JP2022156922A - ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、及びフォトレジスト組成物 - Google Patents

ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、及びフォトレジスト組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】柔軟性があり、且つ、膜硬度の高いフォトレジスト膜を形成できるフォトレジスト組成物、それに用いられるノボラック型フェノール樹脂、およびノボラック型フェノール樹脂の製造方法を提供する。【解決手段】下記一般式(NP)で表されることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂である。JPEG2022156922000032.jpg13170(式中、(SB)は(S2)n(S1)mで表されるブロック(n及びmは同時に0ではない)であり、(S1)は、4,4’‐ビス(モノハロゲン化メチル)ビフェニルと、無置換またはアルキル基を有するフェノールとの重縮合から得られる構造を有する2価の基であり、(S2)は、フェノールとホルムアルデヒドとの重縮合から得られる構造を有する2価の基であり、末端基(TM1)、(TM2)は、同一でも異なっていてもよい1価の基であり、水素、ヒドロキシフェニル基、およびヒドロキシフェニルメチル基から選択されるいずれかである。)【選択図】なし

Description

本発明は、ノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法、及びフォトレジスト組成物に関する。
ノボラック型樹脂等のフェノール樹脂は、接着剤、成形材料、塗料、フォトレジスト材料、エポキシ樹脂原料、およびエポキシ樹脂用硬化剤等に用いられている。例えば、ノボラック型フェノール樹脂をエポキシ樹脂用硬化剤として用いたエポキシ樹脂組成物は、硬化物の耐熱性や耐湿性などに優れることから、半導体封止材やプリント配線板用絶縁材料等の電気・電子分野で幅広く用いられている。
フォトレジスト材料の分野では、ポジ型フォトレジストのアルカリ可溶性樹脂としてノボラック型フェノール樹脂が用いられている。フォトレジスト材料の分野では、近年の用途や機能に応じて細分化された多種多様なレジストパターン形成方法が次々に開発されており、それに伴い、フォトレジスト用樹脂材料の性能に対する要求も、高度化かつ多様化している。
例えば、携帯電話などのフレキシブルプリント配線基板の分野では、ドライフィルムレジストとしてネガ型フォトレジストが利用されているが、解像度の面から微細パターンに有利なポジ型のドライフィルムレジストの適用が検討されている。しかし、ノボラック型フェノール樹脂は固く、膜質が脆く柔軟性に欠けるため、ロール状のポジ型ドライフィルムレジストとすることは困難である。また、ソルダーレジストにおいても、フレキシブル基板に対応した柔軟性が必要となる。よって、アルカリ可溶性樹脂として使用するノボラック型フェノール樹脂は、膜にしたときの弾性率が低いことが求められる。
また、ドライフィルムレジストやソルダーレジストなどにおける、ドライエッチング等のエッチング処理工程においては、レジスト膜は、パターン化された後の欠けを防止するため、物理的エッチングに耐えることのできる十分な硬度を有していることが必要となる。よって、ノボラック型フェノール樹脂には膜にしたときに弾性率が低いことに加えて、硬度が高いことが求められる。
ポジ型フォトレジストのアルカリ可溶性樹脂として最も広く用いられているノボラック型フェノール樹脂としては、クレゾールノボラック型フェノール樹脂が挙げられる(例えば、特許文献1)。
しかしながら、特許文献1で記載されているようなクレゾールノボラック型フェノール樹脂は、前述した高度化かつ多様化している要求性能に対応できるものではなく、得られる樹脂膜の柔軟性や膜硬度も十分でない。
特許文献2には、アルキル置換フェノール類を必須とするフェノール類と、ビフェニル環又はベンゼン環を含む化合物及び/又はホルムアルデヒドからなる架橋体とを特定の割合で導入させたノボラック型フェノール樹脂、及びこのノボラック型フェノール樹脂を含有するフォトレジスト組成物が開示されている。特許文献2におけるノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類がアルキル置換フェノール類のみからなる場合は、重量平均分子量が1000以上~4500未満であり、フェノール類がアルキル置換フェノールと無置換フェノールとを含む場合は、重量平均分子量が1000以上~5500未満に規定されている。
このノボラック型フェノール樹脂を用いることによって、高感度、高残膜率、高解像度を有し、得られるレジスト(保護膜、マスク)は、高耐熱性であると共に、レジスト端部における剥離現象が抑制されて基材との間に安定した密着性を有することができるフォトレジスト組成物を得ることが開示されている。
しかしながら、ここで用いられたノボラック型フェノール樹脂は、フェノール類として、アルキル置換フェノール類を必須とし、比較的重量平均分子量が低いものであった。さらに、得られる樹脂膜の柔軟性や膜硬度については、特許文献2では何ら示唆されていない。
特開昭62-270951号公報 特開2013-133345号公報
本発明は、柔軟性があり、且つ、膜硬度の高いフォトレジスト膜を形成できるフォトレジスト組成物、それに用いられるノボラック型フェノール樹脂、ノボラック型フェノール樹脂の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、フェノールとホルムアルデヒドと特定のビフェニルアラルキル樹脂とを用いて合成されたノボラック型フェノール樹脂を用いたフォトレジスト組成物が、柔軟性があり、且つ、膜硬度の高いフォトレジスト膜を形成できることを見出し、本発明を成すに至った。
すなわち、本発明は、以下の事項に関する。
1. 第1のセグメント(S1)と第2のセグメント(S2)とを含有し、下記一般式(NP)で表されることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
Figure 2022156922000001
上記一般式中、
(SB)は(S2)(S1)で表されるブロック(n及びmは0以上の整数であるが、同時に0ではない)であり、jは1以上の整数であり、(SB)は同一であっても、異なっていてもよく、少なくともnが1以上の(SB)及びmが1以上の(SB)を含み、
(S1)は、下記式(1-2)で表される2価の基であり、
Figure 2022156922000002
(S2)は、下記式(2)で表される2価の基であり、
Figure 2022156922000003
末端基(TM1)、(TM2)は、同一でも異なっていてもよく、以下のいずれかである。
Figure 2022156922000004

