JP2020087485A - 磁気ディスク用アルミニウム合金板、磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレート - Google Patents

磁気ディスク用アルミニウム合金板、磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレート Download PDF

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Abstract

【課題】密度に対するヤング率の割合の値が高くなるとともに、耐力および平坦度に優れた磁気ディスク用アルミニウム合金板、磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートを提供する。【解決手段】磁気ディスク用アルミニウム合金板、ブランク、および、サブストレートは、Mg:1.0質量%以上6.5質量%以下、および、Cr:0.10質量%以上0.30質量%以下、を含有し、Si:0.20質量%以下、および、Cu:1.00質量%以下、であって、Fe:1.70質量%以下、Mn:1.5質量%以下、および、Ni:2.7質量%以下、のうちの1種以上を含有し、残部がAlおよび不純物からなり、前記Fe、前記Mnおよび前記Niの含有量の合計が0.3質量%以上4.5質量%以下である。【選択図】なし

Description

本発明は、磁気ディスク用アルミニウム合金板、磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートに関する。
コンピュータなどが備えるハードディスクドライブ(HDD)の記録媒体としては、アルミニウム合金製の磁気ディスクが多用されている。アルミニウム合金製の磁気ディスクの基板は、円環状に打ち抜いたアルミニウム合金板に矯正焼鈍を施してブランクを作製し、ブランクに切削加工や研削加工を施してサブストレートを作製し、サブストレートに表面処理を施すことによって製造されている。
サブストレートは、多くの場合、脱脂処理、酸エッチング処理、デスマット処理、1stジンケート処理、硝酸剥離処理、2ndジンケート処理、無電解Ni−Pめっき処理を順に施される。そして、無電解Ni−Pめっき処理によって成膜されためっき膜の表面に、磁性層、保護膜などが形成されて、読み書き可能な状態の磁気ディスクが製造される。
近年、記録データの転送速度の高速化が進んでおり、これに伴って、磁気ディスクの回転数も高速になっている。磁気ディスクは、作動時の回転数が高速であるほど、また、薄肉で軽量であるほど、共振による振動によって正確な読み書きが困難になる。そのため、磁気ディスクの基板には、振動に耐える高い剛性が求められる。そして、振動に耐え得る剛性は、基板を厚肉化することによって確保することが可能である。しかし、基板を厚肉化する手法では、磁気ディスクを軽量にすることができず、また、記録装置への搭載枚数も制約される。そのため、磁気ディスクの基板に関しては、材料自体に高い剛性が要求されるようになっている。
例えば、特許文献1には、アルミニウム合金マトリックス中にセラミックス粒子またはセラミックス繊維のうち少なくとも一方を体積比で5〜50%分散させる磁気ディスク基板用軽量高剛性アルミニウム合金板が記載されている。そして、特許文献1では、アトマイズ法によって得られた純Al粒子と、Al粒子とを混合し、その混合物を溶融温度付近でHIP処理した後、熱間圧延を行ってアルミニウム合金板を得ている。
特開昭63−183146号公報
特許文献1に記載された磁気ディスク基板用軽量高剛性アルミニウム合金板は、マトリックス粒子として用いる純Al粒子と、Al粒子のようなセラミックス粒子またはセラミックス繊維との混合物をHIP処理するものであるので、粒子や繊維の密着性を高くすることが難しい。そのため、特許文献1に記載された磁気ディスク基板用軽量高剛性アルミニウム合金板は、粒子や繊維に関して高い密着性が得られず、「耐力」が低くなる虞がある。
また、特許文献1で検討されている磁気ディスクの基板の「剛性」、および、アルミニウム製の基板に要求される「軽量化」については、要求されるハードルが非常に高くなっており、両者の関係性、具体的には「密度に対するヤング率の割合」(E/ρ)を詳細に検討する必要がある。
また、磁気ディスクの基板に関しては、特許文献1では何ら考慮されていない特性であってHDDの性能を大きく左右する「平坦度」についても十分に検討する必要がある。
ただ、従来の合金組成では実用温度域の焼鈍条件において完全焼鈍されないため、良好な平坦度を確保し難かった。加えて、基板の薄肉化に伴い、平坦度に関して一定の基準を満たすようにするのが難しいという問題もある。
