JP2019059867A - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及び硬化物 - Google Patents

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Abstract

【課題】低吸湿性、耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性に優れたエポキシ樹脂を提供する。【解決手段】エポキシ当量が200〜50,000g/当量のエポキシ樹脂であり、該エポキシ樹脂が、2個のベンゼン環を含むか、又はアルキレンエーテルを含む、30迄の操り返し単位からなるアルキレングリコール鎖を有する、末端ジグラシジル化合物。前記ベンゼン環の結合が、直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO2−、−C(CF3)2−又は−CO−からなる、及び炭素数2〜20の2価の炭化水素基からなる、エポキシ樹脂。【選択図】なし

Description

本発明は、低吸湿性、耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性に優れたエポキシ樹脂に関する。また、本発明はこのエポキシ樹脂と硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物、及び該エポキシ樹脂組成物からなる、低吸湿性、耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性に優れた硬化物に関する。
エポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度及び電気的特性に優れていることから、接着剤、塗料、複合材料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野で使用されている。特に、電気・電子分野では、絶縁注型、積層材料、封止材料等において幅広く使用されている。
電気・電子部品の材料となるエポキシ樹脂に要求される重要な性能の一つとして、低吸湿性が挙げられる。吸湿性が高いとリフローなどの加熱工程でエポキシ樹脂に吸湿された水分が蒸発・膨張してクラックや剥離の原因となる。また、イオンマイグレーションによる絶縁信頼性の低下や水分子の分極による誘電損失増大などを抑制する点からも、低吸湿性であることが重要である。
また高度に集積化された半導体材料においては、近年、高多層化・絶縁層の薄型化・構造の複雑化が進んでおり、低吸湿性のみならず、耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性等の様々な特性とのバランスが求められる。
最近では、エポキシ基と硬化剤との反応で生成する二級水酸基をエステル化することによって分極を抑え、低吸湿性や誘電特性を改良しようとする技術が開示されている。
特許文献1には、エポキシ樹脂の二級水酸基を後工程でエステル化することによって得た熱可塑性樹脂を用い、そこへ熱硬化性樹脂を配合することによって、低吸湿性、誘電特性を保ちつつ導体層との密着性を向上できる熱硬化性樹脂組成物が開示されている。
エポキシ樹脂を後工程でエステル化することで、エステル化樹脂を得ることは可能であるが、本発明者らの検討によれば、この方法では反応中に生成する塩化水素やカルボン酸の影響で、末端のエポキシ基が消失してしまうことが判明した。特許文献1中にも記載されているように、この高分子量エステル化樹脂は熱可塑性樹脂であり、硬化反応に関与し得ない。よって、架橋構造中に固定されていないため、硬化反応に関与した場合に期待される耐熱性、誘電特性、耐溶剤性などは十分に発現しない可能性がある。
特許文献2には、分子末端にエポキシ基を有する高分子型エステル化エポキシ樹脂が開示されている。この特許文献2では低吸湿性、誘電特性、耐熱性、溶剤溶解性等のバランスに優れるエポキシ樹脂が得られているが、可撓性は不十分である。
国際公報第2005/095517号 特開2016−89165号公報
本発明は、上記従来技術に鑑み、低吸湿性、耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性に優れたエポキシ樹脂を提供することを課題とする。本発明はまたこのエポキシ樹脂と硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物、及び該エポキシ樹脂組成物からなる、低吸湿性、耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性に優れた硬化物を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の2種類の化学構造をともに含むことにより、当該エステル化エポキシ樹脂が低吸湿性、耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性等のバランスに優れることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明の要旨は以下の[1]〜[16]に存する。
[1] 下記式(1)で表される、エポキシ当量が200〜50,000g/当量であることを特徴とするエポキシ樹脂。
Figure 2019059867
(上記式(1)中、Aは上記式(2)で表される化学構造及び上記式(3)で表される化学構造を含み、Bは互いに異なっていてもよく、水素原子又は上記式(4)で表される化学構造であり、少なくともいずれか一方は上記式(4)で表される基である。Rの5モル%以上は炭素数1〜10の脂肪族カルボニル基及び/又は芳香族カルボニル基で、残りは水素原子である。nは繰り返し数の平均値であり2以上500以下の数である。
上記式(2)中、Xは直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、−C(CF−及び−CO−から選ばれる基であり、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルケニル基、及び炭素数1〜12のアルキニル基から任意に選ばれる基である。
