JP2019199565A - フォトレジスト用樹脂、フォトレジスト用樹脂の製造方法及びフォトレジスト組成物 - Google Patents
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Abstract
Description
従来、半導体分野で使用されているフォトリソグラフィー技術においては、レジスト膜をパターニングした後、ウェットエッチング法又はドライエッチング法によって配線形成する工程が普及している。そのフォトリソグラフィー技術は、液晶表示素子の製造工程でも応用されつつある。
それに伴い、フォトレジスト用樹脂材料に対する要求性能も高度化かつ多様化している。感度、解像度などに優れた高現像性と、ウェットエッチング耐性及びドライエッチング耐性といったエッチング耐性が優れている必要がある。
そのようなクレゾールノボラック型フェノール樹脂としては、オルソクレゾールを必須成分とするクレゾールノボラック型フェノール樹脂が検討されている(例えば、特許文献1参照)。
本発明のフォトレジスト用樹脂は、オルソクレゾールノボラック樹脂と分子内に少なくとも2つのメチロール基を有するフェノール化合物との縮重合物を含む。
オルソクレゾールを主成分とするノボラック樹脂(以下、単に「オルソクレゾールノボラック樹脂」とも称する。)は、オルソクレゾールとホルムアルデヒドとの重縮合物である。
オルソクレゾールの作用を損なわない範囲であれば、その他のフェノール類を含んでいてもよい。その他のフェノール類としては、特に限定されないが、例えば、フェノール、p−クレゾ−ル、m−クレゾ−ル、2、3−キシレノ−ル、2、4−キシレノ−ル、2、5−キシレノ−ル、2、6−キシレノ−ル、3、4−キシレノ−ル、3、5−キシレノ−ル、2、3、5−トリメチルフェノ−ル、2、3、6−トリメチルフェノ−ル、トリメチルフェノ−ル、ナフトール、アリルフェノール、カテコール、レゾルシノール、及びヒドロキノン等が例示される。その他のフェノール類は、オルソクレゾールの5質量%以下程度とすることが望まれる。
オルソクレゾールノボラック樹脂の2核体含有量は、特に限定されないが、樹脂全体の15%以下であることが好ましい。オルソクレゾールノボラック樹脂の2核体含有量が樹脂全体の15%以下であれば、得られるフォトレジスト用樹脂の2核体含有量も抑制され、フォトレジスト組成物とした際にエッチング耐性も確保できる。オルソクレゾールノボラック樹脂の2核体含有量は、より好ましくは12%以下であり、さらに好ましくは10%以下であり、最も好ましくは5%以下である。
オルソクレゾールノボラック樹脂の2核体含有量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定により測定することができ、例えば後述する実施例に記載の方法にて測定できる。
オルソクレゾールノボラック樹脂の重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)測定による標準ポリスチレン換算値での重量平均分子量であり、例えば後述する実施例に記載の方法にて測定できる。
(ここで、pは1〜100の整数を表す。)
本発明において用いられるフェノール化合物は、分子内の同一のベンゼン核に少なくとも2つのメチロール基(−CH2OH)が結合したフェノール化合物、分子内に複数存在するベンゼン核にメチロール基が結合し分子全体として少なくとも2つのメチロール基を有するフェノール化合物、又はそれらの混合物である。
メチロール基は反応性基である。こうしたメチロール基を少なくとも2つ有するフェノール化合物は、オルソクレゾールノボラック樹脂と安定的に反応して、本発明のフォトレジスト用樹脂の重量平均分子量を効率的に増大させる。これにより、重量平均分子量を容易に調整するこができる。加えて、本発明のフォトレジスト用樹脂の2核体含有量を低減することができる。
(式中、R1、R2及びR3はそれぞれ独立に、炭素数が1〜6のアルキル基または水酸基を表す。)
(式中、R4、R5、R6、R7、R8及びR9はそれぞれ独立に、炭素数が1〜6のアルキル基または水酸基を表す。)
本発明のフォトレジスト用樹脂における重縮合物は、オルソクレゾールノボラック樹脂とフェノール化合物との縮重合反応により得られる。オルソクレゾールノボラック樹脂の質量MAとフェノール化合物の質量MBとの比(MA/MB)は、50/50〜95/5であり、好ましくは70/30〜95/5であり、より好ましくは80/20〜95/5であり、さらに好ましくは80/20〜90/10である。
重縮合物におけるオルソクレゾールノボラック樹脂とフェノール化合物との質量比(MA/MB)は、後述するように、重縮合反応に用いるオルソクレゾールノボラック樹脂とフェノール化合物との割合を調整することによって、制御することができる。
