本発明は、種々の変更形態および代替形態が可能であるが、本発明の特定の実施形態は、図面において例として示され、本明細書で詳細に述べられる。しかし、図面および図面に対する詳細な説明は、開示される特定の形態に本発明を制限することを意図するのではなく、逆に、その意図は、添付特許請求の範囲によって規定される本発明の精神および範囲内に入る全ての変更物、等価物、および代替物を包含することである。
一般に、本明細書に記載する実施形態は、照明(例えば、レーザ照明)がウェハ上に入射する、ウェハまたはウェハ上の照明スポットが、ある方式で並進される、散乱光が収集サブシステム(収集対物レンズを含むことができる)によって収集される、収集光学部品において、選択可能な偏光および/または散乱角度特性に基づいて散乱光を分割することができる、散乱光の選択された部分が、1以上のセンサ上に導かれる、センサによって生成される処理出力(例えば、イメージ情報)によって欠陥が検出されることを含むウェハ検査方法およびシステムに関する。
ここで図面を参照すると、図が一定の縮尺に従って描かれていないことが留意される。特に、図の要素の一部の縮尺は、その要素の特性を強調するために著しく誇張される。図が同じ縮尺に従って描かれていないことも留意される。同様に構成されうる2つ以上の図に示す要素は、同じ参照数字を使用して示されている。
一実施形態は、ウェハを検査するように構成されたシステムに関する。検査の速度および/または感度を最適化するために、空間的に不連続な照明プロファイルを使用することができる。例えば、このシステムは、ウェハ上で複数の照明エリアを、エリアのそれぞれの間に照明フラックスが実質的に存在しない状態で同時に形成するように構成された照明サブシステムを含む。こうして、システムは、マルチスポット(「マルチパッチ(multi-patch)」)検査のために構成される。
本明細書に記載する照明サブシステムは全て、おそらくはいくつかの照明光学部品に結合した1以上の光源を含む。例えば、マルチパッチ照明は、3つの方法、すなわち、1つのレーザについて1つのパッチを有する複数のレーザ、1つのレーザからの複数のレーザビーム、および、1以上のレーザのビームを分離する回折光学素子によって生成されうる。1つのこうした例では、照明サブシステムは、特定の入射角度または複数のディスクリートな入射角度の偏光によってウェハを照明する1つのレーザ源(または複数のレーザ源)を含むことができる。検査のための最適照明入射角度は、要因の中でもとりわけ、検査されるウェハタイプおよび検出される関心欠陥に依存する。照明サブシステムは、順次にまたは同時に、ほぼ通常の入射角度および/または45°以上の斜め角度の照明を可能にするように構成することができる。さらに、レーザ源は、パルス状レーザとすることができる。
複数の照明エリアは、実質的にフラットトップのエリア照明、ガウス状エリア照明、非ガウス状エリア照明、任意の他の構造化エリア照明など、ウェハ上で異なる断面形状を有することができる。例えば、複数のフラットトップ照明エリアを、これらのエリアの間に照明フラックスが全くない状態で、ウェハ上に形成することができる。複数の照明エリアを、ウェハの一番上の表面などのウェハの表面上に形成することができる。しかし、複数の照明エリアを、膜を有するウェハ上に、膜積層体内の特定の界面に、またはさらに下部表面に(例えば、ウェハ内に)形成することができる。
一実施形態では、複数の照明エリアのそれぞれは、ウェハ上で長方形形状を有する。例えば、図2に示すように、複数の照明エリア200のそれぞれは、ウェハ202で長方形形状を有することができ、ウェハ進行方向は、矢印204で示す方向とすることができる。図2で示す実施形態では、3つの別個の照明エリア(またはパッチ)が、本明細書にさらに記載するように(例えば、3つの別個のレーザビームまたは回折光学素子によって)ウェハ上に形成される。パッチの交互配置を、現行のマルチスポット検査システムで使用されるのと同様な方法で達成することができる。
レーザエリア検査におけるこの実装態様の1つの利点は、比較的高速のセンサが、実質的に長方形(すなわち、センサの一方の寸法が他の寸法より実質的に長い)である傾向があることが、問題に対する解決策であることである。ウェハ上に実質的に長方形の(例えば、40:1または100:1のアスペクト比の)パッチを形成することは困難である。本明細書に記載する実装態様では、13:1または33:1のアスペクト比の3つのパッチが、それぞれ1つの40:1または100:1のパッチの代理をすることができ、3つの低速センサが、1つのより大きく実質的に細長いセンサの代理をすることができる。一般に、エリア検査モードシステムの場合、1:1と100:1との間の比が考慮されうる。ある実施形態では、複数の照明エリアは、ウェハ上で互いに重なり合わない。例えば、このシステムが「オンザフライ式フラッシュ(flash on the fly)」であるため、パッチは、ウェハ上で重なり合わないように配列されることができ、ステージ(本明細書でさらに述べられる)は、各フラッシュ間で程よい量だけ移動することになる。パッチはまた、より好都合な場合、3×1アレイの代わりに1×3アレイとして投影されうる。「ウェハ上の長方形形状(A rectangular shape on the wafer)」は、その用語が本明細書で使用される場合、実質的に長方形であるが、例えば、任意の光ビームを結像させるという固有の制限のせいで、正確には長方形でない場合がある形状を指す。
一実施形態では、照明サブシステムは、単一の光ビームから生成される複数の光ビームを使用してウェハ上で複数の照明エリアを形成する。例えば、複数の光ビームは、回折光学素子を使用して1つのビームから生成することができる。図1に示す1つのこうした実施形態では、照明サブシステムは、光源100および回折光学素子110を含む。光源および回折光学素子は、光源によって生成される光ビームが回折光学素子に導かれ、回折光学素子が、その単一の光ビームから2つ以上の(例えば、3つの)光ビーム112を生成するように構成される。光源は、本明細書に記載する光源の任意の光源を含むことができ、回折光学素子は、当技術分野で知られている任意の適した回折光学素子を含むことができる。図1に示すように、複数の光ビームを、斜めの入射角度でウェハ114に導くことができる。しかし、複数の光ビームを、本明細書にさらに記載するように、任意の他の適した入射角度でウェハに導くことができる。図1に示す照明サブシステムは、反射光学素子、屈折光学素子、偏光子、アパーチャ、ビーム整形素子、波長フィルタ、および同様なものなどの任意の他の適した光学素子を含むことができる。
別の実施形態では、照明サブシステムは、複数の光源によって生成される複数の光ビームを使用して、ウェハ上に複数の照明エリアを形成する。例えば、図3に示すように、照明サブシステムは、複数の光源300,302,304を含むことができる。光源は、パルス状レーザなどの本明細書に記載する光源の任意の光源を含むことができる。複数の光源のそれぞれは、同じ特性を有する光を生成するように構成された(例えば、複数の光源のそれぞれは、同じ種類およびモデルのレーザとすることができる)。図3に示すように、複数の光源は、複数の光ビーム306を生成することができ、複数の光ビームは、同じ入射角度またはほぼ同じ入射角度でウェハ114に導かれることができる。しかし、複数の光ビームは、異なる角度で注入される3つのレーザビームとすることができる。さらに、複数の光ビームが、斜めの入射角度でウェハに導かれるものとして図3に示されるが、複数の光ビームを、垂直のまたはほぼ垂直の入射角度でウェハに導くことができる。図3に示す照明サブシステムは、上述したような任意の他の適した光学素子を含むことができる。図3に示すシステムを、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
いくつかの実施形態では、照明サブシステムは、周波数変換レーザを含み、照明サブシステムは、光のパルスを使用して複数の照明エリアを同時に形成するようにさらに構成され、ウェハ上のエリアに導かれる光のパルスは、光のパルスの継続時間にわたって空間的に変動せず、光のパルスの継続時間にわたって実質的に一定の強度を有する。例えば、本明細書に記載する照明サブシステムは、エリアモード検査において、空間的なフラットトップ照明および時間的なフラットトップ照明出力を有する周波数変換レーザを使用することができる。エリアモード検査システムは、ウェハの表面上で連続であるガウスまたは「フラットトップ(flat top)」照明プロファイルを利用することが多い。1つのこうした実施形態では、照明サブシステムは、レーザに結合したビーム整形光学素子を含む。例えば、図6に示すように、照明サブシステムは、光源100(この事例ではレーザとすることができる)に結合したビーム整形光学素子600を含むことができる。ビーム整形光学素子は、当技術分野で知られている任意の適したビーム整形光学素子を含むことができる。さらに、ビーム整形光学素子が、1つの光ビームだけの経路内にあるように、図6の1つの光源だけに結合して示されるが、ビーム整形光学素子は、本明細書に記載する照明サブシステムの任意の照明サブシステム内に含まれる光源のそれぞれに結合することができる、または、本明細書に記載するシステムによって使用される照明ビームのそれぞれの経路内に配置することができる。図6の照明サブシステムおよびシステムを、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。フラットトップビームは、レーザの外部の回折光学素子または他のビーム整形光学部品によってだけでなく、レーザ自体の内部で、最適化された非線形周波数変換プロセスの自然の結果として生成することができる。1つのさらなるオプションは、ウェハ損傷の確率をさらに低減するために、ユーザ指定の時間的パルス形状を提供するレーザを利用することである。例えば、最も一般的なパルス状レーザは、ピーク強度が平均強度の2倍を超える時間的にほぼ双曲線セカントパルス形状を示す。しかし、レーザ技術における最近の開発は、いわゆる「フラットトップ」または「ボックスカー(box car)」時間的パルス形状が生成されることを可能にした。これらのパルスのピーク強度は、平均強度と本質的に同じであり、約2倍の改善を、検査スループットにおいて達成することができる。
別の実施形態では、照明サブシステムは、周波数変換レーザを含み、照明サブシステムは、光のパルスを使用して複数の照明エリアを同時に形成するようにさらに構成され、ウェハ上のエリアに導かれる光のパルスは、光のパルスの継続時間にわたって実質的に一定の強度を有する。こうした実施形態は、光のパルスが光のパルスの継続時間にわたって空間的に変動することを許容されることを除いて上述したように構成することができる。
また、本システムは、ウェハ内で複数の照明エリアをスキャンするように構成されたスキャンサブシステムを含む。スキャンサブシステムは、検査中にウェハを所定場所に保持するチャックを含むことができる。例えば、図1に示すように、スキャンサブシステムはチャック116を含むことができる。チャックは、エッジ把持チャック、真空チャック、またはエアベアリングチャックでありうる。1つのチャックは、複数のウェハ径(例えば、300mmおよび450mm)または単一基板径を支持することができる。スキャンサブシステムはまた、チャック116に結合し、ポジショニングサブシステム120に結合したシャフト118を含むことができる。ポジショニングサブシステム120は、シャフト118を回転および/または並進させるように構成されたモータ、ギア、ステージ、および同様なものなどの種々の要素を含むことができる。シャフト118は、シャフトの回転および/または並進が、チャック、それにより、ウェハの回転および/または並進を引起すようにチャック116に結合することができる。
スキャンサブシステムは、スパイラル式に、X−Y式に、または本明細書にさらに記載するように両者のある組合せで、ウェハを並進させることができる。特に、上述したスパイラルスキャンに加えて、X−Y蛇行スキャンおよびRT−XYハイブリッドスキャンが共に、照明光学部品および収集光学部品に対してウェハを並進させるために使用することができる。本明細書に記載するスパイラル運動検査システムは、KLA−Tencor Corporation(カリフォルニア州、ミルピタス所在)から市販されているSP1およびSP2検査システムと類似している。ただし、本明細書に記載するいくつかの顕著な例外がある。例えば、ウェハ上の照明エリアは、かなり大きく、通常、数百ミクロンから最大数ミリメートルにわたって延在し、スピンドル回転レートは、比較的控えめであり、通常、1,000〜5,000rpmを超えず、収集サブシステムは、ほぼ回折制限された性能を有する場合がある。さらに、径が450mmまでの基板およびそれを超える基板は、本明細書に記載するシステムによって検査不能である。
スパイラル検査システムでは、ウェハの中心における回転レートは、所望のオーバラップを有する検査フレームの生成をサポートするのに十分であるべきである。一実施形態では、照明サブシステムは、光のパルスを使用して複数の照明エリアを同時に形成するようにさらに構成され、エリアのそれぞれから散乱される光は、散乱光のパルスを含み、スキャンサブシステムは、ウェハを回転させることによってウェハ内で光のパルスをスキャンするように構成され、光のパルスがウェハの中心領域を横切ってスキャンされるとき、照明サブシステムは、光のパルスが中心領域を外れてウェハ内でスキャンされる場合に比べて頻繁でなくウェハ上の複数の照明エリアに光のパルスを同時に導くように構成される。例えば、回転ステージ上でパルス状レーザおよびエリアセンサを使用する検査の場合、ウェハの中心の近くでは、ウェハの線速度がウェハの中心において半径に比例して減少するため、レーザパルスを、益々頻繁でなくトリガーすることができる。こうして、スキャンは、検査感度を一定に留めながら、エリア/時間の単位でのより遅いレートで進む。レーザの全平均パワーは利用されない。代替的に、被照明エリアは、ウェハの損傷が光源によって誘起されない限り、スキャン中に連続して低減されうる。図7に示す1つのこうした実施形態では、ウェハ114の中心領域700は、ウェハの中心702を包含し、かつ、ウェハのエッジ704から離間する領域とすることができる。中心領域は、例えば、ウェハの内側1/3またはウェハの内側1/4を包含することができる。ウェハの中心領域に含まれるウェハの部分は、例えば、ウェハの回転速度、ウェハの径、レーザのパワー、及び、ウェハが任意の所与の時間に曝露されるパワーに関連する任意の他のパラメータに応じて変動する場合がある。
