさせてキメラ遺伝子配列を生成させることができる2つの連続する遺伝子断片間の相
補的突出を生じさせるアンカープライマーを用いて、遺伝子断片のPCR増幅を実施するこ
とができる(例えば、分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Bio
logy)、Ausubelら編、John Wiley & Sons: 1992を参照されたい)。
ActRIIA-Fc融合タンパク質は、安定にトランスフェクトされたCHO-DUKX Bl 1細胞で、
配列番号9の組織プラスミノーゲンリーダー配列を用いて、pAID4ベクター(SV40 ori/エン
ハンサー、CMVプロモーター)から発現させることができる。Fc部分は、配列番号7に示さ
れるヒトIgGl Fc配列である。ある実施態様において、発現させたとき、含まれるタンパ
ク質は、ActRIIA-Fc融合タンパク質1分子当たり、平均で約1.5~2.5モルのシアル酸を有
する。
ある実施態様において、ActRIIA-Fc融合体の長い血清半減期は、ヒト患者で25~32日で
あることができる。さらに、CHO細胞で発現される物質は、ヒト293細胞で発現されるActR
IIA-hFc融合タンパク質について報告されたものよりも高いアクチビンBリガンドに対する
親和性を有することができる(del Reらの文献、J Biol Chem. 2004 Dec 17;279(51):5312
6-35)。さらに、理論によって束縛されるものではないが、TPAリーダー配列の使用は、他
のリーダー配列よりも大きな産生をもたらし、天然のリーダーで発現されるActRIIA-Fcと
は異なり、極めて純粋なN末端配列を提供することができる。天然のリーダー配列の使用
は、各々異なるN末端配列を有する2つの主要な種のActRIIA-Fcを生じさせることができる
((b)ActRIIBのインヒビター)
本明細書で使用されるように、「ActRIIB」という用語は、任意の種由来のアクチビン
受容体IIB型(ActRIIB)タンパク質のファミリー及び突然変異生成又は他の修飾によってそ
のようなActRIIBタンパク質から得られた変異体を指す。本明細書中でのActRIIBに対する
言及は、該受容体の現在同定されている形態のいずれか1つに対する言及であると理解さ
れる。ActRIIBファミリーのメンバーは、一般に、システインに富む領域を含むリガンド
結合細胞外ドメイン、膜貫通ドメイン、及び予想上のセリン/トレオニンキナーゼ活性を
有する細胞質ドメインから構成される、膜貫通タンパク質である。
本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIBインヒビターとしては、限定す
るものではないが、アクチビン結合可溶性ActRIIBポリペプチド;アクチビン(特に、βA又
はβBとも呼ばれる、アクチビンA又はBサブユニット)に結合し、ActRIIB結合を破壊する
抗体; ActRIIBに結合し、アクチビン結合を破壊する抗体;アクチビン又はActRIIB結合に
ついて選択された非抗体タンパク質;及びFcドメインにコンジュゲートすることができる
、アクチビン又はActRIIB結合について選択されたランダム化ペプチドが挙げられる。
ある実施態様において、アクチビン又はActRIIB結合活性を有する2以上の異なるタンパ
ク質(又は他の部分)、特に、それぞれI型(例えば、可溶性I型アクチビン受容体)及びII型
(例えば、可溶性II型アクチビン受容体)結合部位を遮断するアクチビンバインダーを1つ
に連結させて、ActRIIBを阻害し、したがって、本明細書に記載の組成物及び方法で使用
することができる、二機能性又は多機能性結合分子を作出することができる。ある実施態
様において、ActRIIBを阻害するアクチビン-ActRIIBシグナル伝達軸アンタゴニストとし
ては、核酸アプタマー、小分子、並びに本明細書に記載の組成物及び方法で使用される他
の薬剤が挙げられる。
((i)ActRIIBポリペプチドを含むActRIIBインヒビター)
本明細書で使用されるように、「ActRIIBポリペプチド」という用語は、ActRIIBファミ
リーメンバーの任意の天然のポリペプチド並びに有用な活性を保持するその任意の変異体
(突然変異体、断片、融合体、及びペプチド模倣形態を含む)を含むポリペプチドを指す。
例えば、ActRIIBポリペプチドには、ActRIIBポリペプチドの配列と少なくとも約80%同一
な、及び任意に、少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれを上
回って同一な配列を有する任意の公知のActRIIB受容体の配列に由来するポリペプチドが
含まれる。例えば、ActRIIBポリペプチドは、ActRIIBタンパク質及び/又はアクチビンに
結合し、それらの機能を阻害することができる。ActRIIBポリペプチドの例としては、ヒ
トActRIIB前駆ポリペプチド(配列番号16又は配列番号28)が挙げられる。そのアミノ酸配
列が配列番号16又は配列番号28に示されているActRIIB前駆ポリペプチド(すなわち、ヒト
ActRIIB前駆ポリペプチド)に関して、該ActRIIB前駆ポリペプチドのシグナルペプチドは
、アミノ酸1~18に位置し;細胞外ドメインは、アミノ酸19~134に位置し、潜在的N結合型
グリコシル化部位は、アミノ酸位置42及び65に位置する。配列番号16のヒトActRIIB前駆
ポリペプチドをコードする核酸配列は、配列番号19として開示されている(配列番号19は
、アミノ酸位置64に対応するコドンでアラニンを提供するが、その代わりにアミノ酸位置
64に対応するコドンでアルギニンを提供するように、当技術分野で公知の方法を用いて、
当業者により、容易に修飾されることができる)。配列の説明については、表6を参照され
たい。
別途、具体的に表記されない限り、本明細書に記載の全てのActRIIB関連ポリペプチド
に関するアミノ酸の付番は、配列番号16及び配列番号28(これらは、位置64で発現される
アミノ酸だけが異なる)に関するアミノ酸付番に基づく。例えば、ActRIIBポリペプチドが
アミノ酸位置79で置換/突然変異を有すると記載されている場合、位置79は、ActRIIBポリ
ペプチドが由来する配列番号16又は配列番号28中の79番目のアミノ酸を指すものと理解さ
れるべきである。同様に、ActRIIBポリペプチドがアミノ酸位置64でアラニン又はアルギ
ニンを有すると記載されている場合、位置64は、ActRIIBポリペプチドが由来する配列番
号16又は配列番号28中の64番目のアミノ酸を指すものと理解されるべきである。
ある実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIBのイン
ヒビターは、ActRIIBのアクチビン結合ドメインを含むポリペプチドを含む。いくつかの
実施態様において、ActRIIBのアクチビン結合ドメインは、ActRIIBの細胞外ドメイン、又
はその部分を含む。具体的な実施態様において、ActRIIBの細胞外ドメイン又はその部分
は可溶性である。ActRIIBポリペプチドの例示的な修飾形態は、その開示が引用により完
全に本明細書中に組み込まれる、米国特許出願公開第20090005308号及び第20100068215号
に開示されている。
具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIBポ
リペプチドは、可溶性ActRIIBポリペプチドである。「可溶性ActRIIBポリペプチド」とい
う用語は、通常、ActRIIBタンパク質の任意の天然の細胞外ドメインを含む、ActRIIBタン
パク質の細胞外ドメインを含むポリペプチド並びにその任意の変異体(突然変異体、断片
、及びペプチド模倣形態を含む)を指す。可溶性ActRIIBポリペプチドは、アクチビンに結
合することができる;しかしながら、野生型ActRIIBタンパク質は、アクチビンへの結合に
関してGDF8/11と比べて顕著な選択性を示さない。ある実施態様において、様々な結合特
性を有するActRIIBの改変形態を本明細書に提供される方法で使用することができる。そ
のような改変形態は、例えば、その開示が引用により完全に本明細書中に組み込まれる、
国際特許出願公開第WO 2006/012627号及びWO 2010/019261号に開示されている。天然又は
改変ActRIIBタンパク質を第二のアクチビン選択的結合剤とカップリングさせることによ
り、該タンパク質に、アクチビンに対する特異性の付加を与えることができる。例示的な
可溶性ActRIIBポリペプチドとしては、ヒトActRIIBポリペプチドの細胞外ドメイン(例え
ば、配列番号17、18、23、26、27、29、30、31、32、33、36、37、42、及び43)が挙げら
れる。
ActRIIB前駆アミノ酸配列、すなわち、配列番号16のアミノ酸64に対応する位置のアラ
ニン(本明細書中、「A64」と呼ばれる)を有する、Hildenらの文献(Blood, 1994, 83(8):2
163-70)によって開示されたActRIIB細胞外配列を有するFc融合タンパク質は、アクチビン
及びGDF-11に対する比較的低い親和性を保有することが示されている。対照的に、ActRII
B前駆アミノ酸配列の位置64のアルギニン(本明細書中、「R64」と呼ばれる)を有するFc融
合タンパク質は、低ナノモル濃度からピコモル濃度の範囲のアクチビン及びGDF-11に対す
る親和性を有する(例えば、その開示が完全に本明細書中に組み込まれる、米国特許出願
公開第20100068215号を参照されたい)。位置64のアルギニンを有するActRIIB前駆アミノ
酸配列は、配列番号28に示されている。したがって、ある実施態様において、本明細書に
記載の組成物及び方法に従って使用されるActRIIBポリペプチドは、(i)ActRIIB前駆アミ
ノ酸配列、すなわち、配列番号16のアミノ酸64に対応する位置のアラニン;又は(ii)ActRI
IB前駆アミノ酸配列、すなわち、配列番号28の位置64のアルギニンのどちらかを含み得る
。他の実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法に従って使用されるActRIIB
ポリペプチドは、ActRIIB前駆アミノ酸配列、すなわち、配列番号16又は配列番号28のア
ミノ酸64に対応する位置にアラニンでもアルギニンでもないアミノ酸を含み得る。
ActRIIBの細胞外ドメインのC末端におけるプロリンノットの欠失は、アクチビンに対す
る受容体の親和性を低下させることが示されている(例えば、Attisanoらの文献、Cell, 1
992, 68(1):97-108を参照されたい)。配列番号28のアミノ酸20~119を含むActRIIB-Fc融
合タンパク質(すなわち、配列番号32)の「ActRIIB(20-119)-Fc」は、プロリンノット領域
及び完全な膜近傍領域を含む、配列番号28のアミノ酸20~134を含むActRIIB-Fc融合タン
パク質(すなわち、配列番号31)の「ActRIIB(20-134)-Fc」と比べて、GDF-11及びアクチビ
ンに対する結合が低下している。しかしながら、配列番号28のアミノ酸20~129を含むAct
RIIB-Fc融合タンパク質の「ActRIIB(20-129)-Fc」は、プロリンノット領域が破壊されて
いるにもかかわらず、ActRIIBの非切断型細胞外ドメインと比べて、同様の、しかし、若
干低下した活性を保持している。したがって、配列番号28(又は配列番号16)のアミノ酸13
4、133、132、131、130、及び129で終結する細胞外ドメインを含むActRIIBポリペプチド
は全て活性を有すると考えられるが、アミノ酸134又は133で終結するコンストラクトが最
も高い活性を有し得る。同様に、配列番号28のP129及びP130の突然変異がリガンド結合を
それほど減少させないという事実によって示されるように、残基129~134のいずれかでの
突然変異は、リガンド結合親和性を大幅に変化させるとは考えられない。したがって、本
明細書に記載の方法及び組成物に従って使用されるActRIIBポリペプチドは、配列番号28(
又は配列番号16)のアミノ酸109(すなわち、最後のシステイン)で早くも終わり得るが、配
列番号28(又は配列番号16)のアミノ酸位置109と119又はその間で終わる形態は、低下した
リガンド結合能を有すると考えられる。
配列番号16及び配列番号28のアミノ酸29は、ActRIIB前駆体配列中の最初のシステイン
に相当する。配列番号16もしくは配列番号28のN末端のアミノ酸29、又はこれらのアミノ
酸位置の前から始まるActRIIBポリペプチドは、リガンド結合活性を保持していると考え
られる。配列番号16又は配列番号28の位置24におけるアラニンからアスパラギンへの突然
変異は、リガンド結合にそれほど影響を及ぼすことなく、N結合型グリコシル化配列を導
入する。これは、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸20~29に対応するシグナル切断ペ
プチドとシステイン架橋領域の間の領域中の突然変異が良好に許容されることを裏付ける
ものである。特に、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸位置20、21、22、23、及び24か
ら始まるActRIIBポリペプチドは活性を保持しており、配列番号16又は配列番号28のアミ
ノ酸位置25、26、27、28、及び29から始まるActRIIBポリペプチドも活性を保持すると考
えられる。配列番号16又は配列番号28のアミノ酸位置22、23、24、又は25から始まるActR
IIBポリペプチドは最も大きい活性を有する。
まとめると、本明細書に記載の方法及び組成物に従って使用されるActRIIB前駆タンパ
ク質(すなわち、配列番号16又は配列番号28)の活性部分(すなわち、ActRIIBポリペプチド
)は、通常、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸29~109を含み、そのようなActRIIBポ
リペプチドは、例えば、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸19~29のいずれか1つに対
応する残基から始まり、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸109~134のいずれか1つに
対応する位置で終わることができる。本明細書に包含されるActRIIBポリペプチドの具体
的な例としては、配列番号16又は配列番号28の19~29、20~29、又は21~29のアミノ酸位
置から始まり、配列番号16又は配列番号28の119~134、119~133、又は129~134、129~1
33のアミノ酸位置で終わるものが挙げられる。本明細書に包含されるActRIIBポリペプチ
ドの他の具体的な例としては、配列番号16又は配列番号28の20~24(又は21~24、又は22
~25)のアミノ酸位置から始まり、配列番号16又は配列番号28の109~134(もしくは109~1
33)、119~134(もしくは119~133)、又は129~134(もしくは129~133)のアミノ酸位置で
終わるものが挙げられる。これらの範囲に含まれる変異体ActRIIBポリペプチド、特に、
配列番号16又は配列番号28の対応する部分との少なくとも80%、85%、90%、91%、92%
、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の配列同一性又は配列相同性を有する
ものも企図される。
ある実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIBのイン
ヒビターは、ActRIIBの細胞外ドメインの切断形態を含む。切断は、ActRIIBポリペプチド
のカルボキシ末端及び/又はアミノ末端にあることができる。ある実施態様において、切
断は、成熟したActRIIBポリペプチド細胞外ドメインと比べて、1、2、3、4、5、6、7、8
、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25アミノ酸
長いものであることができる。ある実施態様において、切断は、成熟したActRIIBポリペ
プチド細胞外ドメインの1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17
、18、19、20、21、22、23、24、又は25個のN末端アミノ酸であることができる。ある実
施態様において、切断は、成熟したActRIIBポリペプチド細胞外ドメインの1、2、3、4、5
、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、又は25
個のC末端アミノ酸であることができる。例えば、ActRIIBの切断形態としては、アミノ酸
20~119; 20~128; 20~129; 20~130; 20~131; 20~132; 20~133; 20~134; 20~131;
21~131; 22~131; 23~131; 24~131;及び25~131を有するポリペプチドが挙げられ、
ここで、該アミノ酸位置は、配列番号16又は配列番号28におけるアミノ酸位置を指す。
ActRIIBのさらなる例示的な切断形態としては、(i)配列番号16又は配列番号28のアミノ
酸21~29のいずれかのアミノ酸から始まり(任意に、配列番号16又は配列番号28の22~25)
、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸109~134のいずれかで終わるポリペプチド;(ii)
配列番号16又は配列番号28のアミノ酸20~29のアミノ酸のいずれかから始まり(任意に、
配列番号16又は配列番号28の22~25から始まり)、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸1
09~133のいずれかで終わるポリペプチド;(iii)配列番号16又は配列番号28のアミノ酸20
~24のアミノ酸のいずれかから始まり(任意に、配列番号16又は配列番号28の22~25から
始まり)、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸109~133のいずれかで終わるポリペプチ
ド;(iv)配列番号16又は配列番号28のアミノ酸21~24のいずれかから始まり、配列番号16
又は配列番号28のアミノ酸109~134のいずれかで終わるポリペプチド;(v)配列番号16又は
配列番号28のアミノ酸20~24のいずれかから始まり、配列番号16又は配列番号28のアミノ
酸118~133のいずれかで終わるポリペプチド;(vi)配列番号16又は配列番号28のアミノ酸2
1~24のいずれかから始まり、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸118~134のいずれか
で終わるポリペプチド;(vii)配列番号16又は配列番号28のアミノ酸20~24のいずれかから
始まり、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸128~133のいずれかで終わるポリペプチド
;(viii)配列番号16又は配列番号28のアミノ酸20~24のいずれかから始まり、配列番号16
又は配列番号28のアミノ酸128~133のいずれかで終わるポリペプチド;(ix)配列番号16又
は配列番号28のアミノ酸21~29のいずれかから始まり、配列番号16又は配列番号28のアミ
ノ酸118~134のいずれかで終わるポリペプチド;(x)配列番号16又は配列番号28のアミノ酸
20~29のいずれかから始まり、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸118~133のいずれか
で終わるポリペプチド;(xi)配列番号16又は配列番号28のアミノ酸21~29のいずれかから
始まり、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸128~134のいずれかで終わるポリペプチド
;及び(xii)配列番号16又は配列番号28のアミノ酸20~29のいずれかから始まり、配列番号
16又は配列番号28のアミノ酸128~133のいずれかで終わるポリペプチドが挙げられる。具
体的な実施態様において、ActRIIBポリペプチドは、配列番号16もしくは配列番号28のア
ミノ酸位置25から始まり、配列番号16もしくは配列番号28のアミノ酸位置131で終わるア
ミノ酸配列を含むか、それらから本質的になるか、又はそれらからなる。別の具体的な実
施態様において、ActRIIBポリペプチドは、配列番号17、18、23、26、27、29、30、31、3
2、33、36、37、42、もしくは43のアミノ酸配列からなるか、又はそれらから本質的にな
る。
本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIBポリペプチドはいずれも、ホモ
二量体として産生することができる。本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActR
IIBポリペプチドはいずれも、IgG重鎖由来の定常領域、例えば、Fcドメインを含む異種部
分を有する融合タンパク質として製剤化することができる。本明細書に記載の組成物及び
方法で使用されるActRIIBポリペプチドはいずれも、任意に、配列番号16又は配列番号28
に対する1以上の追加のアミノ酸置換、欠失、又は挿入と組み合わせて、配列番号16又は
配列番号28の位置79に対応する位置に酸性アミノ酸を含むことができる。
具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIBの
インヒビターは、1以上のアミノ酸置換/突然変異を有するActRIIBの細胞外ドメインを含
む。そのようなアミノ酸置換/突然変異は、例えば、配列番号16又は配列番号28のアミノ
酸位置79のロイシンからアスパラギン酸又はグルタミン酸などの酸性アミノ酸への交換で
あり得る。例えば、配列番号16又は配列番号28の位置L79をActRIIB細胞外ドメインポリペ
プチド中で改変して、改変されたアクチビン-ミオスタチン(GDF-11)結合特性を付与する
ことができる。L79A及びL79P突然変異は、アクチビン結合よりも大きい程度にGDF-11結合
を低下させる。L79E及びL79D突然変異はGDF-11結合を保持する一方で、大きく低下したア
クチビン結合を示す。
ある実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIBのイン
ヒビターは、アミノ酸置換、例えば、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸位置79のロイ
シンからアスパラギン酸又はグルタミン酸などの酸性アミノ酸への交換も保有するActRII
B細胞外ドメインの切断形態を含む。具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成
物及び方法で使用されるアミノ酸置換も保有するActRIIBポリペプチドの細胞外ドメイン
の切断形態は、配列番号23である。切断され及び/又は1以上のアミノ酸置換を保有するAc
tRIIBの形態は、上で論じられているような抗体のFcドメインに連結させることができる
ActRIIBポリペプチドの機能的に活性のある断片は、例えば、ActRIIBポリペプチドをコ
ードする核酸の対応する断片から組換え産生されたポリペプチドをスクリーニングするこ
とにより得ることができる。さらに、断片を、従来のメリフィールド固相f-Moc又はt-Boc
化学などの当技術分野で公知の技術を用いて化学合成することができる。該断片を(組換
えによるか又は化学合成によって)産生し、試験して、ActRIIBタンパク質又はアクチビン
によって媒介されるシグナル伝達のアンタゴニスト(インヒビター)として機能し得るペプ
チジル断片を同定することができる。
さらに、ActRIIBポリペプチドの機能的に活性のある変異体は、ActRIIBポリペプチドを
コードする対応する突然変異核酸から組換え産生された修飾ポリペプチドのライブラリー
をスクリーニングすることにより得ることができる。該変異体を産生し、試験して、ActR
IIBタンパク質又はアクチビンによって媒介されるシグナル伝達のアンタゴニスト(インヒ
ビター)として機能し得るものを同定することができる。ある実施態様において、ActRIIB
ポリペプチドの機能的変異体は、配列番号17、18、23、26、27、29、30、31、32、33、36
、37、42、及び43から選択されるアミノ酸配列と少なくとも75%同一であるアミノ酸配列
を含む。ある実施態様において、該機能的変異体は、配列番号17、18、23、26、27、29、
