JPH11311608A - 検査装置 - Google Patents

検査装置

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JPH11311608A
JPH11311608A JP10118255A JP11825598A JPH11311608A JP H11311608 A JPH11311608 A JP H11311608A JP 10118255 A JP10118255 A JP 10118255A JP 11825598 A JP11825598 A JP 11825598A JP H11311608 A JPH11311608 A JP H11311608A
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JP
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light
image
light source
optical system
tdi
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JP10118255A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Chiba
洋 千葉
Kinya Kato
欣也 加藤
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Nikon Corp
Original Assignee
Nikon Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】本発明は、パルス光源を用いたとしても、ある
程度のスループットを確保し得る高性能な検査装置を提
供する。 【構成】パルス光を供給する光源と、該光源からの光を
被検物へ照明する照明光学系と、該照明光学系により照
明された前記被検物からの光を集光して前記被検物の像
を形成する結像光学系と、前記被検物の像を光電的に検
出するTDI型検出器を含む検出系と、該検出系からの
出力信号に基づいて所定の画像処理を行う画像処理系と
を有する検査装置。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被検物を検査する
検査装置に係るものであり、特に、微細な回路パターン
をウエハやガラス等の感光性基板上に焼き付け転写する
際に使用されるレチクルやマスク等の原版、あるいはレ
チクルやマスク等の原版上のパターンが転写されたウエ
ハやガラス等の基板そのものをの欠陥の有無を調べる欠
陥検査装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の欠陥検査装置においては、光源よ
り連続発振されるレーザ光 (連続光)を照明光学系を
介してレチクルやマスク等の被検物へ導き、その被検物
を照明する。ここで、照明光は、被検物上の限られた領
域をスポット状あるいは矩形状に照明する。そして、こ
のスポット状あるいは矩形状に照明された領域からの光
を結像光学系を介して集光して、フォトマル、CCD等
の光電検出素子の受光面上に被検物の照明領域の像が形
成される。光電検出素子からの光電検出信号(画像情
報)は、画像処理系に入力されて、その画像処理系は、
被検物の欠陥検出のための画像処理を行う。
【0003】このとき、画像処理系は、被検物を載置す
る移動ステージの2次元移動と画像情報の取り込み(光
電検出素子からの光電検出信号の取り込み)と同期させ
て画像処理を行うことにより、被検物の2次元的な画像
を得ることができる。ここで、被検物の良否の判定のた
めに参照用のデータ(被検物の設計上のデータ)は、画
像処理系の内部に設けられたメモリー部に格納されてお
り、画像処理系の内部に設けられた比較判定部によっ
て、光電検出素子からの画像情報と参照データとを比較
検査することによって、被検物に生じている傷、欠陥、
ゴミ等の異物等を発見することができる。そして、画像
処理系の内部の比較判定部からの比較判定結果がCRT
モニター等の表示装置にて表示される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】欠陥検査装置等の検査
装置では、一般に、被検物を照明する光源として、高圧
水銀ランプ、He−Neレーザが用いられており、これ
らの光源は、連続した光を供給するものである。特に、
検査装置では、画像処理系は、検査時のスループット向
上のために光電検出素子にて得られた画像情報を高速で
読み出しかつ高速処理しなければならない。
【0005】このため、従来のように、連続した光を供
給する光源を用いた場合には、画像処理系は、光電検出
素子にて得られた画像情報を、S/N比の許す限り高速