上記式(3)中、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数2〜20の2価の炭化水素基であり、mは0以上30以下の数である。)
[2] 前記式(3)のmが0である、[1]に記載のエポキシ樹脂。
[3] 前記式(2)で表される化学構造が炭化水素基である、[1]又は[2]に記載のエポキシ樹脂。
[4] 下記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂と、下記式(6)で表されるジエステル系化合物との反応物である、[1]乃至[3]のいずれかに記載のエポキシ樹脂。
Figure 2019059867
(上記式(5)及び/又は(6)中、A’は上記式(2)’で表される化学構造及び/又は上記式(3)’で表される化学構造を含み、R’の5モル%以上は炭素数1〜10の脂肪族カルボニル基及び/又は芳香族カルボニル基で、残りは水素原子である。n’は繰り返し数の平均値であり0以上6以下の数である。
上記式(2)’中、X’は直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、−C(CF−及び−CO−から選ばれる基であり、R’〜R’11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルケニル基、及び炭素数1〜12のアルキニル基から任意に選ばれる基である。
上記式(3)’中、R’及びR’は互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数2〜20の2価の炭化水素基であり、m’は0以上30以下の数である。)
[5] 前記式(3)’のm’が0である、[4]に記載のエポキシ樹脂。
[6] 前記式(2)’で表される化学構造が炭化水素基である、[4]又は[5]に記載のエポキシ樹脂。
[7] [1]乃至[6]のいずれかに記載の本発明のエポキシ樹脂と、硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物。
[8] 本発明のエポキシ樹脂の固形分100重量部に対し、前記硬化剤を固形分で0.1〜100重量部含む、[7]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[9] 本発明のエポキシ樹脂と本発明のエポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂とを含み、本発明のエポキシ樹脂と該他のエポキシ樹脂との固形分の重量比が、99/1〜1/99である、[7]又は[8]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[10] 本発明のエポキシ樹脂と前記他のエポキシ樹脂の固形分の合計100重量部に対し、前記硬化剤を固形分で0.1〜1000重量部含む、[9]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[11] 前記硬化剤がフェノール系硬化剤、アミド系硬化剤、イミダゾール類及び活性エステル系硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[7]乃至[10]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[12] [7]乃至[11]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
[13] [7]乃至[11]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物からなる封止材。
[14] [7]乃至[11]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物からなる複合材料。
[15] [7]乃至[11]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物からなる接着剤。
[16] [7]乃至[11]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物からなる塗料。
本発明によれば、低吸湿性に優れ、かつ耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性等のバランスに優れたエポキシ樹脂を提供することができる。またこのエポキシ樹脂を用いたエポキシ樹脂組成物により、低吸湿性、耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性に優れた硬化物を提供することができる。
このため、本発明のエポキシ樹脂及びエポキシ樹脂組成物は、接着剤、複合材料、塗料、土木用建築材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野に適用可能であり、特に電気・電子分野における絶縁注型、積層材料、封止材料等として有用である。
本発明のエポキシ樹脂及びそれを含むエポキシ樹脂組成物は、多層プリント配線基板、キャパシタ等の電気・電子回路用積層板、フィルム状接着剤、液状接着剤等の接着剤、半導体封止材料、アンダーフィル材料、3D−LSI用インターチップフィル、絶縁シート、プリプレグ、放熱基板等に好適に用いることができる。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する説明は、本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前後の数値又は物性値を含む表現として用いるものとする。
また、本明細書において、各置換基の炭素数は、当該置換基が更に置換基を有する場合、その置換基をも含めた合計の炭素数をさす。
[エポキシ樹脂]
本発明のエポキシ樹脂は、下記式(1)で表され、エポキシ当量が200〜50,000g/当量であることを特徴とする。
Figure 2019059867
(上記式(1)中、Aは上記式(2)で表される化学構造及び上記式(3)で表される化学構造を含み、Bは互いに異なっていてもよく、水素原子又は上記式(4)で表される化学構造であり、少なくともいずれか一方は上記式(4)で表される基である。Rの5モル%以上は炭素数1〜10の脂肪族カルボニル基及び/又は芳香族カルボニル基で、残りは水素原子である。nは繰り返し数の平均値であり2以上500以下の数である。