ただし、上記式(1-2)、(2)及び(3)中の結合手**は結合手*と結合する。
2. フェノールと、ホルムアルデヒドと、下記式(1)で表されるビフェニルアラルキル樹脂との反応物であって、前記ビフェニルアラルキル樹脂は、下記式(4)で表されるフェノール化合物と、下記式(5)で表されるビフェニル化合物との反応物であることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
Figure 2022156922000005

Figure 2022156922000006

Figure 2022156922000007
3. フェノールと、ホルムアルデヒドと、下記式(1)で表されるビフェニルアラルキル樹脂とを反応させて、ノボラック型フェノール樹脂を製造する方法であって、前記フェノールの質量(w(rS2))と、前記ビフェニルアラルキル樹脂の質量(w(rS1))との比((w(rS1))/(w(rS2)))が0.5以上9以下である製造方法。
Figure 2022156922000008
4. 前記1に記載のフォトレジスト用フェノール樹脂組成物と感光剤とを含有するフォトレジスト組成物。
本発明によれば、柔軟性があり、且つ、膜硬度の高いフォトレジスト膜を形成できるフォトレジスト組成物、それに用いられるノボラック型フェノール樹脂、およびノボラック型フェノール樹脂の製造方法を提供することができる。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、第1のセグメント(S1)と第2のセグメント(S2)とを含有し、下記一般式(NP)で表されるノボラック型フェノール樹脂である。本発明のノボラック型フェノール樹脂は、フォトレジスト組成物のベース樹脂として好適に用いることが出来る。
Figure 2022156922000009

