JPWO2016190277A1 - 磁気ディスク用アルミニウム合金基板及びその製造方法、ならびに、当該磁気ディスク用アルミニウム合金基板を用いた磁気ディスク - Google Patents

磁気ディスク用アルミニウム合金基板及びその製造方法、ならびに、当該磁気ディスク用アルミニウム合金基板を用いた磁気ディスク Download PDF

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Abstract

本発明は、めっき表面の平滑性に優れた磁気ディスク用アルミニウム合金基板及びその製造方法、ならびに、当該磁気ディスク用アルミニウム合金基板を用いた磁気ディスクを提供するものである。本発明は、Mg:2.0〜8.0mass%(以下、%)、Be:0.00001〜0.00200%、Cu:0.003〜0.150%、Zn:0.05〜0.60%、Cr:0.010〜0.300%、Si:0.060%以下、Fe:0.060%以下を含有し、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなることを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金基板及びその製造方法、ならびに、当該磁気ディスク用アルミニウム合金基板を用いた磁気ディスクである。

Description

本発明は、めっき表面の平滑性に優れた磁気ディスク用アルミニウム合金基板及びその製造方法、ならびに、当該磁気ディスク用アルミニウム合金基板を用いた磁気ディスクに関する。
コンピュータの記憶装置に用いられるアルミニウム合金製磁気ディスクは、良好なめっき性を有するとともに機械的特性や加工性が優れたJIS5086(3.5質量%以上4.5質量%以下のMg、0.50質量%以下のFe、0.40質量%以下のSi、0.20質量%以上0.70質量%以下のMn、0.05質量%以上0.25質量%以下のCr、0.10質量%以下のCu、0.15質量%以下のTi、0.25質量%以下のZn、残部Al及び不可避的不純物)のアルミニウム合金基板から製造されている。更に、アルミニウム合金製磁気ディスクは、めっき前処理工程における金属間化合物の抜け落ちによるピット不具合の改善を目的にJIS5086中の不純物であるFe、Si等の含有量を制限しマトリックス中の金属間化合物を小さくしたアルミニウム合金基板、或いは、めっき性改善を目的にJIS5086中のCuやZnを意識的に添加したアルミニウム合金基板等から製造されている。
一般的なアルミニウム合金製磁気ディスクは、まず、アルミニウム合金板を作製した後、円環状アルミニウム合金基板(ディスクブランク)を作製し、切削加工、研削加工を行った後に焼鈍を施しアルミニウム合金基板とする。次いで、このアルミニウム合金基板にめっきを施し、更にアルミニウム合金基板の表面に磁性体を付着させることにより製造されている。
例えば、前記JIS5086合金を用いたアルミニウム合金製磁気ディスクは、以下の製造工程により製造される。まず、所望の化学成分としたアルミニウム合金を鋳造し、その鋳塊を熱間圧延し、次いで冷間圧延を施し、磁気ディスクとして必要な厚さを有する圧延材を作製する。この圧延材には、必要に応じて冷間圧延の途中等に焼鈍が施される。次に、この圧延材を円環状に打抜き、前記製造工程により生じた歪み等を除去するため、円環状のアルミニウム合金板を積層し、両面から加圧しつつ焼鈍を施して平坦化する加圧焼鈍を行うことにより、ディスクブランクが作製される。
このようにして作製されたディスクブランクに、前処理として切削加工、研削加工を施した後、加工工程により生じた歪み等を除去するために、ディスクブランクを加熱することによりアルミニウム合金基板が作製される。次に、めっき前処理として脱脂、エッチング、ジンケート処理(Zn置換処理)を施し、更に下地処理として硬質非磁性金属であるNi−P無電解めっきを施す。最後に、Ni−P無電解めっき表面にポリッシングを施した後、磁性体をスパッタリングしてアルミニウム合金製磁気ディスクが製造される。
ところで、近年になって、磁気ディスクには、マルチメディア等のニーズから大容量化及び高密度化が求められている。更なる磁気ディスクの記録密度の向上には、磁気ディスクに対する磁気ヘッドの浮上量をより少なくし、かつ、両者の距離間をより安定させる必要がある。そのためには、磁気ディスク用アルミニウム合金基板のNi−Pめっき表面に高い平滑性が要求される。
また、磁気ディスクの高密度化により、1ビット当たりの磁気領域が益々微小化されるため、磁気ディスクのめっき表面に微細なピット(孔)があっても、データ読み取り時にエラーを起こす原因となる。このため磁気ディスクのめっき表面にはピットが少ない高い平滑性が求められる。
このような実情から、近年ではめっき表面の優れた平滑性を備える磁気ディスク用アルミニウム合金基板が強く望まれており、その実現が検討されている。例えば、特許文献1には、アルミニウム合金組成の範囲を限定し、平滑性を損なう原因となるAl−Fe系、Mg−Si系の金属間化合物のサイズを最適に制御した磁気ディスク用アルミニウム合金基板が提案されている。また、特許文献2には、焼鈍条件を規定してAl−Mg−Zn系金属間化合物の個数を制御することにより、Ni−Pめっき表面の平滑性を向上させる方法が提案されている。
特開2002−275568号公報 特開2004−143559号公報
しかしながら、特許文献1及び2に示す金属間化合物(Al−Fe系、Mg−Si系、Al−Mg−Zn系)のサイズや個数を限定するだけでは、Ni−Pめっき表面に発生する最長径1μm以上のサイズを有するピット(以下、「従来ピット」と記す。なお、ジンケート皮膜やめっきの密着性不良で発生するピットも従来ピットと記す。)の発生を防ぐことはできるが、最長径0.5μm以上1μm未満のサイズを有する微細なピット(以下、「微細ピット」と記す)の発生を防ぐことはできず、目標とするNi−Pめっき表面の高平滑性は得られていないのが現状であった。