上記式(2)中、Xは直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、−C(CF−及び−CO−から選ばれる基であり、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルケニル基、及び炭素数1〜12のアルキニル基から任意に選ばれる基である。
上記式(3)中、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数2〜20の2価の炭化水素基であり、mは0以上30以下の数である。)
<メカニズム>
本発明のエポキシ樹脂は、低吸湿性に優れ、かつ耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性等のバランスに優れるという特長を有する。本発明のエポキシ樹脂がこのような特長を有する理由は、以下の通り考えられる。
即ち、まず、低吸湿性については、上記式(1)において、二級水酸基がRでエステル化されており、吸湿の原因となる二級水酸基量が低減されていることにより親水性が低下し、低吸湿性が発現すると推定される。また、二級水酸基量の減少は、分子間相互作用を弱めることにも繋がり、これが良好な溶剤溶解性を呈する理由と考えられる。
更に、上記式(2)の化学構造を含むことにより優れた耐熱性を有し、かつ分子末端に上記式(4)のエポキシ基を有することで、硬化反応時に架橋構造に組み込まれ、これにより硬化物の耐熱性、耐溶剤性が更に向上すると推定される。
また、上記式(3)の化学構造を含むことで優れた可撓性を有する。
<化学構造>
前記式(1)中、Aは前記式(2)で表される化学構造(以下「化学構造(2)」と称す場合がある。)と前記式(3)で表される化学構造(以下「化学構造(3)」と称す場合がある。)とを含む。
前記式(2)中、Xは直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、−C(CF−及び−CO−から選ばれる基である。
ここで、前記式(2)のXにおける炭素数1〜13の2価の炭化水素基としては、直鎖、分岐又は環状のアルキレン基、アリーレン基、これらを2以上組み合わせた基が挙げられ、具体的には、次のようなものが挙げられる。なお、以下において、「Ph」はフェニル基を示す。
例えば、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−CH(Ph)−、−C(CH)(Ph)−、−C(Ph)−、9,9−フルオレニレン基、1,1−シクロプロピレン基、1,1−シクロブチレン基、1,1−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基、3,3,5−トリメチル−1,1−シクロヘキシレン基、1,1−シクロドデシレン基、1,2−エチレン基、1,2−シクロプロピレン基、1,2−シクロブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,2−フェニレン基、1,3−プロピレン基、1,3−シクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,3−フェニレン基、1,4−ブチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基等である。
これらの中でも、式(2)における2つのベンゼン環の回転自由度が低い方が耐熱性に優れる傾向にあることから、Xは直接結合、−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−CH(Ph)−、−C(CH)(Ph)−、−C(Ph)−、9,9−フルオレニレン基、1,1−シクロヘキシレン基、3,3,5−トリメチル−1,1−シクロヘキシレン基、1,1−シクロドデシレン基、9,9−フルオレニレン基、−O−、−S−、−SO−、−CO−等のように、2つのベンゼン環の連結に関与する原子数が0又は1のものが好ましい。これらの中でも直接結合、−CH−、−C(CH−、−C(CF−、−C(CH)(Ph)−、3,3,5−トリメチル−1,1−シクロヘキシレン基、9,9−フルオレニレン基がより好ましく、直接結合が特に好ましい。
また、Xが直接結合である場合、そのビフェニル骨格は、2,2’−ビフェニル骨格、2,3’−ビフェニル骨格、2,4’−ビフェニル骨格、3,3’−ビフェニル骨格、3,4’−ビフェニル骨格、4,4’−ビフェニル骨格のいずれでもよいが、好ましくは4,4’−ビフェニル骨格である。
一方、Xが−CH−、−CH(CH)−、−C(CH−、−C(CF−、−CH(Ph)−、−C(CH)(Ph)−、−C(Ph)−、9,9−フルオレニレン基、1,1−シクロヘキシレン基、3,3,5−トリメチル−1,1−シクロヘキシレン基、1,1−シクロドデシレン基、−O−、−S−、−SO−、−CO−等である場合、前記式(2)におけるベンゼン環の結合位置は、2,2’−位、2,3’−位、2,4’−位、3,3’−位、3,4’−位、4,4’−位のいずれでもよいが、好ましくは4,4’−位である。
前記式(2)において、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルケニル基、および炭素数1〜12のアルキニル基から任意に選ばれる基である。
ここで、前記式(2)におけるR〜R11の炭素数1〜12のアルキル基としては、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、また、フェニル基等の置換基を有していてもよく、次のようなものが挙げられる。
例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、メチルシクロヘキシル基、n−オクチル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、n−デシル基、シクロデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、シクロドデシル基、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基、2−フェニルイソプロピル基等である。