(SB)は(S2)(S1)で表されるブロック(n及びmは0以上の整数であるが、同時に0ではない)であり、jは1以上の整数であり、複数の(SB)は異なっていてもよいが、少なくとも1つの(SB)においてはnおよびmが1以上である。
第1のセグメント(S1)は、下記一般式(1-2)で示される2価の基であり、下記式(1)で表されるビフェニルアラルキル樹脂(rS1)に由来する。第1のセグメント(S1)にビフェニル構造が含まれているので、“m”は一般式(NP)中のビフェニル構造の割合の指標とすることができる。
Figure 2022156922000010
Figure 2022156922000011
第2のセグメント(S2)は、下記式(2)で表される2価の基であり、フェノール(rS2)に由来する。
Figure 2022156922000012
末端基(TM1)、(TM2)は、同一でも異なっていてもよく、以下のいずれかである。
Figure 2022156922000013
前記式(1-2)、式(2)及び式(3)における結合手*及び結合手**は、異なる記号同士である*と**とが結合することを示す。
ビフェニル構造は第1のセグメント(S1)中に含まれているので、一般式(NP)における(S1)の質量は、ビフェニルアラルキル樹脂(rS1)に由来する質量(W(bpa))に相当する。一方、フェノールは、第2のセグメント(S2)、および少なくとも一方の末端基中に含まれており、これらに由来するフェノール構造の質量(W(ph))を求めることができる。質量比((W(bpa))/(W(ph)))は、0.5以上9以下であることが好ましい。
上述の質量比((W(bpa))/(W(ph)))が0.5以上のノボラック型フェノール樹脂を用いることによって、柔軟性を有するフォトレジスト膜を形成可能なフォトレジスト組成物を得ることができる。質量比((W(bpa))/(W(ph)))は、好ましくは1.0以上である。
質量比((W(bpa))/(W(ph)))が9.0以下のノボラック型フェノール樹脂を用いることによって、柔軟性及び硬度とアルカリ水溶液に対する溶解性とのバランスを備えたフォトレジスト膜を形成可能なフォトレジスト組成物を、容易に得ることができる。質量比((W(bpa))/(W(ph)))は、より好ましくは4.0以下であり、さらに好ましくは2.3以下であり、特に好ましくは1.5以下である。
本発明のノボラック型フェノール樹脂のGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定される、ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は、3000~50000が好ましく、5500~40000がより好ましく、8000~35000がさらに好ましく、9000~30000が特に好ましく、9500~28000が最も好ましい。
GPCで測定されるポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)が、上述の範囲であるノボラック型フェノール樹脂は、製造上のハンドリング性や、フォトレジスト組成物としたときの感度、アルカリに対する溶解速度、耐熱性及び柔軟性の点で好ましいものとなる。重量平均分子量が3000より小さい場合は、感度が高過ぎたり、耐熱性に劣る場合や、柔軟性に劣る場合があり、50000より大きい場合は、感度が低く、アルカリに対する溶解速度が遅い場合がある。
本発明のノボラック型フェノール樹脂の軟化点は、90℃~160℃であることが好ましく、100℃~150℃であることがより好ましく、110℃~145℃であることがさらに好ましく、120℃~145℃であることが特に好ましい。軟化点を上記範囲とすることで、フォトレジスト組成物としたときの耐熱性を満たすノボラック型フェノール樹脂を得ることができる。
〔一般式(NP)で表されるノボラック型フェノール樹脂の製造方法〕
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、前記式(1)で示されるビフェニルアラルキル樹脂と、フェノールと、ホルムアルデヒドとを酸性触媒下で縮重合反応させて製造することがきる。フェノールは、フェノール性水酸基を有するベンゼン環であって、置換基を有していない。このようなフェノールを原料として用いることにより、ビフェニル構造の割合の多いノボラック型フェノール樹脂を製造することが可能となった。
<ビフェニルアラルキル樹脂の製造方法>
式(1)で示されるビフェニルアラルキル樹脂は、下記式(4)で示されるフェノール化合物(b1)と下記式(5)で示されるビフェニル化合物(b2)とを無触媒又は好ましくは酸触媒の存在下に、縮合反応させることによって好適に得ることができる。
Figure 2022156922000014
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、t-ブチル基等が挙げられ、好ましくはメチル基である。フェノール化合物(b1)としては、例えば、フェノール、m-クレゾール、p-クレゾ-ル、o-クレゾ-ル、エチルフェノール、プロピルフェノール、ブチルフェノール、ヘキシルフェノールなどの1価フェノール化合物が挙げられる。中でも、フェノールが好適である。すなわち、Rとしては水素原子が最も好ましい。
これらのフェノール化合物は、1種を単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。フォトレジスト組成物としたときに感度、アルカリに対する溶解速度及び柔軟性をバランスよく備える観点から、フェノールを単独で用いることが特に好ましい。
ビフェニル化合物(b2)は、前記式(4)で示されるフェノール化合物(b1)を架橋する成分であり、下記式(5)で示される。
Figure 2022156922000015
アルコキシル基としては、具体的には、メトキシ基及びエトキシ基が挙げられるが、フェノール化合物との反応性及び入手のし易さから、メトキシ基が好ましい。ハロゲンとしては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子及びヨウ素原子が挙げられるが、フェノール化合物との反応性及び入手のし易さから、塩素原子が好ましい。