本発明のフォトレジスト用樹脂の2核体含有量は、特に限定されないが、樹脂全体の5%以下であることが好ましい。本発明のフォトレジスト用樹脂の2核体含有量が5%以下であれば、フォトレジスト組成物とした際に十分なエッチング耐性が確保される。本発明のフォトレジスト用樹脂において、2核体含有量は、樹脂全体の3%以下であることがより好ましく、2%以下であることが最も好ましい。
本発明のフォトレジスト用樹脂は、オルソクレゾールノボラック樹脂に由来した第1のセグメント、及び分子内に少なくとも2つのメチロール基を有するフェノール化合物に由来した第2のセグメントを含み、第1のセグメントと第2のセグメントとがブロック化されていることが好ましい。
本発明のフォトレジスト用樹脂としては、以下の式1で示される反応と、式2で示される反応との2段階の反応によって得られるノボラック型フェノール樹脂を例示することができる。
(ただし、pは1から100の整数を示し、qはセグメント(S2)同士が縮重合した場合の重合度を示し、rはセグメント(S1)とセグメント(S2)とが縮重合した重合度を示し、q、rはそれぞれ独立に1から100の整数を示す。)
上述したブロック重合体には、さらに別の重合単位が含まれていてもよい。さらなる重合単位としては、例えばオルソクレゾールノボラック樹脂の重縮合に用いたホルムアルデヒドに由来するアルデヒドが挙げられる。
本発明のフォトレジスト用樹脂の重量平均分子量(Mw)は、特に限定されないが、フォトレジスト組成物としたときの性能や製造上のハンドリング性から、3000超〜50000が好ましい。重量平均分子量が3000〜50000の範囲内であれば、フォトレジスト組成物とした際に所望の感度及び解像度が得られる。フォトレジスト用樹脂の重量平均分子量は、5000〜30000がより好ましく、5000〜20000がさらに好ましい。
本発明のフォトレジスト用樹脂の軟化点は、140℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましく、160℃以上が最も好ましい。軟化点が140℃以上であれば、フォトレジスト用として使用するのに十分な耐熱性を有する。
本発明のフォトレジスト用樹脂の製造方法は、第1工程と第2工程との2つの工程を備える。第1工程では、オルソクレゾールとホルムアルデヒドとの縮重合反応によりオルソクレゾールノボラック樹脂を得る。第2工程では、オルソクレゾールノボラック樹脂と、分子内に少なくとも2つのメチロール基を有するフェノール化合物とを縮重合反応させる。
本発明のフォトレジスト用樹脂の製造方法における第1工程は、オルソクレゾールとホルムアルデヒドとを縮重合反応させて、オルソクレゾールノボラック樹脂を得る工程である。ここでの縮重合反応は、以下に示すような通常のフェノール樹脂を調製する際に適用される従来公知の条件で行うことができる。
オルソクレゾールとホルムアルデヒドとの反応の際、ホルムアルデヒドの量は、オルソクレゾール1モルに対して、0.2〜1.5モルが好ましく、0.7〜1.2モルがより好ましい。
第1工程においては、酸触媒を用いることができる。酸触媒としては、オルソクレゾールとホルムアルデヒドとの反応を促進する酸であれば、特に限定されず、例えば、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の有機スルホン酸、塩酸、硫酸等の無機酸等を単独或いは2種以上併用して使用できる。特に、硫酸、シュウ酸又はp−トルエンスルホン酸が好ましい。
原料のホルムアルデヒドに水が含まれる場合には、水が反応溶媒として作用する。反応に影響を及ぼさない有機溶媒を、反応溶媒として使用してもよい。有機溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類等が挙げられる。
反応溶媒の使用量は、反応原料100質量部当り、20〜1000質量部とすることができる。
第1工程における縮重合反応の反応温度は、特に限定されず、好ましくは50〜200℃である。この温度範囲内であれば、反応を制御しつつ進行させることができるので、目的のオルソクレゾールノボラック樹脂を安定的に得られる。反応温度は、より好ましくは70〜180℃、特に好ましくは80〜170℃である。
第1工程における縮重合反応の反応時間は、反応温度にもよるが、通常は0.1〜20時間程度である。また、縮重合反応の反応圧力は、通常は常圧下で行われるが、加圧下或いは減圧下で行ってもよい。
本発明のフォトレジスト用樹脂の製造方法における第2工程は、上記のようにして得られたオルソクレゾールノボラック樹脂と、分子内に少なくとも2つのメチロール基を有するフェノール化合物とを縮重合反応させる工程である。