また、前記式(2)におけるR〜R11の炭素数1〜12のアルコキシ基としては、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、また、フェニル基等の置換基を有していてもよく、次のようなものが挙げられる。
例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、n−ペントキシ基、イソペントキシ基、ネオペントキシ基、tert−ペントキシ基、シクロペントキシ基、n−ヘキシロキシ基、イソヘキシロキシ基、シクロヘキシロキシ基、n−ヘプトキシ基、シクロヘプトキシ基、メチルシクロヘキシロキシ基、n−オクチロキシ基、シクロオクチロキシ基、n−ノニロキシ基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシロキシ基、n−デシロキシ基、シクロデシロキシ基、n−ウンデシロキシ基、n−ドデシロキシ基、シクロドデシロキシ基、ベンジロキシ基、メチルベンジロキシ基、ジメチルベンジロキシ基、トリメチルベンジロキシ基、ナフチルメトキシ基、フェネチロキシ基、2−フェニルイソプロポキシ基等である。
前記式(2)におけるR〜R11の炭素数6〜12のアリール基としては次のようなものが挙げられる。
例えば、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、エチルフェニル基、スチリル基、キシリル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、メシチル基、エチニルフェニル基、ナフチル基、ビニルナフチル基等の、アルキル基等の置換基を有していてもよいフェニル基、ナフチル基などである。
前記式(2)におけるR〜R11の炭素数2〜12のアルケニル基としては、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、また、フェニル基等の置換基を有していてもよく、次のようなものが挙げられる。
例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチルビニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シンナミル基、ナフチルビニル基等である。
前記式(2)におけるR〜R11の炭素数2〜12のアルキニル基としては、直鎖、分岐、環状のいずれであってもよく、また、フェニル基等の置換基を有していてもよく、次のようなものが挙げられる。
例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1,3−ブタンジエニル基、フェニルエチニル基、ナフチルエチニル基等である。
以上で挙げた中でも、前記式(2)のR〜R11としては、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特に好ましくは水素原子、メチル基である。これは置換基が立体的に大きすぎると、分子間の凝集が妨げられ、耐熱性が低下する可能性があるためである。
また、R〜R11が水素原子以外の炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルケニル基、または炭素数1〜12のアルキニル基である場合、前記式(2)中の水素原子以外の置換基数は2または4であることが好ましく、更に、置換数が2である場合、該置換基は2−位及び2’−位にあることが好ましく、置換数が4である場合、該置換基は2−位、2’−位、6−位及び6’−位にあることが好ましい。
化学構造(2)は、それ自体が2価の炭化水素基であることが低吸湿性、誘電特性の観点から好ましい。従って、Xは炭素原子及び水素原子以外の原子を含まないことが好ましく、直接結合、又は炭素数1〜13の2価の炭化水素基であることが好ましく、直接結合であることが特に好ましい。
前記式(3)中、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数2〜20の炭化水素基、好ましくは炭素数2〜15、より好ましくは炭素数2〜8の2価の飽和炭化水素基である。R及びRの炭化水素基は、直鎖又は分岐鎖の鎖状構造がよく、これらが組み合わされていてもよい。また、脂環式構造を含んでいてもよい。
及びRの好ましい例としては、エチレン基、プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,5−ペンチレン基、1,6−ヘキシレン基、1,8−オクチレン基、1,4−シクロへキシレン基、シクロへキシル−1,4−メチレン基等のアルキレン基、或いはアルキレン基を組み合わせた基が挙げられ、より好ましくはエチレン基、プロピレン基、1,4−ブチレン基、1,6−ヘキシレン基、シクロへキシル−1,4−メチレン基等である。
式(3)におけるmは0以上30以下の数であり、好ましくは0以上20以下の数であるが、耐熱性の観点からmは0であることが好ましい。
前記式(1)中のAは、化学構造(2)と化学構造(3)とを含むものであるが、化学構造(2)は、A全体のモル数に対して1〜99モル%含まれていることが好ましい。化学構造(2)に起因する耐熱性を十分に発現させるという観点からは、より好ましくはA中の化学構造(2)の割合はA全体のモル数に対して10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上、特に好ましくは30モル%以上である。一方、化学構造(3)による可撓性を十分なものとする観点から、A中の化学構造(2)の割合は、A全体のモル数に対してより好ましくは90モル%以下、更に好ましくは70モル%以下、特に好ましくは50モル%以下である。
また、化学構造(3)は、A全体のモル数に対して1〜99モル%含まれていることが好ましい。化学構造(3)に起因する可撓性を十分に発現させるという観点からは、より好ましくはA中の化学構造(3)の割合はA全体のモル数に対して10モル%以上、更に好ましくは30モル%以上、特に好ましくは50モル%以上である。一方、化学構造(2)による耐熱性を十分なものとする観点から、A中の化学構造(3)の割合は、A全体のモル数に対してより好ましくは90モル%以下、更に好ましくは80モル%以下、特に好ましくは70モル%以下である。
