JP4477999B2 - 磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法、磁気ディスク用アルミニウム合金板、および磁気ディスク用アルミニウム合金基板 - Google Patents

磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法、磁気ディスク用アルミニウム合金板、および磁気ディスク用アルミニウム合金基板 Download PDF

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Description

本発明は、磁気ディスクに使用される磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法、磁気ディスク用アルミニウム合金板、および磁気ディスク用アルミニウム合金基板に関する。
近年、ハードディスクドライブ(HDD)の記録密度は大幅に増大し、近い将来には、面記録密度200Gb/in2が達成されようとしている。このため、データが記録される磁気ディスクの基板においては、相手となる磁気ヘッドの低浮上量を確保するため高い平滑性が要求されている。
従来、磁気ディスク用の基板としては、軽量および非磁性であるとともに、加工性が優れたアルミニウム合金基板が使用されており、この基板の表面を無電解NiPめっき処理し高硬度なNiPめっき膜を形成し、研磨することで高い平滑性を有する高硬度な表面を得ている。
このような磁気ディスク用の基板は、次のようにして作製されている。
まず、所望の合金地金(例えば、JIS A 5086など)を用いて溶解、鋳造および圧延を行い、所定の板厚のアルミニウム合金板とした後、必要に応じて調質し、これをプレスにより所定の円環状基板に打ち抜く。次に、円環状基板内の加工残留応力除去および平坦度の向上のために、打ち抜かれた複数枚の円環状基板を高平坦度のスペーサ間に積み付けし、全体を加圧しながら焼鈍する(加圧焼鈍)。一般に、この加圧焼鈍したものをブランクという。その後、ブランクの内周縁および外周縁の端面に対し、所定の端面加工を施す。
その後、端面加工が施されたブランクを、両面研削機に予めセットされたキャリアのポケット内にセットし、砥石により目標の板厚になるまで研削加工することで磁気ディスク用アルミニウム合金基板(GRサブストレート)とする。その後、かかる基板表面に無電解NiPめっき膜を形成し、その表面を研磨することによって、磁気ディスク用基板を作製している。
そして、一般的に磁気ディスクは、前記無電解NiPめっき膜が形成され、研磨された磁気ディスク用基板上に、磁気特性を高めるための下地膜、Co基合金からなる磁性膜、および磁性膜を保護するためのC(カーボン)からなる保護膜をスパッタリングにより形成することで作製される。
しかし、アルミニウム合金板にMg2SiなどのMg−Si系金属間化合物が存在すると、無電解NiPめっき処理の前処理工程でMgのみが溶解してSiが残存してしまう。この場合、残存したSi上には無電解NiPめっき膜が成長せず、その周囲から成長した無電解NiPめっき膜がこのSi上を覆うこととなる。
このため、無電解NiPめっき膜と磁気ディスク用基板との界面に無電解NiPめっき液などが残存することで空孔が形成され、スパッタリングによる磁性膜作製時の基板加熱などにより、無電解NiPめっき膜表面にマイクロブリスター(微細なふくれ)が発生し、所望の平滑性を得ることができなくなる。
また、アルミニウム合金板にAl3FeなどのAl−Fe系金属間化合物が存在すると、アルカリによる脱脂処理、硫酸や燐酸の混合液に浸漬するエッチング処理、硝酸による表面のスマット除去処理などを行う無電解NiPめっき前処理工程を行うと、Al−Fe系金属間化合物が溶解してしまい、ブランク表面にピット(くぼみ)が生じる。さらに、この後に無電解NiPめっき処理を行ってもピットは埋まりきらず、所望の平滑性を得ることができない。
ここで、特許文献1には、ピットなどが極めて少ない磁気ディスク用アルミニウム合金板とその製造方法に関する発明が開示されている。当該発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板は、Cu:0.05〜0.15質量%(特許文献1においては「wt%」と記載、以下同じ)、Mg:2〜6質量%、Zn:0.1〜0.3質量%、Zr:0.05〜0.12質量%を含有し、かつ、2Cu+6Zr−3Zn=0.15〜0.32質量%の関係を有し、更に、Mn:0.01を超え0.05質量%未満、Cr:0.01を超え0.05質量%未満のうち1種または2種を含有し、不純物としてSi:0.1質量%以下、Fe:0.1質量%以下、Ti:0.02質量%以下に規制され、残部がAl及び不可避的元素(不可避的不純物)からなり、前記不可避的元素が各々0.02質量%以下に規制することで、ピットなどの発生を抑制している。また、その製造方法は、主として熱間圧延後の冷却速度と最終焼鈍後の冷却速度を規定すること、および、冷間圧延における圧下率とパス数、全圧下率を規定することで、かかる磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造することとしている。
また、特許文献2には、ピットなどが発生しにくい磁気ディスク用アルミニウム合金板とその製造方法に関する発明が開示されている。当該発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板は、2.0〜6.0質量%(特許文献2においては「wt%」と記載、以下同じ)のMg、0.05〜0.15質量%のCu、0.10〜0.30質量%のZn、0.05〜0.12質量%のZr、0.2質量%以下(0質量%を含む)のSnを含有し、前記Cu、Zn、Zr、Snの含有量が0.15質量%≦2Cu+6Zr−3Zn−0.1Sn≦0.32質量%の関係式(式中Cu,Zr,Zn,Snは各々の質量%)を満足し、さらに0.01質量%を超え0.05質量%未満のMn、0.01質量%を超え0.05質量%未満のCrのうちの1種または2種を含有し、残部が不可避不純物元素(不可避的不純物)とAlからなり、前記不可避不純物元素のうちSiが0.3質量%以下、Feが0.3質量%以下、Tiが0.02質量%以下、その他の不可避不純物元素が各々0.02質量%以下に規定することで、ピットなどを発生しにくくしている。また、その製造方法は、主として、鋳造機による鋳塊作製後の冷却速度と、最終焼鈍後の冷却速度を規定すること、および、圧下率とパス数の規定と圧下荷重を規定することで、かかる磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造することとしている。