本発明は、上記実情に鑑みてなされたものであり、めっき表面の平滑性に優れた磁気ディスク用アルミニウム合金基板を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は請求項1において、Mg:2.0〜8.0mass%、Be:0.00001〜0.00200mass%、Cu:0.003〜0.150mass%、Zn:0.05〜0.60mass%、Cr:0.010〜0.300mass%を含有し、Si:0.060mass%以下及びFe:0.060mass%以下に規制し、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなることを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金基板とした。
上記発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板として請求項2では、請求項1に記載の磁気ディスク基板用アルミニウム合金板において、Be:0.00001〜0.00025mass%を含有することを特徴とする磁気ディスク基板用アルミニウム合金基板とした。
上記発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板として請求項3では、請求項1又は2に記載の磁気ディスク基板用アルミニウム合金板において、グロー放電質量分析法(GDMS)によって測定したアルミニウム合金中のClの含有量が0.00300mass%以下に規制されることを特徴とする磁気ディスク基板用アルミニウム合金基板とした。
上記発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板として請求項4では、請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気ディスク基板用アルミニウム合金板において、めっき前処理を施す前において、グロー放電発光分析装置(GDS)による表面深さ方向におけるBeの最大発光強度を(IBe)とし、アルミニウム合金の母材内部におけるBeの平均発光強度を(Ibulk)とし、上記Be含有量を(CBe)として、(IBe/Ibulk)×(CBe)≦0.1000であることを特徴とする磁気ディスク基板用アルミニウム合金基板とした。
上記発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法として請求項5では、請求項4に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法において、前記アルミニウム合金を鋳造する鋳造工程と、鋳塊を熱間圧延する熱間圧延工程と、熱間圧延板を冷間圧延する冷間圧延工程と、冷間圧延板を円環状ディスクに加工する加工工程と、円環状ディスクを加圧平坦化してディスクブランクとする加圧平坦化焼鈍工程と、ディスクブランクの切削・研削工程と、切削・研削したディスクブランクを加熱処理する加熱処理工程とを含み、当該加熱処理工程が、150℃から200〜400℃の範囲にある保持温度まで20.0℃/分以上の昇温速度でディスクブランクを加熱する加熱昇温段階と、前記保温温度において5〜15分間ディスクブランクを加熱保持する加熱保持段階と、前記保持温度から150℃まで20.0℃/分以上の降温速度でディスクブランクを冷却する冷却段階とを含むことを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法とした。
上記発明に係る磁気ディスクとして請求項6では、請求項1〜4のいずれか一項に記載される磁気ディスク用アルミニウム合金基板に、めっきと磁性体が設けられていることを特徴とする磁気ディスクとした。
本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板及びその製造方法、ならびに、磁気ディスクは、めっき表面の平滑性に優れるという格別の効果を奏するものである。
本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板、下地処理した磁気ディスク用アルミニウム合金基板、ならびに、磁気ディスクの製造工程を示すフロー図である。 本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板の表面の深さ方向におけるGDS分析の一例を示すグラフである。
本発明者らは、下地処理した磁気ディスク用アルミニウム合金基板のめっき表面の平滑性に着目し、これら特性と磁気ディスク用アルミニウム合金基板の成分及び組織との関係について鋭意調査研究した。その結果、本発明者らは、磁気ディスク用アルミニウム合金基板の表層におけるAl/Mg/Be酸化物とCl系化合物が、微細ピットによるめっき表面の平滑性に大きな影響を与えることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至ったものである。
以下に、本発明の実施形態に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板について詳細に説明する。まず、本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板について説明する。この発明は、アルミニウム合金組成、ならびに、GDSによるアルミニウム合金板の表面深さ方向におけるBeの最大発光強度(IBe)と、母材内部におけるBeの平均発光強度(Ibulk)と、Be含有量(CBe)とで規定される(IBe/Ibulk)×(CBe)、ならびに、グロー放電質量分析法(GDMS)によって測定したアルミニウム合金中のClの含有量によって規定される。
1.アルミニウム合金組成
まず、磁気ディスク用アルミニウム合金基板を構成するアルミニウム合金組成について説明する。
マグネシウム:
Mgは、主としてアルミニウム合金基板の強度を向上させる効果を有する。また、Mgは、ジンケート処理時のジンケート皮膜を均一に、薄く、かつ、緻密に付着させる作用を奏するので、ジンケート処理工程の次工程である下地めっき処理工程において、Ni−Pからなるめっき表面の平滑性が向上する。Mgの含有量は、2.0〜8.0mass%(以下、単に「%」と記す)である。Mgの含有量が2.0%未満では強度が不十分であり、8.0%を超えると粗大なMg−Si系化合物が生成し、エッチング時、ジンケート処理時、切削や研削加工時に粗大なMg−Si系化合物が脱落して、めっき表面に従来ピットが発生する。その結果、めっき表面の平滑性が低下する。好ましいMg含有量は、強度と製造の容易さの兼合いから3.0〜6.0%である。
