JP6908741B2 - 磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレート - Google Patents

磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレート Download PDF

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本発明は、磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートに関する。
情報のデジタル化やインターネットの普及に伴い大量のデジタルデータが取り扱われることとなり、データセンターを中心にハードディスクドライブ(HDD)の大容量化が求められている。そして、HDDの大容量化を実現すべく、HDD一台あたりの磁気ディスクの搭載枚数を増やすために、磁気ディスクの薄肉化が検討されている。
そして、磁気ディスクの薄肉化の検討では、3.5インチHDDに搭載されている磁気ディスクの板厚を従来の約1.3mmから、0.8mmまたはそれ以下に薄くすることが提案されている。
ここで、磁気ディスクの薄肉化の課題として、落下時の衝撃によって磁気ディスクが変形してしまうことが挙げられる。加えて、大容量のHDDとしては、外径の大きい3.5インチHDDを用いるのが主流であるが、外径が大きくなるに伴い最大曲げ応力が低下し、変形し易くなる。
このような磁気ディスクの変形は、矯正焼鈍を行った後のブランクやサブストレートの耐衝撃性を向上させることで対応できる。しかしながら、HDDの大容量化、および、磁気ディスクの薄肉化に伴い、磁気ディスク用材料の耐衝撃性に要求されるレベルも高まっている。
また、磁気ディスク用材料に対しては、例えば、サブストレートに無電解Ni−Pめっき処理を行った後、ノジュールやガスピット、フクレなどのめっき欠陥が発生しない優れためっき性が要求されている。なお、めっき欠陥が発生すると、Ni−Pめっき膜表面の平滑性が低下する。
このような磁気ディスク用材料に関して、次のような技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、結晶粒の微細化とめっきピット欠陥低減の相反する特性を同時に満たす磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法が開示されている。
また、例えば、特許文献2には、薄肉化した場合であっても落下時の衝撃によって変形しない程度の十分な耐衝撃性を有し、めっき後のめっき面に微小うねりが発生し難く、かつ表面欠陥の少ない磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートが開示されている。
特許第5199714号公報 特許第5815153号公報
特許文献1では、磁気ディスク用のアルミニウム合金基板に関し、めっきピット欠陥の低減について検討されているものの、耐衝撃性については十分に検討されていない。
よって、特許文献1に記載の技術は、耐衝撃性に関して改善の余地が存在する。
一方、特許文献2では、磁気ディスク用のブランクやサブストレートに関して、表面欠陥の低減だけでなく、耐衝撃性についても検討されている。
ただし、特許文献2に記載の技術は、比較的多くのMnをブランクやサブストレートに含有させており、このMnの含有量では、研削性(加工時の研削し易さ)が低下するおそれがある。
よって、特許文献2に記載の技術のようにMnの含有量を比較的多くすることなく、優れた耐衝撃性やNi−Pめっき膜表面の平滑性を発揮できる磁気ディスク用のブランクおよびサブストレートの創出が望まれている。
そこで、本発明は、耐衝撃性、および、Ni−Pめっき膜表面の平滑性に優れる磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートを提供することを課題とする。
本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートは、Mg:5.0質量%以上7.0質量%以下、Cr:0.05質量%以上0.35質量%以下、を含有し、Cu:0.10質量%以下、Zn:0.40質量%以下、Fe:0.025質量%以下、Si:0.025質量%以下、Mn:0質量%、であり、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、表面におけるMg−Si系金属間化合物の最大長さが3μm以下であり、耐力が140MPa以上である。
また、本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートは、心材と、前記心材の少なくとも一方の面に設けられる皮材と、を備え、前記皮材は、Mg:5.0質量%以上7.0質量%以下、Cr:0.05質量%以上0.35質量%以下、を含有し、Cu:0.10質量%以下、Zn:0.40質量%以下、Fe:0.025質量%以下、Si:0.025質量%以下、Mn:0質量%、であり、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、表面におけるMg−Si系金属間化合物の最大長さが3μm以下であり、耐力が140MPa以上である。
このような構成によれば、磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートは、耐衝撃性、および、Ni−Pめっき膜表面の平滑性に優れたものとなる。
また、このような構成によれば、磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートは、より優れた耐衝撃性を発揮することができる。
本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金ブランクおよび磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレートは、耐衝撃性、および、Ni−Pめっき膜表面の平滑性に優れる。
耐衝撃性を評価する耐衝撃性試験機の概要を説明する模式的な図である。 耐衝撃性の評価に使用したブランクを取り付けたHDDの模式的な図である。 ブランクの耐力と平坦度の変化量との関係を示すグラフである。