本発明は、前記問題に鑑みてなされたものであり、密度に対するヤング率の割合の値が高くなるとともに、耐力および平坦度に優れた磁気ディスク用アルミニウム合金板、磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートを提供することを目的とする。
本発明者は鋭意研究した結果、合金組成を特定することによって、磁気ディスクの基板の密度の上昇を抑制しつつヤング率を高くする(高剛性とする)とともに、耐力の低下を抑制し、さらには、所定量のMgを含有させて焼鈍軟化挙動を変化させることによって、平坦度を向上させる手法を見出した。
すなわち、Si、Cu、Fe、Mn、Ni、Crなどの合金組成を特定することによって、密度に対するヤング率の割合(E/ρ)の値を高くするとともに、耐力の低下を抑制することとした。また、このような合金組成の素材に対して所定の含有量の範囲でMgを添加することによって、大幅な強度向上に伴う表面キズ等の発生を抑制できるだけでなく、焼鈍軟化挙動を変化させ、その結果、実用温度域の矯正焼鈍が施された場合に優れた平坦度を発揮できることを見出した。
以上の事項に基づき、本発明を創出した。
前記課題を解決するため、本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板は、Mg:1.0質量%以上6.5質量%以下、および、Cr:0.10質量%以上0.30質量%以下、を含有し、Si:0.20質量%以下、および、Cu:1.00質量%以下、であって、Fe:1.70質量%以下、Mn:1.5質量%以下、および、Ni:2.7質量%以下、のうちの1種以上を含有し、残部がAlおよび不純物からなり、前記Fe、前記Mnおよび前記Niの含有量の合計が0.3質量%以上4.5質量%以下である。
このような磁気ディスク用アルミニウム合金板によると、各成分の含有量の範囲が所定範囲内に特定されていることから、この合金板を素材とした場合、密度に対するヤング率の割合の値が高いとともに耐力および平坦度に優れた磁気ディスク(又は、ブランクやサブストレート)とすることができる。
本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板は、Cu:0.05質量%以上であってもよい。
このような磁気ディスク用アルミニウム合金板によると、所定以上の含有量のCuが含まれているため、鋳造時の湯漏れが低減される。一般に、アルミニウム合金を半連続鋳造法(DC(direct chill)鋳造法)等で鋳造するときには、冷却している鋳塊が熱収縮し、鋳塊の表面と鋳型との間に空隙が生じて熱伝達が低下する。単にFe、Mn、Ni等のみを含む通常のアルミニウム合金は、状態図上、液相線と固相線によって囲まれる固液共存領域が狭いので、このように熱伝達が低下した場合、凝固殻が容易に再溶融し、湯漏れを生じる可能性が高い。これに対して、Cuが添加されていると、固相線温度が大きく低下するので、湯漏れが発生する可能性が低くなる。そのため、この合金板を素材とした場合、密度に対するヤング率の割合の値が高く、耐力および平坦度に優れる磁気ディスク(又は、ブランクやサブストレート)を安定的に提供することができる。
本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板は、Sr:10ppm以上250ppm以下、をさらに含有してもよい。
このような磁気ディスク用アルミニウム合金板によると、Srが所定の含有量の範囲でさらに含まれていても、この合金板を素材とした場合、密度に対するヤング率の割合の値が高いとともに耐力および平坦度に優れた磁気ディスク(又は、ブランクやサブストレート)とすることができる。
本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクは、前記の磁気ディスク用アルミニウム合金板からなる。
このような磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクによると、各成分の含有量の範囲が所定範囲内に特定されていることから、密度に対するヤング率の割合の値が高くなるとともに、優れた耐力および平坦度を発揮することができる。
本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクは、ヤング率が71.0GPa以上、密度が2.80g/cm以下、E/ρ(=ヤング率(GPa)/密度(g/cm))が26.4以上、耐力が90MPa以上であってもよい。