好ましいビフェニル化合物(b2)の具体例としては、4,4’-ジ(クロロメチル)ビフェニル、4,4’-ジ(メトキシメチル)ビフェニル、および4,4’-ジ(エトキシメチル)ビフェニルが挙げられる。
また、前記式(4)で示されるフェノール化合物(b1)を架橋する成分として、ビフェニル化合物(b2)と併せて、本発明の効果を妨げない範囲内でホルムアルデヒドを共に用いることができる。
ビフェニル化合物(b2)の使用量は、フェノール化合物(b1)1モルに対して、0.1~1.0モルが好ましく、0.3~0.6モルがより好ましい。フェノール化合物(b1)1モルに対して0.1~1.0モルのビフェニル化合物(b2)を使用することで、好ましい範囲の重量平均分子量(Mw)を有するビフェニルアラルキル樹脂を得ることができる。
フェノール化合物(b1)とビフェニル化合物(b2)との縮合反応の際の諸条件を、以下に例示するが、これらに限定されるものではない。<酸触媒>、<反応溶媒>、<反応温度>、<反応時間、反応圧力>及び<後処理>などの諸条件については、従来公知の条件により製造することができる。
<酸触媒>
酸触媒は、特に限定されず、ベンゼンスルホン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸などの有機スルホン酸、塩酸、硫酸などの無機酸などから選択することができる。酸触媒は、単独であるいは2種以上併用して使用することができるが、硫酸、蓚酸またはパラトルエンスルホン酸が特に好ましい。
酸触媒の使用量は、概ねフェノール類に対して0.01~1重量%程度である。例えば、蓚酸の場合は0.3~1.0重量%程度、硫酸の場合は0.05~0.1重量%程度、またパラトルエンスルホン酸の場合は0.1~0.3重量%程度使用するのがよい。
なお、フォトレジスト用組成物に用いる場合には、酸触媒の使用量は極力少ないことが望まれる。樹脂中に酸触媒が残存するとフォトレジストの特性が損なわれるおそれがあることため、アミン類または無機アルカリを使用して酸触媒を中和することが好ましい。
<反応温度>
反応温度が低すぎる場合には重合が進行せず、高すぎる場合には反応の制御が困難となって目的のビフェニルアラルキル樹脂を得ることが困難となる場合がある。通常、50~200℃の温度であれば、適切に反応させることができる。反応温度は、70~180℃が好ましく、80~170℃がより好ましい。
<反応溶媒>
有機溶媒としては、ジエチレングリコールジメチルエーテル、1,2-ジメトキシエタン、1,2-ジエトキシエタン等のエーテル類;プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル類等が挙げられる。これらの有機溶媒の使用量は、通常、反応原料100質量部当り、20~1000質量部である。
<反応時間、反応圧力>
反応時間は、反応温度にもよるが、通常は0.1時間以上20時間以内である。反応圧力は、通常は常圧下で行われるが、若干の加圧ないし減圧下でも行うことができる。
<後処理>
後処理としては、好ましくは反応を停止するために塩基を添加して酸触媒を中和し、続いて酸触媒を除去するために水を加えて水洗を行うことが好ましい。酸触媒の中和のための塩基は特に限定されず、酸触媒を中和して、水に可溶となる塩を形成するものであれば、任意の塩基を使用することができる。
塩基としては、金属水酸化物や金属炭酸塩などの無機塩基、ならびにアミンや有機アミンなどの有機塩基が挙げられる。無機塩基としては、具体的には水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウムや炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウムが挙げられる。有機塩基のアミンあるいは有機アミンの具体例としては、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリブチルアミンなどが挙げられる。好ましくは有機アミンが使用される。使用量は酸触媒の量にもよるが、酸触媒を中和し、反応系内のpHが4~8の範囲に入るような量で使用することが好ましい。
水洗水の量と回数は特に限定されないが、経済的観点も含めて、酸触媒を実使用に影響ない程度の量まで除去する水洗回数としては、1~5回程度が好ましい。また、水洗温度は、特に限定されないが、触媒種除去の効率と作業性の観点から40~95℃が好ましい。水洗中、樹脂と水洗水の分離が悪い場合は、レジンの粘度を低下させる溶媒の添加や水洗温度を上昇させることが効果的である。溶媒種は特に限定されないが、フェノ-ル樹脂を溶解し、粘度を低下させるものであれば使用することができる。
酸触媒を除去した後は、通常は、反応系の温度を130℃~230℃に上げて、例えば20~50torrの減圧下、反応混合物中に残存している未反応原料、有機溶媒等の揮発分を留去する。これによって、目的のビフェニルアラルキル樹脂を好適に分離回収することができる。
以上のようにして、式(1)で表されるビフェニルアラルキル樹脂が製造される。式(1)中、kは繰り返し数を表し、0以上の整数である。得られたビフェニルアラルキル樹脂は、様々な分子量を有する高分子の集合体なので、式(1)におけるkの値は、該集合体における平均値k’として表すことができる。
平均値k’は、ビフェニルアラルキル樹脂のGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定される、ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)が、800~4000となるような値であることが好ましく、1300~3500となるような値であることがより好ましく、1500~3000となるような値であることがさらに好ましく、1800~2500となるような値であることが特に好ましく、1900~2300となるような値であることが最も好ましい。
重量平均分子量が800より小さい場合は、感度が高すぎたり、耐熱性に劣る場合や、柔軟性に劣る場合がありまた、4000より大きい場合は、感度が低く、アルカリに対する溶解速度が遅い場合がある。