30、31、32、33、36、37、42、及び43から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85
%、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一なアミノ酸配列を有する。
機能的変異体は、例えば、ActRIIBポリペプチドの構造を、治療効力、又は安定性(例え
ば、エクスビボでの保存期間及びインビボでのタンパク質分解に対する抵抗性)を増強す
るような目的で修飾することにより作製することができる。アクチビン結合を保持するよ
うに選択された場合のそのような修飾ActRIIBポリペプチドは、天然のActRIIBポリペプチ
ドの機能的等価物とみなすことができる。修飾ActRIIBポリペプチドは、例えば、アミノ
酸置換、欠失、又は付加により産生することもできる。例えば、ロイシンとイソロイシン
もしくはバリンとの、アスパラギン酸とグルタミン酸との、トレオニンとセリンとの単独
置換、又はあるアミノ酸と構造的に関連するアミノ酸との同様の置換(例えば、保存的突
然変異)によって、得られる分子の生物活性が大きく影響を受けることはないであろうと
予想するのは合理的である。保存的置換は、その側鎖において関連があるアミノ酸のファ
ミリー内で起こる置換である。ActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列の変化によって機能
的ホモログが生じるかどうかは、野生型ActRIIBポリペプチドと同様の様式で細胞内の応
答を引き起こす変異体ActRIIBポリペプチドの能力を評価することにより容易に決定する
ことができる。
ActRIIBポリペプチド突然変異体、特に、ActRIIBポリペプチドのコンビナトリアル突然
変異体のセット、及び切断突然変異体;コンビナトリアル突然変異体のプールは、機能的
変異体配列を同定するのに特に有用であり、本明細書に記載の方法及び組成物で使用する
ことができる。そのようなコンビナトリアルライブラリーをスクリーニングする目的は、
例えば、アゴニストもしくはアンタゴニストのいずれかとして作用することができるか、
又はその代わりに、新規の活性を全て併せ持つ、ActRIIBポリペプチド変異体を作製する
ことであり得る。
ActRIIBのリガンド結合ポケットは、配列番号16又は配列番号28の残基Y31、N33、N35、
L38~T41、E47、E50、Q53~K55、L57、H58、Y60、S62、K74、W78~N83、Y85、R87、A92、
及びE94~F101によって規定されることが示されている。これらの位置では、保存的突然
変異は許容されるが、K74A突然変異は、R40A、K55A、F82A、及び位置L79での突然変異が
そうであるように、良好に許容されると考えられる。R40は、ゼノパス(Xenopus)ではKで
あり、この位置の塩基性アミノ酸が許容されることを示している。Q53は、ウシActRIIBで
はR、及びゼノパスActRIIBではKであり、それゆえ、R、K、Q、N、及びHを含むアミノ酸が
この位置で許容される。したがって、本明細書に記載の方法及び組成物で使用されるActR
IIBポリペプチドの一般式は、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸29~109を含むが、任
意に、配列番号16又は配列番号28の20~24又は22~25の範囲のアミノ酸位置から始まり、
配列番号16又は配列番号28の129~134の範囲のアミノ酸位置で終わり、リガンド結合ポケ
ット内に1、2、5、又は15以下の保存的アミノ酸変化を含み、かつリガンド結合ポケット
内の配列番号16又は配列番号28のアミノ酸位置40、53、55、74、79、及び/又は82に0、1
、又はそれより多くの非保存的変化を含むものである。そのようなActRIIBポリペプチド
は、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸29~109の配列との80%、90%、95%、又は99
%を超える配列同一性又は配列相同性を保持し得る。ばらつきが特に良好に許容され得る
結合ポケットの外側の部位としては、ActRIIBの細胞外ドメインのアミノ末端及びカルボ
キシ末端、並びに位置42~46及び65~73が挙げられる。配列番号16又は配列番号28の位置
65におけるアスパラギンからアラニンへの変化(N65A)は、A64バックグラウンドでのリガ
ンド結合を実際に改善し、したがって、R64バックグラウンドでのリガンド結合に悪影響
を及ぼさないと考えられる。この変化は、おそらくは、A64バックグラウンドでのN65にお
けるグリコシル化を消失させ、したがって、この領域での顕著な変化が許容される可能性
が高いことを示している。R64A変化はあまり許容されないが、R64Kは良好に許容され、し
たがって、Hなどの別の塩基性残基は、位置64で許容され得る。
リガンド結合ドメイン内に突然変異を有するActRIIBポリペプチドの具体的な例として
、変異体ActRIIBポリペプチドが、アクチビンではなく、GDF8に優先的に結合するように
、ActRIIBのリガンド結合ドメインの正電荷を有するアミノ酸残基Asp(D80)を異なるアミ
ノ酸残基に突然変異させることができる。具体的な実施態様において、D80残基を、非荷
電アミノ酸残基、負電荷を有する(negative)アミノ酸残基、及び疎水性アミノ酸残基:か
らなる群から選択されるアミノ酸残基に変化させる。さらなる具体的な例として、疎水性
残基L79を酸性アミノ酸のアスパラギン酸又はグルタミン酸に改変して、GDF11結合を保持
したまま、アクチビン結合を大きく低下させることができる。当業者によって認識される
ように、記載された突然変異、変異体、又は修飾の大部分は、核酸レベルで、又は場合に
よっては、翻訳後修飾もしくは化学合成により生成させることができる。そのような技術
は、当技術分野で周知である。
具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIBの
インヒビターは、抗体のFc部分に連結したActRIIB受容体の細胞外ドメイン(例えば、アク
チビン結合ドメイン)を含むコンジュゲート/融合タンパク質を含む。そのようなコンジュ
ゲート/融合タンパク質は、本明細書に開示されるActRIIBポリペプチドのいずれか(例え
ば、配列番号17、18、23、26、27、29、30、31、32、33、36、37、42、もしくは43のいず
れか)、当技術分野で公知の任意のActRIIBポリペプチド、又は当技術分野で公知の及び/
もしくは本明細書に提供される方法を用いて作製される任意のActRIIBポリペプチドを含
み得る。
ある実施態様において、該細胞外ドメインは、リンカー、例えば、ペプチドリンカーを
介して、抗体のFc部分に連結される。例示的なリンカーとしては、短いポリペプチド配列
、例えば、2~10個、2~5個、2~4個、2~3個のアミノ酸残基(例えば、グリシン残基)、
例えば、Gly-Gly-Glyリンカーなどが挙げられる。具体的な実施態様において、該リンカ
ーは、アミノ酸配列Gly-Gly-Gly(GGG)を含む。別の具体的な実施態様において、該リンカ
ーは、アミノ酸配列Thr-Gly-Gly-Gly(TGGG)を含む。任意に、Fcドメインは、Asp-265、リ
ジン322、及びAsn-434などの残基に1以上の突然変異を有する。ある場合には、これらの
突然変異のうちの1つ又は複数(例えば、Asp-265突然変異)を有する突然変異体Fcドメイン
は、野生型Fcドメインと比べて、Fcγ受容体に結合する能力が低下している。他の場合に
は、これらの突然変異のうちの1つ又は複数(例えば、Asn-434突然変異)を有する突然変異
体Fcドメインは、野生型Fcドメインと比べて、MHCクラスI関連Fc-受容体(FcRN)に結合す
る能力が増大している。Fcドメインに融合したActRIIBの可溶性細胞外ドメインを含む例
示的な融合タンパク質は、配列番号20、21、24、25、34、35、38、39、40、41、44、46、
及び47に示されている。
具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIBイ
ンヒビターは、抗体のFc部分に連結されたActRIIBの細胞外ドメイン、又はその部分を含
み、ここで、該ActRIIBインヒビターは、配列番号20、21、24、25、34、35、38、39、40
、41、44、46、及び47から選択されるアミノ酸配列と少なくとも75%同一であるアミノ酸
配列を含む。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用さ
れるActRIIBインヒビターは、抗体のFc部分に連結されたActRIIBの細胞外ドメイン、又は
その部分を含み、ここで、該ActRIIBインヒビターは、配列番号20、21、24、25、34、35
、38、39、40、41、44、46、及び47から選択されるアミノ酸配列と少なくとも80%、85%
、90%、95%、96%、97%、98%、又は99%同一であるアミノ酸配列を含む。
具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIBイ
ンヒビターは、ヒトActRIIB受容体の細胞外ドメインとIgG1のFc部分の融合タンパク質で
ある。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるAc
tRIIBインヒビターは、ヒトActRIIB受容体の切断された細胞外ドメインとIgG1のFc部分の
融合タンパク質である。別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方
法で使用されるActRIIBインヒビターは、ヒトActRIIB受容体の切断された細胞外ドメイン
とIgG1のFc部分の融合タンパク質であり、ここで、該ヒトActRIIB受容体の切断された細
胞外ドメインは、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸79に対応するアミノ酸位置にアミ
ノ酸置換を保有する。一実施態様において、配列番号16又は配列番号28のアミノ酸79に対
応するアミノ酸位置でのアミノ酸置換は、ロイシンからアスパラギン酸への置換(すなわ
ち、L79D突然変異)である。
具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRIIBイ
ンヒビターは、配列番号24又は25であり、これらは、ヒトActRIIB受容体の細胞外ドメイ
ンとIgG1のFc部分の融合タンパク質を表し、ここで、該ActRIIB細胞外ドメインは、配列
番号28のアミノ酸25~131を含み、L79D突然変異を有する。配列番号24のActRIIB-Fc融合
タンパク質をコードする核酸配列は、配列番号45に示されている。
別の具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRII
Bインヒビターは、配列番号34又は35であり、これらは、ヒトActRIIB受容体の細胞外ドメ
インとIgG1のFc部分の融合タンパク質を表し、ここで、該ActRIIB細胞外ドメインは、配
列番号16のアミノ酸25~131を含み、L79D突然変異を有する。
アスパラギン結合型グリコシル化認識部位は、通常、適当な細胞グリコシル化酵素によ
って特異的に認識されるアスパラギン-X-トレオニン(又はアスパラギン-X-セリン)(ここ
で、「X」は、任意のアミノ酸である)というトリペプチド配列を含む。改変は、野生型Ac
tRIIBポリペプチドの配列への1以上のセリンもしくはトレオニン残基の付加、又はそれら
による置換によって行うこともできる(O結合型グリコシル化部位の場合)。グリコシル化
認識部位の1番目もしくは3番目のアミノ酸位置のうちの一方もしくは両方における種々の
アミノ酸置換もしくは欠失(及び/又は2番目の位置におけるアミノ酸欠失)は、修飾された
トリペプチド配列中での非グリコシル化をもたらす。ActRIIBポリペプチド上の炭水化物
部分の数を増加させる別の手段は、ActRIIBポリペプチドへのグリコシドの化学的又は酵
素的カップリングによるものである。使用されるカップリング様式に応じて、糖(複数可)
を、(a)アルギニン及びヒスチジン;(b)遊離カルボキシル基;(c)遊離スルフヒドリル基、
例えば、システインの遊離スルフヒドリル基;(d)遊離ヒドロキシル基、例えば、セリン、
トレオニン、もしくはヒドロキシプロリンの遊離ヒドロキシル基;(e)芳香族残基、例えば
、フェニルアラニン、チロシン、もしくはトリプトファンの芳香族残基;又は(f)グルタミ
ンのアミド基に結合させることができる。これらの方法は、引用により本明細書中に組み
込まれる、1987年9月11日に公開されたWO 87/05330号、並びにAplin及びWristonの文献(1
981) CRC Crit. Rev. Biochem., pp. 259-306に記載されている。ActRIIBポリペプチド上
に存在する1以上の炭水化物部分の除去は、化学的に及び/又は酵素的に達成することがで
きる。化学的脱グリコシル化は、例えば、化合物トリフルオロメタンスルホン酸、又は同
等の化合物へのActRIIBポリペプチドの暴露を含み得る。この処理は、結合糖(N-アセチル
グルコサミン又はN-アセチルガラクトサミン)を除くほとんど又は全ての糖の切断をもた
らすが、アミノ酸配列は無傷のまま残す。化学的脱グリコシル化は、Hakimuddinらの文献
(1987) Arch. Biochem. Biophys. 259:52によって、及びEdgeらの文献(1981) Anal. Bioc
hem. 118:131によってさらに記載されている。ActRIIBポリペプチド上の炭水化物部分の
酵素的切断は、Thotakuraらの文献(1987) Meth. Enzymol. 138:350により記載されている
ような種々のエンドグリコシダーゼ及びエキソグリコシダーゼの使用により達成すること
ができる。ActRIIBポリペプチドのアミノ酸配列は、適切な場合、使用される発現系の種
類に応じて調整することができるが、それは、哺乳動物、酵母、昆虫、及び植物の細胞が
全て、該ペプチドのアミノ酸配列によって影響され得る異なるグリコシル化パターンを導
入することができるためである。一般に、ヒトで使用されるActRIIBタンパク質は、適切
なグリコシル化を提供する哺乳動物細胞株、例えば、HEK293又はCHO細胞株で発現される
が、他の発現系、例えば、他の哺乳動物発現細胞株、グリコシル化酵素が改変されている
酵母細胞株、及び昆虫細胞も同様に有用であると考えられる。
具体的な実施態様において、ActRIIB(R64)-Fc形態と比べてActRIIB-Fc融合タンパク質
の血清半減期を延長するさらなるN結合型グリコシル化部位(N-X-S/T)の付加を含む突然変
異ActRIIBポリペプチドを本明細書に記載の方法及び組成物で使用することできる。具体
的な実施態様において、配列番号16又は配列番号28の位置24におけるアスパラギン(A24N)
の導入は、より長い半減期を付与するNXT配列の生成をもたらす。他のNX(T/S)配列は、42
~44(NQS)及び65~67(NSS)に見出すことができるが、後者は、位置64のRでは(すなわち、
R64ポリペプチド中では)効率的にグリコシル化することができない。N-X-S/T配列は、通
常、上で詳述されている、ActRIIBのリガンド結合ポケットの外側の位置で導入すること
ができる。非内在性N-X-S/T配列の導入のための特に好ましい部位としては、配列番号16
又は配列番号28のアミノ酸20~29、20~24、22~25、109~134、120~134、又は129~134
が挙げられる。N-X-S/T配列は、ActRIIB配列とFc又は他の融合体成分との間のリンカーに
導入することもできる。そのような部位は、既存のSもしくはTに対して正しい位置にNを
導入することによるか、又は既存のNに対応する位置にSもしくはTを導入することにより
、最小限の労力で導入することができる。したがって、N結合型グリコシル化部位を生成
させる望ましい改変は: A24N、R64N、S67N(おそらくは、N65A改変と併存する)、E106N、R
112N、G120N、E123N、P129N、A132N、R112S、及びR112Tである(これらの位置に対応する
全てのアミノ酸位置について、それらを配列番号16又は配列番号28に見出すことができる
)。グリコシル化によって保護が生じるので、グリコシル化されると予測される任意のSを
、免疫原性部位を生成させることなく、Tに改変することができる。同様に、グリコシル
化されると予測される任意のTをSに改変することができる。したがって、改変S67T及びS4
4Tは本明細書に包含される。同様に、A24N変異体において、S26T改変を使用することがで
きる。したがって、ActRIIBポリペプチドは、1以上の追加の非内在性N結合型グリコシル
化コンセンサス配列を含むことができる。
種々のスクリーニングアッセイを用いて、ActRIIBポリペプチド変異体を評価すること
ができる。例えば、ActRIIBポリペプチド変異体を、ActRIIBリガンドに結合する能力、Ac
tRIIBリガンドのActRIIBポリペプチドへの結合を妨げる能力、又はActRIIBリガンドによ
って生じるシグナル伝達に干渉する能力についてスクリーニングすることができる。ActR
IIBポリペプチド又はその変異体の活性を、細胞ベースのアッセイ又はインビボアッセイ
で試験することもできる。
天然のActRIIBポリペプチドと比べて選択的な又は全般的に増大した効力を有する、コ
ンビナトリアル由来の変異体を作製することができる。同様に、突然変異生成により、対
応する野生型ActRIIBポリペプチドとは劇的に異なる細胞内半減期を有する変異体を生じ
させることができる。例えば、改変タンパク質を、タンパク質分解、又は天然のActRIIB
ポリペプチドの破壊、さもなければ、不活化をもたらす他の細胞プロセスに対してより安
定な状態又はあまり安定でない状態にするにすることができる。そのような変異体、及び
それらをコードする遺伝子を用いて、ActRIIBポリペプチドの半減期を調節することによ
り、ActRIIBポリペプチドレベルを改変することができる。例えば、短い半減期は、より
一時的な生物学的効果を生じることができ、患者内の組換えActRIIBポリペプチドレベル
のより厳しい制御を可能にすることができる。Fc融合タンパク質では、突然変異をリンカ
ー(存在する場合)及び/又はFc部分中で生成させて、タンパク質の半減期を改変すること
ができる。
コンビナトリアルライブラリーは、各々の潜在的ActRIIBポリペプチド配列の少なくと
も一部を含むポリペプチドのライブラリーをコードする遺伝子の縮重ライブラリーによっ
て生成させることができる。例えば、潜在的ActRIIBポリペプチドヌクレオチド配列の縮
重セットが、個々のポリペプチドとして、又はその代わりに、より大きな融合タンパク質
のセット(例えば、ファージディスプレイの場合)として発現可能となるように、合成オリ
ゴヌクレオチドの混合物を酵素的に連結して遺伝子配列にすることができる。
潜在的ホモログのライブラリーを縮重オリゴヌクレオチド配列から作製することができ
る多くの方法がある。縮重遺伝子配列の化学合成を自動DNA合成装置で実行することがで
き、その後、合成遺伝子を発現用の適当なベクターに連結することができる。縮重オリゴ
ヌクレオチドの合成は、当技術分野で周知である(例えば、Narang, S Aの文献(1983) Tet
rahedron 39:3; Itakuraらの文献(1981) Recombinant DNA, Proc. 3rd Cleveland Sympos
. Macromolecules, AG Walton, Amsterdam編: Elsevier pp 273-289; Itakuraらの文献(1
984) Annu. Rev. Biochem. 53:323; Itakuraらの文献(1984) Science 198:1056; Ikeらの
文献(1983) Nucleic Acid Res. 11:477を参照されたい)。そのような技術は、他のタンパ
ク質の定方向進化において利用されている(例えば、Scottらの文献(1990) Science 249:3
86-390; Robertsらの文献(1992) PNAS USA 89:2429-2433; Devlinらの文献(1990) Scienc
e 249: 404-406; Cwirlaらの文献(1990) PNAS USA 87: 6378-6382;並びに米国特許第5,22
3,409号、第5,198,346号、及び第5,096,815号を参照されたい)。
或いは、他の形態の突然変異生成を用いて、コンビナトリアルライブラリーを作製する
ことができる。例えば、ActRIIBポリペプチド変異体を、例えば、アラニンスキャニング
突然変異生成などを用いるスクリーニングにより(Rufらの文献(1994) Biochemistry 33:1
565-1572; Wangらの文献(1994) J. Biol. Chem. 269:3095-3099; Balintらの文献(1993)
Gene 137:109-118; Grodbergらの文献(1993) Eur. J. Biochem. 218:597-601; Nagashima
らの文献(1993) J. Biol. Chem. 268:2888-2892; Lowmanらの文献(1991) Biochemistry 3
0:10832-10838;及びCunninghamらの文献(1989) Science 244:1081-1085)、リンカースキ
ャニング突然変異生成により(Gustinらの文献(1993) Virology 193:653-660; Brownらの
文献(1992) Mol. Cell Biol. 12:2644-2652; McKnightらの文献(1982) Science 232:316)
;飽和突然変異生成により(Meyersらの文献(1986)Science 232:613); PCR突然変異生成に
より(Leungらの文献(1989) Method Cell Mol Biol 1:11-19);又は化学的突然変異生成な
どを含むランダム突然変異生成により(Millerらの文献(1992) 細菌生物学の短期講座(A S
hort Course in Bacterial Genetics)、CSHL Press, Cold Spring Harbor, N.Y.;及びGre
enerらの文献(1994) Strategies in Mol Biol 7:32-34)、ライブラリーから作製し、単離
することができる。特にコンビナトリアル設定でのリンカースキャニング突然変異生成は
、ActRIIBポリペプチドの切断(生物活性)形態を同定する魅力的な方法である。
点突然変異及び切断によって作製されたコンビナトリアルライブラリーの遺伝子産物を
スクリーニングするための、さらに言うなら、特定の性質を有する遺伝子産物のcDNAライ
ブラリーをスクリーニングするための、広範な技術が当技術分野で公知である。そのよう
な技術は、一般に、ActRIIBポリペプチドのコンビナトリアル突然変異生成によって作製
される遺伝子ライブラリーの迅速スクリーニングに適用可能である。大きな遺伝子ライブ
ラリーのスクリーニングに最も広く使用されている技術は、通常、遺伝子ライブラリーを
複製可能な発現ベクターにクローニングすること、適当な細胞を得られたベクターのライ
ブラリーで形質転換すること、及びコンビナトリアル遺伝子を、所望の活性の検出によっ
て、その産物が検出された遺伝子をコードするベクターの比較的簡単な単離が容易になる
条件下で発現させることを含む。好ましいアッセイとしては、アクチビン結合アッセイ及
びアクチビン媒介性細胞シグナル伝達アッセイが挙げられる。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法及び組成物で使用されるActRIIBポリペ
プチドは、ActRIIBポリペプチドに天然に存在する任意の修飾に加えて、翻訳後修飾をさ
らに含み得る。そのような修飾としては、アセチル化、カルボキシル化、グリコシル化、
リン酸化、脂質化、及びアシル化が挙げられるが、これらに限定されない。結果として、
修飾されたActRIIBポリペプチドは、非アミノ酸要素、例えば、ポリエチレングリコール
、脂質、多糖又は単糖、及びホスフェートを含有し得る。ActRIIBポリペプチドの機能性
に対するそのような非アミノ酸要素の効果は、当業者に公知の任意の方法によって試験す
ることができる。ActRIIBポリペプチドが、ActRIIBポリペプチドの新生形態を切断するこ
とによって細胞内で産生される場合、翻訳後プロセシングもまた、タンパク質の正確なフ