特開平9−235640号公報(請求項1〜6、段落0026〜0037) 特開平10−8177号公報(請求項1〜3、請求項5〜8、段落0019〜0034)
しかしながら、今後の更なる高記録密度化を考えると、さらに高い平滑性を有する磁気ディスク用アルミニウム合金板を得るための磁気ディスク用アルミニウム合金板および磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法が要求されるのは必至であることを鑑みれば、最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物や最大長さが7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物が1個/mm2以下となる磁気ディスク用アルミニウム合金板とその製造方法を具現しなければならない。
従来の磁気ディスク用アルミニウム合金板とその製造方法では、長径(最大長さ)が4μmを超えるMg−Si系金属間化合物および最大長さが7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物が5〜20個/mm2程度で発生することが多い(例えば、特許文献1については、段落0045〜0048、および表1、2を参照のこと、また、例えば、特許文献2については、段落0037〜0048、および表1〜4を参照のこと)。
しかし、従来の磁気ディスク用アルミニウム合金板とその製造方法であっても製造条件を非常に厳格に適用すれば最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物およびAl−Fe系金属間化合物が1個/mm2以下である磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造し得たが、常にその製造条件を適用して、かかる磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造することは極めて困難であった。そのため、最大長さが4μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物および最大長さが7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物が1個/mm2以下である磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造することは、再現性が低いという問題があった。
また、従来の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法では、Mg−Si系金属間化合物を固溶させるため、均質化熱処理において500〜580℃で4時間以上保持した後、Mg−Si系金属間化合物の粗大化が生じないよう500〜520℃の温度で熱間圧延を開始していた。520℃よりも高い温度で熱間圧延を開始すると加工発熱によってスラブの温度が上昇してバーニングが生じるためであり、500℃よりも低い温度で熱間圧延を開始すると、Mg−Si系金属間化合物が粗大化し、アルミニウム合金板の平滑性が失われるためである。
そのため、加工発熱によるバーニングを避けるため、熱間圧延においては一回あたりの圧下率を小さくしてパス数を多くする必要があり、生産性が悪いという問題があった。
また、実際の操業では、熱間圧延などの他の工程のトラブルによって、スラブが長時間均熱炉内に保持されることがある。スラブは、500℃以上の高温で長時間保持されると、その表面に酸化皮膜が厚く成長する。このようにして成長した酸化皮膜は、スラブ中からの水素ガスの放出を妨げてしまい、表面にフクレと呼ばれる表面欠陥が生じる原因となる。また、発生したフクレの箇所は熱間圧延時に剥がれてメクレと呼ばれる表面欠陥が生じる原因となる。これらの表面欠陥は、その後もキズとして残り、最終製品(磁気ディスク用基板)の表面の平滑性を損なう。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、高い平滑性を有する磁気ディスク用アルミニウム合金板を、生産性良くかつ再現性高く製造することができる磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法、磁気ディスク用アルミニウム合金板、および磁気ディスク用アルミニウム合金基板を提供することを目的とする。
Al−Fe系金属間化合物のサイズ(最大長さ)および個数密度は、アルミニウム合金の組成によって決定され、その後の熱処理の影響をほとんど受けないのに対して、Mg−Si系金属間化合物の最大長さ、および個数密度は、均質化熱処理後の熱処理条件によって大きく変化することが知られている。
本発明者は、かかる知見に着目し、鋭意研究した結果、均質化熱処理の冷却について、特に500〜400℃までの温度域を50℃/時間以上の冷却速度で冷却すると、Mg−Si系金属間化合物の粗大化を抑制できることを見出し、また、熱間圧延の開始温度を350〜450℃とすれば加工発熱が発生してもバーニングが生じないことを見出した。また、特に、スラブの面削を適切な工程順序で行うことで前記の課題を解決することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、前記した目的を達成するため請求項1に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法は、Mg:3.0〜6.0質量%、Cr:0.02〜0.35質量%、Fe:0.005〜0.05質量%、Si:0.005〜0.05質量%、Cu:0.01〜0.2質量%、およびZn:0.01〜0.4質量%を含み、かつ、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金のスラブを作製する第1工程と、前記スラブを500〜580℃で4〜20時間保持して、1回目の均質化熱処理を行う第2工程と、前記均質化熱処理したスラブを、200℃以下まで冷却する工程において、少なくとも500〜400℃の温度域を50℃/時間以上の冷却速度で冷却する第3工程と、前記200℃以下まで冷却されたスラブを面削する第4工程と、前記面削されたスラブを再度加熱し、350〜450℃で2時間以上保持して2回目の均質化熱処理を行う第5工程と、前記再度加熱されたスラブを350〜450℃の開始温度で熱間圧延して熱間圧延板を作製する第6工程と、前記熱間圧延板を冷間圧延して磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造する第7工程と、を含んでなる。
