JP2022009604A - 発泡成形体 - Google Patents

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Abstract

【課題】ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の優れた耐熱性を有し、反り、撓み、うねり、皺や膨れ等の発生による発泡成形体の変形を抑制することができ、軽量化、断熱性、低誘電率特性、音響特性、成形性に優れる発泡成形体を提供する。【解決手段】ポリアリーレンエーテルケトン樹脂を含有する成形材料により溶融押出成形され、不活性ガスが超臨界状態で含浸された樹脂シート2からなる発泡成形体であり、樹脂シート2は、発泡倍率が1.29倍以上2.38倍以下、平均気泡径が2.0μm以上4.1μm以下、気泡密度が2.3×1010個/cm3以上8.0×1010個/cm3以下のシートである。【選択図】図1

Description

本発明は、電気・電子、通信機器、医療機器、音響機器、自動車、航空機、建築材料の分野等において、断熱性、低誘電率、粘弾性スペクトロメータで測定した高い損失正接や高耐熱性を得ることができるポリアリーレンエーテルケトン樹脂を用いた発泡成形体に関するものである。
ポリアリーレンエーテルケトン(芳香族ポリエーテルケトンともいう、PAEK)樹脂は、機械的性質、耐熱性、耐薬品性、耐放射線性、耐加水分解性、電気絶縁性、低吸水性、難燃性、リサイクル性等に優れた熱可塑性の結晶性樹脂である。このような優れた特性を有するポリアリーレンエーテルケトン樹脂を発泡させれば、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂にさらに軽量化、断熱特性、低誘電率特性、音響特性を付与することができるので、各種の発泡成形法が提案されている。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂を発泡成形する方法としては、これまでに(1)ポリエーテルエーテルケトン等のガラス転移点が140℃以上の熱可塑性ポリマーを発泡剤分解法、あるいは溶剤気散法により発泡させ、熱可塑性ポリマーの発泡体を得る方法(特許文献1参照)、(2)ポリエーテルエーテルケトンと発泡剤とを押出機に導入して溶融押出することにより、ポリエーテルエーテルケトンの発泡体を製造する方法(特許文献2参照)、(3)ポリアリールエーテルケトンポリマーと分解性材料、特に水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウム/水和アルミナを含む混合物からなる発泡材料を分解性材料の分解温度以上の発泡温度に加熱する工程を有する発泡材料を製造する方法(特許文献3参照)等が提案され、実施されている。
(1)の発泡剤分解法は、ガラス転移点が140℃以上の非晶性又は結晶性の熱可塑性のポリマーに発泡剤を添加し、この混合物を140℃以上の温度で溶融混練機により溶融混練し、溶融混練中に発泡剤を分解させ、分解ガスにより発泡させて各種形状の発泡体を溶融押出する方法である。
(1)の溶剤気散法は、(a)熱可塑性の非晶性ポリマーを膨潤性、可溶性の有機溶剤に溶解して溶融キャストし、乾式フィルムや糸、ストランドを作製し、又はこれらを粉砕して粉末、ペレット状としても良い。そして、これらが残留溶剤を1%以上含む状態で温度140℃以上に加熱し、有機溶剤を気散させて発泡させる方法と、(b)溶融押出して成形したフィルム、糸、ストランド、ペレットブロック等を膨潤性、可溶性の有機溶剤に含浸、又は有機溶剤の高濃度ガス中で放置してポリマー中に有機溶剤を0.1質量%以上含有させ、温度150℃以上に加熱して有機溶剤を気散させることにより、各種形状の発泡体を得る方法である。
これに対し、(2)の製造方法は、380℃における臨界剪断速度が1000sec-1以上のポリエーテルエーテルケトンを使用し、このポリエーテルエーテルケトンとふっ素化炭素〔フレオン-11、フレオン-12、フレオン-13、フレオン-14、フレオン-22、フレオン-23、フレオン-113、フレオン-114等〕、不活性ガス〔窒素、ヘリウム、ネオン、アルゴン等〕、炭化水素〔プロパン、ブタン、ヘキサン、ペンタン等〕の炭化水素等の発泡剤を押出機に導入して溶融押出し、ポリエーテルエーテルケトンを発泡させる方法である。
また、(3)の製造方法は、ポリアリーレンエーテルケトンポリマーと分解性不活性材料、特に水酸化マグネシウム、又は水酸化アルミニウム/水和アルミナ等との混合物を作製し、この混合物を処理装置(例えば、押出成形機)で溶融混練し、分解性材料を分解してポリマー材料内で発泡するガス状生成物を生成することにより、発泡材料を製造する方法である。
特開昭59-36139号公報 特開平3-275737号公報 特表2004-520463号公報 「先端用途で成長するスーパーエンプラ・PEEK(上)」(株式会社 旭リサーチセンター)
(1)の発泡剤分解法は、ポリエーテルイミド、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート等の非晶性ポリマーには有効な方法である。しかしながら、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、300~400℃の融点を有する結晶性樹脂であるため、溶融混練する場合の温度が350~450℃となる。
発泡剤の分解温度は300℃以下であるため、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂に発泡剤を添加して溶融押出により発泡体を成形する場合、発泡剤の急激な分解に伴う分解ガスの急激な膨張により、発泡成形体に皺が発生したり、気泡径が数百μmと大きくなったり、あるいは気泡の合一等により、発泡した成形体の変形を招き、良好な発泡体を得ることは困難である。また、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂が溶融する前に発泡剤の分解が生じ、発生した分解ガスが飛散するので、発泡体を得るのが困難になるという問題がある。
溶剤気散法も、熱可塑性の非晶性ポリマーには有効な方法ではあるが、結晶性ポリマーであるポリアリーレンエーテルケトン樹脂は耐溶剤性に優れているので、この樹脂を膨潤あるいは溶解させる有機溶剤が限定されることとなり、得られる発泡成形体がコスト高になる。さらに、有機溶剤の廃棄設備の設置、又有機溶剤に可燃性の有機溶剤を使用する場合には、防火設備や消火設備を備えなければならないので、設備が大掛かりとなり、得られる発泡成形体のコストが増大することとなる。
また、(2)の製造方法は、ポリエーテルエーテルケトンを押出機により溶融混練するとともに、この溶融混練中にふっ素化炭素、不活性ガス、炭化水素等の発泡剤を導入して溶融押出し、発泡させる方法である。この製造方法は、発泡度が50%以上の高発泡の発泡体を得るには有効な方法ではあるものの、発泡体の気泡径が不均一で、数百μm以上と大きくなり、さらに気泡の合一等により、発泡体に皺や変形が生じるので、良好な発泡体を得ることはやはり困難である。
また、(3)の製造方法の場合、ポリアリーレンエーテルケトンポリマーと分解性材料、特に水酸化マグネシウム又は水酸化アルミニウム/水和アルミナからなる混合物を分解性材料の分解温度以上の発泡温度に加熱し得られる発泡材料は、ポリアリーレンエーテルケトンポリマーと分解性材料との密度差が大きいため、混合時に不均一になりやすいという特徴がある。したがって、成形体の気泡径も不均一で、数百μm以上と大きくなり、さらに気泡の合一等により、発泡体に皺や変形が生じ、良好な発泡体を得ることは非常に困難である。
また、ポリアリーレンエーテルケトンポリマーの溶融温度と分解性材料の分解温度との差が小さいので、発泡材料の製造中に分解性材料が分解してしまい、目的とする密度を有した発泡成形品が得られないおそれがある。さらに、発泡させて得られた成形体中に残留したマグネシウム化合物、アルミニウム化合物、あるいは水等が発泡成形体の使用中に、発泡成形体自体、発泡成形体と接触している物品、あるいは発泡成形体を使用している環境下に悪影響を及ぼすおそれもある。
本発明は上記に鑑みなされたもので、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の優れた耐熱性を有し、反り、撓み、うねり、皺や膨れ等の発生による変形を抑制することができ、軽量化、断熱性、低誘電率特性、音響特性、成形性に優れる発泡成形体を提供することを目的としている。
本発明においては上記課題を解決するため、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂を含有する成形材料からなる発泡成形体であり、
発泡倍率が1.29倍以上2.38倍以下、平均気泡径が2.0μm以上4.1μm以下、気泡密度が2.3×1010個/cm以上8.0×1010個/cm以下であることを特徴としている。