以下、本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金ブランク(以下、単にブランクともいう)および磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレート(以下、単にサブストレートともいう)を実施するための形態について、詳細に説明する。
[ブランク]
本実施形態に係るブランクは、Mg、Crを所定量含有し、Cu、Zn、Mn、Fe、Siが所定量未満または所定量以下であり、残部がAlおよび不可避的不純物からなる。
また、本実施形態に係るブランクは、表面におけるMg−Si系金属間化合物の最大長さが所定値以下であり、耐力が所定値以上であるのが好ましい。
以下、各構成について詳細に説明する。
(Mg:5.0質量%以上7.0質量%以下)
Mgは、ブランクの耐力向上に有効な元素である。Mg量が5.0質量%未満であると、十分な耐力を得ることができず、ブランクの耐衝撃性が低下する。一方、Mg量が7.0質量%を超えると、高温での割れ感受性が高くなる。そのため、熱間圧延中に割れが生じ易くなり圧延が困難になる。
したがって、Mg量は5.0質量%以上7.0質量%以下とする。Mg量は、より高い耐力を得る観点から、好ましくは5.5質量%以上、より好ましくは6.0質量%以上である。また、Mg量は、高温での割れ感受性を低くする観点から、好ましくは6.5質量%以下である。
(Cr:0.05質量%以上0.35質量%以下)
Crは、ブランクの耐力向上に有効な元素である。そして、Crは、鋳造時に微細な化合物として晶出し、また、均質化熱処理時に微細な化合物として析出し、均質化熱処理時および熱間圧延処理時の結晶粒の成長を抑制する。さらに、Crは、再結晶粒の異常成長を抑え、組織を均質化する効果がある。Cr量が0.05質量%未満であると、これらの効果を得られない。一方、Cr量が0.35質量%を超えると、結晶粒の成長を抑制する効果が過剰となり、矯正焼鈍後の再結晶組織が等軸状にならず、圧延方向に伸びた状態となる。これにより、当該組織の異方性が大きくなり、Ni−Pめっき膜表面の平滑性が悪化する。また、Cr量が0.35質量%を超えると、鋳造時に初晶として粗大なAl−Cr系金属間化合物が晶出し、また、粗大なAl−Fe−Cr系金属間化合物が晶出し、Ni−Pめっき後の表面研削工程などでこれらが脱落して、Ni−Pめっき膜表面のピット発生の原因となる。
したがって、Cr量は0.05質量%以上0.35質量%以下とする。Cr量は、前記した各効果を十分に得る観点から、好ましくは0.10質量%以上、より好ましくは0.15質量%以上、さらに好ましくは0.20質量%以上である。また、Cr量は、Ni−Pめっき膜表面の平滑性をより向上させる観点から、好ましくは0.30質量%以下である。
(Cu:0.10質量%以下)
Cuは、ブランクのNi−Pめっき性改善のために有効な元素である。Cuは、ブランク中に均一に固溶し、めっき前処理のジンケート処理において、ジンケート浴中のZnイオンをブランク(より具体的にはサブストレート)の表面へ均一に微細析出させる効果を有する。つまり、Cuを含むことによって、ジンケート皮膜を均一に形成させることができ、Ni−Pめっき膜表面のノジュールの発生を抑制することができる。ただし、Cu量が0.10質量%を超えると、粒界にCuが析出するため、めっき前処理の酸エッチング処理において粒界部が過エッチングを受け、ピットが生じるとともに、Ni−Pめっき膜表面のノジュールの発生が多大となる。
したがって、Cu量は0.10質量%以下とする。そして、Cu量は、Ni−Pめっき膜表面の平滑性をより向上させる観点から、好ましくは0.05質量%以下である。なお、Cu量は、前記した効果を十分に得る観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.03質量%以上、さらに好ましくは0.04質量%以上である。
(Zn:0.40質量%以下)
ZnはCuと同様、ブランクのNi−Pめっき性改善のために有効な元素である。Znは、ブランク中に均一に固溶し、めっき前処理のジンケート処理において、ジンケート浴中のZnイオンをブランク(より具体的にはサブストレート)の表面へ均一に微細析出させる効果を有する。つまり、Znを含むことによって、ジンケート皮膜を均一に形成させることができ、Ni−Pめっき膜表面のノジュールの発生を抑制することができる。また、Zn量の増加に伴ってZnがブランク中に均一に析出し、サブストレートに対して行うめっき前処理の酸エッチング処理において、エッチング起点およびジンケート処理時のZnイオン析出拠点となりやすくなる。このため、Znを含むことで結晶粒による段差を抑制する効果を発揮することができる。ただし、Zn量が0.40質量%を超えると、Znの析出核が大きくなるのに伴い、めっき前処理として行う酸エッチング処理で形成されるピットも大きくなる。そのため、Zn量が0.40質量%を超えると、Ni−Pめっき膜表面の平滑性が低下する。さらに、Zn量が0.40質量%を超えると、粒界にAl−Mg−Zn系金属間化合物が析出するため、めっき前処理として行う酸エッチング処理において粒界部が過エッチングを受け、Ni−Pめっき膜表面のノジュールの発生が多大となる。また、Zn量が0.40質量%を超えると、Al−Mg−Zn系金属間化合物も溶解してピットとなり、それがめっき後も残存する。
したがって、Zn量は、0.40質量%以下とする。そして、Zn量は、Ni−Pめっき膜表面の平滑性をより向上させる観点から、好ましくは0.33質量%以下、より好ましくは0.25質量%以下である。なお、Zn量は、前記した各効果を十分に得る観点から、好ましくは0.01質量%以上、より好ましくは0.05質量%以上、さらに好ましくは0.10質量%以上である。
(Mn:0.10質量%未満(0質量%を含む))
Mnは、添加量の増加とともにブランクの鏡面加工などにおける研削レートを低下させる。Mn量が0.10質量%以上であると、研削レートが低下し、研削性が低下する。
したがって、Mn量は0.10質量%未満とする。Mn量は、研削性をより向上させる観点から、好ましくは0.06質量%以下、より好ましくは0.03質量%以下、さらに好ましくは0質量%である。なお、Mn量に下限を設ける場合は0.0001質量%とすることができる。
(Fe:0.025質量%以下)
Feは、通常、地金中の不可避的不純物としてAl合金中に混入するものであり、鋳造工程でAl−Fe系金属間化合物を晶出させる。Fe量が0.025質量%を超えると、サブストレートを製造する際の切削や研削などの鏡面加工時にAl−Fe系金属間化合物がブランクの表面から脱落してピットが形成されることがある。また、Al−Fe系金属間化合物が酸エッチング処理によって溶解し、ピットが形成されることがある。このようにしてできたピットは、めっき処理によって形成されるめっき膜の表面の平滑性を低下させるおそれがある。