本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法においては、前記所定の組成を有するアルミニウム合金を用いて前記のとおり第1工程から第7工程を行って、磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造する。このとき、第2工程の1回目の均質化熱処理を行った後に、第3工程で、スラブを少なくとも500〜400℃の温度域を50℃/時間以上の比較的速い冷却速度で200℃以下まで冷却することによって、Mg2Si(Mg−Si系金属間化合物)の粗大化を抑制することができる。そして、次の第4工程で200℃以下まで冷却したスラブの面削を行うので、第2工程で成長したスラブ表面の酸化皮膜を取り除くことができ、熱間圧延工程での焼き付きと呼ばれるスラブ表面の酸化皮膜の押し込みを抑制することができる。また、スラブ表面にフクレ(結晶粒の粗大化にともなって水素などの気体が集積してできる表面欠陥)が発生した場合にも面削により取り除くことができる。したがって、スラブが長時間均質化熱処理炉内に保持された場合であっても、これに起因する表面欠陥が生じ難くなる。そして、第5工程では、面削したスラブを2回目の均質化熱処理を行う。このときの均質化熱処理温度(350〜450℃)は、通常の均質化熱処理温度(500〜580℃)よりも低い設定としているので、通常の均質化熱処理を行った場合と比較して酸化皮膜の厚さを薄くすることができ、フクレやメクレ(フクレの箇所が熱間圧延によって剥がれて生じる表面欠陥)の発生を抑えることができる。そして、第6工程の熱間圧延を行う際に、その開始温度を350〜450℃としているので、熱間圧延の初期において高圧下率で圧延して加工発熱が発生してもバーニングが発生することがない。
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法によって製造された磁気ディスク用アルミニウム合金板であって、Mg:3.0〜6.0質量%、Cr:0.02〜0.35質量%、Fe:0.005〜0.05質量%、Si:0.005〜0.05質量%、Cu:0.01〜0.2質量%、およびZn:0.01〜0.4質量%を含み、かつ、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、前記磁気ディスク用アルミニウム合金板中に含まれる最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物の個数密度および最大長さが7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物の個数密度がいずれも1個/mm 2 以下である磁気ディスク用アルミニウム合金板とした。
さらに、請求項3に記載の発明は、請求項に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法によって製造された磁気ディスク用アルミニウム合金板を用いた磁気ディスク用アルミニウム合金基板であって、Mg:3.0〜6.0質量%、Cr:0.02〜0.35質量%、Fe:0.005〜0.05質量%、Si:0.005〜0.05質量%、Cu:0.01〜0.2質量%、およびZn:0.01〜0.4質量%を含み、かつ、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、前記磁気ディスク用アルミニウム合金板中に含まれる最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物の個数密度および最大長さが7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物の個数密度がいずれも1個/mm 2 以下であり、かつ円環状に形成されている磁気ディスク用アルミニウム合金基板とした。
このように、本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板と磁気ディスク用アルミニウム合金基板は、本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法によって製造されたアルミニウム合金板を用いているので、高い平滑性を有するものとなる。
本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法によれば、高い加工率で加工することができるので熱間圧延のパス数を少なくすることが可能となり、生産性を良くすることができる。
また、組成や製造条件を適切化したことにより、最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物および最大長さが7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物の個数密度が1個/mm2以下となり、高い平滑性を有する磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造することができる。
また、本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法によれば、スラブが長時間均質化熱処理炉内に保持された場合であっても、これを面削する工程を適切化したので、表面欠陥が生じにくい。
さらに、本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法におけるこのようなスラブや熱間圧延の温度管理は、格別困難な制御をともなわず、また、適切な温度範囲であるので、所望の磁気ディスク用アルミニウム合金板を再現性よく製造することができる。
そして、本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法によって製造された磁気ディスク用アルミニウム合金板、およびこれから作製された磁気ディスク用アルミニウム合金基板は、高い平滑性を具備することができる。
以下、〔1〕本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法(合金組成)、〔2〕本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法(製造工程)、〔3〕磁気ディスク用アルミニウム合金板、およびこれを用いた〔4〕磁気ディスク用アルミニウム合金基板について詳細に説明する。