ある実施形態では、照明サブシステムは、光のパルスを使用して複数の照明エリアを同時に形成するようにさらに構成され、エリアのそれぞれから散乱される光は、散乱光のパルスを含み、スキャンサブシステムは、ウェハを回転させ並進させることによってウェハ内で光のパルスをスキャンするようにさらに構成され、2以上のセンサはエリアセンサを備え、光のパルスがウェハの中心領域を横切ってスキャンされるときに、スキャンサブシステムは、ウェハ内で光のパルスを1以上の非湾曲直線でスキャンし、光のパルスが中心領域を外れてウェハ内でスキャンされる場合、スキャンサブシステムは、ウェハ内で光のパルスをスパイラル式にスキャンする。こうして、本明細書に記載する実施形態は、回転ステージ上でパルス状レーザおよびエリアセンサを用いて、検査中のハイブリッドスキャンのために構成することができる。例えば、ハイブリッドアプローチでは、ウェハのほとんどを、スパイラル式にスキャンすることができる。図8に示す1つのこうした例では、上述したように定義することができる、ウェハの中心領域700を外れたウェハ114の領域800を、スパイラル式802にスキャンすることができる。その後、ウェハの中心領域700を、一連の小さなxy蛇行移動(move)、単一の直線運動、または、直線運動に続く角度回転の組合せによってスキャンすることができる。こうして、中心領域を、直線式804であって、スキャンが、スキャンとスキャンとの間に反対方向への段階的並進によってx方向またはy方向に実施される、直線式804で、または、径方向式806であって、スキャンが、ウェハの段階的な回転と回転との間にウェハの径に沿って実施される、径方向式806でスキャンすることができる。こうして、ウェハの中心におけるウェハのどこかの部分を検査しないこと(スキャンサブシステムまたは光学部品に対するウェハのアライメントが不完全である場合に起こる可能性がある)が回避され、センサからの出力を適切に整列させることは、難題でなくなり、検査スループットが増加しうる。さらに、長方形センサを横切る円形トラックの「スミア形成(smearing)」効果が、光源の反復レートに応じて最小にされうる。
システムは、エリアのそれぞれから2以上のセンサ上に散乱する光を同時かつ別々に結像するように構成された収集サブシステムを含む。一般に、本明細書に記載する収集サブシステムは、ある種類の散乱光コレクタ(例えば、図1に示す散乱光コレクタ122などの収集対物レンズ)おそらくは散乱光コレクタに結合したいくつかのさらなる光学素子(例えば、アパーチャ、スプリッタ、偏光素子、1以上の反射光学素子、および、図1に示す屈折光学素子124などの1以上の屈折光学素子)を含むことができる。同じ収集レンズは、複数のセンサ上のエリアのそれぞれからの散乱光を結像することができる。例えば、図1に示すように、散乱光コレクタ122は、ウェハ上の複数の照明エリアの1つの照明エリアからの散乱光126およびウェハ上の複数の照明エリアの別の照明エリアからの散乱光128を収集することができる。
収集サブシステムは、ウェハから散乱される光を収集するために1以上の対物レンズを含むことができる。比較的高い開口数(numerical aperture)(NA)の対物レンズに加えて、低いNAのまたはさらに非結像の収集光学部品のさらなる集合を、水平線の近くの収集半球内に配設することができる。それにより、これらの角度からの光散乱情報が収集され、主対物レンズを通して検出されないと思われる欠陥および関心特徴部のさらなる取得を可能にすることになる。
収集サブシステムはまた、散乱光を選択的にフィルタリングする種々の要素を含んで、関心欠陥の取得レートを高め、偽アラームレートを低減することができる。種々の要素は、本明細書に記載する光学素子および微小電気機械システム(micro-electro-mechanical system)(MEMS)ベースのデバイスなどの要素を含むことができる。さらに、種々の要素は、偏光子、ビームスプリッタ、アパーチャ、空間フィルタ、および同様なものを含むことができる。
収集サブシステムは、2以上のセンサ(例えば、2つ以上のエリアセンサ)上にフィルタリングされた光を結像するように構成された1以上の光学素子をさらに含むことができる。例えば、図1に示す屈折光学素子124は、図1に示すセンサ130,132上にフィルタリングされた光を結像するように構成することができる。
さらに、収集サブシステムは、好ましくは、ウェハ上の複数の照明エリアのそれぞれからの光が、対応するセンサだけの上で別々に結像されるように構成される。例えば、図2に示すように、複数の照明エリアの第1の照明エリアからの散乱光126のみがセンサ130上に結像される一方、複数の照明エリアの第2の照明エリアからの散乱光128のみがセンサ132上で結像される。こうして、複数の照明エリアの2つ以上の照明エリアからの光が、同じセンサ上で結像されないことになる。
2以上のセンサの特性は、2以上のセンサ間のギャップ内で散乱光が結像しないように選択される。例えば、センサ130,132は、2つのセンサ間のギャップ134内で散乱光126および128が結像しないように、選択し構成することができる。1つのこうした例では、より小さく費用がかからない2つのセンサが、センサ間の「ギャップ(gap)」内で普通なら結像されることになる散乱レーザ光によって感度の望ましくない損失を経験することなく利用されることができる。ディスクリートなセンサ間のギャップは、パッキング制約、支持エレクトロニクスなどのせいで、不可避であることが多い。さらに、2次元センサおよびそれらの固有の制限(例えば、そのデータレート、列レート(column rate)などにおける)によって、光源およびセンサは、必ずしも非常にうまく結合されない場合がある。現在使用されるいくつかのシステムは、これらの制限を克服するために、センサの焦点面アレイを含む。しかし、本明細書に記載する実施形態では、光源の特性および2次元センサの特性は、制限を克服するために整合(match)する。
2以上のセンサは、散乱光に対する出力を生成する。2以上のセンサは、ポイントセンサまたは比較的低い解像度のセンサを含むことができる。2以上のセンサはまた、例えば、ディスクリートな光電子増倍管(photomultiplier tube)(PMT)、電荷結合素子(CCD)、時間遅延積分器(time delay integrator)(TDI)、相補的金属酸化物半導体(CMOS)センサ、科学用CMOS(sCMOS)、PMTアレイ、電子衝撃型CCD(EB−CCD)、電子増倍型CCD(EM−CCD)、増倍型フォトダイオード、またはアバランシェフォトダイオード(APD)アレイを含むことができる。各チャネルおよび/またはセンサは、波長フィルタリング技法を使用することによって、照明波長、ウェハ相互作用によって生成されるさらなる波長、または、両者のある組合せに対するように構成することができる。これは、あるタイプの関心欠陥のより選択的な検出を可能にする。さらに、本明細書に記載するシステムで使用されるセンサは、検査のために使用されるスキャンのタイプおよび/または照明サブシステムに含まれる光源に応じて変動する場合がある。例えば、XYスキャン構成では、高反復レートモードロック式レーザが使用され、ウェハを照明し、それにより、おそらくは、TDIモードでデータを採取するように構成されたセンサによってレーザ誘起ウェハ損傷を回避しうる。
いくつかの事例では、収集サブシステムの要素を、2以上のセンサの1以上の特性に基づいて選択することができる。例えば、いくつかの場合には、収集サブシステムは、1以上のチューブレンズを含むことができ、1以上のチューブレンズのアナモルフィック比は、2以上のセンサのアスペクト比に基づいて選択することができる。さらに、異なるセンサタイプが、システムの異なるチャネルのために使用される場合、各センサがウェハ上の同じエリアを測定することを保証するために、異なるチューブレンズが異なるアナモルフィック倍率を有することができる。
収集サブシステムに含まれる対物レンズは、視野にわたって回折制限された比較的高いNAであるとすることができる。代替的に、非回折制限型対物レンズが使用されうる。例えば、一実施形態では、収集サブシステムは、完全に回折制限されない解像度を有する散乱光コレクタを含む。特に、コレクタの設計および製造は、コスト低減のために、収集チャネル内の、関連する、通常使用されるアパーチャおよび偏光子によって生成される歪有り点広がり関数(distorted point spread function)に適切に整合することができる。対物レンズの解像度についての仕様は、ターゲット欠陥の幾何形状および材料(例えば、シリカ球)、ならびに、基板タイプが与えられる場合に、その欠陥の取得レートを最適化する瞳またはフーリエ平面を予め知ることによって計算されうる。完全に回折制限されることからの解像度要件の減少は、システムユーザにとってかなりのコスト節約をもたらしうる。
また、本明細書に記載するシステムは、自動焦点サブシステム(図示せず)を含むことができる。自動焦点サブシステムは、ウェハ、光源、収集光学部品、および照明光学部品の移動によらず、ウェハの表面がセンサにおいて常に合焦状態にあることを保証することができる。自動焦点サブシステムは、光源(検査のために使用される光源であるかまたは光源でないとすることができる)、センサ、回路、センサに対するウェハイメージの位置を決定するためのロジック(例えば、2次元センサ)、および検査中に注目される任意の偏移を補正するためのフィードバックシステムを含むことができる。自動焦点サブシステムを、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
システムは、2以上のセンサの出力を使用してウェハ上の欠陥を検出するように構成されたコンピュータサブシステムをさらに含む。こうして、コンピュータサブシステムは、センサによって生成される信号または他の出力内の欠陥を検出する手段を提供する。例えば、図1に示すシステムは、2以上のセンサに結合したコンピュータサブシステム136を含むことができ、それにより、コンピュータサブシステムは、2以上のセンサによって生成される出力を受取ることができる。コンピュータサブシステムは、出力ならびに任意の適した欠陥検出アルゴリズムおよび/または方法を使用してウェハ上の欠陥を検出するように構成することができる。例えば、コンピュータサブシステムは、欠陥検出閾値を出力に適用することができ、欠陥検出閾値を超えることが見出される任意の出力を、欠陥または潜在的な欠陥として識別することができる。
コンピュータサブシステムは、当技術分野で知られている任意の適したコンピュータシステムを含むことができる。例えば、コンピュータサブシステム136は、パーソナルコンピュータ、メインフレームコンピュータ、ワークステーション、イメージコンピュータ、並列プロセッサ、または当技術分野で知られている任意の他のデバイスを含む種々の形態をとることができる。一般に、用語「コンピュータサブシステム(computer subsystem)」を、メモリ媒体からの命令を実行する1以上のプロセッサを有する任意のデバイスを包含するように幅広く定義することができる。
散乱光の収集に関して、現在使用されるシステムに優る、本明細書に記載する実施形態の1つの改善は、パーティクルおよび欠陥の検出を高めるための表面散乱の選択的かつ構成可能な収集である。以前に使用された一部のシステムは、パターン散乱の影響を低減し、ポイントパーティクルおよびポイント欠陥からの散乱を高めるために、収集光学部品内で空間フィルタシステムを回転させることを含む。本明細書に記載する実施形態では、フィルタリングは、ウェハが回転している間、照明角度に対して特定の配向でウェハスキャン中に固定であるとすることができる。フィルタは、選択された角度に配列される複数の偏光子および散乱波長に不透明な材料の可動セクションの組合せを使用することによって、収集の、ある立体角(関心欠陥からではなくバックグラウンドからの望ましくない散乱光を含む)を排除する。フィルタリングは、対物レンズのバックフーリエ平面内で実施されるため、照明野内の各ポイントにおける望ましくないバックグラウンドを同時になくすことができる。
複数エリアタイプセンサを、同様に、本明細書に記載する空間フィルタリング技法と連携して使用することができる。例えば、システムは、柔軟性がある収集システムを含むことができ、複数のセンサが、複数の偏光状態および/または散乱の立体角を有する散乱光を検出するように選択的に構成される。各センサは、他のセンサ(存在する場合)が収集しない散乱光を収集するように配設することができる。さらに、各センサは、多素子センサとすることができ、異なる特性を有することができる。例えば、1つのセンサは、増倍型EB−CCDセンサとすることができる。別のセンサは、リレーレンズによってCCDまたはCMOSチップに結合した独立型磁気焦点蛍光輝度増倍管を含むことができる。第3のセンサは、低解像度独立型CCDチップとすることができる。さらなるセンサが、同様に存在する場合がある。各チャネルについてのセンサのタイプおよびサイズは、そのチャネルにおいて予想される散乱バックグラウンド特性ならびにそのチャネルにおける関心欠陥の感度要件に基づいて選択することができる。特定のセンサ上に投影される点広がり関数が、空間フィルタリングによって大きいことが予想される場合、低解像度が好ましい。こうして、動作コストを低減するために、他の雑音源が支配するチャネル内の低コストセンサによってシステムを最適化することができる。
上述したシステム構成を、ここに記載することになるいくつかの異なる実施形態で実装することができる。例えば、一実施形態では、システムは、収集サブシステムの収集NAの異なるセグメントで収集される、エリアのそれぞれから散乱される光を同時かつ別々に分割するように構成された光学素子を含み、2以上のセンサは、異なるセグメントの1つのセグメントを検出するように構成され、システムは、異なるセグメントの別のセグメントを検出するように構成された別の2以上のセンサを含む。1つのこうした実施形態は図4に示され、光学素子400は、散乱光コレクタ122によって収集される光の経路内に配置される。ウェハ上の複数の照明エリアの1つの照明エリアのみからの散乱光126のみが、明確にするために図4に示される。光学素子を、好ましくは、収集サブシステムのフーリエ平面またはフーリエ平面の共役に配置することができる。「フーリエ平面に(at a Fourier plane)」または「フーリエ平面の共役に(at a conjugate of the Fourier plane)」は、まさにフーリエ平面にまたはまさにフーリエ平面の共役にのみでないことを意味するように本明細書で定義される。代わりに、これらの用語は、「フーリエ平面にまたはその近くに(at or near a Fourier plane)」または「フーリエ平面の共役にまたはその近くに(at or near a conjugate of the Fourier plane)」をそれぞれ意味することを意図される。本明細書に記載する光学素子は、フーリエ平面の正確な場所に、または、フーリエ平面の正確な場所の約5%誤差(どんな誤差源であれ、システム内に存在する誤差、および/または、システム内の物理的制約による)以内にある位置に配置される場合、「フーリエ平面にまたはその近くに」あると考えられうる。「フーリエ平面の共役にまたはその近くに」は、同様な方法で記述されうる。