したがって、Fe量は0.025質量%以下とする。Fe量は、Al−Fe系金属間化合物を小さくする観点から、好ましくは0.022質量%以下、より好ましくは0.017質量%以下である。
前記したように、Feは地金中の不可避的不純物としてAl合金中に混入するため、0質量%とするのは非常に困難である。Fe量を0.005質量%未満とするには高純度な地金を用いる必要があり、非常に高コストとなるため現実的ではない。なお、Fe量は0質量%とするのが好ましいが、0.005質量%以上0.025質量%以下の範囲であれば、研削性や耐力の向上効果、再結晶粒を微細化させてジンケート処理の均質性を向上させる効果が期待できる。そのため、コストの観点およびこれらの効果を得る観点からFe量に下限を設ける場合は0.005質量%とすることができ、0.010質量%とすることができる。
なお、Feは0.025質量%以下であれば積極的に含有させることもできる。
(Si:0.025質量%以下)
Siは、通常、地金中の不可避的不純物としてAl合金中に混入するものであり、Al合金の鋳塊を鋳造する工程などにおいて、Al合金の鋳塊や板表面にMg−Si系金属間化合物を生じさせる。Si量が0.025質量%を超えると、サブストレートを製造する際の切削や研削などの鏡面加工時にMg−Si系金属間化合物がブランクの表面から脱落してピットが形成されることがある。また、Mg−Si系金属間化合物が、めっき前処理の酸エッチング処理によって溶解され、ピットが形成されることがある。すなわち、Si量が0.025質量%を超えると、めっき面のピット数が多くなる(つまり、表面欠陥が多くなる)。Si量を0.025質量%以下とすることによって、このような事態を避けることができる。
したがって、Si量は0.025質量%以下とする。Si量は、Mg−Si系金属間化合物を小さくする観点から、好ましくは0.020質量%以下、より好ましくは0.015質量%以下である。
Siは含有しない方が好ましい成分であるが、前記したように地金中の不可避的不純物としてAl合金中に混入するため、0質量%とするのは非常に困難である。Si量を0.005質量%未満とするには高純度な地金を用いる必要があり、非常に高コストとなるため現実的ではない。したがって、Si量は0.025質量%以下とするものであるが、コストの観点からSi量に下限を設ける場合は0.005質量%とすることができ、0.008質量%とすることができる。
なお、Siは0.025質量%以下であれば積極的に含有させることもできる。
(残部がAlおよび不可避的不純物)
本実施形態に係るブランクを構成する化学成分の基本成分は前記のとおりであり、残部成分はAlおよび不可避的不純物である。不可避的不純物は、材料の溶解時に不可避的に混入する不純物であり、ブランクの諸特性を害さない範囲で含有される。不可避的不純物としては、例えば、Ni、Ti、Na、Pb、Be、Ca、Zr、V、Bなどが挙げられる。また、前記したCu、Zn、Mn、Fe、Siも不可避的不純物として含有されていてもよい。
これらの不可避的不純物は、個々に0.005質量%以下、合計で0.015質量%以下であれば本発明の効果を阻害しない。したがって、本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲で不可避的不純物を含有させていてもよく、また、本発明の効果を阻害しない範囲で積極的に添加された場合であっても、本発明の効果を妨げない(つまり、これらの態様も本発明の技術的範囲に含まれる)。
なお、本実施形態に係るブランクの化学成分は、例えば、Al合金を溶解する際に添加する元素の添加量を適宜調節することによって行うことができる。また、不可避的不純物の含有量の調整(規制)は、例えば、三層電解法により精錬した地金を使用したり、偏析法を利用してこれらを排除したりすることによって行うことができる。
(Mg−Si系金属間化合物の最大長さ:3μm以下)
Mg−Si系金属間化合物の上にはNi−Pめっき膜が成長せず、その周囲から成長したNi−Pめっき膜がこの金属間化合物上を覆うこととなる。このため、Ni−Pめっき膜とアルミニウム合金基板との界面にNi−Pめっき液などが残った空孔が形成され、Ni−Pめっき処理後に行われる磁性膜のスパッタリングの際における加熱などにより、Ni−Pめっき膜表面にフクレが生じ、平滑性が悪くなる。この現象は、特に最大長さが3μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物が存在した場合に著しい。また、最大長さが3μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物は、ブランクの鏡面加工などにおける研削レートを低下させる。
したがって、Mg−Si系金属間化合物の最大長さは3μm以下とする。Mg−Si系金属間化合物の最大長さは、Ni−Pめっき膜表面の平滑性および研削性を向上させる観点から、好ましくは2μm以下である。なお、Mg−Si系金属間化合物の最大長さは小さいほど好ましく、下限については特に規定されるものではないが、例えば、0.5μmである。
Mg−Si系金属間化合物の最大長さは、Siの含有量、均質化熱処理の条件(特に温度)、および、均質化熱処理終了時から熱間圧延終了時までの時間によって制御することができる。なお、後述するサブストレートのMg−Si系金属間化合物の最大長さについても同様である。
Mg−Si系金属間化合物の最大長さについては、以下の方法によって測定することができる。
例えば、まず、ブランク表面をダイヤモンドバイトで切削して鏡面とし、この面をSEM(日本電子株式会社製JSM−5500)と粒子解析ソフト(ディスク表面検査ソフトウェア Ver.2.0)を用いて、1000倍の倍率で20視野(合計0.2mm)撮影し、COMPO像(組成像)を得る。閾値を灰色のマトリックス部に設定して、マトリックス部(母相)よりも黒く写っている部分をMg−Si系金属間化合物とみなして、各Mg−Si系金属間化合物の絶対最大長(粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離の最大値)を測定する。そして、得られた各Mg−Si系金属間化合物の絶対最大長のうち、最も大きな長さを「Mg−Si系金属間化合物の最大長さ」とする。
(耐力:140MPa以上)
