JP2019147855A - 感光性樹脂組成物及びその製造方法、並びにその用途 - Google Patents

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Abstract

【課題】水への膨潤率及び溶出率が低く、耐水性に優れる感光性樹脂組成物を提供する。【解決手段】不飽和カルボン酸又はその誘導体に由来する二重結合を側鎖に有する変性ポリビニルアルコール(A)、光重合開始剤(B)及び化合物(C)を含有する感光性樹脂組成物(D)であって;化合物(C)が、共役二重結合を有し、かつ該共役二重結合を構成する炭素原子に結合した水酸基を2つ以上有する化合物又はその塩若しくはその酸化物(C1);環状ニトロキシルラジカル(C2);及びアルコキシフェノール(C3);からなる群より選択される少なくとも1種であり、変性ポリビニルアルコール(A)の粘度平均重合度が200以上4500以下であり、けん化度が65モル%以上99.9モル%以下であり、1,2−グリコール結合量が1.4モル%以上1.9モル%未満である感光性樹脂組成物(D)。【選択図】なし

Description

本発明は、特定の変性ポリビニルアルコール、光重合開始剤及び特定の化合物を含有する感光性樹脂組成物及びその製造方法、並びに該感光性樹脂組成物からなる粉末に関する。また、本発明は感光性樹脂組成物を用いてなるコーティング剤、塗工物及び感熱記録材料に関する。
ポリビニルアルコールは水溶性の合成高分子として知られており、合成繊維であるビニロンの原料、紙加工剤、印刷版材、繊維加工剤、接着剤、乳化重合及び懸濁重合用の安定剤、無機物のバインダー、フィルムなどの用途に広く用いられている。一方で結晶性を制御したり、官能基を導入して特定の性能を向上させた高機能化の追求も行われており、いわゆる変性ポリビニルアルコールも種々開発されている。
感光性の官能基を含有する変性ポリビニルアルコールは単独で、あるいは光重合性化合物等を添加した後に紫外線を照射することで架橋体を形成できる。このような架橋形成システムを利用した用途として、ポリビニルアルコール中に溶剤に可溶な部分と不溶な部分とが形成することを利用した印刷版材、あるいは耐水性に優れた皮膜を形成することを利用したコーティング剤などが挙げられる。
感光性の変性ポリビニルアルコールとして、これまでにいくつかの提案がなされている。例えば、特許文献1には、アセタール化を利用してスチリルピリジニウム残基やスチリルキノリニウム残基を感光性の官能基として導入した、感光性の変性ポリビニルアルコールが例示されている。しかしながら、アセタール化には大量の酸触媒が必要であり、例えば該変性ポリビニルアルコールをコーティング剤などに使用する場合には、変性ポリビニルアルコール中に残存する酸触媒に由来する塗工機等の腐食問題が懸念される。
一方、アセタール化を用いない感光性の変性ポリビニルアルコールとしては、特許文献2に、側鎖にカルボキシル基を有するポリビニルアルコールにメタクリル酸グリシジルを反応させることにより、メタクリロイル基を側鎖に導入した変性ポリビニルアルコールが例示されている。しかしながら、該変性ポリビニルアルコールを得るためには多段階の反応を経る必要があり、工程が複雑となる。
特公平8−9262号公報 特開平3−274558号公報
本発明は、感光性の変性ポリビニルアルコールを含有し、紫外線照射後の皮膜耐水性に優れる感光性樹脂組成物を提供することを目的とする。また、アセタール化を用いない簡便な感光性樹脂組成物の製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らが鋭意検討を重ねた結果、不飽和カルボン酸又はその誘導体に由来する二重結合を側鎖に有する変性ポリビニルアルコール、光重合開始剤及び特定の化合物を含有する感光性樹脂組成物により上記課題が解決されることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は以下の発明に関する。
[1]不飽和カルボン酸又はその誘導体に由来する二重結合を側鎖に有する変性ポリビニルアルコール(A)、光重合開始剤(B)及び化合物(C)を含有する感光性樹脂組成物(D)であって;
化合物(C)が、共役二重結合を有し、かつ該共役二重結合を構成する炭素原子に結合した水酸基を2つ以上有する化合物又はその塩若しくはその酸化物(C1);環状ニトロキシルラジカル(C2);及びアルコキシフェノール(C3);からなる群より選択される少なくとも1種であり、
変性ポリビニルアルコール(A)の粘度平均重合度が200以上4500以下であり、けん化度が65モル%以上99.9モル%以下であり、1,2−グリコール結合量が1.4モル%以上1.9モル%未満である感光性樹脂組成物(D)。
[2]共役二重結合を有し、かつ該共役二重結合を構成する炭素原子に結合した水酸基を2つ以上有する化合物又はその塩若しくはその酸化物(C1)が、芳香環を構成する炭素原子に水酸基が2つ以上結合した化合物又はその塩若しくはその酸化物である、上記[1]の感光性樹脂組成物(D)。
[3]共役二重結合を有し、かつ該共役二重結合を構成する炭素原子に結合した水酸基を2つ以上有する化合物又はその塩若しくはその酸化物(C1)が、α,β−不飽和カルボニル化合物のα位とβ位に水酸基が2つ以上結合した化合物又はその塩若しくはその酸化物である、上記[1]の感光性樹脂組成物(D)。
[4]変性ポリビニルアルコール(A)が、二重結合を側鎖に0.01モル%以上5モル%未満有する、上記[1]〜[3]のいずれかの感光性樹脂組成物(D)。
[5]変性ポリビニルアルコール(A)がさらにエチレン単位を主鎖に有し、該エチレン単位の含有量が1モル%以上20モル%未満である、上記[1]〜[4]のいずれかの感光性樹脂組成物(D)。
[6]イエローインデックスが40未満である、上記[1]〜[5]のいずれかの感光性樹脂組成物(D)からなる粉末。
[7]上記[1]〜[5]のいずれかの感光性樹脂組成物(D)及び水を含有するコーティング剤。
[8]上記[7]のコーティング剤を基材表面に塗工してなる塗工物。
[9]上記[8]の塗工物からなる感熱記録材料。
[10]化合物(C)の存在下で、ポリビニルアルコール(E)と、不飽和カルボン酸又はその誘導体とを反応させて変性ポリビニルアルコール(A)及び化合物(C)を含有する組成物を得る工程、及び該組成物と光重合開始剤(B)とを混合する工程を有する、上記[1]〜[5]のいずれかの感光性樹脂組成物(D)の製造方法。
本発明の感光性樹脂組成物に紫外線を照射して得られる皮膜は、水への膨潤率及び溶出率が低く、耐水性に優れる。また、本発明の製造方法によれば、アセタール化を用いない簡便な方法で、該感光性樹脂組成物を得ることができる。
[感光性樹脂組成物(D)]