まず、〔1〕本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法(合金組成)について説明する。
〔1〕磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法(合金組成)
本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法は、Mg:3.0〜6.0質量%、Cr:0.02〜0.35質量%、Fe:0.005〜0.05質量%、Si:0.005〜0.05質量%、Cu:0.01〜0.2質量%、およびZn:0.01〜0.4質量%を含み、かつ、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金を使用している。そして、当該アルミニウム合金を用いて、後記で説明する各加工を行うことにより磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造する。
はじめに、本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法におけるアルミニウム合金の合金成分の意義とその限定理由について説明する。
(Mg:3.0〜6.0質量%)
Mgは、アルミニウム合金板の強度向上に有効な元素であり、通常の磁気ディスク用アルミニウム合金板としては4質量%程度含有されている場合が多い。Mgの含有量が3.0質量%未満では十分な強度が得られず、6.0質量%を超えるとAl−Mg系金属間化合物が生成するのでピットの発生原因になるとともに、熱間圧延工程などにおいて圧延割れが発生して圧延加工が困難になる。したがって、本発明におけるMgの含有量は、3.0〜6.0質量%とする。
(Cr:0.02〜0.35質量%)
Crは、鋳造工程および均質化熱処理工程で微細な化合物として析出し、結晶粒の成長を抑制する効果がある。しかし、Crの含有量が0.02質量%未満では最大長さが100μmを超えるような粗大な結晶粒が生成し易くなる。よって、均質化熱処理工程および熱間粗圧延工程での結晶粒の成長を抑制し、かつ再結晶粒の異常成長を抑えて組織を均質化するためには0.02質量%以上のCrの添加が必要となる。一方、Crの含有量が0.35質量%を超えると、初晶として最大長さが7μmを超えるAl−Cr系金属間化合物が晶出しやすくなる。最大長さが7μmを超えるAl−Cr系金属間化合物は、磁気ディスク用の基板を作製する際に行われる表面の研削加工工程などで脱落しやすく、無電解NiPめっき膜表面のピットの原因となり、めっき膜表面の平滑性が悪化する。したがって、本発明におけるCrの含有量は、0.02〜0.35質量%とする。
(Fe:0.005〜0.05質量%)
Feは、通常、地金の不純物として混入するものであり、鋳造工程などにおいてAl−Fe系金属間化合物を生じさせやすい。このAl−Fe系金属間化合物は、無電解NiPめっき処理のめっき前処理工程で溶解し、めっき膜表面のピットの原因となる。特に、Feの含有量が0.05質量%を超えると、最大長さが7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物が増加し、めっき前処理工程で溶解してピットの原因となるほか、磁気ディスク用の基板としての加工、例えば、サブストレート加工時の切削工程、研磨工程、あるいは研削工程などにおいて脱落し、ピットの原因ともなり、めっき膜表面の平滑性が悪化する。また、Feの含有量が0.005質量%未満であると、地金が高純度となり、コストが高くなる。したがって、本発明におけるFeの含有量は、0.005〜0.05質量%とする。
(Si:0.005〜0.05質量%)
Siは、通常、地金不純物として混入するものであり、鋳造工程や均質化熱処理後の冷却過程などにおいてMg−Si系金属間化合物を生成する。Siの含有量が0.05質量%を超えると、最大長さが4μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物が析出する。このようなMg−Si系金属間化合物は、無電解NiPめっき処理のめっき前処理工程において脱落しやすく、ピットの原因となる。また、無電解NiPめっき処理の前処理工程で溶け残った場合でも、Mg−Si系金属間化合物上では、ジンケート工程においてZn(亜鉛)の置換反応が起こらないため、Mg−Si系金属間化合物上に無電解NiPめっき膜が成長せず、密着性不足となる。そのため、磁性膜作製時のスパッタリング工程などでの加熱によりマイクロブリスターが生じやすく、めっき膜表面の平滑性が悪化する。また、Siの含有量が0.005質量%未満であると、地金が高純度となり、コストが高くなってしまう。したがって、本発明におけるSiの含有量は、0.005〜0.05質量%とする。
(Cu:0.01〜0.2質量%)
Cuは、無電解NiPめっき性を改善するために有効な元素である。Cuは、アルミニウム合金中に均一に固溶し、ジンケート処理時にジンケート浴中のZnイオンが基板表面へ均一に微細析出する効果をもたらす。これによってNiPめっき膜表面のノジュールの発生を抑制することができる。この効果を発揮するためには、Cuを0.01質量%以上含有させることが必要である。しかし、0.2質量%を超えて含有させると結晶粒界にCuが析出するため粒界部が過エッチングを受ける。このため、ノジュールの発生が多くなり、めっき膜表面の平滑性が悪化する。したがって、本発明におけるCuの含有量は、0.01〜0.2質量%とする。
(Zn:0.01〜0.4質量%)
Znも無電解NiPめっき性を改善するために有効な元素である。すなわち、ZnもCuと同様、アルミニウム合金中に均一に固溶し、ジンケート処理時にジンケート浴中のZnイオンを基板表面へ均一に、微細化して析出させる効果をもたらす。また、Znの含有量の増加に伴い、Znがアルミニウム合金中に均一に析出し、無電解NiPめっき処理のめっき前処理時の酸エッチング工程におけるエッチングの起点、および、ジンケート処理時のZnイオンの析出拠点になる。このため、結晶粒による段差(粒間段差)を抑制する効果を有する。このように、無電解NiPめっき性の改善効果を発揮するためには、Znを0.01質量%以上含有させることが必要となる。しかし、Znの含有量が0.4質量%を超えると、Znの析出核が大きくなるのにともない、無電解NiPめっき処理の前処理工程で形成されるエッチングピットも大きくなる。このため、無電解NiPめっき膜表面のピットの発生原因となり、めっき膜表面の平滑性が悪化する。したがって、本発明におけるZnの含有量は、0.01〜0.4質量%とする。