ブランクは、製造過程において矯正焼鈍が行われる。矯正焼鈍を行って製造された本実施形態に係るブランクの耐力は140MPa以上であるのが好ましい。矯正焼鈍の条件としては、例えば、300〜400℃で2〜7時間保持するという条件が挙げられる。
ブランクの耐力を140MPa以上とすることによって、板厚を約0.8mmまたはそれ以下に薄肉化した場合でも十分な耐衝撃性とハンドリング時の変形防止効果とを得ることができる。そして、耐衝撃性をさらに向上させる観点から、ブランクの耐力は、143MPa以上が好ましく、155MPa以上がより好ましく、160MPa以上がさらに好ましい。なお、耐力の上限については特に規定されるものではないが、例えば、220MPaである。
ブランクの耐力は、Mg、Crの含有量により制御することができる。なお、後述するサブストレートの耐力についても同様である。
耐力などの機械的特性は、例えば、JIS Z 2241:2011に準拠してブランクまたはサブストレートから試験片を作製し、金属材料引張試験を行うことによって求めることができる。
[サブストレート]
本実施形態に係るサブストレートは、前記した本実施形態に係るブランクの端面を切削加工(端面加工)し、表面(主面)を研削加工(鏡面加工)することにより製造されるものである。
なお、サブストレートは、グラインドサブストレートと呼称されることもある。
本実施形態に係るサブストレートは、前記した本実施形態に係るブランクと同様の化学組成および構成を有している。そのため、サブストレートとして必要な機械的特性を備えており、ハンドリング時に基板が歪み難いことは勿論、薄肉化した場合であっても落下時の衝撃によって変形しない程度の十分な耐衝撃性を有し、Ni−Pめっき膜表面の平滑性に優れている。したがって、本実施形態に係るサブストレートは、例えば、3.5インチHDDに好適に用いることができる。また、このように耐衝撃性に優れており、Ni−Pめっき膜表面の平滑性に優れている本実施形態に係るサブストレートは、例えば、モバイル用の2.5インチHDDに適用された場合も同様に優れた前記特性を示す(前記したブランクも同様である)。
なお、サブストレートの化学成分、耐力、および、金属間化合物に関する数値範囲は、前記したブランクの場合と同様である。
[ブランクの製造方法]
次に、本実施形態に係るブランクの製造方法の一例を説明する。
本実施形態に係るブランクは、一部の条件を除き、磁気ディスク用の基板を製造する一般的な条件の製造方法および設備によって製造することができる。例えば、前記した化学成分のAl合金を溶解し、前記した化学成分に調整した鋳塊を鋳造する鋳造工程と、鋳造された鋳塊に均質化熱処理を施す均質化熱処理工程と、均質化熱処理を施された鋳塊を熱間圧延して熱間圧延板を得る熱間圧延工程と、熱間圧延板を冷間圧延して冷間圧延板を得る冷間圧延工程と、冷間圧延して得られたアルミニウム合金板を円環状に打ち抜く打ち抜き工程と、打ち抜かれた基板に矯正焼鈍を施す矯正焼鈍工程とを、この順に含む製造方法によって、ブランクを製造することができる。なお、必要に応じて、冷間圧延工程の前または冷間圧延工程の途中に中間焼鈍を行ってもよい。
以下、各工程について詳細に説明する。
(鋳造工程)
鋳造工程では、原料を溶解し、公知の鋳造法によって鋳造する。鋳造工程においてAl合金を溶解する際、アルゴン(Ar)などの不活性ガスを溶湯中に吹き込んで脱水素処理を行うのが好ましい。また、30〜80mm/minの鋳造速度で鋳塊を製造するのが好ましい。鋳造温度は、例えば、680〜720℃とするのが好ましい。
(均質化熱処理工程)
均質化熱処理工程では、Al合金の鋳塊を面削した後、例えば、500〜550℃で1〜20時間行う。このような条件で均質化熱処理を行うと、MgSiなどのMg−Si系金属間化合物を十分に固溶させることができる。均質化熱処理の温度が500℃未満であると、Mg−Si系金属間化合物が粗大化する。一方、均質化熱処理の温度が550℃を超えると、鋳塊の表面が溶融してしまう。均質化熱処理の時間は特に規定されるものではないが、より好ましくは4時間以上である。面削量は、偏析の程度を勘案して適宜変更することができるが、その量は片面当たり、例えば3〜20mmの範囲が好ましい。
(熱間圧延工程)
熱間圧延工程では、熱間圧延開始温度を540℃以下とし、均質化熱処理終了時(均熱炉から取り出した時)から熱間圧延終了時までの時間を30分以内とする。このような条件で熱間圧延を行うと、熱間圧延終了時までMgSiなどのMg−Si系金属間化合物が粗大化したり、析出したりしないようにすることができる。
熱間圧延開始温度が540℃を超えると、熱間圧延中に割れが発生する。熱間圧延開始温度は、熱間圧延中の割れの発生をより抑制する観点から、好ましくは530℃以下である。また、均質化熱処理終了時から熱間圧延終了時までの時間が30分を超えると、Mg−Si系金属間化合物が粗大化する。均質化熱処理終了時から熱間圧延終了時までの時間は、Mg−Si系金属間化合物の粗大化をより抑制する観点から、好ましくは10分以内、より好ましくは5分以内である。
なお、熱間圧延終了温度が300℃未満であると、その後の冷間圧延工程でリューダース模様が生じる。リューダース模様は研削後の表面には残らないため、磁気ディスクとしての機能は損なわないが、研削前のAl合金板やブランクの美観が損なわれる。したがって、これを防止するため、熱間圧延終了温度は300℃以上とするのが好ましい。
(冷間圧延工程)
冷間圧延工程では、目標とするブランクの板厚となるように行う。具体的な板厚としては、例えば、0.5〜1.3mmが挙げられる。なお、必要に応じて、冷間圧延の前、または、冷間圧延の途中で中間焼鈍を行ってもよい。
(打ち抜き工程)
打ち抜き工程では、冷間圧延を行った板材を必要に応じて調質した後、例えば、3.5インチHDD用の基板、2.5インチHDD用の基板に適用できるように、アルミニウム合金板を所望の形状に打ち抜く。
(矯正焼鈍工程)
矯正焼鈍工程では、数十枚の円盤状板材を高い平坦度を有するスペーサ間に積み付けし、全体を加圧しながら焼鈍する。一般的に、この加圧焼鈍をした後に、一枚ずつ剥離したものをブランクという。
矯正焼鈍の条件としては、例えば、300〜400℃で2〜7時間保持するという条件が挙げられる。
[サブストレートの製造方法]
本実施形態に係るサブストレートは、例えば、ブランクの端面を切削する切削加工(端面加工)と、ブランクの表面(主面)を研削する研削加工(鏡面加工)と、を施す製造方法によって、サブストレートを製造することができる。