本発明の感光性樹脂組成物(D)は、不飽和カルボン酸又はその誘導体に由来する二重結合を側鎖に有する変性ポリビニルアルコール(A)(以下、「変性PVA(A)」と略記することがある)、光重合開始剤(B)及び化合物(C)を含有する。本発明の感光性樹脂組成物(D)は、紫外線を照射することにより架橋体を形成し、耐水性に優れた皮膜を形成できる。
本発明の感光性樹脂組成物(D)の製造方法に特に制限はないが、好適な製造方法は、化合物(C)の存在下で、ポリビニルアルコール(E)と不飽和カルボン酸又はその誘導体とを反応させて変性ポリビニルアルコール(A)及び化合物(C)を含有する組成物を得る工程、及び該組成物と光重合開始剤(B)とを混合する工程を有する方法である。ここで、ポリビニルアルコール(E)は、二重結合を側鎖に有さないPVAのことである(以下、「PVA(E)」と記載することがある)。
(変性PVA(A))
上記PVA(E)は、ビニルエステル系単量体を塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等の従来公知の方法を採用して重合し、得られるポリビニルエステルをけん化反応に付することにより製造できる。工業的観点から好ましい重合方法は、溶液重合法、乳化重合法および分散重合法である。重合操作にあたっては、回分法、半回分法および連続法のいずれの重合方式を採用することも可能である。
重合に用いることができるビニルエステル系単量体としては、例えば、酢酸ビニル、ギ酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプリル酸ビニル、バーサチック酸ビニルなどを挙げることができ、これらの中でも酢酸ビニルが工業的観点から好ましい。
ビニルエステル系単量体の重合に際して、本発明の趣旨を損なわない範囲であればビニルエステル系単量体を他の単量体と共重合させても差し支えない。使用しうる単量体としては、例えば、エチレン、プロピレン、n−ブテン、イソブチレンなどのα−オレフィン;アクリル酸およびその塩、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシルなどのアクリル酸エステル類;メタクリル酸およびその塩;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸i−プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸i−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシルなどのメタクリル酸エステル類;アクリルアミド、N−メチルアクリルアミド、N−エチルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、アクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールアクリルアミドおよびその誘導体などのアクリルアミド誘導体;メタクリルアミド、N−メチルメタクリルアミド、N−エチルメタクリルアミド、メタクリルアミドプロパンスルホン酸およびその塩、メタクリルアミドプロピルジメチルアミンおよびその塩またはその4級塩、N−メチロールメタクリルアミドおよびその誘導体などのメタクリルアミド誘導体;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、i−プロピルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、i−ブチルビニルエーテル、t−ブチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、ステアリルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのニトリル類;塩化ビニル、フッ化ビニルなどのハロゲン化ビニル類;塩化ビニリデン、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン類;酢酸アリル、塩化アリルなどのアリル化合物;マレイン酸、イタコン酸、フマル酸などの不飽和ジカルボン酸およびその塩またはそのエステル;ビニルトリメトキシシランなどのビニルシリル化合物;酢酸イソプロペニルなどが挙げられる。このような他の単量体の共重合量は、通常、20モル%以下である。
また、ビニルエステル系単量体の重合に際して、得られるポリビニルエステルの重合度を調節することなどを目的として、連鎖移動剤を共存させても差し支えない。連鎖移動剤としては、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ブチルアルデヒド、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類;アセトン、メチルエチルケトン、ヘキサノン、シクロヘキサノンなどのケトン類;2−ヒドロキシエタンチオール、ドデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;トリクロロエチレン、パークロロエチレンなどのハロゲン化炭化水素類が挙げられ、中でもアルデヒド類およびケトン類が好適に用いられる。連鎖移動剤の添加量は、添加する連鎖移動剤の連鎖移動定数および目的とするポリビニルエステルの重合度に応じて決定されるが、一般にビニルエステル系単量体に対して0.1〜10質量%が望ましい。
ポリビニルエステルのけん化反応には、従来公知の水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ナトリウムメトキシドなどの塩基性触媒、またはp−トルエンスルホン酸などの酸性触媒を用いた、加アルコール分解ないし加水分解反応が適用できる。けん化反応に用いられる溶媒としては、メタノール、エタノールなどのアルコール類;酢酸メチル、酢酸エチルなどのエステル類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ベンゼン、トルエンなどの芳香族炭化水素などが挙げられ、これらは単独で、または2種以上を組合せて用いることができる。中でも、メタノールまたはメタノールと酢酸メチルとの混合溶液を溶媒として用い、塩基性触媒である水酸化ナトリウムの存在下にけん化反応を行うのが簡便であり好ましい。
上記けん化反応を経て得られるPVA(E)と不飽和カルボン酸又はその誘導体とを化合物(C)の存在下でエステル化反応させる方法により、変性PVA(A)を得ることができる。このとき、化合物(C)の存在下で反応を行うことで、得られる変性PVA(A)、さらには変性PVA(A)を含有する感光性樹脂組成物(D)からなる粉末の色相をより一層改善することができる。また、PVA(E)と不飽和カルボン酸又はその誘導体とを反応させる際、反応を促進するために、加熱することが好ましい。加熱温度は、80〜180℃であることが好ましい。加熱時間は加熱温度との関係で適宜設定されるが、通常、10分〜24時間である。