ォールディング及び/又は機能に重要であり得る。様々な細胞(例えば、CHO、HeLa、MDCK
、293、W138、NIH-3T3、又はHEK293)は、そのような翻訳後活性のための特異的細胞装置
及び特徴的機構を有しており、該細胞を、ActRIIBポリペプチドの正確な修飾及びプロセ
シングを保証するために選択することができる。
ある態様において、ActRIIBポリペプチドの機能的変異体又は修飾形態には、ActRIIBポ
リペプチドの少なくとも一部及び1以上の融合ドメインを有する融合タンパク質が含まれ
る。そのような融合ドメインのよく知られた例としては、ポリヒスチジン、Glu-Glu、グ
ルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、チオレドキシン、プロテインA、プロテインG、免
疫グロブリン重鎖定常領域(Fc)、マルトース結合タンパク質(MBP)、又はヒト血清アルブ
ミンが挙げられるが、これらに限定されない。融合ドメインを、所望の特性を付与するよ
うに選択することができる。例えば、いくつかの融合ドメインは、親和性クロマトグラフ
ィーによる融合タンパク質の単離に特に有用である。親和性精製の目的で、親和性クロマ
トグラフィー用の関連するマトリックス、例えば、グルタチオン、アミラーゼ、及びニッ
ケル又はコバルトコンジュゲート樹脂が使用される。そのようなマトリックスの多くは、
「キット」形態で入手可能であり、これには、例えば、(HIS6)融合パートナーと合わせて
有用な、Pharmacia GST精製システム及びQIAexpress(商標)システム(Qiagen)がある。別
の例として、融合ドメインを、ActRIIBポリペプチドの検出を容易にするように選択する
ことができる。そのような検出ドメインの例としては、様々な蛍光タンパク質(例えば、G
FP)及び通常、特異的抗体が利用可能な短いペプチド配列である「エピトープタグ」が挙
げられる。特異的モノクローナル抗体がすぐに利用可能である周知のエピトープタグとし
ては、FLAG、インフルエンザウイルスヘマグルチニン(HA)、及びc-mycタグが挙げられる
。場合により、融合ドメインは、例えば、第Xa因子又はトロンビン用のプロテアーゼ切断
部位、を有し、該部位は、関連するプロテアーゼが融合タンパク質を部分消化し、それに
より、組換えタンパク質をそれから遊離させることを可能にする。その後、遊離したタン
パク質を、後続のクロマトグラフィー分離によって融合ドメインから単離することができ
る。ある好ましい実施態様において、ActRIIBポリペプチドを、インビボでActRIIBポリペ
プチドを安定化するドメイン(「スタビライザー」ドメイン)と融合させる。「安定化する
」とは、血清半減期を延長する全てのことを意味し、これは、破壊の減少によるものか、
腎臓によるクリアランスの減少によるものか、又は他の薬物動態作用によるものかを問わ
ない。免疫グロブリンのFc部分との融合は、広範なタンパク質に望ましい薬物動態特性を
付与することが知られている。同様に、ヒト血清アルブミンへの融合は、望ましい特性を
付与することができる。選択され得る他のタイプの融合ドメインとしては、多量体化(例
えば、二量体化、四量体化)ドメイン及び(望ましい場合、追加の生物学的機能、例えば、
骨成長又は筋肉成長のさらなる刺激を付与する)機能ドメインが挙げられる。
融合タンパク質の様々なエレメントを、所望の機能と一致する任意の方法で配置し得る
ことが理解される。例えば、ActRIIBポリペプチドを異種ドメインのC末端に配置すること
ができ、又はその代わりに、異種ドメインをActRIIBポリペプチドのC末端に配置すること
ができる。ActRIIBポリペプチドドメイン及び異種ドメインは、融合タンパク質中で隣接
している必要がなく、追加のドメイン又はアミノ酸配列を、どちらかのドメインのC末端
もしくはN末端、又はこれらのドメインの間に含めることができる。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法及び組成物で使用されるActRIIBポリペ
プチドは、ActRIIBポリペプチドを安定化することができる1以上の修飾を含む。例えば、
そのような修飾は、ActRIIBポリペプチドのインビトロ半減期を向上させるか、ActRIIBポ
リペプチドの循環半減期を向上させるか、又はActRIIBポリペプチドのタンパク質分解を
低下させる。そのような安定化修飾としては、融合タンパク質(例えば、ActRIIBポリペプ
チド及びスタビライザードメインを含む融合タンパク質を含む)、グリコシル化部位の修
飾(例えば、ActRIIBポリペプチドへのグリコシル化部位の付加を含む)、並びに炭水化物
部分の修飾(例えば、ActRIIBポリペプチドからの炭水化物部分の除去を含む)が挙げられ
るが、これらに限定されない。融合タンパク質の場合、ActRIIBポリペプチドを、スタビ
ライザードメイン、例えば、IgG分子(例えば、Fcドメイン)に融合させる。本明細書で使
用されるように、「スタビライザードメイン」という用語は、融合タンパク質の場合に見
られる融合ドメイン(例えば、Fc)を指すだけでなく、炭水化物部分などの非タンパク質性
修飾、又はポリエチレングリコールなどの非タンパク質性ポリマーも含む。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法及び組成物は、単離及び/又は精製され
たActRIIBポリペプチドを使用する、すなわち、他のタンパク質から単離されているか、
又は別の方法で他のタンパク質を実質的に含まない、ActRIIBポリペプチドを本明細書に
記載の方法及び組成物とともに使用することができる。ActRIIBポリペプチドは、通常、
組換え核酸からの発現によって産生される。
ある態様において、本明細書に記載の方法及び組成物で使用されるActRIIBポリペプチ
ドは、本明細書に開示される断片、機能的変異体、及び融合タンパク質を含む、単離され
た及び/又は組換え核酸によりコードされる。例えば、配列番号19は、天然のヒトActRIIB
前駆ポリペプチドをコードする。対象核酸は、一本鎖又は二本鎖であり得る。そのような
核酸は、DNA又はRNA分子であり得る。これらの核酸を、例えば、ActRIIBポリペプチドを
作製する方法で、又は直接的な治療剤として(例えば、遺伝子療法の手法で)使用すること
ができる。
ある態様において、本明細書に記載の方法及び組成物で使用するのに好適なActRIIBポ
リペプチドを産生するために使用することができる核酸は、配列番号19の変異体並びに可
溶性ActRIIBポリペプチドをコードする核酸配列(例えば、配列番号17、18、23、26、27、
29、30、31、32、33、36、37、42、及び43をコードする核酸)の変異体である核酸を含む
ことがさらに理解される。変異体ヌクレオチド配列には、1以上のヌクレオチド置換、付
加、又は欠失によって異なる配列、例えば、アレル変異体が含まれる。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法及び組成物で使用するのに好適なActRII
Bポリペプチドを産生するために使用することができる単離された又は組換え核酸配列は
、配列番号19又は可溶性ActRIIBポリペプチドをコードする核酸配列(例えば、配列番号17
、18、23、26、27、29、30、31、32、33、36、37、42、及び43をコードする核酸)と少な
くとも80%、85%、90%、95%、97%、98%、99%、又は100%同一である。当業者は、
配列番号19又は可溶性ActRIIBポリペプチドをコードする核酸配列(例えば、配列番号17、
18、23、26、27、29、30、31、32、33、36、37、42、及び43をコードする核酸)に相補的
な核酸配列、並びに配列番号19又は可溶性ActRIIBポリペプチドをコードする核酸配列(例
えば、配列番号17、18、23、26、27、29、30、31、32、33、36、37、42、及び43をコード
する核酸)の変異体を、本明細書に記載の方法及び組成物とともに使用することができる
ことを理解するであろう。さらなる実施態様において、該核酸配列は、単離されたもの、
組換え体、及び/もしくは異種ヌクレオチド配列と融合したもの、又はDNAライブラリー中
のものであることができる。
他の実施態様において、本明細書に記載の方法及び組成物で使用するのに好適なActRII
Bポリペプチドを産生するために使用することができる核酸は、配列番号19に表記される
ヌクレオチド配列もしくは可溶性ActRIIBポリペプチドをコードする核酸配列(例えば、配
列番号17、18、23、26、27、29、30、31、32、33、36、37、42、及び43をコードする核酸
)、配列番号19もしくは可溶性ActRIIBポリペプチドをコードする核酸配列(例えば、配列
番号17、18、23、26、27、29、30、31、32、33、36、37、42、及び43をコードする核酸)
の相補的配列、又はそれらの断片に高いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする
ヌクレオチド配列を含む。当業者は、DNAハイブリダイゼーションを促進する適切なスト
リンジェンシー条件を変化させることができることを理解するであろう。例えば、ハイブ
リダイゼーションを、約45℃での6.0×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)、次い
で、50℃での2.0×SSCの洗浄で実施することができる。例えば、洗浄工程での塩濃度を、
50℃で約2.0×SSCの低いストリンジェンシーから50℃で約0.2×SSCの高いストリンジェン
シーまで選択することができる。さらに、洗浄工程での温度を、室温、約22℃での低いス
トリンジェンシー条件から約65℃での高いストリンジェンシー条件へと上昇させることが
できる。温度と塩の両方を変化させることができ、又は他の変数を変化させながら、温度
もしくは塩濃度を一定に保つことができる。一実施態様において、室温での6×SSC、次に
、室温での2×SSCでの洗浄の低いストリンジェンシー条件下でハイブリダイズする核酸を
、本明細書に記載の方法及び組成物とともに使用することができる。
遺伝暗号の縮重のために配列番号19又は可溶性ActRIIBポリペプチドをコードする核酸
配列(例えば、配列番号17、18、23、26、27、29、30、31、32、33、36、37、42、及び43
をコードする核酸)に示される核酸とは異なる単離された核酸を用いて、本明細書に記載
の方法及び組成物で使用するのに好適なActRIIBポリペプチドを産生することもできる。
例えば、いくつかのアミノ酸は、複数のトリプレットによって指定される。同じアミノ酸
を特定するコドン、又はシノニム(例えば、CAUとCACは、ヒスチジンについてのシノニム
である)は、タンパク質のアミノ酸配列に影響を及ぼさない「サイレント突然変異」を生
じさせることができる。しかしながら、対象タンパク質のアミノ酸配列の変化を実際にも
たらすDNA配列多型が哺乳動物細胞の間に存在すると考えられる。当業者は、特定のタン
パク質をコードする核酸の1以上のヌクレオチドにおけるこれらの変異(variation)(ヌク
レオチドの最大約3~5%)が、天然のアレル変異(variation)が原因で、所与の種の個体間
に存在し得ることを理解するであろう。ありとあらゆるそのようなヌクレオチド変異(var
iation)及び結果として生じるアミノ酸多型を本明細書に記載の方法及び組成物とともに
使用することができる。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法及び組成物で使用するのに好適なActRII
Bポリペプチドを産生するために使用することができる組換え核酸を、発現コンストラク
ト中の1以上の調節ヌクレオチド配列に機能的に連結することができる。調節ヌクレオチ
ド配列は、通常、発現に使用される宿主細胞に適したものである。種々の宿主細胞につい
て、数多くの種類の適切な発現ベクター及び好適な調節配列が当技術分野で公知である。
一般に、該1以上の調節ヌクレオチド配列としては、プロモーター配列、リーダー又はシ
グナル配列、リボソーム結合部位、転写開始及び終結配列、翻訳開始及び終結配列、並び
にエンハンサー又はアクチベーター配列が挙げられるが、これらに限定されない。当技術
分野で公知の構成的又は誘導性プロモーターを本明細書に記載の方法及び組成物とともに
使用することができる。プロモーターは、天然プロモーター、又は複数のプロモーターの
エレメントを組み合わせるハイブリッドプロモーターのどちらかであり得る。発現コンス
トラクトは、細胞内でプラスミドなどのエピソーム上に存在してもよく、又は発現コンス
トラクトは、染色体に挿入されてもよい。好ましい実施態様において、発現ベクターは、
形質転換した宿主細胞の選択を可能にする選択可能マーカー遺伝子を含む。選択可能マー
カー遺伝子は当技術分野で周知であり、使用される宿主細胞によって異なる。
ある態様において、本明細書に記載の方法及び組成物で使用するのに好適なActRIIBポ
リペプチドを産生するために使用することができる核酸は、ActRIIBポリペプチドをコー
ドし、少なくとも1つの調節配列に機能的に連結されているヌクレオチド配列を含む発現
ベクター中に提供される。調節配列は当技術分野で認められており、ActRIIBポリペプチ
ドの発現を導くように選択される。したがって、調節配列という用語は、プロモーター、
エンハンサー、及び他の発現制御エレメントを含む。例示的な調節配列は、Goeddelの文
献;遺伝子発現技術:酵素学の方法(Gene Expression Technology: Methods in Enzymology
), Academic Press, San Diego, Calif.(1990)に記載されている。例えば、それに機能的
に連結されたときDNA配列の発現を制御する多種多様な発現制御配列のいずれかをこれら
のベクター中で用いて、ActRIIBポリペプチドをコードするDNA配列を発現させることがで
きる。そのような有用な発現制御配列としては、例えば、SV40の初期及び後期プロモータ
ー、tetプロモーター、アデノウイルス又はサイトメガロウイルス前初期プロモーター、R
SVプロモーター、lacシステム、trpシステム、TAC又はTRCシステム、その発現がT7 RNAポ
リメラーゼによって誘導されるT7プロモーター、ラムダファージの主要オペレーター及び
プロモーター領域、fdコートタンパク質の制御領域、3-ホスホグリセレートキナーゼ又は
他の解糖系酵素のプロモーター、酸ホスファターゼ、例えば、Pho5のプロモーター、酵母
のα接合因子のプロモーター、バキュロウイルス系のポリヘドロンプロモーター、並びに
原核もしくは真核細胞又はそれらのウイルスの遺伝子の発現を制御することが知られてい
る他の配列、並びにこれらの様々な組合せが挙げられる。発現ベクターの設計は、形質転
換される宿主細胞の選択及び/又は発現が望まれるタンパク質の種類のような因子によっ
て決まることが理解されるべきである。さらに、ベクターのコピー数、そのコピー数を制
御する能力、及び該ベクターによってコードされる任意の他のタンパク質、例えば、抗生
物質マーカーの発現も考慮されるべきである。
組換え核酸は、クローニングされた遺伝子、又はその一部を、原核細胞、真核細胞(酵
母、鳥類、昆虫、もしくは哺乳動物)、又はその両方における発現に好適なベクター中に
連結することにより産生することができる。組換えActRIIBポリペプチドの産生用の発現
ビヒクルとしては、プラスミド及び他のベクターが挙げられる。例えば、好適なベクター
としては、大腸菌(E. coli)などの原核細胞における発現用の、以下のタイプのプラスミ
ド: pBR322由来プラスミド、pEMBL由来プラスミド、pEX由来プラスミド、pBTac由来プラ
スミド、及びpUC由来プラスミドが挙げられる。
いくつかの哺乳動物発現ベクターは、細菌におけるベクターの増殖を促進する原核生物
配列と、真核細胞で発現される1以上の真核生物転写ユニットの両方を含む。pcDNAI/amp
、pcDNAI/neo、pRc/CMV、pSV2gpt、pSV2neo、pSV2-dhfr、pTk2、pRSVneo、pMSG、pSVT7、
pko-neo 及びpHyg由来ベクターは、真核細胞のトランスフェクションに好適な哺乳動物発
現ベクターの例である。これらのベクターのうちのいくつかは、原核細胞と真核細胞の両
方における複製及び薬物耐性選択を容易にするために、pBR322などの細菌プラスミド由来
の配列で修飾されている。或いは、ウシパピローマウイルス(BPV-1)、又はエプスタイン-
バーウイルス(pHEBo、pREP由来、及びp205)などのウイルスの派生物を、真核細胞におけ
るタンパク質の一過性発現に使用することができる。(レトロウイルスを含む)他のウイル
ス発現系の例は、以下の遺伝子療法送達系の記載において見出すことができる。プラスミ
ドの増殖及び宿主生物の形質転換に利用される様々な方法は、当技術分野で周知である。
原核細胞と真核細胞の両方に関する他の好適な発現系、及び一般的な組換え手順について
は、分子クローニング 実験マニュアル(Molecular Cloning A Laboratory Manual)、第3
版、Sambrook、Fritsch、及びManiatis編(Cold Spring Harbor Laboratory Press, 2001)
を参照されたい。いくつかの例において、バキュロウイルス発現系の使用によって組換え
ポリペプチドを発現させることが望ましい場合がある。そのようなバキュロウイルス発現
系の例としては、pVL由来ベクター(例えば、pVL1392、pVL1393、及びpVL941)、pAcUW由来
ベクター(例えば、pAcUW1)、並びにpBlueBac由来ベクター(例えば、β-gal含有pBlueBac
III)が挙げられる。
一実施態様において、Pcmv-Scriptベクター(Stratagene, La Jolla, Calif.)、pcDNA4
ベクター(Invitrogen, Carlsbad, Calif.)、及びpCI-neoベクター(Promega, Madison, Wi
s.)などのベクターを、CHO細胞内での本明細書に記載の方法及び組成物で使用されるActR
IIBポリペプチドの産生用に設計することができる。明らかになるように、対象遺伝子コ
ンストラクトを用いて、例えば、精製用の、融合タンパク質又は変異体タンパク質を含む
、タンパク質を産生するために、培養で増殖した細胞内での対象ActRIIBポリペプチドの
発現を生じさせることができる。
1以上の該対象ActRIIBポリペプチドのコード配列(例えば、配列番号19又は可溶性ActRI
IBポリペプチドをコードする核酸配列(例えば、配列番号17、18、23、26、27、29、30、3
1、32、33、36、37、42、及び43をコードする核酸))を含む組換え遺伝子でトランスフェ
クトされた宿主細胞を用いて、本明細書に記載の方法及び組成物で使用するのに好適なAc
tRIIBポリペプチドを産生することができる。宿主細胞は、任意の原核又は真核細胞であ
り得る。例えば、ActRIIBポリペプチドを、大腸菌などの細菌細胞、昆虫細胞(例えば、バ
キュロウイルス発現系を用いる)、酵母、又は哺乳動物細胞で発現させることができる。
他の好適な宿主細胞は、当業者に公知である。
したがって、本明細書に提供されるのは、本明細書に記載の方法及び組成物で使用され
るActRIIBポリペプチドを産生する方法である。例えば、ActRIIBポリペプチドをコードす
る発現ベクターでトランスフェクトされた宿主細胞を、ActRIIBポリペプチドの発現が生
じるのを可能にする適当な条件下で培養することができる。ActRIIBポリペプチドを分泌
させ、細胞とActRIIBポリペプチドを含む培地の混合物から単離することができる。或い
は、ActRIIBポリペプチドを細胞質内又は膜画分に保持し、細胞を回収し、溶解させ、タ
ンパク質を単離することができる。細胞培養物には、宿主細胞、培地、及び他の副産物が
含まれる。細胞培養用の好適な培地は、当技術分野で周知である。対象ActRIIBポリペプ
チドを、イオン交換クロマトグラフィー、ゲル濾過クロマトグラフィー、限外濾過、電気
泳動、ActRIIBポリペプチドの特定のエピトープに特異的な抗体による免疫親和性精製、
及びActRIIBポリペプチドに融合しているドメインに結合する物質による親和性精製(例え
ば、プロテインAカラムを用いて、ActRIIB-Fc融合体を精製することができる)を含む、タ
ンパク質を精製するための当技術分野で公知の技術を用いて、細胞培養培地、宿主細胞、
又はその両方から単離することができる。好ましい実施態様において、ActRIIBポリペプ
チドは、その精製を容易にするドメインを含む融合タンパク質である。好ましい実施態様
において、精製は、例えば、以下のもの:プロテインAクロマトグラフィー、Qセファロー
スクロマトグラフィー、フェニルセファロースクロマトグラフィー、サイズ排除クロマト
グラフィー、及び陽イオン交換クロマトグラフィーのうちの3つ以上を、任意の順序で含
む、一連のカラムクロマトグラフィー工程により達成される。精製は、ウイルス濾過及び
バッファー交換で終了させることができる。本明細書で実証されるように、ActRIIB-hFc
タンパク質は、サイズ排除クロマトグラフィーにより決定して98%を超える純度、SDS PA
GEにより決定して95%を超える純度に精製された。この精製レベルは、マウスの骨に対す
る望ましい効果並びにマウス、ラット、及び非ヒト霊長類における許容し得る安全性プロ
ファイルを達成するのに十分であった。
別の実施態様において、組換えActRIIBポリペプチドの所望の部分のN末端におけるポリ
-(His)/エンテロキナーゼ切断部位配列などの精製リーダー配列をコードする融合遺伝子
は、Ni2+金属樹脂を用いる親和性クロマトグラフィーによる発現された融合タンパク質の
精製を可能にすることができる。次いで、精製リーダー配列をエンテロキナーゼによる処
理によって後から除去し、精製ActRIIBポリペプチドを提供することができる(例えば、Ho
chuliらの文献(1987) J. Chromatography 411:177;及びJanknechtらの文献、PNAS USA 88
:8972を参照されたい)。
融合遺伝子を作製する技術は周知である。本質的に、異なるポリペプチド配列をコード
する様々なDNA断片の接続は、ライゲーションのための平滑末端又は互い違い末端、適切
な末端を提供するための制限酵素消化、必要な場合の付着末端の充填(filling-in)、望ま
しくない接続を避けるためのアルカリホスファターゼ処理、及び酵素的ライゲーションを
利用する従来の技術に従って実施される。別の実施態様において、融合遺伝子は、自動化
DNA合成装置を含む従来の技術によって合成することができる。或いは、後からアニーリ
ングさせてキメラ遺伝子配列を生成させることができる2つの連続する遺伝子断片間の相
補的突出を生じさせるアンカープライマーを用いて、遺伝子断片のPCR増幅を実施するこ
とができる(例えば、分子生物学の最新プロトコル(Current Protocols in Molecular Bio
logy)、Ausubelら編、John Wiley & Sons: 1992を参照されたい)。
ActRIIB-Fc融合タンパク質は、安定にトランスフェクトされたCHO-DUKX Bl 1細胞で、
配列番号8の組織プラスミノーゲンリーダー配列を用いて、pAID4ベクター(SV40 ori/エン
ハンサー、CMVプロモーター)から発現させることができる。Fc部分は、配列番号7に示さ
れるヒトIgGl Fc配列を含むことができる。ある実施態様において、発現させたとき、含
まれるタンパク質は、ActRIIB-Fc融合タンパク質1分子当たり、平均で約1.5~2.5モルの
シアル酸を有する。
ある実施態様において、ActRIIB-Fc融合体の長い血清半減期は、ヒト患者で25~32日で
あることができる。さらに、CHO細胞で発現される物質は、ヒト293細胞で発現されるActR
IIB-hFc融合タンパク質について報告されたものよりも高いアクチビンBリガンドに対する
親和性を有することができる(del Reらの文献、J Biol Chem. 2004 Dec 17;279(51):5312
6-35)。さらに、理論によって束縛されるものではないが、TPAリーダー配列の使用は、他
のリーダー配列よりも大きな産生をもたらし、天然のリーダーで発現されるActRIIB-Fcと
は異なり、極めて純粋なN末端配列を提供することができる。天然のリーダー配列の使用
は、各々異なるN末端配列を有する2つの主要な種のActRIIB-Fcを生じさせることができる
((ii)他のActRII受容体インヒビター)
ある実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRII受容体の