ベリリウム:
Beは鋳造時に、Mgの溶湯酸化を抑制する効果と材料自体の耐食性を向上させる効果を有する。しかしながら、Beの添加量が多いと、切削加工・研削加工の後の歪取り加熱処理においてBeが表層に濃化し、Beを含有するAl/Mg/Be酸化物が形成される。そして、これにめっき処理を行うと、めっき表面に従来ピットよりもサイズが小さい微細ピットが生じ易くなることが判明した。これは、Beを含有するAl/Mg/Be酸化物がBeを含有しないAl/Mg酸化物に比べて耐食性が高いことに関係していると考えられる。すなわち、Al/Mg/Be酸化物はその高耐食性によって、エッチングなどのめっき前処理によっては除去され難いためと考えられる。
このような表層に形成されるAl/Mg/Be酸化物の厚さは必ずしも均一ではなく、表層において、厚い(Beの表面濃化が多い)部分と薄い(Beの表面濃化が少ない)部分が形成されることで厚さに差が生じる。Beの表面濃化が多い部分においては、エッチング処理などのめっき前処理でAl/Mg/Be酸化物の厚さが増すことで、Al/Mg/Be酸化物が完全に除去されず一部残存することになる。その結果、めっき処理中にAl/Mg/Be酸化物上でカソード反応が起こり、Al/Mg/Be酸化物の周囲ではアノード反応(Alマトリックスの溶解)が起こると考えられる。更に、このAl/Mg/Be酸化物が一部残存した部分ではめっき処理中にAlマトリックスの溶解が続き、Al/Mg/Be酸化物を中心とした微細な凹部が形成される。この凹部においては、Alマトリックスの溶解が続くことによりめっきが付着し難く、その結果、めっき表面に微細ピットが発生すると考えられる。従来において問題になっていた従来ピットは、Al−Fe系化合物等がめっき前処理中に溶解しAlマトリックスに巨大な凹部が形成され、めっき処理でこの巨大な凹部が埋まりきらずにピットとなっていた。しかしながら、Al/Mg/Be酸化物に起因する微細ピットは、Alマトリックスに形成される凹部は微細で小さいが、Alマトリックスの溶解が続くことで微細ピットが形成されるのが特徴である。
このように、Be量が少ないとAl/Mg/Be酸化物が薄くなるため、めっき前処理においてAl/Mg/Be酸化物が除去される。一方、Be量が多いとAl/Mg/Be酸化物が厚くなるため、めっき前処理においてAl/Mg/Be酸化物が完全に除去されずに残存する。その結果、微細ピットが発生し、Al/Mg/Be酸化物の厚さの差が大きい部分が多ければ多いほど微細ピットが生じ易くなると考えられる。Beの含有量は0.00001〜0.00200%とする。Be含有量が0.00001%未満では、材料自体の耐食性が低下するため、ジンケート処理により生成するジンケート皮膜が不均一となり、めっき処理後に従来ピットが発生し平滑性が低下する。一方、Be含有量が0.00200%を超えると、歪取り加熱処理時に厚いAl/Mg/Be酸化物が形成されるため、めっき処理時に微細ピットが発生してめっき表面の平滑性が低下する。好ましいBe含有量は、0.00001〜0.00025%である。
銅:
Cuはジンケート処理時のAl溶解量を減少させ、またジンケート皮膜を均一に、薄く、緻密に付着させる効果を有する。その結果、次工程の下地めっき処理で形成されるNi−Pからなるめっき表面の平滑性を向上させる。Cuの含有量は、0.003〜0.150%とする。Cu含有量が0.003%未満では上記効果が十分に得られない。一方、Cu含有量が0.150%を超えると粗大なAl−Cu−Mg−Zn系金属間化合物が生成して、めっき処理後に従来ピットが発生し平滑性が低下する。更に、材料自体の耐食性を低下させるため、ジンケート処理により生成するジンケート皮膜が不均一となり、めっきの密着性や平滑性が低下する。好ましいCu含有量は、0.005〜0.100%である。
亜鉛:
ZnはCuと同様にジンケート処理時のAl溶解量を減少させ、またジンケート皮膜を均一に、薄く、緻密に付着させ、次工程の下地めっき処理で形成されるNi−Pからなるめっき表面の平滑性を向上させる効果を有する。Znの含有量は、0.05〜0.60%とする。Zn含有量が、0.05%未満では上記効果が十分に得られない。一方、Zn含有量が0.60%を超えると、粗大なAl−Cu−Mg−Zn系金属間化合物が生成して、めっき処理後における従来ピットが発生し平滑性が低下する。さらに、材料自体の加工性や耐食性を低下させる。好ましいZn含有量は、0.05〜0.50%である。
クロム:
Crは鋳造時に微細な金属間化合物を生成するが、一部はマトリックスに固溶して強度向上に寄与する。また切削性と研削性を高め、更に再結晶組織を微細にして、めっき層の密着性を向上させる効果を有する。Crの含有量は、0.010〜0.300%とする。Cr含有量が0.010%未満では、上記効果が十分に得られない。一方、Cr含有量が0.300%を超えると、鋳造時において過剰分が晶出すると同時に粗大なAl−Cr系金属間化合物が生成し、エッチング時、ジンケート処理時、切削や研削の加工時に粗大なAl−Cr系金属間化合物が脱落して、めっき表面に大きな従来ピットが発生しめっき表面の平滑性が低下する。好ましいCr含有量は、0.010〜0.200%である。
シリコン:
Siは本発明の必須元素であるMgと結合し、めっき層において欠陥となる金属間化合物を生成するため、アルミニウム合金中にSiが含有されることは好ましくない。Siの含有量が0.060%を超えると、粗大なMg−Si系金属間化合物が生成して従来ピットなどの発生原因になる。従って、Si含有量を0.060%以下に規制する。Si含有量は、0.025%未満に規制するのが好ましく、0%が最も好ましいい。
鉄:
Feはアルミニウム中には殆ど固溶せず、Al−Fe系金属間化合物としてアルミニウム地金中に存在する。このアルミニウム中に存在するFeは本発明の必須元素であるAlと結合し、めっき層において欠陥となる金属間化合物を生成するため、アルミニウム合金中にFeが含有されることは好ましくない。Feの含有量が0.060%を超えると、粗大なAl−Fe系金属間化合物が生成して従来ピットなどの発生原因になる。従って、Fe含有量を0.060%以下に規制する。Fe含有量は、0.025%未満に規制するのが好ましく、0%が最も好ましい。
その他の元素:
