JP2021021790A - トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】精密な帯電制御が可能で、高画質を達成できるトナー。【解決手段】トナー粒子を有するトナーであって、該トナー粒子は、結着樹脂を含有するトナー母粒子及び該トナー母粒子表面の凸部を有し、該凸部が、有機ケイ素重合体及び多価酸金属塩を含み、該凸部の表面に該多価酸金属塩が存在することを特徴とするトナー。【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法及びトナージェット方式記録法を利用した記録方法に用いられるトナーに関する。
近年、電子写真による画像形成が利用される分野はプリンターや複写機から商業印刷機にいたるまで多岐にわたってきている。それに伴い、電子写真に求められる画質はますます高まってきている。
その中で、トナーには潜像を忠実に再現することが求められている。潜像を忠実に再現するためには、トナーの帯電を精密に制御することが有効である。トナーの帯電制御が不十分だと、低帯電のトナーが非画像部に現像してしまうカブリや、過帯電のトナーがトナー担持体に融着する規制不良等の弊害が発生し、潜像の忠実な再現を妨げる要因となる。
そのため、画質改善を目的として、トナー粒子表面に帯電性に優れる材料を付着させたり、トナー粒子表面を帯電性に優れる材料で被覆したりすることでトナーの帯電を制御する検討が広く行われている。
特許文献1には、トナー母粒子表面に有機ケイ素縮合体で被覆された金属酸化物微粒子を有し、トナーの電荷減衰定数を制御することで、現像耐久性・高帯電性と過帯電抑制を達成したトナーが開示されている。
特許文献2には、リン酸系陰イオンとジルコニウムイオンから構成される無機微粒子をトナー表面に付着させることで、現像性・耐久性を改良したトナーが開示されている。
特開2018−194833号公報 特開2001−209207号公報
しかし、上記特許文献に記載のトナーの画質は優れているが、帯電制御の観点では不十分であり、今後求められる画質水準に到達するために更なる改善が必要である。
本発明は、上記課題を解決することを目的とする。すなわち、精密な帯電制御が可能で、高画質を達成できるトナーを提供するものである。
トナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子は、結着樹脂を含有するトナー母粒子及び該トナー母粒子表面の凸部を有し、
該凸部が、有機ケイ素重合体及び多価酸金属塩を含み、
該凸部の表面に該多価酸金属塩が存在することを特徴とするトナー。
本発明によれば、精密な帯電制御が可能で、高画質を達成できるトナーを提供することができる。
画像形成装置の断面図の一例 プロセスカートリッジの断面図の一例
数値範囲を表す「XX以上YY以下」や「XX〜YY」の記載は、特に断りのない限り、端点である下限及び上限を含む数値範囲を意味する。
本発明のトナーは、トナー粒子を有するトナーであって、
該トナー粒子は、結着樹脂を含有するトナー母粒子及び該トナー母粒子表面の凸部を有し、
該凸部が、有機ケイ素重合体及び多価酸金属塩を含み、
該凸部の表面に該多価酸金属塩が存在することを特徴とする。
本発明者らは、トナーの帯電量制御を検討するにあたり、トナー帯電プロセスに着目した。現状のトナー帯電プロセスは主に摩擦帯電を用いているが、摩擦帯電のみを用いた場合、帯電部材やキャリア(以下、帯電部材と総称する)とトナーとの摺擦が均一に起こらず、過帯電のトナーと低帯電のトナーが発生する場合がある。これは、摩擦帯電による電荷がトナーと帯電部材とが接触した部分にのみ発生するためである。
また、摩擦帯電は湿度の影響を受けやすく、低湿度の環境と高湿度の環境では帯電量が変化してしまう場合がある。さらに、摩擦帯電はトナーの流動性の影響を大きく受けるために、長期使用等によりトナーが劣化して流動性が低下した場合には帯電量が変化する場合がある。
このように、摩擦帯電による帯電プロセスは精密帯電制御の観点では不十分である。また、上記課題を解決するために、トナー粒子表面に帯電性に優れる材料を付着させたり、トナー粒子表面を帯電性に優れる材料で被覆したりした場合でも、摩擦帯電プロセスの有する課題を充分に解決するものではない。そのため、今後更なる高画質化が求められることを考えると、根本的に異なる帯電プロセスが必要となる。
そこで、本発明者らは、摩擦帯電とは異なる帯電プロセスとして注入帯電に着目した。注入帯電とは、トナーと帯電部材との電位差によって電荷を注入することでトナーを帯電させるプロセスである。この場合、トナー中やトナー間に導電パスが存在すれば、帯電部材と接触している部分だけではなく、トナー全体を均一に帯電させることができる。
また、注入帯電によれば、電位差を変えることで任意に帯電量を制御できるため、システムが要求する帯電量を満たすことが容易になる。さらに、注入帯電は湿度の影響を受けにくいため、環境による帯電量の変化を抑制することが可能である。
このことから、トナーに摩擦帯電性に加えて、電位差によって帯電する注入帯電性を持たせることができれば、トナーの帯電をより精密に制御できる。そこで、本発明者らはトナーの各種材料及び構成を鋭意検討した結果、結着樹脂を含有するトナー粒子の表面に有機ケイ素重合体及び多価酸金属塩を含む凸部を形成させ、当該凸部の表面に多価酸金属塩を存在させる構成を見出した。そして、上記構成のトナーは電位差によって帯電量を制御可能な注入帯電性を有し、帯電量を精密に制御可能であることを見出し、本発明に至った。
トナーの注入帯電性を達成できた要因について、本発明者らは以下のように推測している。
通常、物体が注入帯電するには、物体が導体である必要がある。しかし、トナーが常に導体としてふるまう場合、帯電した電荷が速やかに漏洩してしまうため、帯電量が低くなりすぎてしまい、使いこなすことが困難である。そこで、トナーが注入帯電性を有し、なおかつ十分な帯電を保持できるようにするためには、帯電プロセスにおいては導体のようにふるまう一方で、その他の場合には絶縁体のようにふるまう必要がある。
ここで、プロセスとして一成分接触現像プロセスを考えた場合、帯電プロセスの特徴と
して、トナーが規制ブレードと帯電ローラの間に挟まれた圧密状態になることがあげられる。また、上記以外の帯電プロセスにおいても、帯電時には帯電部材と強く密着する必要があり、トナーは圧密状態になる。つまり、圧密状態では導体のようにふるまい、圧から解放された状態(以下、圧解除状態)では絶縁体のようにふるまうトナーが注入帯電性を有すると予想される。
有機ケイ素重合体及び多価酸金属塩を含む凸部において表面に多価酸金属塩を有するトナーは、多価酸金属塩が高い分極性と適度な体積抵抗率を有することで、電位差によって多くの電荷が注入される。同時に、注入した電荷を、速やかに有機ケイ素重合体と多価酸金属塩との界面に蓄積することができる。このとき、有機ケイ素重合体は高い体積抵抗率を有するため、トナー母体へと電荷が漏洩することを抑制する。
加えて、凸部の表面に多価酸金属塩を有することで、圧密状態では凸部表面の多価酸金属塩が隣接するトナーの多価酸金属塩と面接触することで、トナー層全体に広がる導電パスが形成され、トナー層全体への電荷注入が達成できる。一方で、圧解除状態では、凸部のスペーサー効果によって隣接するトナーとの接触が点接触となるため、導電パスが解除され、電荷の漏洩が起こりにくくなる。
このように、高い分極性と適度な体積抵抗率を有する多価酸金属塩の特性によって、注入された電荷が圧密時に形成された導電パスを経由してトナー層全体へと広がり、多価酸金属塩と有機ケイ素重合体との界面に蓄積する。一方で、圧解除時には凸部が有するスペーサー効果によってトナー間の接触面積が低減し、導電パスが解除されることで、電荷の漏洩を抑制できる。
以上のようなメカニズムで上記トナーは注入帯電性を有しながら十分な帯電量を保持することができる。
以下に、トナーを詳細に説明する。
トナー粒子が有する凸部は有機ケイ素重合体及び多価酸金属塩を含み、凸部の表面に多価酸金属塩が存在する。有機ケイ素重合体及び多価酸金属塩の具体例については後述する。
<トナーの断面の構造>
以下に、透過型電子顕微鏡でトナーの断面を観察した場合の好ましい形態について説明する。
透過型電子顕微鏡で観察されるトナーの断面を、エネルギー分散型X線分光法を用いて解析することで得られるトナーの断面の構成元素のEDXマッピング像において、
トナー母粒子の像及び有機ケイ素重合体の像が観察され、
有機ケイ素重合体の像はトナー母粒子の像におけるトナー母粒子の表面に相当する位置に観察されることが好ましい
そして、EDXマッピング像における有機ケイ素重合体の像とトナー母粒子の像とが形成する界面の端点同士を結んだ線分を基線とし、基線と有機ケイ素重合体の像の表面とを結ぶ垂線のうち、最大長を取る垂線の長さを像高さH(nm)とするとき、像高さHが30nm以上300nm以下の有機ケイ素重合体の像を凸部Aとし、トナー母粒子の像の周囲長をトナー周囲長D(nm)とし、凸部Aの基線の長さを凸幅W(nm)とし、トナー粒子1粒子中の凸幅Wの合計をWall(nm)としたとき、以下の式(1)を満たすことが好ましい。
0.30≦Wall/D≦0.90 (1)
上記式(1)のWall/Dは凸部によるトナー母粒子の被覆状態を表し、数値が大きいほど被覆率が高く、数値が小さいほど被覆率が低いことを示す。そして、上記被覆状態は圧解除状態におけるスペーサー効果に寄与する。加えて、上記被覆状態はトナーの定着
性にも寄与する。有機ケイ素重合体は一般的な樹脂と比較して硬度が高いため、トナー中に多量に存在するとトナーの定着性を低下させる場合がある。
上記関係式(1)を満たす場合、スペーサー効果が十分となることで、帯電保持を達成しやすくなり、同時に定着性も良好に保つことができる。
凸幅W(nm)の算術平均値は、好ましくは20〜500であり、より好ましくは50〜300である。
また、以下の式(1−2)を満たすことがより好ましく、式(1−3)を満たすことがさらに好ましい。
0.40≦Wall/D≦0.80 (1−2)
0.50≦Wall/D≦0.70 (1−3)
なお、Wall/Dはトナー母粒子上に凸部を形成する際の原材料の量や製造方法によって制御可能である。凸部の形成方法については後述する。
トナーの断面の構成元素のEDXマッピング像において、凸部Aの表面の少なくとも一部に多価酸金属塩の像が観察されることが好ましい。
そして、凸部Aの周囲長を凸周囲長C(nm)とし、一つの凸部Aの周囲のうち多価酸金属塩の像が存在する部分の長さの合計をC(nm)とし、トナー一粒子中の凸部Aの凸周囲長Cの合計をCall(nm)とし、トナー一粒子中の長さCの合計をCMall(nm)とするとき、下記式(2)を満たすことが好ましい。
0.05≦CMall/Call≦0.50 (2)
式(2)のCMall/Callは多価酸金属塩による凸部の被覆状態を表し、数値が大きいほど被覆率が高く、数値が小さいほど被覆率が低いことを示す。そして、上記被覆状態は圧密状態と圧解除状態における導電パスの形成及び解除に寄与する。式(2)を満たす場合、圧密状態では十分な導電パスが形成される一方で、圧解除状態では導電パスが解除されやすく、帯電の保持と注入帯電性を達成しやすくなる。よって、さらに精密に帯電を制御することができる。
Mall/Callが0.05以上であると、凸部の金属による被覆状態が好適であるため、電位差に対する帯電量の変化が大きくなる。また、CMall/Callが0.50以下である場合、好適な帯電量が得られやすい。
また、以下の式(2−1)を満たすことがより好ましく、式(2−2)を満たすことがさらに好ましい。
0.05≦CMall/Call≦0.40 (2−1)
0.10≦CMall/Call≦0.30 (2−2)
なお、CMall/Callは多価酸金属塩を付着させる際の原材料の量や製造方法によって制御可能である。多価酸金属塩の付着方法については後述する。
<凸部及び多価酸金属塩の固着状態>
以下に、トナーの凸部及び多価酸金属塩の好ましい固着状態について詳細に説明する。
多価酸金属塩に含まれる金属元素を金属元素Mとし、トナーのX線光電子分光分析によって得られたスペクトルから求められる、トナー表面の構成元素における金属元素Mの比率をM1(atomic%)とし、トナーの蛍光X線分析によって得られたスペクトルから求められるトナーに含まれる有機ケイ素重合体の質量比率をSi1(質量%)とし、
トナー1.0gを61.5質量%のショ糖水溶液31.0gと、非イオン性界面活性剤
、陰イオン界面活性剤及び有機ビルダーからなる10質量%の精密測定器洗浄用中性洗剤水溶液6.0gからなる混合水溶液に分散させ、シェーカーを用いて1分間に300回の振とうを20分行う処理(a)を施して得たトナーをトナー(a)とし、
トナー(a)のX線光電子分光分析によって得られたスペクトルから求められる、トナ
ー(a)の表面の構成元素における金属元素Mの比率をM2(atomic%)とし、トナー(a)の蛍光X線分析によって得られたスペクトルから求められるトナー(a)に含まれる有機ケイ素重合体の質量比率をSi2(質量%)とするとき、M1とM2がともに1.00以上10.00以下であり、
前記M1、Si1、M2及びSi2が下記式(3)及び(4)を満たすことが好ましい。
0.90≦M2/M1 (3)
0.90≦Si2/Si1 (4)
また、処理(a)を施したトナー(a)に、電気的出力120Wの超音波を印加する処理(b)を施して得たトナーをトナー(b)とし、
トナー(b)のX線光電子分光分析によって得られたスペクトルから求められる、トナー(b)の表面の構成元素における金属元素Mの比率をM3(atomic%)とし、トナー(b)の蛍光X線分析によって得られたスペクトルから求められるトナー(b)に含まれる有機ケイ素重合体の質量比率をSi3(質量%)としたとき、
M3が1.00以上10.00以下であり、
M2、Si2、M3及びSi3が下記式(5)及び(6)を満たすことがさらに好ましい。
0.90≦M3/M2 (5)
0.90≦Si3/Si2 (6)
処理(a)では、トナー母粒子表面に弱く付着している多価酸金属塩や有機ケイ素重合体を取り除くことができる。具体的には、トナー母粒子に対し、乾式法で付着させた多価酸金属塩や有機ケイ素重合体が処理(a)によって取り除かれやすい。一方、処理(b)では、トナー母粒子表面に比較的強く固着している多価酸金属塩や有機ケイ素重合体を取り除くことができる。
このように、処理(a)及び(b)によってトナー母粒子表面に存在する多価酸金属塩や有機ケイ素重合体の固着状態を評価することが可能である。処理(a)及び(b)による各パラメータの変化が小さいほど、多価酸金属塩や有機ケイ素重合体がトナー母粒子に強く固着していることを示す。
M1、M2及びM3は各処理の前後における、多価酸金属塩によるトナー母粒子表面の被覆状態を表す。そして、多価酸金属塩によるトナー母粒子表面の被覆状態は圧密状態と圧解除状態における導電パスの形成及び解除に寄与する。