(不可避的不純物)
不可避的不純物である元素(例えばTi,V,B等)はそれぞれ0.01質量%以下であれば本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法によって製造された磁気ディスク用アルミニウム合金板の特性には影響しない。したがって、この程度の不可避的不純物の含有は許容される。
〔2〕磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法(製造工程)
そして、本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法は、前記所定の組成のアルミニウム合金を含んでなるスラブを作製する第1工程(ステップS1;スラブ作製工程)と、前記スラブを500〜580℃で4〜20時間保持して、1回目の均質化熱処理を行う第2工程(ステップS2;1回目の均質化熱処理工程)と、前記均質化熱処理したスラブを、200℃以下まで冷却する工程において、少なくとも500〜400℃の温度域を50℃/時間以上の冷却速度で冷却する第3工程(ステップS3;冷却工程)と、前記200℃以下まで冷却されたスラブを面削する第4工程(ステップS4;面削工程)と、前記面削されたスラブを再度加熱し、350〜450℃で2時間以上保持して2回目の均質化熱処理を行う第5工程(ステップS5;2回目の均質化熱処理工程)と、前記再度加熱されたスラブを350〜450℃の開始温度で熱間圧延して熱間圧延板を作製する第6工程(ステップS6;熱間圧延工程)と、前記熱間圧延板を冷間圧延して磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造する第7工程(ステップS7;冷間圧延工程)とを含んでなる。
以下、主として第1工程(ステップS1)から第7工程(ステップS7)で構成される本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法における各工程の内容および条件について、図1を参照しつつ、順を追って説明する。なお、図1は、本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法を説明するフローチャートである。
(第1工程;ステップS1)
第1工程では、前記で説明した所定の組成を有するアルミニウム合金を溶融して鋳造し、スラブを作製する(スラブ作製工程)。なお、アルミニウム合金を溶解した際に、アルゴン(Ar)などの不活性ガスを溶湯中に吹き込んで脱水素処理を行うのが好ましい。また、5〜30mm/分の鋳造速度でスラブを作製するのが好ましい。
(第2工程;ステップS2)
第2工程では、第1工程で作製したスラブに対して、500〜580℃、4〜20時間の条件で1回目の均質化熱処理を行う(1回目の均質化熱処理工程)。このとき、1回目の均質化熱処理温度が500℃未満であると、Mg2SiなどのMg−Si系金属間化合物が十分に固溶せず、最大長さが4μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物が多くなるなど、スラブの金属組織が均一化しないおそれがある。一方、均質化熱処理温度が580℃を超えると、スラブの表層部でバーニング(再溶融)が生じ、製造された磁気ディスク用アルミニウム合金板の外観が不良となるばかりでなく、ブランクの平坦度が悪くなる。
また、1回目の均質化熱処理の保持時間が4時間未満であると、均質化熱処理を行う時間が短いために、Mg−Si系金属間化合物が十分に固溶せず、スラブの金属組織が十分に均一化しない。一方、20時間を超えて均質化熱処理を行った場合、一部の結晶粒の粗大化がおこり組織が不均一になるとともに、MgOなどからなる酸化皮膜の厚さが厚くなり、酸化皮膜のメクレの原因となるので好ましくない。したがって、本発明における1回目の均質化熱処理は、500〜580℃の温度条件で、4〜20時間保持することで行う。
(第3工程:ステップS3)
そして、本発明においては、第3工程として、1回目の均質化熱処理を行ったスラブの冷却を行う(冷却工程)。この冷却工程では、均質化熱処理後のスラブを冷却するにあたって、少なくとも500〜400℃の温度域を、50℃/時間以上の冷却速度で200℃以下まで冷却する。より望ましくは、100℃/時間以上の冷却速度で冷却する。かかる冷却温度で冷却すると、冷却速度が適度に速いために、Mg−Si系金属間化合物の粗大化を防ぐことができる。すなわち、最大長さが4μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物が析出しない(1個/mm2以下)ため、最終的に高い平滑性を有する磁気ディスク用アルミニウム合金板を再現性良く製造することが可能となる。
一方、冷却速度が50℃/時間未満であると、冷却速度が遅すぎるためにMg−Si系金属間化合物の析出と成長がすすみやすい。そのため、最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物が多数析出する。冷却速度は速いほどMg2Siは析出しにくいため、本発明においては、均質化熱処理後の冷却速度は、50℃/時間以上、好ましくは、100℃/時間以上の冷却速度で冷却する。
(第4工程;ステップS4)
そして、第4工程では、200℃以下まで冷却したスラブの表面の面削を行う(面削工程)。これは、鋳造・均質化熱処理したスラブの表面には、添加した各種金属の分布が不均一な領域(偏析)や酸化皮膜が存在するので、この部分を取り除いて、後工程で圧延した際に均一な金属組織を有するアルミニウム合金板とするためである。200℃以下まで冷却する理由は、面削作業の危険性を避けるとともに面削面への切り屑の溶着を避けるためである。なお、面削量は、偏析の程度を勘案して適宜変更することができる。
(第5工程;ステップS5)
次に、第5工程では、面削を行ったスラブに対して2回目の均質化熱処理を行う(2回目の均質化熱処理工程)。2回目の均質化熱処理は、200℃以下のスラブを再度加熱して350〜450℃、2時間以上保持することにより行う。このように、2回目の均質化熱処理を行うと、次工程の熱間圧延を行う際にスラブの温度管理が適切となるので、スラブが割れることや、バーニングが発生することを防ぐことができる。また、このように2回目の均質化熱処理温度(350〜450℃)を通常の均質化熱処理温度(500〜580℃)よりも低く設定しているので、通常の均質化熱処理を行った場合と比較して酸化皮膜の厚さを薄くすることができる。その結果、フクレやメクレの発生を抑えることが可能となる。