[磁気ディスクおよびその製造方法]
磁気ディスクの製造方法は、まず、サブストレートの表面を酸エッチング処理し、無電解Ni−Pめっき膜を形成した後、その表面を研磨する(なお、無電解Ni−Pめっき膜を形成したサブストレートは、めっきサブストレートと呼称されることもある)。次いで、このサブストレートの表面に、磁気特性を高めるための下地膜、Co基合金からなる磁性膜、および、磁性膜を保護するためのC(カーボン)からなる保護膜などをスパッタリングなどにより形成することで、磁気ディスクを製造することができる。
前記した無電解Ni−Pめっき膜、下地膜、磁性膜、保護膜の形成は、磁気ディスクを製造するにあたって一般的に実施される条件で行うことができる。
そして、ブランクおよびサブストレートを製造するに際して、例えば、特許第3471557号公報や特許第5199714号公報に記載されている製造条件を参照することもできる。
なお、前記したように、本実施形態におけるブランクとサブストレートの主な違いは、研削加工(鏡面加工)を行っているか否かである。そのため、サブストレートに対して行った耐力の測定結果、金属間化合物の測定結果はそのままブランクの測定結果とみなすことができ、その逆も同様である。
(その他の工程)
本実施形態に係るブランク、サブストレート、および、磁気ディスクの製造方法は、以上に説明したとおりであるが、前記各工程に悪影響を与えない範囲において、前記各工程の間あるいは前後に、他の工程を含めてもよい。
[別実施形態]
ここまで、本発明を単層材に適用する実施形態について説明したが、本発明は、「心材」と、心材の少なくとも一方の面に設けられる「皮材」と、を備える積層材に適用することもできる。
[ブランクおよびサブストレート(別実施形態)]
別実施形態に係るブランクおよびサブストレートは、「心材」と、心材の少なくとも一方の面に設けられる「皮材」と、を備える積層材の構成である。
なお、ブランクおよびサブストレートが積層材の場合、積層材全体として前記した単層材の「耐力」の要件を満たすのが好ましい。
(皮材)
別実施形態に係るブランクおよびサブストレートの皮材は、前記した単層材の「各成分の組成」および「表面におけるMg−Si系金属間化合物の最大長さ」の要件を満たすのが好ましい。
(心材)
別実施形態に係るブランクおよびサブストレートの心材は、特に限定されないものの、例えば、Al−Mn系合金、Al−Ni系合金、Al−Fe系合金、Al−Mn−Ni系合金、Al−Ni−Mn系合金、Al−Mn−Fe系合金、Al−Fe−Mn系合金、Al−Ni−Fe系合金、Al−Fe−Ni系合金、Al−Mn−Ni−Fe系合金、Al−Mn−Fe−Ni系合金、Al−Ni−Mn−Fe系合金、Al−Ni−Fe−Mn系合金、Al−Fe−Mn−Ni系合金、Al−Fe−Ni−Mn系合金からなるものが挙げられる。
具体的には、心材は、Mn:0.1質量%以上3.0質量%以下、Ni:0.1質量%以上2.0質量%以下、Fe:0.1質量%以上2.0質量%以下、Si:0.1質量%以上15質量%以下、Cr:0.01質量%以上2.0質量%以下、のうちの1種以上を含有し、残部がAlおよび不可避的不純物からなる。
そして、心材は、Fe、Mn又はNiを単独で含有してもよく、Fe及びMn、Mn及びNi、又は、Ni及びFeの2種を含有してもよく、Fe、Mn及びNiをすべて含有してもよく、それらの合計の含有量の上限が5質量%であれば特に限定されない。
また、前記した系合金に更に1.0質量%以上3.0質量%以下の範囲でMgを含有してもよい。
(心材の残部:Alおよび不可避的不純物)
別実施形態に係るブランクおよびサブストレートの心材の残部成分はAlおよび不可避的不純物である。不可避的不純物としては、例えば、Cu、Zn、Ti、Na、Pb、Be、Ca、Zr、V、Bなどが挙げられる。また、前記したNi、Mn、Fe、Si、Crも不可避的不純物として含有されていてもよい。
これらの不可避的不純物は、個々に0.005質量%以下、合計で0.015質量%以下であれば本発明の効果を阻害しない。したがって、本発明においては、本発明の効果を阻害しない範囲で不可避的不純物を含有させていてもよく、また、本発明の効果を阻害しない範囲で積極的に添加された場合であっても、本発明の効果を妨げない(つまり、これらの態様も本発明の技術的範囲に含まれる)。
(クラッド率等)
別実施形態に係るブランクおよびサブストレートの厚さは、特に限定されないものの、単層材の場合と同様、0.5〜1.3mmであればよい。また、別実施形態に係るブランクおよびサブストレートにおける皮材のクラッド率(積層材の厚さを100%とした場合における各皮材の厚さの比率)は、3〜50%、好ましくは5〜30%であればよい。
[ブランクの製造方法(別実施形態)]
別実施形態に係るブランクは、単層材の場合と同様、積層材の場合も一部の条件を除き、磁気ディスク用の基板を製造する一般的な条件の製造方法および設備によって製造することができる。
例えば、皮材については、前記した化学成分のAl合金を溶解し、前記した化学成分に調整した鋳塊を鋳造する鋳造工程と、鋳造された鋳塊に均質化熱処理を施す均質化熱処理工程と、均質化熱処理を施された鋳塊を熱間圧延して熱間圧延板を得る熱間圧延工程とを、この順に含む製造方法によって皮材を製造する。
そして、心材については、前記した化学成分のAl合金を溶解し、前記した化学成分に調整した鋳塊を鋳造する鋳造工程と、鋳造された鋳塊に均質化熱処理を施す均質化熱処理工程とを、この順に含む製造方法によって心材を製造する。
心材と皮材とを製造した後、これらを重ね合わせる重ね合わせ工程と、積層材に均質化熱処理を施す均質化熱処理工程と、積層材に熱間圧延を施す熱間圧延工程と、積層材を所望の厚さまで圧延する冷間圧延工程と、冷間圧延して得られた積層材を円環状に打ち抜く打ち抜き工程と、打ち抜かれた積層材に矯正焼鈍を施す矯正焼鈍工程とを、この順に含む製造方法によってブランク(積層材)を製造することができる。
なお、各工程における条件は、以下のとおりである。
皮材の鋳造工程、均質化熱処理工程、熱間圧延工程は、表面におけるMg−Si系金属間化合物の最大長さを制御するために、前記した単層材の「鋳造工程」、「均質化熱処理工程」、「熱処理工程」で示した条件(特に、均質化熱処理の温度と時間、および、均質化熱処理終了時から熱間圧延終了時までの時間)を満たすように実施する。
なお、心材の鋳造工程、均質化熱処理工程は、前記した単層材の「鋳造工程」、「均質化熱処理工程」で示した条件を満たすように実施すればよい。