このような磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクによると、所定の要件を満たすことから、より確実に、密度に対するヤング率の割合の値が高いとともに耐力に優れたものとすることができる。
本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートは、前記の磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクからなる。
このような磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートによると、各成分の含有量の範囲が所定範囲内に特定されていることから、密度に対するヤング率の割合の値が高くなるとともに、優れた耐力および平坦度を発揮することができる。
本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板は、この合金板を素材とした場合、密度に対するヤング率の割合の値が高いとともに耐力および平坦度に優れた磁気ディスク(又は、ブランクやサブストレート)とすることができる。
本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよびサブストレートは、密度に対するヤング率の割合の値が高くなるとともに、優れた耐力および平坦度を発揮することができる。
以下、本発明の一実施形態に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板、磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートについて説明する。
なお、以下の説明では、本実施形態に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板、磁気ディスク用アルミニウム合金ブランク、および、磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートのそれぞれを、単に「アルミニウム合金板」、「ブランク」、「サブストレート」ということがある。
[アルミニウム合金板]
本実施形態に係るアルミニウム合金板は、Si、Cuの含有量が所定の範囲であって、Fe、MnおよびNiのうちの1種以上を含有するとともに、所定の含有量の範囲でCrおよびMgを含有するアルミニウム合金からなる。そして、アルミニウム合金板は、Fe、MnおよびNiの含有量の合計が所定の範囲に制限されている。また、本実施形態に係るアルミニウム合金板は、Srを含有してもよい。
なお、本実施形態に係るアルミニウム合金板は、様々な成分の含有量を規定しているが、本発明の効果(課題)に大きく影響を及ぼす構成要件は、特に「Mgの含有量」と「Crの含有量」と「Fe、MnおよびNiの含有量の合計」である。
以下、本実施形態に係るアルミニウム合金板の各成分を詳細に説明する。
(Mg:1.0質量%以上6.5質量%以下)
Mgは、耐力の向上に寄与するだけでなく、焼鈍軟化挙動を変化させることで、平坦度を向上させることができる。詳細には、Mgの含有量が1.0質量%以上であると、320℃付近の焼鈍温度域でアルミニウム合金板がO調質材の状態となり、実用温度域での矯正焼鈍を施した場合に優れた平坦度を発揮することができる。また、Mgの含有量が1.0質量%以上であると、Mgの添加による耐力の向上という効果を発揮することができる。一方、Mgの含有量が6.5質量%を超えると、圧延性が低下する虞がある。そのため、Mgの含有量は、1.0質量%以上6.5質量%以下とする。
なお、Mgの含有量は、平坦度を向上させる観点から、1.3質量%以上、1.8質量%以上、2.0質量%以上が好ましい。また、圧延性を確保する観点から、6.3質量%以下、6.1質量%以下、5.5質量%以下、4.0質量%以下が好ましい。
なお、前記した「320℃付近の焼鈍温度域でアルミニウム合金板がO調質材の状態」となっているとは、詳細には、320℃の焼鈍材と400℃の焼鈍材とを比較した場合に、後記する「耐力の減少率」が10%以下となる状態をいう。
耐力の減少率(%)={(320℃焼鈍材の耐力)−(400℃焼鈍材の耐力)}/(320℃焼鈍材の耐力)×100
(Cr:0.10質量%以上0.30質量%以下)
Crは、初晶を微細化して金属間化合物を均一に分布させる効果があり、強度や耐力の向上に寄与する。Crの含有量が0.10質量%未満であると、初晶が十分に微細化されず、Crの添加による強度や耐力を向上する効果が十分に得られない。一方、Crの含有量が0.30質量%を超えると、金属間化合物が粗大化し、耳割れが発生することで、圧延性が低下する可能性がある。そのため、Crの含有量は、0.10質量%以上0.30質量%以下とする。