で読み出すことが可能となる。ところで、近年、DRA
M等の高集積化やMPUのデザインルールの細密化に伴
い、被検物であるレチクル、マスク等のパターンはます
ます微細になっていている。
【0006】これらの検査対象物を十分なる解像力のも
とで観察するためには、被検物の像を光電検出素子の受
光面上に形成する結像光学系の対物レンズ系の開口数
(NA)を大きくすると共に、検査のために使用される
光の波長をより一層短くすることが不可欠となってきて
いる。従って、検査対象物を十分なる解像力のもとで観
察するという要望に答えるには、260nm以下の短波
長λの光を供給する光源として、例えば、KrFエキシ
マレーザ(λ=248nm)、ArFエキシマレーザ
(λ=193nm)、F 2 レーザ(λ=157nm)等
が使用することができる。そして、以上の挙げた260
nm以下の短波長λの光を供給する光源は、レーザ光を
連続発振するものではなく、間欠的な光、所謂パルス状
の光を発振するものである。
【0007】しかしながら、光の明滅を繰り返すパルス
光源を検査装置に用いると発光するパルスとパルスとの
間の時間は、被検物は何ら照明されず、その時間帯にお
いて、画像処理系が光電検出器からの光電変換信号を読
み出しても、画像情報は何ら得られない。このため、画
像処理系は、次のパルス光が被検物を照明しだすまで光
電検出器からの光電変換信号の読み出し動作を止めて待
機せざるを得ない。従って、検査対象物を十分なる解像
力のもとで観察を行いつつ被検物の検査時でのスループ
ットの向上を望ことは不可能である。
【0008】一方、260nm以下の短波長λの光を連
続発振する光源を用いることも考えられるが、現在の
所、装置に適用し得る良質な連続光源は無く、実際は以
上に述べたエキシマレーザ等のパルス光源を用いざるを
得ない。本発明は、以上の問題に鑑みてなされたもので
あり、パルス光源を用いたとしても、ある程度のスルー
プットを確保しつつ、良好なる画像信号等の画像情報を
得ることのできる高性能な検査装置を提供することを目
的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記の目的を
達成するために、パルス光を供給する光源と、該光源か
らの光を被検物へ照明する照明光学系と、該照明光学系
により照明された前記被検物からの光を集光して前記被
検物の像を形成する結像光学系と、前記被検物像を光電
的に検出するTDI型検出器を含む検出系と、該検出系
からの出力信号に基づいて所定の画像処理を行う画像処
理系とを有する構成としたものである。
【0010】
【発明の実施の形態】図1乃至図6をそれぞれ参照しな
がら本発明による実施の形態について説明する。図1
は、本発明の1つの実施の形態に係る検査装置の概略的
構成を示す図である。260nm以下の波長を持つ光を
供給するパルス光源(光源)として、例えば248nm
の波長λの光を発振するKrFエキシマレーザ1からの
パルス光(以下、レーザ光と呼ぶ。)は、ビーム整形光
学系としてのビームエキスパンダ2を介して所定のビー
ム断面形状に整形される。ビームエキスパンダ2を介し
たレーザ光は、偏向ミラー3を介して照明光学系4に導
かれ、被検物としての観察基板(レチクル、マスク等)
6を照明する。
【0011】ここで、パルス光源1から供給されるレー
ザ光は一般に可干渉長が大きいため条件によっては、観
察基板6上にランダムノイズとなるスペックルが発生す
る場合がある。このため、照明光学系4の内部あるいは
ビームエキスパンダ2と照明光学系との間の光路中に、
スペックル低減手段を配置することが好ましい。
【0012】例えば、図2及び図3に示す光学系をスペ
ックル低減手段として用いることが可能である。図2に
示すスペックル低減手段の一例を説明すると、ビームエ
キスパンダ2からのレーザ光を1/2波長板20によっ
て図2の紙面に対して45°傾いた方向に振動する直線
偏光の光に変換し、第1の偏光ビームスプリッタ21に
よってP偏光(図2の紙面方向に振動する直線偏光)と
S偏光(図2の紙面と垂直な方向に振動する直線偏光)
との光に分割される。
【0013】第1の偏光ビームスプリッタ21を透過す
るP偏光の光は、第2の偏光ビームスプリッタ24を透
過して照明光学系4の内部に導かれる。一方、第1の偏
光ビームスプリッタ21を反射するS偏光の光は、2つ
のミラー(22、23)を介して、第2の偏光ビームス
プリッタ24を反射して照明光学系4の内部に導かれ
る。
【0014】ここで、第1のビームスプリッタ21を反
射し、2つのミラー(22、23)を介して第2の偏光
ビームスプリッタ24に達する光路(反射光路)と、第
1のビームスプリッタ21を透過して第2のビームスプ
リッタ24に達する光路(透過光路)とには、観察基板
6上にスペックルが発生しないように所定の光路長差が