重ね合わせ工程における重ね合わせ方法は、従来公知の方法、例えば、心材と皮材の両端部にバンドを掛ける方法や、溶接止めする方法等が挙げられる。
積層材に対する均質化熱処理は、例えば、500〜550℃、1〜20時間という条件で実施すればよい。
積層材に対する熱間圧延は、例えば、開始温度510〜540℃、均質化熱処理終了時から熱間圧延終了時までの時間を30分以内という条件で実施すればよい。
積層材に対する冷間圧延は、例えば、板厚が0.5〜1.3mmとなるように実施すればよい。
なお、積層材に対する打ち抜き工程は、前記した単層材の「打ち抜き工程」で示した条件を満たすように実施すればよい。また、積層材に対する矯正焼鈍工程も、前記した単層材の「矯正焼鈍工程」で示した条件を満たすように実施すればよいが、保持時間については、7〜9時間と長めに設定してもよい。
なお、心材と皮材とのそれぞれの製造方法については、特許5271094号の段落0048に記載されているスライス・フライス法を適用してもよい。詳細には、心材用のAl合金、皮材用のAl合金をそれぞれ溶解し鋳造して得られた鋳塊を面削、均質化熱処理を施して、それぞれ皮材用鋳塊、心材用鋳塊(心材)を製造する。そして、皮材用鋳塊については、さらに面削、均質化熱処理後、所望の厚さまでスライスして製造することとなる。この場合、重ね合わせ工程後の均質化熱処理条件や熱間圧延条件を、適宜、前記した単層材で示した条件を満たすように制御する必要がある。
そして、ブランク(積層材)を用いて、サブストレートや磁気ディスクを製造する方法については、単層材の場合と同様である。
次に、本発明の効果を奏する実施例とそうでない比較例とを参照して、本発明の内容について具体的に説明する。
[実施例1:単層材]
(DC鋳造での試作:供試材の準備)
まず、材料を溶解し、表1のNo.1〜3に示す化学成分となるように成分を調整し、鋳塊をDC鋳造した。なお、DC鋳造の条件は、鋳造速度が80mm/min、鋳込み温度が720℃(保持炉温度であり、厳密には、樋を通過する際に冷却されるため700〜720℃の範囲)、鋳塊サイズは高さ150mm×幅400mm×長さ400mmであった。
次に、得られた鋳塊を高さ40mm×幅150mm×長さ200mmに切断し、それぞれ両面を2mm面削し、表1に示す条件で均質化熱処理を行った。
その後、No.1、3に係る材料については、均質化熱処理終了時(均熱炉から取り出した時)から熱間圧延終了時までの時間を3分として熱間圧延(開始温度520℃、仕上げ厚さ5mm)を行った。
一方、No.2に係る材料については、長時間の熱間圧延を模擬するために均質化熱処理後450℃の炉に50分保持し、取り出し直後に熱間圧延(開始温度450℃、仕上げ厚さ5mm)を行った。詳細には、均質化熱処理終了時から熱間圧延終了時までの時間を53分とした。
次に、得られた熱間圧延板に冷間圧延を行った。冷間圧延は、材料温度が100℃を超えないように複数回パスさせ、最終的に0.8mmの板厚とした。
そして、この冷間圧延板を3.5インチサイズ(外径約95mm、内径約25mm)の円環形状に打ち抜き、積み付けて矯正焼鈍を行った。矯正焼鈍は、320℃で3時間保持することによって行った。
その後、剥離してNo.1〜3に係る3.5インチHDD用のブランク(板厚0.8mm)を製造した。次に、それぞれのブランクの端面加工を行った。そして、ブランク表面(両面)をPVA砥石(日本特殊研砥株式会社製 4000番)によって片面10μm研削加工(鏡面加工)してNo.1〜3に係るサブストレート(板厚0.8mm)を製造した。
(ブックモールドでの試作:供試材の準備)
まず、材料を溶解し、表2のNo.11〜15に示す化学成分となるように成分を調整し、鋳塊を金型鋳造(ブックモールド)した。なお、金型のサイズは、高さ50mm×幅145mm×長さ200mm、鋳込み温度は720℃であった。
次に得られた鋳塊の両面をそれぞれ2mm面削し、表2に示す条件で均質化熱処理を行った。
その後、均質化熱処理後の材料を、均質化熱処理終了時(均熱炉から取り出した時)から熱間圧延終了時までの時間を3分として熱間圧延(開始温度520℃、仕上げ厚さ5mm)を行った。
次に、得られた熱間圧延板に冷間圧延を行った。冷間圧延は、材料温度が100℃を超えないように複数回パスさせ、最終的に1.3mmの板厚とした。
そして、この冷間圧延板を3.5インチサイズ(外径約95mm、内径約25mm)の円環形状に打ち抜き、積み付けて矯正焼鈍を行った。矯正焼鈍は、320℃で3時間保持することによって行った。
その後、剥離してNo.11〜15に係る3.5インチHDD用のブランク(板厚1.3mm)を製造した。次に、それぞれのブランクの端面加工を行った。そして、ブランク表面(両面)をPVA砥石(日本特殊研砥株式会社製 4000番)によって片面10μm研削加工(鏡面加工)してNo.11〜15に係るサブストレート(板厚1.3mm)を製造した。
製造したNo.1〜3、11〜15に係るブランクまたはサブストレートを用いて、板表面におけるMg−Si系金属間化合物の最大長さ、耐力、耐衝撃性を評価した。これらの評価は次のようにして行った。
〔1〕Mg−Si系金属間化合物の最大長さ
以下の方法によって、No.1〜3に係るブランクの表面のMg−Si系金属間化合物の最大長さ(μm)を測定した。
まず、ブランクの表面をダイヤモンドバイトで切削して鏡面とし、この面をSEM(日本電子株式会社製JSM−5500)と粒子解析ソフト(ディスク表面検査ソフトウェア Ver.2.0)を用いて、1000倍の倍率で20視野(合計0.2mm)撮影し、COMPO像(組成像)を得た。閾値を灰色のマトリックス部に設定して、マトリックス部(母相)よりも黒く写っている部分をMg−Si系金属間化合物とみなして、各Mg−Si系金属間化合物の絶対最大長(粒子の輪郭線上の任意の2点間の距離の最大値)を測定した。そして、得られた各Mg−Si系金属間化合物の絶対最大長のうち、最も大きな長さを「Mg−Si系金属間化合物の最大長さ」とした。
最大長さが3μmを超えるMg−Si系金属間化合物が基板の表面に存在すると、この金属間化合物の上にはNi−Pめっき膜が成長せず、その周囲から成長したNi−Pめっき膜がこの金属間化合物上を覆うこととなる。その結果、Ni−Pめっき膜と基板との界面にNi−Pめっき液などが残った空孔が形成され、Ni−Pめっき処理後に行われる磁性膜のスパッタリングの際における加熱などにより、Ni−Pめっき膜表面にフクレが生じ、平滑性が悪くなる。
