JPH08134137A - 感熱記録紙用のコーティング剤 - Google Patents

感熱記録紙用のコーティング剤

Info

Publication number
JPH08134137A
JPH08134137A JP6272396A JP27239694A JPH08134137A JP H08134137 A JPH08134137 A JP H08134137A JP 6272396 A JP6272396 A JP 6272396A JP 27239694 A JP27239694 A JP 27239694A JP H08134137 A JPH08134137 A JP H08134137A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
polyvinyl alcohol
coating agent
recording paper
polymerization
modified polyvinyl
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP6272396A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3307511B2 (ja
Inventor
Hidetoshi Nakamura
英俊 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Original Assignee
Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Shin Etsu Chemical Co Ltd filed Critical Shin Etsu Chemical Co Ltd
Priority to JP27239694A priority Critical patent/JP3307511B2/ja
Publication of JPH08134137A publication Critical patent/JPH08134137A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3307511B2 publication Critical patent/JP3307511B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paints Or Removers (AREA)
  • Addition Polymer Or Copolymer, Post-Treatments, Or Chemical Modifications (AREA)
  • Credit Cards Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高度の耐水効果があり、湿気、水塗れによる
感熱記録紙の発色画像の退色を防止することができるコ
ーティング剤を提供する。 【構成】 末端にアルデヒド基を有する低重合度ポリビ
ニルアルコール 【化10】 と、N−メチロールアミド 【化11】 との反応から変性ポリビニルアルコール 【化12】 または/および 【化13】 を生成する。この変性ポリビニルアルコールを主成分に
含むコーティング剤を調製し、このコーティング剤で紙
をコーティングをして感熱記録紙を製造する。Rはエチ
レン系不飽和炭化水素基、nは0または1、mは重合度
であり100から1500である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、感熱記録紙を製造する
際に、支持体である紙にコーティングされているコーテ
ィング剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】感熱記録紙は、感熱剤であるコーティン
グ剤が紙にコーティングされたものである。感熱記録紙
用のコーティング剤は無色のロイコ染料、ロイコ染料を
発色させる酸性物質、および水溶性バインダーを主成分
に含んでいる。
【0003】水溶性バインダーには、例えばポリビニル
アルコール、カルボキシルメチルセルロース、酸化澱
粉、エーテル化澱粉、メチルセルロース、ヒドロキシセ
ルロース、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ゼ
ラチンが挙げられる。しかし、前記水溶性バインダーは
耐水性、耐溶剤性、耐久性が不十分であるため、感熱記
録紙の発色画像が湿気、あるいは水塗れにより退色した
り消失したりすることがあった。又、ポリ塩化ビニル製
のフィルムの中に感熱記録紙を入れておくと、フィルム