式(4)で表されるフェノール化合物(b1)について説明したように、式(1)におけるRとしては水素原子が導入されていることが、フォトレジスト組成物としたときの感度、アルカリに対する溶解速度、耐熱性及び柔軟性のバランスの観点からは好ましい。
式(1)で表されるビフェニルアラルキル樹脂とフェノールとホルムアルデヒドとを、酸触媒の存在下で縮重合反応させることによって、一般式(NP)で表される本発明のノボラック型フェノール樹脂を製造することができる。フェノールは、原料であるだけでなく、反応においては他の成分を溶解する溶媒としても作用する。また、フェノールを用いることで、所望の特性を備えたノボラック型フェノール樹脂を製造することが可能となった。
反応において好ましい態様の一つは、以下のとおりである。まず、反応器にフェノールと必要に応じて溶剤とを加え、次いでビフェニルアラルキル樹脂を加える。フェノールにより、ビフェニルアラルキル樹脂を完全に溶解させた後、ホルムアルデヒドの水溶液を逐次滴下して、3つの原料を反応させる。
式(1)で表されるビフェニルアラルキル樹脂の質量(w(rS1))と、フェノールの質量(w(rS2))との比(原料の仕込みの質量比((w(rS1))/(w(rS2)))は、0.5以上であり、好ましくは1.0以上である。原料の仕込みの質量比((w(rS1))/(w(rS2)))を0.5以上とすることでフォトレジスト膜としたときに柔軟性及び硬度を有する、フォトレジスト用フェノール樹脂組成物を得ることが出来る。
原料の仕込みの質量比((w(rS1))/(w(rS2)))の上限は、好ましくは9.0以下であり、より好ましくは4.0以下であり、さらに好ましくは2.3以下であり、特に好ましくは1.5以下である。前記質量比を9.0以下とすることにより、フォトレジスト用フェノール樹脂組成物としたときに、柔軟性及び硬度と、アルカリに対する溶解速度とをバランスよく備えた組成物を容易に得ることが出来る。
ホルムアルデヒドとしては、特に制限はないが、ホルムアルデヒド水溶液を用いてもよく、また、パラホルムアルデヒド、トリオキサンなど酸存在下で分解してホルムアルデヒドとなる重合物を用いてもよい。好ましくは、取り扱いの容易なホルムアルデヒド水溶液であり、市販の42%ホルムアルデヒド水溶液をそのまま好適に使用することができる。
ホルムアルデヒドの使用量は、フェノール1モルに対して、0.2~1.0モルとすることが好ましく、0.5~0.9モルがより好ましい。フェノールのモル数の0.2~1倍のモル数のホルムアルデヒドを用いることによって、本発明のノボラック型フェノール樹脂の重量平均分子量(Mw)を前記好ましい範囲とすることができる。
一般式(NP)で表されるノボラック型フェノール樹脂の製造において、<酸触媒>、<反応溶媒>、<反応温度>、<反応時間、反応圧力>、および<後処理>などの諸条件については、従来と同様とすることができる。例えば、前述のビフェニルアラルキル樹脂の製造の場合と同様とすることができる。
上述した方法により製造されることから、本発明のノボラック型フェノール樹脂は、前記式(1)で示されるビフェニルアラルキル樹脂(rS1)に由来する第1のセグメント(S1)と、フェノール(rS2)に由来する第2のセグメント(S2)とに由来したセグメントとを含んでブロック化されているものと推測される。上述した反応を下記式(6)および式(7)に表して、これについて説明する。
まず、下記式(6)に示されるように、フェノール化合物とビフェニル化合物との反応によって、ビフェニル構造を有するフェノール樹脂であるビフェニルアラルキル樹脂(rS1)が得られる。
Figure 2022156922000016
次いで、下記式(7)に示すように、フェノール(rS2)とホルムアルデヒドとビフェニルアラルキル樹脂(rS1)とを反応させることにより、第1および第2のセグメントが生じる。第1のセグメント(S1)は、ビフェニルアラルキル樹脂(rS1)の重合単位がブロック化したものである。第2のセグメント(S2)は、フェノール(rS2)とホルムアルデヒドとが縮重合されたフェノール樹脂の重合単位がブロック化したものである。
Figure 2022156922000017
ただし、分子末端は以下のいずれかである。
Figure 2022156922000018
上記式中、mは、第1のセグメント(S1)同士が縮重合した場合の重合度であり、nはフェノールとホルムアルデヒドとが重縮合した第2のセグメント(S2)の重合度である。jは第1のセグメント(S1)と第2のセグメント(S2)とが重縮合した重合度を示す。n及びmは0以上の整数であるが、同時に0ではない。nが1以上の整数かつmが1以上の整数の組み合わせが必ず存在する。また、jは1以上の整数である。
本発明のノボラック型フェノール樹脂は、様々な分子量を有する高分子の集合体なので、m,nおよびjの値は、それぞれの平均値m’,n’およびj’として表すことができる。前記平均値m’,n’およびj’は、本発明のノボラック型フェノール樹脂のGPC(ゲル浸透クロマトグラフィー)で測定される、ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)が、好ましい範囲となるような値の組み合わせである。
式(7)に示されるように、本発明のノボラック型フェノール樹脂においては、第1のセグメント(S1)と第2のセグメント(S2)とを含むセグメント((S2)(S1))がブロック化されている。すなわち、一般式(NP)で表される本発明のノボラック型フェノール樹脂は、例えば・・・(S2S2)(S1S1S1)S2・・・や、・・・S2(S1S1)S2S1(S2S2)S1・・・のような構造を有する。
フェノール成分とアルデヒド成分とBCMB(4,4’-ジ(クロロメチル)ビフェニル)とを一段階でランダム重縮合反応(共縮合反応)させた場合には、このようなブロック化されたノボラック型フェノール樹脂は得られない。本発明においては、特定の原料から得られた特定のビフェニルアラルキル樹脂を、フェノールおよびホルムアルデヒドと反応させているので、従来とは化学構造の異なるノボラック型フェノール樹脂を製造することができた。
本発明のノボラック型フェノール樹脂において、ビフェニル構造を有する第1のセグメント(S1)は、主に、フォトレジスト膜の柔軟性及び硬度に寄与すると考えられる。また、フェノールに由来する第2のセグメント(S2)は、フォトレジスト膜のアルカリに対する溶解速度に寄与すると考えられる。