なお、Crの含有量は、強度や耐力を向上する観点から、0.15質量%以上、0.20質量%以上が好ましい。また、Crの含有量は、圧延性を確保する観点から、0.27質量%以下、0.25質量%以下が好ましい。
(Si:0.20質量%以下)
Siは、通常、地金中の不可避的不純物としてアルミニウム合金中に混入し、単体Siや、Al−Fe−Si系金属間化合物などを形成する。Siの含有量が0.20質量%を超えると、ヤング率が低くなったり、単体SiやAl−Fe−Si系金属間化合物が粗大になり、圧延性が低くなったりする。そのため、Siの含有量は、0.20質量%以下(0.00質量%を含む)とする。
なお、Siの含有量は、ヤング率および圧延性の低下を抑制する観点から、0.10質量%以下、0.07質量%以下、0.04質量%以下が好ましい。Siの含有量は、低いほど望ましく、0質量%でも本発明の特性を損なわないが、高純度の原料(Al地金および中間合金地金など)が必要になるのでコストが高くなる。そのため、Siの含有量は、0.004質量%以上が工業的に好ましい。
(Cu:1.00質量%以下)
Cuは、低い平衡分配係数を示し、アルミニウム合金の固相線温度を大きく低下させる。そのため、Cuには、状態図上の固液共存領域を広くし、鋳造時の湯漏れの発生頻度を低減させる効果がある。また、Cuは、ジンケート処理において亜鉛を均一に析出させる効果がある。ただ、Cuの含有量が1.00質量%を超えると、状態図上の固液共存領域が過度に広くなる。その結果、金属間化合物が粗大化し、耳割れが発生することで、圧延性が低下する可能性がある。また、Cuの含有量が1.00質量%を超えると、密度が上昇し、軽量化を妨げる虞がある。そのため、Cuの含有量は、1.00質量%以下(0.00質量%を含む)とする。
なお、Cuの含有量は、前記したCuの添加による効果を確実に得る観点から、0.05質量%以上、0.20質量%以上が好ましい。また、Cuの含有量は、圧延性を確保する観点などから、0.70質量%以下、0.60質量%以下が好ましい。
(Fe:1.70質量%以下)
Feは、強度やヤング率の向上に寄与する。ただ、Feの含有量が1.70質量%を超えると、Al−Fe−Ni系金属間化合物が粗大化したり、Al−Mn−Fe系金属間化合物が粗大化し、耳割れが発生することで、圧延性が低下する可能性がある。そのため、Feの含有量は、1.70質量%以下(0.00質量%を含む)とする。
なお、Feの含有量は、剛性を高くする観点から、0.50質量%以上、0.80質量%以上がより好ましい。また、Feの含有量は、圧延性を確保する観点から、1.50質量%以下、1.40質量%以下、1.30質量%以下が好ましい。
(Mn:1.5質量%以下)
Mnは、強度やヤング率の向上に寄与する。ただ、Mnの含有量が1.5質量%を超えると、Al−Mn−Fe系金属間化合物が粗大化し、耳割れが発生することで、圧延性が低下する可能性がある。そのため、Mnの含有量は、1.5質量%以下(0.0質量%を含む)とする。
なお、Mnの含有量は、剛性を高くする観点から、0.3質量%以上、0.5質量%以上、0.8質量%以上が好ましい。また、Mnの含有量は、圧延性を確保する観点から、1.3質量%以下、1.2質量%以下、1.0質量%以下、0.9質量%以下が好ましい。
(Ni:2.7質量%以下)
Niは、強度やヤング率の向上に寄与する。ただ、Niの含有量が2.7質量%を超えると、Al−Fe−Ni系金属間化合物が粗大化し、耳割れが発生することで、圧延性が低下する可能性がある。そのため、Niの含有量は、2.7質量%以下(0.0質量%を含む)とする。
なお、Niの含有量は、剛性を高くする観点から、1.3質量%以上、1.5質量%以上が好ましい。また、Niの含有量は、圧延性を確保する観点から、2.5質量%以下、2.4質量%以下、2.0質量%以下が好ましい。
(Sr:10ppm以上250ppm以下)
Srは、鋳造時に形成するデンドライト(Dendrite)の枝分かれを促進し、晶出物を微細化する効果がある。Srの含有量が10ppm未満であると、Srの添加による効果を十分に得ることができない。一方、Srの含有量が250ppmを超えると、Al−SrなどSrを含む化合物が粗大になり、耳割れが発生することで、圧延性が低下する可能性がある。そのため、Srを添加する場合、Srの含有量は、10ppm以上250ppm以下とする。
なお、Srの含有量は、前記したSrの添加による効果を確実に得る観点から、50ppm以上、70ppm以上が好ましい。また、Srの含有量は、Srを含む化合物の粗大化を抑制する観点から、200ppm以下、120ppm以下が好ましい。
(Fe+Mn+Ni:0.3質量%以上4.5質量%以下)