光学素子は、アパーチャ、マスク、アパーチャ付きミラー、液晶ディスプレイ(LCD)素子、またはマイクロミラーアレイなどの種々の光学素子を含むことができる。1つのこうした例では、適したアパーチャは、折り畳みミラーの1つの部分が光を透過し、一方、折り畳みミラーの別の部分が光を反射するように、折り畳みミラーのある部分をカットアウトすることによって形成することができる。別のこうした例では、アパーチャ付きミラーは、透明基板上に金属膜および/または誘電体膜のマスク用皮膜を形成することによって製造されうる。収集NAのセグメント化は、異なる方向に光を屈折させる種々のファセット配向を有するプリズムなどの他のビーム分割光学素子を使用することによって、同様に実現されうる。デジタル光投影器で一般に使用されるようなデジタルマイクロミラーデバイスを含む、収集NAをセグメント化する他の手段もまた可能である。
光学素子(および本明細書に記載する他の光学素子)は、収集NAを異なるセグメントに分離するために使用され、それにより、異なるセグメント内の散乱光が、システムの異なるセンサまたはチャネルに導かれうる。例えば、上述したように、光学素子は、光を反射させる1つの部分および光を透過させる別の部分を有することができる。したがって、光学素子は、収集NAを、2つのセグメントに分離することができ、その1つのセグメントは、反射によって1つのチャネルに導かれ、その別のセグメントは、透過によって別のチャネルに導かれる。
一実施形態では、図4に断面で示すように、光学素子は、収集NAの1つのセグメントに対応する透過部分402,404、ならびに、収集NAの別の異なりかつ互いに排他的なセグメントに対応する反射部分406を含むことができる。反射部分406は、部分406に対応する収集NAのセグメントにおいて実質的に全ての光を反射することができ(すなわち、部分406は、散乱光のほぼ0%透過を有することができる)、一方、部分402,404は、部分402,404に対応する収集NAのセグメントにおいて実質的に全ての光を透過することができる(すなわち、部分402,404は、散乱光のほぼ100%透過を有することができる)。こうして、全収集NAは、2つの互いに排他的な部分に分離されうる。
上述したように、光学素子の異なる部分は、収集NAの異なるセグメントに対応し、散乱光が、光学素子によってその異なるセグメントに分離される。さらに、図4に示すように、部分402,404は、照明サブシステムの入射平面に関して互いに鏡面対称である。さらに、部分402,404は、収集NAの異なるセグメントの1つのセグメントに対応することができる。こうして、異なるセグメントの1つのセグメントは、照明サブシステムの入射平面に関して互いに鏡面対称である2つの個々のセグメント(部分402,404に対応する)を含むことができる。さらに、図4に示すように、部分402,404のそれぞれは、入射平面から離間する。さらに、部分のそれぞれは、部分402に関して述べられる、第1、第2、および第3の面によって画定されうる。特に、部分402は、第1の面402a、第2の面402b、および第3の面402cを含む。第1の面402aは、直線であり、入射平面に関してある角度で配列される。第2の面402bは、直線であり、入射平面に対して実質的に平行であり、第1の面より実質的に短い。さらに、第3の面402cは湾曲する。図4に示すように、部分404もまた、これらの3つの面によって画定される。
図4にさらに示すように、2以上のセンサ(センサ130で示す)は、異なるセグメントの1つのセグメントを検出するように構成され、システムは、異なるセグメントの別のセグメントを検出するように構成された別の2以上のセンサ(センサ408で示す)を含む。センサ408および他の2以上のセンサを、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。さらに、2以上のセンサおよび他の2以上のセンサは、同じタイプのセンサまたは異なるタイプのセンサとすることができる。例えば、2以上のセンサおよび他の2以上のセンサは、センサのそれぞれに導かれると予想される光の量に応じて選択することができる。さらに、本明細書にさらに記載するような光学素子は、他の2以上のセンサに結合することができる。例えば、図4に示すように、屈折光学素子410は、センサ408およびシステムに含まれる他の2以上のセンサの任意のセンサ上に光学素子400によって反射される光を結像するように構成することができる。図4に示すシステムを、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
本明細書に記載するこれらのまた任意の他の実施形態では、各チャネルは、対応するセンサ上の、点広がり関数の、ピクセル単位での異なる形状および範囲で終わることができる。したがって、異常に対する感度を最大にするために、異なるアナログおよび/またはフィルタリング技法を、それぞれの個々のセンサ出力に適用することができる。特に、フーリエ平面アパーチャに基づく点広がり関数の予想される形状は、検査に先だって計算されることができ、次に、適切なフィルタ係数が、検査中に適用されうる。
1つのこうした実施形態では、システムは、2以上のセンサによって検出される異なるセグメントの1つのセグメント、および、他の2以上のセンサによって検出される異なるセグメントの他のセグメントに応じて、光学素子を変更または置換するようにさらに構成される。例えば、システムは、複数の構成可能なチャネルを有するエリアモード検査システム内に柔軟性のあるアパーチャ収集空間を含むことができる。他の検査システムに優る、このエリア検査システムの1つの改善は、パーティクルおよび欠陥の検出を高めるための表面散乱の選択的かつ構成可能な収集である。システムを、任意の適した方法で光学素子を変更または置換するように構成することができる。
別の実施形態では、システムは、収集サブシステムの収集NAの異なるセグメントで収集される、エリアのそれぞれから散乱される光を同時かつ別々に分割するように構成された光学素子を含み、2以上のセンサは、2以上のセンサの1つの部分を使用して異なるセグメントの1つのセグメントを検出し、2以上のセンサの異なる部分を使用して異なるセグメントの別のセグメントを検出するように構成され、2以上のセンサの1つの部分および他の部分は、互いに重なり合わず、かつ、2以上のセンサ上で隣接しない。例えば、システムは、収集空間内の角度によって散乱光を分離し、単一センサ上の2つの別個のパッチ内に光を再結像させるために構成することができる。特に、センサ上のアクティブなピクセルの数を、照明の形状および範囲と連携してまたはそれらと独立にスキャン中またはスキャンの前に制御することができる。特定のセンサ上の素子の全てまたは一部を利用することができる。多数の素子を含む1つのセンサの1つの部分は、立体角の1つの範囲から散乱光を受取ることができ、そのセンサの別の部分は、立体角の別の範囲から散乱光を受取ることができる。例えば、センサが1000×1000の個々の素子を含む場合、1000×500の素子は、40°前方位角と60°前方位角との間で生成される散乱光のイメージを受取ることができる。センサの第2の半分(1000×500)は、120°方位角と160°方位角との間で生成される表面からの散乱光のイメージを受取ることができる。いくつかの場合には、センサ表面上に結像される散乱光の部分は、反転することができ、他の部分は、非反転のままである場合がある。1つのさらなる構成は、各列の両端(例えば、行1と行N)からセンサデータを同時に読出すことであり、それは、一部のセンサにおいて、センサデータレートを効果的に2倍にしうる。
本明細書に記載するシステムの実施形態のそれぞれは、2011年12月7日に出願されたZhao等による国際公開第2012/082501号に記載されるようにさらに構成することができ、同文献は、本明細書中に完全に記載されているかの如く参照により援用される。
さらなる実施形態では、システムは、蛍光輝度増倍管を含むさらなる2以上のセンサを含み、収集サブシステムは、エリアのそれぞれからさらなる2以上のセンサに散乱する光を同時かつ別々に結像するように構成され、さらなる2以上のセンサは、散乱光に対するさらなる出力を生成し、コンピュータサブシステムは、2以上のセンサにおいてセンサ電子雑音が合計チャネル雑音で優勢となる場合、出力の代わりにさらなる出力を使用して、ウェハ上の欠陥を検出するようにさらに構成される。例えば、こうした実施形態は、センサの性能、コスト、および信頼性を最適化するために、上述した1以上の柔軟性のあるアパーチャを含むことができる。1つのこうした実施形態では、図5に示すシステムは、エリアのそれぞれからさらなる2以上のセンサ(センサ502によって図5に示す)に散乱する光を同時かつ別々に結像するように構成された光学素子500を含む。光学素子500はまた、収集サブシステムの全体の収集NAにわたって散乱光のある部分を透過させ、収集サブシステムの全体の収集NAにわたって散乱光のある部分を反射させるように構成されたビームスプリッタを含むことができる。例えば、光学素子500は、単純な70/30ビームスプリッタとすることができる。さらに、上述したように、各チャネルについてのセンサのタイプおよびサイズは、そのチャネルにおいて予想される散乱バックグラウンド特性ならびにそのチャネルにおける関心欠陥の感度要件に基づいて選択することができる。いくつかのこうした場合には、センサ電子雑音が合計チャネル雑音で優勢となる場合、増倍型センサが望ましい場合がある。しかし、センサ読出し雑音以外の別の雑音源が支配するとき、非増倍型センサが好ましい場合がある。例えば、さらなる2以上のセンサ(図5においてセンサ502で示す)はそれぞれ、蛍光輝度増倍管(図5においてセンサ504で示す)を含み、2以上のセンサ(図5においてセンサ130で示す)は、蛍光輝度増倍管を含まないとすることができる。こうした構成を、同様に反転することができ、それにより、2以上のセンサ(図5においてセンサ130で示す)はそれぞれ、蛍光輝度増倍管(図5に示さず)を含み、さらなる2以上のセンサ(図5においてセンサ520で示す)は、蛍光輝度増倍管を含まない。こうして、本明細書に記載する種々の光学素子(例えば、柔軟性のあるアパーチャおよびミラー配置構成)が使用され、光が弱いときに増倍型センサに光を導き、光が強い場合に、他の非増倍型センサに光を導くことができる。特定のセンサ上に投影される点広がり関数が、空間フィルタリングのせいで大きいと予想されるとき、サンプリング理論に従って、より低い総合センサ解像度が許容されうる。例えば、一部のチャネルにおいて、ウェハ上の照明用パッチは、収集光学部品および空間フィルタを通して結像させると、範囲が約2000の点広がり関数とすることができる。他のチャネルにおいて、異なる空間フィルタが収集NAを制限した状態で、ウェハ上の照明用パッチのイメージは、範囲が1000の点広がり関数とすることができる。こうして、システムは、動作コストを低減するために、他の雑音源が支配するチャネル内の低コストセンサによってシステムを最適化することができる。さらに、増倍型センサは、一般に、非増倍型センサに比べて寿命が短いため、この特定の構成は、システムの信頼性の改善も可能にする。図5に示すシステムは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。例えば、図5に示すように、収集サブシステムは、光学素子500からさらなる2以上のセンサへの散乱光を結像するように構成された屈折光学素子506を含むことができる。屈折光学素子506は、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。図5に示すシステムは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
こうした実施形態は、同様にまたは代替的に、最も適切なセンサに散乱光を導くために、上述した1以上の柔軟性のあるアパーチャを含むことができる。例えば、1つのセンサを、かなりの光散乱について最適化することができ、一方、別のセンサを、実質的に低い光散乱について最適化することができる。こうした構成では、比較的低い光散乱について最適化されるセンサ、例えば、蛍光輝度増倍型センサは、かなりの散乱によって損傷される可能性があり、またさらに、比較的大きなバックグラウンドがある状態で最適感度を達成するために必要でない。したがって、スキャンのある部分の間、光学素子は、かなりの光散乱について最適化されたセンサに散乱光の1つの部分を導き、低い光散乱について最適化される異なるセンサに、散乱光の別の異なる部分を導くように構成することができる。異なる例では、光学素子は、システムに含まれる複数のセンサの1つのセンサのみに散乱光の全てを導くように構成することができ、散乱光が導かれるセンサは、スキャン中に変わることができる。
別の実施形態では、システムは、光子計数のために構成されるさらなる2以上のセンサを含み、収集サブシステムは、エリアのそれぞれからさらなる2以上のセンサに散乱する光を同時かつ別々に分割するようにさらに構成され、さらなる2以上のセンサは、散乱光に対するさらなる出力を生成し、コンピュータサブシステムは、さらなる出力を使用してウェハ上の欠陥を検出するようにさらに構成される。例えば、こうした実施形態は、センサの性能、コスト、および信頼性を最適化するために、上述した複数の柔軟性のあるアパーチャを含むことができる。いくつかのこうした場合には、いわゆる光子計数技法を、システムに含まれるセンサの1以上について使用することができる。こうした実施形態は、図4または図5に示すように構成することができ、さらなる2以上のセンサ(センサ408またはセンサ502と蛍光輝度増倍管504の組合せで示す)は、光子計数のために構成されるセンサと置換される。光子計数のために構成されるセンサは、アバランシェフォトダイオードなどの当技術分野で知られている任意の適したこうしたセンサとすることができる。