なお、発泡成形体を、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂を含有する成形材料を用いた溶融押出成形法により押出成形され、不活性ガスが超臨界状態で含浸された厚さ100μm以上800μm以下の樹脂シートとすることができる。
また、熱伝導率が0.10W/mK以上0.18W/mK以下、誘電率が1.9以上2.5以下であることが好ましい。
また、粘弾性スペクトロメータで測定した損失正接が0.033以上0.055以下であることが好ましい。
また、成形材料のポリアリーレンエーテルケトン樹脂が、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトンケトン樹脂、又はポリエーテルケトンエーテルケトンケトン樹脂であることが好ましい。
ここで特許請求の範囲における成形材料には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の他、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱向上剤、無機化合物、有機化合物等を添加することができる。また、樹脂シートは、不活性ガスが加圧下で含浸され、加圧圧力が開放されると良い。この樹脂シートの貯蔵弾性率(E’)は、樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以上樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で一旦2×10Pa以下に低下する凹部の部分を有することが好ましい。樹脂シートの相対結晶化度は、5%以上80%以下が良い。
本発明によれば、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の優れた耐熱性を有し、反り、撓み、うねり、皺や膨れ等の発生による発泡成形体の変形を抑制することができるという効果がある。また、軽量化、断熱性、低誘電率特性、音響特性、成形性に優れる発泡成形体を得ることができるという効果がある。
請求項2記載の発明によれば、発泡成形体である樹脂シートを溶融押出成形法により押出成形するので、ハンドリング性を向上させたり、設備の簡略化を図ることができる。また、発泡成形体である樹脂シートの厚さが100μm以上800μm以下なので、発泡成形体を得ることができる他、樹脂シートの成形中に樹脂シートの結晶化が進行するのを抑制し、相対結晶化度が80%以下の樹脂シートを成形することができる。また、不活性ガスを樹脂シート中の全域に含浸させるのに長時間を要することがない。また、樹脂シートに不活性ガスを超臨界状態で含浸させるので、樹脂シート内部への含浸速度が速く、含浸効率の向上が期待できる。
請求項5記載の発明によれば、成形材料のポリアリーレンエーテルケトン樹脂として、ポリエーテルエーテルケトン樹脂又はポリエーテルケトンケトン樹脂を選択すれば、入手し易さ、コスト、シート成形性、及び発泡体成形性の点で好ましい効果を得ることができる。
本発明に係る発泡成形体の実施形態における製造方法を模式的に示す全体説明図である。 本発明に係る発泡成形体の実施形態における相対結晶化度が27%のポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの貯蔵弾性率を模式的に示すグラフである。 本発明に係る発泡成形体の実施形態における相対結晶化度が100%のポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの貯蔵弾性率を模式的に示すグラフである。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態を説明すると、本実施形態における発泡成形体は、図1ないし図3に示すように、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂を含有する成形材料1を溶融混練する溶融押出成形機10と、この溶融押出成形機10に装着されてポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シート2を押出成形するTダイス13と、押し出された樹脂シート2に接触する一対の圧着ロール17と、押し出された樹脂シート2を急激に冷却する冷却ロール18と、冷却された樹脂シート2を巻き取る巻取機19とにより樹脂シート2に製造され、冷却ロール18がポリアリーレンエーテルケトン樹脂のガラス転移点+20℃以下の温度で樹脂シート2に接触する。
成形材料1のポリアリーレンエーテルケトン樹脂は、アリーレン基、エーテル基、及びカルボニル基からなる結晶性樹脂であり、例えば特許5709878号公報、特許第5847522号方法、あるいは非特許文献1等に記載された樹脂があげられる。このポリアリーレンエーテルケトン樹脂の具体例としては、ポリエーテルケトン(PEK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)樹脂、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)樹脂、ポリエーテルエーテルケトンケトン(PEEKK)樹脂、あるいはポリエーテルケトンエーテルケトンケトン(PEKEKK)樹脂等があげられる。ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の製造方法は、非特許文献1に記載された製法があげられる。
これらポリアリーレンエーテルケトン樹脂の中では、ポリエーテルエーテルケトン樹脂とポリエーテルケトンケトン樹脂とが、入手し易さ、コスト、シート成形性、及び発泡体成形性の点で好ましい。ポリエーテルエーテルケトン樹脂の具体例としては、ビクトレック社製の製品名:ビクトレックス ピークシリーズ、ダイセル・エボニック社製の製品名:ベスタキープシリーズ、ソルベイスペシャルティポリマーズ社製の製品名:キータスパイア PEEKシリーズがあげられる。また、ポリエーテルケトンケトン樹脂の具体例としては、アルケマ社製の製品名:KEPSTANシリーズが該当する。
成形材料1は、少なくともポリアリーレンエーテルケトン樹脂を含有するが、このポリアリーレンエーテルケトン樹脂には、本発明の特性を損なわない範囲でポリイミド樹脂(PI樹脂)、ポリアミドイミド樹脂(PAI樹脂)、ポリエーテルイミド(PEI)樹脂等のポリイミド樹脂、ポリアミド4T(PA4T)樹脂、ポリアミド6T(PA6T)樹脂、変性ポリアミド6T(変性PA6T)樹脂、ポリアミド9T(PA9T)樹脂、ポリアミド10T(PA10T)樹脂、ポリアミド11T(PA11T)樹脂、ポリアミド6(PA6)樹脂、ポリアミド66(PA66)樹脂、ポリアミド46(PA46)樹脂等のポリアミド樹脂、ポリサルホン樹脂(PSU樹脂)、ポリエーテルサルホン樹脂(PES樹脂)、ポリフェニレンサルホン樹脂(PPSU樹脂)等のポリサルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィド(PPS)樹脂、ポリフェニレンスルフィドケトン樹脂、ポリフェニレンスルフィドスルホン樹脂、ポリフェニレンスルフィドケトンスルホン樹脂等のポリアリーレンサルファイド樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)樹脂、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂、ポリエチレンナフタレート(PEN)樹脂等のポリエステル樹脂、ポリカーボネート(PC)樹脂、ポリアリレート(PAR)樹脂、液晶ポリマー(LCP)等が必要に応じ、添加される。また、成形材料1には、本発明の特性を損なわない範囲において、上記樹脂の他、酸化防止剤、光安定剤、紫外線吸収剤、可塑剤、滑剤、難燃剤、帯電防止剤、耐熱向上剤、無機化合物、有機化合物等が選択的に添加される。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シート2は、溶融押出成形法、カレンダー成形法、又はキャスティング成形法等の公知の製造方法により製造可能であるが、ハンドリング性や設備の簡略化の観点から、溶融押出成形法により連続的に帯形に押出成形されるのが最適である。ここで、溶融押出成形法とは図1に示すように、溶融押出成形機10を使用して成形材料1を溶融混練し、溶融押出成形機10の先端部のTダイス13からポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シート2を連続的に帯形に押し出して製造する方法である。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シート2は、その貯蔵弾性率(E’)が樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で一旦2×10Pa以下に低下する凹部の部分を有するシートである必要がある(図2参照)。これは、例えば係る温度範囲中の一旦2×10Pa以下の凹部になる落ち込み部分を有しない場合(図3参照)には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シート2が軟化しないので、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シート2を用いた発泡成形体の製造が非常に困難になるからである。相対結晶化度の下限は、特に限定されるものではないが、5%以上が好ましい。