Fe、MnおよびNiの含有量の合計は、0.3質量%以上4.5質量%以下とする。Fe、MnおよびNiの含有量の合計が4.5質量%を超えると、金属間化合物が粗大化し易くなり、耳割れが発生することで、圧延性が低下する可能性がある。また、Fe、MnおよびNiの含有量の合計が4.5質量%を超えると、密度が上昇し、軽量化を妨げる虞がある。一方、Fe、MnおよびNiの含有量の合計が0.3質量%未満であると、ヤング率を十分に高くすることができないとともに、E/ρの値が低くなる可能性がある。
なお、Fe、MnおよびNiの含有量の合計は、ヤング率を高くする観点などから、0.5質量%以上、0.7質量%以上、0.9質量%以上、1.0質量%以上、2.5質量%以上が好ましい。また、Fe、MnおよびNiの含有量の合計は、圧延性を確保する観点から、4.3質量%以下、4.0質量%以下、3.8質量%以下が好ましい。
(残部:Alおよび不純物)
本実施形態に係るアルミニウム合金板は、鋳塊製造時の溶解原料の選択によって、上記以外の元素を不純物として含み得る。不純物元素として、具体的には、Zn、Ti、Zr、V、B、Na、K、Ca、Pbなどが挙げられる。その内、Ti、Zr、Vは各0.10質量%以下、Znは1.00質量%以下、B、Na、K、Ca、Pbは、0.05質量%以下に規制される。これらの元素は、この範囲内であれば、不可避的不純物として含有される場合だけではなく、意図的にこれらの元素を含むスクラップの配合率を高めるなど、積極的に添加された場合であっても、本実施形態の効果を妨げない。
不純物元素として示した各元素が不可避的に含有される場合(つまり、不可避的不純物である場合)、Znの含有量は0.5質量%以下、Zn以外の元素毎の含有量は0.005質量%以下、且つ、Zn以外の元素の合計は0.015質量%以下である。
また、上記のSi、Cu、Fe、Mn、Niを添加しない化学組成とする場合、これらの不可避的不純物としての含有量も0.005質量%以下である。
[アルミニウム合金板の製造方法]
本実施形態に係るアルミニウム合金板は、磁気ディスク用の基板を製造する一般的な条件の製造方法および設備によって製造することができる。例えば、原料を溶解して、所定の化学組成に調整された溶湯を鋳塊に鋳造する鋳造工程と、鋳造された鋳塊に均質加熱処理を施す均質化熱処理工程と、均質化熱処理を施された鋳塊を熱間圧延して熱間圧延板を得る熱間圧延工程と、熱間圧延板を冷間圧延して冷間圧延板を得る冷間圧延工程とを、この順に含む製造方法によって、アルミニウム合金板を製造することができる。なお、必要に応じて、冷間圧延工程の前または冷間圧延工程の途中に中間焼鈍を行ってもよい。
鋳造工程は、700〜800℃で原料を溶解し、DC鋳造法等の公知の半連続鋳造法によって鋳造する。また、鋳造された鋳塊は、面削を施すことが好ましく、その面削量は、例えば、2〜40mm/片面で行うことができる。
均質化熱処理工程は、例えば、均質化熱処理の温度400〜600℃で、その保持時間4〜48時間にて行うことができる。
熱間圧延工程は、例えば、熱間圧延の開始温度を490℃以上とすることができる。また、熱間圧延の終了温度を300〜350℃とすることができる。520℃から400℃までの熱間圧延は、30分以内に終えることが好ましく、15分以内に終えることがより好ましい。また、熱間圧延して得る熱間圧延板の板厚を、例えば、3mm以下とすることができる。
冷間圧延工程は、冷間圧延して得る冷間圧延板の板厚を、例えば、0.5〜1.3mmとすることが好ましい。
[ブランク]
本実施形態に係るブランクは、前記した本実施形態に係るアルミニウム合金板からなる。そして、本実施形態に係るブランクは、本実施形態に係るアルミニウム合金板を穴開き円盤状(円環状)に打ち抜き、矯正焼鈍を施したものであって、化学組成は、前記したアルミニウム合金板から変化しない、つまり、当該アルミニウム合金板と同様である。
なお、本実施形態に係るブランクのヤング率、密度、E/ρ、耐力などの特性値は、後記する矯正焼鈍工程を経たブランク、または、後記する矯正焼鈍工程と同等の条件の熱処理を施されたアルミニウム合金板について測定された値である。
(ヤング率)
ブランクのヤング率は、71.0GPa以上であることが好ましい。ヤング率が71.0GPa以上であると、材料自体に高い剛性が備わっているため、ブランクを過度に厚くしなくとも、磁気ディスクの作動時の振動を十分に低減することができる。ブランクのヤング率は、磁気ディスクの作動時の振動を抑制する観点などからは、73.0GPa以上、73.5GPa以上が好ましい。