第2工程は、第1工程と同一の反応系で連続的に行ってもよい。第1工程に続いて第2工程を行う場合には、第1工程で得られたオルソクレゾールノボラック樹脂にフェノール化合物を添加して均一混合した後、縮重合反応させるという方法をとることができる。
なお、オルソクレゾールノボラック樹脂は、次のようにして回収されたものであることが好ましい。具体的には、第1工程の終了後、塩基を添加して酸触媒を除去し、水を加えて水洗する。反応系の温度を130〜230℃に上げて、例えば20〜50torrの減圧下、反応混合物中に残存している未反応原料、有機溶媒等の揮発分を留去する。こうして回収されたオルソクレゾールノボラック樹脂である。
本発明のフォトレジスト用樹脂の製造方法の第2工程において、分子内に少なくとも2つのメチロール基を有するフェノール化合物は、固形又は液状の原料を一度に添加することができる(一括添加)。フェノール化合物は、逐次添加で加えてもよい。フェノール化合物が液状原料の場合は、そのまま滴下して加えることができる。一方、フェノール化合物が固形原料の場合には、必要に応じて有機溶剤に溶解させて用いる。有機溶媒としては、例えば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、及びジオキサン等の環状エーテル類等を用いることができる。
本発明のフォトレジスト用樹脂の製造方法の第2工程において、オルソクレゾールノボラック樹脂の質量MAとフェノール化合物の質量MBとの比(MA/MB)は、50/50〜95/5であり、好ましくは70/30〜95/5であり、より好ましくは80/20〜95/5であり、さらに好ましくは80/20〜90/10である。
質量比(MA/MB)が50/50〜95/5であることで、本発明のフォトレジスト用樹脂の重量平均分子量が効率的に増大し、重量平均分子量を容易に調整することができる。加えて、本発明のフォトレジスト用樹脂の2核体含有量を低減することができる。本発明のフォトレジスト用樹脂を用いることによって、高いエッチング耐性とその他の性能とのバランスに優れたフォトレジスト組成物が得られる。
本発明のフォトレジスト用樹脂の製造方法の第2工程において、縮重合反応は、必要に応じて酸触媒を使用することができる。酸触媒としては、オルソクレゾールノボラック樹脂とフェノール化合物のメチロール基とを反応させる能力のある酸であれば、特に限定されない。酸触媒は、シュウ酸、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸、塩酸、硫酸などの無機酸等から選択することができる。酸触媒は、単独或いは2種以上併用して使用できる。
本発明のフォトレジスト用樹脂の製造方法の第2工程において、必要によって反応溶媒を使用することができる。反応溶媒としては、反応に影響を及ぼさない有機溶媒を使用することもできる。有機溶媒としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、及びジオキサン等の環状エーテル類等が挙げられる。
反応溶媒の使用量は、通常、反応原料100質量部当り、20〜1000質量部とすることができる。
本発明のフォトレジスト用樹脂の製造方法の第2工程において、縮重合反応における反応温度は、特に限定されないが、50〜200℃であれば、重合反応を制御しつつ進行させて、目的のフォトレジスト用樹脂を安定的に得ることができる。反応温度は、好ましくは60〜160℃、より好ましくは80〜140℃である。
本発明のフォトレジスト用樹脂の製造方法の第2工程における反応時間は、反応温度にもよるが、通常は20時間以内である。反応圧力は、通常は常圧下で行われるが、若干の加圧又は減圧下で行ってもよい。
縮重合反応の終了後には、後処理を施して、酸触媒を中和して除去することが好ましい。酸触媒は、塩基を添加して中和することができ、次いで水洗いを行うことによって除去することができる。
塩基は特に限定されず、酸触媒を中和し、水に可溶となる塩を形成する任意の塩基を使用できる。塩基としては、例えば、金属水酸化物や金属炭酸塩などの無機塩基、アミンや有機アミンなどの有機塩基が挙げられる。無機塩基としては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムや炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムが挙げられる。有機塩基のアミンあるいは有機アミンの具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。好ましくは有機アミンが使用される。塩基は、酸触媒を中和して反応系内のpHが4〜8となる量で使用することが好ましい。