なお、図2と図3は、押出方向の貯蔵弾性率を示すが、幅方向(押出方向の直角方向)の貯蔵弾性率も略同様である。
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シート2の結晶化は、相対結晶化度により表すことができる。この樹脂シート2の相対結晶化度は、80%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下が良い。これは、樹脂シート2の相対結晶化度が80%を越える場合には、樹脂シート2の貯蔵弾性率(E’)が樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で一旦2×10Pa以下に低下する凹部の部分を有しないため、樹脂シート2が軟化せず、後の発泡成形性が低下するからである。相対結晶化度の下限は、特に限定されるものではないが、5%以上が好ましい。
樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中の貯蔵弾性率(E’)の下限は、特に限定されるものではないが、適正な発泡成形性の観点から、1×10Pa以上が好ましい。
樹脂シート2の相対結晶化度は、示差走査熱量計を用いて10℃/分の昇温速度で測定した熱分析結果に基づき、以下の式により算出される。
相対結晶化度(%)={1-(ΔHc/ΔHm)}×100
ここで、ΔHcは樹脂シート2の10℃/分の昇温条件下での再結晶化ピークの熱量(J/g)を表し、ΔHmは樹脂シート2の10℃/分の昇温条件下での結晶融解ピークの熱量(J/g)を表す。
以上の点に鑑み、後の発泡成形で使用されるポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シート2の製造に際しては、製造装置の溶融押出成形機10、Tダイス13、圧着ロール17、冷却ロール18のうち、少なくとも圧着ロール17と冷却ロール18の温度が所定の温度に調整される必要がある。
溶融押出成形機10は、例えば単軸押出成形機や二軸押出成形機等からなり、投入された成形材料1を溶融混練するよう機能する。この溶融押出成形機10の上部後方には、成形材料1用の原料投入口11が設置され、この原料投入口11には、ヘリウムガス、ネオンガス、アルゴンガス、クリプトンガス、窒素ガス、二酸化炭素ガス等の不活性ガス(図1の矢印参照)を必要に応じて供給する不活性ガス供給管12が接続されており、この不活性ガス供給管12による不活性ガスの流入により、成形材料1の酸化劣化や酸素架橋が有効に防止される。
溶融押出成形機10の溶融混練時のポリアリーレンエーテルケトン樹脂の温度は、溶融混練が可能であり、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂が分解しない温度であれば、特に制限されるものではないが、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点以上熱分解温度未満の範囲が良い。具体的には、320℃以上450℃以下、好ましくは360℃以上420℃以下、さらに好ましくは380℃以上400℃以下の範囲に調整される。これは、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点未満の場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂含有の成形材料1を溶融押出成形することができず、逆に熱分解温度を越える場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂が激しく分解するおそれがあるからである。
Tダイス13は、溶融押出成形機10の先端部に連結管14を介して装着され、帯形の樹脂シート2を連続的に下方に押し出すよう機能する。このTダイス13の押出時の温度は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の融点以上熱分解温度未満の範囲とされる。具体的には、320℃以上450℃以下、好ましくは360℃以上420℃以下、より好ましくは380℃以上400℃以下に調整される。これは、ポリエーテルケトンケトン樹脂の融点未満の場合には、成形材料1の溶融押出成形が困難となり、逆に熱分解温度を越える場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂が分解するおそれがあるからである。
Tダイス13の上流の連結管14には、ギアポンプ15とフィルタ16とがそれぞれ装着されることが好ましい。ギアポンプ15は、溶融押出成形機10により溶融混練された成形材料1を一定の流量で、かつ高精度にTダイス13にフィルタ16を介して移送するよう機能する。また、フィルタ16は、溶融状態の成形材料1のゲル等を分離し、溶融状態の成形材料1をTダイス13に移送する。
一対の圧着ロール17は、Tダイス13の下方に回転可能に軸支され、冷却ロール18を摺接可能に挟持する。この一対の圧着ロール17のうち、下流の圧着ロール17の下流には、樹脂シート2を巻き取る巻取機19の巻取管20が回転可能に設置され、圧着ロール17と巻取機19の巻取管20との間には、樹脂シート2の側部にスリットを形成するスリット刃21が昇降可能に配置されており、このスリット刃21と巻取機19の巻取管20との間には、樹脂シート2にテンションを作用させて円滑に巻き取るための回転可能なテンションロール22が必要数軸支される。
各圧着ロール17の周面には、樹脂シート2と冷却ロール18との密着性を向上させる観点から、少なくとも天然ゴム、イソプレンゴム、ブタジエンゴム、ノルボルネンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム、ニトリルゴム、ウレタンゴム、シリコーンゴム、フッ素ゴム等のゴム層が必要に応じて被覆形成され、このゴム層には、シリカやアルミナ等の無機化合物が選択的に添加される。これらの中では、耐熱性に優れるシリコーンゴムやフッ素ゴムの採用が好ましい。
圧着ロール17は、表面が金属の金属弾性ロールが必要に応じて使用され、この金属弾性ロールが使用される場合には、表面が平滑性に優れる樹脂シート2の成形が可能となる。この金属弾性ロールの具体例としては、例えば金属スリーブロール、エアーロール(ディムコ社製 製品名)、UFロール(日立造船社製 製品名)が該当する。
このような一対の圧着ロール17は、樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕以下、好ましくは樹脂シート2のガラス転移点(Tg)以下、より好ましくは50℃以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以下の温度に調整され、樹脂シート2に摺接してこれを冷却ロール18に圧接する。
圧着ロール17の温度が係る範囲なのは、圧着ロール17の温度が樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕を越える場合には、樹脂シート2の結晶化が進行し、樹脂シート2の相対結晶化度が80%を越え、樹脂シート2中に不活性ガスを含浸させる作業が困難になるからである。また、樹脂シート2の貯蔵弾性率(E’)が、樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で、一旦2×10Pa以下に低下する凹部の部分を有しないため、好ましくないからである。
樹脂シート2の貯蔵弾性率(E’)が、樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で貯蔵弾性率(E’)が、一旦2×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有しない場合、樹脂シート2が軟化しなので、後の発泡成形性が低下することとなる。逆に、50℃未満の場合には、圧着ロール17が結露するため、好ましくない結果を招くこととなる。圧着ロール17の温度調整や冷却方法としては、空気、水、オイル等の熱媒体による方法、あるいは電気ヒーター、誘電加熱ロール等があげられる。