に含まれているジブチルフタレート(DBP)、ジオク
チルフタレート(DOP)等の可塑剤によって発色画像
が消失することがあった。
【0004】発色画像の退色・消失を防止する手段のひ
とつに、耐水化剤や耐水性を有する変性ポリビニルアル
コールを水溶性バインダーの替わりにコーティング剤に
添加する方法がある。既存の耐水化剤をコーティング剤
に添加する場合には、コーティング剤を紙にコーティン
グする際に加熱が必要となり、コーティング剤のポット
ライフも短かくなるので紙をコーティングしにくくな
る。
【0005】変性ポリビニルアルコールを水溶性バイン
ダーの替わりにコーティング剤に添加する場合には、変
性ポリビニルアルコールの耐水性が弱いため、発色画像
を湿気等から防御することができなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は前記の課題を
解決するためなされたもので、高度の耐水効果があり、
湿気、水塗れによる感熱記録紙の発色画像の退色を防止
することができるコーティング剤を提供することを目的
とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は鋭意研究を行
った結果、官能基が含まれている変性ポリビニルアルコ
ールを、水溶性バインダーの替わりに感熱記録紙用のコ
ーティング剤に添加することで、コーティング剤の耐水
性・耐溶剤性が向上し、感熱記録紙の発色画像の退色を
防止できることを見いだし、本発明を完成させるに至っ
た。
【0008】すなわち、本発明の感熱記録紙用のコーテ
ィング剤は、下記式〔I〕
【0009】
【化4】
【0010】または/および下記式〔II〕
【0011】
【化5】
【0012】で示される変性ポリビニルアルコールを主
成分に含むものである。Rはエチレン系不飽和炭化水素
基であり、mは重合度であり100〜1500である。
【0013】変性ポリビニルアルコールは、下記式〔I
V〕
【0014】
【化6】
【0015】または/および下記式〔V〕
【0016】
【化7】
【0017】で表される片末端または両末端にアルデヒ
ド基を有する低重合度ポリビニルアルコールと、下記式
〔III〕
【0018】
【化8】
【0019】で表されるN−メチロールアミドとから合
成される。Rは式〔I〕と同一のエチレン系不飽和炭化
水素基であり、nは0又は1である。
【0020】本発明において用いることができる末端に
アルデヒド基を有する低重合度ポリビニルアルコール
は、ポリビニルアルコール中に含まれている1・2−グ
リコール結合を開裂させることによって得られる。通常
のポリビニルアルコールは2モル%以下の1・2−グリ
コール結合を含有している。1・2−グリコール結合開
裂方法は特公昭58−17309 号公報に記載されている方法
に準じて行なう。
【0021】詳しくは、1・2−グリコール結合を選択
的に開裂する物質とポリビニルアルコールとを反応させ
れば、末端基にアルデヒド基を有する低重合度ポリビニ
ルアルコールが得られる。
【0022】末端にアルデヒド基を有する低重合度ポリ
ビニルアルコールには、アルデヒド基を片末端のみに有
するポリビニルアルコールと、両末端に有するポリビニ
ルアルコールとが含まれている。(比率的には、アルデ
ヒド基を片末端のみに有するポリビニルアルコールの方
が高い。) 末端にアルデヒド基を有する低重合度ポリビニルアルコ
ールを得るために使用する低重合度ポリビニルアルコー
ルは、重合度が500〜3000が好ましく、特に15
00〜2000が望ましい。重合度が500以下の場合
には、得られる低重合度ポリビニルアルコールの強度が
不十分なものとなってしまう。重合度が3000以上の
場合には、粘度が高くなり、最終的に得られるコーティ
ング剤を紙にコーティングしにくくなる。けん化度は8
0モル%以上、特に88モル%〜99モル%が好まし
い。けん化度が80モル%以下の場合には、耐水性が不
十分となる。
【0023】低重合度ポリビニルアルコールは通常市販
されているものでもよく、ポリビニルアルコールとして
の特性を保持できれば、変性物、共重合体であってもさ
しつかえない。変性物には、例えばエーテル化、エステ
ル化、アセタール化したポリビニルアルコールが挙げら
れる。
【0024】共重合体はカルボン酸基含有不飽和単量
体、アミド基含有不飽和単量体、スルホン酸基含有不飽
和単量体およびこれらの塩との共重合ポリビニルアルコ
ールである。カルボン酸基含有不飽和単量体には、アク
リル酸、マレイン酸、イタコン酸およびこれらの塩が挙
げられる。アミド基含有不飽和単量体には、アクリルア
ミド、メタクリルアミドが挙げられる。スルホン酸基含
有不飽和単量体には、ビニルスルホン酸、メタクリルス