よって、本発明のノボラック型フェノール樹脂は、フォトレジスト組成物のベース樹脂として好適に用いることができる。
本発明のフォトレジスト組成物は、本発明のノボラック型フェノール樹脂と感光剤とを含む。本発明のフォトレジスト組成物を用いることによって、柔軟性のあるレジスト膜が得られ、これをアルカリ溶液により現像することで良好なレジストパターンを形成することができる。
感光剤としては、限定するものではないが、キノンジアジド基を有するキノンジアジド化合物を含有する感光剤が好ましく、1、2-キノンジアジド化合物を含有する感光剤が特に好ましい。キノンジアジド基を含む化合物の感光剤としては、従来、キノンジアジド-ノボラック系のフォトレジストで用いられている感光剤であれば、いずれも好適に用いることができる。
このような感光剤としては、ナフトキノンジアジドスルホン酸クロライドやベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライド等と、これらの酸クロライドと縮合反応可能な官能基を有する低分子化合物または高分子化合物とを反応させることによって得られた化合物が好ましい。ここで、酸クロライドと縮合可能な官能基としては、水酸基およびアミノ基等が挙げられるが、特に水酸基が好適である。
酸クロライドと縮合可能な水酸基を有する化合物としては、例えばハイドロキノン、レゾルシン、2,4-ジヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,6-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’-トリヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’-テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4,6’-ペンタヒドロキシベンゾフェノン等のヒドロキシベンゾフェノン類、ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,3,4-トリヒドロキシフェニル)メタン、ビス(2,4-ジヒドロキシフェニル)プロパン等のヒドロキシフェニルアルカン類、4,4’,3”,4”-テトラヒドロキシ-3,5,3’,5’-テトラメチルトリフェニルメタン、4,4’,2”,3”,4”-ペンタヒドロキシ-3,5,3’,5’-テトラメチルトリフェニルメタン等のヒドロキシトリフェニルメタン類などを挙げることができる。これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
また、酸クロライドとしては、例えばナフトキノンジアジドスルホン酸クロライド、およびベンゾキノンジアジドスルホン酸クロライドが挙げられる。これらの具体例の好ましいものとしては、例えば、1,2-ナフトキノンジアジド-5-スルフォニルクロライド、および1,2-ナフトキノンジアジド-4-スルフォニルクロライドなどが挙げられる。
本発明のフォトレジスト用組成物において、感光剤の含有量は、ノボラック型フェノール樹脂100質量部に対して、通常5~50質量部であり、好ましくは10~40質量部である。感光剤の含有量が5質量部以上であれば、感光性組成物として十分な感度を確保することができる。また、感光剤の含有量が50質量部以下であれば、成分の析出という問題を実質的に回避することができる。
また、本発明のフォトレジスト用組成物は、溶媒に均一に溶解することが好ましい。フォトレジスト用組成物に用いられる溶媒種や量は、特に限定しないが、塗膜を形成する際に適当な乾燥速度で蒸発して均一で平滑な塗膜を与えるように、その種類や量が選択される。溶媒としては、例えば、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコールエーテルエステル類、ピルビン酸エチル、酢酸n-アミル若しくは乳酸エチル等のエステル類、2-ヘプタノン、γ-ブチルラクトン等のケトン類を好適に挙げることができる。これらの溶媒は単独で、或いは2種以上を混合して使用される。
本発明のレジスト組成物は、上述したノボラック型フェノール樹脂および感光剤に加えて、レジスト組成物の慣用成分である、酸化防止剤等の安定剤、可塑剤、界面活性剤、密着性向上剤、溶解促進剤、および溶解阻害剤などを適宜添加することができる。
本発明のフォトレジスト用組成物は、ポジ型フォトレジスト組成物として好適に用いることができる。使用には従来の方法を採用することができ、一例を示せば、次のとおりである。すなわち、表面に酸化膜を形成したシリコンウエハーを基材とし、その表面にスピンコーターなどを用いて本発明のフォトレジスト用組成物の塗膜を形成する。必要に応じてプリベークを行った後、縮小投影露光装置などを用いて塗膜にパターン露光を行う。次いで、例えば2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロオキサイド水溶液等の現像液を用いて現像して塗膜の露光部を除去し、必要に応じて純水などによるリンスを行った後でポストベークを行って、基材上にレジストパターンを形成する。
その後、例えば、レジストパターンから露出する酸化膜をエッチングにより除去して、酸化膜をパターン化する。さらに、酸化膜上のレジストパターンを除去して、パターン化された酸化膜を有するシリコンウエハーを得る。次いで酸化膜パターンから露出するシリコンウェハーにイオン注入によって例えばドナーとなる元素を拡散させれば、n型半導体が得られる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明は、これら実施例に限定されるものではない。
実施例で用いた、ビフェニルアラルキル樹脂(以下、ビフェニルアラルキル樹脂(rS1)とする)は、以下のとおりである。
ビフェニルアラルキル樹脂(rS1):
下記一般式(8)で示されるビフェニルアラルキル樹脂(軟化点:83℃、重量平均分子量(Mw):2100)
Figure 2022156922000019
〔実施例1〕