インヒビターは、核酸化合物である。
ActRII受容体を阻害する核酸化合物のカテゴリーの例としては、アンチセンス核酸、si
RNA又はRNAiコンストラクト、及び触媒核酸コンストラクトが挙げられる。核酸化合物は
、一本鎖又は二本鎖であり得る。二本鎖化合物は、鎖のどちらか一方が一本鎖である突出
又は非相補性領域を含むこともできる。一本鎖化合物は、自己相補性領域を含むことがで
き、これは、該化合物が、二本鎖らせん構造の領域を含む、いわゆる「ヘアピン」又は「
ステムループ」構造を形成し得ることを意味する。
ある実施態様において、ActRII受容体を阻害する核酸化合物は、1000以下、500以下、2
50以下、100以下、又は50、35、30、25、22、20、もしくは18以下のヌクレオチドの全長A
ctRII受容体核酸配列又はアクチビン核酸配列(例えば、βA又はβBとも呼ばれる、アクチ
ビンA又はアクチビンBサブユニットの核酸配列)からなる領域に相補的であるヌクレオチ
ド配列を含み得る。具体的な実施態様において、相補性領域は、少なくとも8ヌクレオチ
ド、任意に、少なくとも10又は少なくとも15ヌクレオチド、任意に、15~25ヌクレオチド
である。相補性領域は、標的転写物のイントロン、コード配列、又は非コード配列、例え
ば、コード配列部分に含まれ得る。一般に、ActRII受容体を阻害する核酸化合物は、約8
~約500ヌクレオチド又は塩基対長の長さを有し、任意に、長さは、約14~約50ヌクレオ
チドである。ActRII受容体を阻害する核酸化合物は、DNA(特にアンチセンスとして使用さ
れる)、RNA、又はRNA:DNAハイブリッドであり得る。どの1つの鎖も、DNAとRNAの混合物、
及びDNA又はRNAのどちらかに容易に分類することができない修飾形態を含み得る。同様に
、二本鎖核酸化合物は、DNA:DNA、DNA:RNA、又はRNA:RNAであり得、どの1つの鎖も、DNA
とRNAの混合物、及びDNA又はRNAのどちらかに容易に分類することができない修飾形態も
含み得る。
ActRII受容体を阻害する核酸化合物は、骨格(ヌクレオチド間結合を含む、天然の核酸
の糖-リン酸部分)又は塩基部分(天然の核酸のプリンもしくはピリミジン部分)に対する1
以上の修飾を含む、種々の修飾のいずれかを含み得る。ある実施態様において、アンチセ
ンス核酸化合物は、約15~約30ヌクレオチドの長さを有し、多くの場合、特定の特徴、例
えば、血清中での安定性、細胞内での安定性、又は例えば、経口送達化合物の場合は胃、
及び吸入化合物の場合は肺などの、該化合物が送達される可能性が高い場所での安定性を
改善する1以上の修飾を含む。RNAiコンストラクトの場合、標的転写物に相補的な鎖は、
通常、RNA又はその修飾物である。他の鎖は、RNA、DNA、又は任意の他の変形物であり得
る。二本鎖又は一本鎖「ヘアピン」RNAiコンストラクトの二重鎖部分は、ある実施態様に
おいて、それがDicer基質としての役割を果たす限り、18~40ヌクレオチド長、及び任意
に、約21~23ヌクレオチド長の長さを有する。触媒的又は酵素的核酸は、リボザイム又は
DNA酵素であり得、修飾形態も含み得る。ある実施態様において、ActRII受容体を阻害す
る核酸化合物は、生理的条件下で及び非センス又はセンス対照がほとんど又は全く効果が
ない濃度で、その標的の発現を約50%、60%、70%、75%、80%、85%、90%、95%、99
%、又はそれより大きく阻害し得る。核酸化合物の効果を試験するための濃度としては、
1、5、10マイクロモル濃度、又はそれを上回る濃度が挙げられる。
他の実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRII受容体の
インヒビターは、抗体である。そのような抗体としては、アクチビン(特に、βA又はβB
とも呼ばれる、アクチビンA又はBサブユニット)に結合し、ActRII受容体結合を破壊する
抗体;及びActRII受容体ポリペプチド(例えば、可溶性ActRIIA又は可溶性ActRIIBポリペプ
チド)に結合し、アクチビン結合を破壊する抗体が挙げられる。
ActRII受容体ポリペプチド又はアクチビンポリペプチドに由来する免疫原を使用するこ
とにより、抗タンパク質/抗ペプチド抗血清又はモノクローナル抗体を標準的なプロトコ
ルによって作製することができる(例えば、抗体:実験マニュアル(Antibodies: A Laborat
ory Manual)、Harlow及びLane編(Cold Spring Harbor Press: 1988)を参照されたい)。哺
乳動物、例えば、マウス、ハムスター、又はウサギを、ActRII受容体ポリペプチドの免疫
原性形態、抗体応答を誘発することができる抗原性断片、又は融合タンパク質で免疫する
ことができる。タンパク質又はペプチドに免疫原性を付与する技術には、担体へのコンジ
ュゲーション又は当技術分野で周知の他の技術が含まれる。ActRII受容体又はアクチビン
ポリペプチドの免疫原性部分は、アジュバントの存在下で投与することができる。免疫の
進捗は、血漿又は血清中の抗体力価の検出によりモニタリングすることができる。標準的
なELISA又は他の免疫アッセイを抗原としての免疫原とともに用いて、抗体のレベルを評
価することができる。
動物をActRII受容体ポリペプチドの抗原性調製物で免疫した後、抗血清を得ることがで
き、望ましい場合、ポリクローナル抗体を血清から単離することができる。モノクローナ
ル抗体を産生するために、抗体産生細胞(リンパ球)を免疫動物から回収し、標準的な体細
胞融合法によって骨髄腫細胞などの不死化細胞と融合させて、ハイブリドーマ細胞を得る
ことができる。そのような技術は当技術分野で周知であり、例えば、ハイブリドーマ技術
(Kohler及びMilstein(1975) Nature, 256: 495-497により最初に開発されたもの)、ヒトB
細胞ハイブリドーマ技術(Kozbarらの文献(1983) Immunology Today, 4: 72)、及びヒトモ
ノクローナル抗体を産生するためのEBVハイブリドーマ技術(Coleらの文献(1985) モノク
ローナル抗体及び癌療法(Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy)、Alan R. Liss,
Inc. pp. 77-96)を含む。ハイブリドーマ細胞を、ActRII受容体ポリペプチドと特異的に
反応する抗体の産生について免疫化学的にスクリーニングし、モノクローナル抗体を、そ
のようなハイブリドーマ細胞を含む培養物から単離することができる。
本明細書で使用される「抗体」という用語は、その断片を含むことが意図され、該断片
もまた、対象ポリペプチドと特異的に反応する。抗体を従来の技術を用いて断片化し、該
断片を、全抗体について上で記載されているのと同じ方法で、有用性についてスクリーニ
ングすることができる。例えば、F(ab)2断片は、抗体をペプシンで処理することにより作
製することができる。得られたF(ab)2断片を処理して、ジスルフィド架橋を還元し、Fab
断片を産生することができる。抗体は、抗体の少なくとも1つのCDR領域によって付与され
るActRII受容体又はアクチビンポリペプチドに対する親和性を有する二重特異性、単鎖、
キメラ、ヒト化、及び完全ヒト分子を含むことがさらに意図される。抗体は、それに付着
し、検出されることができる標識をさらに含むことができる(例えば、該標識は、放射性
同位体、蛍光化合物、酵素、又は酵素補因子であることができる)。
ある実施態様において、抗体は組換え抗体であり、この用語は、一部は分子生物学の技
術によって作製される任意の抗体を包含し、これには、CDR移植又はキメラ抗体、ライブ
ラリー選択抗体ドメインから組み立てられたヒト抗体又は他の抗体、単鎖抗体、並びに単
ドメイン抗体(例えば、ヒトVHタンパク質又はラクダ科VHHタンパク質)が含まれる。ある
実施態様において、抗体はモノクローナル抗体であることができ、及びある実施態様にお
いて。例えば、ActRII受容体ポリペプチド又はアクチビンポリペプチドに特異的に結合す
るモノクローナル抗体を作製する方法は、検出可能な免疫応答を刺激するのに有効な量の
抗原ポリペプチドを含む免疫原性組成物をマウスに投与し、該マウスから抗体産生細胞(
例えば、脾臓由来の細胞)を取得し、該抗体産生細胞を骨髄腫細胞と融合させて、抗体産
生ハイブリドーマを取得し、該抗体産生ハイブリドーマを試験して、該抗原に特異的に結
合するモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマを同定することを含み得る。ひとた
び取得されれば、ハイブリドーマを、細胞培養物中で、及び任意に、ハイブリドーマ由来
細胞が抗原に特異的に結合するモノクローナル抗体を産生する培養条件で増殖させること
ができる。モノクローナル抗体は、該細胞培養物から精製してもよい。
抗体に関して使用される「と特異的に反応する」という形容詞は、当技術分野で一般に
理解されているように、抗体が特定のタイプの生物学的試料中の関心対象の抗原の存在を
最小限検出するのに有用であるほど、抗体が関心対象の抗原(例えば、ActRII受容体ポリ
ペプチド)と関心対象ではない他の抗原との間で十分に選択的であることを意味すること
が意図される。治療への応用などの、抗体を利用する特定の方法において、より高度の結
合特異性が望ましい場合がある。モノクローナル抗体は、通常、所望の抗原と交差反応性
ポリペプチドとを効果的に識別する傾向が(ポリクローナル抗体と比較して)より高い。抗
体:抗原相互作用の特異性に影響を及ぼす1つの特徴は、抗原に対する抗体の親和性である
。所望の特異性は様々な異なる親和性を伴って達成され得るが、通常、好ましい抗体は、
約10-6、10-7、10-8、10-9、又はそれ未満の親和性(解離定数)を有する。アクチビンとAc
tRII受容体の異常に強力な結合を考慮すると、中和抗アクチビン又は抗ActRII受容体抗体
は、通常、10-10以下の解離定数を有すると考えられる。
さらに、望ましい抗体を同定するために抗体をスクリーニングするために使用される技
術は、得られる抗体の特性に影響を及ぼし得る。例えば、抗体を溶液中の抗原に結合させ
るのに使用する場合、溶液結合を試験することが望ましい場合がある。抗体と抗原の相互
作用を試験して、特に望ましい抗体を同定するために、種々の異なる技術が利用可能であ
る。そのような技術としては、ELISA、表面プラズモン共鳴結合アッセイ(例えば、Biacor
e(商標)結合アッセイ、Biacore AB, Uppsala, Sweden)、サンドイッチアッセイ(例えば、
IGEN International社, Gaithersburg, Md.の常磁性ビーズシステム)、ウェスタンブロッ
ト、免疫沈降アッセイ、及び免疫組織化学が挙げられる。
ある実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRII受容体イ
ンヒビターには、別の形態のアクチビン、特に、I型受容体結合ドメイン中に改変を有し
、II型受容体に結合することができ、かつ活性のある三重複合体を形成しないものが含ま
れる。ある実施態様において、アクチビンA、B、C、もしくはE、又は特に、ActRII受容体
発現を阻害する核酸、例えば、アンチセンス分子、siRNA、又はリボザイムを、本明細書
に記載の組成物及び方法で使用することができる。
他の実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRII受容体の
インヒビターは、ActRII受容体アンタゴニスト活性を有する非抗体タンパク質であり、こ
れには、インヒビン(すなわち、インヒビンαサブユニット)、フォリスタチン(例えば、
フォリスタチン-288及びフォリスタチン-315)、ケルベロス(Cerberus)、フォリスタチン
関連タンパク質(「FSRP」)、エンドグリン、アクチビンC、α(2)-マクログロブリン、並
びにM108A(位置108におけるメチオニンからアラニンへの変化)突然変異体アクチビンAが
含まれる。
具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRII受容
体インヒビターは、アクチビン生物活性に拮抗し、及び/又はアクチビンに結合するフォ
リスタチンポリペプチドである。「フォリスタチンポリペプチド」という用語には、フォ
リスタチンの任意の天然のポリペプチド並びに有用な活性を保持するその任意の変異体(
突然変異体、断片、融合体、及びペプチド模倣形態を含む)を含むポリペプチドが含まれ
、フォリスタチンの任意の機能的単量体又は多量体がさらに含まれる。アクチビン結合特
性を保持するフォリスタチンポリペプチドの変異体は、フォリスタチンとアクチビンの相
互作用に関する以前の研究に基づいて同定することができる。例えば、引用により完全に
本明細書中に含まれるWO2008/030367号には、アクチビン結合に重要であることが示され
ている具体的なフォリスタチンドメイン(「FSD」)が開示されている。フォリスタチンポ
リペプチドには、フォリスタチンポリペプチドの配列と少なくとも約80%同一な、及び任
意に、少なくとも85%、90%、95%、96%、97%、98%、99%、又はそれを上回って同一
な配列を有する任意の公知のフォリスタチンの配列に由来するポリペプチドが含まれる。
フォリスタチンポリペプチドの例としては、成熟フォリスタチンポリペプチドもしくはよ
り短いアイソフォーム、又は例えば、引用により完全に本明細書中に含まれるWO2005/025
601号に記載されているヒトフォリスタチン前駆ポリペプチドの他の変異体が挙げられる
具体的な実施態様において、本明細書に記載の組成物及び方法で使用されるActRII受容
体インヒビターは、アクチビン生物活性に拮抗し、及び/又はアクチビンに結合するフォ
リスタチン様関連遺伝子(FLRG)である。「FLRGポリペプチド」という用語には、FLRGの任
意の天然のポリペプチド並びに有用な活性を保持するその任意の変異体(突然変異体、断
片、融合体、及びペプチド模倣形態を含む)を含むポリペプチドが含まれる。アクチビン
結合特性を保持するFLRGポリペプチドの変異体は、FLRGとアクチビンの相互作用をアッセ
イするルーチンの方法を用いて同定することができる。例えば、引用により完全に本明細
書中に含まれる米国特許第6,537,966号を参照されたい。FLRGポリペプチドには、FLRGポ
リペプチドの配列と少なくとも約80%同一な、及び任意に、少なくとも85%、90%、95%
、96%、97%、98%、99%、又はそれを上回って同一な配列を有する任意の公知のFLRGの
配列に由来するポリペプチドが含まれる。
ある実施態様において、フォリスタチンポリペプチド及びFLRGポリペプチドの機能的変
異体又は修飾形態には、フォリスタチンポリペプチド又はFLRGポリペプチドの少なくとも
一部と、例えば、ポリペプチドの単離、検出、安定化、又は多量体化を容易にするドメイ
ンなどの1以上の融合ドメインとを有する融合タンパク質が含まれる。好適な融合ドメイ
ンは、ActRIIA及びActRIIBポリペプチドに関して上で詳細に論じられている。一実施態様
において、ActRII受容体インヒビターは、Fcドメインに融合したフォリスタチンポリペプ
チドのアクチビン結合部分を含む融合タンパク質である。別の実施態様において、ActRII
受容体インヒビターは、Fcドメインに融合したFLRGポリペプチドのアクチビン結合部分を
含む融合タンパク質である。
(5.3 アッセイ)
((a)診断アッセイ)
((i)骨代謝回転)
骨代謝回転の様々な循環マーカーを用いて、骨障害、例えば、低骨代謝回転を診断する
ことができる。骨代謝回転の循環マーカーは、骨特異的アルカリホスファターゼ(bAP)、
オステオカルシン、プロコラーゲンI型C末端プロペプチド(PICP)、及びインスリン様成長
因子-1(IGF-1)などの骨形成のマーカーであり、一部は、ピリジノリン、デオキシピリジ
ノリン、酒石酸耐性酸ホスファターゼ(TRAP)、TRAP 5b型、ピリジノリン、デオキシピリ
ジノリン、及びプロコラーゲンI型C末端テロペプチド(ICTP)、血清又は尿コラーゲン架橋
(N-テロペプチド又はC-テロペプチド)、及び25ヒドロキシビタミンDなどの骨再吸収のマ
ーカーである。全副甲状腺ホルモン(PTH)分子を測定するアッセイを使用することもでき
る。当業者は、骨ミネラル密度(BMD)の評価を可能にするイメージング法を知っている。
例えば、Tilman B. Drueke及びSharon M. Moeの文献、慢性腎疾患における骨及びミネラ
ル代謝の障害:診断及び治療を改善するための国際的な取組み(Disturbances of bone and
mineral metabolism in chronic kidney disease: an international initiative to im
prove diagnosis and treatment)、Nephrol Dial Transplant(2004) 19: 534-536; Okuno
S, Inaba M.の文献、骨代謝回転の生化学的マーカー。新たな局面。透析及び骨代謝マー
カー(Biochemical markers of bone turnover. New aspect. Dialysis and bone metabol
ic marker)、Clin Calcium. 2009 Aug;19(8):1084-91; Herberth J, Monier-Faugere MC,
Mawad HW, Branscum AJ, Herberth Z, Wang G, Cantor T, Malluche HHの文献、5つの最
もよく使用されるインタクト副甲状腺ホルモンアッセイは、CKD-5患者における骨代謝回
転異常のスクリーニングに有用であるが、その診断には有用ではない(The five most com
monly used intact parathyroid hormone assays are useful for screening but not fo
r diagnosing bone turnover abnormalities in CKD-5 patients)、Clin Nephrol. 2009
Jul;72(1):5-14; Lehmann G, Ott U, Kaemmerer D, Schuetze J, Wolf G.の文献、ステー
ジ3~5の慢性腎疾患を有する患者における骨代謝回転の骨組織形態計測的及び生化学的マ
ーカー(Bone histomorphometry and biochemical markers of bone turnover in patient
s with chronic kidney disease Stages 3-5)、Clin Nephrol. 2008 Oct;70(4):296-305;
Drueke TB.の文献、副甲状腺ホルモン測定は腎骨疾患の診断に有用か(Is parathyroid h
ormone measurement useful for the diagnosis of renal bone disease?)、Kidney Int
. 2008 Mar;73(6):674-6; Yamada S, Inaba M, Kurajoh M, Shidara K, Imanishi Y, Ish
imura E, Nishizawa Y.の文献、慢性腎疾患を有する患者における骨再吸収マーカーとし
ての血清酒石酸耐性酸ホスファターゼ(TRACP5b)の有用性:腎機能障害との無関係性(Utili
ty of serum tartrate-resistant acid phosphatase(TRACP5b) as a bone resorption ma
rker in patients with chronic kidney disease: independence from renal dysfunctio
n)、Clin Endocrinol(Oxf). 2008 Aug;69(2):189-96. Epub 2008 Jan 23を参照されたい
。Paul D. Millerの文献、慢性腎疾患における骨粗鬆症の診断及び治療(Diagnosis and T
reatment of Osteoporosis in Chronic Renal Disease)、2009も参照されたい。
軽度の腎機能障害を有するCKD患者における骨再吸収をモニタリングするための別のマ
ーカーは、I型コラーゲンN-テロペプチド(S-NTX)の血清濃度である。例えば、Hamano T,
Fujii N, Nagasawa Y, Isaka Y, Moriyama T, Okada N, Imai E, Horio M, Ito T.の文献
、血清NTXは、グルココルチコイド処置された慢性腎疾患患者に対する抗再吸収療法を評
価するための実用的マーカーである(Serum NTX is a practical marker for assessing a
ntiresorptive therapy for glucocorticoid treated patients with chronic kidney di
sease.)、Bone. 2006 Nov;39(5):1067-72. Epub 2006 Jun 16を参照されたい。
定量的コンピュータ断層撮影(QCT)を用いて、骨代謝回転を決定することもできる。
((ii)低回転型骨障害モデル)
腎臓環境における低回転型骨疾患のマウスモデルは、マウス腎摘出モデル、例えば、第
6.2節及び第6.3節で使用される5/6腎摘出モデルを使用することであり、このモデルでは
、マウスに低リン酸食を給餌する。
別のマウスモデルにおいて、マウスは、一方の腎臓の電気焼灼及びもう一方の腎臓の腎
摘出を受ける。該マウスに、カルシトリオールを補充した低リン酸食を給餌する。例えば
、Lundらの文献、2004, J Am Soc Nephrol 15:349-369を参照されたい。
((iii)骨のテトラサイクリン標識)
CKDと関連する骨疾患のタイプを決定するために使用することができる診断検査は、二
重テトラサイクリン標識及び骨組織形態計測解析を用いる腸骨稜骨生検である。例えば、
米国腎臓財団: NKF KDOQIガイドラインを参照されたい。
((iv)血管石灰化)
冠動脈石灰化(CAC)の程度のイメージング用の非造影コンピュータ断層撮影(CT)及び非
侵襲的冠動脈造影(CTA)用の造影CTは、閉塞性冠動脈疾患を診断するために一般に使用さ
れる現像法(development)である。診断的及び予後予測的な心臓評価のための放射性核種
ストレス試験、冠動脈カルシウムスキャニング、及び非侵襲的冠動脈造影を使用すること
もできる。Berman DS, Shaw LJ, Hachamovitch R, Friedman JD, Polk DM, Hayes SW, Th
omson LE, Germano G, Wong ND, Kang X, Rozanski A.の文献、診断的及び予後予測的な
心臓評価のための放射性核種ストレス試験、冠動脈カルシウムスキャニング、及び非侵襲
的冠動脈造影の比較使用(Comparative use of radionuclide stress testing, coronary
artery calcium scanning, and noninvasive coronary angiography for diagnostic and
prognostic cardiac assessment)、Semin Nucl Med. 2007 Jan;37(1):2-16を参照された
い。
無症状患者の冠動脈カルシウムスクリーニング結果を比較として使用することができる
。例えば、血管石灰化が腎疾患と関連する場合、腎疾患の発症前に得られたカルシウムス
クリーニング結果を比較として使用することができる。
冠動脈石灰化(CAC)の考えられる検出及び定量方法としては、x線コンピュータ断層撮影
及び心筋灌流単一光子放射型コンピュータ断層撮影(SPECT)が挙げられるが、これらに限
定されない。Moser KW, O'Keefe JH Jr, Bateman TM, McGhie IA.の文献、リスク因子修
飾及びストレス心筋灌流イメージングの指針としての無症状患者における冠動脈カルシウ
ムスクリーニング(Coronary calcium screening in asymptomatic patients as a guide
to risk factor modification and stress myocardial perfusion imaging)、J Nucl Car
diol. 2003 Nov-Dec;10(6):590-8。多列検出器コンピュータ断層撮影(MDCT)を用いて、血
管石灰化を検出することもできる(例えば、Burrillらの文献、2007, Postgrad. Med. J.