ルホン酸およびこれらの塩が挙げられる。
【0025】共重合比率は用いられる重合体の種類によ
っても多少変動するが、ポリビニルアルコールに対して
0.1〜10モル%の範囲が採用される。共重合体は単
独でも、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。
【0026】1・2−グリコール結合を選択的に開裂す
る物質には、例えば過ヨウ素酸もしくはその塩、四酢酸
鉛、アルカリ性過酸化水素が挙げられる。その中でも特
に過ヨウ素酸を用いることが好ましい。
【0027】低重合度ポリビニルアルコールを開裂させ
る場合、pH4.0以下の酸性下で反応させる。過酸化
水素を用いる場合は、HCl、H2SO4等の鉱酸を添加
して酸性にする。
【0028】従って、得られた末端にアルデヒド基を有
する低重合度ポリビニルアルコールは重合度が100〜
1500になり、特に300〜1000が好ましい。
【0029】エチレン系不飽和炭化水素基を持つN−メ
チロールアミドは下記式〔III〕
【0030】
【化9】
【0031】で表わされる。nは0または1であるが、
1のときがさらに好ましい。
【0032】具体的には、N−メチロールアミドとし
て、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメ
タクリルアミド、N−ジメチロールアクリルアミド、N
−ジメチロールメタクリルアミドが挙げられ、その中で
もN−メチロールアクリルアミドが好適である。添加量
は末端にアルデヒド基を有する低重合度ポリビニルアル
コールに対して(重量比)=10/100〜80/10
0が好ましく、特に20/100〜50/100が望ま
しい。10/100以下の場合は、アルデヒド基とメチ
ロール基とが反応する可能性が低下する。80/100
以上の場合は、塩基性が強くなり、アルデヒド基とメチ
ロール基との反応が抑制される。
【0033】末端にアルデヒド基を有する低重合度ポリ
ビニルアルコールにアミドを反応させる場合、低重合度
ポリビニルアルコールの重合度が上がらないように、ポ
リビニルアルコールに重合禁止剤を添加してもよい。
【0034】重合禁止剤には、例えばハイドロキノン誘
導体、ベンゾキノン誘導体、フェノール誘導体が挙げら
れる。重合禁止剤の添加量は末端にアルデヒド基を有す
る低重合度ポリビニルアルコールに対して(重量比)=
0.001/100〜0.1/100が好ましく、特に
0.02/100〜0.05/100が望ましい。0.
001/100以下の場合は、低重合度ポリビニルアル
コールの重合反応を抑制することができない。0.1/
100以上の場合は、重合禁止剤を多量に添加しただけ
の効果が発揮されない。重合禁止剤以外に、メチルセル
ロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロ
ピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の混合
エーテル類、アルギン酸、ガゼイン、トランドガム、澱
粉、酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉等の糊剤、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリアクリレート、合成ゴム等のエマルジョン、
消泡剤、帯電防止剤、防かび剤、界面活性剤をポリビニ
ルアルコールに添加してもさしつかえない。
【0035】低重合度ポリビニルアルコールとN−メチ
ロールアミドとの合成温度は50〜80℃、特に50〜
60℃が望ましい。50℃未満であると合成が進まず、
80℃を超えると架橋反応が起こり、変性ポリビニルア
ルコールが得られない。
【0036】末端にアルデヒド基を有する低重合度ポリ
ビニルアルコールと、式〔I〕で表されるアミドとの反
応から得られた変性ポリビニルアルコール、ロイコ染
料、およびロイコ染料と発色反応を起こす酸性物質を混
合し、この混合物に水等を添加して感熱記録紙用のコー
ティング剤とする。
【0037】ロイコ染料には、例えばトリフェニルメタ
ン系、フルオラン系、フェノチアジン系、オーラミ系、
スピロピラン系のロイコ体が挙げられる。さらに詳しく
述べると、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェニ
ル)−6−ジメチルアミノフタリド(クリスバイオレッ
トラクトン)、3,3−ビス(p−ジメチルアミノフェ
ニル)−6−クロロフタリド(N−p−トリル−N−エ
チルアミノ)−6−メチル−7−(N−フェニルアミ
ノ)フルオラン、ベンゾイルロイコメチレンブルー、
6’−クロロ−8’−メトキシ−ベンゾイルドリノ−ピ