ヤング率は、例えば、JIS Z 2280:1993(金属材料の高温ヤング率試験方法)に準拠して、圧延方向を長手方向とする60mm×10mm×約1mm厚の試験片を作製し、その試験片を用いて、大気雰囲気下、室温で自由共振法により測定することができる。試験装置としては、例えば、日本テクノプラス社製JE−RT型を用いることができる。
(密度)
ブランクの密度は、2.80g/cm以下であることが好ましい。密度が2.80g/cm以下であると、磁気ディスクに要求されるレベルの軽量化を図ることができる。ブランクの密度は、軽量化の観点から、2.78g/cm以下、2.75g/cm以下がより好ましい。
密度とは、JIS Z8807:2012(固体の密度及び比重の測定方法)に定義されているとおりである。そして、密度は、当該文献の内容(幾何学的測定による密度及び比重の測定方法)に準拠して求めることができ、例えば、体積と質量とを公知の測定器(マイクロメータ、ノギス、電子天秤等)によって測定し、算出することができる。
(E/ρ)
ブランクのE/ρ(=ヤング率(GPa)/密度(g/cm))は、26.4以上であることが好ましい。E/ρが26.4以上であると、密度に対するヤング率の割合が十分に高くなり、高いレベルの高剛性および軽量化を図ることができる。ブランクのE/ρは、高剛性および軽量化の観点からは、26.5以上、27.0以上がより好ましい。
(耐力)
ブランクの耐力は、90MPa以上であることが好ましい。ブランクの耐力は、磁気ディスクの機械的特性をより向上する観点から、100MPa以上、105MPa以上がさらに好ましい。
耐力は、例えば、JIS Z 2241:2011(金属材料引張試験方法)に準拠して、圧延方向を長手方向とするJIS5号試験片を作製し、引張試験を行うことにより測定することができる。なお、JIS5号に相似し、寸法が縮尺された試験片で測定を行ってもよい。
[ブランクの製造方法]
本実施形態に係るブランクは、磁気ディスク用の基板を製造する一般的な条件の製造方法および設備によって製造することができる。例えば、冷間圧延して得られたアルミニウム合金板を円環状に打ち抜く打ち抜き工程と、打ち抜かれた基板に矯正焼鈍を施す矯正焼鈍工程とを、この順に含む製造方法によって、ブランクを製造することができる。
打ち抜き工程は、アルミニウム合金板を所望の形状に打ち抜く工程であって、例えば、内径24mm、外径96mmの3.5インチHDD用の基板、または、内径19mm、外径66mmの2.5インチHDD用の基板等に適用できるように打ち抜き処理を施せばよい。
矯正焼鈍工程は、基板を高い平坦度を有するスペーサで挟んで積み付け、基板に荷重をかけながら焼鈍することが好ましい。焼鈍温度は、250〜500℃とし、保持時間は、例えば、4〜5時間、3時間程度とすることができる。矯正焼鈍における昇温速度は、例えば、平均80℃/時間(Max.150℃/時間)、降温は、例えば、焼鈍炉の扉を開放して降温(冷却)することができる。また、矯正焼鈍の昇温については、段階的な昇温を実施しても本発明の効果を損なうことはない。例えば、特許第5815153号の段落0068〜0069に記載されているような特定の温度域の昇温速度を所定速度(又は所定速度以上)とするとともに当該特定の温度域以外は別の昇温速度とするように、複数の昇温速度で昇温(段階的な昇温)を実施してもよい。
なお、本発明では、矯正焼鈍の焼鈍温度について、前記した一般的な焼鈍温度の範囲の中でも、250〜400℃(実用温度域)とする場合を想定している。
[サブストレート]
本実施形態に係るサブストレートは、前記した本実施形態に係るブランクからなる。そして、本実施形態に係るサブストレートは、本実施形態に係るブランクの端面に切削加工を施し、主面に研削加工を施したものであって、化学組成は、前記したブランクおよびアルミニウム合金板から変化しない、つまり、当該ブランクおよびアルミニウム合金板と同様である。
また、本実施形態に係るサブストレートのヤング率、密度、E/ρ、耐力などの特性値は、本実施形態に係るブランクから変化しない、つまり、当該ブランクと同様である。よって、本実施形態に係るブランクについて求めた特性値をサブストレートについての特性値とみなすことができるし、本実施形態に係るサブストレートについて求めた特性値をブランクについての特性値とみなすこともできる。
[サブストレートの製造方法]
本実施形態に係るサブストレートは、磁気ディスク用の基板を製造する一般的な条件の製造方法および設備によって製造することができる。例えば、ブランクの端面を切削加工する端面加工工程と、ブランクの主面を研削加工する研削加工工程と、をこの順に含む製造方法によって、サブストレートを製造することができる。
[磁気ディスクの製造方法]