冷却ロール18は、例えば圧着ロール17よりも拡径の金属ロールからなり、Tダイス13の下方に回転可能に軸支されて押し出された樹脂シート2を圧着ロール17との間に挟持し、圧着ロール17と共に樹脂シート2を冷却しながらその厚さを所定の範囲内に制御するよう機能する。この冷却ロール18は、樹脂シート2のガラス転移点(Tg)+20℃以下、好ましくは樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以下、より好ましくは50℃以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-20℃〕以下の温度に調整され、樹脂シート2に摺接する。
冷却ロール18が樹脂シート2のガラス転移点以下の温度に調整されるのは、冷却ロール18の温度が樹脂シート2のガラス転移点(Tg)+20℃を越える場合には、樹脂シート2の結晶化が進行し、樹脂シート2の相対結晶化度が80%を越え、樹脂シート2中に不活性ガスを含浸させる作業が困難になるからである。また、樹脂シート2の貯蔵弾性率(E’)が、樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で、一旦2×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有しないため、好ましくない結果となるからである。
樹脂シート2の貯蔵弾性率(E’)が、樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+50℃以下〕の温度範囲中で貯蔵弾性率(E’)が、一旦2×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有しない場合、樹脂シート2が軟化しなので、後の発泡成形性が低下することとなる。逆に、50℃未満の場合には、圧着ロール17が結露するため、好ましくないからである。冷却ロール18の温度調整や冷却方法としては、空気、水、オイル等の熱媒体による方法、あるいは電気ヒーター、誘電加熱ロール等が該当する。
上記において、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シート2を製造する場合には、溶融押出成形機10の原料投入口11に成形材料1を投入して溶融混練し、Tダイス13からポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シート2を連続的に帯形に押出成形する。この際、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の溶融混練前における含水率は、2000ppm以下、好ましくは1000ppm以下、より好ましくは100ppm以上1000ppm以下に調整される。これは、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の溶融混練前における含水率が2000ppmを越える場合には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂が発泡するおそれがあるからである。
樹脂シート2を押し出したら、一対の圧着ロール17、冷却ロール18、テンションロール22、及び巻取機19の巻取管20に順次巻架するとともに、樹脂シート2を冷却ロール18により冷却し、樹脂シート2の両側部をスリット刃21でそれぞれカットした後、巻取管20に順次巻き取れば、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シート2を製造することができる。
この際、樹脂シート2の相対結晶化度と貯蔵弾性率(E’)は、Tダイス13より押し出された樹脂シート2を直ちに冷却することで調整することができる。また、樹脂シート2を冷却ロール18に密着させる方法としては、ハンドリング性や設備の簡略化の観点から、圧着ロール17により、冷却ロール18に樹脂シート2を押し付けて密着させるタッチロール法の採用が好ましい。樹脂シート2と冷却ロール18との密着時間は、特に限定されるものでないが、0.1秒以上120秒以下、好ましく0.5秒以上60秒以下、より好ましくは1秒以上30秒以下が良い。
冷却された樹脂シート2のシート厚は、100μm以上800μm以下、好ましくは200μm以上500μm以下、より好ましくは250μm以上500μm以下が良い。これは、樹脂シート2のシート厚が100μm未満の場合は、発泡成形体を得ることが出来ないからである。また、樹脂シート2のシート厚が800μmを越える場合は、樹脂シート2の成形中に樹脂シート2の結晶化が進んでしまい、相対結晶化度が80%以下の樹脂シート2を成形することが困難となるからである。また、不活性ガスを樹脂シート2中の全域に含浸させるのに長時間を要し、好ましくないという理由に基づく。
樹脂シート2の表面には、本発明の効果を失わせない範囲で微細な凹凸を形成し、樹脂シート2表面の摩擦係数を低下させることができる。この微細な凹凸の形成方法としては、例えば(1)ポリアリーレンエーテルケトン樹脂含有の成形材料1を溶融押出成形機10により溶融混練し、この溶融混練した成形材料1をTダイス13から微細な凹凸を周面に有する冷却ロール18上に吐き出して密着させ、樹脂シート2の成形時に微細な凹凸を同時に転写形成する方法、(2)樹脂シート2を製造した後、微細な凹凸を周面に有する冷却ロール18上に密着させ、微細な凹凸を形成する方法がある。いずれの方法をも採用することが可能であるが、設備の簡略化、樹脂シート2の厚さ精度の管理、樹脂シート2の外観維持の観点からすると、(1)の方法が最適である。
次いで、巻き取った樹脂シート2を発泡成形する場合には、樹脂シート2の内部に不活性ガスを含浸させ、不活性ガスを含浸させた樹脂シート2を加熱するようにしている。具体的には、樹脂シート2の大きさに拘わらずに発泡成形する観点から、通気性の良い紙、布、通気性の不織布、合成繊維混抄紙、金属製、あるいは樹脂製の格子網状材等と樹脂シート2とを重ね巻き、巻物の全周に亘り均一に不活性ガスを含浸させることが好ましい。不活性ガスとしては、ヘリウム、アルゴン、窒素、二酸化炭素等があげられるが、樹脂シート2内部への浸透性や取り扱いの容易さから、二酸化炭素が好適である。
不活性ガスの含浸条件としては、常圧以上、好ましくは5MPa以上30MPa以下である。これは、5MPa未満の場合には、十分な量が含浸せず、逆に30MPaを越える場合には、高圧ガスの取り扱いに伴う危険や設備の強化等に伴うコストの増大を招くからである。
不活性ガスの含浸温度は、15℃以上樹脂シート2のガラス転移点未満、好ましくは25℃以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)―50℃)〕以下、より好ましくは40℃以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-70℃)〕である。これは、15℃未満の低温では、上記圧力において、樹脂シート2内部への不活性ガスの含浸の効率が悪化するという理由に基づく。逆に、樹脂シート2のガラス転移点以上の場合には、樹脂シート2の結晶化が進行し、不活性ガスの含浸が阻害されるという理由に基づく。
不活性ガスの含浸に際しては、31℃以上、7.4MPa以上の二酸化炭素の超臨界状態において含浸することが望ましい。これは、超臨界状態の二酸化炭素は、樹脂シート2内部への含浸速度が速く、含浸の効率が良いからである。また、不活性ガスの含浸時間を変更すれば、発泡倍率や発泡状態を制御することが可能であるが、不活性ガスの含浸時間は、含浸圧力と含浸温度により異なるものの、例えば数分から数十時間、好ましくは30分~96時間である。
発泡成形においては、不活性ガスの含浸に供される樹脂シート2の相対結晶化度は、80%以下、好ましくは50%以下、さらに好ましくは30%以下が良い。これは、相対結晶化度が80%を越える樹脂シート2については、不活性ガスが樹脂シート2内部にほとんど含浸されないか、又は樹脂シート2の貯蔵弾性率(E’)が、樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で、一旦2×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有しないため、好ましくないからである。
樹脂シート2の貯蔵弾性率(E’)が、樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+50℃以下〕の温度範囲中で、一旦2×10Pa以下に低下する凹部になる部分を有しない場合、樹脂シート2が軟化しなので、発泡成形性が低下する。相対結晶化度の下限は、特に限定されるものではないが、5%以上が好ましい。これは、相対結晶化度5%未満の樹脂シート2を得るのは困難であるからである。
樹脂シート2の内部に不活性ガスを含浸させたら、この樹脂シート2に作用する圧力を急激に開放するが、具体的には1MPa/秒以上の速度で圧力を開放することにより、熱力学的不安定性の誘発により発泡核を形成する。1MPa/秒以上の速度を要するのは、1MPa/秒未満の速度では、発泡核の数が減少し、気泡が大きく不均一になるからである。圧力開放速度は、速ければ速いほど良い。