温度計、仕込・留出口および撹拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコに、フェノール50g(0.53モル)、ビフェニルアラルキル樹脂(rS1)(以下、樹脂(rS1)と略記することもある。)50g、およびパラトルエンスルホン酸(以下、PTSと略記することもある。)0.05g、溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(以下、PGMAと略記することもある。)10gを収容した。これを、85℃まで昇温した後、42%ホルマリン 30.4g(0.43モル)を1時間かけて添加した。
ホルマリン添加後に温度を95℃まで昇温し、16時間反応させた。その後、160℃まで昇温して脱水した後、30Torrで1時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、実施例1のノボラック型フェノール樹脂を得た。
〔実施例2〕
温度計、仕込・留出口および撹拌機を備えた容量500mLのガラス製フラスコに、フェノール50g(0.53モル)、樹脂(rS1)50g、およびPTS(0.05g、溶剤としてPGMA10gを収容した。これを、85℃まで昇温した後、42%ホルマリン 34.2g(0.48モル)を1時間かけて添加した。
ホルマリン添加後に温度を95℃まで昇温し、16時間反応させた。その後、160℃まで昇温して脱水した後、30Torrで1時間減圧蒸留を行って未反応原料などを除去し、実施例2のノボラック型フェノール樹脂を得た。
〔比較例1〕
クレゾールノボラック樹脂(メタクレゾールとパラクレゾールとの比率が4/6)を、比較例1とした。このクレゾールノボラック樹脂は、フォトレジストのベースノボラックとして使用されている。
〔比較例2〕
実施例1、2のノボラック型フェノール樹脂の原料として用いた、ビフェニルアラルキル樹脂(rS1)(軟化点:83℃、重量平均分子量(Mw):2100)を比較例2とした。
実施例で得られたノボラック型フェノール樹脂、および比較例の樹脂について、重量平均分子量(Mw)、軟化点およびアルカリ溶解速度を調べた。
樹脂の分析方法や評価方法は、以下のとおりである。
(1)重量平均分子量(Mw)
以下の条件でGPC測定を行い、ポリスチレン換算による重量平均分子量を求めた。
型式:Waters e2695 Waters(株)製
カラム:Shodex製 LF-804 1本
測定条件:カラム圧力 2.7MPa
溶離液:テトラヒドロフラン(THF)
フローレート:1mL/min
温度:40℃
検出器:UV-Visible Detector 2489
WAVE LENGTH:254nm
インジェクション量:100μmL
試料濃度:5mg/mL
(2)軟化点(SP)
JIS K0070に準じた環球法軟化点測定によって行った。
(3)アルカリ溶解速度(DR)
各樹脂3gをPGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート)9gに溶解して、樹脂溶液を調製した。これらを0.2ミクロンメンブレンフィルターで濾過した。これを4インチシリコンウエハー上に約1.5μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布し、110℃のホットプレート上で60秒間乾燥させた。次いで、現像液(1.60%テトラメチルアンモニウムヒドロオキシド水溶液)を用い、完全に膜が消失するまでの時間を計測した。初期膜厚を溶解するまでの時間で割った値を溶解速度とした。
得られた結果を、各樹脂の処方とともに下記表1にまとめる。
Figure 2022156922000020
上記表1に示されるように、ビフェニルアラルキル樹脂のみでフェノールが用いられない場合(比較例2)には、アルカリ現像液に溶解させることができない。
所定量のホルムアルデヒドとともにビフェニルアラルキル樹脂を用いることによって、適切な軟化点、アルカリ溶解速度を備えた高分子量のノボラック型フェノール樹脂が得られることが、実施例1,2の結果からわかる。
実施例のノボラック型フェノール樹脂、および比較例1,2の樹脂を用いて塗膜を形成し、その塗膜について鉛筆硬度試験を行うとともに、柔軟性を評価した。試験方法および評価方法は、以下のとおりである。
(1) 鉛筆硬度試験
各樹脂5gをPGMEAに溶解して、固形分40%の樹脂溶液を調製した。50μmのアプリケーターを使用して、基材(アルミニウム板(5052材)に成膜した。これを110℃で10分間乾燥し、乾燥後の膜厚がおよそ10μmである塗膜を得た。
得られた塗膜について、JIS-K5400に記載の鉛筆法による引っかき硬度を測定した。
(2)柔軟性評価(微小硬度計による硬さ、弾性率の評価)
各樹脂5gをPGMEAに溶解して、固形分25%の樹脂溶液を調製した。シリコンウェハー上に5.0μmの厚みになるようにスピンコーターで塗布した後、ホットプレート上、110℃で90秒間乾燥させた。
得られた塗膜について、エリオニクス製ENT-1100a(超微小押し込み硬さ試験機)を用いて、試験荷重2mNで試験を行った。まず、試料に圧子を押し込み、圧子への負荷荷重と押し込み深さを負荷時、除荷時にわたり連続的に測定した。測定結果から負荷荷重-押し込み深さ曲線を得、この曲線から硬さ・弾性率のデータを求めた。
得られた結果を、下記表2にまとめる。なお、比較例2の樹脂は、不溶であったため評価することができなかった。
Figure 2022156922000021
上記表2に示されるように、本発明のノボラック型フェノール樹脂(実施例1,2)の塗膜は、鉛筆硬度試験の結果が2Hであり、クレゾール樹脂(比較例1)の塗膜より膜表面が硬いことがわかる。
微小硬度計の硬さや弾性率を比較すると、本発明のノボラック型フェノール樹脂(実施例1,2)の塗膜は、クレゾール樹脂(比較例1)より小さい。本発明のノボラック型フェノール樹脂の塗膜は、膜表面は硬く強度を有しているが、微小な押し込みの力に対しては柔軟性があることが示された。すなわち、本発明のノボラック型フェノール樹脂の塗膜は、は硬くてしかも柔軟性があり割れにくいと考えられる。
以上においては、ノボラック型フェノール樹脂の塗膜について評価したが、感光剤等の成分を配合して調製したフォトレジスト組成物の塗膜も同様の結果となる。