一実施形態では、システムは、収集サブシステムと2以上のセンサとの間に配置されたMEMSベースの光スイッチングデバイスを含む。例えば、全てのレーザパルスの間で再構成されうる比較的高速のMEMSベースの光スイッチングデバイスが存在する。これらの光スイッチングデバイスの1以上を、収集光学部品内の適した場所に配設することができる。例えば、図4および図5に示す光学素子400,500を、それぞれ、MEMSベースの光スイッチングデバイスによって置換することができる。MEMSベースの光スイッチングデバイスは、当技術分野で知られる任意の適したこうした要素を含むことができる。
1つのこうした実施形態では、システムは、さらなる2以上のセンサを含み、照明サブシステムは、光のパルスを使用して複数の照明エリアを同時に形成するように構成され、エリアのそれぞれから散乱される光は散乱光のパルスを含み、光スイッチングデバイスは、光のパルスの第1の集合によって生成される散乱光のパルスの第1の集合を2以上のセンサに、そして、光のパルスの第1の集合に続いて、光のパルスの第2の集合によって生成される散乱光のパルスの第2の集合をさらなる2以上のセンサに導くように構成される。例えば、図4および図5に示す光学素子400,500が、それぞれ、上述した光スイッチングデバイスによって置換される場合、図4において検出器408でまた図5において検出器502で示すさらなる2以上のセンサを、この実施形態におけるさらなる2以上のセンサのために使用することができる。こうして、収集光学部品内の光スイッチングデバイスは、コストを節約するために、交互のセンサ上に交互のフレームを導くことができる。こうして、比較的高い繰返しレートのレーザが利用可能であるが、特定のセンサタイプのデータレートおよび/またはフレームレートが制限される場合、後続のレーザパルスによって生成される散乱光は、レーザパルスの間でMEMSデバイスを再構成することによって、交互のセンサに導かれうる。例えば、周波数fのパルス状レーザによって生成される散乱光を、周波数fで動作する電気光学的ビームスプリッタに導くことができる。電気光学的ビームスプリッタは、2つのセンサ間で散乱光を交互に比較的高速にスイッチングするために使用することができ、各センサはf/2の有効フレームレートを有する。したがって、センサが、制限された読出しレートを有し、システムが、コスト、パッケージング、または他の理由で、2以上のセンサが並んで設置されることを可能にしない場合、あるタイプの光スイッチング素子が、時間の関数として異なるセンサ上に光を導くことによって、データレートが倍増される(例えば、2倍になる、3倍になるなど)ことを可能にしうる。個々のセンサコンポーネントの制限が克服されうる。こうした実施形態は、約2kHz〜約40kHz(光スイッチの使用を可能にするのに十分に低い)の繰返しレートを有するQスイッチ式レーザに関して特にうまく働く。
別のこうした実施形態では、照明サブシステムは、光のパルスを使用して複数の照明エリアを同時に形成するように構成され、エリアのそれぞれから散乱される光は、散乱光のパルスを含み、光スイッチングデバイスは、収集サブシステムの収集NAの異なるセグメントで収集される、エリアのそれぞれからの散乱光のパルスを同時かつ別々に分割するように構成され、光スイッチングデバイスは、光のパルスの第1の集合によって生成される散乱光のパルスの第1の集合の異なるセグメントの1つのセグメントのみを2以上のセンサに導き、次に、光のパルスの第1の集合に続いて、光のパルスの第2の集合によって生成される散乱光のパルスの第2の集合の異なるセグメントの別のセグメントのみ2以上のセンサに導くように構成される。例えば、1つのセンサは、後続のレーザスポット上の散乱光半球の異なるセクションを受取り処理しうる。MEMSデバイスは、散乱光の特定の束を空間的に選択し、センサに導くように構成されることになる。特に、MEMSデバイスを、上述した光学素子400のように機能するように構成することができる。結像対物レンズの視野サイズは、この構成によって、少なくとも2倍だけ減少されることができ、そのことは、スイッチングデバイスの余分な費用を考慮した後でさえも、かなりのコスト節約を可能にする。
いくつかの実施形態では、照明サブシステムは、光のパルスを使用して複数の照明エリアを同時に形成するように構成され、エリアのそれぞれから散乱される光は、散乱光のパルスを含み、2以上のセンサは、光のパルスに対して時間的に同期して、所定到達時間を有する散乱光のパルスのみを検出する。1つのこうした実施形態では、所定到達時間を有する散乱光のパルスは、蛍光または光ルミネセンスを含む。例えば、本明細書に記載する実施形態は、蛍光などを探すために、カメラシャッタ同期を利用することができる。特に、各チャネルおよび/またはセンサは、レーザパルスに対して時間的に同期して、特定の到達時間を有する光子のみを取得することができる。こうして、蛍光または光ルミネセンスなどの時間依存効果を、古典的な手段によって生成される散乱光と無関係に観察することができ、それにより、関心表面および/または関心欠陥に関するさらなる情報が提供される。
光のパルスを使用して複数の照明エリアが形成される別の実施形態では、センサ採取およびスキャンサブシステムの回転および/または並進レートが、「オンザフライ式フラッシュ(flash on the fly)」に従って、このパルス周波数に同期することができる(または、逆も同様である)。後続のレーザパルス間のある程度の空間的オーバラップが、先に述べたように望ましい。
散乱光が、検査システムの2つ以上のチャネルの間で分割される実施形態の任意の実施形態では、各チャネルは、チャネルのフーリエ平面とセンサとの間に配置された別個のアナモルフィック光学素子を含むことができる。チャネルのそれぞれのチャネル内の別個のアナモルフィック光学素子は、異なり、チャネルが検出するために使用される散乱光(例えば、散乱光のセグメント)の特性に依存するとすることができる。
上述した実施形態のそれぞれは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
別の実施形態は、ウェハを検査するように構成された別のシステムに関する。このシステムは、ウェハ上の実質的に同じエリアに複数の光ビームを導くように構成された照明サブシステムを含む。複数の光ビームは、実質的に同じ波長特性および偏光特性を有する。例えば、同じ波長特性および偏光特性の2つ以上の光ビームは、無損失で結合することができないが、2つ以上の光ビームは、(図9に示す折り畳みミラーを使用して)互いに平行にされうる。いくつかの実施形態では、複数の光ビームはレーザビームである。こうして、照明サブシステムは、複数のレーザビーム構成を有することができる。別の実施形態では、複数の光ビームは、照明サブシステムの単一レーザのみによって生成される。例えば、エリアモードのために使用される複数の照明ビームは、単一レーザ内で生成することができる。一部のレーザは、周波数変換結晶を有し、その寿命は、結晶上に入射するスポットの強度によって制限されうる。複数の同時の入射スポットによって、結晶の寿命を延長することができる。図9に示す1つのこうした実施形態では、照明サブシステムは、レーザであるとすることができる単一光源900のみを含むことができる。レーザは、本明細書に記載するレーザまたは当技術分野で知られている任意の他の適したレーザの任意のレーザを含むことができる。
光源からの光を、照明サブシステムのビームスプリッタ902に導くことができ、ビームスプリッタ902は、光源からの光ビームを、第1の光ビーム904と別の光ビームに分割するように構成される。照明サブシステムはまた、ビームスプリッタ906を含むことができ、ビームスプリッタ906は、ビームスプリッタ902からの光ビームを第2の光ビーム908と別の光ビームに分割するように構成される。ビームスプリッタ902,906は、当技術分野で知られている任意の適したビームスプリッタを含むことができる。照明サブシステムはまた、反射光学素子910を含むことができ、反射光学素子910は、ビームスプリッタ906からの光ビームを第3の光ビーム911として、照明サブシステムの屈折光学素子912に反射するように構成される。照明サブシステムはまた、第1の光ビームの経路内に配置された反射光学素子914および第2の光ビームの経路内に配置された反射光学素子916を含むことができる。反射光学素子914および916は、第1および第2の光ビームを屈折光学素子912にそれぞれ導くように構成され、それにより、第1、第23、および第3の光ビームは、屈折光学素子912に入射するとき、実質的に互いに平行になる。こうして、光ビームのそれぞれの経路内配置された反射光学素子は、光ビームのそれぞれが屈折光学素子に導かれる角度を制御することができ、屈折光学素子は、光ビームのそれぞれがウェハに導かれる角度を制御する。反射光学素子910,914,916は、当技術分野で知られている任意の適した反射光学素子を含むことができ、屈折光学素子912は、当技術分野で知られている任意の適した屈折光学素子を含むことができる。図9に示すシステムは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
別の実施形態では、光源900、ビームスプリッタ902,906、ならびに反射光学素子910,914,916を、複数の(例えば、3つの)ビームがそこから発するレーザなどの単一光源と置換することができる。光源から発する複数のビームを、実質的に同じ角度で屈折光学素子912に導き、次に、屈折光学素子によってウェハに導くことができる。こうした実施形態は、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
2つ以上の(例えば、3つの)光ビームは、互いに平行になるように配列される場合、ウェハ上の同じ場所にレンズ(例えば、屈折光学素子912)によって合焦されうる。こうした構成は、100μm以上のウェハ上のスポットサイズを可能にする。例えば、いくつかのこうした実施形態では、照明サブシステムは、ウェハ上に複数のビームを導くように構成されたレンズ(例えば、屈折光学素子912)を含むことができ、レンズは、約0.1以上のNAを有しうるため、いくつかの比較的低いNAの入力ビームを同時に合焦させうる。1つのこうした例では、266nmレーザを含む照明サブシステムの場合、約100μm〜約1mmのスポットサイズは、スポットを形成するために、0.01未満のNAのみを必要とする。レンズのNAが比較的低いため、全てのビームが、ウェハ上の同じパッチをほぼ同じサイズで照明しうる。対照的に、約1μmスポットの場合、レンズNAは、0.5以上である必要があることになるため、単一レンズが、同じ波長の複数のビームを注入することができない。一般に、任意の数のビームまたは光源が、本明細書に記載する照明サブシステムによって使用されることができる。
一実施形態では、複数の光ビームは、実質的に同じ極角度および異なる方位角度でウェハ上の実質的に同じエリアに導かれる。こうして、複数の光ビーム(例えば、レーザビーム)は、ほぼ同じ入射角度でウェハを照明することができる。例えば、1つのレーザビームは、55°の極角度と0°の方位角度で入射し、第2のレーザビームは、55°の極角度と2°の方位角度で入射することができる。ほぼ同じ入射角度および偏光のベクトルを使用することができ、それにより、各光ビームによって生成される散乱光は、同じ特性および偏光状態を有し、それにより、収集サブシステムで効果的にフィルタリングされる。同一の波長の光ビームを、厳密に同じ角度で結合し注入することはできないが、互いの5°以内の注入は、可能であり、感度が低下しないようにほぼ同じ表面散乱特性をもたらすことになる。別の例では、中心ビームが、約X°の極角度でウェハ上に入射する場合、2つの他のビームは、例えば、約X−2°の極角度と約X+2°の極角度でウェハ上に入射することができ、ビームのそれぞれからの結果として得られる表面散乱に実質的にほとんど差が存在しないことになる。
別の実施形態では、複数の光ビームは、ウェハ上の実質的に同じエリアに同時に導かれる。例えば、複数の光ビームが実質的に同じ波長と偏光特性を有する場合、上述したように、複数の光ビームは、単一光源からの光を、わずかに異なる方位角度および/または極角度でウェハに導かれる複数の光ビームに分割することによって、または、わずかに異なる方位角度および/または極角度でウェハに導かれる複数の光ビームを生成する複数の光源を使用することによって、ウェハ上の実質的に同じエリアに同時に導かれうる。同じ波長と偏光特性を有する複数の光ビームをウェハに同時に導くことは、本明細書にさらに記載するようにいくつかの利点を有する。
別の実施形態では、複数の光ビームは、エリア照明モードでウェハ上の実質的に同じエリアを照明する。例えば、照明サブシステムは、エリアモード用の複数の照明ビーム構成を有することができる。いくつかの実施形態では、ウェハ上の実質的に同じエリアは、50ミクロンより大きい横寸法を有する。例えば、図10に示すように、複数の光ビーム904、908、および911を、屈折光学素子912によってウェハ114上の実質的に同じエリア1000に導くことができる。実質的に同じエリア1000の最も短い寸法である横寸法1002は、50ミクロンより大きいとすることができる。さらに、実質的に同じエリア1000は、図10に示すようにウェハ上で楕円形状を有することができるが、実質的に同じエリアは、本明細書にさらに記載するようにウェハ上で任意の他の形状(例えば、長方形)を有することができる。