83(985):698-704を参照されたい)。
血管石灰化の別の診断方法は、陽電子放出断層撮影(PET)/コンピュータ断層撮影(CT)併
用時の胸部大動脈壁へのフッ素18フルオロデオキシグルコース(FDG)取込みである。Tatsu
mi M, Cohade C, Nakamoto Y, Wahl RL.の文献、PET/CT時の大動脈壁へのフルオロデオキ
シグルコース取込み:活動性アテローム性動脈硬化症の発見の可能性(Fluorodeoxyglucose
uptake in the aortic wall at PET/CT: possible finding for active atherosclerosi
s)、Radiology. 2003 Dec;229(3):831-7. Epub 2003 Oct 30を参照されたい。
さらに別の実施態様において、超高速CTを用いて、アテローム性動脈硬化性冠動脈疾患
の存在を検出することができる。例えば、Breen JF, Sheedy PF 2nd, Schwartz RS, Stan
son AW, Kaufmann RB, Moll PP, Rumberger JAの文献、冠動脈疾患の兆候としての超高速
CTで検出される冠動脈石灰化(Coronary artery calcification detected with ultrafast
CT as an indication of coronary artery disease)、Radiology. 1992 Nov;185(2):435
-9を参照されたい。
電子ビームコンピュータ断層撮影スキャニングを用いて、冠動脈疾患を診断することも
できる。Schmermund A, Baumgart D, Sack S, Mohlenkamp S, Gronemeyer D, Seibel R,
Erbel R.の文献、症状のある患者における正常、異常、又は多義運動負荷試験を用いた電
子ビームコンピュータ断層撮影による冠動脈石灰化の評価(Assessment of coronary calc
ification by electron-beam computed tomography in symptomatic patients with norm
al, abnormal or equivocal exercise stress test)、Eur Heart J. 2000 Oct;21(20):16
74-82を参照されたい。
血管石灰化の別の試験では、多因性及び血栓塞栓性肺高血圧症におけるプラーク組成が
考慮される。慢性血栓塞栓性肺高血圧症は、グリコフォリンに富んだ粥状コアを有するア
テローム性動脈硬化プラークと関連し、多因性肺高血圧症は線維性プラークと関連する。
血栓塞栓性物質は、赤血球膜由来グリコフォリンがその主要成分である粥状コアの形成に
おいて極めて重要な役割を果たしている。したがって、慢性血栓塞栓性及び多因性肺高血
圧症(一次性及び二次性(アイゼンメルゲル症候群))が検討される。Arbustini E, Morbini
P, D'Armini AM, Repetto A, Minzioni G, Piovella F, Vigano M, Tavazzi Lの文献、
多因性及び血栓塞栓性肺高血圧症におけるプラーク組成:粥状コアの形成における血栓塞
栓性物質の極めて重要な役割(Plaque composition in plexogenic and thromboembolic p
ulmonary hypertension: the critical role of thrombotic material in pultaceous co
re formation)、Heart. 2002 Aug;88(2):177-82を参照されたい。
沈着したカルシウムプラークの密度測定に基づくカルシウムスコアリングシステムであ
るアガットストンスコアリングを用いて、血管石灰化を定量することができる。このシス
テムでは、血管石灰化のレベルを多列検出器コンピュータ断層撮影(MDCT)によって測定す
ることができ、アガットストンスコアにおける進行速度の減衰を評価することができる(
例えば、Sharmaらの文献、2010, Vasc. Health Risk Manag. 6:603-611を参照されたい)
さらに、血管石灰化は、Adragaoらの文献、2004, Nephrol. Dial. Transplant 19:1480
-1488に記載の方法を用いて評価することができる。
対象における血管石灰化を定量する際に使用される別のアッセイは、病変特異的カルシ
ウムスコアであり、これは、冠動脈石灰化のCT検査の結果としてもたらされるカルシウム
測定法を含む。この方法は、例えば、Akram及びVorosの文献、2008, Int. J. cardiovac.
Imaging 14:743-749に記載されている。
((v)腎疾患)
糸球体濾過量は、腎疾患を決定するための当業者に公知の任意の方法により決定するこ
とができる。米国腎臓財団のウェブサイトを参照されたい。
((vi)二次性副甲状腺機能症(parathyroidism))
二次性副甲状腺機能亢進症は、カルシウムレベルが低過ぎるか、又はリンレベルが増加
しているために、副甲状腺が過剰の副甲状腺ホルモン(PTH)を産生するときに生じる。カ
ルシウム、リン、及びPTHレベルは、血液試料から決定することができる。
((vii)高リン血症)
血液中のホスフェートのレベルの異常上昇は、当業者に公知の任意の方法により決定す
ることができる。
((b)スクリーニングアッセイ)
様々なActRIIポリペプチド変異体、又は可溶性ActRIIポリペプチド変異体を、ActRIIを
阻害するその能力について試験することができる。さらに、化合物を、ActRIIを阻害する
その能力について試験することができる。ひとたびActRII活性のインヒビターが確認され
れば、これらの化合物を本明細書に提供される方法とともに使用することができる。ActR
IIは、ActRIIA又はActRIIBであることができる。下記のアッセイは、ActRIIAについて記
載されているが、ActRIIBについても同様に実施することができる。
例えば、骨産生又は骨破壊に関与する遺伝子の発現に対するActRIIAポリペプチド変異
体の効果を評価することができる。これは、必要な場合、1以上の組換えActRIIAリガンド
タンパク質(例えば、アクチビン)の存在下で実施することができ、細胞を、ActRIIAポリ
ペプチド及び/又はその変異体、並びに任意にActRIIAリガンドを産生するようにトランス
フェクトすることができる。同様に、ActRIIAポリペプチドをマウス又は他の動物に投与
することができ、1以上の骨特性、例えば、密度又は体積を評価することができる。骨折
の治癒速度を評価することもできる。二重エネルギーx線吸収法(DEXA)は、動物の骨密度
を評価するための十分に確立された非侵襲的な定量技術である。ヒトにおいて、中枢DEXA
システムを用いて、脊椎及び骨盤の骨密度を評価することができる。これらは、全骨密度
の最良の予測因子である。末梢DEXAシステムを用いて、例えば、手、手首、足首、及び足
の骨を含む、末梢骨の骨密度を評価することができる。CATスキャンを含む、従来のx線イ
メージングシステムを用いて、骨成長及び骨折治癒を評価することができる。さらに、定
量的コンピュータ断層撮影(qCT)を用いて、骨密度を測定することができる。骨の機械的
強度を評価することもできる。
ある態様において、本明細書に提供されるのは、アクチビン-ActRIIAシグナル伝達経路
のアゴニスト又はアンタゴニストとなる化合物(薬剤)を同定するためのActRIIAポリペプ
チド(例えば、可溶性ActRIIAポリペプチド)及びアクチビンポリペプチドの使用である。
このスクリーニングを通じて同定された化合物を試験して、骨の成長又は石化をインビト
ロで調節するその能力を評価することができる。任意に、これらの化合物を動物モデルで
さらに試験して、インビボで組織成長を調節するその能力を評価することができる。
アクチビン及びActRIIAポリペプチドを標的とすることによって組織成長を調節する治
療剤をスクリーニングする数多くの手法がある。ある実施態様において、化合物のハイス
ループットスクリーニングを実施して、骨に対するアクチビン又はActRIIA媒介性効果を
撹乱する薬剤を同定することができる。ある実施態様において、アッセイを実施して、ア
クチビンに対するActRIIAポリペプチドの結合を特異的に阻害し又は低下させる化合物を
スクリーニング及び同定する。或いは、アッセイを用いて、アクチビンに対するActRIIA
ポリペプチドの結合を増強する化合物を同定することができる。さらなる実施態様におい
て、化合物を、アクチビン又はActRIIAポリペプチドと相互作用するその能力によって同
定することができる。
種々のアッセイ形式が十分であり、本開示を考慮すれば、本明細書に明示的に記載され
ていないものが、それにもかかわらず、当業者によって理解されるであろう。本明細書に
記載されているように、本明細書で使用される試験化合物(薬剤)は、任意のコンビナトリ
アル化学法によって作出することができる。或いは、対象化合物は、インビトロ又はイン
ビボで合成された天然の生体分子であることができる。組織成長のモジュレーターとして
作用するその能力について試験される化合物(薬剤)は、例えば、細菌、酵母、植物、もし
くは他の生物により産生されるか(例えば、天然物)、化学的に産生されるか(例えば、ペ
プチド模倣体を含む小分子)、又は組換えで産生されることができる。本明細書で企図さ
れる試験化合物としては、非ペプチド有機分子、ペプチド、ポリペプチド、ペプチド模倣
体、糖、ホルモン、及び核酸分子が挙げられる。具体的な実施態様において、試験薬剤は
、約2,000ダルトン未満の分子量を有する小有機分子である。
試験化合物は、単一の別個の実体として提供するか、又は例えば、コンビナトリアル化
学によってより複雑度の高いライブラリー中に提供することができる。これらのライブラ
リーは、例えば、アルコール、ハロゲン化アルキル、アミン、アミド、エステル、アルデ
ヒド、エーテル、及び他のクラスの有機化合物を含むことができる。試験系に対する試験
化合物の提示は、特に、最初のスクリーニング工程において、単離された形態か、又は化
合物の混合物としてかのいずれかであり得る。任意に、該化合物は、他の化合物で誘導体
化され、該化合物の単離を容易にする誘導体化基を有することができる。誘導体化基の非
限定的な例としては、ビオチン、フルオレセイン、ジゴキシゲニン、緑色蛍光タンパク質
、同位体、ポリヒスチジン、磁気ビーズ、グルタチオンSトランスフェラーゼ(GST)、光活
性化クロスリンカー、又はこれらの任意の組合せが挙げられる。
化合物及び天然抽出物のライブラリーを試験する多くの薬物スクリーニングプログラム
において、所与の期間に調査される化合物の数を最大にするためには、ハイスループット
アッセイが望ましい。精製又は半精製されたタンパク質を用いて得ることができるような
、無細胞系で実施されるアッセイは、試験化合物によって媒介される分子標的の変化の迅
速な発生及び比較的容易な検出を可能にするように作製することができるという点で、多
くの場合、「一次」スクリーニングとして好ましい。さらに、試験化合物の細胞毒性又は
バイオアベイラビリティの効果は、通常、インビトロ系では無視することができ、その代
わりに、このアッセイは、主として、ActRIIAポリペプチドとアクチビンの間の結合親和
性の変化として現われ得るような分子標的に対する薬物の効果に焦点を当てている。
単に例証するために、例示的なスクリーニングアッセイにおいて、関心対象の化合物を
、通常アクチビンに結合することができる単離及び精製されたActRIIAポリペプチドと接
触させる。その後、化合物とActRIIAポリペプチドの混合物に、ActRIIAリガンドを含む組
成物を添加する。ActRIIA/アクチビン複合体の検出及び定量は、ActRIIAポリペプチドと
アクチビンの間の複合体形成の阻害(又は強化)における化合物の効力を決定するための手
段を提供する。化合物の効力は、様々な濃度の試験化合物を用いて得られたデータから用
量応答曲線を作成することにより評価することができる。さらに、対照アッセイを実施し
て、比較用のベースラインを提供することもできる。例えば、対照アッセイでは、単離及
び精製されたアクチビンを、ActRIIAポリペプチドを含む組成物に添加し、ActRIIA/アク
チビン複合体の形成を試験化合物の非存在下で定量する。一般に、反応物を混合し得る順
序を変えることができ、また、反応物を同時に混合することができることが理解されるで
あろう。さらに、精製タンパク質の代わりに、細胞の抽出物及び溶解物を用いて、好適な
無細胞アッセイ系を提供することができる。
ActRIIAポリペプチドとアクチビンの間の複合体形成は、種々の技術により検出するこ
とができる。例えば、複合体の形成の調節は、例えば、検出可能に標識されたタンパク質
、例えば、放射性標識された(例えば、32P、35S、14C、もしくは3H)、蛍光標識された(例
えば、FITC)、又は酵素標識されたActRIIAポリペプチド又はアクチビンを用いて、免疫ア
ッセイによるか、又はクロマトグラフィー検出によって定量することができる。
ある実施態様において、本明細書で企図されるのは、直接的に又は間接的に、ActRIIA
ポリペプチドとその結合タンパク質との間の相互作用の程度を測定する際の蛍光偏光アッ
セイ及び蛍光共鳴エネルギー遷移(FRET)アッセイの使用である。さらに、他の検出様式、
例えば、光導波路(PCT公開WO 96/26432号及び米国特許第5,677,196号)、表面プラズモン
共鳴(SPR)、表面電荷センサー、並びに表面力センサーに基づく検出様式は、本発明に記
載の多くの実施態様と適合する。
さらに、「ツーハイブリッドアッセイ」としても知られる相互作用トラップアッセイを
、ActRIIAポリペプチドとその結合タンパク質との間の相互作用を撹乱又は強化する因子
の同定のために使用することができる。例えば、米国特許第5,283,317号; Zervosらの文
献(1993) Cell 72:223-232; Maduraらの文献(1993) J Biol Chem 268:12046-12054; Bart
elらの文献(1993) Biotechniques 14:920-924;及びIwabuchiらの文献(1993) Oncogene 8:
1693-1696)を参照されたい。具体的な実施態様において、本明細書で企図されるのは、Ac
tRIIAポリペプチドとその結合タンパク質との間の相互作用を断ち切る化合物(例えば、小
分子又はペプチド)を同定するためのリバースツーハイブリッドシステムの使用である。
例えば、Vidal及びLegrainの文献(1999) Nucleic Acids Res 27:919-29; Vidal及びLegra
inの文献(1999) Trends Biotechnol 17:374-81;並びに米国特許第5,525,490号;第5,955,2
80号;及び第5,965,368号を参照されたい。
ある実施態様において、対象化合物は、ActRIIA又はアクチビンポリペプチドと相互作
用するその能力によって同定される。該化合物とActRIIA又はアクチビンポリペプチドと
の間の相互作用は、共有結合性であっても非共有結合性であってもよい。例えば、そのよ
うな相互作用は、光架橋、放射性標識リガンド結合、及び親和性クロマトグラフィーを含
む、インビトロの生化学的方法を用いて、タンパク質レベルで同定することができる(Jak
oby W Bらの文献、1974, Methods in Enzymology 46: 1)。ある場合には、該化合物を、
メカニズムに基づくアッセイ、例えば、アクチビン又はActRIIAポリペプチドに結合する
化合物を検出するアッセイでスクリーニングすることができる。これは、固相又は流体相
の結合事象を含み得る。或いは、アクチビン又はActRIIAポリペプチドをコードする遺伝
子を、レポーターシステム(例えば、β-ガラクトシダーゼ、ルシフェラーゼ、又は緑色蛍
光タンパク質)とともに細胞内にトランスフェクトし、好ましくは、ハイスループットス
クリーニングによるか又はライブラリーの個々のメンバーを用いて、ライブラリーに対し
てスクリーニングすることができる。メカニズムに基づく他の結合アッセイ、例えば、自
由エネルギーの変化を検出する結合アッセイを使用することができる。結合アッセイは、
ウェル、ビーズ、もしくはチップに固定されているか、又は固定された抗体によって捕捉
されているか、又はキャピラリー電気泳動によって分解される標的を用いて実施すること
ができる。結合した化合物は、通常、比色又は蛍光又は表面プラズモン共鳴を用いて検出
することができる。
ある態様において、本明細書に提供されるのは、骨形成を調節(刺激又は阻害)し、及び
骨量を増加させるための方法及び薬剤である。それゆえ、同定された任意の化合物を、全
細胞又は組織中で、インビトロ又はインビボで試験して、骨の成長又は石化を調節するそ
の能力を確認することができる。当技術分野で公知の様々な方法をこの目的のために使用
することができる。特に、該化合物を骨代謝回転を増加させるその能力について試験する
ことができる。
例えば、骨又は軟骨の成長に対するActRIIA又はアクチビンポリペプチド又は試験化合
物の効果は、Msx2の誘導又は骨前駆細胞から骨芽細胞への分化を細胞ベースのアッセイで
測定することにより決定することができる(例えば、Daluiskiらの文献、Nat Genet. 2001
, 27(1):84-8; Hinoらの文献、Front Biosci. 2004, 9:1520-9を参照されたい)。細胞ベ
ースのアッセイの別の例は、間葉前駆細胞及び骨芽細胞における対象ActRIIA又はアクチ
ビンポリペプチド及び試験化合物の骨形成活性を解析することを含む。例証するために、
アクチビン又はActRIIAポリペプチドを発現する組換えアデノウイルスを構築して、多能
性間質前駆細胞C3H10T1/2細胞、前骨芽C2Cl2細胞、及び骨芽TE-85細胞に感染させること
ができる。その後、骨形成活性は、アルカリホスファターゼ、オステオカルシン、及び基
質石灰化の誘導を測定することにより決定される(例えば、Chengらの文献、J bone Joint
Surg Am. 2003, 85-A(8): 1544-52を参照されたい)。
また本明細書に提供されるのは、骨又は軟骨の成長を測定するためのインビトロアッセ
イである。例えば、Namkung-Matthaiらの文献、Bone, 28:80-86(2001)には、骨折後の初
期における骨修復を研究するラット骨粗鬆症モデルが開示されている。また、Kuboらの文
献、Steroid Biochemistry & Molecular Biology, 68:197-202(1999)には、骨折後の後期
における骨修復を研究するラットの骨粗鬆症モデルが開示されている。Anderssonらの文
献、J. Endocrinol. 170:529-537には、マウス骨粗鬆症モデルが記載されている。このモ
デルでは、マウスから卵巣が摘出され、それにより、マウスは相当な骨ミネラル含量及び
骨ミネラル密度を失い、骨梁は骨ミネラル密度の約50%を失う。骨密度は、副甲状腺ホル
モンなどの因子の投与により、卵巣摘出マウスで増加させることができる。ある態様にお
いて、当技術分野で公知の骨折治癒アッセイを使用することができる。これらのアッセイ
は、骨折法、組織学的解析、及び生体力学解析を含み、これらは、例えば、骨折を引き起
こし、及びその程度を測定するための実験プロトコル、並びに修復過程のその開示につい
て引用により完全に本明細書中に組み込まれる、米国特許第6,521,750号に記載されてい
る。
(5.4 用量)
本明細書に提供されるのは、CKD-MBD及び/又は低代謝回転骨疾患の治療方法であって、
治療を必要とする患者に、治療有効量のActRIIのインヒビター(第5.2節参照)を投与する
ことを含む、方法である。ある実施態様において、ActRIIインヒビターは、第5.2節(a)に
示すActRIIAのインヒビターである。他の実施態様において、ActRIIインヒビターは、第5
.2節(b)に示すActRIIBのインヒビターである。ある実施態様において、ActRIIインヒビタ
ーは、ActRIIAインヒビターとActRIIBインヒビターの組合せである。
ある実施態様において、治療有効量のActRIIインヒビターは、CKD-MBDの1以上の症状を
改善するのに十分である。ある実施態様において、治療有効量のActRIIインヒビターは、
CKD-MBDの少なくとも1つの症状が悪化するのを防ぐのに十分である。