化合物(C)の存在下で、PVA(E)と不飽和カルボン酸又はその誘導体とを反応させる方法に特に制限はないが、(i)不飽和カルボン酸又はその誘導体、PVA(E)及び化合物(C)とを溶媒に溶解させ、溶液中で化合物(C)の存在下で不飽和カルボン酸又はその誘導体とPVA(E)とを反応させる方法、(ii)粉末状の不飽和カルボン酸又はその誘導体、粉末状のPVA(E)及び粉末状の化合物(C)とを無溶媒で反応させる方法、(iii)不飽和カルボン酸又はその誘導体及び化合物(C)を溶媒に溶解させた溶液にPVA(E)の粉末を加えて膨潤させた後、当該溶媒を除去することにより混合粉末を得て、得られた混合粉末を加熱する方法等が挙げられる。
方法(i)で用いる溶媒は、PVA(E)、不飽和カルボン酸又はその誘導体及び化合物(C)を溶解させることができれば特に制限されない。例えば、水、ジメチルスルホキシドなどが挙げられる。溶液の固形分濃度は、1〜40質量%が好ましい。
方法(iii)において、不飽和カルボン酸又はその誘導体及び化合物(C)を溶解させる溶媒としては、メタノール、エタノール、プロパノール等のアルコール、酢酸メチルなどのエステル、水などが用いられる。溶媒の除去は加熱又は減圧することにより行うことができる。
方法(ii)又は(iii)において、加熱する前の混合粉末における、不飽和カルボン酸又はその誘導体の量は、PVA(E)100質量部に対して0.01質量部以上が好ましく、0.1質量部以上がより好ましく、0.5質量部以上がさらに好ましい。一方、加熱する前の混合粉末における、不飽和カルボン酸又はその誘導体の量は、PVA(E)100質量部に対して25質量部以下が好ましく、20質量部以下がより好ましく、15質量部以下がさらに好ましい。
方法(i)で変性PVA(A)を得るには、PVA(E)の溶解工程、不飽和カルボン酸又はその誘導体との反応工程、洗浄工程、溶媒除去工程など多くの工程を要するので、生産性や製造コストの観点からは、上記方法(ii)又は(iii)が好適に採用される。生産性や製造コストを重視する場合には、上記方法(ii)が好ましく、変性PVA(A)の均質性を重視する場合には、上記方法(iii)が好ましい。
(不飽和カルボン酸又はその誘導体)
本発明で用いられる不飽和カルボン酸又はその誘導体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、プロピン酸、2−ペンテン酸、4−ペンテン酸、2−ヘプテン酸、2−オクテン酸、ケイ皮酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、ドコサヘキサエン酸、ソルビン酸等の不飽和モノカルボン酸及びその塩;アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸2−ヒドロキシプロピル、アクリル酸2−メトキシエチル、アクリル酸2−エトキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸2−メトキシエチル、メタクリル酸2−エトキシエチル等の不飽和モノカルボン酸ヒドロキシエステル及びその誘導体;マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、メサコン酸、ムコン酸、フェニルマレイン酸、クロロマレイン酸等の不飽和ジカルボン酸及びその塩;アコニット酸等の不飽和トリカルボン酸;無水マレイン酸、無水イタコン酸、無水シトラコン酸等の不飽和カルボン酸無水物;アクリル酸アルキルエステル、メタクリル酸アルキルエステル、クロトン酸アルキルエステル等の不飽和カルボン酸アルキルエステル;マレイン酸モノメチルエステル(マレイン酸モノメチル)などのマレイン酸モノアルキルエステル、フマル酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等の不飽和ジカルボン酸モノエステル;マレイン酸ジアルキルエステル、フマル酸ジアルキルエステル、イタコン酸ジアルキルエステル等の不飽和ジカルボン酸ジエステルが挙げられる。これらは1種を単独で又は2種以上を併用できる。
これらの中でも不飽和カルボン酸又はその誘導体が、PVA(E)の水酸基との反応性の観点から、不飽和カルボン酸、不飽和カルボン酸モノエステル、不飽和ジカルボン酸、不飽和カルボン酸無水物又は不飽和ジカルボン酸モノエステルであることが好ましい。また、沸点がある程度高く扱いやすい観点から、不飽和カルボン酸又はその誘導体は、メタクリル酸メチル、3,3−ジメチル−4−ペンテン酸メチル、無水マレイン酸、シトラコン酸、イタコン酸、フマル酸、無水マレイン酸、アコニット酸、フェニルマレイン酸、クロロマレイン酸、ムコン酸又はマレイン酸モノアルキルエステルがより好ましく、メタクリル酸メチル、シトラコン酸、イタコン酸がさらに好ましい。
変性PVA(A)が、不飽和カルボン酸又はその誘導体に由来する二重結合を側鎖に0.01モル%以上5モル%未満有することが好ましい。ここで、変性PVA(A)が不飽和カルボン酸又はその誘導体に由来する二重結合を側鎖に0.01モル%以上5モル%未満有するとは、変性PVA(A)が、不飽和カルボン酸又はその誘導体に由来する二重結合を側鎖に有し、当該二重結合量が全モノマー単位に対して0.01モル%以上5モル%未満であることをいう。
上記二重結合の量が0.01モル%未満である場合、紫外線を照射した後の皮膜について水への膨潤率や溶出率が高くなり、耐水性が不十分となる傾向がある。上記二重結合の量は0.03モル%以上がより好ましく、0.05モル%以上がさらに好ましい。一方、上記二重結合含有量が5モル%以上の変性PVA(A)は製造が困難であり、製造できたとしても生産性が低い傾向がある。上記二重結合の量は4.5モル%以下がより好ましく、4モル%以下がさらに好ましく、3.5モル%以下が特に好ましい。なお、上記二重結合は炭素−炭素二重結合を意味する。
変性PVA(A)における不飽和カルボン酸又はその誘導体に由来する二重結合の量は公知の方法で測定可能である。具体的には1H−NMRによる測定が簡便である。当該二重結合の量を測定する場合は、未反応の不飽和カルボン酸又はその誘導体をあらかじめ除去し、精製した後に行うことが好ましい。精製方法に特に制限はなく、変性PVA(A)が溶解せず、未反応の不飽和カルボン酸又はその誘導体が溶解可能な溶液で洗浄する方法も可能であるが、変性PVA(A)を一度、濃度1〜20質量%程度の水溶液とした後、変性PVA(A)が溶解せず、未反応の不飽和カルボン酸又はその誘導体が溶解可能な溶液中に水溶液を滴下し、変性PVA(A)を析出させることで精製する再沈殿法が簡便で好ましい。