発泡核を形成したら、樹脂シート2を加熱して発泡核を基点としたガスの膨張を生じさせることにより、発泡成形体を製造することができる。加熱温度は、樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-60℃〕以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+70℃〕以下、好ましくは樹脂シート2の〔ガラス転移点温度(Tg)±60℃〕以内、さらに好ましくは樹脂シート2の〔ガラス転移点温度(Tg)±50℃〕以内の温度範囲である。加熱方法としては、特に限定されるものではないが、例えば熱風加熱法、熱水浴法、オイルバス法、熱板接触法、加熱した金型への投入法、スチーム加熱法、過熱蒸気加熱法等があげられる。
樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-60℃〕以上樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+70℃〕の温度範囲である理由は、加熱温度が樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-60℃〕未満の場合には、樹脂シート2を軟化させることができず、発泡成形体を得ることができないからである。また、加熱温度が樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+70℃〕を越える場合には、気泡が合一化したり、破泡するおそれがあるからである。また、発泡成形体に反り、撓み、うねり、皺や膨れ等が発生し、変形してしまうおそれもある。
なお、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シート2に不活性ガスを含浸させれば、樹脂シート2のガラス転移点を低下させる効果を得ることができる。また、樹脂シート2の貯蔵弾性率(E’)が2×10Paを越える樹脂シート2は、発泡成形できないので注意する必要がある。また、樹脂シート2の貯蔵弾性率が1×10Pa未満の樹脂シート2は、気泡が合一したり、破泡するおそれがあるので注意すべきである。
また、高発泡倍率の発泡成形体を得るためには、不活性ガスの含浸~加熱発泡の工程を複数回(2回以上)繰り返し行えば良い。この場合の加熱発泡温度は、樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)-60℃〕以上樹脂シート2のガラス転移点未満である。加熱方法としては、特に限定されるものではないが、例えば熱風加熱法、熱水浴法、オイルバス法、熱板接触法、加熱した金型への投入法、スチーム加熱法、過熱蒸気加熱法等があげられる。
製造した発泡成形体の相対結晶化度が低い場合には、耐熱性や機械的強度が十分ではないため、発泡後、発泡成形体に加熱処理を施しても良い。加熱処理を行うことにより、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の相対結晶化度を進行させ、耐熱性や機械的強度を向上させることができる。
なお、加熱は、樹脂シート2のガラス転移点以上樹脂シート2の融点未満の温度の範囲が良い。好ましくは、樹脂シート2の〔ガラス転移点(Tg)+20℃〕以上樹脂シート2の〔融点-50℃〕以下の範囲が良い。ポリアリーレンエーテルケトン樹脂のガラス転移点未満では、結晶化が進行しないので留意する必要がある。また、樹脂シート2の融点以上の温度を越えると、加熱中に気泡が合一化したり、破泡あるいは発泡成形体が溶融し、発泡成形体の形状が失われてしまうおそれがあるので留意すべきである。
上記によれば、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂を用いた溶融押出成形法により、樹脂シート2を帯形に押出成形し、この樹脂シート2に不活性ガスを加圧下で含浸し、その後、加圧圧力を開放し、不活性ガスの含浸した樹脂シート2を加熱発泡して発泡成形体を製造するので、反り、撓み、うねり、皺や膨れ等による発泡した成形体の変形、あるいは膨張を招くことがなく、きわめて良好な発泡体を得ることができる。したがって、熱伝導率や誘電率を低下させ、粘弾性スペクトロメータで測定した損失正接を増大させることが可能となる。さらに、軽量化、耐熱特性、誘電率、断熱特性に優れた変形のない均一なポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体を提供することができる。
以下、本発明に係る発泡成形体の実施例を比較例と共に説明する。
〔実施例1〕
先ず、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂として、市販のポリエーテルエーテルケトン樹脂〔ソルベイスペシャルティポリマーズ社製 製品名:キータスパイアPEEK KT-851NL SP(以下、「KT-851NL SP」と略す〕を用意し、このポリエーテルエーテルケトン樹脂を160℃に加熱した除湿熱風乾燥機〔松井製作所社製 製品名:マルチジェット MJ3〕で12時間乾燥させた。
乾燥したポリエーテルエーテルケトン樹脂の含分率が300ppm以下であることを確認後、乾燥したポリエーテルエーテルケトン樹脂を図1に示す幅400mmのTダイスを備えたφ40mmの単軸溶融押出成形機にセットして溶融混練し、この溶融混練したポリエーテルエーテルケトン樹脂を単軸溶融押出成形機のTダイスから連続的に押し出し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを帯形に成形した。
この際、ポリエーテルエーテルケトン樹脂の含水率は、微量水分測定装置〔三菱化学社製、商品名:CA‐100型〕を用い、カールフィッシャー滴定法により測定した。また、単軸溶融押出成形機は、L/D=32、圧縮比:2.5、スクリュー:フルフライトスクリュータイプとした。
単軸溶融押出成形機の温度は380~400℃、Tダイスの温度は400℃、これら単軸溶融押出成形機とTダイスとを連結する連結管の温度は400℃に調整した。また、溶融したポリエーテルエーテルケトン樹脂の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、397℃であった。単軸押出成形機にポリエーテルエーテルケトン樹脂を投入する際、窒素ガスを18L/分で供給した。
こうしてポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを押出成形したら、連続したポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの両端部をスリット刃で裁断して巻取機の巻取管に順次巻き取り、長さ50m、幅300mmのポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを製造した。この際、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートは、シリコーンゴム製の一対の圧着ロール、周面に凹凸を備えた130℃の冷却ロール、及びこれらの下流に位置する3インチの巻取管に順次巻架し、圧着ロールと冷却ロールとに狭持させた。圧着ロールの温度は、非接触式の温度計で測定したところ、131℃であった。
ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートが得られたら、この樹脂シートの厚さ、比重、相対結晶化度、ガラス転移点、及び貯蔵弾性率を評価してその結果を表1に記載した。
次いで、得られたポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを押出方向20cm×幅方向(押出方向の直角方向)20cmのサイズに切り出して金属製の耐圧容器に封入し、この耐圧容器に不活性ガスとして液化二酸化炭素を流入させ、40℃、8.4MPa、24時間の条件で静置して樹脂シートに二酸化炭素を含浸させた。液化二酸化炭素を耐圧容器に流入させる際、液化二酸化炭素を流入させ、続いて直ちに放出の操作を3回繰り返した後、樹脂シートに含浸させる液化二酸化炭素を流入させ、所定の条件下で静置した。
樹脂シートに二酸化炭素を含浸させたら、耐圧容器の圧力を2MPa/秒の速度で開放して二酸化炭素を含浸させた樹脂シートを耐圧容器から取り出し、直ちに樹脂シートを190℃に加熱した金型内にセットして1分間加熱し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の発泡成形体を製造した。金型は、30cm×30cmの大きさとし、0.5mmの厚さを有する真鍮製のスペーサーを備えたタイプとした。
発泡成形体を製造したら、この発泡成形体の外観を観察し、この発泡成形体の比重を測定して発泡倍率を算出するとともに、平均気泡径、及び気泡密度を求め、相対結晶化度、誘電率、損失正接、及びハンダ耐熱性を測定してその結果を表1に記載した。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの厚さ