別の実施形態では、複数の光ビームはパルス状光ビームであり、照明サブシステムは、複数の光ビームの1つの光ビームを、ウェハ上の実質的に同じエリアに、照明サブシステムによって実質的に同じエリアに導かれる複数の光ビームの別の光ビームより遅れて導くように構成され、それにより、パルス状光ビームは、パルス状光ビームのそれぞれより長い継続時間を有する光の1つの連続パルスとして実質的に同じエリアを照明する。さらなる実施形態では、複数の光ビームはパルス状光ビームであり、照明サブシステムは、複数の光ビームの1つの光ビームを、ウェハ上の実質的に同じエリアに、照明サブシステムによって実質的に同じエリアに導かれる複数の光ビームの別の光ビームより遅れて導くように構成され、それにより、複数の光ビームによってウェハ上に入射するピークパルスパワーは、複数の光ビームがウェハ上の実質的に同じエリアに同時に導かれた場合に比べて小さい。こうして、これらの実施形態は、単一の光ビームと比較してパルス継続時間を効果的に伸長することができるという利点を有する。エリアモード用の複数照明ビーム構成では、パルス継続時間が伸長され、ウェハ上に入射するピークパルスパワーを低減し、それにより、ウェハを損傷する確率を低減する場合がある。1つの特定の例では、レーザまたは光源のそれぞれが、約2kHzと50kHzとの間の繰返しレートおよび約10nsと200nsとの間のパルス継続時間を有するパルス状光源であると仮定すると、パルスが全てウェハ上に同時に入射する場合、エネルギー密度は実質的に高いことになる。しかし、ウェハが、パルス継続時間と比較して実質的にゆっくり移動するため、パルスは、時間的に広がり、依然として基本的に同じエリアを曝露させうる。例えば、第1のパルスは時間t0でウェハに入射し、第2のパルスは時間t0+t1でウェハに入射し、第3のパルスは時間t0+2×t1でウェハに入射することができる。したがって、第1のパルスと最後のパルスとの間の時間間隔(例えば、上記例ではt0+2×t1)内で、ウェハが、センサを基準として2以上のセンサピクセルにわたって移動していない限り、総合信号対雑音比は、パルスが全てウェハ上に同時に入射する場合とほぼ同じであるが、ウェハ上に入射するピークパワー密度は、ウェハを損傷しないように低減されることになる。
別の実施形態では、複数の光ビームは、照明サブシステムの複数のレーザによって生成される。例えば、エリアモードのために使用される複数の照明ビームを、複数のレーザから生成することができる。図12に示す1つのこうした実施形態では、照明サブシステムは、光ビーム1206,1208,1210をそれぞれ生成するように構成されたレーザ1200,1201,1204を含むことができる。レーザ1200,1201,1204は、同一のレーザ(すなわち、同じ種類およびモデルを有するレーザ)とすることができる。代替的に、レーザ1200,1201,1204は、他の光ビームのそれぞれと同じ波長と偏光特性を有する光ビームを生成する異なるレーザ(すなわち、異なる種類および/またはモデルを有するレーザ)とすることができる。図12に示すように、光ビームのそれぞれを、上述したように構成することができる単一屈折光学素子(例えば、屈折光学素子912)によってウェハ114に導くことができる。図12に示す光ビームを、本明細書にさらに記載するように(例えば、同時にまたは順次に)ウェハに導くことができる。さらに、図12に示すシステムは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
いくつかの実施形態では、複数の光ビームは、照明サブシステムの光源によって生成される1つの光ビーム、および、ウェハ上の実質的に同じエリアから反射される光を収集し、収集される反射光を、ウェハ上の実質的に同じエリアに戻るように導くことによって形成される別の光ビームを含む。こうした実施形態は、複数の光ビームを生成するために複数の光源を使用するのと機能が同じであるとすることができる。例えば、エリアモードのために使用される複数の照明ビームは、同じ光ビームの複数のパスを再循環させることによって(ウェハからの反射光ビームを収集し、光ビームをウェハに戻るように導くことによって)生成することができる。こうして、第1のパスからの反射光は、収集され、ウェハの実質的に同じ場所に入射する第2のビームになるよう再形成されることができる。複数パスの光ビームオプションでは、それぞれの後続の照明パスについて利用可能なパワーは、表面反射および光学効率(optics efficiency)を再循環させることによって減少することになるが、効果的な照明パワーは、50%以上の因数で高められうる。一般に、これらのマルチビーム技法が、本明細書に記載するシステムと対照的にラインまたはスポット検査システム上への実装にとって難題であることに留意されたい。1つの代替の照明オプションは、欠陥のより効率的な検出を可能にするために異なる波長の複数のレーザビームを使用することである。
1つのこうした実施形態では、図13に示すように、複数の光ビームは、照明サブシステムの光源(図13には示さず)によって生成される光ビーム1300を含むことができる。光ビーム1300を、本明細書に記載する光源の任意の光源によって生成することができる。図13に示すように、光ビーム1300は、(例えば、屈折光学素子912に関して)本明細書にさらに記載するように構成することができる屈折光学素子1302によってウェハ114に導かれる。ウェハ上の実質的に同じエリアから鏡面反射される光1304は、照明サブシステムの反射光学素子1306によって収集され、反射光学素子1306は、収集される反射光ビームをビーム再形成光学部品1308に導く。反射光学素子1306は、任意の適した反射光学素子を含むことができ、ビーム再形成光学部品1308は、任意の適したビーム形成素子(例えば、アナモルフィック光学素子、視野絞り、空間フィルタ、偏光フィルタ、および同様なもの)を含むことができる。ビーム再形成光学部品1308は、収集される反射光ビームを反射光学素子1310に導き、反射光学素子1310は、収集される反射光を光ビーム1312として、ウェハ上の実質的に同じエリアに戻るように導く。例えば、図13に示すように、ウェハ114から鏡面反射される光1314は、反射光学素子1306によって収集されることができ、反射光学素子1306は、収集される反射光ビームをビーム再形成光学部品1308に導く。ビーム再形成光学部品1308は、この収集される反射光を光ビーム1316として、ウェハ上の実質的に同じエリアに戻るように導く。図13に示す照明サブシステムの部分は、本明細書で述べられ示されるシステムの実施形態の任意の実施形態に含まれることができる。
一実施形態では、照明サブシステムは、周波数変換レーザを含み、複数の光ビームは光のパルスを含み、ウェハ上の実質的に同じエリアに導かれる光のパルスは、光のパルスの継続時間にわたって空間的に変動せず、光のパルスの継続時間にわたって実質的に一定の強度を有する。1つのこうした実施形態では、照明サブシステムは、レーザに結合したビーム整形光学素子を含む。別の実施形態では、照明サブシステムは、周波数変換レーザを含み、複数の光ビームは光のパルスを含み、ウェハ上の実質的に同じエリアに導かれる光のパルスは、光のパルスの継続時間にわたって実質的に一定の強度を有する。こうした実施形態は、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
また、本システムは、ウェハ内で複数の光ビームをスキャンするように構成されたスキャンサブシステムを含む。スキャンサブシステムは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。さらに、システムは、ウェハ上の実質的に同じエリアから散乱される光をセンサに結像するように構成された収集サブシステムを含む。センサは、散乱光に対する出力を生成する。収集サブシステムおよびセンサは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
収集光学部品内のズームレンズ群は、必要とされる検査の速度および/または検査の感度に応じて、ウェハ上の異なるサイズのエリアが同じ1つのセンサ(または複数のセンサ)上に結像されることを可能にする。比較的高速の(1時間あたりより多くのウェハの)検査が所望されるとき、ウェハの大きなエリア(例えば2mm×2mm)が、一定サイズの1つのセンサ(または複数のセンサ)上に結像される。高い感度の(通常、低速の)検査が所望されるとき、拡大要素が収集光学部品の経路に挿入されるかまたは移動された後に、より小さなエリアがセンサ上に結像される。速度または感度のこの変化は、一般に、検査中と検査前の両方で実施されうる。照明スポットのエリアは、適切な領域を曝露するために同時に増加される。照明スポットの強度は、照明スポットエリアが変化するときに、好ましくは同じままであるが、レーザ誘起損傷が回避されうる範囲で、検査感度を改善するために増加されることができる(先に述べた複数ビーム技法は、レーザ誘起損傷の確率を低減しうる)。代替的に、収集光学部品のより小さなズーム倍率を、より大きな照明エリアと連携して使用することができ、ウェハの大きな部分をイメージングするために、さらなるセンサが使用されて、それにより、検査感度を維持しながら検査速度が改善される。
一実施形態では、収集サブシステムは、完全には回折制限されない解像度を有する散乱光コレクタを含む。こうした実施形態は、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
いくつかの実施形態では、照明サブシステムは、ウェハ上の実質的に同じエリアに導かれる複数の光ビームを時間の関数として変動させるように構成され、収集サブシステムは、ウェハ上の複数のエリアからセンサに散乱する光を結像するように構成され、センサおよび照明サブシステムの光源は、互いに同期してゲート制御される。こうして、システムは、エリアモードにおける時間領域マルチスポット検査のために構成することができる。例えば、照明プロファイルは、上述したように位置の関数として変動するのみならず、時間の関数としても変動することができる。ウェハの異なる部分からの散乱光は、同じセンサによって受取られることができ、また、スループット、欠陥取得を改善するかまたは表面のダメージの確率を低減するために、照明およびセンサを共にゲート制御すること(本発明者等は、時間領域マルチスポットと呼ぶであろう)が有利である場合がある。時間的に異なる照明プロファイルが、異なる方位角度および/または極角度からウェハ上に入射するレーザまたはレーザビームによって生成されうる。2つの異なる光学構成を用いて同じウェハを2回検査することに比べて、時間領域マルチスポット検査の1つの実質的な利点は、各ウェハを検査することに関連する一定時間のオーバヘッドである。例えば、ローディング、アンローディング、位置合わせ、加速、および減速が1回適用されるだけであり、それにより、総合スループットが増加する。
1つのこうした実施形態では、複数の光ビームは、異なる方位角度、異なる極角度、または異なる方位角度と極角度でウェハ上の実質的に同じエリアに導かれる。例えば、上述したように、複数の光ビームを、異なる方位角度と同じ極角度でウェハ上の実質的に同じエリアに同時に導くことができるが、複数の光ビームがウェハに導かれる方位角度および極角度は共に、(例えば、図9に示す反射光学素子または図12に示す複数の光源の位置を変更することによって)経時的に変動しうる。
別のこうした実施形態では、照明サブシステムは、複数の光ビームの波長特性および偏光特性を変更するように構成され、時間の関数としてウェハ上の実質的に同じエリアに導かれる複数の光ビームは、互いに異なる波長特性、互いに異なる偏光特性、または、互いに異なる波長特性と偏光特性を有する。例えば、上述したように、複数の光ビームが同じ波長特性および偏光特性を有することができるが、複数の光ビームの波長特性および偏光特性は共に、(例えば、(例えば、偏光子の回転による)時間依存偏光特性を有する1以上の偏光子を使用して、および/または、時間依存波長特性を有する1以上の波長フィルタを使用して)経時的に変動しうる。
一実施形態では、複数の光ビームは光のパルスを含み、散乱光は散乱光のパルスを含み、センサは、光のパルスに対して時間的に同期して、所定到達時間を有する散乱光のパルスのみを検出する。1つのこうした実施形態では、所定到達時間を有する散乱光のパルスは、蛍光または光ルミネセンスを含む。こうした実施形態は、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
システムは、センサの出力を使用してウェハ上の欠陥を検出するように構成されたコンピュータサブシステムをさらに含む。コンピュータサブシステムは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
全表面の散乱強度が、収集される光散乱チャネルの1以上において所定の値を超える基板の場合、これらのチャネルに関連する特定のセンサの光減衰あるいは光利得または電子利得は、検査の前に調整され、検査感度またはダイナミックレンジを最大にすることができる。
一実施形態では、複数の光ビームはパルス状光ビームであり、照明サブシステムは、複数の光ビームの第1の光ビームを、ウェハ上の実質的に同じエリアに、照明サブシステムによって実質的に同じエリアに導かれる複数の光ビームの第2の光ビームより時間的に早く導くようにさらに構成され、複数の光ビームの第1の光ビームおよび第2の光ビームはウェハ上で互いに異なる形状およびサイズを有し、コンピュータサブシステムは、複数の光ビームの第1の光ビームによる照明に起因する実質的に同じエリアからの散乱光に対する出力を使用して、複数の光ビームの第2の光ビームが、実質的に同じエリアに導かれるべきかどうかを判定するようにさらに構成される。こうした実施形態は、先行ビーム(例えば、第1の複数の光ビーム)が、ウェハ上の比較的大きなパーティクルを検知するために使用され、それにより、主検査ビーム(例えば、第2の複数の光ビーム)によって比較的大きなパーティクルを照明することによって引起されうるウェハに対する損傷を防止することができるため、有利である場合がある。さらに、先行ビームが、ウェハ上のヘイズ(haze)が高くなり過ぎているかどうかを検出するために使用され、それにより、センサの損傷閾値またはセンサの使用可能なダイナミックレンジを超えうるヘイズによる光散乱によって引起されうるセンサに対する損傷を防止することができる。図11は、主検査ビームによって照明されるスポット1104に先行するウェハ1102上の副ビーム照明スポット1100の一例を示す。副ビームの比較的細長いスポットは、光学部品の視野を著しく増加させないという利点を有する。図11に示すように、2つのビームは、ウェハ上で、時間的にかつ空間的に著しく異なるプロファイルを有することができる。ウェハ上でのスポットの移動方向は矢印1106で示される。本明細書にさらに記載するように、検査ビームの照明エリアから散乱される光は、複数のセンサ上に結合することができ、検査ビームのために使用される照明は、パルス状照明とすることができる。副ビームからの散乱光に応じて、コンピュータサブシステムは、検査ビームのために使用されることになるパルスを発しないための光源に対する信号であるトリガーを生成することができる。