M1、M2及びM3は、それぞれ1.00atomic%以上10.00atomic%以下であることが好ましい。上記範囲であると、圧密状態では十分な導電パスが形成される一方で、圧解除状態では導電パスが解除されやすく、帯電の保持と注入帯電性を達成しやすくなる。よって、さらに精密に帯電を制御することができる。
M1、M2及びM3は、それぞれ1.00atomic%以上7.00atomic%以下であるとより好ましく、1.50atomic%以上5.00atomic%以下であるとさらに好ましい。
M1は、トナー製造時における多価酸金属塩の付着量及び付着方法や付着条件等により制御できる。
Si1、Si2及びSi3は各処理の前後における、トナーに存在する有機ケイ素重合体の量を表す。トナーに存在する有機ケイ素重合体の量はトナーの定着性に寄与する。有機ケイ素重合体は一般的な樹脂と比較して硬度が高いため、トナー中に多量に存在するとトナーの定着性を低下させる場合がある。
Si1、Si2及びSi3は、それぞれ0.01質量%以上20.00質量%以下であることが好ましく、0.10質量%以上10.00質量%以下であることがより好ましい
式(3)及び(5)は、それぞれ処理(a)及び(b)において多価酸金属塩がトナー母粒子表面から剥離せず、残存している比率を意味している。M2/M1及びM3/M2が0.90以上となる場合、トナー母粒子表面に多価酸金属塩が強く固着しているため、長期にわたる使用時にも安定して注入帯電特性を発揮することが可能な、耐久性に優れたトナーを得ることができる。
加えて、M2/M1及びM3/M2が0.90以上となることは凸部と多価酸金属塩とが強く固着していることを表す。この場合、凸部と多価酸金属塩との界面の面積が広くなるため、より多くの電荷を凸部と多価酸金属塩との界面に蓄積することが可能となり、注入帯電による帯電量をさらに多くすることができる。
また、M2/M1及びM3/M2がいずれも0.90以上であることがより好ましく、いずれも0.95以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限されないが、M2/M1が、1.00以下であることが好ましく、0.99以下であることがより好ましい。また、M3/M2が、0.99以下であることが好ましく、0.97以下であることがより好ましい。
M2/M1及びM3/M2は、トナー製造時における多価酸金属塩の製造方法や付着方法および付着条件等により制御できる。
式(4)及び(6)は、それぞれ処理(a)及び処理(b)において、有機ケイ素重合体を含む凸部がトナー母粒子表面から剥離せず、残存している比率を意味している。Si2/Si1及びSi3/Si2が0.90以上となる場合、トナー母粒子表面に凸部が強く固着しているため、長期にわたる使用時にも安定して注入帯電特性を発揮することが可能な、耐久性に優れたトナーを得ることができる。
また、Si2/Si1及びSi3/Si2がいずれも0.90以上であることがより好ましく、いずれも0.95以上であることがさらに好ましい。上限は特に制限されないが、Si2/Si1が、1.00以下であることが好ましく、0.99以下であることがより好ましい。また、Si3/Si2が、1.00以下であることが好ましく、0.99以下であることがより好ましい。
Si2/Si1及びSi3/Si2は、有機ケイ素重合体の原材料となる有機ケイ素化合物の種類やトナー製造時の有機ケイ素重合体の付着条件等により制御できる。
以下に、トナーに含まれる材料について詳細に述べる。
<多価酸金属塩及び金属化合物>
以下に、トナーに含まれる多価酸金属塩について詳細に説明する
上述の通り、多価酸金属塩は塩構造に起因する高い分極性と適度な体積抵抗率を有することで、金属酸化物等の他の材料を用いた場合と比較して、注入帯電プロセスにおける電荷の注入量と移動速度を高めることができる。
中でも、多価酸金属塩の4端子法によって測定される体積抵抗率は、1.0×10Ω・cm以上1.0×1011Ω・cm以下であることが好ましく、1.0×10Ω・cm以上1.0×10Ω・cm以下であることがより好ましい。
体積抵抗率は、多価酸金属塩の微粒子の粉末を電極で挟み、トルクレンチを用いて一定の荷重をかけた状態として、電極間の距離と抵抗値を計測することで算出できる。詳細な測定方法は後述する。
体積抵抗率が上記範囲であると、電荷が速やかに移動するため、帯電の立ち上がりが速くなり、高速の帯電プロセスにおいても十分な帯電量を得ることが可能になる。
多価酸金属塩は、特段の制限なく従来公知の多価酸と金属によって構成される塩を用いることができる。
多価酸金属塩は、第3族から第13族に含まれる金属元素からなる群より選択される少なくとも一の金属元素を含むことが好ましい。第3族から第13族の金属元素及び多価酸の塩は、金属イオン間を多価酸イオンが架橋したネットワーク構造を形成することで、内部への水分子の侵入を抑制するために、吸水性が低い。よって、高湿環境においても安定して注入帯電性を得ることができる。
金属元素のポーリングの電気陰性度は、1.25以上1.85以下であることが好ましく、1.30以上1.70以下であることがより好ましい。金属元素の電気陰性度が上記範囲であると、多価酸との極性差が生じやすく、多価酸金属塩内での分極が大きくなるため、注入帯電による帯電量をさらに高めることができる。
なお、ポーリングの電気陰性度は、「日本化学会編(2004)『化学便覧 基礎編』改訂5版、表表紙裏の表、丸善出版」に記載の値を用いた。
金属元素の具体例としては、チタン(第4族、電気陰性度:1.54)、ジルコニウム(第4族、1.33)、アルミニウム(第13族、1.61)、亜鉛(第12族、1.65)、インジウム(第13族、1.78)、ハフニウム(第4族、1.30)、鉄(第8族、1.83)、銅(第11族、1.90)、銀(第11族、1.93)、カルシウム(第2族、1.00)などが挙げられる。
中でも、3価以上の価数を持ちうる金属を用いることが好ましく、チタン、ジルコニウ
ム、及びアルミニウムからなる群から選択される少なくとも一がより好ましく、チタンがさらに好ましい。
多価酸は無機酸を含むことが好ましい。無機酸は有機酸と比較して剛直な分子骨格を有するため、長期保管における性状の変化が小さい。よって、長期保管後も安定して注入帯電性を得ることができる。
多価酸の具体例としては、リン酸(3価)、炭酸(2価)、硫酸(2価)などの無機酸;ジカルボン酸(2価)、トリカルボン酸(3価)などの有機酸があげられる。
有機酸の具体例としては、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸などのジカルボン酸;クエン酸、アコニット酸、無水トリメリット酸などのトリカルボン酸などが挙げられる。
中でも無機酸であるリン酸、炭酸、及び硫酸からなる群から選択される少なくとも一が好ましく、リン酸がさらに好ましい。
上記金属及び多価酸を組み合わせた多価酸金属塩の具体例としては、リン酸チタン化合物、リン酸ジルコニウム化合物、リン酸アルミニウム化合物、リン酸銅化合物等のリン酸金属塩、硫酸チタン化合物、硫酸ジルコニウム化合物、硫酸アルミニウム化合物等の硫酸金属塩、炭酸チタン化合物、炭酸ジルコニウム化合物、炭酸アルミニウム化合物等の炭酸金属塩、シュウ酸チタン化合物等のシュウ酸金属塩等が挙げられる。
中でもリン酸イオンが金属間を架橋することで強度が高く、分子内にイオン結合を有することで帯電立ち上がり性にも優れていることから、多価酸金属塩はリン酸金属塩を含むことが好ましく、リン酸チタン化合物を含むことがより好ましい。
多価酸金属塩を得るための方法には特段の制限はなく、公知の方法を用いることができる。中でも、水系媒体中で、金属源となる金属化合物と多価酸イオンを反応させて多価酸金属塩を得る方法が好ましい。
金属源としては、多価酸イオンとの反応によって多価酸金属塩を与える金属化合物であれば、特段の制限なく従来公知の金属化合物を用いることができる。
具体的には、チタンラクテート、チタンテトラアセチルアセトネート、チタンラクテー
トアンモニウム塩、チタントリエタノールアミネート、ジルコニウムラクテート、ジルコニウムラクテートアンモニウム塩、アルミニウムラクテート、アルミニウムトリスアセチルアセトネート、銅ラクテート等の金属キレート、チタンテトライソプロポキシド、チタンエトキシド、ジルコニウムテトライソプロポキシド、アルミニウムトリスイソプロポキシド等の金属アルコキシド等が挙げられる。
中でも、反応を制御しやすく、多価酸イオンと定量的に反応することから、金属キレートが好ましい。また、水系媒体への溶解性の観点からチタンラクテートやジルコニウムラクテート等の乳酸キレートがさらに好ましい。
多価酸イオンとしては、上述した多価酸のイオンを用いることができる。水系媒体に加える場合の形態としては、多価酸そのものを加えてもよく、水溶性の多価酸金属塩を水系媒体に加えて、水系媒体中で解離させてもよい。
トナー粒子中の多価酸金属塩の含有量は、0.01質量%以上5.00質量%以下であることが好ましく、0.02質量%以上3.00質量%以下であることがより好ましく、0.05質量%以上2.00質量%以下であることがさらに好ましい。
<有機ケイ素重合体及び有機ケイ素化合物>
以下に、凸部に含まれる有機ケイ素重合体について詳細に述べる。
有機ケイ素重合体としては、特段の制限なく、公知の有機ケイ素重合体を用いることができる。中でも、下記式(I)で表される構造を有する有機ケイ素重合体を用いることが好ましい。
R−SiO3/2 (I)
(式(I)中、Rは、(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは1〜6の)アルキル基、(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは1〜4の)アルケニル基、(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは1〜4の)アシル基、(好ましくは炭素数6〜14、より好ましくは6〜10の)アリール基又はメタクリロキシアルキル基を示す。)
式(I)は、有機ケイ素重合体が有機基と、ケイ素重合体部を有することを表している。このことにより、式(I)で表される構造を含む有機ケイ素重合体において、有機基がトナー母粒子との親和性を有することでトナー母粒子と強く固着し、ケイ素重合体部が多価酸金属塩との親和性を有することで多価酸金属塩と強く固着する。このように、有機ケイ素重合体がトナー母粒子と多価酸金属塩とを固着させる働きを有することで、凸部を介してより強固に多価酸金属塩をトナー母粒子に固着させることができる。
また、式(I)は有機ケイ素重合体が架橋していることを表している。有機ケイ素重合体が架橋構造を有することで、有機ケイ素重合体の強度が増すとともに、残存するシラノール基が少なくなることで疎水性が増す。よって、さらに耐久性に優れ、高湿環境下でも安定して性能を発揮するトナーを得ることができる。
式(I)中、Rが、メチル基、プロピル基、ノルマルヘキシル基等の炭素数1以上6以
下のアルキル基、ビニル基、フェニル基、又はメタクリロキシプロピル基であることが好ましく、炭素数1以上6以下のアルキル基又はビニル基であることがより好ましい。上記構造を有する有機ケイ素重合体は、有機基の分子運動性が制御されることで硬さと柔軟性を併せ持つため、長期にわたって使用された場合においてもトナーの劣化が抑制され、優れた性能を示す。
有機ケイ素重合体を得るための有機ケイ素化合物としては、特段の制限なく公知の有機ケイ素化合物を用いることができる。中でも、下記式(II)で表される有機ケイ素化合物からなる群より選択される少なくとも1つであることが好ましい。
R−Si−Ra (II)
式(II)中、Raは、それぞれ独立して、ハロゲン原子、又は(好ましくは炭素数1〜4、より好ましくは1〜3の)アルコキシ基を示し、Rは、それぞれ独立して、(好ましくは炭素数1〜8、より好ましくは1〜6の)アルキル基、(好ましくは炭素数1〜6
、より好ましくは1〜4の)アルケニル基、(好ましくは炭素数6〜14、より好ましくは6〜10の)アリール基、(好ましくは炭素数1〜6、より好ましくは1〜4の)アシル基又はメタクリロキシアルキル基を示す。
式(II)で表されるシラン化合物としては、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルジエトキシメトキシシラン、メチルエトキシジメトキシシランの三官能のメチルシラン化合物;エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、ブチルトリメトキシシラン、ブチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシランなどの三官能のシラン化合物;フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシランなどの三官能のフェニルシラン化合物;ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシランなどの三官能のビニルシラン化合物;アリルトリメトキシシラン、アリルトリエトキシシラン、アリルジエトキシメトキシシラン、アリルエトキシジメトキシシランなどの三官能のアリルシラン化合物;γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルジエトキシメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルエトキシジメトキシシランなどの三官能のγ−メタクリロキシプロピルシラン化合物;などの三官能のシラン化合物などが挙げられる。
式(II)中、Rは、メチル基、プロピル基、ノルマルヘキシル基等の炭素数1以上6以下のアルキル基、ビニル基、フェニル基、又はメタクリロキシプロピル基であることが好ましく、炭素数1以上6以下のアルキル基又はビニル基であることがより好ましい。そのことによって、上記式(I)の好ましい範囲を満たす有機ケイ素重合体を得ることができる。
また、Raはアルコキシ基であると、水系媒体中で適度な反応性を有するために安定し
て有機ケイ素重合体を得ることが可能であり、好ましい。Raがメトキシ基又はエトキシ
基であることがより好ましい。
<結着樹脂>
トナー粒子は、結着樹脂を含有する。
結着樹脂としては、特段の制限なく公知の樹脂を用いることができる。具体的には、ビニル系樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂などが挙げられる。結着樹脂は、ビニル系樹脂を含むことが好ましい。