変性PVA(A)の粘度平均重合度は200以上であることが重要であり、250以上が好ましく、300以上がより好ましい。粘度平均重合度が200未満の場合は、水への溶解性が高く、紫外線を照射した後の皮膜について水への膨潤率や溶出率が高くなり、耐水性が不十分となる。一方、変性PVA(A)の粘度平均重合度は4500以下であることが重要であり、4000以下が好ましく、3000以下がより好ましい。粘度平均重合度が4500を超える場合は、製造が困難であり、製造できたとしても生産性が低い傾向がある。粘度平均重合度はJIS−K6726(1994年)に準じて測定して得られる値である。具体的には、けん化度が99.5モル%未満の場合には、けん化度99.5モル%以上になるまでけん化したPVAについて、水中、30℃で測定した極限粘度[η](リットル/g)を用いて下記式により粘度平均重合度(P)を求めた。
P=([η]×104/8.29)(1/0.62)
変性PVA(A)の水溶性の観点から、変性PVA(A)のけん化度は65モル%以上であることが重要であり、68モル%以上が好ましく、70モル%以上がより好ましい。けん化度が65モル%未満の場合は、水への溶解性が不十分となる。一方、変性PVA(A)のけん化度は99.9モル%以下であることが重要であり、99.5モル%以下が好ましい。けん化度が99.9モル%を超える場合は、製造が困難であり、製造できたとしても生産性が低い傾向がある。けん化度はJIS−K6726(1994年)に準じて測定して得られる値である。
変性PVA(A)の1,2−グリコール結合量は1.4モル%以上であることが重要であり、1.5モル%以上が好ましく、1.6モル%以上がより好ましい。1,2−グリコール結合量が1.4モル%未満の変性PVA(A)は、結晶性が高く、水への溶解性が不十分となる。一方、変性PVA(A)の1,2−グリコール結合量は1.9モル%未満であることが重要であり、1.8モル%以下が好ましく、1.7モル%以下がより好ましい。1,2−グリコール結合量が1.9モル%以上の変性PVA(A)は、結晶性が低く、得られる皮膜の耐水性が不十分となる。なお、1,2−グリコール結合量は、後述の実施例の通り1H−NMRスペクトルの解析から求められる。
変性PVA(A)における1,2−グリコール結合量を調整する方法に特に制限はないが、例えばビニレンカーボネートを、PVA(E)における1,2−グリコール結合量が上記範囲内になるよう共重合する方法や、重合温度を通常の条件より高い温度、具体的には、例えば75〜200℃とし、加圧下に重合する方法などが挙げられる。後者の方法において、重合温度は190℃以下が好ましく、180℃以下がより好ましい。
変性PVA(A)がさらにエチレン単位を主鎖に有し、該エチレン単位の含有量が1モル%以上20モル%未満であることが好ましい。ここで、エチレン単位を主鎖に有するとは、変性PVA(A)がエチレンモノマーに由来する構造単位(−(CH2−CH2)−)を主鎖に有することをいう。また、エチレン単位の含有量とは、変性PVA(A)の主鎖を構成する単量体単位のモル数に対するエチレンに由来する構造単位のモル数を表す。
エチレン単位の含有量を1モル%以上とすることで、得られる皮膜の耐水性をより一層向上できる。エチレン単位の含有量は1.5モル%以上がより好ましく、2.5モル%以上がさらに好ましい。一方、エチレン単位の含有量が20モル%以上の場合、変性PVA(A)を水に溶解させたときに不溶物が生じる傾向がある。エチレン単位の含有量は10モル%以下がより好ましく、8モル%以下がさらに好ましい。主鎖にエチレン単位を有する変性PVA(A)は、主鎖にエチレン単位を有するPVA(エチレン−ビニルアルコール共重合体)を、PVA(E)として用いることで得ることができる。このようにエチレン単位を有するPVA(E)は、ビニルエステル系単量体とエチレンとを共重合させてエチレン−ビニルエステル共重合体を得てから、当該エチレン−ビニルエステル共重合体をけん化することにより得ることができる。
変性PVA(A)は水溶性であることが好ましい。本明細書において変性PVA(A)が水溶性であるとは、温度98℃において、変性PVA(A)が溶解した、濃度4質量%の水溶液が得られることをいう。
(光重合開始剤(B))
本発明で用いる光重合開始剤(B)に特に制限はないが、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、アセトフェノン類、アシルホスフィン類、ベンゾインアルキルエーテル類、アントラキノン類、ベンジル類、ジアセチル類、ケタール類、メタロセン類などの開始剤が挙げられる。中でも水に溶解しやすく、また紫外線照射時に黄変しにくいという観点から、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンが好ましく、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパンがより好ましい。
光重合開始剤(B)の含有量は、変性PVA(A)に対して0.001質量部以上10質量部未満であることが好ましい。光重合開始剤(B)の含有量が0.001質量部未満の場合、紫外線を照射した後の皮膜の耐水性が不十分となる傾向がある。光重合開始剤(B)の含有量は0.005質量部以上が好ましく、0.01質量部以上がより好ましく、0.05質量部以上がさらに好ましい。一方、光重合開始剤(B)の含有量が10質量部以上であると、皮膜形成時に光重合開始剤(B)がブリードアウトする傾向がある。光重合開始剤(B)の含有量は、8質量部以下が好ましく、5質量部以下がより好ましい。
(化合物(C))
本発明の感光性樹脂組成物(D)は、さらに化合物(C)を含有し、化合物(C)が、共役二重結合を有し、かつ該共役二重結合を構成する炭素原子に結合した水酸基を2つ以上有する化合物又はその塩もしくはその酸化物(C1);環状ニトロキシルラジカル(C2);及びアルコキシフェノール(C3);からなる群より選択される少なくとも1種であることが重要である。
化合物(C)の含有量に特に制限はなく、変性PVA(A)に対して0.001質量部以上5質量部未満が好ましい。化合物(C)の含有量が0.001質量部未満の場合、得られる変性PVA(A)を水に溶解させると不溶解物が生成する傾向がある。化合物(C)の含有量は0.005質量部以上がより好ましく、0.01質量部以上がさらに好ましく、0.05質量部以上が特に好ましい。一方、化合物(C)の含有量が5質量部以上である場合は、紫外線を照射した後の皮膜の耐水性が不十分となる傾向がある。化合物(C)の含有量は3質量部以下がより好ましく、2質量部以下がさらに好ましく、1質量部以下が特に好ましい。