リロスピラン、安息香酸ラクタムがある。
【0038】ロイコ染料と発色反応を起こす酸性物質に
は、例えばα−ナフトール、β−ナフトール、4−t−
オクチルフェノール、4−フェニルフェノール、2,
2’−ビス(p−ヒドロキシフェニル)プロパン(別名
ビスフェノールA)、2,2’−ビス(2,5−ジブロ
ム−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−(p
−ヒドロキシフェニル)ブタン、安息香酸、サリチル
酸、酒石酸が挙げられる。
【0039】感熱記録紙用のコーティング剤は、変性ポ
リビニルアルコールの他に、さらに重合開始剤を主成分
として含んでいる。
【0040】前記重合開始剤は水溶性ラジカル開始剤、
例えば過硫酸アンモン、過硫酸カリウム、過酸化水素が
挙げられる。これらの物質は、単独で使用されても混合
して使用されてもよい。添加量は末端にアルデヒド基を
有する低重合度ポリビニルアルコールに対して、(重量
比)=0.1/100〜30/100が好ましく、特に
1/100〜10/100が望ましい。0.1/100
以下の場合は、変性ポリビニルアルコール中に含まれて
いるエチレン系不飽和炭化水素基が反応を開始すること
がない。30/100以上の場合は、重合開始剤を多量
に添加しただけの効果が発揮されない。
【0041】コーティング剤の具体的な製造方法は以下
の通りである。酸性物質、変性ポリビニルアルコールお
よび充填剤に水を加えて、これらをボールミル中で粉砕
分散してコーティング剤の原料となる溶液を製造する。
これとは別に、ロイコ染料、変性ポリビニルアルコー
ル、潤滑剤等に水を加えて、これらをボールミル中で同
じように粉砕分散してコーティング剤の原料となる別の
溶液を製造する。これら2つの溶液を均一に混合して感
熱記録紙用のコーティング剤とする。
【0042】感熱記録紙を製造する場合、コーティング
剤を支持体となる紙にコーティングして乾燥させ、感熱
発色層を紙の表面に形成させる。コーティング条件とし
て、変性ポリビニルアルコール濃度はコーティング剤の
2重量%から15重量%、特に4重量%から8重量%が
好ましい。2重量%以下の場合には、耐水効果がない。
15重量%以上の場合は、変性ポリビニルアルコールを
多量に添加しただけの効果が発揮されない。
【0043】コーティング操作後の乾燥温度は、染料お
よび酸性物質の種類にもよるが、60℃以下が好まし
い。60℃以上の場合には、コーティング剤が蒸発して
しまうことがある。
【0044】
【作用】過ヨウ素酸等の酸性触媒をポリビニルアルコー
ルに反応させると、ポリビニルアルコールに含まれてい
る1・2−グリコール結合が選択的に切断され、末端に
アルデヒド基を有する低重合度ポリビニルアルコールが
生成される。この低重合度ポリビニルアルコールにエチ
レン系不飽和炭化水素基を持つアミドを添加し、酸性下
で末端アルデヒド基とメチロール基とを反応させれば、
側鎖にエチレン系不飽和炭化水素基を含んだ変性ポリビ
ニルアルコールが生成される。エチレン系不飽和炭化水
素基が光により反応することで変性ポリビニルアルコー
ルが架橋する。従って、この変性ポリビニルアルコール
を主成分に含むコーティング剤の耐水性・耐溶剤性は、
変性ポリビニルアルコールの架橋と共に向上していく。
【0045】
【発明の効果】本発明の感熱記録紙用のコーティング剤
は、エチレン系不飽和炭化水素基を分子構造中に持つ変
性ポリビニルアルコールを主成分として含んでいる。エ
チレン系不飽和炭化水素基が光で架橋反応して、コーテ
ィング剤の耐水性・耐溶剤性が向上していく。このコー
ティング剤でコーティングされた感熱記録紙は、従来の
コーティング剤でコーティングされた感熱記録紙よりも
耐水性に優れたものとなり、発色画像が湿気により退色
したりすることがない。
【0046】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明する。
【0047】実施例1 ポリビニルアルコールP−18(信越化学製、重合度1
810、けん化度88.2モル%)の10重量%水溶液
を60℃に加温し、過ヨウ素酸をポリビニルアルコール
に対して0.4重量%添加した。5分間反応させて末端
にアルデヒド基を有する低重合度ポリビニルアルコール
を生成させ、この低重合度ポリビニルアルコールに対し
てN−メチロールアクリルアミドを10重量%添加し、
60度で60分間反応させた。その後アンモニア水を加
えpH7.1に中和し、得られた変性ポリビニルアルコ
ールの水溶液をバインダーとした。
【0048】この反応の前後で、60℃における粘度が
260cpsから25cpsに低下した。N−メチロー
ルアクリルアミドを反応させない開裂ポリビニルアルコ