特にA中の化学構造(2)と化学構造(3)の含有モル比は、化学構造(2):化学構造(3)=10〜80:90〜20、特に20〜70:80〜30であることが耐熱性と可撓性のバランスを取る観点から好ましい。
なお、式(1)におけるAは、化学構造(2)と化学構造(3)以外の、公知の任意の構造を含んでいてもよいが、化学構造(2)と化学構造(3)とを含むことによる耐熱性と可撓性のバランスを取る観点から、A100モル%中の化学構造(2)と化学構造(3)の合計の含有量は30モル%以上、特に50〜100モル%であることが好ましい。
前記式(1)において、Bは互いに異なっていてもよく、水素原子又は前記式(4)で表される基(エポキシ基)である。式(1)は、エポキシ樹脂を表すため、末端構造Bとしては、両末端が式(4)のエポキシ基であってもよく、片末端のみが式(4)のエポキシ基であってもよい。あるいは、本発明のエポキシ樹脂は、通常これらの末端を有する分子や、次に説明する繰り返し数nの異なる分子等の混合物であるため、少量であれば両末端が水素原子となっているものを含んでいてもよい。
前記式(1)におけるRの5モル%以上は炭素数1〜10の脂肪族カルボニル基及び/又は芳香族カルボニル基で、残りは水素原子である。
前記式(1)におけるRの炭素数1〜10の脂肪族カルボニル基としては、アセチル基、プロパノイル基、イソプロパノイル基、ブタノイル基、イソブタノイル基、sec−ブタノイル基、tert−ブタノイル基、ペンタノイル基、イソペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクタノイル基、デカノイル基、アセトアセチル基、フェニルプロパノイル基、シンナミル基等が挙げられる。中でも炭素数2〜4の脂肪族カルボニル基が好ましく、具体的にはアセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、アセトアセチル基が好ましい。
前記式(1)におけるRの芳香族カルボニル基としては炭素数6〜10の芳香族カルボニル基が好ましく、ベンゾイル基、メチルベンゾイル基、メトキシベンゾイル基、フリルカルボニル基等が挙げられ、中でもベンゾイル基が好ましい。
前記式(1)におけるRの100モル%のうち、炭素数1〜10の脂肪族カルボニル基及び/又は芳香族カルボニル基の含有割合は5モル%以上である。炭素数1〜10の脂肪族カルボニル基及び/又は芳香族カルボニル基の含有割合が5モル%未満では、二級水酸基量を低減させることによる低吸湿性や溶剤溶解性の向上効果を得ることができない。低吸湿性、溶剤溶解性の観点から、Rに占める炭素数1〜10の脂肪族カルボニル基及び/又は芳香族カルボニル基の割合は多い方が好ましく、30モル%以上が好ましく、特に50〜100モル%、とりわけ70〜100モル%が好ましい。即ち、Rは水素原子を含まないものでもよい。ただし、水素原子を含むことで接着性が良好になるため、Rの100モル%中に水素原子が30モル%以下の範囲で含まれていてもよい。
本発明のエポキシ樹脂は、通常、前述の分岐末端Bや置換基、化学構造などが異なる分子や、次に説明する繰り返し数nの異なる分子等の混合物である。
前記式(1)中、nは繰り返し数であり、平均値である。その値の範囲はモノマーの残存量を減らす観点から1以上であり、また、樹脂の取り扱い性の観点から500以下である。製膜性を良好なものとする観点からnは好ましくは2以上であり、より好ましくは3以上であり、一方、樹脂の取り扱い性を更に良好なものとする観点から好ましくは200以下であり、より好ましくは100以下である。n数はゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により得られた数平均分子量Mnより算出することができる。GPC法については具体例を後掲実施例において説明する。
<エポキシ当量>
本発明のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、200〜50,000g/当量の範囲である。エポキシ当量が200g/当量より低いものではモノマーの残存量が多くなり、50,000g/当量より高いと樹脂の取り扱いが困難となる。本発明のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、モノマーの残存量を減らす観点から、400g/当量以上が好ましく、600g/当量以上がより好ましく、一方、取り扱い性を良好なものとする観点から、40,000g/当量以下が好ましく、30,000g/当量以下がより好ましく、20,000g/当量以下が更に好ましい。また、エポキシ当量は数平均分子量以下であることが好ましい。エポキシ当量はエポキシ基当たりの分子量であるから、エポキシ当量が数平均分子量以下であることは、平均で一分子当たり一つ以上のエポキシ基が含まれていることを意味する。これにより、本発明のエポキシ樹脂はそれ自体が硬化反応に関与し、架橋構造に組み込まれることが可能である。
<重量平均分子量(Mw)>
本発明のエポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は500〜200,000であることが好ましい。重量平均分子量が500より低いものではモノマーの残存量が多くなり、200,000より高いと樹脂の取り扱いが困難となる。本発明のエポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、モノマーの残存量を減らす観点から、1,000以上が好ましく、2,000以上がより好ましく、一方、取り扱い性を良好なものとする観点から、160,000以下が好ましく、120,000以下がより好ましく、80,000以下が更に好ましい。なお、エポキシ樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は前述のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定することができる。
[エポキシ樹脂の製造方法]