また、本発明に係るアルミニウム合金の残部は、アルミニウムと不可避的不純物とからなる。ここで、不可避的不純物(例えばMn等)は、各々が0.03%以下で、かつ、合計で0.15%以下であれば、本発明で得られるアルミニウム合金基板としての特性を損なうことはない。
2.磁気ディスク用アルミニウム合金中のClの含有量
塩素:
Clの含有量が多いと本発明の必須元素であるMgと結合し、一部はMg−Cl系化合物として存在し、めっき処理を行うとめっき表面に微細ピットが生じ易くなることが判明した。これはCl系化合物がめっき処理中に溶解し、溶け出したClがAlマトリックスの溶解性を高めていることと関係していると考えられる。即ち、Cl系化合物はめっき処理液に対して溶解性が高いため、めっき処理中にCl系化合物がめっき処理液中に溶解し、Alマトリックスに凹部が形成される。この凹部が大きい場合は、Clイオンはめっき処理液中に拡散してAlマトリックスの溶解は停止する。一方、凹部が微細な場合は、Clイオンが微細な凹部の中に留まりAlマトリックスの溶解が起こり続けるものと考えられる。この微細な凹部においては、Alマトリックスの溶解が続くことによりめっきが付着し難く、その結果、めっき表面に微細ピットが発生すると考えられる。従来において問題であったピットは、Al−Fe系化合物等がめっき前処理中に溶解しAlマトリックスに巨大な凹部が形成され、めっき処理によってこの巨大な凹部が埋まりきらずにピットとなっていた。しかしながら、Mg−Cl系化合物に起因する微細ピットは、Alマトリックスに形成される凹部は微細で小さいものの、Alマトリックスの溶解が続くことで微細ピットが形成されるのが特徴である。
このように、Cl含有量が少ないとMg−Cl系化合物として存在しないため、めっき処理で凹部が発生することはない。しかしながら、Cl含有量が多いとMg−Cl系化合物が生成され、微細ピットが生じ易くなると考えられる。Clの含有量は、0.00300%以下に規制することが好ましい。Clの含有量が0.00300%を超えると、Mg−Cl系化合物が形成されるため、めっき処理時に微細ピットが発生しめっき表面の平滑性が低下する虞がある。Clの含有量は、0.00200%以下に規制するのがより好ましく、0%(0.00000%)であるのが最も好ましい。なお、アルミニウム合金中のCl含有量は、グロー放電質量分析法(GDMS)によって測定される。GDMS測定は、測定装置としてVG・ELEMENTAL社のVG9000型を使用し、加速電圧8kVの条件でアルゴンスパッタによって行った。
3.磁気ディスク用アルミニウム合金基板の表層のBeの濃化状態
次に、磁気ディスク用アルミニウム合金基板の表層のBeの濃化状態について説明する。
磁気ディスク用アルミニウム合金基板(後述する歪取り加熱処理を施した、めっき前処理を施す前のアルミニウム合金板)の表層におけるBeの濃化状態は、表面から深さ方向への分析をグロー放電発光分析装置(GDS)で行うことで評価することが出来る。GDSで分析を行なったときのBeの最大発光強度(IBe)とアルミニウム合金基板の母材内部の平均Be強度(Ibulk)との比である(IBe/Ibulk)と、Be濃度(CBe)の積である(IBe/Ibulk)×(CBe)が0.1000以下であると、アルミニウム合金基板の表層におけるAl/Mg/Be酸化物は薄いため、歪取り加熱処理によってAl/Mg/Be酸化物は除去され微細ピットの発生を抑制することができる。一方、この(IBe/Ibulk)×(CBe)が0.1000を超えると、Al/Mg/Be酸化物が厚いため、歪取り加熱処理によってAl/Mg/Be酸化物が完全に除去されずに残存し、微細ピットが生じ易くなる虞がある。従って、この(IBe/Ibulk)×(CBe)は0.1000以下に規定されるのが好ましく、(IBe/Ibulk)×(CBe)は、0.0200以下に規制するのがより好ましい。なお、(IBe/Ibulk)×(CBe)の下限値は、アルミニウム合金組成や製造方法に拠って決まるが、本発明では、好ましくは0.0010、より好ましくは0.0001である。
本発明において、アルミニウム合金基板表層のGDS測定において、Beの最大発光強度(IBe)とは、アルミニウム合金基板の最表層から深さ2.0μmまで測定したときのBe発光強度の最大値をいう。また、アルミニウム合金基板の母材内部の平均Be強度(Ibulk)とは、アルミニウム合金基板の最表層からの深さが1.5〜2.0μmの間におけるBe発光強度の平均値をいう。
4.磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法
以下に、磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法について詳細に説明する。
磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法を、図1に示すフロー図を参照しつつ説明する。ここで、アルミニウム合金の調製(ステップS101)〜歪取り加熱処理(ステップS109)は、本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板を製造する工程である。そして、この磁気ディスク用アルミニウム合金基板に、めっき前処理(ステップS110)と、これに続く下地(Ni−P)めっき処理(ステップS111)を施すことにより、本発明の下地処理した磁気ディスク用アルミニウム合金基板が作製される。更に、下地処理した磁気ディスク用アルミニウム合金基板の表面に磁性体を付着させることで(ステップS112)、磁気ディスクが作製される。まず、磁気ディスク用アルミニウム合金基板を製造する工程について説明する。
上述の成分組成を有するアルミニウム合金の溶湯を、常法に従って加熱・溶融することによって調製する(ステップS101)。次に、調製されたアルミニウム合金の溶湯を脱ガス処理し、半連続鋳造法(DC鋳造法)や連続鋳造法(CC法)等によりアルミニウム合金を鋳造する(ステップS102)。
なお、鋳造工程の前段階において、常法に従って保持炉を用いたインライン脱ガス処理やインラインでの濾過処理を行うことが好ましい。インライン脱ガス処理装置としては、SNIFやALPURなどの商標で市販されているものが使用できる。これらのインライン脱ガス処理装置は、アルゴンガスやアルゴンと窒素等の混合ガスを溶湯に吹き込みながら、羽根付き回転体を高速で回転させてガスを微細な気泡として溶湯中に供給するものである。これにより、脱水素ガス及び介在物の除去がインラインで短時間に行える。インライン濾過処理としては、セラミックチューブフィルターやセラミックフォームフィルター、アルミナボールフィルター等が用いられ、ケーク濾過機構や濾材濾過機構により介在物を除去する。