ある実施態様において、治療有効量のActRIIインヒビターは、腎機能を改善又は安定化
する。腎機能は、糸球体濾過量により測定することができる。例えば、第5.4節(a)(iv)を
参照されたい。ある実施態様において、ActRIIインヒビターの治療有効量は、CKD-MBD患
者の糸球体濾過量をActRIIインヒビターによる治療の期間中及び少なくとも3カ月、6カ月
、9カ月、又は12カ月間安定化するのに十分な1日用量である。ある実施態様において、Ac
tRIIAインヒビターの治療有効量は、糸球体濾過量を少なくとも5%、10%、15%、20%、
25%、30%、35%、40%、45%、又は少なくとも50%増加させるのに十分な1日用量であ
る。
ある実施態様において、治療有効量のActRIIインヒビターは、患者における赤血球レベ
ル及び/又はヘモグロビンレベルを増加させる。
ある実施態様において、治療有効量のActRIIインヒビターは、(a)患者における赤血球
及び/又はヘモグロビンレベルを増加させ;(b)患者における骨質及び/又は骨ミネラル密度
を改善し;並びに(c)患者における腎機能を改善するのに効果的である。
ある実施態様において、治療有効量のActRIIインヒビターは、(a)患者における赤血球
及び/又はヘモグロビンレベルを増加させ;(b)患者における骨代謝回転を増加させ;並びに
(c)患者における腎機能を改善するのに効果的である。
ある実施態様において、ActRIIインヒビターは、0.2マイクログラム/kg以上の血清濃度
を達成するのに十分な間隔及び量で投与され、1マイクログラム/kg又は2マイクログラム/
kg又はそれを上回る血清レベルは、骨の密度及び強度に対する顕著な効果を達成するのに
望ましい。投与レジメンは、0.2~15マイクログラム/kg、任意に、1~5マイクログラム/k
gの血清濃度に達するように設計することができる。ヒトにおいて、0.2マイクログラム/k
gの血清レベルは、0.1mg/kg以上の単一用量で達成することができ、1マイクログラム/kg
の血清レベルは、0.3mg/kg以上の単一用量で達成することができる。分子の観察される血
清半減期は、ほとんどのFc融合タンパク質よりも大幅に長い約20~30日であり、したがっ
て、持続される有効血清レベルを、例えば、0.2~0.4mg/kgを週1回もしくは週2回の頻度
で投与することにより達成することができるか、又はより高い用量をより長い投与間隔で
使用することができる。例えば、1~3mg/kgの用量を月1回又は月2回の頻度で使用するこ
とができ、骨に対する効果は十分に永続的であり得るので、投与は、3、4、5、6、9、12
カ月、又はそれよりも長い期間に1回しか必要でない。
(5.5 医薬組成物)
ある実施態様において、アクチビン-ActRIIアンタゴニスト(例えば、ActRIIポリペプチ
ド)は、本明細書に記載の方法とともに使用される医薬として許容し得る担体とともに製
剤化される。例えば、ActRIIポリペプチドは、単独で又は医薬製剤(治療的組成物)の成分
として投与することができる。対象化合物は、ヒト又は動物用医薬品で使用される任意の
好都合な方法での投与のために製剤化することができる。ActRIIは、ActRIIA又はActRIIB
であることができる。
ある実施態様において、本明細書に記載の治療法は、該組成物を全身に又はインプラン
トもしくは装置として局所に投与することを含む。投与されるとき、本明細書で使用され
る治療的組成物は、パイロジェンフリーの生理的に許容される形態にあることができる。
上記の組成物中に任意に含めることもできるActRIIAアンタゴニスト以外の治療的に有用
な薬剤は、対象化合物(例えば、ActRIIポリペプチド、例えば、ActRIIA及び/又はActRIIB
ポリペプチド(第5.2節参照))と同時に又は連続的に投与することができる。
通常、ActRIIAアンタゴニストは非経口投与される。非経口投与に好適な医薬組成物は
、1以上のActRIIポリペプチドを、1以上の医薬として許容し得る滅菌等張性水性もしくは
非水性溶液、分散液、懸濁液、もしくはエマルジョン、又は使用直前に滅菌注射溶液もし
くは分散液へと再構成され得る滅菌粉末と組み合わせて含むことができ、これらは、抗酸
化剤、緩衝剤、静菌薬、製剤を意図されるレシピエントの血液と等張にする溶質、又は懸
濁化剤もしくは増粘剤を含有することができる。本明細書に記載の方法で使用される医薬
組成物中で利用され得る好適な水性及び非水性担体の例としては、水、エタノール、ポリ
オール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、
及びこれらの好適な混合物、植物油、例えば、オリーブ油、並びに注射可能な有機エステ
ル、例えば、オレイン酸エチルが挙げられる。適切な流動性は、例えば、レシチンなどの
コーティング材料の使用によって、分散液の場合、必要とされる粒径の維持によって、及
び界面活性剤の使用によって維持することができる。
さらに、該組成物は、標的組織部位(例えば、骨)に送達するための形態で封入又は注射
することができる。ある実施態様において、本明細書に記載の方法で使用される組成物は
、1以上の治療的化合物(例えば、ActRIIAポリペプチド)を標的組織部位(例えば、骨)に送
達し、成長する組織に構造を提供し、最適には体内に再吸収されることができるマトリッ
クスを含むことができる。例えば、該マトリックスは、ActRIIAポリペプチドの低速放出
を提供することができる。そのようなマトリックスは、他のインプラント型医療用途に現
在使用されている材料から形成されてもよい。
マトリックス材料の選択は、生体適合性、生体分解性、機械的特性、美容上の外観、及
び界面特性に基づく。対象組成物の特定の用途により、適切な製剤が規定される。該組成
物用の潜在的マトリックスは、生体分解性でかつ化学的に規定されている硫酸カルシウム
、リン酸三カルシウム、ハイドロキシアパタイト、ポリ乳酸、及びポリ無水物であっても
よい。他の潜在的材料は、骨又は皮膚コラーゲンなどの生体分解性でかつ生物学的に十分
に規定されているものである。さらなるマトリックスは、純粋なタンパク質又は細胞外マ
トリックス成分から構成される。他の潜在的マトリックスは、焼成ハイドロキシアパタイ
ト、バイオガラス、アルミン酸塩、又は他のセラミックスなどの、非生体分解性でかつ化
学的に規定されているものである。マトリックスは、上述のタイプの材料のいずれかの組
合せ、例えば、ポリ乳酸とハイドロキシアパタイト又はコラーゲンとリン酸三カルシウム
から構成されていてもよい。バイオセラミックスは、例えば、カルシウム-アルミネート-
ホスフェート中の組成を変化させ、並びに加工して、孔径、粒径、粒子形状、及び生体分
解性を変化させることができる。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法で使用される組成物は、各々所定の量の
薬剤を活性成分として含む、例えば、カプセル剤、カシェ剤、丸剤、錠剤、ロゼンジ剤(
フレーバー付きの主成分、通常、スクロース及びアラビアゴムもしくはトラガカントを使
用)、散剤、顆粒剤の形態で、又は水性もしくは非水性液中の液剤もしくは懸濁剤として
、又は水中油型もしくは油中水型液体エマルジョンとして、又はエリキシル剤もしくはシ
ロップ剤として、又はトローチ剤(不活性基剤、例えば、ゼラチン及びグリセリン、もし
くはスクロース及びアラビアゴムを使用)として、並びに/或いは洗口液などとして、経口
投与することができる。薬剤は、ボーラス剤、舐剤、又はペースト剤として投与すること
もできる。
経口投与用の固体剤形(カプセル剤、錠剤、丸剤、糖衣錠、散剤、顆粒剤など)中で、本
明細書に記載の方法で使用される1以上の治療的化合物を、1以上の医薬として許容し得る
担体、例えば、クエン酸ナトリウムもしくは第二リン酸カルシウム、並びに/又は以下の
もの:(1)充填剤もしくは増量剤、例えば、デンプン、ラクトース、スクロース、グルコー
ス、マンニトール、及び/もしくはケイ酸;(2)結合剤、例えば、カルボキシメチルセルロ
ース、アルギネート、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース、及び/もしくはア
ラビアゴムなど;(3)保湿剤、例えば、グリセロール;(4)崩壊剤、例えば、寒天-寒天、炭
酸カルシウム、ジャガイモもしくはタピオカデンプン、アルギン酸、特定のケイ酸塩、及
び炭酸ナトリウム;(5)溶解遅延剤、例えば、パラフィン;(6)吸収促進剤、例えば、四級ア
ンモニウム化合物;(7)湿潤剤、例えば、セチルアルコール及びモノステアリン酸グリセロ
ールなど;(8)吸収剤、例えば、カオリン及びベントナイト粘土;(9)滑沢剤、例えば、タル
ク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール
、ラウリル硫酸ナトリウム、及びこれらの混合物;並びに(10)着色剤のうちのいずれかと
混合することができる。カプセル剤、錠剤、及び丸剤の場合、医薬組成物は、緩衝化剤を
含むこともできる。同様のタイプの固体組成物を、ラクトース又は乳糖、及び高分子量ポ
リエチレングリコールなどような賦形剤を用いる軟及び硬充填ゼラチンカプセル中の充填
剤として利用することもできる。
経口投与用の液体剤形としては、医薬として許容し得るエマルジョン、マイクロエマル
ジョン、液剤、懸濁剤、シロップ剤、及びエリキシル剤が挙げられる。活性成分に加えて
、該液体剤形は、当技術分野で一般に使用される不活性希釈剤、例えば、水又は他の溶媒
、可溶化剤及び乳化剤、例えば、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチ
ル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3-
ブチレングリコール、油(特に、綿実油、ピーナッツ油、トウモロコシ油、胚種油、オリ
ーブ油、ヒマシ油、及びゴマ油)、グリセロール、テトラヒドロフリルアルコール、ポリ
エチレングリコール、並びにソルビタンの脂肪酸エステル、並びにこれらの混合物を含む
ことができる。不活性希釈剤の他に、経口組成物は、補助剤、例えば、湿潤剤、乳化剤及
び懸濁化剤、甘味剤、香味剤、着色剤、芳香剤、及び防腐剤を含むこともできる。
懸濁剤は、活性化合物に加えて、懸濁化剤、例えば、エトキシ化イソステアリルアルコ
ール、ポリオキシエチレンソルビトール、及びソルビタンエステル、微結晶性セルロース
、アルミニウムメタヒドロキシド、ベントナイト、寒天-寒天、及びトラガカント、並び
にこれらの混合物を含むことができる。
本明細書に記載の方法で使用される組成物は、補助剤、例えば、防腐剤、湿潤剤、乳化
剤、及び分散剤を含むこともできる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌剤及び抗真菌剤
、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノールソルビン酸などを含めることにより
確保することができる。等張剤、例えば、糖、塩化ナトリウムなどを該組成物中に含める
ことが望ましい場合もある。さらに、注射用医薬形態の持続的吸収は、吸収を遅延させる
薬剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウム及びゼラチンを含めることによりもたらす
ことができる。
投薬レジメンは、本明細書に記載の方法で使用される対象化合物(例えば、ActRIIポリ
ペプチド、例えば、ActRIIA及び/又はActRIIBポリペプチド(第5.2節参照))の作用を修飾
する様々な因子を考慮して、担当医により決定されるということが理解される。様々な因
子としては、形成されることが望まれる骨重量の量、骨密度低下の程度、骨損傷の部位、
損傷した骨の状態、患者の年齢、性別、及び食習慣、骨量減少に寄与し得る任意の疾患の
重症度、投与の時間、並びに他の臨床的因子が挙げられるが、これらに限定されない。任
意に、投薬量は、再構成で使用されるマトリックスのタイプ及び組成物中の化合物のタイ
プによって異なり得る。最終組成物への他の既知の成長因子の添加も、投薬量に影響を及
ぼし得る。進捗は、例えば、X線(DEXAを含む)、組織形態計測的測定、及びテトラサイク
リン標識による骨成長及び/又は修復の定期的評価によってモニタリングすることができ
る。
ある実施態様において、本明細書に記載の方法は、ActRIIポリペプチドのインビボ産生
のための遺伝子療法を含む。そのような療法は、上記の障害を有する細胞又は組織へのAc
tRIIポリヌクレオチド配列の導入によって、その治療効果を達成する。ActRIIポリヌクレ
オチド配列の送達は、キメラウイルスなどの組換え発現ベクター、又はコロイド分散系を
用いて達成することができる。ActRIIポリヌクレオチド配列の治療的送達に好ましいのは
、標的化リポソームの使用である。ActRIIポリペプチドは、ActRIIA及び/又はActRIIBポ
リペプチド(第5.2節参照))であることができる。
本明細書に教示される遺伝子療法に利用することができる様々なウイルスベクターとし
ては、アデノウイルス、ヘルペスウイルス、ワクシニア、又は好ましくは、レトロウイル
スなどのRNAウイルスが挙げられる。好ましくは、レトロウイルスベクターは、マウス又
はトリレトロウイルスの派生物である。単一の異種遺伝子を挿入することができるレトロ
ウイルスベクターの例としては:モロニーマウス白血病ウイルス(MoMuLV)、ハーベイマウ
ス肉腫ウイルス(HaMuSV)、マウス乳癌ウイルス(MuMTV)、及びラウス肉腫ウイルス(RSV)が
挙げられるが、これらに限定されない。いくつかのさらなるレトロウイルスベクターは、
複数の遺伝子を組み込むことができる。これらのベクターは全て、遺伝子導入された細胞
を同定及び作製することができるように、選択可能マーカーの遺伝子を転移し又は組み込
むことができる。レトロウイルスベクターは、例えば、糖、糖脂質、又はタンパク質を付
着させることによって標的特異的にすることができる。好ましい標的化は、抗体を用いて
達成される。当業者は、特異的ポリヌクレオチド配列をレトロウイルスゲノムに挿入する
か、又はウイルスエンベロープに付着させて、ActRIIAポリヌクレオチドを含むレトロウ
イルスベクターの標的特異的送達を可能にすることができることを認識しているであろう
。好ましい実施態様において、該ベクターは、骨又は軟骨に標的化される。
或いは、組織培養細胞を、従来のリン酸カルシウムトランスフェクションによって、レ
トロウイルス構造遺伝子gag、pol、及びenvをコードするプラスミドで直接トランスフェ
クトすることができる。その後、これらの細胞を、関心対象の遺伝子を含むベクタープラ
スミドでトランスフェクトする。得られた細胞は、レトロウイルスベクターを培養培地中
に放出する。
ActRIIAポリヌクレオチドの別の標的化送達系は、コロイド分散系である。コロイド分
散系としては、高分子複合体、ナノカプセル、ミクロスフェア、ビーズ、並びに水中油型
エマルジョン、ミセル、混合ミセル、及びリポソームを含む脂質ベースの系が挙げられる
。使用することができる1つのコロイド系は、リポソームである。リポソームは、インビ
トロ及びインビボでの送達ビヒクルとして有用である人工膜小胞である。RNA、DNA、及び
無傷のビリオンを水性内部に封入し、生物活性形態で細胞に送達することができる(例え
ば、Fraley,らの文献、Trends Biochem. Sci., 6:77, 1981を参照されたい)。リポソーム
ビヒクルを用いる効率的な遺伝子導入法は当技術分野で公知であり、例えば、Manninoら
の文献、Biotechniques, 6:682, 1988を参照されたい。リポソームの組成物は、通常、リ
ン脂質の組合せであり、これは、通常、ステロイド、特にコレステロールと組み合わされ
ている。他のリン脂質又は他の脂質を使用することもできる。リポソームの物理学的特徴
は、pH、イオン強度、及び二価カチオンの存在によって決まる。
リポソーム産生において有用な脂質の例としては、ホスファチジル化合物、例えば、ホ
スファチジルグリセロール、ホスファチジルコリン、ホスファチジルセリン、ホスファチ
ジルエタノールアミン、スフィンゴ脂質、セレブロシド、及びガングリオシドが挙げられ
る。例示的なリン脂質としては、卵ホスファチジルコリン、ジパルミトイルホスファチジ
ルコリン、及びジステアロイルホスファチジルコリンが挙げられる。リポソームの標的化
も、例えば、臓器特異性、細胞特異性、及びオルガネラ特異性に基づいて可能であり、当
技術分野で公知である。
ある実施態様において、ActRIIAインヒビターは、医薬組成物中で実質的に純粋である
。具体的には、医薬組成物中の化合物の高々20%、10%、5%、2.5%、1%、0.1%、又は
高々0.05%が、ActRIIインヒビター及び医薬として許容し得る担体以外の化合物である。
(6.実施例)
(6.1 実施例1)
((a)ActRIIA-Fc融合タンパク質)
最小限のリンカーを有するヒト又はマウスFcドメインに融合したヒトActRIIAの細胞外
ドメインを有する可溶性ActRIIA融合タンパク質が記載されている。これらのコンストラ
クトは、それぞれ、ActRIIA-hFc及びmActRIIA-Fcと呼ばれる。ActRIIA-hFcは、配列番号7
として提供されている。mActRIIA-Fcは、配列番号7のマウス対応物である。
ActRIIA-hFc及びmActRIIA-Fcタンパク質をCHO細胞株で発現させた。3つの異なるリーダ
ー配列:
(i)ミツバチメリチン(HBML):配列番号8
(ii)組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA):配列番号9
(iii)天然のActRIIA:配列番号10
を検討した。
選択された形態はTPAリーダーを利用しており、配列番号13に示される以下のプロセシ
ングされていないアミノ酸配列を有する。このポリペプチドは、配列番号14によってコー
ドされる。
((b)ActRIIB-Fc融合タンパク質)
ヒトFcドメインに融合したヒトActRIIBの細胞外ドメインとアクチビンとの共結晶構造
から、リガンド結合における細胞外ドメインの最後(C末端)の15個のアミノ酸(本明細書に
おいて「尾部」と呼ばれる)の役割は示されなかった。この配列は、結晶構造では解像さ
れず、これらの残基が、結晶中で均一に納まらなかった柔軟なループ中に存在することを
示唆している。Thompsonらの文献、EMBO J. 2003 Apr 1 ;22(7):1555-66。この配列はま
た、ActRIIBとActRIIAの間であまり保存されていない。したがって、これらの残基は、基
本的又はバックグラウンドActRIIB-Fc融合コンストラクトでは削除された。さらに、バッ
クグラウンド形態における位置64は、アラニンによって占められており、これは、通常、
「野生型」形態と考えられるが、A64Rアレルが天然に生じる。したがって、バックグラウ
ンドActRIIB-Fc融合体は、配列番号21として開示されている配列を有する。
驚くことに、C末端尾部がアクチビン及びGDF-11結合を増強することが分かり、したが
って、ActRIIB-Fcの好ましいバージョンは、配列番号20の配列を有する。
本明細書に記載の方法に従って使用し得る種々のActRIIB変異体は、引用により完全に
本明細書中に組み込まれる、WO2006/012627号として公開された国際特許出願(例えば、59
~60ページ参照)に記載されている。
(6.2 慢性腎疾患のマウスモデルにおけるmActRIIA阻害の効果)
この研究は、最小限のリンカーを介してマウスFcに融合した可溶性マウスActRIIA(配列
番号54)の、慢性腎疾患及びCKD-MBDのマウスモデルにおける血液及び骨パラメーターの治
療に対する効果を検討するために設計された。
慢性腎疾患(CKD)を有する患者は貧血になることがあり、また、骨減少症になることも
ある。部分腎摘除(5/6腎摘出)を受けたマウスをCKDのモデルとして用いて、このモデルに
おける配列番号54のアミノ酸配列を有するポリペプチドの効果を試験した。マウスは、1)
1つの腎臓を完全に摘出するために、及び2)残りの腎臓内の3つの腎動脈のうちの2つを結
紮するために2回の手術を受けた。疑似手術を受けたマウスも対照として含めた。疑似手
術又は5/6腎摘出手術は、Jackson Laboratoriesで行われた。
マウスを受け取った後、それらを、研究期間中、高脂肪食で飼育した。最後の手術から
2週間後、マウスを群(疑似とCKDの両方)に分け、ビヒクル(PBS)又はmActRIIA-Fcの投与を