ビニル系樹脂の製造に用いることのできる重合性単量体としては、スチレン、α−メチルスチレンなどのスチレン系単量体;アクリル酸メチル、アクリル酸ブチルなどのアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシルなどのメタクリル酸エステル;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和カルボン酸;マレイン酸などの不飽和ジカルボン酸;マレイン酸無水物などの不飽和ジカルボン酸無水物;アクリロニトリルなどのニトリル系ビニル単量体;塩化ビニルなどの含ハロゲン系ビニル単量体;ニトロスチレンなどのニトロ系ビニル単量体;などが挙げられる。
中でも、結着樹脂が酸価を有する樹脂を含むことが好ましい。トナー粒子が酸価を有する樹脂を含む場合、多価酸金属塩として多価酸と3価以上の金属とを含む塩を組み合わせることによって、定着工程において多価酸金属塩の多価酸と樹脂が有する酸が配位子交換することで樹脂間が金属を介して架橋される。これによって定着後の画像が次に出力された画像に貼りついてしまう弊害を抑制することができる。この効果は特に高速の画像形成プロセスにおいて顕著である。
酸価を有する樹脂の酸価は、1mgKOH/g〜50mgKOH/gであることが好ましく、2mgKOH/g〜30mgKOH/gであることがより好ましい。
<着色剤>
トナー粒子は着色剤を含有してもよい。着色剤としては、特段の制限なく公知のブラック、イエロー、マゼンタ、及びシアンの各色及び他の色の顔料及び染料、磁性体などを用いることができる。
ブラック着色剤としては、カーボンブラックなどのブラック顔料が挙げられる。
イエロー着色剤としては、モノアゾ化合物;ジスアゾ化合物;縮合アゾ化合物;イソインドリノン化合物;ベンズイミダゾロン化合物;アントラキノン化合物;アゾ金属錯体;メチン化合物;アリルアミド化合物などのイエロー顔料及びイエロー染料が挙げられる。
具体的には、C.I.ピグメントイエロー74、93、95、109、111、128、155、174、180、185、C.I.ソルベントイエロー162などが挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、モノアゾ化合物;縮合アゾ化合物;ジケトピロロピロール化合物;アントラキノン化合物;キナクリドン化合物;塩基染料レーキ化合物;ナフトール化合物:ベンズイミダゾロン化合物;チオインジゴ化合物;ペリレン化合物などのマゼンタ顔料及びマゼンタ染料などが挙げられる。
具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、122、144、146、150、166、169、177、184、185、202、206、220、221、238、254、269、C.I.ピグメントバイオレッド19などが挙げられる。
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体、アントラキノン化合物;塩基染料レーキ化合物などのシアン顔料及びシアン染料などが挙げられる。
具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66などが挙げられる。
着色剤の含有量は、結着樹脂又は重合性単量体100.0質量部に対して、1.0質量部以上20.0質量部以下であることが好ましい。
また、トナーは、磁性体を含有させて磁性トナーとすることも可能である。
この場合、磁性体は着色剤の役割をかねることもできる。
磁性体としては、マグネタイト、ヘマタイト、フェライトなどに代表される酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルなどに代表される金属又はこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、スズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムなどの金属との合金及びその混合物などが挙げられる。
<ワックス>
トナー粒子はワックスを含有してもよい。ワックスとしては特段の制限なく公知のワックスを用いることができる。
具体的には、ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、パルミチン酸パルミチルなどの1価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;セバシン酸ジベヘニルなどの2価カルボン酸とモノアルコールのエステル類;エチレングリコールジステアレート、ヘキサンジオールジベヘネートなどの2価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;グリセリントリベヘネートなどの3価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラパルミテートなどの4価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;ジペンタエリスリトールヘキサステアレート、ジペンタエリスリトールヘキサパルミテートなどの6価アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;ポリグリセリンベヘネートなどの多官能アルコールとモノカルボン酸とのエステル類;カルナバワックス、ライスワックスなどの天然エステルワックス類;パラフ
ィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、ペトロラタムなどの石油系炭化水素ワックス及びその誘導体;フィッシャートロプシュ法による炭化水素ワックス及びその誘導体;ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィン系炭化水素ワックス及びその誘導体;高級脂肪族アルコール;ステアリン酸、パルミチン酸などの脂肪酸;酸アミドワックスなどが挙げられる。
ワックスの含有量は、離型性の観点から、結着樹脂又は重合性単量体100.0質量部に対して、1.0質量部以上30.0質量部以下であることが好ましく、5.0質量部以上20.0質量部以下であることがより好ましい。
<荷電制御剤>
トナーは荷電制御剤を含有してもよい。荷電制御剤としては、特段の制限なく公知の荷電制御剤を用いることができる。
具体的には、負帯電制御剤として以下の、サリチル酸、アルキルサリチル酸、ジアルキルサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸などの芳香族カルボン酸の金属化合物又は該芳香族カルボン酸の金属化合物を有する重合体又は共重合体;スルホン酸基、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体;アゾ染料若しくはアゾ顔料の金属塩又は金属錯体;ホウ素化合物、ケイ素化合物、カリックスアレーンなどが挙げられる。
一方、正帯電制御剤として以下の、四級アンモニウム塩、四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物;グアニジン化合物;ニグロシン系化合物;イミダゾール化合物などが挙げられる。なお、スルホン酸塩基又はスルホン酸エステル基を有する重合体又は共重合体としては、スチレンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−メタクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、ビニルスルホン酸、メタクリルスルホン酸などのスルホン酸基含有ビニル系モノマーの単重合体又は結着樹脂の項に示したビニル系単量体と上記スルホン酸基含有ビニル系モノマーの共重合体などを用いることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂又は重合性単量体100.0質量部に対して、0.01質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
<外部添加剤>
トナー粒子は、有機ケイ素重合体の凸部を有することによって、外部添加剤がない場合においても、優れた流動性などの特性を示す。しかし、更なる改善を目的として、トナー粒子に外部添加剤を添加してもよい。
外部添加剤としては特段の制限なく従来公知の外部添加剤を用いることができる。
具体的には、湿式製法シリカ、乾式製法シリカなどの原体シリカ微粒子又はそれら原体シリカ微粒子にシランカップリング剤、チタンカップリング剤、シリコーンオイルなどの処理剤により表面処理を施したシリカ微粒子;フッ化ビニリデン微粒子、ポリテトラフルオロエチレン微粒子などの樹脂微粒子などが挙げられる。
外部添加剤の含有量は、トナー粒子100.0質量部に対して、0.1質量部以上5.0質量部以下であることが好ましい。
続いて、以下にトナーの製造方法について詳細に述べる。
<有機ケイ素重合体を含む凸部の形成方法>
有機ケイ素重合体を含む凸部の形成方法には特段の制限はなく、公知の方法を用いることができる。例えば、トナー母粒子が分散した水系媒体中で有機ケイ素化合物を縮合し、トナー母粒子上に凸部を形成する方法が挙げられる。また、乾式又は湿式でトナー母粒子上に有機ケイ素重合体を含む凸部を機械的な外力によって付着させる方法が挙げられる。
中でも、トナー母粒子と凸部を強固に固着させることが可能であることから、トナー母粒子が分散した水系媒体中で有機ケイ素化合物を縮合し、トナー母粒子上に凸部を形成す
る方法が好ましい。
上記方法について説明する。
上記方法によってトナー母粒子上に凸部を形成する場合、トナー母粒子が水系媒体に分散したトナー母粒子分散液を得る工程(工程1)、及び有機ケイ素化合物(及び/又はその加水分解物)をトナー母粒子分散液に混合し、有機ケイ素化合物をトナー母粒子分散液中で縮合反応させることでトナー母粒子上に有機ケイ素重合体を含む凸部を形成する工程(工程2)を含むことが好ましい。
工程1において、トナー母粒子分散液を得る方法としては、水系媒体中で製造したトナー母粒子の分散液をそのまま用いる方法、及び乾燥したトナー母粒子を水系媒体に投入し、機械的に分散させる方法等が挙げられる。乾燥したトナー母粒子を水系媒体に分散させる場合、分散助剤を用いてもよい。
分散助剤としては、公知の分散安定剤や界面活性剤などを用いることができる。
具体的には、分散安定剤として以下のものが挙げられる。リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタ珪酸カルシウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、シリカ、アルミナ等の無機分散安定剤、ポリビニルアルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒドロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等の有機分散安定剤。
また、界面活性剤として、アルキル硫酸エステル塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、脂肪酸塩等のアニオン性界面活性剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンアルキルエーテル等のノニオン性界面活性剤、アルキルアミン塩、第四級アンモニウム塩等のカチオン性界面活性剤が挙げられる。
中でも、無機分散安定剤を含むことが好ましく、リン酸三カルシウム、ヒドロキシアパタイト、リン酸マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸アルミニウム等のリン酸塩を含む分散安定剤を含むことがより好ましい。
工程2において、有機ケイ素化合物はそのままトナー母粒子分散液に加えてもよく、加水分解後にトナー母粒子分散液に加えてもよい。中でも、上記縮合反応が制御しやすく、トナー母粒子分散液中に残留する有機ケイ素化合物量を減らせることから、加水分解後に加えることが好ましい。
加水分解は公知の酸及び塩基を用いてpHを調整した水系媒体中で行うことが好ましい。有機ケイ素化合物の加水分解にはpH依存性があることが知られており、上記加水分解を行う場合のpHは、有機ケイ素化合物の種類によって適宜変更することが好ましい。例えば、有機ケイ素化合物としてメチルトリエトキシシランを用いる場合、上記水系媒体のpHが2.0以上6.0以下であることが好ましい。
pHを調整するための酸としては、具体的には、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、次亜塩素酸、亜塩素酸、塩素酸、過塩素酸、次亜臭素酸、亜臭素酸、臭素酸、過臭素酸、次亜ヨウ素酸、亜ヨウ素酸、ヨウ素酸、過ヨウ素酸、硫酸、硝酸、リン酸、ホウ酸等の無機酸、酢酸、クエン酸、ギ酸、グルコン酸、乳酸、シュウ酸、酒石酸等の有機酸が挙げられる。
pHを調整するための塩基としては、具体的には、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウムなどのアルカリ金属の水酸化物及びそれらの水溶液、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸リチウムなどのアルカリ金属の炭酸塩及びそれらの水溶液、硫酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸リチウムなどのアルカリ金属の硫酸塩及びそれらの水溶液、
リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸リチウムなどのアルカリ金属のリン酸塩及びそれらの水溶液、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウムなどのアルカリ土類金属の水酸化物及びそれらの水溶液、アンモニア、トリエチルアミン等のアミン類等が挙げられる。
工程2における縮合反応はトナー母粒子分散液のpHを調整することで制御することが好ましい。有機ケイ素化合物の縮合反応はpH依存性があることが知られており、縮合反応を行う場合のpHは、有機ケイ素化合物の種類によって適宜変更することが好ましい。例えば、有機ケイ素化合物としてメチルトリエトキシシランを用いる場合、上記水系媒体のpHが6.0以上12.0以下であることが好ましい。
pHを調整することで、凸部の凸高さHや凸幅Wを制御することが可能である。pHを調整するための酸及び塩基としては、加水分解の項で例示した酸及び塩基を用いることができる。
<多価酸金属塩の付着>
凸部の表面に多価酸金属塩を存在させるための方法には特段の制限はなく、公知の方法を用いることができる。
例えば、凸部を有するトナー粒子が分散した水系媒体中で、金属源となる金属化合物と多価酸イオンを反応させて多価酸金属塩を得る方法;凸部を有するトナー粒子が分散した水系媒体中で、凸部を有するトナー粒子上に多価酸金属塩微粒子を化学的に付着させる方法;乾式又は湿式で凸部を有するトナー粒子上に多価酸金属塩微粒子を機械的な外力によって付着させる方法が挙げられる。