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの厚さについては、マイクロメータ(ミツトヨ社製 製品名:クーラントプルーフマイクロメータ 符号MDC-25PJ)を使用して測定した。測定に際しては、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの幅方向(押出方向の直角方向)任意の5箇所を測定し、その平均値を樹脂シート厚とした。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの比重(ρ)
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの比重(ρ)に関しては、JIS K7112(A法)の測定方法に準拠し、温度23℃の条件で測定した。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの相対結晶化度
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの相対結晶化度については、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジーズ社製 製品名:EXSTAR7000シリーズ X-DSC7000)を使用して10℃/分の昇温速度で加熱し、このときに得られる結晶融解ピークの熱量(J/g)、再結晶化ピークの熱量(J/g)から以下の式を用いて算出した。
相対結晶化度(%)={1-(ΔHc/ΔHm)}×100
ここで、ΔHcはポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの10℃/分の昇温条件下での再結晶化ピークの熱量(J/g)を表し、ΔHmはポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの10℃/分の昇温条件下での結晶融解ピークの熱量(J/g)を表す。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートのガラス転移点(Tg)
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートのガラス転移点(Tg)については、樹脂シートの損失弾性率(E”)を測定し、その測定値が極大になった温度をガラス転移点とした。
損失弾性率は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの押出方向で測定した。具体的には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを押出方向60mm×幅方向(押出方向の直角方向)6mmの大きさに切り出し、粘弾性スペクトロメータ(ティー・エス・インスツルメント・ジャパン社製 製品名:RSA-G2)を用いた引張モードにより、周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分、測定温度範囲-50~350℃、チェック間21mmの条件で測定した。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの貯蔵弾性率(E’)
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの貯蔵弾性率は、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの押出方向において引張モードにより測定した。具体的には、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを押出方向60mm×幅方向(押出方向の直角方向)6mmの大きさに切り出し、粘弾性スペクトロメータ(ティー・エス・インスツルメント・ジャパン社製 製品名:RSA-G2)を用いた引張モードにより、周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分、測定温度範囲-50~360℃、チェック間21mmの条件で測定した。
A:〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以上〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で一旦2×10Pa以下に低下する凹形になる部分を有する場合
B:〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以上〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で一旦2×10Pa以下に低下する凹形になる部分を有しない場合
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の外観
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の外観については、目視により評価した。
○:発泡成形体に、反り、撓み、うねり、皺や膨れ等により、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体に変形が認められなかった場合
×:発泡成形体に、反り、撓み、うねり、皺や膨れ等により、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体に変形が認められた場合
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の比重(ρf)
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の比重(ρf)に関しては、JIS K7112(A法)の測定方法に準拠し、温度23℃の条件で測定した。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の発泡倍率
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の発泡倍率は、以下の式を用いて算出した。
発泡倍率(倍)=ρ/ρf
ここで、ρ :ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの比重
ρf:ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の比重
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂発泡成形体の平均気泡径
走査型電子顕微鏡〔日本電子社製 商品名:5300LV〕によりポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の断面を撮影し、Windows(登録商標)用の汎用画像処理パッケージ〔三谷商事社製 商品名:ウインルーフ〕を用いて画像処理し、気泡を100箇所測定してその平均気泡径(直径)を求めた。この平均気泡径は、最大長径により求めた。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂の樹脂発泡成形体の気泡密度
気泡密度については、以下の式を用いて求めた。
=6{(ρ/ρf)-1}/(πD
ここで、N:気泡密度(個/cm
ρ:ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの比重
ρf:ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の比重
π:円周率
D:気泡直径(cm)
気泡直径については、平均気泡径を使用した。
新保 實,Daniel F.Baidwin,Nam P.Suh 成形加工,第6巻,第12号 63(1994)
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の相対結晶化度
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の相対結晶化度については、示差走査熱量計(エスアイアイ・ナノテクノロジーズ社製 製品名:EXSTAR7000シリーズ X-DSC7000)を使用して10℃/分の昇温速度で加熱し、このときに得られる結晶融解ピークの熱量(J/g)、再結晶化ピークの熱量(J/g)から、以下の式を用いて算出した。
相対結晶化度(%)={1-(ΔHc/ΔHm)}×100
ここで、ΔHcはポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の10℃/分の昇温条件下での再結晶化ピークの熱量(J/g)を表し、ΔHmはポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の10℃/分の昇温条件下での結晶融解ピークの熱量(J/g)を表す。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の熱伝導率