水洗温度は、特に限定されないが、触媒除去の効率と作業性の観点から40〜95℃で行うのが好ましい。水洗中、樹脂と水洗水との分離を促すために、樹脂の粘度を低下させる溶媒を添加することができる。また、水洗温度を上昇させることも効果的である。このような溶媒は、フェノ−ル樹脂を溶解し、粘度を低下させるものであれば特に限定されることなく使用することができる。
酸触媒を中和及び水洗により除去した後、例えば、反応系の温度を130℃〜230℃に上げ、20〜50toorの減圧下で、反応系内に存在する未反応原料、有機溶媒等の揮発分を留去する。こうして、本発明のフォトレジスト用樹脂が得られる。
本発明のフォトレジスト組成物は、本発明のフォトレジスト用樹脂を含有する。フォトレジスト組成物中におけるフォトレジスト用樹脂の含有量は、5〜40質量%が好ましく、10〜25質量%がより好ましい。本発明のフォトレジスト組成物の残部は、後述する感光剤の他、フォトレジスト組成物の慣用成分である、酸化防止剤等の安定剤、可塑剤、界面活性剤、密着性向上剤、溶解促進剤、溶解阻害剤などとすることができる。
本発明の本発明のフォトレジスト用樹脂を使用したフォトレジスト組成物は、高集積半導体を製造する際のリソグラフィ−や液晶用の薄膜フィルムトランジスター(TFT)材料に使用できる。
<フォトレジスト用樹脂>
まず、フォトレジスト用樹脂としてのノボラック型フェノール樹脂の実施例を示す。なお、樹脂の分析方法や評価方法は次の通りである。
以下の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算による重量平均分子量を求めた。
使用機器:Waters Alliance 2695 (ゲル浸透クロマトグラフ分析)
カラム: SHODEX製LF−804
ガードカラム:SHODEX製KF−G
カラムオーブン温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:1.00mL/分
検出器:Waters 2487 Dual λAbsorbance Detector
検出波長:254nm
ノボラック型フェノ−ル樹脂3gをプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)9gに溶解し、樹脂溶液を調合した。得られた樹脂溶液は、0.2ミクロンメンブレンフィルターで濾過した。これを4インチシリコンウェハー上に約15000Å(オングストローム)の厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃で60秒間ホットプレ−ト上で乾燥させた。
次いで、現像液(1.60%テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド水溶液)を用い、完全に膜が消失するまでの時間を計測した。初期膜厚を溶解するまでの時間で割った値(Å/s)を溶解速度とした。
フォトレジスト用樹脂の2核体含有量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフ(GPC)分析により求めた。具体的には、得られる2核体の面積割合(面積%)を、解析ソフトEmpower3(日本ウォーターズ株式会社製)を用いて算出した。2核体の面積割合(面積%)の算出は、ピーク前後の直線部分をベースライン(0値)とし、各成分のピーク間は最も低くなるところでの縦切りでピークを分けた。得られた2核体の面積割合(面積%)を2核体の含有量とした。
使用機器:Waters Alliance 2695 (ゲル浸透クロマトグラフ分析)
カラム:以下のSHODEX製カラム5本を、上流から下流に向けて下記の順序となるように直列に連結して用いた。
KF-804×1本
KF-803×1本
KF-802.5×1本
KF-802×1本
KF-801×1本
また、ガードカラムとしてSHODEX製KF-Gを1本用いた。
カラムオーブン温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン(THF)
流量:1.00mL/分
検出器:Waters 2487 Dual λAbsorbance Detector
検出波長:254nm
[合成例1]
о−クレゾール100部(0.93モル)、42%ホルマリン52.31部(0.74モル)及び蓚酸1.0部をガラス製フラスコに収容し、100℃で5h反応させた。その後185℃まで昇温して脱水した後、30torrでの減圧蒸留を2時間行ってノボラック型クレゾール樹脂を得た。この樹脂は、GPC分析に基づく重量平均分子量が1150であり、2核体含有量は11.9%であった。得られた樹脂を、オルソクレゾールノボラック樹脂(A−1)とする。