Claims (5)

  1. 第1のセグメント(S1)と第2のセグメント(S2)とを含有し、下記一般式(NP)で表されることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
    Figure 2022156922000022

    上記一般式中、
    (SB)は(S2)(S1)で表されるブロック(n及びmは0以上の整数であるが、同時に0ではない)であり、jは1以上の整数であり、(SB)は同一であっても、異なっていてもよく、少なくともnが1以上の(SB)及びmが1以上の(SB)を含み、
    (S1)は、下記式(1-2)で表される2価の基であり、
    Figure 2022156922000023

    (S2)は、下記式(2)で表される2価の基であり、
    Figure 2022156922000024

    末端基(TM1)、(TM2)は、同一でも異なっていてもよく、以下のいずれかである。
    Figure 2022156922000025

    ただし、上記式(1-2)、(2)及び(3)中の結合手**は結合手*と結合する。
  2. フェノールと、ホルムアルデヒドと、下記式(1)で表されるビフェニルアラルキル樹脂との反応物であって、前記ビフェニルアラルキル樹脂は、下記式(4)で表されるフェノール化合物と、下記式(5)で表されるビフェニル化合物との反応物であることを特徴とするノボラック型フェノール樹脂。
    Figure 2022156922000026

    Figure 2022156922000027

    Figure 2022156922000028
  3. フェノールと、ホルムアルデヒドと、下記式(1)で表されるビフェニルアラルキル樹脂とを反応させて、ノボラック型フェノール樹脂を製造する方法であって、前記フェノールの質量(w(rS2))と、前記ビフェニルアラルキル樹脂の質量(w(rS1))との比((w(rS1))/(w(rS2)))が0.5以上9以下である製造方法。
    Figure 2022156922000029
  4. 前記式(1)で表されるビフェニルアラルキル樹脂は、下記式(4)で表されるフェノール化合物と下記式(5)で表されるビフェニル化合物とを反応させて得る請求項3記載の製造方法。
    Figure 2022156922000030

    Figure 2022156922000031
  5. 請求項1に記載のノボラック型フェノール樹脂と感光剤とを含有するフォトレジスト組成物。

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