与えられるように、各光学部材がそれぞれ配置されてい
る。
【0015】また、図3に示すスペックル低減手段の別
の例を説明すると、ビームエキスパンダ2からのレーザ
光は、光分割部材としてのハーフミラー30によって反
射光と透過光に分割され、透過光は照明光学系4の内部
に導かれる。ここで、ハーフミラー30を反射した光
は、3つのミラー(31〜33)によって形成される周
回光路を経由して、再びハーフミラー30に達する。そ
して、ハーフミラー30での反射光は照明光学系4の内
部に導かれ、一方、ハーフミラー30での透過光は、再
び周回光路を経由して再度ハーフミラー30に達する。
このように、Nを0以上の整数とすると、周回光路をN
回経由した光と周回光路をN+1回経由した光との間と
には、観察基板6上にスペックルが発生しないように所
定の光路長差が与えられるように、各光学部材がそれぞ
れ配置されている。
【0016】なお、図1に示す照明光学系4は、観察基
板6を均一に照明するために、多数のレンズ素子を束ね
て構成されて多数の2次光源を形成するフライアイレン
ズ(オプティカルインテグレータ)と、その2次光源を
からの光をそれぞれ集光して観察基板6を重畳的に照明
するコンデンサーレンズ系とを有する構成とすることが
好ましい。この場合、図4に示すように、フライアイレ
ンズ41中の多数のレンズ素子42同士の並びの規則性
を減じて観察基板6上での干渉条件を崩すランダム配列
型のフライアイレンズを用いることが好ましい。図4の
フライアイレンズ41に内接する円は、ビームスプリッ
タ2及び偏向ミラー3を介したレーザ光の照射領域を示
している。
【0017】さて、図1に戻って、照明光学系4によっ
て照明されて、観察基板6を介した光は、結像光学系7
によって集光されて、観察基板6の像がTDI型検出器
81の受光面上に形成される。ここで、結像光学系7
は、観察基板6からの光を平行光に変換する第1対物レ
ンズ系70と、その第1対物レンズ系70からの平行光
をTDI型検出器81上に集光して、観察基板6の像を
形成する第2対物レンズ系72と、第1対物レンズ系7
0と第2対物レンズ系との間に配置された偏向ミラー7
1とを有している。各対物レンズ系(70、72)は、
紫外領域で良好な透過率を持つ光学材料で構成され、例
えば、石英、蛍石等で構成されている。光源1からの光
を波長帯域(半値幅)を狭帯化すれば、結像光学系7で
の色収差の補正は不要となり、結像光学系7を単一硝材
(例えば、全て石英製の光学部材)で構成することがで
きる。特に、光源1から供給される光の半値幅を0.5
pm(=0.5×10-12 m)以下となるよう狭帯化す
ることが望ましく、この場合、光源1の内部または射出
側において、プリズムや回折光学素子等で構成される狭
帯化手段を配置することが良い。
【0018】なお、結像光学系7を反射型光学素子で構
成した場合(結像光学系7を反射系で構成した場合)、
あるいは結像光学系7を反射型光学素子と屈折製光学素
子との組合せで構成した場合(結像光学系7を反射屈折
系で構成とした場合)には、狭帯化手段を不要とするこ
ともできる。結像光学系7によって形成される観察基板
6の像は、TDI型検出器81を含検出系8によって画
像信号に変換される。ここで、検出系8は、観察基板6
の像を電気信号に光電変換するTDI型検出器81と、
TDI型検出器81からの信号を所定の画像信号に変換
する信号処理部82とを有している。
【0019】なお、TDI型検出器81に信号処理部8
2の信号処理の機能を持たせて、TDI型検出器81自
身を検出系8として機能させることも可能である。信号
処理部82(又は検出系8)から出力された画像信号に
基づいて、画像処理系9は被検物に生じている傷、欠
陥、ゴミ等の異物等を検出する。このとき、信号処理部
82は、観察基板6を載置する移動ステージ6の2次元
移動とTDI型検出器81からの光電変換信号の取り込
みとを同期させて観察基板6の像に関する2次元的な画
像情報を得るために、制御系10は、信号処理部82に
対して駆動系11に関する駆動信号あるいはタイミング
信号等を出力する。これと同時に、制御系10は、駆動
系11を介して移動ステージ5を所定の走査方向(例え
ば、図1の紙面方向)へ移動させる。
【0020】なお、TDI型検出器81に信号処理部8
2を兼用させてTDI型検出器81自身に検出系8の機
能を持たせた場合には、制御系10は、TDI型検出器
81に対して駆動系11に関する駆動信号あるいはタイ
ミング信号等を出力すると同時に、駆動系11を介して
移動ステージ6を所定の走査方向(例えば、図1の紙面
方向)へ移動させる。これにより、TDI型検出器81
は、観察基板6の像に関する2次元的な画像情報を得る
ことができ、この結果、2次元的な画像情報を画像処理
系9へ出力することができる。
【0021】ここで、画像処理の1手法としては、画像