、8週間、週2回、10mg/kgで開始した。全血算値(CBC)を、研究期間中、定期的に測定して
、貧血について評価した。
骨ミネラル密度は、二重エネルギーx線吸収法(DEXA、PIXIMus)を用いて決定した。研究
の終了時に、剖検を実施して、後肢の長骨及び主要臓器を回収した。残存腎臓は、組織学
的検査処理及びH&E又はトリクロム染色剤による染色に出した。大腿骨は、骨微細構造を
明らかにするためにuCT(Scanco)でスキャンした。
マウスは、研究期間全体を通して正常かつ健康に見え、研究が進行するにつれて体重が
増えた(図1)。骨ミネラル密度は、4つ全てのマウスの群で増加したが、mActRIIA-Fc処置
マウス(疑似及びCKD)は、どちらかのビヒクル処置群よりも増加が大きかった(図2)。CKD
マウスにおけるmActRIIA-Fc処置は、研究が終わるまでに、疑似-VEH処置マウスと同じか
、又はそれを超える骨ミネラル密度を有していた。CKDマウスは、研究が終わるまでに、
貧血にもなったが(HCT<40%)、mActRIIA-Fc処置は、CKD群における貧血を防いだ(HCT>4
0%;図3)。疑似群のmActRIIA-Fc処置マウスは、VEH対照と比較したとき、HCTの増加も示
した。解剖後の大腿骨のmicroCT解析は、mActRIIA-Fc処置マウスにおける骨梁の増加を示
したが、疾患進行のこの時点で疑似処置群とCKDビヒクル処置群の間に大きな違いはなか
った。剖検時に、臓器重量に大きな違いは認められなかったが、mActRIIA-Fc処置マウス
では、脂肪体重量がわずかに増加していた。残存腎臓のトリクロム染色組織切片は、研究
のこの時点でのCKDマウスにおける線維症の広がりを示さなかった。
(6.3 mActRIIA阻害は、確立した腎疾患の治療モデルにおいて貧血及び骨量減少を防ぐ)
齧歯類における5/6腎摘出手術は、慢性腎疾患のモデルを作成するために使用される、
一般に実施される実験プロトコルである。この2段階手術では、無菌外科手術を用いて、
一方の腎臓の2/3及び対側部位の腎臓全体が摘出される。この手術の結果として、動物は
、腎機能の障害を経験し、慢性腎疾患を有するヒトと類似した生理的挙動を示す。
疑似又は5/6腎摘出手術は、標準的な手術手順に従って、Jackson Laboratoriesで行わ
れた。動物を手術から回復させ、その後、輸送した。動物を、最初の測定を行う前に最低
48時間、実験条件に順化させた。この期間中、全ての動物を、それらを研究から除外する
ことになる臨床的異常の何らかの兆候について観察した。動物は、そのケージカード上に
研究番号が割り当てられ、耳の切れ込みによって一意的に特定された。
滅菌PBSを用いてActRIIA-mIgG2aFcを2.0mg/mlの濃度に希釈した。投与濃度は: 2.0mg/m
lであった。ActRIIA-mIgG2aFcは、-65℃±15℃で保存した。材料は、室温で、又は4℃で
一晩解凍することができる。解凍したタンパク質は、使用するまで、濡れた氷の上で保持
した。
30匹のC57BL/6雌マウス(10週齢)が5/6腎摘出手術を受けた。この手術では、1つの腎臓
が完全に摘出され、次いで、2週間後に、残存腎臓内の3つの腎静脈のうちの2つが結紮さ
れる。30匹の雌C57BL/6に対する疑似手術も行った。この手術では、動物に、腎臓の摘出
を伴わない同じ腹部外科手術を受けさせる。2回目の手術から回復した後、動物を輸送し
、最低48時間、実験条件に順化させた。2回目の手術から2カ月後、マウスを、1群当たり1
5匹にして、4つの処置群のうちの1つに無作為に割り当てた(表2)。マウスの重量を計測し
、週に2回、合計8週間、mActRIIA-Fc又はPBSのどちらかを投与した。骨ミネラル密度(BMD
)及び組織学的パラメーターの長期測定をベースライン時、中間時点、及び研究の終了時
に行った。剖検時に、骨を回収し、組織学的検査用又はmicroCTスキャニングによる解析
用に保存した。
Figure 2023011741000003
((a)実験手順)
((i)外科的矯正)
10週齢の雌C57BL/6マウスに2段階の手術を受けさせて、5/6腎摘出術又は同等の疑似手
術を達成した。
((ii)動物投与)
今回の研究における投与は、5/6腎摘出手術の終了から1カ月後に開始された。マウスの
重量を計測し、PBS又はmActRIIA-Fcのどちらかを、週2回、10mg/kgで、皮下注射により投
与した。
((iii)DXAスキャニング)
BMDの長期測定を、月1回、麻酔したマウスに対して、DXAスキャニング(Lunar PIXIMus,
GE Medical Systems)を用いて実施した。BMDのDXAスキャン解析の間、マウスの頭部を対
象領域から除外して、頭蓋骨と関連する定量アーティファクトを防止した。
((iv)採血)
全血算値(HM2、VetScan)の長期測定を、月1回の顎下腺採血によって回収した血液に対
して実施した。研究の終了時に、最終的な採血を実施し、血液を回収して、CBC分析用のE
DTA含有チューブ又は血清回収用の血清分離チューブのどちらかに分けた。血清は、将来
の分析のために-80℃で凍結させた。
((v)血清分析)
凍結血清を解凍し、Vetscan VS2分析装置(Abaxis社)を用いて、100マイクロリットルを
分析した。総合診断用ローターを用いて、試料を、血清アルブミン(ALB)、アルカリホス
ファターゼ(ALP)、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)、アミラーゼ(AMY)、全ビリ
ルビン(TBIL)、血中尿素窒素(BUN)、全カルシウム(Ca++)、リン(PHOS)、クレアチニン(CR
E)、グルコース(GLU)、ナトリウム(NA+)、カリウム(K+)、全タンパク質(TP)、及びグロブ
リン(GLOB)について分析した。
((vi)剖検)
研究の終了時に、マウスをCO2吸入により安楽死させた。腎臓及び脾臓を摘出し、計量
し、10%ホルマリン中で保存した。脛骨及び大腿骨を回収し、70%エタノール中で保存し
た。
((vii)microCT解析)
実験の終了時に、各マウス由来の左大腿骨及び脛骨を解剖し、70%エタノール中で固定
した。Scanco microCT(VivaCT75, Scanco)を55kV、145μA、及び20μmのボクセルサイズ
で用いて、骨をスキャンした。スキャンした画像を、組み込まれているScancoソフトウェ
アを用いて再構築した。骨梁体積(BV/TV)及び骨梁厚(Tb.Th)を、大腿骨の遠位端から200
μmの位置にある骨の400μm切片で評価した。皮質厚を、大腿骨の正中線を中心とする骨
の200μm切片で測定した。
((viii)データ解析)
mActRIIA-Fc処置及びビヒクル処置したマウス及び組織の比較は、Microsoft Excelを用
いて、スチューデントt-検定により実施した。データは、平均±SEMとして表す。
((b)結果)
本発明者らは、貧血及び骨量減少を防ぐmActRIIA-Fcの能力を慢性腎疾患のマウスモデ
ルで調べた。5/6腎摘出手術(0日目)から2カ月の疾患進行の後、5/6腎摘出術を受けたマウ
ス(CKD)は、疑似コホートと比較して、ヘマトクリットの有意な減少を示した(-5.4%、P
<0.01)。長期血液採取及びその後のCBC分析から、CKDコホートと疑似コホートの両方のm
ActRIIA-Fc処置マウスが、処置から4及び8週間後に、それらのVEH処置対応物と比較して
、ヘマトクリットの有意な増加を示すことが示された(図5)。
5/6腎摘出手術(0日目)から2カ月の疾患進行の後、5/6腎摘出術を受けたマウス(CKD)は
、疑似コホートと比較して、BMDの有意な減少を示した(-5.4%、P<0.01)。6週間の処置
の間中、mActRIIA-Fc処置した疑似コホート及びCKDコホートは、それらのVEH処置対応物
と比較して、有意により大きいBMDを有していた(図6)。
研究の終了時に、後肢を回収し、70%エタノール中で固定した。右大腿骨をmicroCTス
キャンして(VivaCT 75、Scanco)、皮質及び骨梁構造を定量した。図7は、各処置群由来の
大腿骨の断面像を示す。腎摘出術を受けたマウスは皮質厚の減少を示し、骨梁構造の明白
な変化を示さなかった。
mActRIIA-Fc処置マウスは、皮質厚と骨梁体積の両方の増加を示した。大腿骨の骨幹中
央部の解析を用いて、各コホートにおける平均皮質厚を定量した(図8)。CKDマウスは、VE
Hコホート(P<0.01)とmActRIIA-Fcコホート(P<0.01)の両方において、その疑似対応物よ
りも厚い皮質骨を有していた。mActRIIA-Fc処置マウスは、それらのぞれぞれのVEH処置マ
ウスと比較した疑似コホート(+17%、P<0.01)とCKDコホート(+19.2%、P<0.01)の両
方において、皮質厚の有意な増加を有していた。図7の試料画像から明らかなように、遠
位大腿骨の解析から、mActRIIA-Fc処置マウスにおける骨梁体積及び骨梁厚の劇的な増加
が明らかになった。mActRIIA-Fcは、疑似コホートとCKDコホートの両方において、VEH処
置マウスと比べて、骨梁体積(図9)及び骨梁厚(図10)を有意に増加させることができた。
骨梁体積の測定から、mActRIIA-Fc処置マウスが、それらのそれぞれのVEH処置マウスと比
較した疑似コホート(+549%、P<0.001)とCKDコホート(+827%、P<0.001)の両方にお
いて、骨梁体積の有意な増加を有することが第8週で示された。骨梁厚の測定から、mActR
IIA-Fc処置マウスが、それらのそれぞれのVEH処置マウスと比較したCKD(+62%、P<0.00
1)コホートにおいて、骨梁厚の有意な増加を有することが第8週で示された。
最終的な屠殺時に、全血を全ての動物から採取し、血清用に処理した。血清試料は、総
合プロファイルローターを使用するVetscan VS2分析装置(Abaxis社)を用いて分析した。
各群の分析物の平均値を表3に示す。疑似ビヒクル対照群とCKDビヒクル対照群の比較は、
予想通り、腎機能の障害による血中尿素窒素(BUN)及びクレアチニン(CRE)の増加を示した
。さらに、ALT及びアミラーゼ(AMY)は、腎機能の変化のためにCKDマウスで増加していた
か、又は腎摘出術が肝機能も変化させることを示唆した。カルシウム(CA++)及び全アルカ
リホスファターゼ(ALP)レベルも、予想通り、骨代謝回転の増加のために増加していた。m
ActRIIA-Fc処置は、薬物の骨同化作用のために、疑似マウスとCKDマウスの両方におけるA
LPレベルを増加させた。CKDマウスにおいて、mActRIIA-Fc処置は、CKD-VEH対照と比較し
て、アルブミン(ALB)、全タンパク質(TP)、及びCREレベルを減少させたが、疑似マウスと
は違いがなかった。これらの変化は、現時点では、該モデルにも該処置にも関連性がある
とは考えられない。
Figure 2023011741000004
((c)結論)
mActRIIA-Fcによる処置は、慢性腎疾患の5/6腎摘出モデルで貧血及び骨量減少を防ぐこ
とができた。CKDマウスは貧血であり、疑似対応物と比較したとき、大腿骨におけるより
低いBMD及びより厚い皮質骨構造を有していた。CKDマウスのmActRIIA-Fc処置は、VEH処置
マウスと比べて、ヘマトクリット、BMD、及び皮質骨構造を有意に増大させた。さらに、m
ActRIIA-Fcは、疑似コホートとCKDコホートの両方においてVEH処置マウスよりも大きい値
にまで、CKDマウスにおける骨梁体積及び骨梁厚を増加させることができた。これらのデ
ータは、mActRIIA-Fc投与によるアクチビン受容体IIAシグナル伝達の遮断が、慢性腎疾患
の5/6腎摘出モデルで貧血及び骨量減少を防ぐことができることを示している。
(6.4 予測的実施例-CDK状況で低回転型骨疾患を治療するためのmActRIIA阻害)
マウスに、一方の腎臓の電気焼灼及びもう一方の腎臓の腎摘出術を受けさせた。マウス
に、カルシトリオールを補充した低リン酸食を給餌した。例えば、Lundらの文献、2004,
J Am Soc Nephrol 15:349-369を参照されたい。
この研究は、最小限のリンカーを介してマウスFcと融合している可溶性マウスActRIIA(
配列番号54)の、低回転型骨障害のマウスモデルにおける血液及び骨パラメーターの治療
に対する効果を検討するために設計されたものである。
一方の腎臓の電気焼灼及びもう一方の腎臓の腎摘出術を受けたマウスをCKD状況におけ
る低回転型骨(「ADB」)のモデルとして用いて、このモデルにおける配列番号54のアミノ
酸配列を有するポリペプチドの効果を試験した。マウスは、1)一方の腎臓の完全摘出及び
2)もう一方の腎臓の電気焼灼のために、2回の手術を受ける。疑似手術を受けたマウスも
対照として含める。手術は、Lundらの文献、2004, J Am Soc Nephrol 15:349-369に記載
されている通りに実施することができる。
1つの群のマウスを、カルシトリオール食を補充した低リン酸食で飼育する。別の群の
マウスを通常食で飼育する。最後の手術から2週間後、マウスを群(疑似とADBの両方)に分
け、投与を、8週間、週2回、10mg/kgのビヒクル(PBS)又はmActRIIA-Fcで開始する。全血
算値(CBC)を、研究期間中、定期的に測定して、貧血について評価する。
骨ミネラル密度は、二重エネルギーx線吸収法(DEXA、PIXIMus)を用いて決定する。研究
の終了時に、剖検を実施して、後肢の長骨及び主要臓器を回収する。残存腎臓は、組織学
的検査処理及びH&E又はトリクロム染色剤による染色に出す。大腿骨は、骨微細構造を明
らかにするためにuCT(Scanco)でスキャンする。定量的コンピュータ断層撮影(QCT)を用い
て、骨代謝回転を決定することもできる。
(6.5 血管石灰化に対するActRIIA阻害の効果)
この実施例は、ACTRIIAの阻害が対象の血管系におけるカルシウムレベルの低下に効果
的であり、したがって、血管石灰化の治療手段になることを示すものである。
ステージ3の慢性腎疾患(CKD)を、高脂肪食を給餌した14週齢のldlr-/-マウス(C57Bl/6J
バックグラウンド; Jackson Laboratory)(「CKDマウス」)で誘導した。低密度リポタンパ
ク質受容体(ldlr)は脂質クリアランスに関与することが知られており、ldlrノックアウト
マウスはアテローム性動脈硬化症のモデルに相当する。高脂肪/コレステロール食を給餌
されたldlr欠損マウスは、アテローム性動脈硬化症と、腎摘除によって誘導されるCKDに
より刺激される大動脈プラーク関連石灰化とを発症する。5/6腎摘出術(上記を参照)によ
り、CKDをldlr-/-マウスで誘導した。上記の通り、5/6腎摘出術は、1つの腎臓の完全摘出
と、それに続く、残存腎臓内の3つの腎静脈のうちの2つの結紮を含む。
化学的石灰化定量によって確認すると、22週目までに、血管石灰化がCKDマウスで確立
される。簡潔に述べると、マウス由来の心臓及び大動脈を屠殺時に解剖し、全ての無関係
な組織を解剖顕微鏡下での鈍的切開により除去する。組織を55℃で20~24時間乾燥させ、
重量を計量し、すり鉢とすりこぎで砕いて粉末にする。カルシウムを、10%ギ酸(10:1 v/
w)中、4℃で24時間溶出させる。溶出液のカルシウム含量を、製造元の指示に従って、ク
レゾールフタレインコンプレキソン法(Sigma, St Louis)を用いてアッセイし、結果を乾
燥組織重量に対して補正する。
CKDマウスを(i) mActRIIA-Fc処置マウス;及び(ii) mActRIIA-Fc組成物のビヒクル部分
のみを投与されるCKD-3-ビヒクルマウス(すなわち、このマウスは、mActRIIA-Fcを含まな
い食塩水組成物を投与される)という2つの実験群に分けた。mActRIIA-Fc処置マウス(n=5
)には、10mg/kgのmActRIIA-Fcを、週2回、6週間投与した。CKD-3-ビヒクルマウス(n=6;
ビヒクル=食塩水)には、mActRIIA-FcをmActRIIA-Fc処置マウスに投与したのと同じ日に
、ビヒクルのみを投与した。野生型マウス(n=6; C57Bl/6Jバックグラウンド)及び疑似マ
ウス(n=8; C57Bl/6Jバックグラウンド)を陰性対照として使用した。疑似マウスは、手術
は行われるが、CKDが誘導されない(例えば、腎摘出術が実施されない)ldlr-/-マウスから
なっていた。4つの処置群(CKD-3-ビヒクル; mActRIIA-Fc処置;疑似;及び野生型)の各々に
おける大動脈内カルシウムレベルの評価のために、全てのマウスを第28週で安楽死させた
下の表4は、研究で使用された各々のマウスで観察された大動脈内カルシウムレベル(カ
ラム2)、並びに疑似、CKD-3-ビヒクル、mActRIIA-Fc、及び野生型研究群の各々について
の平均カルシウムレベル(カラム3)を提供している。これらの結果は、図11にグラフの形
で提示されている。データによって示されるように、大動脈内カルシウムの明白な低下は
、ビヒクル処置群と比較して、mActRIIA-Fc処置群に属するマウスで観察された。mActRII
A-Fcで処置された5匹のCKDマウスのうち4匹において、大動脈内カルシウムのレベルは、2
つの陰性対照群(野生型及び疑似マウス)で観察されるレベルと同程度であった。
血管内(例えば、動脈内)カルシウムレベルの上昇は、血管石灰化と関連することが知ら
れている(例えば、Raggi Pらの文献、Clin J Am Soc Nephrol 2008; 3: 836-843を参照さ
れたい)。したがって、前述の結果は、ActRIIA阻害が血管石灰化の治療及び予防のための
好適なアプローチであることを示している。
Figure 2023011741000005
(6.6 血管石灰化に対するActRIIA阻害の効果)
この実施例は、慢性腎疾患を有する対象における血管石灰化に対するActRII阻害の効果
の検討を記載している。
前の実施例に記載された初期CKD-MBDのマウスモデルを使用することができる。このモ
デルでは、腎摘除をLDL受容体の遺伝的欠損であるldlrに追加し、マウスに高脂肪高コレ
ステロール食を給餌する。ステージ3のCKDにおいて、動物は、CKD誘導性の血管石灰化刺
激、骨形成の減少、FGF23レベルの上昇、高リン血症、及びPTHレベルの上昇を有する。
((a)材料及び方法)
(動物及び食餌:)
C57Bl/6JバックグラウンドのLDL受容体欠損(LDLR-/-)マウス又は野生型C57Bl/6Jマウス
をJackson Laboratory(Bar Harbor, Maine)から購入し、病原体のいない環境で飼育する
ことができる。動物を第3週で離乳させ、脂肪として6.75%カロリーを有する普通食に移
行させることができる。第10週で、一部の動物に、脂肪として42%カロリーを含む高コレ
ステロール(0.15%)食(Harlan Teklad, Madison WI, 製品番号TD88137)を開始させること
ができる。この高コレステロール食は、この遺伝的バックグラウンドで血管石灰化を伴う
アテローム性動脈硬化症を発生させることが示されている食餌である(例えば、Towlerら
の文献、1998, J Biol Chem 273:30427-30434を参照されたい)。全ての食餌におけるカル
シウム含量を0.6%とすることができる。動物には水を自由に与え、地方及び国の動物管
理ガイドラインに従って維持することができる。mActRIIA-Fcを、週2回、腹腔内(IP)投与
することができる(10mg/kg)。
(外科的処置:)
2段階の処置を用いて、以前に記載されている通りに、CKDを引き起こすことができる(
例えば、Daviesらの文献、2003, J Am Soc Nephrol 14:1559-1567;及びDaviesらの文献、
2005, J Am Soc Nephrol 16:917-928を参照されたい)。簡潔に述べると、出生から10週間
後に、2cmの側腹切開を介して電気焼灼を右腎臓に適用し、次いで、2週間後に、同様の切
開を介して左全腎摘出を行うことができる。対照動物は疑似手術を受けることができる。
この手術では、適当な腎臓を露出させて移動させるが、他には何も処置しない。腹腔内麻
酔(キシラジン13mg/kg及びケタミン87mg/kg)を全ての処置に使用することができる。伏在
静脈血試料を2回目の手術の1週間後に採取して、ベースラインの手術後腎機能を評価する
ことができる。心内穿刺で血液を採取した後、群によって、第20週又は第26週で、動物を
麻酔下で屠殺することができる。心臓及び大動脈をひとまとめにして解剖することができ
る。
(組織調製:)
摘出した標本をホルマリン中で固定し、その後、次のように分けることができる:心臓