本発明で用いる共役二重結合を有し、かつ該共役二重結合を構成する炭素原子に結合した水酸基を2つ以上有する化合物又はその塩もしくはその酸化物(C1)としては、炭素−炭素二重結合と炭素−炭素単結合とが交互につながった構造を有する共役ポリエンが挙げられる。また、共役二重結合を有する化合物には、共役ポリエンだけでなく、ベンゼンのような芳香族炭化水素や、分子内のカルボニル基と共役した炭素−炭素二重結合を有するα、β−不飽和カルボニル化合物も含まれる。これらの中でも、化合物(C1)としては、得られる変性PVA(A)の色相が良く水溶性に優れる観点から、芳香環を構成する炭素原子に水酸基が2つ以上結合した化合物又はその塩若しくはその酸化物であることが好ましく、α,β−不飽和カルボニル化合物のα位とβ位に水酸基が2つ以上結合した化合物又はその塩若しくはその酸化物であることも好ましい。芳香環を構成する炭素原子に水酸基が2つ以上結合した化合物としてはポリフェノールが挙げられる。当該ポリフェノールとしては、ピロガロール、フロログルシノール、ヒドロキシキノール、ヘキサヒドロキシベンゼンなどのヒドロキシベンゼン;没食子酸などのフェノールカルボン酸;没食子酸アルキルエステルなどのフェノールカルボン酸エステル;エピカテキン、エピガロカテキン、エピガロカテキン−3−ガラートなどのカテキンが挙げられる。没食子酸アルキルエステルとしては、没食子酸メチル、没食子酸エチル、没食子酸プロピル、没食子酸オクチル、没食子酸ドデシルなどが挙げられる。これらの中でも、化合物(C1)はフェノールカルボン酸又はフェノールカルボン酸エステルであることが好ましく、没食子酸又は没食子酸アルキルエステルであることがより好ましく、没食子酸アルキルエステルであることがさらに好ましい。
本発明で用いる環状ニトロキシルラジカル(C2)とは、炭素原子とヘテロ原子から形成された複素環を有し、ニトロキシルラジカル(=N−O・)の窒素原子が、その環の一部を形成する化合物のことをいう。当該環を構成するヘテロ原子としては、窒素原子の他に、酸素原子、リン原子、硫黄原子などが挙げられる。環を形成する原子の数は、通常、5個又は6個である。環を形成する原子には、アルキル基、水酸基、カルボキシル基、スルホ基、ハロゲン基などの置換基が結合していてもかまわない。置換基の個数や置換基の結合位置も特に限定されず、同一又は異なる原子に複数の置換基が結合していてもかまわない。得られる変性PVA(A)において、水への不溶解分をより減らすことができる点から、上記環状ニトロキシルラジカルが、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシル(TEMPO)又はその誘導体であることが好ましい。TEMPO誘導体としては、4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン1−オキシルが好適に用いられる。
本発明で用いるアルコキシフェノール(C3)は、ベンゼン環の水素原子が1個アルコキシ基で置換され、かつ1個水酸基で置換された化合物であることが好ましい。このときアルコキシ基の結合位置は特に限定されないが、得られる変性PVA(A)において水への不溶解分をより減らすことができる点から、オルト位又はパラ位であることが好ましく、パラ位であることがより好ましい。好適に用いられるアルコキシフェノールとしては、メトキシフェノール、エトキシフェノール、プロポキシフェノール、ブトキシフェノールなどが挙げられる。中でも、得られる変性PVA(A)の色相が良く、水溶性に優れる観点から、メトキシフェノール、エトキシフェノールが好ましく、メトキシフェノールがより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物(D)からなる粉末のイエローインデックス(以下、「YI」と略記することがある)は40未満であることが好ましい。YIが40以上である場合、水に溶解した際に不溶解分が生成する傾向がある。YIは30以下がより好ましく、25以下がさらに好ましく、20以下が特に好ましい。本明細書におけるYIとは、JIS−Z8722(2009年)及びJIS−K7373(2006年)に準じて測定、計算された値のことである。
[感光性樹脂組成物(D)の製造方法]
本発明の感光性樹脂組成物(D)の製造方法に特に制限はないが、好適な製造方法は、化合物(C)の存在下で、PVA(E)と、不飽和カルボン酸又はその誘導体とを反応させて変性PVA(A)及び化合物(C)を含有する組成物を得る工程、及び該組成物と光重合開始剤(B)とを混合する工程を有する方法である。
変性PVA(A)及び化合物(C)を含有する組成物と、光重合開始剤(B)とを混合する方法に特に制限はないが、(i)変性PVA(A)及び化合物(C)を含有する粉末と、粉末状の光重合開始剤(B)とを混合する方法;(ii)変性PVA(A)及び化合物(C)を含有する組成物の溶液と、粉末状の光重合開始剤(B)とを混合する方法;(iii)変性PVA(A)及び化合物(C)を含有する粉末状の組成物と、光重合開始剤(B)の溶液とを混合する方法;(iv)変性PVA(A)及び化合物(C)を含有する組成物の溶液と、光重合開始剤(B)の溶液とを混合する方法が挙げられる。中でも、製造方法が簡便な点から、上記(i)の方法が好ましい。
変性PVA(A)及び化合物(C)を含有する組成物、又は光重合開始剤(B)を溶解させる溶媒の主成分は水が好ましく、さらに水以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、親水性溶媒が挙げられる。親水性溶媒としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類;アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;テトラヒドロフラン等のエーテル類;セロソルブ類;カルビトール類;アセトニトリル等のニトリル類などが挙げられる。
[コーティング剤]
本発明の感光性樹脂組成物(D)及び水を含有するコーティング剤も本発明の好適な実施態様である。当該コーティング剤としては、具体的には、感熱記録材料におけるオーバーコート層や感熱発色層等を形成するためのコーティング剤、クリアーコーティング剤、顔料等を含有する白色又は有色コーティング剤、インクジェット記録材料におけるインク受理層を形成するためのコーティング剤、剥離紙原紙における目止め層を形成するためのコーティング剤等が挙げられる。
なお、本発明の感光性樹脂組成物(D)は、コーティング剤以外の用途にも用いることができ、例えば印刷版材、接着剤、増粘剤、フィルム材料等が挙げられる。
[塗工物]
上記コーティング剤を基材表面に塗工してなる塗工物も本発明の好適な実施態様である。塗工物としては、例えば、感熱記録材料、インクジェット記録材料、剥離紙原紙、その他塗工紙等が挙げられる。また、当該塗工物の製造方法は、上記コーティング剤を基材表面に塗工する工程を有する。このような製造方法によって上記塗工物を容易に得ることができる。
上記基材に特に制限はないが、紙(合成紙を含む)、布、木板、金属板、フィルム等が挙げられる。中でも、コーティング剤を基材内部にまで浸透させ、耐水性等を好適に高めることができる観点などから、紙が好ましい。
上記塗工の方法とは特に限定されず、サイズプレス、エアーナイフコーター、ロールコーター、バーコーター、ブレードコーター、カーテンコーター、キャストコーター等の公知の方法を採用できる。