なお、2回目の均質化熱処理温度が350℃未満であると、次工程の熱間圧延の項目でも説明するが、スラブの硬度が硬いために、圧延中に板端部に割れが生じてしまう。また、2回目の均質化熱処理温度が450℃を超えると、最大長さが4μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物が析出・成長しやすく、好ましくない。さらに、均質化熱処理温度が530℃を超えると、Mg−Si系金属間化合物は析出しないが、熱間圧延工程で加工発熱によりスラブの表面にバーニングが発生するおそれもある。
また、2回目の均質化熱処理の保持時間が2時間未満であると、均質化熱処理を行う時間が短すぎるために、スラブの温度を均一にすることができない。したがって、本発明における2回目の均質化熱処理は、350〜450℃の温度条件で、2時間以上保持することで行う。
(第6工程;ステップS6)
第6工程では、2回目の均質化熱処理を行ったスラブを熱間圧延して熱間圧延板を作製する(熱間圧延工程)。本発明の熱間圧延においては、圧延の開始温度を350〜450℃とする。熱間圧延の開始温度が350〜450℃であれば、圧延による加工発熱が生じてもバーニングが発生することがない。その結果、熱間圧延における圧下率を大きくとることができる。したがって、従来は、熱間圧延の初期段階では5%以下に圧下率を設定する必要があったが、本発明においては、熱間圧延の初期段階から圧下率を大きく(10%程度)設定することが可能となった。また、1回あたりの熱間圧延の圧下率を大きく設定することができるので、パス数を少なくすることも可能となり、生産性を向上することができる。
開始温度が350℃未満では、スラブの硬度が硬く、圧延中に熱間圧延板の板端部に割れが生じてしまい、磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造することができない。一方、開始温度が450℃を超えると、最大長さが4μm以上の粗大なMg−Si系金属間化合物が多数析出する。さらに、開始温度が高く(特に530℃以上)、かつ、熱間圧延の圧下率が大きくなると、加工発熱によってバーニングの発生が顕著になる。したがって、本発明における熱間圧延の開始温度は、350〜450℃とする。
(第7工程;ステップS7)
第7工程では、熱間圧延板を冷間圧延して磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造する。なお、このとき、冷間圧延率30〜75%で複数回の冷間圧延を行い、板厚0.8〜2.0mmのアルミニウム合金板を製造するのが好ましい。
以上に説明したように、本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法によって製造された磁気ディスク用アルミニウム合金板は、所定の組成を有し、かつ適切な条件で均質化熱処理と熱間圧延を行うので、最大長さが4μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物や最大長さが7μmを超える粗大なAl−Fe系金属間化合物が析出せず(1個/mm2以下)、高い平滑性を有する磁気ディスク用アルミニウム合金板を再現性良く製造することができる。また、特に、本発明では、1回目の均質化熱処理の後にスラブの面削を行い、さらに、比較的低温の2回目の均質化熱処理を行うので、酸化皮膜の厚さを薄くすること、およびフクレやメクレといった表面欠陥の発生を防止することが可能となる。
そして、本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板を用いて所定の形状に打ち抜き、所定の温度で加圧焼鈍して作製された磁気ディスク用アルミニウム合金基板は、最大長さが4μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物や最大長さが7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物が存在していないため、無電解NiPめっき処理やめっき前処理を行ってもピットやマイクロブリスターが発生しない。
〔3〕磁気ディスク用アルミニウム合金板
そして、前記で説明した本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法によって製造された磁気ディスク用アルミニウム合金板は、最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物および最大長さが7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物の個数密度が1個/mm2以下であり、高い平滑性を有しているので、磁気ディスク用基板として好適に用いることができる。
〔4〕磁気ディスク用アルミニウム合金基板
最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物および最大長さが7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物の個数密度が1個/mm2以下であり、高い平滑性を有している、本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板を用いた磁気ディスク用アルミニウム合金基板は、以下のようにして作製することができる。
まず、本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法で、所定の板厚(例えば、1mm)のアルミニウム合金板を製造した後、必要に応じて調質し、これをプレスにより所定の円環状基板に打ち抜く。次に、円環状基板内の加工残留応力除去および平坦度の向上のために、打ち抜かれた複数枚の円環状基板を高平坦度のスペーサ間に積み付けし、全体を加圧しながら焼鈍する(一般に、この加圧焼鈍したものをブランクという)。その後、ブランクの内周縁および外周縁の端面に対し、所定の端面加工を施す。
そして、端面加工が施されたブランクを、両面研削機に予めセットされたキャリアのポケット内にセットし、砥石により目標の板厚になるまで研削加工することで、高い平滑性を具備した磁気ディスク用アルミニウム合金基板を作製することができる。
なお、本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板の表面に無電解NiPめっき膜を形成し、その表面を研磨することによって、磁気ディスク用基板を作製することができ、さらに、この磁気ディスク用基板上に、磁気特性を高めるための下地膜、Co基合金からなる磁性膜、および磁性膜を保護するためのC(カーボン)からなる保護膜をスパッタリングにより形成することで磁気ディスクを作製することができる。