中でも、凸部を有するトナー粒子が分散した水系媒体中で、金属源となる金属化合物と多価酸イオンを反応させて多価酸金属塩を得る方法が好ましい。上記方法を用いることで多価酸金属塩をトナー粒子表面に均一に分散させることが可能となる。よって、導電パスが効率よく形成されるようになり、より少ない多価酸金属塩によって注入帯電性を示すトナーを得ることができる。
また、金属化合物と多価酸イオンとの反応時に、同時に有機ケイ素化合物を水系媒体に導入し、水系媒体中で有機ケイ素化合物を反応させて有機ケイ素重合体を得ることがより好ましい。
すなわち、前述の方法でトナー母粒子表面に有機ケイ素重合体を含む凸部を形成させたのち、凸部を有するトナー粒子が分散した水系媒体中で、金属化合物と多価酸イオンと反応と、有機ケイ素化合物の縮合とを同時に行うことが好ましい。
上記方法を用いることで、水系媒体中で発生した多価酸金属塩の微粒子が成長する前に、有機ケイ素重合体によってトナー粒子表面に固定されるため、さらに多価酸金属塩の分散性を高めることが可能である。また、多価酸金属塩がトナー粒子上に有機ケイ素重合体によってしっかりと固着されるため、長期にわたる使用時にも安定して注入帯電特性を発揮することが可能な、耐久性に優れたトナーを得ることができる。加えて、凸部における有機ケイ素重合体と多価酸金属塩との界面の面積が広くなるため、より多くの電荷を有機ケイ素重合体と多価酸金属塩との界面に蓄積することが可能となり、注入帯電による帯電量をさらに多くすることができる。
上記方法に用いられる金属化合物、多価酸及び有機ケイ素化合物については、上述した金属化合物、多価酸及び有機ケイ素化合物をそれぞれ用いることができる。
<トナー母粒子の製造>
トナー母粒子の製造方法は、特に限定されることはなく、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化凝集法、粉砕法などを用いることができる。その中でも、懸濁重合法が好ましい。
一例として、懸濁重合法でトナー母粒子を得る方法を以下に述べる。
まず、結着樹脂を生成しうる重合性単量体、及び必要に応じて各種添加物を混合し、分
散機を用いて、該材料を溶解又は分散させた重合性単量体組成物を調製する。
各種添加物として、着色剤、ワックス、荷電制御剤、重合開始剤、連鎖移動剤などが挙げられる。
分散機としては、ホモジナイザー、ボールミル、コロイドミル、又は超音波分散機等が挙げられる。
次いで、重合性単量体組成物を、難水溶性の無機微粒子を含有する水系媒体中に投入し、高速撹拌機又は超音波分散機などの高速分散機を用いて、重合性単量体組成物の液滴を調製する(造粒工程)。
その後、前記液滴中の重合性単量体を重合してトナー母粒子を得る(重合工程)。
重合開始剤は、重合性単量体組成物を調製する際に混合してもよく、水系媒体中に液滴を形成させる直前に重合性単量体組成物中に混合してもよい。
また、液滴の造粒中や造粒完了後、すなわち重合反応を開始する直前に、必要に応じて重合性単量体や他の溶媒に溶解した状態で加えることもできる。
重合性単量体を重合して結着樹脂を得たあと、必要に応じて脱溶剤処理を行い、トナー母粒子の分散液を得るとよい。
乳化凝集法や懸濁重合法などによって結着樹脂を得る場合、重合性単量体としては、特段の制限なく従来公知の単量体を用いることができる。具体的には、結着樹脂の項に挙げたビニル系単量体が挙げられる。
重合開始剤としては、特段の制限なく公知の重合開始剤を用いることができる。具体的には以下のものが挙げられる。
過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化−tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピル、テトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸−tert−ヒドロペルオキシド、過ギ酸−tert−ブチル、過酢酸−tert−ブチル、過安息香酸−tert−ブチル、過フェニル酢酸−tert−ブチル、過メトキシ酢酸−tert−ブチル、過N−(3−トルイル)パルミチン酸−tert−ブチルベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレ−ト、t−ブチルパーオキシイソブチレ−ト、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイソプロピルパーオキシカーボネート、クメンヒドロパーオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイドなどに代表される過酸化物系重合開始剤;2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリルなどに代表されるアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;などが挙げられる。
続いて、画像形成装置について詳細に述べる。
トナーは特段の制限なく公知の画像形成装置に用いることができる。
例えば、一成分接触現像方式や二成分現像方式、一成分ジャンピング現像方式の画像形成装置が挙げられる。
以下では、一成分接触現像方式の画像形成装置を例にして述べるが、下記構成に限定されるものではない。
まず、画像形成装置の全体構成について説明する。
図1は、画像形成装置100の概略断面図である。画像形成装置100は、インライン
方式、中間転写方式を採用したフルカラーレーザープリンタである。画像形成装置100は、画像情報に従って、記録材(例えば、記録用紙、プラスチックシート、布など)にフルカラー画像を形成することができる。画像情報は、画像形成装置本体100Aに接続された画像読み取り装置、又は、画像形成装置本体100Aに通信可能に接続されたパーソナルコンピュータ等のホスト機器から、画像形成装置本体100Aに入力される。
画像形成装置100は、複数の画像形成部として、それぞれイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の各色の画像を形成するための第1、第2、第3、第4の画像形成部SY、SM、SC、SKを有する。
なお、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKの構成及び動作は、形成する画像の色が異なることを除いて実質的に同じである。従って、以下、特に区別を要しない場合は、いずれかの色用に設けられた要素であることを表すために符号に与えた添え字Y、M、C、Kは省略して、総括的に説明する。
画像形成装置100は、複数の像担持体として、鉛直方向と交差する方向に並設された4個のドラム型の電子写真感光体、即ち、感光体ドラム1を有する。感光体ドラム1は、図示矢印A方向(時計方向)に図示しない駆動手段(駆動源)により回転駆動される。感光体ドラム1の周囲には、感光体ドラム1の表面を均―に帯電する帯電手段としての帯電ローラ2、画像情報に基づきレーザーを照射して感光体ドラム1上に静電像(静電潜像)を形成する露光手段としてのスキャナユニット(露光装置)3が配置されている。
また、感光体ドラム1の周囲には、静電像をトナー像として現像する現像手段としての現像ユニット(現像装置)4、転写後の感光体ドラム1の表面に残ったトナー(転写残トナー)を除去するクリーニング手段としてのクリーニング部材6が配置されている。更に、4個の感光体ドラム1に対向して、感光体ドラム1上のトナー像を記録材12に転写するための中間転写体としての中間転写ベルト5が配置されている。
なお、現像ユニット4は、現像剤としてトナーを有する。また、現像ユニット4は、トナー担持体としての現像ローラ(後述)を感光体ドラム1に対して接触させて反転現像を行うものである。即ち、現像ユニット4は、感光体ドラム1の帯電極性と同極性(本実施例では負極性)に帯電したトナーを、感光体ドラム1上の露光により電荷が減衰した部分(画像部、露光部)に付着させることで静電像を現像する。
中間転写体としての無端状のベルトで形成された中間転写ベルト5は、全ての感光体ドラム1に当接し、図示矢印B方向(反時計方向)に循環移動(回転)する。中間転写ベルト5は、複数の支持部材として、駆動ローラ51、二次転写対向ローラ52、従動ローラ53に掛け渡されている。
中間転写ベルト5の内周面側には、各感光体ドラム1に対向するように、一次転写手段としての、4個の一次転写ローラ8が並設されている。一次転写ローラ8は、中間転写ベルト5を感光体ドラム1に向けて押圧し、中間転写ベルト5と感光体ドラム1とが当接する一次転写部N1を形成する。
そして、一次転写ローラ8に、図示しない一次転写バイアス印加手段としての一次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナーの正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、感光体ドラム1上のトナー像が中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
また、中間転写ベルト5の外周面側において二次転写対向ローラ52に対向する位置には、二次転写手段としての二次転写ローラ9が配置されている。二次転写ローラ9は、中間転写ベルト5を介して二次転写対向ローラ52に圧接し、中間転写ベルト5と二次転写ローラ9とが当接する二次転写部N2を形成する。そして、二次転写ローラ9に、図示しない二次転写バイアス印加手段としての二次転写バイアス電源(高圧電源)から、トナー
の正規の帯電極性とは逆極性のバイアスが印加される。これによって、中間転写ベルト5上のトナー像が記録材12に転写(二次転写)される。
さらに説明すれば、画像形成時には、先ず、感光体ドラム1の表面が帯電ローラ2によって一様に帯電される。次いで、スキャナユニット3から発された画像情報に応じたレーザー光によって、帯電した感光体ドラム1の表面が走査露光され、感光体ドラム1上に画像情報に従った静電像が形成される。
次いで、感光体ドラム1上に形成された静電像は、現像ユニット4によってトナー像として現像される。感光体ドラム1上に形成されたトナー像は、一次転写ローラ8の作用によって中間転写ベルト5上に転写(一次転写)される。
例えば、フルカラー画像の形成時には、上述のプロセスが、第1〜第4の画像形成部SY、SM、SC、SKにおいて順次に行われ、中間転写ベルト5上に各色のトナー像が次に重ね合わせて一次転写される。
その後、中間転写ベルト5の移動と同期が取られて記録材12が二次転写部N2へと搬送される。中間転写ベルト5上の4色トナー像は、記録材12を介して中間転写ベルト5に当接している二次転写ローラ9の作用によって、一括して記録材12上に二次転写される。
トナー像が転写された記録材12は、定着手段としての定着装置10に搬送される。定着装置10において記録材12に熱及び圧力を加えられることで、記録材12にトナー像が定着される。
また、一次転写工程後に感光体ドラム1上に残留した一次転写残トナーは、クリーニング部材6によって除去、回収される。また、二次転写工程後に中間転写ベルト5上に残留した二次転写残トナーは、中間転写ベルトクリーニング装置11によって清掃される。
なお、画像形成装置100は、所望の一つの画像形成部のみを用いて、または、幾つか(全てではない)の画像形成部のみを用いて、単色又はマルチカラーの画像を形成することもできるようになっている。
[プロセスカートリッジの構成]
次に、画像形成装置100に装着されるプロセスカートリッジ7の全体構成について説明する。なお、収容しているトナーの種類(色)を除いて、各色用のプロセスカートリッジ7の構成及び動作は実質的に同一である。
図2は、感光体ドラム1の長手方向(回転軸線方向)に沿って見たプロセスカートリッジ7の概略断面(主断面)図である。図2のプロセスカートリッジ7の姿勢は、画像形成装置本体に装着された状態での姿勢であり、以下でプロセスカートリッジの各部材の位置関係や方向等について記載する場合はこの姿勢における位置関係や方向等を示している。
プロセスカートリッジ7は、感光体ドラム1等を備えた感光体ユニット13と、現像ローラ17等を備えた現像ユニット4とを一体化して構成される。
感光体ユニット13は、感光体ユニット13内の各種要素を支持する枠体としてのクリーニング枠体14を有する。クリーニング枠体14には、感光体ドラム1が図示しない軸受を介して回転可能に取り付けられている。感光体ドラム1は、図示しない駆動手段(駆動源)としての駆動モータの駆動力が感光体ユニット13に伝達されることで、画像形成動作に応じて図示矢印A方向(時計方向)に回転駆動される。
また、感光体ユニット13には、感光体ドラム1の周面上に接触するように、クリーニング部材6、帯電ローラ2が配置されている。クリーニング部材6によって感光体ドラム1の表面から除去された転写残トナーは、クリーニング枠体14内に落下、収容される。
帯電手段である帯電ローラ2は、導電性ゴムのローラ部を感光体ドラム1に加圧接触することで従動回転する。
ここで、帯電ローラ2の芯金には、帯電工程として、感光ドラム1に対して所定の直流電圧が印加されており、これにより感光ドラム1の表面には、一様な暗部電位(Vd)が形成される。前述のスキャナユニット3からのレーザー光によって画像データに対応して発光されるレーザー光のスポットパターンは、感光ドラム1を露光し、露光された部位は、キャリア発生層からのキャリアにより表面の電荷が消失し、電位が低下する。この結果、露光部位は所定の明部電位(Vl)、未露光部位は所定の暗部電位(Vd)の静電潜像が、感光ドラム1上に形成される。
一方、現像ユニット4は、トナー80を担持するためのトナー担持体としての現像ローラ17と、現像ローラ17にトナーを供給する供給部材としてのトナー供給ローラ20が配置された現像室、を有している。更に、現像ユニット4は、トナー収容室18を備えている。
また、トナー供給ローラ20は、現像ローラ17との間に当接部Nを形成し、回転している。なお、図2においてトナー供給ローラ20と現像ローラ17とは、各々の表面が当接部Nの上端から下端に移動する方向に回転しているが、トナー供給ローラ20の回転方向はどちらでもよい。
トナー収容室18内には、撹拌搬送部材22が設けられている。撹拌搬送部材22は、トナー収容室18内に収容されたトナーを撹拌すると共に、トナー供給ローラ20の上部に向けて図中矢印G方向にトナーを搬送するためのものでもある。
現像ブレード21は現像ローラ17の下方に配置され、現像ローラに対してカウンターで当接しており、トナー供給ローラ20によって供給されたトナーのコート量規制及び電荷付与を行っている。
現像ローラ17と感光体ドラム1とは、対向部において各々の表面が同方向に移動するようにそれぞれ回転する。