処理系9の内部に設けられたメモリー部に格納された観
察基板6の良否の判定のために参照用のデータ(被検物
の設計上のデータ)と、信号処理部82(又は検出系
8)から出力された画像信号とを、画像処理系9の内部
に設けられた比較判定部にて比較検査することによっ
て、被検物に生じている傷、欠陥、ゴミ等の異物等を検
出する。そして、画像処理系9の内部の比較判定部から
の比較判定結果がCRTモニター等の表示装置12にて
表示される。
【0022】ところで、次に、図1に示したパルス光源
1とTDI型検出器81を含む処理系8との関係につい
て述べる。まず、撮像素子の1種であるTDI型検出器
(TDIセンサー)のTDIとは、Time Delay Integra
tionの略であり、図5に示すように、像走査方向にm個
の画素からなる画素の列を像走査と垂直な方向にn列を
用意し、各列毎にm個の画素からの光電変換信号(単位
信号)を積分して、n個の画素の列の光電変換信号をそ
れぞれ1画素分の光電変換信号とする方式のことであ
る。このような、信号処理を行うことによってS/N比
を大幅に改善することができる。
【0023】ここで、TDI型検出器81を含む処理系
8での信号処理について具体的に説明する。例えば、観
察基板6上に図6に示すパターンが形成されているもの
とし、パルス光源1から発振される光の1パルス毎に移
動ステージ5がTDI型検出器81の1画素分だけ(像
走査方向での1画素分)移動するように、図1に示す制
御系10は駆動系11の移動量を制御しているものとす
る。
【0024】ここで、説明を簡単にするために、TDI
型検出器81は、像走査方向(移動ステージの移動方
向)に沿って6個の画素からなる列を、像走査方向と直
交する方向に沿って4列有しているものとする。なお、
図5及び図6では、TDI型検出器81において単位信
号を出力する部分を『画素』、像走査方向と直交する方
向での画素の並びを『ライン』、像走査方向に沿った多
数の画素からの単位信号を積分した後に最終画像の1ピ
クセルに相当する信号を出力する部分を『列』と呼ぶ。
また、以下にて説明する図7において、第mラインの第
n列に存在する画素の位置を(m,n)とし、第mラインの
第n列に存在する画素から出力される単位出力をS(m,
n)として示す。但し、m及びnは2以上の整数とする。
【0025】まず、図6に示すパターンが形成された観
察基板6を載置した移動ステージ5上を移動させる。図
7(A)は、図6に示す物体の『4つのA』の部分の像
がTDI型検出器81の第6ラインの各画素上に形成さ
れた様子を示している。このとき、パルス光源1からの
1パルスの光が観察基板6を照明することによって、T
DI型検出器81は、『4つのA』の部分の像を光電変
換して、信号処理部82へ向けて第6ラインの各画素か
らの単位出力(S(6,1)、S(6,2)、S(6,3)、S(6,
4)) を供給する。
【0026】次に、パルス光源1からの次の1パルスの
光が観察基板6を照明するとき、観察基板6は移動ステ
ージ5によって事前に移動していて、『4つのA』の部
分の像が図7(B)に示すようにTDI型検出器81の
第5ラインの各画素上に形成される。このとき、TDI
型検出器81は、『4つのA』の部分の像を光電変換し
て、信号処理部82へ向けて第5ラインの各画素からの
単位出力(S(5,1)、S(5,2)、S(5,3)、S(5,4))
を供給する。
【0027】さらに、パルス光源1からのさらに次の1
パルスの光が観察基板6を照明するときには、観察基板
6は移動ステージ5によって移動していて、『4つの
A』の部分の像が図7(C)に示すようにTDI型検出
器81の第4ラインの各画素上に形成される。このと
き、TDI型検出器81は、『4つのA』の部分の像を
光電変換して、信号処理部82へ向けて第4ラインの各
画素からの単位出力(S(4,1)、S(4,2)、S(4,3)、
S(4,4)) を供給する。
【0028】このように、パルス光源1からのパルス光
が1パルス供給される毎に、移動ステージ5を1画素分
だけ移動させる動作を繰り返す。そして、図7(D)、
図7(E)及び図7(F)に示すように、TDI型検出
器81は、『4つのA』の部分の像を光電変換して、信
号処理部82へ向けて第3ライン〜第1ラインの各画素
からの単位出力を供給する。
【0029】従って、図7(A)〜図7(F)に示すよ
うに、信号処理部82は、TDI型検出器81から出力
された各画素からの単位出力信号を各列毎に積分した信
号を算出する。ここで、第1列〜第4列までの各列毎の
合計出力(積分信号)をそれぞれΣS1,ΣS2,ΣS3,Σ
S4 とすると、信号処理部82は、以下に示す各列毎の
合計出力を求める。
【0030】ΣS1 =S(1,1)+S(2,1)+S(3,1)+