磁気ディスクは、磁気ディスクを製造する一般的な条件の製造方法および設備によって製造することができる。例えば、サブストレートの表面を酸エッチング処理し、無電解Ni−Pめっき膜を形成した後、無電解Ni−Pめっき膜の表面を研磨する。次いで、サブストレートの表面に、下地層、磁性層、保護膜などを形成することにより、磁気ディスクを製造することができる。
なお、ブランク、サブストレートなどの製造条件の詳細については、例えば、特許第3471557号公報や、特許第5199714号公報に記載されている。ブランク、サブストレートなどの製造は、これらの文献を参照して行うことができる。
以下、本発明の実施例を示して本発明について具体的に説明を行う。但し、本発明の技術的範囲は、これに限定されるものではない。
(ラボ試作:供試材の準備)
No.1−1〜1−12に係る供試材は、表1に示す化学組成のアルミニウム合金を用い、以下の条件に基づいて製造した。
まず、溶湯を35mm(厚さ)×145mm(幅)×250mm(長さ)の鋳型に注入してスラブを作製した。そして、得られたスラブの両面(厚さ方向)を其々2mm面削した。その後、540℃で8時間の均質化熱処理を施した。そして、厚さが2.3mmとなるまで熱間圧延(終了温度:約300℃)を施し、厚さが0.74mmとなるまで冷間圧延を施した。その後、矯正焼鈍を模した焼鈍(昇温速度:約80℃/h、焼鈍温度:約320℃、保持時間:約3時間)を施して、ブランク(O調質材)を製造した。
なお、耐力を測定する引張試験片については、前記の冷間圧延板からJIS5号引張試験片を加工して、前記の矯正焼鈍と同じ焼鈍処理を施して作製した。
(工場試作:供試材の準備)
No.2−1〜2−5に係る供試材は、表2に示す化学組成のアルミニウム合金を用い、以下の条件に基づいて製造した。
まず、溶湯を鋳塊厚さ500〜530mmの範囲の鋳型でDC鋳造にてスラブを作製した。そして、得られたスラブの両面(厚さ方向)を其々16mm面削した。その後、540℃で8時間の均質化熱処理を施した。そして、厚さが2.3mmとなるまで熱間圧延(終了温度:約330℃)を施し、厚さが0.74mmとなるまで冷間圧延を施した。その後、プレス機によって96〜98φとなるように打ち抜き加工を施し、スペーサで挟んで矯正焼鈍(昇温速度:約70〜140℃/h(平均約110℃/h)、焼鈍温度:約320℃、保持時間:約3時間)を施して、ブランク(O調質材)を製造した。
なお、耐力を測定する引張試験片については、No.2−4は、前記の冷間圧延板からJIS5号引張試験片を加工して、前記の矯正焼鈍と同じ焼鈍処理を施して作製した。それ以外の供試材(No.2−1〜2−3、2−5)については、前記のブランクからJIS13B号引張試験片を加工して作製した。
製造した各供試材について、ヤング率、密度、E/ρ、耐力、平坦度を、以下のようにして評価した。
(ヤング率)
ヤング率は、JIS Z 2280:1993(金属材料の高温ヤング率試験方法)に準拠して、圧延方向を長手方向とする60mm×10mm×約0.7mm厚の試験片を作製し、その試験片を用いて、大気雰囲気下、室温で自由共振法により測定した。試験装置としては、日本テクノプラス社製JE−RT型を用いた。ヤング率が71.0GPa以上のものを「〇」(合格)、71.0GPa未満のものを「×」(不合格)と評価した。
(密度)
密度は、JIS Z8807:2012(幾何学的測定による密度及び比重の測定方法)に準拠して、マイクロメータとノギスを使用して体積を測定し、電子天秤を使用して質量を測定し、質量を体積で除し供試材の密度(g/cm)を求めた。密度が2.80g/cm以下のものを「〇」(合格)、2.80g/cmを超えるのものを「×」(不合格)と評価した。
(E/ρ)
E/ρは、前記の方法で測定して得られた「ヤング率の値(GPa)」を、前記の方法で算出して得られた「密度の値(g/cm)」で除して算出した。E/ρが26.4以上のものを「〇」(合格)、26.4未満のものを「×」(不合格)と評価した。
(耐力)
耐力は、JIS Z 2241:2011(金属材料引張試験方法)に準拠して、圧延方向を長手方向とするJIS5号又は13B号試験片を作製し、引張試験を行うことにより0.2%耐力を測定した。0.2%耐力が90MPa以上のものを「〇」(合格)、90MPa未満のものを「×」(不合格)と評価した。
(平坦度)
平坦度は、工場試作の供試材について、ニデック社製のフラットネステスター(FT−3)を使用して計測した。N数を75以上とし、各供試材について「平坦度の平均値+3σ」(平坦度の平均値に3×標準偏差を足した数値)を算出した。平坦度の平均値+3σが10.0μm以下のものを「〇」(合格)、10.0μmを超えるものを「×」(不合格)と評価した。
表1、2に、合金組成、ヤング率、密度、E/ρ、耐力の評価の結果を示すとともに、表2は、平坦度(詳細には、平坦度の平均値+3σ)の評価の結果も示す。