複数の光ビームの第1の光ビームおよび第2の光ビームによる照明に起因する実質的に同じエリアからの散乱光は、同じセンサによって検出することができる。しかし、複数の光ビームの第1の光ビームおよび第2の光ビームによる照明に起因する実質的に同じエリアからの散乱光は、異なるセンサによって検出することができる。この場合、上述したセンサは、複数の光ビームの第2の光ビームによる照明に起因する実質的に同じエリアからの散乱光を検出するために使用され、別のセンサは、複数の光ビームの第1の光ビームによる照明に起因する実質的に同じエリアからの散乱光を検出するために使用されることになる。他のセンサは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
こうして、検査のために使用されるシステムの要素(またはシステムに含まれるさらなる光学サブシステム)は、比較的大きな欠陥または他の光散乱事象を、これらの事象からの散乱光がエリア検査センサ上に入射する前に、検出するように構成することができる。例えば、かなりの量の散乱光が、イメージセンサを飽和させるまたは損傷するあるいは散乱を定量的に測定するセンサの能力を超える場合がある。散乱エリアの検査の前に入射強度を減少させることが好ましい。システム(またはさらなる光学サブシステム)は、主検査スポットおよび対応するセンサエリアに先行してウェハをスキャンし、かなりの散乱光が検出される場合、制御信号が、表面のそのエリアに入射するパワーを低減する(例えば、なくす)。代替的に、散乱光の減衰が、収集サブシステムに付加されることができる、または、センサまたは増倍型素子の光利得または電子利得が、(例えば、電気光学シャッタを使用して)時間的に調整されることができる。
1つのこうした実施形態では、照明サブシステムは、Qスイッチ式レーザを含み、コンピュータサブシステムは、複数の光ビームの第2の光ビームが実質的に同じエリアに導かれるべきでないと判定する場合、複数の光ビームの第2の光ビームが実質的に同じエリアを照明することを防止する。例えば、上述したように、副ビームからの散乱光に応じて、コンピュータサブシステムは、検査ビームのために使用されることになるパルスを発しないためのQスイッチ式レーザに対する信号であるトリガーを生成することができる。しかし、コンピュータサブシステムは、Qスイッチ式レーザを制御することなく、複数の光ビームの第2の光ビームが実質的に同じエリアを照明することを防止することができる。例えば、コンピュータサブシステムは、Qスイッチ式レーザに結合した比較的高速な電気光学シャッタなどの光学素子を制御し、それにより、光学素子は、Qスイッチ式レーザによって生成されるパルスが実質的に同じエリアを照明することを防止する。さらに、上述した実施形態は、CWレーザまたはモードロック式レーザなどの他のパルス状光源によって実装することができる。
別の実施形態では、複数の光ビームはパルス状光ビームであり、照明サブシステムは、複数の光ビームの第1の光ビームを、ウェハ上の実質的に同じエリアに、照明サブシステムによって実質的に同じエリアに導かれる複数の光ビームの第2の光ビームより時間的に早く導くように構成され、複数の光ビームの第1の光ビームおよび第2の光ビームはウェハ上で互いに異なる形状およびサイズを有し、コンピュータサブシステムは、複数の光ビームの第1の光ビームによる照明に起因する実質的に同じエリアからの散乱光に対する出力を使用して、実質的に同じエリアに導かれるべき複数の光ビームの第2の光ビームのパワーを決定するように構成される。コンピュータサブシステムによって決定される複数の光ビームの第2の光ビームのパワーは、第2の光ビームのゼロパワー、フルパワー、またはある部分的パワーとすることができる。例えば、第1の光ビームによる散乱光がウェハ上で比較的大きなパーティクルを示す場合、コンピュータサブシステムは、第2の光ビームのフルパワーによる加熱に起因してパーティクルが分解することを防止するために、第2の光ビームがゼロパワーまたは部分的パワーでウェハに導かれるべきであると判定することができる。代替的に、第1の光ビームによる散乱光が、比較的大きなパーティクルが全くウェハ上に存在しないことを示す場合、コンピュータサブシステムは、比較的小さなパーティクルの検出を可能にするために、第2の光ビームがフルパワーでウェハに導かれるべきであると判定することができる。こうした実施形態は、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
1つのこうした実施形態では、照明サブシステムは、Qスイッチ式レーザを含み、コンピュータサブシステムは、決定されたパワーに基づいてQスイッチ式レーザのパワーを減衰させる。例えば、コンピュータサブシステムは、任意の適した方法でQスイッチ式レーザに結合し、それにより、コンピュータサブシステムは、コンピュータサブシステムによって決定されるパワーに整合するようにレーザのパワーを制御しうる。
1つのこうした実施形態では、コンピュータサブシステムは、実質的に同じエリアに実際に導かれる複数の光ビームの第2の光ビームのパワーを監視し、実質的に同じエリアに導かれるパワーに基づいてシステムの1以上のパラメータを変更して、実質的に同じエリアに実際に導かれる複数の光ビームの第2の光ビームのパワーを正規化するように構成される。こうして、ソフトウェアおよびハードウェアを、パルスごとのレーザエネルギーの変動の正規化のために使用することができる。こうした実施形態は、Qスイッチ式レーザのパルスごとのレーザエネルギーの変動が重要でなくはないとすることができるため、有利である。
本明細書に記載するシステムは、実質的に同じエリアに導かれる光ビームのパワーを減衰させることによってレーザパルスエネルギーの変化についてシステムを正規化することができるが、本明細書に記載するシステムは、同様にまたは代替的に、レーザパルスのエネルギーを検出し、検出されたエネルギーに基づいてセンサの利得を正規化する、かつ/または、コンピュータサブシステムを使用してセンサによって生成される出力を正規化することによって、レーザパルスエネルギー変化についてシステムを正規化することができる。
一実施形態では、システムは、収集サブシステムの収集NAの異なるセグメントで収集される散乱光を分離するように構成された光学素子を含み、センサは、異なるセグメントの1つのセグメントを検出するように構成され、システムは、異なるセグメントの別のセグメントを検出するように構成された別のセンサを含む。1つのこうした実施形態では、システムは、センサによって検出される異なるセグメントの1つのセグメントおよび他のセンサによって検出される異なるセグメントの他のセグメントに応じて、光学素子を変更または置換するように構成される。こうした実施形態は、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
別の実施形態では、収集サブシステムの収集NAの異なるセグメントで収集される散乱光を分離するように構成された光学素子を含み、センサは、センサの1つの部分を使用して異なるセグメントの1つのセグメントを検出し、センサの異なる部分を使用して異なるセグメントの別のセグメントを検出するように構成され、センサの1つの部分および他の部分は、互いに重なり合わず、センサ上で隣接しない。こうした実施形態は、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
いくつかの実施形態では、システムは、蛍光輝度増倍管を含むさらなるセンサを含み、収集サブシステムは、ウェハ上の実質的に同じエリアからさらなるセンサに散乱する光を結像するように構成され、さらなるセンサは、散乱光に対するさらなる出力を生成し、コンピュータサブシステムは、センサにおいてセンサ電子雑音が合計チャネル雑音で優勢となる場合、出力の代わりにさらなる出力を使用して、ウェハ上の欠陥を検出するように構成される。こうした実施形態は、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
別の実施形態では、システムは、光子計数のために構成されるさらなるセンサを含み、収集サブシステムは、ウェハ上の実質的に同じエリアからさらなるセンサに散乱する光を結像するように構成され、さらなるセンサは、散乱光に対するさらなる出力を生成し、コンピュータサブシステムは、さらなる出力を使用して、ウェハ上の欠陥を検出するように構成される。こうした実施形態は、本明細書にさらに記載するように構成することができる。
一実施形態では、システムは、収集サブシステムとセンサとの間に配置されたMEMSベースの光スイッチングデバイスを含む。1つのこうした実施形態では、システムは、少なくとも1つのさらなるセンサを含み、複数の光ビームは光のパルスを含み、散乱光は散乱光のパルスを含み、光スイッチングデバイスは、光のパルスの第1の集合によって生成される散乱光のパルスの第1の散乱光のパルスをセンサに、そして、光のパルスの第1の集合に続いて、光のパルスの第2の集合によって生成される散乱光のパルスの第2の散乱光のパルスを少なくとも1つのさらなるセンサに導くように構成される。別のこうした実施形態では、複数の光ビームは光のパルスを含み、散乱光は散乱光のパルスを含み、光スイッチングデバイスは、収集サブシステムの収集NAの異なるセグメントで収集される散乱光を分離するように構成され、光スイッチングデバイスは、光のパルスの第1の集合によって生成される散乱光のパルスの異なるセグメントの1つのセグメントだけをセンサに導き、次に、光のパルスの第1の集合に続いて、光のパルスの第2の集合によって生成される散乱光のパルスの異なるセグメントの別の1つのセグメントだけをセンサに導くように構成される。こうした実施形態は、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
一実施形態では、複数の光ビームは光のパルスを含み、散乱光は散乱光のパルスを含み、スキャンサブシステムは、ウェハを回転させることによってウェハ内で光のパルスをスキャンするように構成され、光のパルスがウェハの中心領域を横切ってスキャンされるとき、照明サブシステムは、光のパルスが中心領域を外れてウェハ内でスキャンされるときに比べてより頻繁でなくウェハ上の実質的に同じエリアに光のパルスを導くように構成される。こうした実施形態は、本明細書にさらに記載するように構成することができる。
別の実施形態では、複数の光ビームは光のパルスを含み、散乱光は散乱光のパルスを含み、スキャンサブシステムは、ウェハを回転させ並進させることによってウェハ内で光のパルスをスキャンするように構成され、センサはエリアセンサを含み、光のパルスがウェハの中心領域を横切ってスキャンされるときに、スキャンサブシステムは、ウェハ内で光のパルスを1以上の非湾曲直線でスキャンし、光のパルスが中心領域を外れてウェハ内でスキャンされるとき、スキャンサブシステムは、ウェハ内で光のパルスをスパイラル式にスキャンする。こうした実施形態は、本明細書にさらに記載するように構成することができる。
上述した実施形態のそれぞれは、本明細書に記載するように構成することができる。
さらなる実施形態は、ウェハを検査するように構成されたシステムに関する。このシステムは、複数のパルス状光ビームの第1のパルス状光ビームを、ウェハ上のエリアに、照明サブシステムによってエリアに導かれる複数のパルス状光ビームの第2のパルス状光ビームより時間的に早く導くように構成された照明サブシステムを含む。複数のパルス状光ビームの第1のパルス状光ビームおよび第2のパルス状光ビームはウェハ上で互いに異なる形状およびサイズを有する。複数のパルス状光ビームの第1のパルス状光ビームおよび第2のパルス状光ビームは、互いに異なる波長、互いに異なる偏光、または、互いに異なる波長と偏光を有する。この照明サブシステムは、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
また、本システムは、ウェハ内で複数のパルス状光ビームをスキャンするように構成されたスキャンサブシステムを含む。このスキャンサブシステムは、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。さらに、システムは、ウェハ上のエリアから1以上のセンサに散乱する光を結像するように構成された収集サブシステムを含む。1以上のセンサは、散乱光に対する出力を生成する。収集サブシステムおよびセンサは、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
システムは、1以上のセンサの出力を使用してウェハ上の欠陥を検出し、複数のパルス状光ビームの第1のパルス状光ビームによる照明に起因するエリアからの散乱光に対する出力を使用して、エリアに導かれるべき複数のパルス状光ビームの第2のパルス状光ビームのパワーを決定するように構成されたコンピュータサブシステムをさらに含む。コンピュータサブシステムは、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
一実施形態では、照明サブシステムは、Qスイッチ式レーザを含み、コンピュータサブシステムは、決定されたパワーに基づいてQスイッチ式レーザのパワーを減衰させる。別の実施形態では、照明サブシステムは、Qスイッチ式レーザを含み、決定されたパワーがゼロである場合、コンピュータサブシステムは、Qスイッチ式レーザが、エリアを照明することになる複数のパルス状光ビームの第2のパルス状光ビームを生成することを防止する。さらなる実施形態では、コンピュータサブシステムは、エリアに実際に導かれる複数のパルス状光ビームの第2のパルス状光ビームのパワーを監視し、エリアに導かれるパワーに基づいてシステムの1以上のパラメータを変更して、エリアに実際に導かれる複数のパルス状光ビームの第2のパルス状光ビームのパワーを正規化するように構成される。こうした実施形態は、本明細書にさらに記載するように構成することができる。
上述した実施形態のそれぞれは、本明細書に記載するように構成することができる。
さらなる実施形態は、ウェハを検査するように別の構成されるシステムに関する。このシステムは、ウェハ上のエリアに光のパルスを導くように構成された照明サブシステムを含む。照明サブシステムは、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