なお、トナー80に対して注入帯電を行うには、例えば、現像ブレード21と現像ローラ17の間に電位差を設定することも好ましい。これにより、現像ローラ上に担持されたトナーに対して現像ブレードから電荷を注入し、トナーの帯電量を精密に制御することができる。
続いて、各物性の測定方法について詳細に述べる。
<トナー周囲長D、Wall、Call、CMallの算出方法>
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、トナーの断面を以下の方法により観察する。
まず、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを充分分散させた後、40℃の雰囲気下で2日間硬化させる。
得られた硬化物からダイヤモンド刃を備えたミクロトーム(EM UC7:Leica社製)を用い、厚さ50nmの薄片状のサンプルを切り出す。
このサンプルを、TEM(JEM2800型:日本電子社製)を用いて加速電圧200V、電子線プローブサイズ1mmの条件で50万倍の倍率に拡大し、トナーの断面を観察する。この際、後述するトナーの個数平均粒径(D1)の測定法に従い、同トナーを測定した際の個数平均粒径(D1)の0.9倍〜1.1倍の最大径を有するトナーの断面を選択する。
続いて、得られたトナーの断面の構成元素を、エネルギー分散型X線分光法(EDX)を利用して解析し、EDXマッピング像(256×256ピクセル(2.2nm/ピクセル)、積算回数200回)を作製する。
作製したEDXマッピング像において、トナー母粒子の表面にケイ素元素に由来するシグナルが観察され、後述の<有機ケイ素重合体の確認方法>によって上記シグナルが有機ケイ素重合体に由来すると確認される場合、上記シグナルを有機ケイ素重合体の像とする。また、トナー母粒子の表面に連続的に有機ケイ素重合体の像が観察される場合、有機ケ
イ素重合体の像の端点同士を結んだ線分を基線とする。なお、ケイ素に由来するシグナルの強度がバックグラウンドのケイ素強度と同等になった部分を有機ケイ素重合体の像の端点とする。
各基線について、基線から有機ケイ素重合体の像表面までの垂線のうち最大長を取る垂線を探し、その最大長を像高さHとする。凸部とは、好ましくは上記像高さHが30nm以上300nm以下の有機ケイ素重合体及び多価酸金属塩を含む像である。
また、EDXマッピング像において、凸部は、好ましくは半円状で存在している。半円状とは、曲面を有する半円状に近い形状のものであればよく、略半円状も含まれる。半円状には、例えば、半真円状や、半楕円状も含まれる。半円状は、円の中心を通る直線で切断されたもの、すなわち円を半分にした形状のものを含む。また半円状は、円の中心を通らない直線で切断されたもの、すなわち円の半分よりも大きい形状のものも、円の半分よりも小さい形状のものも含む。
凸部の基線を凸基線として、凸基線の長さを計測し、凸幅Wとする。複数の凸部が観察される場合、各凸部について凸幅Wを計測し、トナー1粒子中の凸幅Wの合計をWall(nm)とする。同時にトナー母粒子の周囲の長さを測定し、トナー周囲長D(nm)とする。
上記凸部について、その表面に金属に由来するシグナルが観察され、後述の<多価酸金属塩の検出方法>によって、トナー表面に多価酸金属塩が検出される場合、上記シグナルを多価酸金属塩の像とする。続いて、凸部の周囲の長さを測定し凸周囲長C(nm)とする。凸部の周囲のうち多価酸金属塩の像が観察される部分の長さをC(nm)とする。トナー1粒子中の各凸部について凸周囲長C及びCを測定し、合計したものを、それぞれCall及びCMallとする。
上記方法に従って、20個のトナーの断面を解析し、各々のトナーのWall、D、Call及びCMallを求め、20個の算術平均値を採用する。
<有機ケイ素重合体の確認方法>
トナー粒子表面の有機ケイ素重合体は、Si、及びOの元素含有量(atomic%)の比(Si/O比)を標品と比較することで確認する。
有機ケイ素重合体、及びシリカ微粒子それぞれの標品に対して、トナー周囲長D、W
ll、Call、CMallの算出方法に記載の条件でEDX分析を行い、Si、及びO
それぞれの元素含有量(atomic%)を得る。
有機ケイ素重合体のSi/O比をAとし、シリカ微粒子のSi/O比をBとする。AがBに対して、有意に大きくなる測定条件を選択する。
具体的には、標品に対して、同条件で10回の測定を行い、A及びB、それぞれの相加平均値を得る。得られた平均値がA/B>1.1となる測定条件を選択する。
トナー周囲長D、Wall、Call、CMallの算出方法の分析において観察されるトナー断面に観察されるケイ素が検出される部分のSi/O比が[(A+B)/2]よりもA側にある場合に当該部分を有機ケイ素重合体と判断する。
有機ケイ素重合体粒子の標品として、トスパール120A(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)を、シリカ微粒子の標品として、HDK V15(旭化成)を用いる。
<多価酸金属塩の検出方法>
飛行時間型二次イオン質量分析法(TOF−SIMS)を用いて、トナー表面の多価酸金属塩を以下の方法により検出する。
トナーサンプルをTOF−SIMS(TRIFTIV:アルバック・ファイ社製)を用いて以下の条件で分析する。
・一次イオン種: 金イオン (Au
・一次イオン電流値: 2pA
・分析面積: 300×300μm
・画素数: 256×256pixel
・分析時間: 3min
・繰り返し周波数: 8.2kHz
・帯電中和: ON
・二次イオン極性: Positive
・二次イオン質量範囲: m/z 0.5〜1850
・試料基板:インジウム
上記条件で分析を行い、金属イオンと多価酸イオンとを含む二次イオン(例えばリン酸チタンの場合はTiPO(m/z 127)、TiP(m/z 207)等)に由来するピークが検出される場合、トナー表面に多価酸金属塩が存在するものとする。
<X線光電子分光法を用いた金属元素Mの比率M1、M2及びM3の算出方法>
・処理(a)
イオン交換水100mLにスクロース(キシダ化学(株)製)160gを加え、湯せんをしながら溶解させ、61.5質量%のショ糖水溶液を調製する。遠心分離用チューブ(50mL)に上記ショ糖水溶液を31.0gと、コンタミノンN(商品名)(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、及び有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10質量%水溶液、和光純薬工業(株)製)を6.0g入れ分散液を作製する。
この分散液にトナー1.0gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。遠心分離用チューブを、万能シェーカー用オプション遠心沈殿管ホルダー(アズワン社製)を装着したシェーカー(アズワン社製AS−1N)にて300spm(strokes
per min)、振幅4cm、20分で振とうする。
振とう後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて3500rpm、30分の条件で分離する。トナーと水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラ等で採取する。採取したトナーを減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥させる。乾燥品をスパチュラで解砕してトナー(a)を得る。
・処理(b)
遠心分離用チューブに上記ショ糖水溶液を31.0gと、上記コンタミノンNを6.0g入れ分散液を作製する。この分散液に処理(a)を施したトナー1.0gを添加し、スパチュラなどでトナーのかたまりをほぐす。TAITEC社製VP−050を用いて、遠心分離用チューブに電気的出力120Wの超音波を10分間印加する。
超音波処理後、溶液をスイングローター用ガラスチューブ(50mL)に入れ替えて、遠心分離機にて3500rpm、30分の条件で分離する。超音波処理を施したトナーと水溶液が十分に分離されていることを目視で確認し、最上層に分離したトナーをスパチュラ等で採取する。採取したトナーを減圧濾過器で濾過した後、乾燥機で1時間以上乾燥させる。乾燥品をスパチュラで解砕してトナー(b)を得る。
トナー、トナー(a)及びトナー(b)について、X線光電子分光法を用いて、以下の通りに測定を行い、M1、M2及びM3を算出する。
金属元素Mの比率M1、M2及びM3は、上記各トナーを以下の条件で測定し、算出する。
・測定装置:X線光電子分光装置:Quantum2000(アルバックファイ株式会社製)
・X線源:モノクロAl Kα
・Xray Setting:100μmφ(25W(15KV))
・光電子取りだし角:45度
・中和条件:中和銃とイオン銃の併用
・分析領域:300×200μm
・Pass Energy:58.70eV
・ステップサイズ:0.1.25eV
・解析ソフト:Maltipak(PHI社)
続いて、以下に金属元素としてTiを用いた場合を例に挙げて、金属元素の定量値を解析によって求める方法について説明する。まず炭素1s軌道のC−C結合に由来するピークを285eVに補正する。その後、452〜468eVにピークトップが検出されるTi 2p軌道に由来するピーク面積から、アルバック−ファイ社提供の相対感度因子を用いることで、構成元素の総量に対するTi元素に由来するTi量を算出し、その値をトナー表面におけるTi元素の定量値M1(atomic%)とする。
上記方法を用いて、トナー、トナー(a)及びトナー(b)を測定し、得られたスペクトルから求められる各トナーの表面における金属元素Mの比率をそれぞれ、M1(atomic%)、M2(atomic%)及びM3(atomic%)とする。
<蛍光X線分析を用いた有機ケイ素重合体の質量比率Si1、Si2及びSi3の算出方法>
トナー、トナー(a)及びトナー(b)について、蛍光X線分析を用いて、以下の通りに測定を行い、上記Si1、Si2及びSi3を算出する。
各元素の蛍光X線の測定は、JIS K 0119−1969に準ずるが、具体的には以下の通りである。
測定装置としては、波長分散型蛍光X線分析装置「Axios」(PANalytical社製)と、測定条件設定及び測定データ解析をするための付属の専用ソフト「SuperQ ver.4.0F」(PANalytical社製)を用いる。なお、X線管球のアノードとしてはRhを用い、測定雰囲気は真空、測定径(コリメーターマスク径)は10mm、測定時間10秒とする。また、軽元素を測定する場合にはプロポーショナルカウンタ(PC)、重元素を測定する場合にはシンチレーションカウンタ(SC)で検出する。
測定サンプルとしては、専用のプレス用アルミリング直径10mmの中にトナーを1g入れて平らにならし、錠剤成型圧縮機「BRE−32」(前川試験機製作所社製)を用いて、20MPaで60秒間加圧し、厚さ2mmに成型したペレットを用いる。
上記条件で測定を行い、得られたX線のピーク位置をもとに元素を同定し、単位時間あたりのX線光子の数である計数率(単位:cps)からその濃度を算出する。
トナー中の定量方法としては、例えばケイ素量はトナー粒子100質量部に対して、例えば、有機ケイ素重合体微粒子トスパール120A(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社)を0.5質量部となるように添加し、コーヒーミルを用いて充分混合する。同様にして、シリカ微粉末を2.0質量部、5.0質量部となるようにトナー粒子とそれぞれ混合し、これらを検量線用の試料とする。
それぞれの試料について、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにして検量線用の試料のペレットを作製し、PETを分光結晶に用いた際に回折角(2θ)=109.08°に観測されるSi−Kα線の計数率(単位:cps)を測定する。この際、X線発生装置の加速電圧、電流値はそれぞれ、24kV、100mAとする。得られたX線の計数率を縦軸に、各検量線用試料中のSiO添加量を横軸として、一次関数の検量線を得る。
次に、分析対象のトナーを、錠剤成型圧縮機を用いて上記のようにしてペレットとし、そのSi−Kα線の計数率を測定する。そして、上記の検量線からトナー中の有機ケイ素重合体の含有量を求める。
上記方法を用いて、トナー、トナー(a)及びトナー(b)を測定し、各トナーの有機ケイ素重合体の含有量をそれぞれ、Si1(質量%)、Si2(質量%)及びSi3(質量%)とする。
<重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)の測定方法>
トナー、トナー粒子、又はトナー母粒子(以下、トナーなど、ともいう)の重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)は、以下のようにして算出する。
測定装置としては、100μmのアパーチャーチューブを備えた細孔電気抵抗法による精密粒度分布測定装置「コールター・カウンター Multisizer 3」(登録商標、ベックマン・コールター(株)製)を用いる。
測定条件の設定及び測定データの解析は、付属の専用ソフト「ベックマン・コールター
Multisizer 3 Version3.51」(ベックマン・コールター(株)製)を用いる。なお、測定は実効測定チャンネル数2万5千チャンネルで行う。
測定に使用する電解水溶液は、特級塩化ナトリウムをイオン交換水に溶解して濃度が1.0%となるようにしたもの、例えば、「ISOTON II」(ベックマン・コールター(株)製)が使用できる。
なお、測定、解析を行う前に、以下のように専用ソフトの設定を行う。
専用ソフトの「標準測定方法(SOMME)を変更」画面において、コントロールモードの総カウント数を50,000粒子に設定し、測定回数を1回、Kd値は「標準粒子10.0μm」(ベックマン・コールター(株)製)を用いて得られた値を設定する。「閾値/ノイズレベルの測定ボタン」を押すことで、閾値とノイズレベルを自動設定する。また、カレントを1,600μAに、ゲインを2に、電解液をISOTON IIに設定し、「測定後のアパーチャーチューブのフラッシュ」にチェックを入れる。
専用ソフトの「パルスから粒径への変換設定」画面において、ビン間隔を対数粒径に、粒径ビンを256粒径ビンに、粒径範囲を2μmから60μmまでに設定する。
具体的な測定法は以下のとおりである。
(1)Multisizer 3専用のガラス製250mL丸底ビーカーに電解水溶液200.0mLを入れ、サンプルスタンドにセットし、スターラーロッドの撹拌を反時計回りで24回転/秒にて行う。そして、専用ソフトの「アパーチャーチューブのフラッシュ」機能により、アパーチャーチューブ内の汚れと気泡を除去しておく。