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の熱伝導率は、迅速熱伝導率計〔京都電子工業社製 製品名:QTM-500〕を用い、基準物質との比較により求めた。基準物質は、発泡ポリエチレン(熱伝導率:0.0357W/mK)、シリコーンゴム(熱伝導率:0.238W/mK)、及び石英ガラス(熱伝導率:1.409W/mK)の3種類を使用した。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の誘電率
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の誘電率は、RFインピーダンスマテリアルアナライザー〔ヒューレットパッカード社製、製品名:HP4291A〕を用いて測定した。誘電率は1GHzで測定した。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の損失正接
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の損失正接は、発泡性成形体を長さ60mm×幅6mmに切り出して測定した。この損失正接の測定に際しては、粘弾性スペクトロメータ(ティー・エス・インスツルメント・ジャパン社製 製品名:RSA-G2)を用いた引張モードにより、周波数1Hz、歪み0.1%、昇温速度3℃/分、測定温度範囲-50~350℃、チェック間21mmの条件で測定し、20℃の損失正接を求めた。
・ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体のハンダ耐熱性
ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体のハンダ耐熱性については、発泡成形体を260℃のハンダ浴中で10秒間浸漬し、耐熱性を測定した。この耐熱性については、目視により、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体の変形により確認した。
○:変形なし
×:変形あり
〔実施例2〕
先ず、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂として、市販のポリエーテルエーテルケトン樹脂〔ダイセル・エボニック社製、製品名:ベスタキープ 3300G(以下、「3300G」と略す)〕を用意し、実施例1と同様の方法により、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを帯形に成形し、この押出成形した樹脂シートの厚さ、比重、相対結晶化度、ガラス転移点、及び貯蔵弾性率を実施例1と同様の方法により評価してその結果を表1に記載した。溶融したポリエーテルエーテルケトン樹脂の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定したところ、398℃であった。
次いで、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを押出方向100cm×幅方向(押出方向の直角方向)15cmのサイズに切り出し、この樹脂シートを通気性不織布(長さ110cm、幅17cm)と重ねてロール状に巻くとともに、この巻いた樹脂シートを金属製の耐圧容器に封入し、この耐圧容器に不活性ガスとして液化二酸化炭素を実施例1と同様の方法で流入させた。耐圧容器に液化二酸化炭素を流入させたら、25℃、6.1MPa、96時間の条件で静置して樹脂シートに二酸化炭素を含浸させた。
こうして樹脂シートに二酸化炭素を含浸させたら、耐圧容器の圧力を1.5MPa/秒の速度で開放して二酸化炭素を含浸させた樹脂シートを耐圧容器から取り出し、直ちに樹脂シートを200℃に加熱した熱風加熱炉に投入し、5分間加熱して発泡成形体を製造した。
発泡成形体を製造したら、実施例1と同様の方法により、発泡成形体の外観を観察し、この発泡成形体の発泡倍率、平均気泡径、及び気泡密度を求め、結晶化度、誘電率、損失正接、及びハンダ耐熱性を測定してその結果を表1に記載した。
〔実施例3〕
先ず、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂として、市販のポリエーテルエーテルケトン樹脂〔ビクトレックス社製、製品名:ビクトレックスピーク381G(以下、「381G」と略す)〕を用意し、実施例1と同様の方法により、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを帯形に押出成形し、この押出成形した樹脂シートの厚さ、比重、相対結晶化度、ガラス転移点、貯蔵弾性率を実施例1と同様の方法により評価し、その結果を表1に記載した。溶融したポリエーテルエーテルケトン樹脂の温度については、Tダイス入口の樹脂温度を測定することとし、測定してところ、397℃であった。
次いで、得られたポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを押出方向15cm×幅方向(押出方向の直角方向)15cmのサイズに切り出して金属製の耐圧容器に封入し、この耐圧容器に不活性ガスとして液化二酸化炭素を実施例1と同様の方法で流入させた。耐圧容器に液化二酸化炭素を流入させたら、40℃、8.5MPa、72時間の条件で静置して樹脂シートに二酸化炭素を含浸させた。
こうして樹脂シートに二酸化炭素を含浸させたら、耐圧容器の圧力を2.0MPa/秒の速度で開放して二酸化炭素を含浸させた樹脂シートを耐圧容器から取り出し、直ちに樹脂シートを130℃に加熱したオイルバス中に3分間浸漬させ、発泡させて発泡成形体を製造した。
発泡成形体を製造したら、実施例1と同様の方法で発泡成形体の外観を観察し、発泡成形体の発泡倍率、平均気泡径、及び気泡密度を求め、結晶化度、誘電率、損失正接、及びハンダ耐熱性を測定してその結果を表1に記載した。
〔実施例4〕
先ず、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂として、市販のポリエーテルケトンケトン樹脂〔アルケマ社製 製品名:KEPSTAN (以下、「8002」と略す〕を用意し、このポリエーテルケトンケトン樹脂を160℃に加熱した熱風乾燥機で12時間乾燥させた。
ポリエーテルケトンケトン樹脂を12時間乾燥させたら、乾燥したポリアリーレンエーテルケトン樹脂の水分率を実施例1と同様の方法で測定して含水率が300ppm以下であるのを確認後、乾燥したポリエーテルエーテルケトン樹脂を、幅400mmのTダイスを備えたφ40mmの単軸押出成形機にセットして溶融混練し、この溶融混練したポリエーテルケトンケトン樹脂を単軸押出成形機のTダイスから連続的に押し出してポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂シートを帯形に押出成形した。
単軸溶融押出成形機とスクリューについては、実施例1と同様とした。また、単軸溶融押出成形機の温度は380~400℃、Tダイスの温度は400℃、これら単軸溶融押出成形機とTダイスとを連結する連結管の温度は400℃に調整した。冷却ロールの温度は、150℃に調整した。また、圧着ロールの温度は、非接触式の温度計で測定したところ、152℃であった。
ポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂シートを帯形に押出成形したら、この樹脂シートの厚さ、比重、相対結晶化度、ガラス転移点、及び貯蔵弾性率を実施例1と同様の方法により評価し、その結果を表1に記載した。
次いで、得られたポリエーテルケトンケトン樹脂製の樹脂シートを押出方向20cm×幅方向(押出方向の直角方向)20cmのサイズに切り出して金属製の耐圧容器に封入し、この耐圧容器に不活性ガスとして液化二酸化炭素を流入させ、50℃、10.3MPa、24時間の条件で静置して樹脂シートに二酸化炭素を含浸させた。液化二酸化炭素を耐圧容器に流入させる際、液化二酸化炭素を流入させ、続いて直ちに放出の操作を3回繰り返した後、樹脂シートに含浸させる液化二酸化炭素を流入させた。
こうして樹脂シートに二酸化炭素を含浸させたら、耐圧容器の圧力を2MPa/秒の速度で開放して二酸化炭素を含浸させた樹脂シートを耐圧容器から取り出し、直ちに樹脂シートを210℃にオイルバス内にセットして1分間加熱し、ポリエーテルケトンケトン樹脂製の発泡成形体を製造した。
発泡成形体を製造したら、実施例1と同様の方法で発泡成形体の外観を観察し、この発泡成形体の発泡倍率、平均気泡径、及び気泡密度を求め、結晶化度、誘電率、損失正接、及びハンダ耐熱性を測定してその結果を表1に記載した。
Figure 2022009604000002
〔比較例1〕