よって、最大長さが3μm(3.00μm)を超えるMg−Si系金属間化合物が存在しないものは、Ni−Pめっき膜表面の平滑性に優れると推定されることから、Ni−Pめっき膜表面の平滑性を合格(〇)と判断した。一方、最大長さが3μm(3.00μm)を超えるMg−Si系金属間化合物が存在するものは、Ni−Pめっき膜表面の平滑性に劣ると推定されることから、Ni−Pめっき膜表面の平滑性を不合格(×)と判断した。
なお、最大長さが所定値を超えるMg−Si系金属間化合物が存在しないものが、Ni−Pめっき膜表面の平滑性に優れるという推定は、特許第4490850号の記載に基づいても妥当であることがわかる。
〔2〕耐力
No.1〜3、11〜15に係るブランクから引張方向が圧延方向と平行になるようにJIS13B号の試験片を切り出した。この試験片を用いて、JIS Z 2241:2011(オフセット法)に準拠して引張試験を行うことにより、耐力(0.2%耐力)を求めた。なお、引張速度は、3mm/min(ひずみ量0.5%まで)、20mm/min(ひずみ量0.5%超え)とした。
耐力は、140MPa以上であるものを合格(〇)とし、140MPa未満のものを不合格(×)とした。
〔3〕耐衝撃性
耐衝撃性の評価は、図1に示す耐衝撃性試験機1を用いて実施した。
まず、No.1〜3、11〜15に係るブランクに対して、図2に示すHDD12(Seagate社製HDD ST10000DM0004)に装着可能な内径、外径となるように端面加工を施した。そして、ディスクを取り外したHDD12に、端面加工を施した後のブランク11を取り付け、試験体10(質量:470g)とした。
HDD12に対するブランク11の取り付け方は、測定対象であるブランクを各1枚、更には、適宜ダミーブランクも使用して合計7枚(HDD12に装着されていたディスクの枚数と同じ枚数)のブランク11を、HDD12のディスクが搭載されていた箇所に取り付けた後、螺子Sで6か所固定するというものであった。
なお、合計7枚のブランク11をHDD12に取り付けた場合、上下方向における各ブランクの間に隙間が生じない状態となっていたことから、ブランクの取り付け位置が、一番上側であろうと、中央付近であろうと、一番下側であろうと、本結果に影響を与えなかった。言い換えると、HDDに対するブランクの取り付け位置が、本結果に影響を与えない点については確認している。
その後、図1に示すように、上蓋で蓋をした試験体10をスペーサ4(質量:430g)を介してアルミ板3(質量:3935g、寸法:幅220mm×長さ220mm×厚さ30mm)の上面にシール(図示せず)で固定した。
なお、図1に示す支持棒5は、試験体10を固定したアルミ板3を真っ直ぐ落下させるためのガイドであり、アルミ板3の4つの隅部分には、支持棒5を通す孔が設けられている。
そして、耐衝撃性試験機1において、アルミ板3の下面がアルミブロック2の上面から600mmの高さとなる位置まで、試験体10が固定されたアルミ板3を持ち上げ、落下させた。そして、この落下作業を計5回繰り返した。
その後、試験体10のHDD12からブランク11を取り外して、ブランク11表面の平坦度を測定した。
なお、アルミブロック2とアルミ板3の上面および下面はいずれも面削されており、前記した落下作業において、アルミ板3の下面がアルミブロック2の上面に衝突することによる金属同士の衝撃を試験体10のブランク11に与えている。
ブランク表面の平坦度の測定は、NIDEK社製FT−17で測定した。そして、No.1〜3に係るブランク(板厚0.8mm)について、5回の落下作業前後の平坦度の変化量が0.50μm以下の場合を耐衝撃性が合格(〇)とし、0.50μmを超える場合を耐衝撃性が不合格(×)とした。また、No.11〜15に係るブランク(板厚1.3mm)について、5回の落下作業前後の平坦度の変化量が0.12μm以下の場合を耐衝撃性が合格(〇)とし、0.12μmを超える場合を耐衝撃性が不合格(×)とした。
表には、ブランクおよびサブストレートの成分組成、ならびに、前記〔1〕〜〔3〕で測定または評価した結果を示す。なお、表中の下線は、本発明で規定する要件を満たしていないことを示す。
Figure 0006908741
Figure 0006908741
(結果の検討:表1の結果)
表1に示すように、No.1は、本発明の規定を満たすため、Ni−Pめっき膜表面の平滑性、耐力、耐衝撃性の全ての評価が合格であった。
一方、No.2は、均質化熱処理終了時から熱間圧延終了時までの時間が長かったことから、粗大なMg−Si系金属間化合物が発生し、Ni−Pめっき膜表面の平滑性が劣っていた。
また、No.3は、Mgの含有量が少なかったことから、耐力が劣り、耐衝撃性も劣っていた。
(結果の検討:表2の結果)
表2に示すように、No.13は、耐力、耐衝撃性の評価が合格であった。
一方、No.11、12、14、15は、Mgの含有量が少なかったことから、耐力が劣り、耐衝撃性も劣っていた。
(結果の検討:表2の結果の考察)
表2に示すNo.11〜15の結果は、ブランクの「耐力」と「耐衝撃性」との関係を明らかにするために取得した結果である。
そして、図3に示すグラフは、耐力の値(MPa)を横軸、平坦度の変化量(μm)を縦軸とし、No.11〜15の結果をプロットしたグラフである。この図3のプロットのうち、平坦度が確実に変化しているNo.11、12、14、15に関して近似線を描くと、図3に示す点線となる。
この図3の結果から、ブランクの耐力が140MPa(厳密には136MPa)以上であれば、ほとんど平坦度の変化量に変化はないものの、140MPa未満となると耐力の低下に応じて平坦度の変化量が大きくなることがわかる。つまり、ブランクの耐力が140MP(厳密には136MPa)という点において、平坦度の変化量に関する臨界点が存在することが推察できる。
(結果の検討:表1の結果の再確認)
表1の結果を再確認すると、耐力が140MPa以上(厳密には136MPa以上)のNo.1、2は平坦度の変化量を抑制できており、耐力が140MPa未満のNo.3は平坦度の変化量が大きくなっている。
このように、表2および図3の結果に基づいて推察した結論は、No.1〜3にも適用されることが確認できた。
なお、No.1〜3とNo.11〜15とは、平坦度の変化量に差が生じたものの、これは板厚(No.1〜3の板厚0.8mm、No.11〜15の板厚1.3mm)が大きく影響を与えたものであると考える。
以上の結果より、本発明に係るブランクおよびサブストレートは、耐衝撃性、および、Ni−Pめっき膜表面の平滑性に優れていることが確認できた。
[実施例2:積層材]