42%ホルマリンの量を78.47部(1.11モル)に変更した以外は、合成例1と同様にして、ノボラック型クレゾール樹脂を得た。この樹脂は、GPC分析に基づく重量平均分子量が2500であり、2核体含有量は3.1%であった。得られた樹脂を、オルソクレゾールノボラック樹脂(A−2)とする。
前述と同様のガラス製フラスコに、合成例1で得られたオルソクレゾールノボラック樹脂(A−1)80部、フェノール化合物として2,6−ジメチロール−p−クレゾール20部(0.12モル)、及び酸触媒としてパラトルエンスルホン酸0.1部を収容し、100℃で6h反応させた。反応終了後、90℃まで冷却し、塩基としてのトリエチルアミン0.1gを添加して酸触媒を中和した。
実施例1のノボラック型フェノール樹脂は、GPC分析に基づく重量平均分子量が4550であり、2核体含有量が1.6%であった。また、上述した手法により求めたアルカリ溶解速度は、794Å/sであった。
前述と同様のガラス製フラスコに、合成例2で得られたオルソクレゾールノボラック樹脂(A−2)95部、フェノール化合物として2,6−ジメチロール−p−クレゾール5部(0.03モル)、及び酸触媒としてパラトルエンスルホン酸0.1部を収容し、実施例1と同様にして反応させた。さらに、実施例1と同様の操作を行って、実施例2のノボラック型フェノール樹脂を得た。
実施例2のノボラック型フェノール樹脂は、GPC分析に基づく重量平均分子量が4370であり、2核体含有量が1.6%であった。また、上述した手法により求めたアルカリ溶解速度は、1706Å/sであった。
前述と同様のガラス製フラスコに、合成例2で得られたオルソクレゾールノボラック樹脂(A−2)90部、フェノール化合物として2,6−ジメチロール−p−クレゾール10部(0.06モル)、及び酸触媒としてパラトルエンスルホン酸0.1部を収容し、実施例1と同様にして反応させた。さらに、実施例1と同様の操作を行って、実施例3のノボラック型フェノール樹脂を得た。
実施例3のノボラック型フェノール樹脂は、GPC分析に基づく重量平均分子量が10840であり、2核体含有量が1.8%であった。また、上述した手法により求めたアルカリ溶解速度は、232Å/sであった。
温度計、仕込・留出口および攪拌機を備えた容量1000容量部のガラス製フラスコに、m−クレゾール 80g(0.74モル)、p−クレゾール 120g(1.11モル)、42%ホルマリン 80.8g(1.15モル)及び蓚酸 0.7gを収容し、100℃で10時間反応させた。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrでの減圧蒸留を2時間行って未反応原料などを除去し、比較例1のノボラック型フェノール樹脂を得た。
比較例1のノボラック型フェノール樹脂は、汎用のノボラック型フェノール樹脂である。この樹脂は、重量平均分子量が5700であり、2核体含有量が8.3%であった。また、上述した手法により求めたアルカリ溶解速度は、380Å/sであった。
比較例1の場合と同様のガラス製フラスコに、m−クレゾール216部(2.00モル)、p−クレゾール314部(3.00モル)、42%ホルマリン213.8部(2.99モル)及び蓚酸1.9部を収容し、100℃で5h反応させた。反応終了後、180℃まで昇温して脱水し、さらに210℃に昇温した。減圧40torrで、スチーム条件下で9時間と減圧蒸留することにより、比較例2のノボラック型クレゾール樹脂を得た。
比較例2のノボラック型クレゾール樹脂は、汎用ダイマーレスのノボラック型クレゾール樹脂である。この樹脂は、重量平均分子量が9500であり、2核体含有量が4.0%であった。また、上述した手法により求めたアルカリ溶解速度は、250Å/sであった。
比較例1の場合と同様のガラス製フラスコに、о−クレゾール 75g(0.69モル)、p−クレゾール 25g(0.23モル)、42%ホルマリン 65.3g(0.93モル)及び蓚酸 1.0gを収容し、100℃で10時間反応させた。その後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrでの減圧蒸留を2時間行って未反応原料などを除去し、比較例3のノボラック型フェノール樹脂を得た。
比較例3のノボラック型フェノール樹脂は、オルソクレゾールを主成分とするノボラック型フェノールである。この樹脂は、重量平均分子量が1900であり、2核体含有量が4.6%であった。また、上述した手法により求めたアルカリ溶解速度は、4024Å/sであった。