ールの60℃における粘度は260cpsから4cps
(平均重合度350)に低下した。このことから、1・
2−グリコール結合が開裂していることがわかる。ま
た、反応生成物をメタノールで析出させ、洗浄し、ケル
ダール法で窒素分析した結果、3.5モル%のN−メチ
ロールアクリルアミドが反応していることが判明した。
【0049】ケルダール法とは、試料を硫酸と発熱硫酸
との混合液と加熱分解し、次いで分解液をアルカリ性と
して遊離したアンモニアを蒸留し、一定量の塩酸溶液中
に捕集した後、過剰の酸をアルカリで滴定し窒素量を求
める方法である。
【0050】得られたバインダー水溶液を用いて、感熱
記録紙をコーティングするコーティング剤を製造する。
先ず、ビスフェノールA2.5重量部、バインダー水溶
液40重量部、クレー3重量部、水20重量部を混合し
てコーティング剤の原料となる溶液(以下、A液)6
5.5重量部を調合した。A液とは別に、クリスタルバ
イオレットレクトン0.5重量部、バインダー水溶液2
0重量部、ステアリン酸アミド1重量部、水15重量部
を混合してコーティング剤の原料となる溶液(以下、B
液)36.5重量部を調合した。
【0051】A液、B液をそれぞれボールミル中で24
時間粉砕した後、A液、B液および10重量%過硫酸ア
ンモニウムを2重量部を混合し均一なコーティング剤と
した。このコーティング剤を上質紙に、固形分が6g/
2になるようにワイヤーバーで調節して塗布し60℃
で乾燥して、上質紙の表面に感熱発色層を形成させて感
熱記録紙とした。
【0052】前記の感熱記録紙に、薄膜サーマルヘッド
を内蔵した感熱ファクシミリ受信機で文字を印刷し耐水
性、耐溶剤性、発色性、スティッキング性を評価した。
具体的な評価方法は以下の通りである。
【0053】耐水性は、50℃の水中に60分間感熱記
録紙を浸漬し、その前後の発色性をマクベス濃度計RD
−514で測定して評価される。評価基準は、発色性保
持率が80%までを優、70%までを良、60%までを
可、60%以下を不可とした。
【0054】耐溶剤性は、塩化ビニル製のラップフィル
ムと発色紙とを24時間密着し、前後の発色性を測定し
評価される。評価基準は、耐水性の場合と同様に優、
良、可、不可の4段階である。
【0055】発色性は肉眼で判定し、スティキング性は
サーマルヘッドの汚れを肉眼で評価した。評価基準は、
耐水性の場合と同様に優、良、可、不可の4段階であ
る。これらの評価結果を表1に示す。
【0056】実施例2 ポリビニルアルコールC−17(信越化学製、重合度1
720、けん化度98.5モル%)の10重量%水溶液
を60℃に加温し、過ヨウ素酸をポリビニルアルコール
に対して0.4重量%添加した。5分間反応させて末端
にアルデヒド基を有する低重合度ポリビニルアルコール
(平均重合度330)を生成させ、この低重合度ポリビ
ニルアルコールに対してN−メチロールアクリルアミド
を10重量%添加し、60℃で60分間反応させた。そ
の後アンモニア水を加えてpH7.1に中和し、得られ
た変性ポリビニルアルコールの水溶液をバインダーとし
た。
【0057】前記のバインダー水溶液の原料であるポリ
ビニルアルコールがC−17であることを除いて、実施
例1と同様の方法でコーティング剤を調製し、感熱記録
紙を製造してその評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0058】実施例3 ポリビニルアルコールM−17(信越化学製、重合度1
760、けん化度96.4モル%)の10重量%水溶液
を60℃に加温し、過ヨウ素酸をポリビニルアルコール
に対して0.4重量%添加した。5分間反応させて末端
にアルデヒド基を有する低重合度ポリビニルアルコール
(平均重合度330)を生成させ、この低重合度ポリビ
ニルアルコールに対してN−メチロールアクリルアミド
を10重量%添加し、60℃で60分間反応させた。そ
の後アンモニア水を加えてpH7.1に中和し、得られ
た変性ポリビニルアルコールの水溶液をバインダーとし
た。
【0059】前記のバインダー水溶液の原料であるポリ
ビニルアルコールがM−17であることを除いて、実施
例1と同様の方法でコーティング剤を調製し、感熱記録
紙を製造してその評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0060】比較例1 C−17の10重量%水溶液を60℃に加温し、ポリビ
ニルアルコールに対して過ヨウ素酸を0.4重量%添加
し、5分間反応させて末端にアルデヒド基を有する低重
合度ポリビニルアルコールを生成させた。その後アンモ
ニア水を添加してpH7.1に中和し、この低重合度ポ
リビニルアルコールの水溶液をバインダーとした。