なお、表1、2の「Fe+Mn+Ni」は、Fe、MnおよびNiの含有量の合計を示す。
Figure 2020087485
Figure 2020087485
表1に示すように、No.1−1〜1−10、1−12は、合金組成が適正に制御されていたため、優れた剛性(ヤング率が高い)および耐力を発揮できるとともに、密度の上昇を抑制できており、E/ρ(密度に対するヤング率の割合の値)が高いという結果が得られた。
また、表2に示すように、No.2−1〜2−4は、合金組成が適正に制御されていたため、優れた剛性(ヤング率が高い)および耐力を発揮できるとともに、密度の上昇を抑制できており、E/ρ(密度に対するヤング率の割合の値)が高いという結果が得られた。加えて、No.2−1〜2−4は、平坦度についても良好な結果が得られた。
一方、No.1−11は、Siの含有量が所定値よりも多かったため、耳割れが非常に多く発生してしまい、その後の評価を中止した。
また、No.2−5は、Mgの含有量が所定値よりも少なかったため、平坦度が不合格との結果となった。
(補足)
Fe+Mn+Niの合計の含有量が0.3質量%未満であって、Crの含有量が0.10質量%未満の合金(その他の合金組成は本発明に規定する要件を満たす合金、詳細には、Si:0.20質量%以下、Cu:1.00質量%以下、であって、Fe:1.70質量%以下を含有するとともに、Mg:1.0質量%以上6.5質量%以下、を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなる合金)を用い、前記した「工場試作:供試材の準備」と同じ方法によってブランクを製造したところ、ヤング率は「70.0GPa:×」、密度は「2.66:〇」、E/ρは「26.3:×」、耐力は「107MPa:〇」との結果が得られた。
つまり、Fe+Mn+Niの合計の含有量が所定値よりも少ないとともに、Crの含有量が所定値よりも少ないと、ヤング率が低く不合格となるとともに、E/ρが不合格となるとの結果となった。
前記課題を解決するため、本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板は、Mg:1.0質量%以上6.5質量%以下、および、Cr:0.10質量%以上0.30質量%以下、を含有し、Si:0.20質量%以下、および、Cu:1.00質量%以下、であって、Fe:1.70質量%以下、Mn:1.5質量%以下、および、Ni:2.7質量%以下、のうちの1種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、前記Fe、前記Mnおよび前記Niの含有量の合計が0.質量%以上4.質量%以下である。

Claims (6)

  1. Mg:1.0質量%以上6.5質量%以下、および、Cr:0.10質量%以上0.30質量%以下、を含有し、
    Si:0.20質量%以下、および、Cu:1.00質量%以下、であって、
    Fe:1.70質量%以下、Mn:1.5質量%以下、および、Ni:2.7質量%以下、のうちの1種以上を含有し、
    残部がAlおよび不純物からなり、
    前記Fe、前記Mnおよび前記Niの含有量の合計が0.3質量%以上4.5質量%以下である磁気ディスク用アルミニウム合金板。
  2. Cu:0.05質量%以上である請求項1に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金板。
  3. Sr:10ppm以上250ppm以下、をさらに含有する請求項1または請求項2に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金板。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金板からなる磁気ディスク用アルミニウム合金ブランク。
  5. ヤング率が71.0GPa以上、密度が2.80g/cm以下、E/ρ(=ヤング率(GPa)/密度(g/cm))が26.4以上、耐力が90MPa以上である請求項4に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金ブランク。
  6. 請求項4または請求項5に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクからなる磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレート。
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