塗工物は、通常、基材と、この基材の少なくとも一方の表面に当該コーティング剤を塗工してなる塗工層(皮膜)を有するが、上記基材と上記塗工層との間や、上記塗工層の表面にさらに他の層が形成されていてもよい。但し、当該塗工物の優れた耐水性等を好適に発揮させるためには、上記塗工層が最表面に形成されていることが好ましい。
[感熱記録材料]
上記塗工物からなる感熱記録材料も本発明の好適な実施態様である。感熱記録材料は例えば、基材、感熱発色層及びオーバーコート層がこの順に積層された層構造を有する。上記感熱発色層及びオーバーコート層の少なくとも一方が、上記コーティング剤の塗工による塗工層として形成されていることが好ましい。
感熱記録材料の基材としては、従来公知の透明性及び不透明性の支持基体がいずれも使用できる。上記透明性支持基体としては、ポリエステル、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリメチルメタクリレート、酢酸セルロース、ポリカーボネート、ポリイミド、セロハン、セルロイドなどのフィルム、シート、透明性の高い紙等が挙げられる。上記不透明性支持基体としては、通常の紙、顔料コート紙、布、木材、金属板、合成紙、不透明化処理した合成樹脂系フィルム、シートなどが挙げられる。中でも、コーティング剤基紙内部にまで浸透させ、耐水性等を好適に高めることができる観点などから、紙が好ましい。
上記コーティング剤を感熱記録材料のオーバーコート層又は感熱発色層として用いる場合には、本発明の効果が阻害されない範囲で、本発明の感光性樹脂組成物(D)及び水以外の他の成分を含んでいてもよい。他の成分としては、オーバーコート層を形成する場合は、架橋剤、水溶性樹脂、水分散性樹脂、滑剤及び充填剤等が挙げられ、感熱発色層を形成する場合は、感熱染料、顕色剤、架橋剤、水溶性樹脂、水分散性樹脂、滑剤及び充填剤等が挙げられる。
上記架橋剤としては、例えばグリオキザール、グルタルアルデヒド等のアルデヒド化合物、ポリオキサゾリン等が挙げられる。感熱発色層やオーバーコート層等を形成するための当該組成物が上記のような架橋剤をさらに含むことで、得られる感熱記録材料の耐水性や耐ブロッキング性等をより高めることができる。
上記水溶性樹脂としては、例えば澱粉及びその誘導体、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース等のセルロース誘導体、アラビアゴム、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸のアルカリ金属塩(ナトリウム塩等)、ポリビニルピロリドン、(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリルアミド−(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸三元共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ金属塩(ナトリウム塩等)、イソブチレン−無水マレイン酸共重合体のアルカリ金属塩(ナトリウム塩等)、ポリアクリルアミド、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン、カゼイン等が挙げられる。
上記水分散性樹脂としては、例えばポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸エステル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、ポリブチルメタクリレート、エチレン−酢酸ビニル共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−ブタジエン−アクリル酸共重合体等が挙げられる。
上記滑剤としては、例えば高級脂肪酸、高級脂肪酸アミド、高級脂肪酸金属塩、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス等が挙げられる。
上記充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、コロイダルアルミナ、水酸化アルミニウム、擬ベーマイト、サチンホワイト、有機顔料、ポリスチレン微粒子、ポリ酢酸ビニル系微粒子、尿素−ホルマリン樹脂微粒子等が挙げられる。
上記感熱染料としては、例えば3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスタル・バイオレット・ラクトン)、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(1,2−ジメチルインドール−3−イル)フタリド、3−(p−ジメチルアミノフェニル)−3−(2−フェニルインドール−3−イル)フタリド、3,3−ビス−(9−エチルカルバゾール−3−イル)−5−ジメチルアミノフタリド等のトリアリールメタン系化合物;4,4’−ビスジメチルアミノベンズヒドリンベンジルエーテル、N−ハロフェニルロイコオーラミン等のジフェニルメタン系化合物;ローダミンB−アニリノラクタム、3−ジエチルアミノ−7−ベンジルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−ブチルアミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−7−(クロロアニリノ)フルオラン、3−ジエチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ピペリジノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−エチル−トリルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−シクロヘキシル−メチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(β−エトキシエチル)アミノフルオラン、3−ジエチルアミノ−6−クロロ−7−(γ−クロロプロピル)アミノフルオラン、3−(N−エチル−N−イソアミル)−6−メチル−7−フェニルアミノフルオラン、3−ジブチルアミノ−6−メチル−7−アニリノフルオラン等のキサンテン系化合物;ベンゾイルロイコメチレンブルー、p−ニトロベンゾイルロイコメチレンブルー等のチアジン系化合物;3−メチル−スピロ−ジナフトピラン、3−エチル−スピロ−ジナフトピラン、3−ベンジルスピロ−ジナフトピラン、3−メチルナフト−(3−メトキシ−ベンゾ)−スピロピラン等のスピロ系化合物等が挙げられる。これらの感熱染料は、感熱記録材料の用途等により適宜選択され、1種を単独で又は2種以上を併用できる。