【0061】前記のバインダー水溶液の原料であるポリ
ビニルアルコールがC−17であることと、N−メチロ
ールアクリルアミドを添加しなかったことを除いて、実
施例1と同様の方法でコーティング剤を調製し、感熱記
録紙を製造してその評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0062】比較例2 M−17の10重量%水溶液を60℃に加温し、ポリビ
ニルアルコールに対して過ヨウ素酸を0.4重量%添加
し、5分間反応させて末端にアルデヒド基を有する低重
合度ポリビニルアルコールを生成させた。その後アンモ
ニア水で7.1に中和し、低重合度ポリビニルアルコー
ル水溶液をバインダーとした。
【0063】前記のバインダー水溶液の原料であるポリ
ビニルアルコールがM−17であることと、N−メチロ
ールアクリルアミドを添加しなかったことを除いて、実
施例1と同様の方法でコーティング剤を調製し、感熱記
録紙を製造してその評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0064】比較例3 ポリビニルアルコールC−05(信越化学製、重合度6
10、けん化度99.9モル%)の10重量%水溶液を
バインダーとした。
【0065】前記のバインダー水溶液の原料であるポリ
ビニルアルコールがC−05であることと、N−メチロ
ールアクリルアミドを添加しなかったことを除いて、実
施例1と同様の方法でコーティング剤を調製し、感熱記
録紙を製造してその評価を行った。その結果を表1に示
す。
【0066】
【表1】
【0067】表1に示される通り、実施例1〜3の感熱
記録紙は耐水性、耐溶剤性、発色性、スティキング性の
全てについて満足する性能を示している。それに比べ、
比較例1〜3の感熱記録紙は前記の性能が著しく劣る。
比較例1〜3の感熱記録紙のコーティング剤の主成分の
ひとつであるバインダーは、末端基にアルデヒド基を有
する低重合度ポリビニルアルコールとN−メチロールア
クリルアミドとの反応から生成されたものではない。従
って、反応性が高いエチレン系不飽和炭化水素基を分子
中に導入することができず、コーティング剤の性能を向
上させることもできない。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式〔I〕 【化1】 または/および下記式〔II〕 【化2】 (Rはエチレン系不飽和炭化水素基、mは重合度であり
    100〜1500)で表される変性ポリビニルアルコー
    ルを主成分に含むことを特徴とする感熱記録紙用のコー
    ティング剤。
  2. 【請求項2】 片末端または両末端にアルデヒド基を有
    する低重合度ポリビニルアルコールと、下記式〔III〕 【化3】 (Rはエチレン系不飽和炭化水素基、nは0又は1)で
    表されるN−メチロールアミドとから合成される変性ポ
    リビニルアルコールを主成分に含むことを特徴とする感
    熱記録紙用のコーティング剤。
  3. 【請求項3】 前記変性ポリビニルアルコールおよび重
    合開始剤を主成分に含むことを特徴とする請求項1また
    は2に記載の感熱記録紙用のコーティング剤。
  4. 【請求項4】 前記重合開始剤が過硫酸アンモン、過硫
    酸カリウム、過酸化水素から選ばれる少なくとも1種類
    の水溶性ラジカル開始剤であることを特徴とする請求項
    3に記載の感熱記録紙用のコーティング剤。
JP27239694A 1994-11-07 1994-11-07 感熱記録紙用のコーティング剤 Expired - Fee Related JP3307511B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27239694A JP3307511B2 (ja) 1994-11-07 1994-11-07 感熱記録紙用のコーティング剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27239694A JP3307511B2 (ja) 1994-11-07 1994-11-07 感熱記録紙用のコーティング剤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH08134137A true JPH08134137A (ja) 1996-05-28
JP3307511B2 JP3307511B2 (ja) 2002-07-24

Family

ID=17513318