S(4,1)+S(5,1)+S(6,1) ΣS2 =S(1,2)+S(2,2)+S(3,2)+S(4,2)+S
(5,2)+S(6,2) ΣS3 =S(1,3)+S(2,3)+S(3,3)+S(4,3)+S
(5,3)+S(6,3) ΣS4 =S(1,4)+S(2,4)+S(3,4)+S(4,4)+S
(5,4)+S(6,4) そして、信号処理部82は、以上の積分信号(ΣS1,Σ
S2,ΣS3,ΣS4 )を『4つのA』の像の画像信号とし
て画像処理系9へ出力する。
【0031】以上においては、『4つのA』の像の積分
信号(ΣS1,ΣS2,ΣS3,ΣS4 )を得ることについて
着目して説明した。しかし、実際には、信号処理部82
は、移動ステージ5が移動することによって、『4つの
A』の像、『4つのB』の像、『4つのC』の像、『4
つのD』の像、『4つのE』の像及び『4つのF』の像
に関する積分信号(ΣS1,ΣS2,ΣS3,ΣS4 )をそれ
ぞれ求め、各像に関する積分信号(ΣS1,ΣS2,ΣS3,
ΣS4 )をそれぞれ画像処理系9へ出力する。これによ
って、画像処理系9は、最終的に、S/N比が良好な画
像信号を得ることができる。
【0032】なお、以上の信号処理の例では、信号処理
部82が積分信号(画像信号)を求めることについて述
べたが、TDI型検出器81自身に信号処理部82の信
号処理の機能を持たせて、TDI型検出器81が直接的
に画像処理系9へ積分信号(画像信号)を出力するよう
にしても良いことは言うまでもない。また、以上では、
TDI型検出器(TDIセンサー)の動作原理につい
て、1つのラインにおいて像信号を取り込む際に、1発
だけのパルス光が被検物を照明する条件とした説明をし
たが、この時の照射パルス数は複数回行っても良く、照
射パルス数は多ければ多いほど良い。
【0033】さらに、以上の説明では、パルス光の発振
が完了するまで移動ステージ5を待機させて、パルス光
が照射後において次の画素に像位置を移動させるよう
に、移動ステージ5を移動させる記載しているが、移動
ステージ5はパルス発光の発光間隔に対応しながら連続
的に被検物としての観察基板6を移動させても良い。と
ころで、TDI型検出器81の1画素当たりでの信号処
理部82(又は検出系8、あるいはTDI型検出器)の
信号処理速度をX(MHz)とすると、1画素当たりの
処理時間は、 (1) 1/X(μsec/pixel) となる。図5に示すように、1ラインに画素がn個ある
場合、そのライン内で各画素の信号を得るの要するパル
ス光の受光時間は、 (2) n/X(μsec) である。この間にライン内での各画素の受光面にパルス
光が入射しなければ成らない。パルス光源からのパルス
光に関して、パルスの発光と発光との間の時間にライン
の信号処理(換言すれば、受光時間)が終了してしまう
のを避けるために、パルス光に関するパルスの繰り返し
周波数Fは、 (3) F≧X/n(MHz) を満足することが望ましい(図6参照)。
【0034】ここで、上記(3)式は、TDI方式で十
分なる信号積分効果を得るための条件である。パルスの
繰り返し周波数Fがこの条件を下回ってしまうと、積分
される各画素列に関して、パルス光を受光できない画素
が発生する。このため、TDI型検出器81全体として
は、パルス光を受光できないラインが発生する。従っ
て、積分される各画素列に関して、画素からの単位出力
が零となるが部分が生ずるため、各画素列での積分効果
が薄れてしまう。
【0035】また、パルス光源1から安定したパルス
光、すなわちパルス光が規則的なタイミング(Fが一
定)で発振し、TDI型検出器81の1ライン当たりの
処理時間が上記(2)に示すようにn/X(μsec)
である場合には、TDI型検出器81中の像走査方向に
おける1つの画素の大きさ(画素の長さ又は画素のピッ
チ)をa(μm)、観察基板6の像をTDI型検出器8
1上に結像する結像光学系7の結像倍率をβ、観察基板
6を保持する移動ステージの走査速度をVとするとき、
以下の(4)式の関係を満足することがより望ましい。 (4) V=aX/(nβ) (m/sec) 従って、制御系10は、上記(4)式を満足するよう
に、駆動系11の駆動量を制御することが良い。
【0036】ところで、以上においては、パルス光源1
から安定したパルス光、すなわちパルス光が規則的なタ
イミング(Fが一定)で発振する例を述べた。しかしな
がら、パルス光源1の発振周波数の安定性が必要性能に
達していない場合には、図1に示すように、偏向ミラー
3(光分割部材)からの取り出した光を、パルス光源1
の発振周波数を監視する監視用検出系13にて光電検出
して、パルス間の発振間隔誤差を逐次モニターすること
ができる。
【0037】この場合、その監視用検出系13は、検出
信号を制御系10へ出力し、制御系10は、監視用検出
系12からの出力に基づいて、1ライン処理時間内にT