次に、鋳造されたアルミニウム合金の鋳塊に均質化処理を施す(ステップS103)。均質化処理は行わなくてもよいが、実施する場合には、好ましくは480〜560℃で1時間以上、より好ましくは500〜550℃で2時間以上の条件で行うのが好ましい。処理温度が480℃未満の場合や、処理時間が1時間未満の場合には、十分な均質化効果が得られない場合がある。560℃を超える処理温度では、材料が溶解する虞がある。
次に、鋳造したアルミニウム合金の鋳塊、或いは、均質化処理を施した場合には均質化処理したアルミニウム合金の鋳塊を、熱間圧延によって板材とする(ステップS104)。熱間圧延の条件は特に限定されるものではないが、熱間圧延開始温度を300〜500℃とするのが好ましく、320〜480℃とするのがより好ましい。また、熱間圧延終了温度は260〜400℃とするのが好ましく、280〜380℃とするのがより好ましい。熱間圧延開始温度が300℃未満では熱間圧延加工性が確保できず、500℃を超えると結晶粒が粗大化し、めっきの密着性が低下する場合がある。熱間圧延終了温度が260℃未満では熱間圧延加工性が確保できず、400℃を超えると結晶粒が粗大化し、めっきの密着性が低下する場合がある。なお、熱間圧延では、通常、鋳塊を熱間圧延開始温度で
0.5〜10.0時間加熱保持後に熱間圧延を行なう。均質化処理を行なう場合には、前記加熱保持を均質化処理で代替してもよい。
次に、熱間圧延板を冷間圧延して好ましくは0.4〜2.0mm、より好ましくは0.6〜2.0mmのアルミニウム合金板とする(ステップS105)。すなわち、熱間圧延終了後は、冷間圧延によって所要の製品板厚に仕上げられる。冷間圧延の条件は特に限定されるものではなく、必要な製品板強度や板厚に応じて定めればよく、圧延率を20〜90%とするのが好ましく、30〜80%とするのがより好ましい。この圧延率が20%未満では加圧平坦化焼鈍で結晶粒が粗大化し、めっきの密着性が低下する場合があり、この圧延率が90%を超えると製造時間が長くなり生産性の低下を招く場合がある。
良好な冷間圧延加工性を確保するために、冷間圧延の前又は冷間圧延の途中において、焼鈍処理を施してもよい。焼鈍処理を実施する場合には、例えばバッチ式の焼鈍では、300〜450℃で0.1〜10時間の条件で行うのが好ましく、300〜380℃で1〜5時間の条件で行うのがより好ましい。焼鈍温度が300℃未満の場合や焼鈍時間が0.1時間未満の場合には、十分な焼鈍効果が得られないことがある。また、焼鈍温度が450℃を超える場合には、結晶粒が粗大化し、めっきの密着性が低下する場合があり、焼鈍時間が10時間を超える場合は生産性の低下を招く。一方、連続式の焼鈍では、400〜500℃で0〜60秒間保持の条件で行うのが好ましく、450〜500℃で0〜30秒間保持の条件で行うのがより好ましい。焼鈍温度が400℃未満の場合には、十分な焼鈍効果が得られないことがある。また、焼鈍温度が500℃を超える場合には、結晶粒が粗大化し、めっきの密着性が低下する場合があり、焼鈍時間が60秒を超える場合には、結晶粒が粗大化し、めっきの密着性が低下する場合がある。なお、この場合の0秒とは、所望の焼鈍温度に達した後、直ちに冷却することを意味する。
このようにして得たアルミニウム合金板を磁気ディスク用アルミニウム合金基板として加工するには、まず、アルミニウム合金板を円環状に打ち抜いて円環状アルミニウム合金板を作製する(ステップS106)。次に、円環状アルミニウム合金板に大気中で300〜450℃で30分以上、好ましくは300〜380℃で60分以上の加圧平坦化焼鈍を施し、平坦化したディスクブランクを作製する(ステップS107)。処理温度が300℃未満の場合や処理時間が30分未満では、平坦化の効果が得られない場合がある。処理温度が450℃を超える場合には、結晶粒が粗大化し、めっきの密着性が低下する場合がある。
次に、平坦化したディスクブランクに切削加工と研削加工を施した(ステップS108)後に、ディスクブランクの歪取りのための加熱処理(ステップS109)を行う。
歪取り加熱処理の加熱昇温時において、150℃から200〜400℃の範囲にある保持温度までの昇温速度が20.0℃/分未満の場合には、アルミニウム合金基板表層におけるAl/Mg/Be酸化物が厚くなる。その結果、めっき前処理によってAl/Mg/Be酸化物が完全に除去されずに残存し、微細ピットが生じ易くなる虞がある。従って、この昇温速度は20.0℃/分以上とすることが好ましい。この昇温速度は、より好ましくは30.0℃/分以上である。この昇温速度の上限値は特に限定されるものではないが装置の加熱能力に依存し、本発明では60.0℃/分とするのが好ましい。また、昇温速度を150℃からのものとして規定したのは、150℃未満の温度域で長時間保持されてもBeの濃化に大きな影響を与えないためである。
加熱処理における保持温度が200℃未満の場合には加工歪が除去されないため、めっき処理後の加熱時(例えば磁性体スパッタリングの加熱時)に基板が変形して磁気ディスクとして使用できない虞がある。一方、保持温度が400℃を超える場合には、アルミニウム合金基板表層におけるAl/Mg/Be酸化物が厚くなるため、めっき前処理でAl/Mg/Be酸化物が完全に除去されずに残存し、微細ピットが生じ易くなる虞がある。従って、保持温度を200〜400℃とすることが好ましい。なお、より好ましい保持温度は、200〜290℃である。
保持温度での保持時間が5分未満の場合には加工歪が除去されないため、めっき処理後の加熱時(例えば磁性体スパッタリングの加熱時)に基板が変形して磁気ディスクとして使用できない虞がある。一方、保持時間が15分を超える場合には、アルミニウム合金基板表層におけるAl/Mg/Be酸化物が厚くなるため、めっき前処理でAl/Mg/Be酸化物が完全に除去されずに残存し、微細ピットが生じ易くなる虞がある。従って、好ましい保持時間は5〜15分とする。なお、より好ましい保持時間は、5〜10分である。