(ブックモールドでの試作:供試材の準備)
まず、皮材用の材料を溶解し、表3のNo.21に示す化学成分となるように成分を調整し、鋳塊を金型鋳造(ブックモールド)した。なお、金型のサイズは、高さ50mm×幅145mm×長さ200mm、鋳込み温度は720℃であった。
次に得られた鋳塊の両面をそれぞれ2mm面削し、表3に示す条件で均質化熱処理を行った。
その後、均質化熱処理後の材料を、均質化熱処理終了時(均熱炉から取り出した時)から熱間圧延終了時までの時間を3分として熱間圧延(開始温度540℃、仕上げ厚さ3mm)を行った。
また、心材用の材料を溶解し、Cr:0.21質量%、Cu:0.17質量%、Zn:0.14質量%、Mn:2.0質量%、Fe:0.058質量%、Si:0.019質量%、残部がAlおよび不可避的不純物となるように成分を調整し、鋳塊を金型鋳造(ブックモールド)した。なお、金型のサイズは、高さ50mm×幅145mm×長さ200mm、鋳込み温度は720℃であった。
次に得られた鋳塊の両面をそれぞれ13mm面削し、540℃で4時間という条件で均質化熱処理を行った。
その後、皮材(厚さ3mm)と心材(厚さ24mm)と皮材(厚さ3mm)とを溶接止めして、三層のクラッド材とした。
そして、このクラッド材を540℃の炉に投入し、540℃に昇温させてから1時間30分保持する均質化熱処理を施した後、この均質化熱処理終了時から熱間圧延終了時までの時間を3分として熱間圧延(仕上げ厚さ3mm)を行った。次に、得られた熱間圧延板に冷間圧延を行った。冷間圧延は、材料温度が100℃を超えないように複数回パスさせ、最終的に0.5mmの板厚とした。
なお、皮材、心材、皮材の厚さの比率は、おおむね10%:80%:10%となっていた。
そして、この冷間圧延板を3.5インチサイズ(外径約95mm、内径約25mm)の円環形状に打ち抜き、積み付けて矯正焼鈍を行った。なお、矯正焼鈍は、260℃から320℃の範囲で8時間保持することによって行った。
その後、剥離してNo.21に係る3.5インチHDD用のブランク(板厚0.5mm)を製造した。
そして、製造したNo.21に係るブランクを用いて、実施例1と同じ方法で耐力を評価した。
表には、ブランクの皮材の成分組成、ならびに、耐力の結果を示す。なお、表中の下線は、本発明で規定する要件を満たしていないことを示す。
Figure 0006908741
(結果の検討:表3の結果)
表3に示すように、No.21の皮材は、本発明の規定を満たすため、積層材としての耐力の評価が合格であった。
なお、No.21の皮材の表面におけるMg−Si系金属間化合物の最大長さを示していないものの、No.1と同様、本発明の規定する成分組成の要件を満たしつつ、均質化熱処理の温度と時間、および、均質化熱処理終了時から熱間圧延終了時までの時間が本発明の好ましいとする要件を満たしていたことから、No.1と同じような値になると推察される。
以上、本発明について実施の形態および実施例を示して詳細に説明したが、本発明の趣旨は前記した内容に限定されることなく、その権利範囲は特許請求の範囲の記載に基づいて解釈しなければならない。なお、本発明の内容は、前記した記載に基づいて改変・変更などすることができることはいうまでもない。
1 耐衝撃性試験機
2 アルミブロック
3 アルミ板
4 スペーサ
5 支持棒
10 試験体
11 ブランク
12 HDD
S 螺子

Claims (4)

  1. Mg:5.0質量%以上7.0質量%以下、
    Cr:0.05質量%以上0.35質量%以下、
    を含有し、
    Cu:0.10質量%以下、
    Zn:0.40質量%以下、
    Fe:0.025質量%以下、
    Si:0.025質量%以下、
    Mn:0質量%、
    であり、
    残部がAlおよび不可避的不純物からなり、
    表面におけるMg−Si系金属間化合物の最大長さが3μm以下であり、
    耐力が140MPa以上であることを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金ブランク。
  2. 心材と、前記心材の少なくとも一方の面に設けられる皮材と、を備え、
    前記皮材は、
    Mg:5.0質量%以上7.0質量%以下、
    Cr:0.05質量%以上0.35質量%以下、
    を含有し、
    Cu:0.10質量%以下、
    Zn:0.40質量%以下、
    Fe:0.025質量%以下、
    Si:0.025質量%以下、
    Mn:0質量%、
    であり、
    残部がAlおよび不可避的不純物からなり、
    表面におけるMg−Si系金属間化合物の最大長さが3μm以下であり、
    耐力が140MPa以上であることを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金ブランク。
  3. Mg:5.0質量%以上7.0質量%以下、
    Cr:0.05質量%以上0.35質量%以下、
    を含有し、
    Cu:0.10質量%以下、
    Zn:0.40質量%以下、
    Fe:0.025質量%以下、
    Si:0.025質量%以下、
    Mn:0質量%、
    であり、
    残部がAlおよび不可避的不純物からなり、
    表面におけるMg−Si系金属間化合物の最大長さが3μm以下であり、
    耐力が140MPa以上であることを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレート。
  4. 心材と、前記心材の少なくとも一方の面に設けられる皮材と、を備え、
    前記皮材は、
    Mg:5.0質量%以上7.0質量%以下、
    Cr:0.05質量%以上0.35質量%以下、
    を含有し、
    Cu:0.10質量%以下、
    Zn:0.40質量%以下、
    Fe:0.025質量%以下、
    Si:0.025質量%以下、
    Mn:0質量%、
    であり、
    残部がAlおよび不可避的不純物からなり、
    表面におけるMg−Si系金属間化合物の最大長さが3μm以下であり、
    耐力が140MPa以上であることを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金サブストレート。
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