実施例の場合と同様のガラス製フラスコに、合成例1で得られたオルソクレゾールノボラック樹脂(A−1)80部、42%ホルマリン5部(0.07モル)及びシュウ酸1.0部を収容し、100℃で18h反応させた。反応終了後、185℃まで昇温して脱水した後、30torrでの減圧蒸留を2時間行って未反応原料等を除去し、比較例4のノボラック型フェノール樹脂を得た。
比較例4のノボラック型クレゾール樹脂は、GPC分析に基づく重量平均分子量が2100であり、2核体含有量が5.0%であった。また、上述した手法により求めたアルカリ溶解速度は、2300Å/sであった。
次に、本発明のノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト組成物の実施例を示す。
フォトレジスト組成物の特性は、以下のようにレジストパターンを形成して評価した。レジストパターンの形成にあたっては、まず、フォトレジスト組成物を4インチシリコンウェハー上にスピンコーターで塗布し、110℃のホットプレート上で60秒間乾燥させて、厚みが15000Åのレジスト膜を形成した。
得たれたパターンのパターン形状を走査型電子顕微鏡で観察し、以下の基準で感度を評価した。
AA:3mJ/cm2未満でパターンが形成できる。
A:5mJ/cm2未満でパターンが形成できる。
B:5〜60mJ/cm2でパターンが形成できる。
上述と同様に形成されたレジスト膜に対し、テストチャートマスクを用いてパターンを形成し、下記基準で解像度を評価した。
◎:1.5μライン&スペースが解像できる。
○:2.0μライン&スペースが解像できる。
×:2.0μライン&スペースが解像できない。
上述と同様に形成されたレジストパターンに対し、エッチング装置を用いてドライエッチングを行い、エッチング前後の膜厚を測定してレジストパターンのエッチングレートを求めた。エッチング条件は、0.7sccm、80Wとし、エッチングガスとしてCF4を用いた。フォトレジスト用樹脂として比較例2のフェノール樹脂のみを用いた場合のフォトレジスト組成物のエッチングレートを参照値として、得られた結果を参照値と比較した。
フォトレジスト組成物のエッチングレートと参照値との比([フォトレジスト組成物のエッチングレート]/[参照値])を、下記基準で評価した。
AA:参照値の0.75未満の場合
A:参照値の0.75以上〜0.90以下の場合
B:参照値の0.90を超える場合
C:参照値と同等以下
フォトレジスト用樹脂として実施例1のノボラック型フェノール樹脂を用い、以下の方法でフォトレジスト組成物を調製した。すなわち、ノボラック型フェノール樹脂20gと、1,2−ナフトキノンジアジド−5−スルフォニルクロライド 5gとを、75gのPGMEAに溶解し、これを0.2ミクロンメンブレンフィルターで濾過して、実施例4のフォトレジスト組成物を得た。
フォトレジスト用樹脂を、実施例2〜3、比較例1〜4の樹脂に変更した以外は実施例4と同様の手法により、実施例5〜6、比較例5〜8のフォトレジスト組成物を得た。
実施例5〜6、比較例5〜8のフォトレジスト組成物について特性の評価を行った結果を、下記表2にまとめる。
Claims (8)
- オルソクレゾールを主成分とするノボラック樹脂と、分子内に少なくとも2つのメチロール基を有するフェノール化合物との縮重合物を含むフォトレジスト用樹脂。
- 前記オルソクレゾールノボラック樹脂の質量MAと前記フェノール化合物の質量MBとの比(MA/MB)が、50/50〜95/5である請求項1記載のフォトレジスト用樹脂。
- フォトレジスト用樹脂の2核体含有量が、樹脂全体の5%以下である請求項1又は2に記載のフォトレジスト用樹脂。
- オルソクレゾールノボラック樹脂に由来した第1のセグメントと、分子内に少なくとも2つのメチロール基を有するフェノール化合物に由来した第2のセグメントを含み、
前記第1のセグメントと前記第2のセグメントとがブロック化されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂。 - オルソクレゾールとホルムアルデヒドとを縮重合反応させて、オルソクレゾールノボラック樹脂を得る第1工程と、
前記オルソクレゾールノボラック樹脂と、分子内に少なくとも2つのメチロール基を有するフェノール化合物とを縮重合反応させる第2工程と、
を備えるフォトレジスト用樹脂の製造方法。 - 請求項1ないし4のいずれかに記載のフォトレジスト用樹脂を含有することを特徴とするフォトレジスト組成物。
- 感光剤をさらに含有することを特徴とする請求項6に記載のフォトレジスト組成物。
- 前記感光剤がキノンジアジド基を含む化合物であることを特徴とする請求項7に記載のフォトレジスト組成物。
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