上記顕色剤としては、フェノール誘導体及び芳香族カルボン酸誘導体が好ましく、特にビスフェノール類が好ましい。フェノール誘導体としては、例えばp−オクチルフェノール、p−tert−ブチルフェノール、p−フェニルフェノール、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、2,2−ビス(p−ヒドロキシフェニル)ヘキサン、1,1−ビス(p−ヒドロキシフェニル)−2−エチル−ヘキサン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル)プロパン、ジヒドロキシジフェニルエーテル等が挙げられる。芳香族カルボン酸誘導体としては、例えばp−ヒドロキシ安息香酸、p−ヒドロキシ安息香酸エチル、p−ヒドロキシ安息香酸ブチル、3,5−ジ−tert−ブチルサリチル酸、3,5−ジ−α−メチルベンジルサリチル酸、及び上記カルボン酸の多価金属塩等が挙げられる。
上記コーティング剤におけるこれらの他の成分の含有量は、通常、変性PVA(A)100質量部に対して50質量部以下であり、40質量部以下が好ましく、30質量部以下がより好ましく、20質量部以下がさらに好ましく、10質量部以下が特に好ましい。
当該コーティング剤の塗工量としては、例えばオーバーコート層の場合、感熱記録装置のサーマルヘッドから感熱記録材料の感熱発色層への熱伝導が阻害されない程度で適宜選択されるが、通常、固形分換算で1〜10g/m2、好ましくは2〜7g/m2である。
なお、感熱記録材料においては、上記基材、感熱発色層及びオーバーコート層の他に、他の層を有していてもよい。上記他の層としては、基材と感熱発色層との間のアンダーコート層を挙げることができる。このような場合であっても、当該感熱記録材料は高い耐水性や耐ブロッキング性を発揮することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例によりなんら限定されるものではない。なお、実施例中、特に断りのない限り、「%」および「部」はそれぞれ「質量%」および「質量部」を意味する。
[PVAの粘度平均重合度]
PVAの粘度平均重合度はJIS−K6726(1994年)に準じて測定した。具体的には、けん化度99.5モル%未満の場合には、けん化度99.5モル%以上になるまでけん化したPVAについて、水中、30℃で測定した極限粘度[η](リットル/g)を用いて下記式により粘度平均重合度(P)を求めた。
P=([η]×104/8.29)(1/0.62)
[PVAのけん化度]
PVAのけん化度は、JIS−K6726(1994年)に準じて測定した。
[変性PVA(A)に導入された二重結合の量]
変性PVA(A)について、1H−NMRを用いて変性PVA(A)中に導入された二重結合の量を測定した。なお、当該二重結合の量は変性PVA(A)の全モノマー単位に対する二重結合の量である。
[変性PVA(A)の1,2−グリコール結合量]
以下の実施例で用いたPVA(E)及び得られた変性PVA(A)のそれぞれに、水酸化ナトリウムのメタノール溶液を加え、60℃で5時間保つことで、PVAを再けん化した。このとき、PVAのビニルアルコール単位1モルに対して水酸化ナトリウム量が0.1モルとなる量とした。得られたPVAをメタノールにて1週間ソックスレー抽出することで、けん化度が99.9モル%以上の精製PVAを得た。
上記方法で得られた精製PVAを90℃で2日間減圧乾燥してメタノールを完全に除去した。そして、精製PVAをジメチルスルホキシド−d6に溶解して0.1質量%溶液にし、当該溶液にトリフルオロ酢酸を数滴(約0.1ml)加えて、1H−NMRを測定した。精製PVAに含まれる1,2−グリコール結合量(1,2−グリコール結合で結合した単量体単位の含有量)は、ビニルアルコール単位のメチンプロトンに由来する3.2〜4.0ppmのピーク(積分値α)と、1,2−グリコール結合単位の1つのメチンプロトンに由来する3.25ppmのピーク(積分値β)とから、下記式(I)に従って算出される。ここで、再けん化の前後でPVAの1,2−グリコール結合量は変化しないため、下記式(I)で求められる値が各種PVAの1,2−グリコール結合量となる。
PVAの1,2−グリコール結合単位の含有量(モル%)=100×β/α (I)
[変性PVA(A)の水溶性の評価]
得られた変性PVA(A)を98℃の水に溶解させて4質量%の水溶液を調製した。水溶液を目視に確認し、以下の評価基準に従って評価した。
なし:98℃で溶解していた。
あり:98℃で液中に不溶物が発生していた。
[感光性樹脂組成物(D)からなる粉末のイエローインデックス(YI)]
感光性樹脂組成物(D)からなる粉末のイエローインデックス(YI)は、得られた感光性樹脂組成物(D)からなる粉末について、篩(メッシュサイズ:100μm、1000μm)を用いて100μm未満および1000μmを越える粉を除去したのち、カラーメーター(スガ試験機製SM−T−H1)を用いて測定した。なお、イエローインデックスはJIS−Z8722(2009年)およびJIS−K7373(2006年)に準じて測定、計算された値である。
[感光性樹脂組成物(D)からなる皮膜の膨潤率、溶出率及び耐水性]
感光性樹脂組成物(D)の4質量%水溶液を調製し、20cm×20cmのPETフィルム上に62gグラム流涎し、20℃65%湿度下で7日間風乾した。作製した感光性樹脂組成物(D)からなる皮膜をPETフィルム上から剥がし、5cm×8cmの大きさに切り出した。このフィルムに対し、ハンディキュアラブ(HLR100T−2、セン特殊光源株式会社)を用いて、20μW/cm2の強度で90秒間紫外線を照射した。
紫外線照射後の感光性樹脂組成物(D)からなる皮膜を、100gの蒸留水に浸漬し、20℃下で一晩置いた。取り出した皮膜から余分な水分を取った後、105℃の熱風乾燥機で3時間乾燥させた。浸漬前の皮膜質量と乾燥後の皮膜質量から皮膜の水への溶出率を、浸漬後の皮膜質量と乾燥後の皮膜質量から皮膜の水への膨潤率を、以下の式からそれぞれ算出した。
溶出率(%)=100×{(浸漬前の皮膜質量)−(乾燥後の皮膜質量)}/(浸漬前の皮膜質量)
膨潤率(倍)=(浸漬後の皮膜質量)/(乾燥後の皮膜質量)
また、溶出率と膨潤率の結果より総合的な耐水性を以下の評価基準に従って評価した。
A:膨潤率が0倍以上3倍未満、溶出率が0質量%以上10質量%未満
B:膨潤率が3倍以上20倍未満、溶出率が10質量%以上60質量%未満
C:膨潤率が20倍以上、溶出率が60質量%以上
[実施例1]
(変性PVA(A)の製造)
フラスコ内にPVA(E)として、粘度平均重合度1700、けん化度98.0モル%、エチレン変性量4モル%、1,2−グリコール結合量1.6モル%の粉状PVAを100質量部、不飽和カルボン酸又はその誘導体としてイタコン酸2.95質量部、化合物(C)として4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−1−オキシル0.1質量部を入れて混合後、85℃で1時間、90℃で1時間、120℃で4時間、固体のまま撹拌下で熱処理することで反応を行い、変性PVA(A)及び化合物(C)を含有する組成物を得た。