(2)ガラス製の100mL平底ビーカーに電解水溶液30.0mLを入れる。この中に分散剤として「コンタミノンN」(非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤、有機ビルダーからなるpH7の精密測定器洗浄用中性洗剤の10%水溶液、和光純薬工業(株)製)をイオン交換水で3質量倍に希釈した希釈液を0.3mL加える。
(3)発振周波数50kHzの発振器2個を、位相を180度ずらした状態で内蔵し、電気的出力120Wの超音波分散器「Ultrasonic Dispersion System Tetra150」(日科機バイオス(株)製)を準備する。超音波分散器の水槽内に3.3Lのイオン交換水を入れ、この水槽中にコンタミノンNを2.0mL添加する。
(4)上記(2)のビーカーを上記超音波分散器のビーカー固定穴にセットし、超音波分散器を作動させる。そして、ビーカー内の電解水溶液の液面の共振状態が最大となるようにビーカーの高さ位置を調整する。
(5)上記(4)のビーカー内の電解水溶液に超音波を照射した状態で、トナーなど10mgを少量ずつ上記電解水溶液に添加し、分散させる。そして、さらに60秒間超音波分散処理を継続する。なお、超音波分散にあたっては、水槽の水温が10℃以上40℃以下となる様に適宜調節する。
(6)サンプルスタンド内に設置した上記(1)の丸底ビーカーに、ピペットを用いてトナーなどを分散した上記(5)の電解水溶液を滴下し、測定濃度が5%となるように調整する。そして、測定粒子数が50,000個になるまで測定を行う。
(7)測定データを装置付属の専用ソフトにて解析を行い、重量平均粒径(D4)及び個数平均粒径(D1)を算出する。なお、専用ソフトでグラフ/体積%と設定したときの、「分析/体積統計値(算術平均)」画面の「平均径」が重量平均粒径(D4)である。専
用ソフトでグラフ/個数%と設定したときの、「分析/個数統計値(算術平均)」画面の「平均径」が個数平均粒径(D1)である。
<多価酸金属塩の体積抵抗率の測定>
多価酸金属塩の体積抵抗率は、以下のようにして測定する。
装置としては6430型サブフェムトアンペア・リモートソースメーター(ケースレーインスツルメンツ社製)を用いる。前記装置のFORCE端子にSH2−Z 4端子測定可能サンプルホルダ(Bio−Logic社製)を接続し、電極部に金属化合物を0.20g乗せてトルクレンチを用いて123.7kgfの荷重をかけた状態で、電極間の距離を測定する。
サンプルに20Vの電圧を1分間印加した時の抵抗値を測定し、下記式を用いて体積抵抗率を算出する。
体積抵抗率(Ω・cm)=R×S/L
(R:抵抗値(Ω)、L:電極間距離(cm)、S:電極面積(cm))
<NMRによる有機ケイ素重合体の部分構造の同定>
トナー粒子に含有される有機ケイ素重合体における、式(I)で表される構造の確認には以下の方法を用いる。
式(I)のRで表される炭化水素基は、13C−NMRにより確認する。
13C−NMR(固体)の測定条件)
装置:JEOL RESONANCE製 JNM−ECX500II
試料管:3.2mmφ
試料:NMR測定用のトナー粒子のテトラヒドロフラン不溶分 150mg
測定温度:室温
パルスモード:CP/MAS
測定核周波数:123.25MHz(13C)
基準物質:アダマンタン(外部標準:29.5ppm)
試料回転数:20kHz
コンタクト時間:2ms
遅延時間:2s
積算回数:1024回
当該方法にて、ケイ素原子に結合しているメチル基(Si−CH)、エチル基(Si−C)、プロピル基(Si−C)、ブチル基(Si−C)、ペンチル基(Si−C11)、ヘキシル基(Si−C13)又はフェニル基(Si−C)などに起因するシグナルの有無により、式(1)のRで表される炭化水素基を確認した。
<樹脂の酸価の測定>
酸価は試料1gに含まれる酸を中和するために必要な水酸化カリウムのmg数である。結着樹脂の酸価はJIS K 0070−1992に準じて測定されるが、具体的には、以下の手順に従って測定する。
(1)試薬の準備
フェノールフタレイン1.0gをエチルアルコール(95体積%)90mLに溶かし、イオン交換水を加えて100mLとし、フェノールフタレイン溶液を得る。
特級水酸化カリウム7gを5mLの水に溶かし、エチルアルコール(95体積%)を加えて1Lとする。炭酸ガス等に触れないように、耐アルカリ性の容器に入れて3日間放置後、ろ過して、水酸化カリウム溶液を得る。得られた水酸化カリウム溶液は、耐アルカリ性の容器に保管する。
前記水酸化カリウム溶液のファクターは、0.1モル/L塩酸25mLを三角フラスコ
に取り、前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液で滴定し、中和に要した前記水酸化カリウム溶液の量から求める。前記0.1モル/L塩酸は、JIS K 8001−1998に準じて作製されたものを用いる。
(2)操作
(A)本試験
粉砕した結着樹脂の試料2.0gを200mLの三角フラスコに精秤し、トルエン/エタノール(2:1)の混合溶液100mLを加え、5時間かけて溶解する。次いで、指示薬として前記フェノールフタレイン溶液を数滴加え、前記水酸化カリウム溶液を用いて滴定する。なお、滴定の終点は、指示薬の薄い紅色が30秒間続いたときとする。
(B)空試験
試料を用いない(すなわちトルエン/エタノール(2:1)の混合溶液のみとする)以外は、上記操作と同様の滴定を行う。
(3)得られた結果を下記式に代入して、酸価を算出する。
A=[(C−B)×f×5.61]/S
ここで、A:酸価(mgKOH/g)、B:空試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、C:本試験の水酸化カリウム溶液の添加量(mL)、f:水酸化カリウム溶液のファクター、S:試料の質量(g)である。
本発明を以下に示す実施例により具体的に説明する。しかし、これは本発明をなんら限定するものではない。実施例及び比較例の処方における、「部」及び「%」は特に断りがない場合、全て質量基準である。
<トナー母粒子分散液の製造例>
<トナー母粒子分散液1>
イオン交換水390.0部を入れた反応容器に、リン酸ナトリウム(12水和物)11.2部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12000rpmにて撹拌した。撹拌を維持しながら、イオン交換水10.0部に7.4部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を反応容器に一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、反応容器内の水系媒体に1.0モル/Lの塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体1を調製した。
(重合性単量体組成物の調製)
・スチレン 60.0部
・C.I.Pigment Blue15:3 6.3部
上記材料をアトライタ(日本コークス工業株式会社製)に投入し、さらに直径1.7mmのジルコニア粒子を用いて、220rpmで5.0時間分散させて、顔料が分散された着色剤分散液を調製した。
次いで、該着色剤分散液に下記材料を加えた。
・スチレン 10.0部
・アクリル酸n−ブチル 30.0部
・ポリエステル樹脂 5.0部
(テレフタル酸と、ビスフェノールAのプロピレンオキサイド2モル付加物との縮重合物、重量平均分子量Mw=10000、酸価:8.2mgKOH/g)
・HNP9(融点:76℃、日本精蝋社製) 6.0部
上記材料を65℃に保温し、T.K.ホモミクサーを用いて、500rpmにて均一に溶解、分散し、重合性単量体組成物を調製した。
(造粒工程)
水系媒体1の温度を70℃、撹拌装置の回転数を12500rpmに保ちながら、水系媒体1中に重合性単量体組成物を投入し、重合開始剤であるt−ブチルパーオキシピバレート8.0部を添加した。そのまま撹拌装置にて12500rpmを維持しつつ10分間造粒した。
(重合工程)
高速撹拌装置からプロペラ撹拌翼を備えた撹拌機に変更し、200rpmで撹拌しながら70℃を保持して5.0時間重合を行い、さらに85℃に昇温して2.0時間加熱することで重合反応を行った。さらに、98℃に昇温して3.0時間加熱することで残留モノマーを除去し、イオン交換水を加えて分散液中のトナー母粒子濃度が30.0質量%になるように調整し、トナー母粒子1が分散したトナー母粒子分散液1を得た。
トナー母粒子1の個数平均粒径(D1)は6.2μm、重量平均粒径(D4)は6.9μmであった。
<トナー母粒子分散液2>
下記材料を秤量し、混合及び溶解させた。
・スチレン 70.0部
・アクリル酸n−ブチル 25.1部
・アクリル酸 1.3部
・ヘキサンジオールジアクリレート 0.4部
・n−ラウリルメルカプタン 3.2部
この溶液にネオゲンRK(第一工業製薬株式会社製)の10質量%水溶液を添加して、分散させた。さらに10分間ゆっくりと撹拌しながら、過硫酸カリウム0.15部をイオン交換水10.0部に溶解させた水溶液を添加した。
窒素置換をした後、温度70℃で6.0時間乳化重合を行った。重合終了後、反応液を室温まで冷却し、イオン交換水を添加することで固形分濃度が12.5質量%、個数平均粒径が0.2μmの樹脂粒子分散液を得た。
以下の材料を秤量し混合した。
・エステルワックス(融点70℃) 100.0部
・ネオゲンRK 17.0部
・イオン交換水 385.0部
湿式ジェットミルJN100(株式会社常光製)を用いて1時間分散してワックス粒子分散液を得た。ワックス粒子分散液の固形分濃度は20.0質量%であった。
以下の材料を秤量し混合した。
・C.I.Pigment Blue15:3 63.0部
・ネオゲンRK 17.0部
・イオン交換水 920.0部
湿式ジェットミルJN100を用いて1時間分散して着色剤粒子分散液を得た。着色剤粒子分散液の固形分濃度は10.0質量%であった。
・樹脂粒子分散液 160.0部
・ワックス粒子分散液 10.0部
・着色剤粒子分散液 18.9部
・硫酸マグネシウム 0.3部
上記材料を、ホモジナイザー(IKA社製)を用いて分散させた後、撹拌させながら、65℃まで加温した。65℃で1.0時間撹拌した後、光学顕微鏡にて観察すると、個数平均粒径が6.0μmである凝集体粒子が形成されていることが確認された。ネオゲンR
K(第一工業製薬株式会社製)2.5部加えた後、80℃まで昇温して2.0時間撹拌して、融合した着色樹脂粒子を得た。
冷却後、ろ過し、ろ別した固体を720.0部のイオン交換水で、1.0時間撹拌洗浄した。前記着色樹脂を含む分散液をろ過してから乾燥させ、トナー母粒子2を得た。
トナー母粒子2の個数平均粒径(D1)は6.2μm、重量平均粒径(D4)は7.5μmであった。また、別途樹脂粒子分散液を乾固して樹脂を取り出し、酸価を測定したところ、酸価は15.2mgKOH/gであった。
イオン交換水390.0部を入れた反応容器に、リン酸ナトリウム(12水和物)11.2部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12500rpmにて撹拌しながら、イオン交換水10.0部に7.4部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、反応容器中の水系媒体に1.0モル/Lの塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体2を調製した。
前記水系媒体2中にトナー母粒子2を100.0部投入し、温度60℃にてT.K.ホモミクサーを用いて5000rpmで回転させながら30分間分散した。イオン交換水を加えて分散液中のトナー母粒子2の固形分濃度が30.0質量%になるように調整し、トナー母粒子分散液2を得た。
<トナー母粒子分散液3>
・結着樹脂 スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体: 100.0部
(スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合比=70:30、Mp=22000、Mw=35000、Mw/Mn=2.4)
・C.I.Pigment Blue15: 6.3部
・非晶性ポリエステル樹脂(テレフタル酸とプロピレンオキサイド変性ビスフェノールAの縮合体 Mw:7800、Tg:70℃、酸価8.0mgKOH/g):
5.0部
・フィッシャートロプシュワックス(融点78℃): 5.0部
上記材料をFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)で前混合した後、二軸混練機(池貝鉄工社製PCM−30型)によって、溶融混練して混練物を得た。得られた混練物を冷却し、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製)で粗粉砕した後、機械式粉砕機(ターボ工業社製T−250)で粉砕して微粉砕粉末を得た。得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機(日鉄鉱業社製:EJ−L−3型)を用いて分級し、トナー母粒子3を得た。
トナー母粒子3の個数平均粒径(D1)は5.2μm、重量平均粒径(D4)は6.7μmであった。
イオン交換水390.0部を入れた反応容器に、リン酸ナトリウム(12水和物)11.2部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12500rpmにて撹拌する。撹拌を維持しながら、イオン交換水10.0部に7.4部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を反応容器に一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、反応容器内の水系媒体に1.0モル/Lの塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体3を調製した。
前記水系媒体3中にトナー母粒子3を200.0部投入し、温度60℃にてT.K.ホモミクサーを用いて5000rpmで回転させながら30分間分散した。イオン交換水を加えて分散液中のトナー粒子濃度が30.0質量%になるように調整し、トナー母粒子分散液3を得た。
<トナー母粒子分散液4>
・結着樹脂 スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合体: 100.0部
(スチレン−アクリル酸n−ブチル共重合比=70:30、Mp=22000、Mw=35000、Mw/Mn=2.4)
・C.I.Pigment Blue15: 6.3部
・フィッシャートロプシュワックス(融点78℃): 5.0部