歪取り加熱処理の冷却降温時において、200〜400℃の範囲にある保持温度から150℃までの降温速度が20.0℃/分未満の場合には、アルミニウム合金基板表層におけるAl/Mg/Be酸化物が厚くなる。その結果、めっき前処理によってAl/Mg/Be酸化物が完全に除去されずに残存し、微細ピットが生じ易くなる虞がある。従って、この降温速度は20.0℃/分以上とすることが好ましい。この降温速度は、より好ましくは30.0℃/分以上である。この降温速度の上限値は特に限定されるものではなく、装置の冷却能力にも依存するが、本発明では60.0℃/分とするのが好ましい。また、降温速度を150℃までのものとして規定したのは、上述の通りである。
以上の各工程によって、本発明に係る磁気ディスク用アルミニウム合金基板が作製される。
以上のようにして作製した磁気ディスク用アルミニウム合金基板に、めっき前処理として脱脂、エッチング、ジンケート処理(Zn置換処理)が施される(ステップS110)。
脱脂は市販のAD−68F(上村工業製)脱脂液等を用い、温度40〜70℃、処理時間3〜10分、濃度200〜800mL/Lの条件で脱脂を行うことが好ましく、温度45〜65℃、処理時間4〜8分、濃度300〜700mL/Lの条件で行うのがより好ましい。温度が40℃未満の場合や処理時間が3分未満の場合、或いは、濃度が200mL/L未満の場合には、十分な脱脂効果が得られないことがある。また、温度が70℃を超える場合や処理時間が10分を超える場合、或いは、濃度が800mL/Lを超える場合は、基板表面の平滑性が低下し、めっき処理後にピットが発生し平滑性が低下することがある。
エッチングは市販のAD−107F(上村工業製)エッチング液等を用い、温度50〜75℃、処理時間0.5〜5分、濃度20〜100mL/Lの条件でエッチングを行うことが好ましく、温度55〜70℃、処理時間0.5〜3分、濃度40〜100mL/Lの条件で行うのがより好ましい。温度が50℃未満の場合や処理時間が0.5分未満の場合、或いは、濃度が20mL/L未満の場合には、十分なエッチング効果が得られないことがある。また、温度が75℃を超える場合や処理時間が5分を超える場合、或いは、濃度が100mL/Lを超える場合は、基板表面の平滑性が低下し、めっき処理後にピットが発生し平滑性が低下することがある。なお、エッチング処理と後述のジンケート処理の間に、通常のデスマット処理を行なっても良い。
ジンケート処理は市販のAD−301F−3X(上村工業製)のジンケート処理液等を用い、温度10〜35℃、処理時間0.1〜5分、濃度100〜500mL/Lの条件で行うことが好ましく、温度15〜30℃、処理時間0.1〜2分、濃度200〜400mL/Lの条件で行うのがより好ましい。温度が10℃未満の場合や処理時間が0.1分未満の場合、或いは、濃度が100mL/L未満の場合には、ジンケート皮膜が不均一となり、めっき処理後に従来ピットが発生し平滑性が低下することがある。また、温度が35℃を超える場合や処理時間が5分を超える場合、或いは、濃度が500mL/Lを超える場合も、ジンケート皮膜が不均一となり、めっき処理後に従来ピットが発生し平滑性が低下することがある。
更に、ジンケート処理したアルミニウム合金基板表面に下地処理として無電解でのNi−Pめっき処理が施されたのち表面の研磨が行われる(ステップS111)。無電解でのNi−Pめっき処理は、市販のニムデンHDX(上村工業製)めっき液等を用い、温度80〜95℃、処理時間30〜180分、Ni濃度3〜10g/Lの条件でめっき処理を行うことが好ましく、温度85〜95℃、処理時間60〜120分、Ni濃度4〜9g/Lの条件で行うのがより好ましい。温度が80℃未満の場合やNi濃度が3g/L未満の場合にはめっきの成長速度が遅く、生産性の低下を招く場合がある。処理時間が30分未満の場合にはめっき表面に欠陥が生じ易くなり、めっき表面の平滑性が低下することがある。温度が95℃を超える場合やNi濃度が10g/Lを超える場合にはめっきが不均一に成長するため、めっきの平滑性が低下する場合がある。処理時間が180分を超える場合には、生産性の低下を招くことがある。
これらのめっき前処理、ならびに、Ni−Pめっき処理によって、本発明の下地処理した磁気ディスク用アルミニウム合金基板が得られる。最後に、下地めっき処理とした表面にスパッタリングによって磁性体を付着させ磁気ディスクとする(ステップS112)。
上述の各工程は何れも表層におけるBeの酸化に関係するが、磁気ディスク用アルミニウム合金基板の特性は、ステップS101のアルミニウム合金の溶湯の調整段階とステップS109の歪取り加熱処理に特に大きな影響を受ける。上述のように、歪取り加熱処理では、表層における所望のBeの濃化状態を得るために、150℃から200〜400℃の範囲にある保持温度まで20.0℃/分以上の昇温速度でディスクブランクを加熱する加熱昇温段階と、保持温度において5〜15分間ディスクブランクを加熱保持する加熱保持段階と、保持温度から150℃まで20.0℃/分以上の降温速度でディスクブランクを冷却する冷却降温段階を含む。このような条件で加熱処理することで表層におけるBeの濃化が抑制され、微細ピットの発生を防止することが出来る。
また、上述の各工程は何れもCl系化合物の生成に関係するが、磁気ディスク用アルミニウム合金基板の特性は、ステップS101のアルミニウム合金の溶湯の調整段階に特に大きな影響を受ける。所望のCl含有量を得るためには、アルミニウム合金の溶湯の調整段階において、Cl含有量が0.00300%以下のアルミニウム地金を使用することが好ましい。
アルミニウム合金の溶湯を調整する段階において、原料の大部分を占めるアルミニウム地金中のCl含有量は0.00300%以下とするのが好ましい。0.00300%を超えると磁気ディスク用アルミニウム合金基板としたときにCl含有量が0.00300%を超えてMg−Cl系化合物が形成されることにより、めっき処理時に微細ピットが発生してめっき表面の平滑性が低下する虞がある。より好ましいCl含有量は、0.00200%以下であり、0%(0.00000%)が最も好ましい。
以下に、本発明を実施例に基づいて更に詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
実施例:
この実施例では、アルミニウム合金の合金組成やCl含有量、(IBe/Ibulk)×(CBe)、更に、歪取り加熱処理の条件について検討した。まず、表1に示す成分組成の各アルミニウム合金を常法に従って溶解し、アルミニウム合金溶湯を溶製した(ステップS101)。なお、原料を溶解する前に、原料中に含有されるCl含有量の測定を行い、合金No.7以外の合金についてはCl含有量が0.00300%以下のアルミニウム地金を使用した。合金No.7はCl含有量が0.00360%のアルミニウム地金を使用し、得られたアルミニウム合金のCl濃度が0.00332%であった。次に、アルミニウム合金溶湯をDC鋳造法により鋳造し鋳塊を作製した(ステップS102)。
Figure 2016190277
上記鋳塊の両面15mmを面削し、合金No.2以外の合金は510℃で3時間の均質化処理を施した(ステップS103)。次に、熱間圧延開始温度460℃、熱間圧延終了温度340℃で熱間圧延を行ない、板厚3.0mmの熱間圧延板とした(ステップS104)。合金No.6以外の熱間圧延板は中間焼鈍を行なわずに冷間圧延(圧延率67%)により板厚1.0mmまで圧延して最終圧延板とした(ステップS105)。なお、合金No.6では、まず第1の冷間圧延(圧延率33%)を施した後、バッチ式焼鈍炉を用いて、300℃で2時間の条件で中間焼鈍を行なった。次いで、第2の冷間圧延(圧延率50%)により板厚1.0mmまで圧延して最終圧延板とした(ステップS105)。このようにして得たアルミニウム合金板を外径96mm、内径24mmの円環状に打抜き、円環状アルミニウム合金板を作製した(ステップS106)。
上記のようにして得た円環状アルミニウム合金板に、1.5MPaの圧力下において400℃で3時間の加圧平坦化焼鈍を施しディスクブランクとした(ステップS107)。更に、このディスクブランクの端面に切削加工を施して外径95mm、内径25mmとし、更に、表面を10μm研削する研削加工(グラインディング加工)を行った(ステップS108)。次に、表2の条件で歪取り加熱処理を行い磁気ディスク用アルミニウム合金基板とした(ステップS109)。
Figure 2016190277
その後、歪取り加熱処理を施した磁気ディスク用アルミニウム合金基板にめっき前処理を施した。具体的には、まず、磁気ディスク用アルミニウム合金基板を60℃のAD−68F(上村工業製)脱脂液(濃度:500mL/L)に5分間浸漬して表面を脱脂処理した。次に、65℃のAD−107F(上村工業製)エッチング液(濃度:70mL/L)に1分間浸漬して表面をエッチング処理した。更に、室温の30%HNO水溶液に20秒間浸漬して表面をデスマット処理した。このようにして表面状態を整えた後に、アルミニウム合金基板をAD−301F−3X(上村工業製)の20℃のジンケート処理液(濃度:300mL/L)に0.5分間浸漬して表面にジンケート処理を施した(ステップS110)。なお、ジンケート処理は合計2回行い、ジンケート処理間に室温の30%HNO3水溶液に20秒間浸漬して表面を剥離処理した。以上のようにして、メッキ前処理を完了した。次に、ジンケート処理したアルミニウム合金基板表面に、無電解Ni−Pめっき処理液(ニムデンHDX(上村工業製)、Ni濃度7g/L)を用いて17μm厚さのNi−Pめっき層が形成されるように無電解めっきを施した。無電解Ni−Pめっき処理は、温度92℃、処理時間160分で行なった。最後に、めっき面を羽布により4μmの研磨量で仕上げ研磨した(ステップS111)。このようにして、下地処理した磁気ディスク用アルミニウム合金基板とした。
歪取り加熱処理(ステップS109)後の磁気ディスク用アルミニウム合金基板、ならびに、下地(Ni−P)めっき処理(研磨付き)(ステップS111)後の下地処理したアルミニウム合金基盤について以下の評価を行った。なお、表2に示すように、合金No.24では歪取り加熱処理の保持温度が低かったために、合金No.25では同じく保持時間が短かったために、いずれも加工歪が完全に除去されなかった。その結果、めっき処理後の加熱時に基板が変形し、「磁気ディスク用」としての構成要件を満たすことが出来なかったため、以下の評価は行っていない(表3参照)。
〔磁気ディスク用アルミニウム合金基板の表層におけるBeの濃化状態〕
歪取り加熱処理(ステップS109)の後における磁気ディスク用アルミニウム合金基板の表層の深さ方向に沿ったBeをGDS分析した。具体的には、上述のようにBeの最大発光強度及び母材内部の平均Be強度を測定して、アルミニウム合金基板の表層におけるBeの酸化状態を評価した。GDS分析は、株式会社堀場製作所製のJY−5000RFの装置を用い実施した。GDSの測定条件は、アルゴンガス置換後の圧力600Pa、出力30W、モジュール700、フェーズ300、アノード径4mmφとした。測定試料の表面から深さ2.0μmまでスパッタする際におけるBeの最大ピーク高さを最大発光強度とした。また、測定試料の表面からの深さが1.5〜2.0μmの間におけるBeの平均高さを平均強度とした。結果を表3に示す。
Figure 2016190277
〔下地処理した磁気ディスク用アルミニウム合金基板の平滑性〕
Ni−Pめっき処理して研磨(ステップS111)後の下地処理した磁気ディスク用アルミニウム合金基板表面における従来ピット及び微細ピットの個数を求めた。従来ピットについては、光学顕微鏡により1000倍の倍率で観察視野を1mmとし、最長径1μm以上の大きさの従来ピットの個数を計測し、単位面積当たりの個数(個数密度:個/mm)を求めた。微細ピットについては、SEMにより2000倍の倍率で観察視野を1mmとし、最長径0.5μm以上1μm未満の大きさの微細ピットの個数を計測し、単位面積当たりの個数(個数密度:個/mm)を求めた。ここで、従来ピット及び微細ピット共に最長径とは、各ピットの長さとして観察されるもののうち最大のものをいう。また、従来ピットの最長径の上限は限定されるものではないが、10μm以上のものは観察されなかった。微細ピットでは、最長径が0.5μm未満のものは観察されなかったので対象外とした。なお、従来ピット及び微細ピット共に、1mmの観察視野中にピットの全体が存在している場合は勿論、ピットの一部のみが観察されたものも一個として数えた。評価基準としては、従来ピットの個数密度が0個/mmの場合を優良(◎印)とし、1個/mmの場合を良好(○印)とし、2個/mm以上の場合を不良(×印)とした。微細ピットの個数密度が0個/mmの場合を優良(◎印)とし、1〜7個/mmの場合を良好(○印)とし、8個/mm以上の場合を不良(×印)とした。結果を表3に示す。