一実施形態では、照明サブシステムは、周波数変換レーザを含み、複数の光ビームは光のパルスを含み、ウェハ上のエリアに導かれる光のパルスは、光のパルスの継続時間にわたって空間的に変動せず、光のパルスの継続時間にわたって実質的に一定の強度を有し、光のパルスは、エリア照明モードでウェハ上のエリアを照明する。1つのこうした実施形態では、照明サブシステムは、レーザに結合したビーム整形光学素子を含む。別の実施形態では、照明サブシステムは、周波数変換レーザを含み、ウェハ上のエリアに導かれる光のパルスは、光のパルスの継続時間にわたって実質的に一定の強度を有し、光のパルスは、エリア照明モードでウェハ上のエリアを照明する。これらの実施形態は、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
また、本システムは、ウェハ内で光のパルスをスキャンするように構成されたスキャンサブシステムを含む。スキャンサブシステムは、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
一実施形態では、スキャンサブシステムは、ウェハを回転させることによってウェハ内で光のパルスをスキャンするように構成され、光のパルスがウェハの中心領域を横切ってスキャンされるとき、照明サブシステムは、光のパルスが中心領域を外れてウェハ内でスキャンされるときに比べてより頻繁でなくウェハ上のエリアに光のパルスを導くように構成される。こうした実施形態は、本明細書にさらに記載するように構成することができる。
別の実施形態では、スキャンサブシステムは、ウェハを回転させ並進させることによってウェハ内で光のパルスをスキャンするように構成され、センサはエリアセンサを含み、光のパルスがウェハの中心領域を横切ってスキャンされるときに、スキャンサブシステムは、ウェハ内で光のパルスを1以上の非湾曲直線でスキャンし、光のパルスが中心領域を外れてウェハ内でスキャンされるとき、スキャンサブシステムは、ウェハ内で光のパルスをスパイラル式にスキャンする。こうした実施形態は、本明細書にさらに記載するように構成することができる。
1kHz以上のレーザ繰返しレートが、一般に許容可能である。エリア検査システムを回転させることに関する比較的高い繰返しレートまたはCWレーザの1つの明らかな欠点は、単一センサ採取サイクル中のイメージのスミア形成を回避することを必要とされる望ましくないほどに高いデータレートである。しかし、低い繰返しレートは、ウェハ損傷の確率を増加させうる。一部のウェハ(例えば、有機膜を含むウェハ)は、より容易に損傷される。ウェハ上に入射する同じ平均レーザ強度の場合、低い繰返しレートは、非線形加熱効果が無視される場合、高い繰返しレートに比べてウェハを損傷する可能性が高いことになる。比較的低い繰返しレートによって、レーザ照明の強度は、広いエリアにわたって広がり、それにより、損傷の確率を低減しうるが、光学部品の視野要件およびおそらくはセンササイズ要件が、増加し、システムにかなりのコストを付加することになる。最大レーザ繰返しレートは、1レーザパルス/フレームに関して、最大センサフレームレートによって同様に制約されうる。しかし、センサフレームレートは、センサ上のアクティブなピクセルまたは素子の数を減少させることによっておそらくは増加しうる。
感度を改善しながら、表面のダメージを回避するために、ウェハ上の1エリアについて複数のレーザパルスを使用することができる。サンプルは、依然として連続して移動されるが、曝露エリア内の大きなオーバラップが、後続の光源パルス間に存在する。この場合、センサ速度(フレームレート)は、検査スループットを維持するために増加されうる。それぞれの個々のレーザパルスによって生成される散乱信号は、センサから読出され、位置合わせされ、重ね合わされ、ポストセンサハードウェアまたはソフトウェアにおいて処理されうる。
代替的に、システムは、ウェハ上のエリアからセンサに散乱する光のパルスを結像するように構成された収集サブシステムを含む。センサは、センサの全エリア上に結像されうる散乱光のパルスの数より少ない数の散乱光のパルスを積分するように構成される。こうして、センサは、部分的TDIモード/部分的CCDモードで実行されうる。例えば、センサは、1以上の(あるいは別の適切に小さい数の)パルスを効果的に光学的に積分するためにTDIモードで実行することができる。いくつかの実施形態では、センサによって積分されるパルスの数は、散乱光の1つのパルスであり、センサは、散乱光の1つのパルスの継続時間の間、積分し、次に、散乱光の1つのパルスに対する任意の電荷をセンサから転送する。少数のパルスだけによって、r−theta検査システム上で動作する長方形センサの「スミア形成(smearing)」効果が制限されうる。例えば、積分されるピクセルの数は、2または3ピクセルだけとすることができ、それは、積分されるピクセルの数を制限することによって達成することができ、センサを使用して通常実施される積分方法(例えば、全センサにわたるピクセルが通常積分される)と異なる。センサは、積分された散乱光のパルスに対する出力を生成するように構成される。収集サブシステムおよびセンサは、本明細書で述べ示すようにさらに構成することができる。こうした実施形態はまた、2011年12月12日に出願された米国特許出願第61/569,611号に記載されるように構成することができ、同出願は、本明細書中に完全に記載されているかの如く参照により援用される。
一実施形態では、収集サブシステムは、完全には回折制限されない解像度を有する散乱光コレクタを含む。こうした実施形態は、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
一実施形態では、スキャンサブシステムは、ウェハを回転させ並進させることによってウェハ内で光のパルスをスキャンするように構成され、センサは、ピクセルの長方形アレイを含む。例えば、図14に示すように、センサ1400は、ピクセル1402の長方形アレイを含むことができる。
別の実施形態では、収集サブシステムは、散乱光のパルスの1つのパルス内の散乱光の全てを、センサの1つのピクセルだけに結像するように構成された1以上のアナモルフィック光学素子を含む。例えば、収集サブシステムに含まれる光学部品のアナモルフィック比は、1つのピクセル上で全ての光を収集するために変更することができる。レーザパルスの継続時間のせいでいくつかのピクセルを横切ってレーザパルスが延在するという問題を解決する1つの他の方法は、楕円の代わりに、センサ上で最後に丸くなるように、スポットのスミアイメージを拡大する拡大光学部品を有することである。光軸の1つの光軸は、他の軸と異なる倍率を有することになる。有限継続時間のレーザパルスの問題とは別に、これらのアナモルフィック光学構成は、異なるアスペクト比、解像度、および/またはサイズの光学センサを使用するチャネルに整合するために使用されうる。
さらなる実施形態では、センサは、散乱光のパルスの継続時間の間、一方向に積分し、散乱光のパルスに対する任意の電荷をセンサから双方向に転送する。例えば、図14に示すように、センサは、矢印1404で示す方向に一方向に積分し、次に、矢印1406で示すように任意の電荷を双方向に転送する。図14でさらに示すように、積分の方向は、電荷転送の方向に垂直とすることができる。こうして、センサは、パルスの継続時間中、積分し、次に、センサ上で電荷転送方向を反転することができる。さらに、センサは、CCDとすることができ、また、多くのCCDは、電荷が、CCDの両側から転送されることを可能にし、それにより、データレートを効果的に2倍にする。しかし、レーザスポットは、センサの側の一方の側に向かってスミア形成するだけである。したがって、一方向に積分し、次に、レーザパルスが終了すると停止し、次に、電荷を双方向にシフトオフする場合、依然として全ての光を光学的に積分しながら、データレート/スループットのほとんどが得られる。
いくつかの実施形態では、センサは、蛍光輝度増倍管およびエリアセンサを含み、センサは、散乱光のパルスの継続時間の間でかつ散乱光のパルスに対応する蛍光輝度増倍管の全ての蛍光エネルギーが完全に減衰するまで積分する。こうした実施形態では、センサは、TDIセンサ、CCD、またはCMOSセンサとすることができる。例えば、センサが蛍光輝度増倍管の出力を検出する場合、蛍光輝度増倍管は、減衰するのに比較的長い時間がかかる蛍光(TVのように)を含む。この全ての蛍光エネルギーを収集するのに必要な出来る限り長い期間、センサのピクセルを積分し、次に、電荷の転送(CCDの場合)またはピクセル電圧の読出し(CMOSの場合)を開始することができる。明らかに、これは、蛍光が減衰するのを待つことによってスループットを犠牲にするが、少なくとも全てのエネルギーが、少数のピクセルに収集されることになる。こうした実施形態は、本明細書で述べ示すように構成することができる。
一実施形態では、センサは、光のパルスに対して時間的に同期して、所定到達時間を有する散乱光のパルスだけを検出する。1つのこうした実施形態では、所定到達時間を有する散乱光のパルスは、蛍光または光ルミネセンスを含む。こうした実施形態は、本明細書で述べ示すように構成することができる。
システムは、センサによって生成される出力を使用してウェハ上の欠陥を検出するように構成されたコンピュータサブシステムを含む。コンピュータサブシステムは、本明細書で述べ示すようにさらに構成することができる。
一実施形態では、システムは、収集サブシステムの収集NAの異なるセグメントで収集される散乱光のパルスを分離するように構成された光学素子を含み、センサは、異なるセグメントの1つのセグメントを検出するように構成され、システムは、異なるセグメントの別のセグメントを検出するように構成された別のセンサを含む。1つのこうした実施形態では、システムは、センサによって検出される異なるセグメントの1つのセグメントおよび他のセンサによって検出される異なるセグメントの他のセグメントに応じて、光学素子を変更または置換するように構成される。こうした実施形態は、本明細書で述べ示すようにさらに構成することができる。
一実施形態では、システムは、収集サブシステムの収集NAの異なるセグメントで収集される散乱光のパルスを分離するように構成された光学素子を含み、センサは、センサの1つの部分を使用して異なるセグメントの1つのセグメントを検出し、センサの異なる部分を使用して異なるセグメントの別のセグメントを検出するように構成され、センサの1つの部分および他の部分は、互いに重なり合わず、センサ上で隣接しない。こうした実施形態は、本明細書で述べ示すようにさらに構成することができる。
いくつかの実施形態では、システムは、蛍光輝度増倍管を含むさらなるセンサを含み、収集サブシステムは、ウェハ上のエリアからさらなるセンサに散乱する光のパルスを結像するように構成され、さらなるセンサは、散乱光のパルスに対するさらなる出力を生成し、コンピュータサブシステムは、センサにおいてセンサ電子雑音が全体の(total)チャネル雑音で優勢となる場合、出力の代わりにさらなる出力を使用して、ウェハ上の欠陥を検出するように構成される。こうした実施形態は、本明細書で述べ示すようにさらに構成することができる。
ある実施形態では、システムは、光子計数のために構成されるさらなるセンサを含み、収集サブシステムは、ウェハ上のエリアからさらなるセンサに散乱する光のパルスを結像するように構成され、さらなるセンサは、散乱光のパルスに対するさらなる出力を生成し、コンピュータサブシステムは、さらなる出力を使用して、ウェハ上の欠陥を検出するように構成される。こうした実施形態は、本明細書で述べ示すようにさらに構成することができる。
いくつかの実施形態では、システムは、収集サブシステムとセンサとの間に配置された微小電気機械システムベースの光スイッチングデバイスを含む。1つのこうした実施形態では、システムは、少なくとも1つのさらなるセンサを含み、光スイッチングデバイスは、光のパルスの第1の光のパルスによって生成される散乱光のパルスの第1の散乱光のパルスをセンサに、そして、光のパルスの第1の光のパルスに続いて、光のパルスの第2の光のパルスによって生成される散乱光のパルスの第2の散乱光のパルスを少なくとも1つのさらなるセンサに導くように構成される。別のこうした実施形態では、光スイッチングデバイスは、収集サブシステムの収集NAの異なるセグメントで収集される散乱光のパルスを分離するように構成され、光スイッチングデバイスは、光のパルスの第1の光のパルスによって生成される散乱光の異なるセグメントの1つのセグメントだけをセンサに導き、次に、光のパルスの第1の光のパルスに続いて、光のパルスの第2の光のパルスによって生成される散乱光の異なるセグメントの別の1つのセグメントだけをセンサに導くように構成される。こうした実施形態は、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
上述した実施形態のそれぞれは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
別の実施形態は、ウェハを検査するように構成されたシステムに関する。このシステムは、ウェハ上のエリアに光を導くように構成された照明サブシステムを含む。照明サブシステムは、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。システムは、ウェハ内で光をスキャンするように構成されたスキャンサブシステムを含む。このスキャンサブシステムは、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。さらに、システムは、ウェハ上のエリアからセンサに散乱する光を結像するように構成された収集サブシステムを含む。センサは、散乱光に対する出力を生成するように構成される。収集サブシステムおよびセンサは、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
システムは、センサによって生成される出力を使用してウェハ上の点欠陥を検出し、点欠陥のピクセル単位のサイズを決定し、点欠陥のサイズに基づいてシステムの合焦状態を判定し、合焦状態に基づいてシステムの1以上のパラメータを変更するように構成されたコンピュータサブシステムをさらに含む。こうして、システムは、欠陥の点広がり関数をみることによって自動焦点を実施することができる。換言すれば、ウェハの高さを決定する1つの考えられる手段は、実際の検査プロセスによって検出される、ピクセル単位の点欠陥のサイズを見ることである。したがって、本明細書に記載する実施形態を、検査アルゴリズムによって合焦状態を測定するために構成することができる。特に、非パターン化検査システム上で検出される多くの欠陥が、実質的に小さなバックグラウンド上の上部の点欠陥であることになるため、2Dセンサ上に結像される、これらの欠陥を検出するアルゴリズムはまた、これらの欠陥のサイズを特徴付けうる。欠陥が、システム較正によって指定された欠陥より大きい場合、これは、焦点ずれ状態に対応しうる。例えば、図15に示すように、2次元センサ1502上に結像される欠陥1500は、システムが合焦状態にあるときに1つのサイズを有することになり、2次元センサ1502上に結像される欠陥1504は、システムが焦点ずれであるときに異なる(例えば、大きい)サイズを有することになる。こうした実施形態は、別個の自動焦点検知システムを不必要にしうる、または、既存の自動焦点検知システムがより単純にされうる。