本発明のエポキシ樹脂は、例えば、下記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂と、下記式(6)で表されるジエステル系化合物とを反応させて得られる。理論的には、公知の方法で合成されたエポキシ樹脂の二級水酸基を後工程でアシル化する方法でも合成可能と考えられるが、この方法では、実際にはアシル化の反応中に生成する塩化水素やカルボン酸によって末端のエポキシ基が消失してしまうため、下記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂と、下記式(6)で表されるジエステル系化合物とを反応させる方法が好ましい。
Figure 2019059867
(上記式(5)及び/又は(6)中、A’は上記式(2)’で表される化学構造及び/又は上記式(3)’で表される化学構造を含み、R’の5モル%以上は炭素数1〜10の脂肪族カルボニル基及び/又は芳香族カルボニル基で、残りは水素原子である。n’は繰り返し数の平均値であり0以上6以下の数である。
上記式(2)’中、X’は直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、−C(CF−及び−CO−から選ばれる基であり、R’〜R’11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルケニル基、及び炭素数1〜12のアルキニル基から任意に選ばれる基である。
上記式(3)’中、R’及びR’は互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数2〜20の2価の炭化水素基であり、m’は0以上30以下の数である。)
上記式(5),(6)におけるA’としては、前記式(1)におけるAと同様のものが挙げられ、好ましいものも同様である。即ち、上記式(2)’におけるX’およびR’〜R’11は、それぞれ前記式(2)におけるXおよびR〜R11と同義であり、前記式(3)’におけるR11,R12及びm’は、それぞれ前記式(3)におけるR,R及びmと同義である。また、前記式(6)におけるR’は前記式(1)におけるRと同義である。
本発明のエポキシ樹脂の製造に用いられる前記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂は、例えば、下記式(7)で表されるジヒドロキシ化合物を、公知の方法によってエピハロヒドリンと縮合させて得ることができる。
Figure 2019059867
(上記式(7)におけるA’の定義は、前記式(5)及び/又は(6)におけるA’と同様である。)
また本発明のエポキシ樹脂の製造に用いられる前記式(6)で表されるジエステル系化合物は、例えば、前記式(7)で表されるジヒドロキシ化合物を、酸クロリドや酸無水物、あるいはカルボン酸等との縮合反応でアシル化して得ることができる。
前記式(5)及び/又は(6)中、A’は前記式(2)’で表される化学構造(以下「化学構造(2)’」と称す場合がある。)と前記(3)’で表される化学構造(以下「化学構造(3)’」と称す場合がある。)を含んでいてもよいし、含まなくともよいが、前記式(5)中のA’が化学構造(2)’を含まない場合は、前記式(6)中のA’は化学構造(2)’を必ず含むものである。前記式(5)中のA’が化学構造(3)’を含まない場合は、前記式(6)中のA’は化学構造(3)’を必ず含むものである。一方、前記式(6)中、A’は化学構造(2)’と化学構造(3)’との両方を含んでいてもよいし、含まなくともよいが、前記式(6)中のA’が化学構造(2)’を含まない場合は、前記式(5)中のA’は化学構造(2)’を必ず含むものである。前記式(6)中のA’が化学構造(3)’を含まない場合は、前記式(5)中のA’は化学構造(3)’を必ず含むものである。つまり、前述の通り、本発明のエポキシ樹脂には、化学構造(2)と化学構造(3)が必ず含まれるものであり、これを満たすために、式(5)中のA’及び/又は式(6)中のA’は、前記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂と式(6)で表されるジエステル系化合物との組み合わせで、化学構造(2)’と化学構造(3)’とを含むものであればよく、化学構造(2)’と化学構造(3)’は、前記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂及び式(6)で表されるジエステル系化合物のいずれに含まれるものであってもよく、またその化学構造の含有割合も前述の本発明のエポキシ樹脂中のAに含まれる化学構造(2)と化学構造(3)の好適割合の範囲内であれば特に限定されるものではない。
しかし、エポキシ基との反応性を考慮すると、前記式(6)で表されるジエステル系化合物は化学構造(2)’を必ず含むことが好ましい。
前記式(2)’におけるR’〜R’11の定義と好ましいものは、それぞれ前記式(2)におけるR〜R11と同様のものである。また、前記式(2)’におけるX’の定義と好ましいものは、それぞれ前記式(2)におけるXと同様のものである。
前記式(3)’におけるR’〜R’の定義と好ましいものは、それぞれ前記式(3)におけるR〜Rと同様のものである。また、前記式(3)’におけるm’の定義と好ましいものは、前記式(3)におけるmと同様のものである。
また、前記式(5)及び式(6)におけるA’には、化学構造(2)’と化学構造(3)’以外の公知の任意の化学構造が含まれていてもよい。
前記式(5)におけるn’は繰り返し数の平均値であり、0以上6以下の数、好ましくは0〜4である。前記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂を製造するために、公知の方法で前記式(7)で表されるジヒドロキシ化合物とエピハロヒドリンとを反応させると、得られる前記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂のn’は0より大きくなるのが通常である。n’を0とするためには、公知の方法で製造したエポキシ樹脂を蒸留・晶析等の手法で高度に精製するか、または前記式(7)で表されるジヒドロキシ化合物をアリル化した後に、オレフィン部分を酸化することでエポキシ化する方法がある。これにより、本発明のエポキシ樹脂は二級水酸基を含まないものとなり、吸湿性・誘電特性を更に改良することができる。一方で、例えば金属に対する接着性を微調整する際に、適当なn’数のエポキシ樹脂を用いることで、低吸湿性を始めとする他の物性に大きな影響を及ぼさない範囲で、本発明のエポキシ樹脂中に敢えて適量の二級水酸基を存在させることができる。