上記材料をFMミキサ(日本コークス工業株式会社製)で前混合した後、二軸混練機(池貝鉄工社製PCM−30型)によって、溶融混練して混練物を得た。得られた混練物を冷却し、ハンマーミル(ホソカワミクロン社製)で粗粉砕した後、機械式粉砕機(ターボ工業社製T−250)で粉砕して微粉砕粉末を得た。得られた微粉砕粉末を、コアンダ効果を利用した多分割分級機(日鉄鉱業社製:EJ−L−3型)を用いて分級し、トナー母粒子4を得た。
トナー母粒子4の個数平均粒径(D1)は5.1μm、重量平均粒径(D4)は6.6μmであった。なお、上記結着樹脂の酸価を測定したところ、上記結着樹脂は酸価を有さなかった。
イオン交換水390.0部を入れた反応容器に、リン酸ナトリウム(12水和物)11.2部を投入し、窒素パージしながら65℃で1.0時間保温した。
T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、12500rpmにて撹拌する。撹拌を維持しながら、イオン交換水10.0部に7.4部の塩化カルシウム(2水和物)を溶解した塩化カルシウム水溶液を反応容器に一括投入し、分散安定剤を含む水系媒体を調製した。さらに、反応容器内の水系媒体に1.0モル/Lの塩酸を投入し、pHを6.0に調整し、水系媒体4を調製した。
前記水系媒体4中にトナー母粒子4を200.0部投入し、温度60℃にてT.K.ホモミクサーを用いて5000rpmで回転させながら30分間分散した。イオン交換水を加えて分散液中のトナー粒子濃度が30.0質量%になるように調整し、トナー母粒子分散液4を得た。
<有機ケイ素化合物液の製造例>
・イオン交換水 70.0部
・メチルトリエトキシシラン 30.0部
上記材料を200mLのビーカーに秤量し、10質量%塩酸でpHを3.5に調整した。その後、ウォーターバスで60℃に加熱しながら1.0時間撹拌し、有機ケイ素化合物液1を作製した。
また、有機ケイ素化合物の種類及び調整するpHを表1のように変更し、同様の手順で有機ケイ素化合物液2〜4を作製した。
Figure 2021021790
(表1中、式(II)の構造の列は式(II)の構造を含む場合をY、含まない場合をNとした)
<多価酸金属塩微粒子の製造例>
<多価酸金属塩微粒子1>
・イオン交換水 100.0部
・リン酸ナトリウム(12水和物) 8.5部
以上を混合したのち、室温で、T.K.ホモミクサー(特殊機化工業株式会社製)を用いて、10,000rpmにて撹拌しながら、ジルコニウムラクテートアンモニウム塩(ZC−300、マツモトファインケミカル株式会社)60.0部(ジルコニウムラクテートアンモニウム塩として7.2部相当)を添加した。1モル/Lの塩酸を加えpHを7.0に調整した。温度を25℃に調整し、撹拌を維持しながら1時間反応を行った。
その後、遠心分離で固形分を取り出した。続いて、イオン交換水に再度分散、遠心分離で固形分を取り出すという工程を3回繰り返し、ナトリウムなどのイオンを除去した。再度、イオン交換水に分散させ、スプレードライで乾燥し、個数平均粒径が124nmのリン酸ジルコニウム化合物微粒子を得た。
<多価酸金属塩微粒子2〜4>
多価酸金属塩微粒子1の製造例において材料を表2に記載の物に変更する以外は多価酸金属塩微粒子1の製造例と同様にして多価酸金属塩微粒子2〜4を製造した。
Figure 2021021790
<トナー粒子の製造例>
<トナー粒子1>
(凸形成工程)
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌翼を用いて混合した。
・トナー母粒子分散液1 500.0部
・有機ケイ素化合物液1 35.0部
次に、1mol/LのNaOH水溶液を用いて、得られた混合液のpHを6.0に調整し、混合液の温度を50℃にした後に、プロペラ撹拌翼を用いて混合しながら、1.0時間保持した(凸形成工程1)。その後、1mol/LのNaOH水溶液を用いて、混合液のpHを9.5に調整し、1.0時間保持した(凸形成工程2)。
(多価酸金属塩付着工程)
・チタンラクテート44%水溶液(TC−310:マツモトファインケミカル社製)
3.2部(チタンラクテートとして1.4部相当)・有機ケイ素化合物液1 10.0部
続いて、上記サンプルを秤量し、反応容器内に混合した後、1mol/LのNaOH水溶液を用いて、得られた混合液のpHを9.5に調整し、4.0時間保持した。温度を2
5℃に下げたのち、1mol/Lの塩酸でpHを1.5に調整して1.0時間撹拌後、イオン交換水で洗浄しながら、ろ過することによりトナー粒子1を得た。
トナー粒子1をTEM−EDX観察したところ、トナー母粒子表面に有機ケイ素重合体及び多価酸金属塩を含む凸部が観察され、凸部の表面にはチタンが存在することが確認された。また、トナー粒子1をTOF−SIMS分析することでリン酸チタン化合物由来のイオンが検出された。
なお、前記リン酸チタン化合物は、チタンラクテートと、トナー母粒子分散液1中のリン酸ナトリウム、又はリン酸カルシウム由来のリン酸イオンとの反応物である。
<トナー粒子2〜19>
トナー粒子1の製造例において、製造条件を表3に記載のように変更することでトナー粒子2〜19を得た。
トナー粒子2〜19をTEM−EDX観察したところ、トナー母粒子表面に有機ケイ素重合体及び多価酸金属塩を含む凸部が観察され、凸部の表面には付着させた金属元素が存在することが確認された。また、トナー粒子2〜19をTOF−SIMS分析することで、それぞれ表4に記載の多価酸金属塩由来のイオンが検出された。
<トナー粒子20>
(凸形成工程)
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌翼を用いて混合した。
・有機ケイ素化合物液2 20.0部
・シリカ微粒子(水ガラス法によって製造:個数平均粒子径80nm) 3.0部
・トナー母粒子分散液1 500.0部
次に、プロペラ撹拌翼を用いて混合しながら、混合液のpHを6.0に調整した後、温度を70℃に昇温し、1.0時間保持した(凸形成工程1)。その後、1.0mol/L
NaOH水溶液を用いてpHを9.5に調整し、撹拌しながら1.0時間保持した(凸形成工程2)。
(多価酸金属塩付着工程)
・多価酸金属塩微粒子2 3.0部
・有機ケイ素化合物液2 5.0部
続いて、上記サンプルを秤量し、反応容器内に混合した後、1mol/LのNaOH水溶液を用いて、得られた混合液のpHを9.5に調整し、4.0時間保持した。温度を25℃に下げたのち、10質量%塩酸でpHを1.5に調整して1.0時間撹拌し、その後、イオン交換水で洗浄しながら、濾過し、トナー粒子20を得た。
トナー粒子20をTEM−EDX観察したところ、有機ケイ素重合体で被覆されたシリカ粒子がトナー母粒子に埋め込まれることによってトナー母粒子表面に凸部が形成され、その凸部の表面にジルコニウムが存在することが確認された。また、トナー粒子20をTOF−SIMS分析することでリン酸ジルコニウム化合物由来のイオンが検出された。
<トナー粒子21>
(凸形成工程)
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌翼を用いて混合した。
・有機ケイ素化合物液2 20.0部
・シリカ微粒子(水ガラス法によって製造:個数平均粒子径80nm) 3.0部
・トナー母粒子分散液1 500.0部
次に、プロペラ撹拌翼を用いて混合しながら、混合液のpHを6.0に調整した後、温度を70℃に昇温し、1.0時間保持した(凸形成工程1)。その後、1.0mol/L
NaOH水溶液を用いてpHを9.5に調整し、撹拌しながら1.0時間保持した(凸形成工程2)。10%塩酸でpHを1.5に調整して1.0時間撹拌し、その後、イオン
交換水で洗浄しながら、濾過してトナー粒子前駆体1を得た。
(多価酸金属塩付着工程)
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌機を用いて混合した
・イオン交換水 350.0部
・多価酸金属塩微粒子3 3.0部
次に、撹拌を継続しながら反応容器内に下記サンプルを投入した。
・有機ケイ素化合物液2 5.0部
・トナー粒子前駆体1 150.0部
次に、プロペラ撹拌翼を用いて混合しながら、混合液のpHを9.5に調整した後、温度を70℃に昇温し、4.0時間保持した。その後、イオン交換水で洗浄しながら、濾過してトナー粒子21を得た。
トナー粒子21をTEM−EDX観察したところ、有機ケイ素重合体で被覆されたシリカ粒子がトナー母粒子に埋め込まれることによってトナー母粒子表面に凸部が形成され、その凸部の表面にカルシウムが存在することが確認された。また、トナー粒子21をTOF−SIMS分析することでリン酸カルシウム化合物由来のイオンが検出された。
<トナー粒子22>
トナー粒子20の製造例において、多価酸金属塩微粒子2に替えて、多価酸金属塩微粒子4を用いる以外はトナー粒子20の製造例と同様にしてトナー粒子22を得た。
トナー粒子22をTEM−EDX観察したところ、有機ケイ素重合体で被覆されたシリカ粒子がトナー母粒子に埋め込まれることによってトナー母粒子表面に凸部が形成され、その凸部の表面にチタンが存在することが確認された。また、トナー粒子22をTOF−SIMS分析することでシュウ酸チタン化合物由来のイオンが検出された。
<トナー粒子23>
(多価酸金属塩付着工程1)
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌翼を用いて混合した。
・トナー母粒子分散液1 500.0部
・チタンラクテート44%水溶液(TC−310:マツモトファインケミカル社製)
2.0部(チタンラクテートとして0.9部相当)・有機ケイ素化合物液1 5.0部
その後、1mol/LのNaOH水溶液を用いて、混合液のpHを9.5に調整し、混
合液の温度を50℃にした後に、プロペラ撹拌翼を用いて混合しながら、1.0時間保持した。
(凸形成工程)
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌翼を用いて混合した。
・有機ケイ素化合物液1 35.0部
次に、1mol/LのNaOH水溶液を用いて、得られた混合液のpHを再度9.5に調整し、混合液の温度を50℃にした後に、プロペラ撹拌翼を用いて混合しながら、2.0時間保持した。
(多価酸金属塩付着工程2)
・チタンラクテート44%水溶液(TC−310:マツモトファインケミカル社製)
2.0部(チタンラクテートとして0.9部相当)・有機ケイ素化合物液1 5.0部
続いて、上記サンプルを秤量し、反応容器内に混合した後、1mol/LのNaOH水溶液を用いて、得られた混合液のpHを9.5に再度調整し、4.0時間保持した。温度を25℃に下げたのち、1mol/Lの塩酸でpHを1.5に調整して1.0時間撹拌後
、イオン交換水で洗浄しながら、ろ過することによりトナー粒子23を得た。
トナー粒子23をTEM−EDX観察したところ、トナー母粒子表面に有機ケイ素重合体及び多価酸金属塩を含む凸部が観察され、凸部の表面にはチタンが存在することが確認された。また、トナー粒子23をTOF−SIMS分析することでリン酸チタン化合物由来のイオンが検出された。
なお、前記リン酸チタン化合物は、チタンラクテートと、トナー母粒子分散液1中のリン酸ナトリウム、又はリン酸カルシウム由来のリン酸イオンとの反応物である。
<トナー粒子24>
トナー母粒子1をそのままトナー粒子24として用いた。
<トナー粒子25>
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌翼を用いて混合した。
・有機ケイ素化合物液1 30.0部
・酸化アルミニウム微粒子(個数平均粒子径15nm) 3.0部
・シリカ微粒子(水ガラス法によって製造:個数平均粒子径80nm) 3.0部
・トナー母粒子分散液1 500.0部
次に、プロペラ撹拌翼を用いて混合しながら、混合液のpHを5.5に調整した後、温度を70℃に昇温し、3.0時間保持した。その後、1.0mol/L NaOH水溶液を用いてpHを9.5に調整し、撹拌しながら2.0時間保持した。10質量%塩酸でpHを1.5に調整して1.0時間撹拌し、その後、イオン交換水で洗浄しながら、濾過し、トナー粒子25を得た。
トナー粒子25をTEM−EDX観察したところ、ト有機ケイ素重合体で被覆されたシリカ粒子がトナー母粒子に埋め込まれることによってトナー母粒子表面に凸部が形成され、その凸部の表面にアルミニウムが存在することが確認された。また、トナー粒子25をTOF−SIMS分析したが、多価酸金属塩に由来するイオンは検出されなかった。
<トナー粒子26>
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌翼を用いて混合した。
・メタノール 590.0部
・トナー母粒子1 100.0部
ここに、下記材料を加え、さらに混合した。
・テトラエトキシシラン 50.0部
・テトラエトキシチタン 50.0部
・メチルトリエトキシシラン 30.0部
・メタノール 400.0部
次いで、この分散液を28質量%濃度の水酸化アンモニウム水溶液1000.0部とメタノール10000.0部の混合液に滴下し、室温で48時間撹拌した。その後、精製水で洗浄しながらろ過し、メタノールで洗浄してトナー粒子26を得た。
トナー粒子26をTEM−EDX観察したところ、トナー粒子表面には、ケイ素とチタンを有する凝集塊が形成されていた。また、トナー粒子26をTOF−SIMS分析したが、多価酸金属塩に由来するイオンは検出されなかった。
<トナー粒子27>
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌翼を用いて混合した。
・トナー母粒子分散液1 500.0部
・有機ケイ素化合物液2 35.0部
次に、1mol/LのNaOH水溶液を用いて、得られた混合液のpHを9.5に調整し、混合液の温度を50℃にした後に、プロペラ撹拌翼を用いて混合しながら、5.0時間保持した。
・メタノール 20.0部・イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(チタネートカップリング剤)5.0部
温度を25℃に下げたのち、上記材料の混合液を5ml/minの速度で滴下し、そのまま2.0時間撹拌を続けた。次いで、撹拌しながら60℃まで昇温し、60℃で保持しながらさらに2.0時間撹拌を継続した。その後25℃まで冷却し、吸引濾過で固液分離した。次いで真空乾燥を12時間継続してチタネートカップリング剤によって表面が被覆されたトナー粒子27を得た。
トナー粒子27をTEM−EDX観察したところ、トナー母粒子表面に有機ケイ素重合体を含む凸部が観察され、凸部の表面にはチタンが存在することが確認された。また、トナー粒子27をTOF−SIMS分析したが、多価酸金属塩に由来するイオンは検出されなかった。
<トナー粒子28>
(多価酸金属塩付着工程)
反応容器内に下記サンプルを秤量し、プロペラ撹拌翼を用いて混合した。
・トナー母粒子分散液1 500.0部
・多価酸金属塩微粒子2 3.0部
・有機ケイ素化合物液2 5.0部