DI型検出器が受光する光量(=パルス数)がライン間
で等しくなるように、駆動系11の駆動量を制御し、移
動ステージ5の走査速度を調整(補正)することも可能
である。このように、積分後の信号を得たときに、その
中に含まれるパルス発光の数を常に一定となるように、
制御系10は、移動ステージ5の移動を制御することが
重要である。
【0038】なお、以上にて述べた例では、観察基板6
を透過照明する照明光学系を示したが、これに限ること
はなく、観察基板6を落射照明する照明光学系を用いて
も良いことは言うまでもない。また、以上の例では、本
発明を検査装置に用いた例を示したが、これ以外の装
置、例えば、マスクのパターンを感光性基板に投影する
際に、マスクあるいは感光性基板の位置を検出するアラ
イメント装置、顕微鏡等に適用することも可能である。
【0039】
【発明の効果】以上のとおり、本発明によれば、パルス
光を供給する光源を用いたとしても、ある程度のスルー
プットを確保しつつ、良好な画像信号等の画像情報を得
ることができる高性能な検査装置を実現することができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る検査装置の構成を示
す図である。
【図2】スペックル低減手段の一例を示す図である。
【図3】スペックル低減手段の別の例を示す図である。
【図4】図1の照明光学系内に配置されるフライアイレ
ンズにおける各レンズ素子の配列の様子を示す図であ
る。
【図5】TDI型検出器の様子を示す図である。
【図6】観察基板6上に形成されるパターンの様子を示
す図である。
【図7】図6に示した観察基板の像をTDI型検出器に
よって検出する様子を示す図である。
【図8】TDI型検出器とパルス光との関係を示す図で
ある。
【符号の説明】
1・・・ 光源 4・・・ 照明光学系 5・・・ 移動ステージ 6・・・ 観察基板(被検物) 7・・・ 結像光学系 8・・・ 検出系 81・・・ TDI型検出器 81・・・ 信号処理部 9・・・ 画像処理部 10・・・ 制御系 11・・・ 駆動系 13・・・ 監視用検出器

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】パルス光を供給する光源と、該光源からの
    光を被検物へ照明する照明光学系と、該照明光学系によ
    り照明された前記被検物からの光を集光して前記被検物
    の像を形成する結像光学系と、前記被検物の像を光電的
    に検出するTDI型検出器を含む検出系と、該検出系か
    らの出力信号に基づいて所定の画像処理を行う画像処理
    系とを有することを特徴とする検査装置。
  2. 【請求項2】前記光源は、260nm以下の波長を持つ
    光を供給するレーザであることを特徴とする請求項1に
    記載の検査装置。
  3. 【請求項3】前記光源から出力される半値幅が0.5p
    m以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に
    記載の検査装置。
  4. 【請求項4】前記照明光学系は、前記被検物上に形成さ
    れるスペックルを除去するためのスペックル除去手段を
    有することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれ
    か1項に記載の検査装置。
  5. 【請求項5】前記結像光学系は、石英製の光学部材で構
    成されることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいず
    れか1項に記載の検査装置。
  6. 【請求項6】前記光源から供給されるパルス光の周波数
    をF(MHz)とし、前記TDI型検出器の1ライン当
    たりの画素数をn個(但し、nは2以上の整数)、前記
    TDI型検出器の1画素当たりでの前記検出系の信号処
    理速度をX(MHz)とするとき、以下の条件を満足す
    ることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1
    項に記載の検査装置。 F≧X/n
  7. 【請求項7】被検物を載置するステージと、該ステージ
    を所定の走査方向に沿って移動させる駆動系と、前記光
    源から供給されるパルス光の発振間隔を計測する計測系
    と、該計測系からの計測情報に基づいて、前記駆動系の
    駆動量を制御する制御系とをさらに備えることを特徴と
    する請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の検査
    装置。
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