次に、本発明の必要条件を満たす実施例と、本発明の必要条件を満たさない比較例とを比較して具体的に説明する。
はじめに、本発明の実施例および比較例として、表1に示す組成のアルミニウム合金を溶解した後、不活性ガスの吹き込みにより脱水素処理を行い、板厚50mmのスラブを鋳造した。次に、表1に示す条件(均質化熱処理の温度および保持時間、並びに、1回目の均質化熱処理終了後の冷却速度)で1回目の均質化熱処理を行った後、200℃以下まで冷却し、面削を行った(比較例6を除く)。その後、同じく表1に示す条件で2回目の均質化熱処理を行った。このように均質化熱処理したスラブを、熱間圧延の開始初期の圧下率および開始温度(表1参照)をもって熱間圧延を行い、板厚が3mmである熱間圧延板を作製した。そして、この熱間圧延板を冷間圧延し、最終板厚が1.0mmである磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造した。
製造した磁気ディスク用アルミニウム合金板を3.5インチサイズの円環状に打ち抜いた後、340℃で3時間加圧焼鈍し、3.5インチタイプのブランクを作製した。その後、砥石による研削加工によりブランクの表面を片面10μm研削して鏡面加工することで磁気ディスク用アルミニウム合金基板(GRサブストレート)を作製した。
次いで、このようにして作製したGRサブストレートを、めっき前処理液(上村工業製AD−68F)に浸漬し、70℃、5分間の脱脂を行った。その後、めっき前処理液(上村工業製AD−101F)で68℃、2分間の酸エッチングを行い、30%硝酸でデスマットを行った。デスマットを行ったGRサブストレートに、ジンケート処理液(上村工業製AD−301F−3X)を用いて20℃、30秒間のジンケート処理を行い、一旦、30%硝酸でZnを溶解させた後に、再度、20℃、15秒間のジンケート処理を行った。その後、ジンケート処理を行ったGRサブストレートを、無電解NiPめっき液(上村工業製HDX−7G)に浸漬し、90℃、2時間の無電解NiPめっき処理を行い、片面10μm程度の無電解NiPめっき膜を形成してめっきサブストレートとした。そして、無電解NiPめっき膜を形成しためっきサブストレートの表面を研磨することで、磁性膜のスパッタリングを行う前の状態のサブストレート(磁気ディスク用基板)とした。なお、表1中の下線は、本発明の必要条件を満たさないことを示す。
Figure 0004477999
前記のようにして得られた各実施例および各比較例にかかる熱間圧延板、磁気ディスク用アルミニウム合金板、ブランク、GRサブストレート、および、磁性体のスパッタリングを行う前の状態のめっきサブストレート(磁気ディスク用基板)を対象として以下の評価を行った。
〔a.熱間圧延後の板表面の状態〕
熱間圧延後の熱間圧延板の表面を観察し、バーニングの痕跡、フクレ、およびメクレによる表面欠陥の有無を確認した。評価としては、表面の100mm×100mmの範囲でこれらの表面欠陥が1個以下のものを良(「○」)、2個以上あるものを不良(「×」)と評価した。
なお、ここでいうフクレとは、熱間圧延板の表面近傍の粒界に、水素などの気体が集積してできる表面欠陥をいい、また、ここでいうメクレとは、アルミニウム合金板の表面の一部が熱間圧延によって剥がれて生じる表面欠陥をいう。
〔b.熱間圧延中の板端部の割れ〕
熱間圧延中の熱間圧延板の端部に割れが発生するかどうかを確認し、割れが発生していないものを良(「○」)、割れが生じたものを不良(「×」)と評価した。
〔c.金属間化合物の観察〕
表1に示す組成を有する各磁気ディスク用アルミニウム合金板について、以下の方法でMg−Si系金属間化合物の単位面積当たりの個数を測定した。
まず、表面をダイヤモンドバイトで切削して鏡面とし、この切削面を走査型電子顕微鏡(SEM)のCOMPO像で1000倍の倍率で20視野観察した。観察の結果、マトリックスより白く写る部分をAl−Fe系金属間化合物およびAl−Cr系金属間化合物、黒く写る部分をMg−Si系金属間化合物としてカウントを行った。表2に、最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物の単位面積当たりの数(個/mm2)を示す。最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物が1個/mm2以下のものを良(「○」)、1個/mm2よりも多く存在するものを不良(「×」)と評価した。
〔d.無電解NiPめっき膜表面平滑性〕
研削後のGRサブストレートについて、無電解NiPめっき前処理(ジンケート処理)および無電解NiPめっき処理を行い表面研磨することでめっきサブストレート(磁気ディスク用基板)を作製した。その後、めっきサブストレートの表面におけるフクレやピットの発生状況をSEMにより観察した(表2では「めっき面の平滑性」として示している)。その際、研磨前の無電解NiPめっき膜表面に最大長さ4μm以上のピット、あるいはめっき膜表面を研磨し、300℃で1時間加熱した後の無電解NiPめっき膜表面に最大長さ4μm以上のフクレが生じなかったものを良(「○」)、生じたものを不良(「×」)と評価した。
〔e.ブランクの平坦度(μm)〕
NIDEK社製FT−3にてブランクの平坦度を測定した。
前記a〜eの各評価を行った結果を表2に示す。
Figure 0004477999
表2に示すように、実施例1〜3は、本発明で規定する必要条件を満たしているので、熱間圧延後の板表面の状態、熱間圧延中の板端部の割れ、Mg−Si系金属間化合物の単位面積当たりの数、無電解NiPめっき膜表面平滑性、ブランクの平坦度のいずれの評価項目も良好であった。
比較例1は、1回目の均質化熱処理の保持時間が本発明の必要条件より短かったので、Mg2SiなどのMg−Si系金属間化合物の固溶が不充分となった。その結果、最大長さが4μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物が残存したため、マイクロブリスターが発生し、めっき面の平滑性が劣ることとなった。
比較例2は、1回目の均質化熱処理後の冷却速度が本発明の必要条件より遅く、2回目の均質化熱処理の温度が高いため、最大長さが4μmを超える粗大なMg−Si系金属間化合物が析出した。その結果、マイクロブリスターが発生し、めっき面の平滑性が劣ることとなった。