、上行大動脈、及び大動脈弓を下行大動脈から分離し、大動脈流出路の中を通して矢状に
二等分することができる。下行大動脈をその長さに沿ってほぼ半分のところで冠状に二等
分することができる。4つ全ての断片を同じワックスブロックに包埋することができる。
スライス(5μm厚)を切削し、ヘマトキシリン及びエオシン、トリクロム、アリザリンレッ
ド、並びにフォンコッサで染色することができる。
(免疫組織化学:)
組織切片を上記のように調製し、キシレン中で脱パラフィン処理し、段階的エタノール
中で再水和させることができる。内在性ペルオキシダーゼ活性は、3%過酸化水素(Sigma,
St Louis MO)中でのインキュベーションによってブロッキングすることができ、非特異
的結合は、独自開発したカゼインのPBS溶液(「Background SNIPER」、BioCare Medical,
Walnut Creek CA)との10分間のインキュベーションによってブロッキングすることができ
る。抗原回復は、クエン酸塩バッファー(「Decloaker」BioCare Medical, Walnut Creek
CA)との100℃で5分間のインキュベーションによって行うことができる。切片は、マウス
オステオカルシン(OC)に対する親和性精製ヤギポリクローナル抗体(Biogenesis社、Brent
wood NH)とともに一晩インキュベートし、その後、ビオチン化マウス抗ヤギ二次抗体とと
もに10分間インキュベートし、その後、ストレプトアビジンコンジュゲートペルオキシダ
ーゼ染色し(試薬は全て、BioCare Medical, Walnut Creek CA製である)、0.1%ヘマトキ
シリン(Sigma)で対比染色することができる。
(RT-PCR:)
RNAは、製造元の指示に従って、RNAqueous-4PCRキット(Ambion)を用いて、組織試料か
ら抽出することができる。RT-PCRは、製造元の指示に従って、ワンステップRT-PCRキット
(Qiagen, Valencia CA)を用いて行うことができる。条件は: 50℃で30分、95℃で15分、
その後、94℃で1分、60℃で1分、及び72℃で1分を35~40サイクル、その後、72℃で10分
とすることができる。マウスオステオカルシン及びマウスGAPDHに特異的なプライマーを
選択することができる。
(化学的石灰化定量:)
心臓及び大動脈を屠殺時に解剖し、全ての無関係な組織を解剖顕微鏡下での鈍的切開に
より除去することができる。組織を55℃で20~24時間乾燥させ、重量を計量し、すり鉢と
すりこぎで砕いて粉末にすることができる。カルシウムを、10%ギ酸(10:1 v/w)中、4℃
で24時間溶出させることができる。溶出液のカルシウム含量を、製造元の指示に従って、
クレゾールフタレインコンプレキソン法(Sigma, St Louis)を用いてアッセイすることが
でき、結果を乾燥組織重量に対して補正することができる。
(骨組織形態計測:)
骨形成速度は、二重蛍光標識により決定することができる。全てのマウスは、屠殺され
る7日前と2日前に、腹腔内カルセイン(20mg/kg)を受けることができる。動物が屠殺され
る時に両方の大腿骨を解剖し、70%エタノール中に入れることができる。標本は、未脱灰
の状態でプラスチック包埋キットH7000(Energy Beam Sciences)に埋め込むことができる
。骨は、JB-4ミクロトーム(Energy Beam Sciences)で、前頭面を通って縦方向に10μm切
片で薄切することができる。未染切片は、カルセイン標識蛍光解析に使用することができ
る。スライドは、Osteomeasure Image Analyzer(Osteometrics, Atlanta GA)に接続したL
eitz顕微鏡で、400倍の倍率で調べることができる。動物1匹当たり、成長板の150μm近位
にある遠位大腿骨の10の連続する0.0225-mm2視野を調べることができる。
(副甲状腺ホルモンの測定及び血清化学検査:)
血液試料を、CKDの第2週及び第8週で伏在静脈の毛細管吸引によって、並びに屠殺時(12
週のCKD)に異なる手順(心内穿刺)を用いて取得し、ヘパリン添加チューブに移すことがで
きる。遠心分離(400×g、5分間)後、血漿を取り除き、分注し、-80℃で凍結させることが
できる。インタクトPTHレベル(大量の血液が必要とされるので屠殺時にのみ行われる)は
、市販のキット(Immutopics, San Clemente, CA)を用いる2部位免疫放射定量アッセイ(IR
MA)により測定することができる。血中尿素窒素(BUN)、血清カルシウム、及びリンは、標
準的な多チャンネル分析計技術を用いて測定することができる。
(FGF23の測定:)
FGF23マウスELISAアッセイは、Kainos社から購入することができる。
(DKK1及びオステオカルシンの測定:)
DKK1及び低カルボキシル化オステオカルシン用の市販のELISAアッセイを使用すること
ができる。
(OPG及びsRANKLの測定:)
OPG対RANKLの比は、血清アッセイで決定することができる。これらのアッセイは、骨代
謝回転及び過剰な骨再吸収とよく相関することが示されている(例えば、Geusensらの文献
、2006, Arthritis & Rheumatism 54:1772-17775を参照されたい)。血清中のsRANKLのレ
ベルは、放射免疫アッセイ(Linco Research, St. Louis MO)により決定することができる
。血清OPGのレベルは、ELISA法(OSTEOmedical NL, Marishof, NL)により測定することが
できる。アッセイ内及びアッセイ間変動係数(CV)は、製造元によれば、両検査について10
%未満である。sRANKLの検出限界は0.08pmol/lであり、OPGの検出限界は、0.14pmol/lで
ある。
(骨代謝回転のマーカーの測定:)
血清P1NP及びオステオカルシンは、骨芽細胞活性のマーカーとして使用することができ
、酒石酸耐性酸ホスファターゼ5b型(TRACP 5b)(mouseTRAP, IDS Ltd, Bolden, UK)は、破
骨細胞レベルのマーカーとして使用することができる。
(炎症のマーカーの測定:)
TNFα、及びc反応性タンパク質の血清アッセイを用いて、炎症のレベル及びmActRIIA-F
cに対する応答を追跡することができる。
(統計解析:)
データは、ANOVAを用いて、統計的有意性(P<.05)について解析することができる。比
較は、ビヒクルで処置した動物(対照群)とmActRIIA-Fcで処置した動物の間で行うことが
できる。比較は、疑似手術を受けたマウスとビヒクルで処置したCKDマウスとmActRIIA-Fc
で処置したCKDマウスの間で行うこともできる。これらの解析は、SPSS 11.0統計パッケー
ジ(Needham Heights, MA)を用いて行うことができる。
((b)研究パラメーター)
研究で使用されるマウスは、下の表5に示す8つの群のうちの1つに入れることができる

Figure 2023011741000006
1つの動物群(表5のH群)を第14週で屠殺して、治療の開始時のベースライン血管石灰化
及び組織形態計測値を測定することができる。C群及びE群を用いて、CKDの様々な期間に
わたる、ビヒクル処置群(B群及びD群)と比較したmActRIIA-Fcによる処置の効力を評価す
ることができる。F群及びG群は、年齢が一致した疑似手術を受けた高脂肪食給餌動物であ
り、この動物は、CKD効果の対照として使用することができる。処置群に無作為に割り付
けた後の群当たり10匹という群サイズは、統計的有意性を得るのに十分であり得る。
第16~18週で、糸球体濾過量(GFR)を、マウスへのイヌリンの注射及びその消失の測定
により測定することができる。安楽死させるときに、血液を心内穿刺により採取すること
ができ、血清DKK1、FGF23、オステオカルシン、PTH、及びカルシトリオールレベルを、血
清カルシウム、Pi、血中尿素窒素(BUN)、グルコース、及びコレステロールレベルととも
に決定することができる。
高脂肪食を給餌したldlr-/-CKD動物由来の大動脈を解析することができる。全大動脈内
カルシウムレベル及びフォンコッサ染色顕微鏡切片を得ることができる。大動脈を処理し
て、大動脈遺伝子発現の解析用のRNAを得ることができる。大動脈を免疫組織化学用に処
理することができる。B群及びC群の安楽死年齢である、上記のCKDのモデルの第22週で、
二次性副甲状腺機能亢進症にもかかわらず、血管石灰化が確立され、低回転型骨障害が存
在する。第22週~第28週で、血管石灰化が進行し、副甲状腺ホルモンの存在の効果によっ
て、骨芽細胞表面が増加し始める。
この実施例に記載されている試験を用いて、CKDを有する対象で観察される血管石灰化
、骨リモデリング速度、及び二次性副甲状腺機能亢進症に対するActRII阻害の効果を決定
することができる。
Figure 2023011741000007
Figure 2023011741000008
Figure 2023011741000009
Figure 2023011741000010
Figure 2023011741000011
Figure 2023011741000012
Figure 2023011741000013
Figure 2023011741000014
Figure 2023011741000015
Figure 2023011741000016
Figure 2023011741000017
Figure 2023011741000018
Figure 2023011741000019
Figure 2023011741000020
Figure 2023011741000021
Figure 2023011741000022
(等価物)
本発明は、その具体的な実施態様に関して詳細に記載されているが、機能的に等価であ
るバリエーションが本発明の範囲内にあることが理解されるであろう。実際、本明細書に
示され、記載されたものに加えた本発明の様々な変更は、前述の説明及び付随する図面か
ら当業者に明らかになるであろう。そのような変更は、添付の特許請求の範囲の範囲内に
含まれることが意図される。当業者は、本明細書に記載の本発明の具体的な実施態様の多
くの等価物を認識するか、又はルーチンの実験だけを用いて、それらを確認することがで
きるであろう。そのような等価物は、以下の特許請求の範囲によって包含されることが意
図される。
本明細書に言及された全ての刊行物、特許、及び特許出願は、各々の個々の刊行物、特
許、又は特許出願が、その全体として引用により具体的かつ個別に組み込まれることが示
される場合と同じ程度に、引用により本明細書中に組み込まれる。
本件出願は、以下の構成の発明を提供する。
(構成1)
対象における低回転型骨障害を治療する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビタ
ーを、該低回転型骨障害の治療を必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
(構成2)
対象における低回転型骨障害形態のCKD-MBDを治療する方法であって、治療有効量のAct
RIIインヒビターを、該低回転型骨障害形態のCKD-MBDの治療を必要とする対象に投与する
ことを含む、前記方法。
(構成3)
前記低回転型骨障害が、石灰化した骨へのテトラサイクリン取込みの欠如を特徴とする
、構成1又は2記載の方法。
(構成4)
対象における低骨代謝回転形態のCKD-MBDを治療する方法であって、治療有効量のActRI
Iインヒビターを、該低骨代謝回転形態のCKD-MBDの治療を必要とする対象に投与すること
を含む、前記方法。
(構成5)
前記低骨代謝回転形態のCKD-MBDが骨軟化症である、構成4記載の方法。
(構成6)
対象における高リン血症を特徴とする骨障害を治療する方法であって、治療有効量のAc
tRIIインヒビターを、該高リン血症を特徴とする骨障害の治療を必要とする対象に投与す
ることを含む、前記方法。
(構成7)
対象における血管石灰化を治療する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを
、アテローム性動脈硬化性石灰化の治療を必要とする対象に投与することを含む、前記方
法。
(構成8)
対象における腎疾患を治療する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを、該
腎疾患の治療を必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
(構成9)
前記腎疾患が腎線維症である、構成8記載の方法。
(構成10)
血管石灰化を有すると診断された対象における血管内カルシウムレベルを低下させる方
法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを該対象に投与することを含む、前記方法

(構成11)
前記ActRIIインヒビターが:
a.配列番号2と90%同一のもの;
b.配列番号2と95%同一のもの;
c.配列番号2と98%同一のもの;
d.配列番号2;
e.配列番号3と90%同一のもの;
f.配列番号3と95%同一のもの;
g.配列番号3と98%同一のもの;
h.配列番号3;
i.配列番号6と90%同一のもの;
j.配列番号6と95%同一のもの;
k.配列番号6と98%同一のもの;
l.配列番号6;
m.配列番号7と90%同一のもの;
n.配列番号7と95%同一のもの;
o.配列番号7と98%同一のもの;
p.配列番号7;
q.配列番号12と90%同一のもの;
r.配列番号12と95%同一のもの;
s.配列番号12と98%同一のもの;
t.配列番号12;
u.配列番号17と90%同一のもの;
v.配列番号17と95%同一のもの;
w.配列番号17と98%同一のもの;
x.配列番号17;
y.配列番号20と90%同一のもの;
z.配列番号20と95%同一のもの;
aa.配列番号20と98%同一のもの;
bb.配列番号20;
cc.配列番号21と90%同一のもの;
dd.配列番号21と95%同一のもの;
ee.配列番号21と98%同一のもの;
ff.配列番号21
gg.配列番号23と90%同一のもの;
hh.配列番号23と95%同一のもの;
ii.配列番号23と98%同一のもの;
jj.配列番号23
kk.配列番号25と90%同一のもの;
ll.配列番号25と95%同一のもの;
mm.配列番号25と98%同一のもの;及び
nn.配列番号25
からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドである、構成1、2、4、6、7
、8、又は10記載の方法。
(構成12)
前記ActRIIインヒビターが、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドである、構
成1、2、4、6、7、8、又は10記載の方法。
(構成13)
前記ActRIIインヒビターが非経口投与される、構成1、2、4、6、7、8、又は10記載の方
法。
(構成14)
前記対象が18歳未満である、構成1、2、4、6、7、8、又は10記載の方法。
(構成15)
前記対象の身長を増加させる、構成1、2、4、6、7、8、又は10記載の方法。
(構成16)
前記対象が末期腎疾患を有する、構成1、2、4、6、7、8、又は10記載の方法。
(構成17)
前記対象が透析を受けている、構成1、2、4、6、7、8、又は10記載の方法。

Claims (17)

  1. 対象における低回転型骨障害を治療する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビタ
    ーを、該低回転型骨障害の治療を必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
  2. 対象における低回転型骨障害形態のCKD-MBDを治療する方法であって、治療有効量のAct
    RIIインヒビターを、該低回転型骨障害形態のCKD-MBDの治療を必要とする対象に投与する
    ことを含む、前記方法。
  3. 前記低回転型骨障害が、石灰化した骨へのテトラサイクリン取込みの欠如を特徴とする
    、請求項1又は2記載の方法。
  4. 対象における低骨代謝回転形態のCKD-MBDを治療する方法であって、治療有効量のActRI
    Iインヒビターを、該低骨代謝回転形態のCKD-MBDの治療を必要とする対象に投与すること
    を含む、前記方法。
  5. 前記低骨代謝回転形態のCKD-MBDが骨軟化症である、請求項4記載の方法。
  6. 対象における高リン血症を特徴とする骨障害を治療する方法であって、治療有効量のAc
    tRIIインヒビターを、該高リン血症を特徴とする骨障害の治療を必要とする対象に投与す
    ることを含む、前記方法。
  7. 対象における血管石灰化を治療する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを
    、アテローム性動脈硬化性石灰化の治療を必要とする対象に投与することを含む、前記方
    法。
  8. 対象における腎疾患を治療する方法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを、該
    腎疾患の治療を必要とする対象に投与することを含む、前記方法。
  9. 前記腎疾患が腎線維症である、請求項8記載の方法。
  10. 血管石灰化を有すると診断された対象における血管内カルシウムレベルを低下させる方
    法であって、治療有効量のActRIIインヒビターを該対象に投与することを含む、前記方法
  11. 前記ActRIIインヒビターが:
    a.配列番号2と90%同一のもの;
    b.配列番号2と95%同一のもの;
    c.配列番号2と98%同一のもの;
    d.配列番号2;
    e.配列番号3と90%同一のもの;
    f.配列番号3と95%同一のもの;
    g.配列番号3と98%同一のもの;
    h.配列番号3;
    i.配列番号6と90%同一のもの;
    j.配列番号6と95%同一のもの;
    k.配列番号6と98%同一のもの;
    l.配列番号6;
    m.配列番号7と90%同一のもの;
    n.配列番号7と95%同一のもの;
    o.配列番号7と98%同一のもの;
    p.配列番号7;
    q.配列番号12と90%同一のもの;
    r.配列番号12と95%同一のもの;
    s.配列番号12と98%同一のもの;
    t.配列番号12;
    u.配列番号17と90%同一のもの;
    v.配列番号17と95%同一のもの;
    w.配列番号17と98%同一のもの;
    x.配列番号17;
    y.配列番号20と90%同一のもの;
    z.配列番号20と95%同一のもの;
    aa.配列番号20と98%同一のもの;
    bb.配列番号20;
    cc.配列番号21と90%同一のもの;
    dd.配列番号21と95%同一のもの;
    ee.配列番号21と98%同一のもの;
    ff.配列番号21
    gg.配列番号23と90%同一のもの;
    hh.配列番号23と95%同一のもの;
    ii.配列番号23と98%同一のもの;
    jj.配列番号23
    kk.配列番号25と90%同一のもの;
    ll.配列番号25と95%同一のもの;
    mm.配列番号25と98%同一のもの;及び
    nn.配列番号25
    からなる群から選択されるアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請求項1、2、4、6、
    7、8、又は10記載の方法。
  12. 前記ActRIIインヒビターが、配列番号7のアミノ酸配列を含むポリペプチドである、請
    求項1、2、4、6、7、8、又は10記載の方法。
  13. 前記ActRIIインヒビターが非経口投与される、請求項1、2、4、6、7、8、又は10記載の
    方法。
  14. 前記対象が18歳未満である、請求項1、2、4、6、7、8、又は10記載の方法。
  15. 前記対象の身長を増加させる、請求項1、2、4、6、7、8、又は10記載の方法。
  16. 前記対象が末期腎疾患を有する、請求項1、2、4、6、7、8、又は10記載の方法。
  17. 前記対象が透析を受けている、請求項1、2、4、6、7、8、又は10記載の方法。
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