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27239694A Expired - Fee Related JP3307511B2 (ja) 1994-11-07 1994-11-07 感熱記録紙用のコーティング剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3307511B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0931124A (ja) * 1994-11-24 1997-02-04 Sekisui Chem Co Ltd ポリビニルアセタールの製造方法、ポリビニルアセタール、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2012067270A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Sekisui Chem Co Ltd ポリビニルアセタールの製造方法及びポリビニルアセタール
JP2019147855A (ja) * 2018-02-26 2019-09-05 株式会社クラレ 感光性樹脂組成物及びその製造方法、並びにその用途

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0931124A (ja) * 1994-11-24 1997-02-04 Sekisui Chem Co Ltd ポリビニルアセタールの製造方法、ポリビニルアセタール、合わせガラス用中間膜及び合わせガラス
JP2012067270A (ja) * 2010-09-27 2012-04-05 Sekisui Chem Co Ltd ポリビニルアセタールの製造方法及びポリビニルアセタール
JP2019147855A (ja) * 2018-02-26 2019-09-05 株式会社クラレ 感光性樹脂組成物及びその製造方法、並びにその用途

Also Published As

Publication number Publication date
JP3307511B2 (ja) 2002-07-24

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR100568454B1 (ko) 비닐 알콜계 중합체 및 이의 제조방법
KR100601014B1 (ko) 비닐 알콜계 중합체 및 이의 제조방법
US4624985A (en) Paper coating composition comprising PVA containing acetoacetyl group and a pigment
JP3256330B2 (ja) 耐水性表面塗工剤及びそれを用いてなる塗工紙
JP4579250B2 (ja) 感熱紙用保護材料
EP2194188B1 (en) Vinyl alcohol polymer-containing coating agent for paper and paper and thermal paper coated with the coating agent
JP3618142B2 (ja) アセト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹 脂組成物及びその用途
KR20080048519A (ko) 감열 기록 재료
JP5561894B2 (ja) 樹脂組成物およびその用途
JP3307511B2 (ja) 感熱記録紙用のコーティング剤
JP6355343B2 (ja) 樹脂組成物、コート層、感熱記録媒体、及び水性塗工液
JP6324059B2 (ja) 樹脂組成物、コート層、感熱記録媒体、及び水性塗工液
JPH0515558B2 (ja)
JPS61162382A (ja) 感熱記録用シ−ト
JP3053229B2 (ja) 感熱記録用シートの製造法
JP3827430B2 (ja) 感熱記録体と感熱記録体のオーバーコート剤
JPH0664330A (ja) 感熱記録用のシート
JPS61211081A (ja) 感熱記録用シ−ト
JPS6137467A (ja) 感熱記録材料
JPS63202681A (ja) 感熱記録紙用バインダ−
JP4818563B2 (ja) 樹脂組成物およびその用途
JP3029713B2 (ja) 感熱記録用シート
JPH05212966A (ja) 感熱記録紙用アンダーコーティング剤
JP2777226B2 (ja) 感熱記録用シート
JPH04179578A (ja) 感熱記録材料の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
LAPS Cancellation because of no payment of annual fees