表3に示すように、発明例1〜12では、めっき表面の平滑性に優れる磁気ディスク用アルミニウム合金基板及び下地処理した磁気ディスク用アルミニウム合金基板が得られた。これに対して比較例13〜23、26では何れも、本発明の規定外の構成要件を含んでいたため、上記めっき表面の平滑性が不良であった。
即ち、比較例13では、Mg含有量が多過ぎたために粗大なAl−Mg系金属間化合物が多く生成され、この金属間化合物がめっき前処理で脱落してアルミニウム合金基板表面に大きな窪みが発生した。その結果、めっき表面に従来ピットが生じ易くなり、めっき表面の平滑性が不良となった。
比較例14では、Cu含有量が多過ぎたために粗大なAl−Cu−Mg−Zn系金属間化合物が多く生成され、この金属間化合物がめっき前処理で脱落してアルミニウム合金基板表面に大きな窪みが発生した。その結果、めっき表面に従来ピットが生じ易くなり、めっき表面の平滑性が不良となった。
比較例15では、Zn含有量が多過ぎたために粗大なAl−Cu−Mg−Zn系金属間化合物が多く生成され、この金属間化合物がめっき前処理で脱落してアルミニウム合金基板表面に大きな窪みが発生した。その結果、めっき表面に従来ピットが生じ易くなり、めっき表面の平滑性が不良となった。
比較例16では、Cr含有量が多過ぎたために粗大なAl−Cr系金属間化合物が多く生成し、この金属間化合物がめっき前処理で脱落してアルミニウム合金基板表面に大きな窪みが発生した。その結果、めっき表面に従来ピットが生じ易くなり、めっき表面の平滑性が不良となった。
比較例17では、Fe含有量が多過ぎたために粗大なAl−Fe系金属間化合物が多く生成し、この金属間化合物がめっき前処理で脱落してアルミニウム合金基板表面に大きな窪みが発生した。その結果、めっき表面に従来ピットが生じ易くなり、めっき表面の平滑性が不良となった。
比較例18では、Si含有量が多過ぎたために粗大なMg−Si系金属間化合物が多く生成し、この金属間化合物がめっき前処理で脱落してアルミニウム合金基板表面に大きな窪みが発生した。その結果、めっき表面に従来ピットが生じ易くなり、めっき表面の平滑性が不良となった。
比較例19では、Beの含有量が多過ぎたために研削後の加熱で厚いAl/Mg/Be酸化物が形成された。その結果、めっき表面に微細ピットが生じ易くなり、めっき表面の平滑性が不良となった。
比較例20では、Mg含有量が少な過ぎたためにジンケート皮膜が不均一となった。その結果、めっき表面に従来ピットが生じ易くなり、めっき表面の平滑性が不良となった。
比較例21では、Cu含有量が少な過ぎたためにジンケート皮膜が不均一となった。その結果、めっき表面に従来ピットが生じ易くなり、めっき表面の平滑性が不良となった。
比較例22では、Zn含有量が少な過ぎたためにジンケート皮膜が不均一となった。その結果、めっき表面に従来ピットが生じ易くなり、めっき表面の平滑性が不良となった。
比較例23では、Cr含有量が少な過ぎたためにアルミニウム合金板の結晶粒が粗大化し、めっきの密着性が低下した。その結果、めっき表面に従来ピットが生じ易くなり、めっき表面の平滑性が不良となった。
比較例26では、Be含有量が少な過ぎたためにジンケート皮膜が不均一となった。その結果、めっき表面に従来ピットが生じ易くなり、めっき表面の平滑性が不良となった。
本発明は、めっき表面の平滑性に優れた磁気ディスク用アルミニウム合金基板及び下地処理した磁気ディスク用アルミニウム合金基板を得ることができ、その産業上の利用可能性に優れる。

Claims (6)

  1. Mg:2.0〜8.0mass%、Be:0.00001〜0.00200mass%、Cu:0.003〜0.150mass%、Zn:0.05〜0.60mass%、Cr:0.010〜0.300mass%を含有し、Si:0.060mass%以下及びFe:0.060mass%以下に規制し、残部Al及び不可避的不純物からなるアルミニウム合金からなることを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金基板。
  2. 前記アルミニウム合金が、Be:0.00001〜0.00025mass%を含有する、請求項1に記載の磁気ディスク基板用アルミニウム合金板。
  3. グロー放電質量分析法(GDMS)によって測定したアルミニウム合金中のClの含有量が0.00300mass%以下に規制される、請求項1又は2に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金基板。
  4. めっき前処理を施す前において、グロー放電発光分析装置(GDS)による表面深さ方向におけるBeの最大発光強度を(IBe)とし、アルミニウム合金の母材内部におけるBeの平均発光強度を(Ibulk)とし、上記Be含有量を(CBe)として、(IBe/Ibulk)×(CBe)≦0.1000である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金基板。
  5. 請求項4に記載の磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法において、前記アルミニウム合金を鋳造する鋳造工程と、鋳塊を熱間圧延する熱間圧延工程と、熱間圧延板を冷間圧延する冷間圧延工程と、冷間圧延板を円環状ディスクに加工する加工工程と、円環状ディスクを加圧平坦化してディスクブランクとする加圧平坦化焼鈍工程と、ディスクブランクの切削・研削工程と、切削・研削したディスクブランクを加熱処理する加熱処理工程とを含み、当該加熱処理工程が、150℃から200〜400℃の範囲にある保持温度まで20.0℃/分以上の昇温速度でディスクブランクを加熱する加熱昇温段階と、前記保温温度において5〜15分間ディスクブランクを加熱保持する加熱保持段階と、前記保持温度から150℃まで20.0℃/分以上の降温速度でディスクブランクを冷却する冷却降温段階とを含むことを特徴とする磁気ディスク用アルミニウム合金基板の製造方法。
  6. 請求項1〜4のいずれか一項に記載される磁気ディスク用アルミニウム合金基板に、めっきと磁性体が設けられていることを特徴とする磁気ディスク。
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