得られた変性PVA(A)を含有する組成物を再沈精製し、1H−NMR測定を行ったところ、変性PVA(A)の二重結合量は0.14モル%であり、けん化度は98.0モル%であり、粘度平均重合度は1700であり、エチレン変性量は4モル%であり、1,2−グリコール結合量は1.6モル%であった。結果を表2に示す。
(感光性樹脂組成物(D)の作製)
得られた変性PVA(A)100質量部及び化合物(C)0.1質量部を含有する粉末状の組成物に対して、光開始重合剤(B)として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン)1質量部を粉末状のまま添加し、感光性樹脂組成物(D)とした。得られた感光性樹脂組成物(D)からなる粉末のYIは13であった。さらに得られた感光性樹脂組成物(D)からなる皮膜の膨潤率、溶出率及び耐水性を上述の方法に沿って評価した。結果を表2に示す。
[実施例2〜5、7〜9、比較例2及び4]
PVA(E)の種類、不飽和カルボン酸又はその誘導体の種類及び量、及び化合物(C)の種類及び量、並びに熱処理条件を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして感光性樹脂組成物(D)を得た。得られた感光性樹脂組成物(D)からなる粉末のYI、さらに得られた感光性樹脂組成物(D)からなる皮膜の膨潤率、溶出率及び耐水性を上述の方法に沿って評価した。結果を表2に示す。
[実施例6]
セパラブルフラスコにジメチルスルホキシド(DMSO)を500質量部、PVA(E)として、粘度平均重合度1000、けん化度99.5モル%、エチレン変性量6モル%及び1,2−グリコール結合量1.6モル%のPVAを100質量部加え、攪拌しながら105℃に昇温することで均一溶液を得た。その均一溶液へ、不飽和カルボン酸又はその誘導体としてメタクリル酸メチルを23質量部、化合物(C)として没食子酸プロピルを0.2質量部、フェノチアジンを0.2質量部加え、均一になるまで攪拌した。均一になった後、エステル交換触媒として酢酸ナトリウムを1.9質量部加えて105℃で5時間反応させた後、室温まで放冷した。反応溶液にDMSOを100質量部加え希釈した後、1000質量部のメタノールに滴下することで、変性PVAを析出させた。析出させた変性PVAを1000質量部のメタノールで2回洗浄したのち、真空乾燥させることで変性PVA(A)を得た。得られた変性PVA(A)の分析結果を表2に示す。さらに、変性PVA(A)の種類を変更した以外は実施例1と同様にして感光性樹脂組成物(D)を得た。得られた感光性樹脂組成物(D)からなる粉末のYI、さらに得られた感光性樹脂組成物(D)からなる皮膜の膨潤率、溶出率及び耐水性を上述の方法に沿って評価した。結果を表2に示す。
[比較例1]
粘度平均重合度1700、けん化度98.0モル%、エチレン変性量4モル%及び1,2−グリコール結合量1.6モル%のPVAに対して、光開始重合剤(B)として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン1質量部を粉末状のまま添加し、感光性樹脂組成物(D)とした。得られた感光性樹脂組成物(D)からなる粉末のYI、さらに得られた感光性樹脂組成物(D)からなる皮膜の膨潤率、溶出率及び耐水性を上述の方法に沿って評価し。結果を表2に示す。
[比較例3]
粘度平均重合度1700、けん化度88.0モル%、及び1,2−グリコール結合量1.7モル%のPVAに対して、光開始重合剤(B)として1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン1質量部を粉末状のまま添加し、感光性樹脂組成物(D)とした。得られた感光性樹脂組成物(D)からなる粉末のYI、さらに得られた感光性樹脂組成物(D)からなる皮膜の膨潤率、溶出率及び耐水性を上述の方法に沿って評価した。結果を表2に示す。
Figure 2019147855
Figure 2019147855

Claims (10)

  1. 不飽和カルボン酸又はその誘導体に由来する二重結合を側鎖に有する変性ポリビニルアルコール(A)、光重合開始剤(B)及び化合物(C)を含有する感光性樹脂組成物(D)であって;
    化合物(C)が、共役二重結合を有し、かつ該共役二重結合を構成する炭素原子に結合した水酸基を2つ以上有する化合物又はその塩若しくはその酸化物(C1);環状ニトロキシルラジカル(C2);及びアルコキシフェノール(C3);からなる群より選択される少なくとも1種であり、
    変性ポリビニルアルコール(A)の粘度平均重合度が200以上4500以下であり、けん化度が65モル%以上99.9モル%以下であり、1,2−グリコール結合量が1.4モル%以上1.9モル%未満である感光性樹脂組成物(D)。
  2. 共役二重結合を有し、かつ該共役二重結合を構成する炭素原子に結合した水酸基を2つ以上有する化合物又はその塩若しくはその酸化物(C1)が、芳香環を構成する炭素原子に水酸基が2つ以上結合した化合物又はその塩若しくはその酸化物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物(D)。
  3. 共役二重結合を有し、かつ該共役二重結合を構成する炭素原子に結合した水酸基を2つ以上有する化合物又はその塩若しくはその酸化物(C1)が、α,β−不飽和カルボニル化合物のα位とβ位に水酸基が2つ以上結合した化合物又はその塩若しくはその酸化物である、請求項1に記載の感光性樹脂組成物(D)。
  4. 変性ポリビニルアルコール(A)が、二重結合を側鎖に0.01モル%以上5モル%未満有する、請求項1〜3のいずれかに記載の感光性樹脂組成物(D)。
  5. 変性ポリビニルアルコール(A)がさらにエチレン単位を主鎖に有し、該エチレン単位の含有量が1モル%以上20モル%未満である、請求項1〜4のいずれかに記載の感光性樹脂組成物(D)。
  6. イエローインデックスが40未満である、請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物(D)からなる粉末。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物(D)及び水を含有するコーティング剤。
  8. 請求項7に記載のコーティング剤を基材表面に塗工してなる塗工物。
  9. 請求項8に記載の塗工物からなる感熱記録材料。
  10. 化合物(C)の存在下で、ポリビニルアルコール(E)と、不飽和カルボン酸又はその誘導体とを反応させて変性ポリビニルアルコール(A)及び化合物(C)を含有する組成物を得る工程、及び該組成物と光重合開始剤(B)とを混合する工程を有する、請求項1〜5のいずれかに記載の感光性樹脂組成物(D)の製造方法。
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