比較例3は、2回目の均質化熱処理温度が本発明の必要条件より高く、また、熱間圧延開始温度も高いため、圧下率が高い(10%)熱間圧延を行うとバーニングが生じた。バーニングによって生じた熱間圧延板の表面のキズは、GRサブストレートの表面の研削加工後も残存し、めっき面の平滑性が劣ることとなった。
比較例4は、2回目の均質化熱処理温度が本発明の必要条件より高いため、均質化熱処理中に最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物が析出した。その結果、マイクロブリスターが発生し、めっき面の平滑性が劣ることとなった。
比較例5は、2回目の均質化熱処理温度が本発明の必要条件より低かったため、熱間圧延中の板端部に割れが生じた。したがって、その後の評価を行うことができなかった。
比較例6は、1回目と2回目の均質化熱処理の間に面削を行わなかったため、表面の酸化皮膜の厚さが厚くなった。また、熱間圧延の開始温度も高かったため、高圧下率(10%)の圧延を行ったところ、バーニングが発生した。その結果、熱間圧延で板表面の酸化皮膜がはがれてメクレが多数発生したほか、バーニングによって生じた熱間圧延板の表面のキズは、GRサブストレートの表面の研削加工後もキズが残存することとなり、めっき面の平滑性が劣ることとなった。
比較例7は、Siの含有量が本発明の必要条件を超えたため、最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物が析出した。その結果、マイクロブリスターが発生し、めっき面の平滑性が劣ることとなった。
比較例8は、Feの含有量が本発明の必要条件を超えたため、最大長さが7μmを超える粗大なAl−Fe系金属間化合物が析出した(表2中の注1)。その結果、ピットが発生し、めっき面の平滑性が劣ることとなった。
比較例9は、Crの含有量が本発明の必要条件を超えたため、最大長さが7μmを超える粗大なAl−Cr系金属間化合物が晶出した(表2中の注2)。その結果、ピットが発生し、めっき面の平滑性が劣ることとなった。
比較例10は、Mgの含有量が本発明の必要条件を超えたため、熱間圧延中の板端部に割れが生じた。したがって、その後の評価を行うことができなかった。
比較例11は、Mgの含有量が本発明の必要条件を満たさないため、強度が不足し、平坦度矯正のための加圧焼鈍後の剥離工程でブランクの平坦度が悪化した。
比較例12は、Cuの含有量が本発明の必要条件を超えたため、無電解NiPめっき膜表面にノジュールが発生し、めっき膜表面の平滑性が劣ることとなった。
比較例13は、Znの含有量が本発明の必要条件を超えたため、無電解NiPめっき膜表面にピットが発生し、めっき膜表面の平滑性が劣ることとなった。
比較例14は、CuおよびZnの含有量が本発明の必要条件を満たさないため、無電解NiPめっき膜表面にノジュールや粒間段差が発生し、めっき膜表面の平滑性が劣ることとなった。
本発明の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法を説明するフローチャートである。

Claims (3)

  1. Mg:3.0〜6.0質量%、Cr:0.02〜0.35質量%、Fe:0.005〜0.05質量%、Si:0.005〜0.05質量%、Cu:0.01〜0.2質量%、およびZn:0.01〜0.4質量%を含み、かつ、残部がAlおよび不可避的不純物からなるアルミニウム合金のスラブを作製する第1工程と、
    前記スラブを500〜580℃で4〜20時間保持して、1回目の均質化熱処理を行う第2工程と、
    前記均質化熱処理したスラブを、200℃以下まで冷却する工程において、少なくとも500〜400℃の温度域を50℃/時間以上の冷却速度で冷却する第3工程と、
    前記200℃以下まで冷却されたスラブを面削する第4工程と、
    前記面削されたスラブを再度加熱し、350〜450℃で2時間以上保持して2回目の均質化熱処理を行う第5工程と、
    前記再度加熱されたスラブを350〜450℃の開始温度で熱間圧延して熱間圧延板を作製する第6工程と、
    前記熱間圧延板を冷間圧延して磁気ディスク用アルミニウム合金板を製造する第7工程と、
    を含んでなることを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法。
  2. 請求項1に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法によって製造された磁気ディスク用アルミニウム合金板であって、
    Mg:3.0〜6.0質量%、Cr:0.02〜0.35質量%、Fe:0.005〜0.05質量%、Si:0.005〜0.05質量%、Cu:0.01〜0.2質量%、およびZn:0.01〜0.4質量%を含み、かつ、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、
    前記磁気ディスク用アルミニウム合金板中に含まれる最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物の個数密度および最大長さが7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物の個数密度がいずれも1個/mm 2 以下である
    ことを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金板。
  3. 請求項に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金板の製造方法によって製造された磁気ディスク用アルミニウム合金板を用いた磁気ディスク用アルミニウム合金基板であって、
    Mg:3.0〜6.0質量%、Cr:0.02〜0.35質量%、Fe:0.005〜0.05質量%、Si:0.005〜0.05質量%、Cu:0.01〜0.2質量%、およびZn:0.01〜0.4質量%を含み、かつ、残部がAlおよび不可避的不純物からなり、
    前記磁気ディスク用アルミニウム合金板中に含まれる最大長さが4μmを超えるMg−Si系金属間化合物の個数密度および最大長さが7μmを超えるAl−Fe系金属間化合物の個数密度がいずれも1個/mm 2 以下であり、かつ
    円環状に形成されている
    ことを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金基板。
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