先ず、実施例1で作製したポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを用意し、この樹脂シートを押出方向20cm×幅方向(押出方向の直角方向)20cmのサイズに切り出して金属製の耐圧容器に封入し、この耐圧容器に不活性ガスとして液化二酸化炭素を流入させるとともに、40℃、8.1MPa、24時間の条件で静置して樹脂シートに二酸化炭素を含浸させた。
液化二酸化炭素を耐圧容器に流入させる際、液化二酸化炭素を流入させ、続いて直ちに放出の操作を3回繰り返した後、樹脂シートに含浸させる液化二酸化炭素を流入させ、所定の条件下で静置した。
こうして樹脂シートに二酸化炭素を含浸させたら、耐圧容器の圧力を2MPa/秒の速度で開放して二酸化炭素を含浸させた樹脂シートを耐圧容器から取り出し、直ちに樹脂シートを70℃に加熱したオイルバス内にセットして1分間加熱し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の発泡成形体を製造した。
発泡成形体を製造したら、実施例1と同様の方法により、発泡成形体の外観を観察し、この発泡成形体の比重を測定して発泡倍率を算出し、平均気泡径、及び気泡密度を求め、結晶化度、誘電率、損失正接、及びハンダ耐熱性を測定してその結果を表2に記載した。
〔比較例2〕
先ず、実施例1で作製したポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを用意し、この樹脂シートを押出方向20cm×幅方向(押出方向の直角方向)20cmのサイズに切り出して金属製の耐圧容器に封入し、この耐圧容器に不活性ガスとして液化二酸化炭素を流入させるとともに、40℃、8.6MPa、24時間の条件で静置して樹脂シートに二酸化炭素を含浸させた。液化二酸化炭素を耐圧容器に流入させる際、液化二酸化炭素を流入させ、続いて直ちに放出の操作を3回繰り返した後、樹脂シートに含浸させる液化二酸化炭素を流入させた。
こうして樹脂シートに二酸化炭素を含浸させたら、耐圧容器の圧力を2MPa/秒の速度で開放して二酸化炭素を含浸させた樹脂シートを耐圧容器から取り出し、直ちにこの樹脂シートを230℃に加熱した金型内にセットして1分間加熱し、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の発泡成形体を製造した。金型は、30cm×30cmの大きさとし、0.7mmの厚さを有する真鍮製のスペーサーを備えたタイプとした。
発泡成形体を製造したら、実施例1と同様の方法により、この発泡成形体の外観を確認し、発泡成形体の発泡倍率、平均気泡径、及び気泡密度を求め、結晶化度、誘電率、及びハンダ耐熱性を測定してその結果を表2に記載した。
〔比較例3〕
先ず、ポリアリーレンエーテルケトン樹脂として実施例2で使用したポリエーテルエーテルケトン樹脂〔ダイセル・エボニック社製、製品名:ベスタキープ 3300G(以下、「3300G」と略す)〕を用意し、実施例1と同様の方法でポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを帯形に成形した。
実施例1では、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを、シリコーンゴム製の一対の圧着ロールと周面に凹凸を備えた130℃の冷却ロールとに狭持させたが、この比較例3では、冷却ロールの温度を215℃に変更してポリエーテルエーテルケトン樹脂シートを作製した。圧着ロールの温度は、非接触式の温度計で測定したところ、216℃であった。こうしてポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートが得られたら、この樹脂シートの厚さ、比重、相対結晶化度、ガラス転移点、及び貯蔵弾性率を評価してその結果を表2に記載した。
次いで、得られたポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを押出方向20cm×幅方向(押出方向の直角方向)20cmのサイズに切り出し、この樹脂シートを金属製の耐圧容器に封入し、この耐圧容器に不活性ガスとして液化二酸化炭素を実施例1と同様の方法で流入させた。
耐圧容器に液化二酸化炭素を流入させたら40℃、8.5MPa、72時間の条件で静置して樹脂シートに二酸化炭素を含浸させた。液化二酸化炭素を耐圧容器に流入させる際、液化二酸化炭素を流入させ、続いて直ちに放出する操作を3回繰り返した後、樹脂シートに含浸させる液化二酸化炭素を流入させ、所定の条件下で静置した。こうして樹脂シートに二酸化炭素を含浸させたら、耐圧容器の圧力を2.0MPa/秒の速度で開放して二酸化炭素を含浸させた樹脂シートを耐圧容器から取り出し、直ちに樹脂シートを190℃に加熱したオイルバス中に3分間浸漬させ、発泡させて発泡成形体を製造した。
発泡成形体を製造したら、実施例1と同様の方法により、この発泡成形体の外観を観察し、発泡成形体の発泡倍率、平均気泡径、及び気泡密度を求め、結晶化度、誘電率、及びハンダ耐熱性を測定してその結果を表2に記載した。
Figure 2022009604000003
〔評 価〕
各実施例におけるポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体は、発泡倍率が1.29倍以上2.38倍以下、平均気泡径が2.0μm以上4.1μm以下、気泡密度が2.3×1010個/cm以上8.0×1010個/cm以下であり、微細な気泡が多数生成された発泡成形体であった。また、発泡成形体の表面には、反り、撓み、うねり、皺や膨れ等による変形は認められず、外観特性に優れていた。
また、各実施例におけるポリアリーレンエーテルケトン樹脂製の発泡成形体は、相対結晶化度が100%であり、260℃のハンダ浴に浸漬しても、発泡成形体に変形が認められず、十分な耐熱性を有していた。さらに、発泡成形体の熱伝導率は0.18W/m・以下、誘電率は2.5以下、粘弾性スペクトロメータで測定した損失正接は0.033以上であり、優れた断熱特性、低誘電特性、音響特性を有していた。
これに対し、比較例1の場合には、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの発泡成形を樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)-60℃〕未満の温度で行ったため、発泡倍率が1.04倍となり、発泡成形後の成形体の断面を走査型顕微鏡で観察した結果、断面には気泡が認められず、発泡成形できなかった。
比較例2の場合には、ポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートの発泡成形を樹脂シートの〔ガラス転移点(Tg)+70℃〕を越える温度で実施した。その結果、発泡成形体は、発泡倍率が2.57倍と十分ではあったが、反り、撓み、うねり、皺や膨れ等が発生して変形していた。
比較例3の場合には、〔ガラス転移点(Tg)-10℃〕以上〔ガラス転移点(Tg)+50℃〕以下の温度範囲中で一旦2×10Pa以下に低下する凹部を有しないポリエーテルエーテルケトン樹脂製の樹脂シートを使用して発泡成形しようとした。その結果、発泡成形後の成形体の比重は、発泡前の樹脂シートの比重と同じで、発泡倍率も1.00であり、発泡成形することができなかった。さらに、発泡成形後の成形体の断面を走査型顕微鏡で観察した結果、断面には気泡が認められなかった。
本発明に係る発泡成形体は、電子機器、医療機器、音響機器、自動車、航空機、建築材料等の製造分野で使用される。
1 成形材料
2 樹脂シート
10 溶融押出成形機
13 Tダイス
17 圧着ロール
18 冷却ロール
19 巻取機
20 巻取管

Claims (5)

  1. ポリアリーレンエーテルケトン樹脂を含有する成形材料からなる発泡成形体であり、
    発泡倍率が1.29倍以上2.38倍以下、平均気泡径が2.0μm以上4.1μm以下、気泡密度が2.3×1010個/cm以上8.0×1010個/cm以下であることを特徴とする発泡成形体。
  2. ポリアリーレンエーテルケトン樹脂を含有する成形材料を用いた溶融押出成形法により押出成形され、不活性ガスが超臨界状態で含浸された厚さ100μm以上800μm以下の樹脂シートである請求項1記載の発泡成形体。
  3. 熱伝導率が0.10W/mK以上0.18W/mK以下、誘電率が1.9以上2.5以下である請求項1又は2記載の発泡成形体。
  4. 粘弾性スペクトロメータで測定した損失正接が0.033以上0.055以下である請求項1、2、又は3記載の発泡成形体。
  5. 成形材料のポリアリーレンエーテルケトン樹脂が、ポリエーテルケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルケトンケトン樹脂、ポリエーテルエーテルケトンケトン樹脂、又はポリエーテルケトンエーテルケトンケトン樹脂である請求項1ないし4のいずれかに記載の発泡成形体。
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