次に、プロペラ撹拌翼を用いて混合しながら、混合液のpHを6.0に調整した後、温度を70℃に昇温し、1.0時間保持した。その後、1.0mol/L NaOH水溶液を用いてpHを9.5に調整し、撹拌しながら5.0時間保持した。温度を25℃に下げたのち、10質量%塩酸でpHを1.5に調整して1.0時間撹拌し、その後、イオン交換水で洗浄しながら、濾過し、トナー粒子28を得た。
トナー粒子28をTEM−EDX観察したところ、凸部の存在は確認できなかった。また、トナー粒子の表面にはジルコニウムが存在することが確認された。また、トナー粒子28をTOF−SIMS分析することでリン酸ジルコニウム化合物由来のイオンが検出された。
<トナーの製造方法>
<トナー1〜23、25〜28>
トナー粒子1〜23をトナー1〜23として用いた。また、トナー粒子24〜26をトナー25〜28として用いた。
<トナー24>
・トナー粒子24 100.0部・疎水性シリカ微粒子(ヘキサメチルジシラザン処理:個数平均粒径12nm)0.8部・多価酸金属塩微粒子1 0.2部
上記材料をSUPERMIXER PICCOLO SMP−2(株式会社カワタ製)に投入して、3000rpmで10分間混合を行った。その後、目開き150μmのメッシュで篩い、トナー24を得た。
トナー1〜28の物性を表4に示す。
Figure 2021021790
(表3中、トナー23の多価酸金属塩付着工程の項は多価酸金属塩付着工程1と多価酸金属塩付着工程2の合算値を示す。また、有機ケイ素化合物液のNo.の列において/で区切
られている番号はその両者を用いたことを示し、部数の列において/で区切られている数値はそれぞれの投入量を示す。)
Figure 2021021790
表中、凸部の列において、Yはトナー母粒子表面に有機ケイ素重合体及び多価酸金属塩を含む凸部が観察されたことを示し、Nは該凸部が観察されなかったことを示す。M1,M2,M3の単位はatomic%であり、Si1,Si2,Si3の単位は質量%である。体積抵抗率は、多価酸金属塩の体積抵抗率を示す。体積抵抗率の記載に関し、例えば、『9.0.E+07』の記載は、『9.0×10』を示す。
また、式(I)の構造の列において、Yは凸部における有機ケイ素重合体が式(I)で示される構造を有することを示し、Nは凸部における有機ケイ素重合体が式(I)で示される構造を有さないことを示す。
[実施例1〜23、比較例1〜5]
上記トナー1〜28を用いて、表5に示す組み合わせにて評価を行った。評価結果を表5に示す。
以下に、評価方法及び評価基準について説明する。
画像形成装置としては市販のレーザープリンターであるLBP−712Ci(キヤノン製)を外部高圧電源と接続し、帯電ブレードと帯電ローラの間に任意の電位差を設けられるよう改造し、プロセススピードを200mm/secとした改造機を用いた。さらに、市販のプロセスカートリッジであるトナーカートリッジ040H(シアン)(キヤノン製)を用いた。
カートリッジ内部からは製品トナーを抜き取り、エアブローによって清掃した後、評価対象のトナーを165g充填した。なお、イエロー、マゼンタ、ブラックの各ステーションにはそれぞれ製品トナーを抜き取り、トナー残量検知機構を無効としたイエロー、マゼンタ及びブラックカートリッジを挿入して評価を行った。
〈1.注入帯電量の評価〉
〈2.注入帯電量分布の評価〉
上記プロセスカートリッジ、上記レーザープリンターの改造機、及び評価用紙(GF−C081(キヤノン製)A4:81.4g/m)を常温常湿環境(23℃/50%RH、以下、N/N環境)に48時間静置した。
まず、帯電ブレードと帯電ローラの間の電位差を0Vに設定し、全白画像を出力した。画像形成中に装置を停止し、本体からプロセスカートリッジを取り出して現像ローラ上のトナーの帯電量及び帯電量分布を帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製;型式イースパートアナライザーEST−1)を用いて評価した。
続いて、帯電ブレードと帯電ローラの間の電位差を−400Vに設定し、同様の評価を行った。
電位差が0Vの場合と−400Vの場合の帯電量の変化ΔQ/M及び帯電量分布の変化から、注入帯電量及び注入帯電量分布を評価した。
〈注入帯電量〉
A:ΔQ/Mが20μC/g以上
B:ΔQ/Mが10μC/g以上20μC/g未満
C:ΔQ/Mが5μC/g以上10μC/g未満
D:ΔQ/Mが5μC/g未満
〈注入帯電量分布〉
A:−400Vの場合に、0Vの場合と比較して顕著に帯電量分布がシャープになった
B:−400Vの場合に、0Vの場合と比較して帯電量分布がシャープになった
C:−400Vの場合に、0Vの場合と比較してやや帯電量分布がシャープになった
D:−400Vの場合と0Vの場合とで帯電量分布に変化が見られなかった
〈3.環境安定性の評価〉
上記プロセスカートリッジ、上記レーザープリンターの改造機、及び評価用紙(GF−C081(キヤノン製)A4:81.4g/m)を高温高湿環境(30℃/80%RH、以下、H/H環境)に48時間静置した。
帯電ブレードと帯電ローラの間の電位差を−400Vに設定し、全白画像を出力した。画像形成中に装置を停止し、本体からプロセスカートリッジを取り出して、現像ローラ上のトナーの帯電量および帯電量分布を帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製;型式イースパートアナライザーEST−1)を用いて評価した。
上記N/N環境下での評価結果との比較により、帯電量の環境安定性を評価した。
〈環境安定性〉
A:N/N環境下での結果と比較して、帯電量の変化が3μC/g以下
B:N/N環境下での結果と比較して、帯電量の変化が3μC/gを超えて6μC/g以下
C:N/N環境下での結果と比較して、帯電量の変化が6μC/gを超えて10μC/g以下
D:N/N環境下での結果と比較して、帯電量の変化が10μC/gを超える
〈4.耐久性の評価〉
上記注入帯電量及び注入帯電量分布の評価後に、帯電ブレードと帯電ローラの間の電位差を−200Vに設定し、N/N環境において、評価用紙上に印字比率1.0%の画像を15,000枚連続で出力した。
同環境で48時間静置したのち、帯電ブレードと帯電ローラの間の電位差を−400Vに設定し、全白画像を出力した。画像形成中に装置を停止し、本体からプロセスカートリッジを取り出して、現像ローラ上のトナーの帯電量及び帯電量分布を帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製;型式イースパートアナライザーEST−1)を用いて評価した。
〈耐久性〉
A:耐久前の結果と比較して、帯電量の変化が3μC/g以下
B:耐久前の結果と比較して、帯電量の変化が3μC/gを超えて6μC/g以下
C:耐久前の結果と比較して、帯電量の変化が6μC/gを超えて10μC/g以下
D:耐久前の結果と比較して、帯電量の変化が10μC/gを超える
〈5.保存性の評価〉
上記プロセスカートリッジを40℃/95%RHの環境に30日間静置した。その後、プロセスカートリッジを取り出してN/N環境に48時間静置したのち、帯電ブレードと帯電ローラの間の電位差を−400Vに設定し、全白画像を出力した。画像形成中に装置を停止し、本体からプロセスカートリッジを取り出して、現像ローラ上のトナーの帯電量及び帯電量分布を帯電量分布測定装置(ホソカワミクロン社製;型式イースパートアナライザーEST−1)を用いて評価した。
〈保存性〉
A:静置前の結果と比較して、帯電量の変化が3μC/g以下
B:静置前の結果と比較して、帯電量の変化が3μC/gを超えて6μC/g以下
C:静置前の結果と比較して、帯電量の変化が6μC/gを超えて10μC/g以下
D:静置前の結果と比較して、帯電量の変化が10μC/gを超える
〈6.画像の貼りつきの評価〉
上記注入帯電量及び注入帯電量分布の評価後に、プロセススピードを240mm/secに変更し、帯電ブレードと帯電ローラの間の電位差を−200Vに設定し、N/N環境において、評価用紙上に印字比率100.0%の画像を2枚連続で出力した。
トナー17、25、26及び27を用いた場合のみ、画像の一部が次に出力した画像に移行する貼りつきの弊害がわずかに見られた。
Figure 2021021790
表中、環境安定性の評価における数値は、N/N環境下での結果と比較した帯電量の差(μC/g)であり、耐久性の評価における数値は、耐久前の結果と比較した帯電量の差(μC/g)であり、保存性の評価における数値は、静置前の結果と比較した帯電量の差(μC/g)である。
1 感光体ドラム、2 帯電ローラ、3 スキャナユニット、4 現像ユニット、5 中間転写ベルト、51 駆動ローラ、52 二次転写対向ローラ、53 従動ローラ、6 クリーニング部材、7 プロセスカートリッジ、8 一次転写ローラ、9 二次転写ローラ、10 定着装置、11 中間転写ベルトクリーニング装置、12 記録材、13 感光体ユニット、14 クリーニング枠体、17 現像ローラ、18 トナー収容室、20
トナー供給ローラ、21 現像ブレード、22 撹拌搬送部材、80 トナー、100
画像形成装置

Claims (14)

  1. トナー粒子を有するトナーであって、
    該トナー粒子は、結着樹脂を含有するトナー母粒子及び該トナー母粒子表面の凸部を有し、
    該凸部が、有機ケイ素重合体及び多価酸金属塩を含み、
    該凸部の表面に該多価酸金属塩が存在することを特徴とするトナー。
  2. 透過型電子顕微鏡で観察される前記トナーの断面を、エネルギー分散型X線分光法を用いて解析することで得られる前記トナーの断面の構成元素のEDXマッピング像において、
    前記トナー母粒子の像及び前記有機ケイ素重合体の像が観察され、
    前記有機ケイ素重合体の像は前記トナー母粒子の像における前記トナー母粒子の表面に相当する位置に観察され、
    該EDXマッピング像における前記有機ケイ素重合体の像と前記トナー母粒子の像とが形成する界面の端点同士を結んだ線分を基線とし、該基線と前記有機ケイ素重合体の像の表面とを結ぶ垂線のうち、最大長を取る垂線の長さを像高さH(nm)とするとき、
    該像高さHが30nm以上300nm以下の前記有機ケイ素重合体の像を凸部Aとし、前記トナー母粒子の像の周囲長をトナー周囲長D(nm)とし、該凸部Aの該基線の長さを凸幅W(nm)とし、前記トナー一粒子中の該凸幅Wの合計をWall(nm)としたとき、以下の式(1)を満たす請求項1に記載のトナー。
    0.30≦Wall/D≦0.90 (1)
  3. 前記トナーの断面の構成元素の前記EDXマッピング像において、前記凸部Aの表面の少なくとも一部に前記多価酸金属塩の像が観察され、
    前記凸部Aの周囲長を凸周囲長C(nm)とし、一つの前記凸部Aの周囲のうち前記多価酸金属塩の像が存在する部分の長さの合計をC(nm)とし、
    前記トナー一粒子中の前記凸部Aの該凸周囲長Cの合計をCall(nm)とし、前記トナー一粒子中の該長さCの合計をCMall(nm)とするとき、以下の式(2)を満たす請求項2に記載のトナー。
    0.05≦CMall/Call≦0.50 (2)
  4. 前記多価酸金属塩に含まれる金属元素を金属元素Mとし、
    前記トナーのX線光電子分光分析によって得られたスペクトルから求められる、前記トナー表面の構成元素における該金属元素Mの比率をM1(atomic%)とし、
    前記トナーの蛍光X線分析によって得られたスペクトルから求められる前記トナーに含まれる前記有機ケイ素重合体の質量比率をSi1(質量%)とし、
    前記トナー1.0gを61.5質量%のショ糖水溶液31.0gと、非イオン界面活性剤、陰イオン界面活性剤及び有機ビルダーからなる10質量%の精密測定器洗浄用中性洗剤水溶液6.0gからなる混合水溶液に分散させ、シェーカーを用いて1分間に300回の振とうを20分行う処理(a)を施して得たトナーをトナー(a)とし、
    該トナー(a)のX線光電子分光分析によって得られたスペクトルから求められる、該トナー(a)の表面の構成元素における該金属元素Mの比率をM2(atomic%)と
    し、
    該トナー(a)の蛍光X線分析によって得られたスペクトルから求められる該トナー(a)に含まれる前記有機ケイ素重合体の質量比率をSi2(質量%)とするとき、
    該M1と該M2が、ともに1.00以上10.00以下であり、
    該M1、Si1、M2及びSi2が以下の式(3)及び(4)を満たす請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
    0.90≦M2/M1 (3)
    0.90≦Si2/Si1 (4)
  5. 前記トナー(a)に、電気的出力120Wの超音波を印加する処理(b)を施して得たトナーをトナー(b)とし、
    該トナー(b)のX線光電子分光分析によって得られたスペクトルから求められる、該トナー(b)の表面の構成元素における前記金属元素Mの比率をM3(atomic%)とし、
    該トナー(b)の蛍光X線分析によって得られたスペクトルから求められる該トナー(b)に含まれる前記有機ケイ素重合体の質量比率をSi3(質量%)としたとき、
    該M3が、1.00以上10.00以下であり、
    前記M2、Si2、M3及びSi3が以下の式(5)及び(6)を満たす請求項4に記載のトナー。
    0.90≦M3/M2 (5)
    0.90≦Si3/Si2 (6)
  6. 前記多価酸金属塩の4端子法によって測定される体積抵抗率が、1.0×10Ω・cm以上1.0×1011Ω・cm以下である請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
  7. 前記多価酸金属塩が、多価酸と第3族から第13族の金属元素との塩を含む請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
  8. 前記金属元素のポーリングの電気陰性度が、1.25以上1.85以下である請求項7に記載のトナー。
  9. 前記金属元素が、チタンである請求項7又は8に記載のトナー。
  10. 前記多価酸が、無機酸である請求項7〜9のいずれか一項に記載のトナー。
  11. 前記無機酸が、リン酸である請求項10に記載のトナー。
  12. 前記有機ケイ素重合体が、下記式(I)で表される構造を有する請求項1〜11のいずれか一項に記載のトナー。
    R−SiO3/2 (I)
    (式(I)中、Rは、アルキル基、アルケニル基、アシル基、アリール基又はメタクリロキシアルキル基を示す)
  13. 前記Rが、炭素数1以上6以下のアルキル基又はビニル基である請求項12に記載のト
    ナー。
  14. 前記結着樹脂が、酸価を有する樹脂を含む請求項1〜13のいずれか一項に記載のトナー。
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