前述の好ましい割合で化学構造(2)及び化学構造(3)を含む本発明のエポキシ樹脂を製造するために、化学構造(2)’が前記式(5)及び式(6)中のA’全体のモル数に対して、1〜99モル%含まれていることが好ましい。化学構造(2)’、即ち化学構造(2)に起因する耐熱性を十分に発現させるという観点からは、より好ましくはA’中の化学構造(2)’の割合はA’全体のモル数に対して10モル%以上、更に好ましくは20モル%以上、特に好ましくは30モル%以上である。一方、可撓性を十分に発現させるという観点からA’中の化学構造(2)’の割合は、A’全体のモル数に対してより好ましくは90モル%以下、更に好ましくは70モル%以下、特に好ましくは50モル%以下である。
また、化学構造(3)’は、前記式(5)及び式(6)中のA’全体のモル数に対して、1〜99モル%含まれていることが好ましい。化学構造(3)’、即ち化学構造(3)に起因する可撓性を十分に発現させるという観点からは、より好ましくはA’中の化学構造(3)’の割合はA’全体のモル数に対して10モル%以上、更に好ましくは30モル%以上、特に好ましくは50モル%以上である。一方、耐熱性を十分なものとする観点からA’中の化学構造(3)’の割合は、A’全体のモル数に対してより好ましくは90モル%以下、更に好ましくは80モル%以下、特に好ましくは70モル%以下である。
特にA’中の化学構造(2)’と化学構造(3)’の含有モル比は、化学構造(2)’:化学構造(3)’=10〜80:90〜20、特に20〜70:80〜30であることが耐熱性と可撓性のバランスを取る観点から好ましい。
本発明のエポキシ樹脂の製造において、前記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂と式(6)で表されるジエステル系化合物の使用量は、その配合当量比で、(エポキシ基):(エステル基)=1〜1.2:1となるようにするのが好ましい。この当量比が上記範囲であると、分子末端にエポキシ基を有した状態での高分子量化を進行させやすくなるために好ましい。
また、前記式(6)で表されるジエステル系化合物の一部を、前記式(7)で表されるジヒドロキシ化合物に置き換えることも可能である。これにより前述のように、本発明のエポキシ樹脂中に敢えて適量の二級水酸基を存在させることで物性の微調整ができる。
本発明のエポキシ樹脂の合成には触媒を用いてもよく、その触媒としては、エポキシ基とエステル基との反応を進めるような触媒能を持つ化合物であればどのようなものでもよい。例えば、第3級アミン、環状アミン類、イミダゾール類、有機リン化合物、第4級アンモニウム塩等が挙げられる。
第3級アミンの具体例としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等が挙げられる。
環状アミン類の具体例としては、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5等が挙げられる。
イミダゾール類の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
有機リン化合物の具体例としては、トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィン、テトラメチルホスホニウムブロマイド、テトラメチルホスホニウムアイオダイド、テトラメチルホスホニウムハイドロオキサイド、テトラブチルホスホニウムハイドロオキサイド、トリメチルシクロヘキシルホスホニウムクロライド、トリメチルシクロヘキシルホスホニウムブロマイド、トリメチルベンジルホスホニウムクロライド、トリメチルベンジルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルエチルホスホニウムクロライド、トリフェニルエチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルエチルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、トリフェニルベンジルホスホニウムブロマイド等が挙げられる。
第4級アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラメチルアンモニウムブロミド、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミド、テトラエチルアンモニウムヨージド、テトラプロピルアンモニウムブロミド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムクロリド、テトラブチルアンモニウムブロミド、テトラブチルアンモニウムヨージド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロミド、ベンジルトリメチルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロリド、フェニルトリメチルアンモニウムクロリド等が挙げられる。
以上に挙げた触媒の中でも4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5、トリス(p−トリル)ホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィン、トリス(p−メトキシフェニル)ホスフィンが好ましく、特に4−(ジメチルアミノ)ピリジン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]ノネン−5が好ましい。また、触媒は1種のみを使用することも、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