コンピュータサブシステムによって変更されるシステムの1以上のパラメータは、検査照明の位置、照明光学部品の位置、収集光学部品の位置、ウェハ高さ、チャックの傾斜、あるいは検査システム内の温度および/または圧力を含むことができる。1以上のパラメータを、フィードフォワード技法を使用して変更することができる。システムの焦点深度は、先に述べたようにウェハとセンサとの間の収集光学部品内に存在するアパーチャおよび/または偏光子に依存し、また、システム動作は、異なるタイプのウェハの検査を最適化するために開発されるこれらの種々のモードを反映するように構成されうる。
点欠陥のサイズに基づいてウェハの高さを決定することは、非パターン化検査用途において最も有利に行われる。パターン化ウェハ検査用途では、センサ上で光を散乱させるウェハ上の多くの異なる構造が存在する。これらの構造のそれぞれは、結像レンズの点広がり関数より小さいかまたは大きいサイズとすることができる。任意の特異のセンサフレーム内のどの散乱光パターンが適切な自動焦点誤差信号を提供することになるかを確認することは困難になる。一方、非パターン化検査用途では、多くの欠陥が、点欠陥であり、結像システムの点広がり関数(約250〜300nmとすることができる)より実質的に小さなサイズであり、したがって、センサ上で、点広がり関数のほぼ正確なサイズであるように見えることになる。この場合、偏差は容易に計算されうる。
一実施形態では、コンピュータサブシステムは、合焦状態を判定し、ウェハに関して実施される検査プロセス中に1以上のパラメータを変更するように構成される。こうして、コンピュータサブシステムは、焦点を原位置で制御し、それにより、検査プロセス中にウェハを合焦状態に維持しうる。コンピュータサブシステムは、原位置での制御を実施するために任意の適した方法で構成されうる。
別の実施形態では、システムは、照明サブシステムによってエリアに導かれる光に先だってウェハ上のさらなるエリアに他の光を導くように構成されたさらなるサブシステムを含み、さらなるサブシステムは、さらなるエリアから散乱される光を検出するように構成されたさらなるセンサを含み、コンピュータサブシステムは、さらなるエリアから散乱される検出光に基づいて照明サブシステムによってエリアに導かれる光のパワーを変更するように構成される。エリアおよびさらなるエリアは、この実施形態において、必ずしも異なるサイズおよび形状を有しないことを除いて、図11に示すように構成することができる。さらに、さらなるサブシステムは、図12に示す方法と同様の方法で配列する場合があり、光源1200、1202、および1204の1つの光源は、さらなるサブシステム用の光源として使用され、センサ130および502の1つのセンサは、さらなるサブシステムのセンサとして使用される。こうして、さらなるサブシステムおよび主検査サブシステムは共に、屈折光学素子912および散乱光コレクタ122などの同じ光学素子のいくつかを利用することができる。さらなるサブシステムは、任意の他の適した光学素子を含むことができる。コンピュータサブシステムは、この実施形態では本明細書にさらに記載するように、照明サブシステムによってエリアに導かれる光のパワーを変更するように構成することができる。
いくつかの実施形態では、収集サブシステムは、ウェハ上のエリアから1以上のさらなるセンサに散乱する光を結像するように構成され、1以上のさらなるセンサは、散乱光に対する出力を生成するように構成され、センサおよび1以上のさらなるセンサのそれぞれは、収集サブシステムの収集NAの異なるセグメントで収集される散乱光を検出するように構成され、コンピュータサブシステムは、1以上のさらなるセンサによって生成される出力を使用してウェハ上の点欠陥を検出し、1以上のさらなるセンサによって点欠陥の少なくとも1つの点欠陥について生成される、異なる出力を使用して点欠陥の少なくとも1つの点欠陥についてピクセル単位の異なるサイズをそれぞれ決定し、サイズおよび異なるサイズに基づいて点欠陥の少なくとも1つの点欠陥について重み付きサイズを決定し、重み付きサイズに基づいてシステムの合焦状態を判定し、合焦状態に基づいてシステムの1以上のパラメータを変更するように構成される。例えば、点広がり関数を、よりよいフィードバック信号を得るために、種々のチャネル(各チャネルは、散乱半球の異なる部分を収集するため、わずかに異なる点広がり関数を生成する)によって重み付けることができる。この収集サブシステム、さらなるセンサ、およびコンピュータサブシステムは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
別の実施形態では、収集サブシステムは、ウェハ上の異なる点欠陥からセンサの異なる部分上に散乱する光を結像するように構成され、コンピュータサブシステムは、異なる点欠陥のサイズと異なる点欠陥から散乱される光がその上で結像されたセンサの異なる部分との間の関係に基づいて、ウェハが傾斜しているかどうか、また、ウェハがどれほど傾斜しているかを決定するように構成される。例えば、ウェハの傾斜を、センサにわたる応答に基づいて把持用チャックを傾斜させることによってリアルタイムに補正することができる(センサの中央における別の欠陥についての点広がり関数に対するセンサのエッジにおける1つの欠陥についての点広がり関数は、ウェハが水平でないこと、したがって、ウェハが傾斜していることを示すことができる)。
上述した実施形態のそれぞれは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
さらなる実施形態は、ウェハを検査するように構成されたシステムに関する。システムは、ウェハ上のエリアに光を導くように構成された照明サブシステムを含む。光は、エリア照明モードでウェハ上のエリアを照明する。この照明サブシステムは、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
一実施形態では、照明サブシステムは、周波数変換レーザを含み、光は光のパルスを含み、ウェハ上のエリアに導かれる光のパルスは、光のパルスの継続時間にわたって空間的に変動せず、光のパルスの継続時間にわたって実質的に一定の強度を有する。1つのこうした実施形態では、照明サブシステムは、レーザに結合したビーム整形光学素子を含む。こうした実施形態は、本明細書で述べ示すようにさらに構成することができる。いくつかの実施形態では、周波数変換レーザを含み、光は光のパルスを含み、ウェハ上のエリアに導かれる光のパルスは、光のパルスの継続時間にわたって実質的に一定の強度を有する。こうした実施形態は、本明細書にさらに記載するように構成することができる。
また、本システムは、ウェハ内で光をスキャンするように構成されたスキャンサブシステムを含む。スキャンサブシステムは、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
一実施形態では、光は光のパルスを含み、散乱光は散乱光のパルスを含み、スキャンサブシステムは、ウェハを回転させることによってウェハ内で光のパルスをスキャンするように構成され、光のパルスがウェハの中心領域を横切ってスキャンされるとき、照明サブシステムは、光のパルスが中心領域を外れてウェハ内でスキャンされるときに比べてより頻繁でなくウェハ上のエリアに光のパルスを導くように構成される。別の実施形態では、光は光のパルスを含み、散乱光は散乱光のパルスを含み、スキャンサブシステムは、ウェハを回転させ並進させることによってウェハ内で光のパルスをスキャンするように構成され、センサはエリアセンサを含み、光のパルスがウェハの中心領域を横切ってスキャンされるときに、スキャンサブシステムは、ウェハ内で光のパルスを1以上の非湾曲直線でスキャンし、光のパルスが中心領域を外れてウェハ内でスキャンされるとき、スキャンサブシステムは、ウェハ内で光のパルスをスパイラル式にスキャンする。こうした実施形態は、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
さらに、システムは、ウェハ上のエリアからセンサに散乱する光を結像するように構成された収集サブシステムを含む。センサは、散乱光に対する出力を生成するように構成される。この収集サブシステムおよびセンサは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
一実施形態では、光は光のパルスを含み、散乱光は散乱光のパルスを含み、センサは、光のパルスに対して時間的に同期して、所定到達時間を有する散乱光のパルスだけを検出する。1つのこうした実施形態では、所定到達時間を有する散乱光のパルスは、蛍光または光ルミネセンスを含む。こうした実施形態は、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
また、本システムは、センサによって生成される出力を使用してウェハ上の欠陥を検出するように構成されたコンピュータサブシステムを含む。コンピュータサブシステムは、本明細書でさらに述べ示すように構成することができる。
一実施形態では、システムは、蛍光輝度増倍管を含むさらなるセンサを含み、収集サブシステムは、ウェハ上のエリアからさらなるセンサに散乱する光を結像するように構成され、さらなるセンサは、散乱光に対するさらなる出力を生成し、コンピュータサブシステムは、センサにおいてセンサ電子雑音が合計チャネル雑音で優勢となる場合、出力の代わりにさらなる出力を使用して、ウェハ上の欠陥を検出するように構成される。こうした実施形態は、本明細書で述べ示すようにさらに構成することができる。
別の実施形態では、システムは、光子計数のために構成されるさらなるセンサを含み、収集サブシステムは、ウェハ上のエリアからさらなるセンサに散乱する光を結像するように構成され、さらなるセンサは、散乱光に対するさらなる出力を生成し、コンピュータサブシステムは、さらなる出力を使用して前記ウェハ上の欠陥を検出するように構成される。こうした実施形態は、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
いくつかの実施形態では、システムは、収集サブシステムとセンサとの間に配置されたMEMSベースの光スイッチングデバイスを含む。1つのこうした実施形態では、システムは、少なくとも1つのさらなるセンサを含み、光は光のパルスを含み、散乱光は散乱光のパルスを含み、光スイッチングデバイスは、光のパルスの第1の光のパルスによって生成される散乱光のパルスの第1の散乱光のパルスをセンサに、そして、光のパルスの第1の光のパルスに続いて、光のパルスの第2の光のパルスによって生成される散乱光のパルスの第2の散乱光のパルスを少なくとも1つのさらなるセンサに導くように構成される。別のこうした実施形態では、光は光のパルスを含み、散乱光は散乱光のパルスを含み、光スイッチングデバイスは、収集サブシステムの収集NAの異なるセグメントで収集される散乱光のパルスを分離するように構成され、光スイッチングデバイスは、光のパルスの第1の光のパルスによって生成される散乱光のパルスの異なるセグメントの1つのセグメントだけをセンサに導き、次に、光のパルスの第1の光のパルスに続いて、光のパルスの第2の光のパルスによって生成される散乱光のパルスの異なるセグメントの別のセグメントだけをセンサに導くように構成される。こうした実施形態は、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
上述した実施形態のそれぞれは、本明細書に記載するようにさらに構成することができる。
本明細書に記載するシステムの任意のシステムは、上述した主検査光学チャネルと独立にまたは連携して欠陥を検出するように設計されるさらなるチャネルおよび/またはサブシステム(図示せず)を含むことができる。こうしたさらなるチャネルの一例は、ノマルスキ微分干渉コントラスト(differential interference contrast)(DIC)「明視野(bright field)」チャネルである。
本明細書に記載する検査システムの任意の検査システムの全てのチャネルは、表面品質ならびに関心欠陥に関する情報を生成する。複数のチャネルからの出力は、Chen等に付与された2010年7月29日に公開された米国特許出願公開第2010/0188657号およびChen等に付与され2012年2月23日に公開された米国特許出願公開第2012/0044486号に記載される、種々の論理手段および/または種々の算術演算によって組合されることができ、これらの文献は、その全てが本明細書中に完全に記載されているかの如く参照により援用される。時々、これは、イメージまたはチャネル融合を指し、有利には、偽計数率を減少させながら、異常取得率を改善する。
本明細書に記載する実施形態はまた、Guettaに付与された米国特許第7,286,697号、Korngut等に付与された米国特許第7,339,661号、Furman等に付与された米国特許第7,525,659号、Furman等に付与された米国特許第7,826,049号、およびFurman等に付与された米国特許第7,843,558号に記載されるようにさらに構成することができ、これらの文献は、その全てが本明細書中に完全に記載されているかの如く参照により援用される。
本発明の種々の態様のさらなる修正形態および代替の実施形態は、本説明を考慮すると当業者に明らかである可能性がある。例えば、ウェハを検査するように構成されたシステムが提供される。したがって、本説明は、例証としてだけ解釈され、当業者に本発明を実施する一般的な方法を教示するためのものである。本明細書で示し述べる本発明の形態は、現在のところ好ましい実施形態と考えられる。全てが、本発明の説明の利益を得た後に当業者に明らかになるが、要素および材料を、本明細書で示し述べる要素および材料に代えることができ、部品およびプロセスを反転することができ、本発明のある特徴を独立に利用することができる。添付特許請求の範囲に記載する本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本明細書に記載する要素において変更を行うことができる。