触媒の使用量は反応固形分中、通常0.001〜1重量%であるが、これらの化合物を触媒として使用した場合、得られるエポキシ樹脂中にこれらが触媒残渣として残留し、プリント配線板の絶縁特性を悪化させたり、組成物のポットライフを短縮させたりするおそれがあるので、得られるエポキシ樹脂中の触媒由来の窒素の含有量が好ましくは2000ppm以下であり、また、触媒由来のリンの含有量が好ましくは2000ppm以下となるように用いることが好ましく、特に得られるエポキシ樹脂中の触媒由来の窒素の含有量が1000ppm以下であり、エポキシ樹脂中の触媒由来のリンの含有量が1000ppm以下となるように用いることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂は、その製造時の合成反応の工程において、反応用の溶媒を用いてもよく、その溶媒としては、エポキシ樹脂を溶解するものであればどのようなものでもよい。例えば、芳香族系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、グリコールエーテル系溶媒等が挙げられる。溶媒は1種のみで用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いることもできる。
芳香族系溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン等が挙げられる。ケトン系溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン等が挙げられる。
アミド系溶媒の具体例としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
グリコールエーテル系溶媒の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等が挙げられる。
エーテル系溶媒の具体例としては、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジブチルエーテル等が挙げられる。
エポキシ樹脂の製造時の合成反応における固形分濃度は35〜95重量%が好ましい。また、反応途中で高粘性生成物が生じたときは溶媒を追加添加して反応を続けることもできる。反応終了後、溶媒は必要に応じて、除去することもできるし、更に追加することもできる。
エポキシ樹脂の製造において、前記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂と式(6)で表されるジエステル系化合物との重合反応は使用する触媒が分解しない程度の反応温度で実施される。反応温度が高すぎると触媒が分解して反応が停止したり、生成するエポキシ樹脂が劣化したりするおそれがある。逆に温度が低すぎると十分に反応が進まないことがある。これらの理由から反応温度は、好ましくは50〜230℃、より好ましくは120〜200℃である。また、反応時間は通常1〜12時間、好ましくは3〜10時間である。アセトンやメチルエチルケトンのような低沸点溶媒を使用する場合には、オートクレーブを使用して高圧下で反応を行うことで反応温度を確保することができる。
[エポキシ樹脂組成物]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくとも前述した本発明のエポキシ樹脂と硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物である。また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、本発明のエポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂、無機フィラー、カップリング剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適宜配合することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、低吸湿性、耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性に優れ、各種用途に要求される諸物性を十分に満たす硬化物を与えるものである。
<硬化剤>
硬化剤とは、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質を示す。なお、本発明においては通常、「硬化促進剤」と呼ばれるものであってもエポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質であれば、硬化剤とみなすこととする。
本発明のエポキシ樹脂組成物中の硬化剤の含有量は、本発明のエポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分の固形分100重量部に対して、好ましくは固形分で0.1〜100重量部である。また、より好ましくは80重量部以下であり、更に好ましくは60重量部以下である。
なお、本発明において、「固形分」とは溶媒を除いた成分を意味し、固体のエポキシ樹脂のみならず、半固形や粘稠な液状物のものをも含むものとする。また、「全エポキシ樹脂成分」とは、エポキシ樹脂組成物が本発明のエポキシ樹脂のみを含有する場合は、本発明のエポキシ樹脂が該当し、エポキシ樹脂組成物が本発明のエポキシ樹脂と後述の他のエポキシ樹脂を含有する場合は、本発明のエポキシ樹脂と後述する他のエポキシ樹脂との合計に相当する。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、後述する他のエポキシ樹脂が含まれる場合には、エポキシ樹脂組成物中の本発明のエポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂との固形分の重量比は後述の通り99/1〜1/99である(即ち、固形分としての本発明のエポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂との合計100重量部中、他のエポキシ樹脂の含有量が1〜99重量部)ことが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いる硬化剤としては、特に制限はなく一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているものはすべて使用できる。耐熱性を高める観点から好ましいものとしてフェノール系硬化剤、アミド系硬化剤、イミダゾール類及び活性エステル系硬化剤等が挙げられる。以下、フェノール系硬化剤、アミド系硬化剤、イミダゾール系硬化剤、活性エステル系硬化剤、及びその他の使用可能な硬化剤の例を挙げる。
<フェノール系硬化剤>
硬化剤としてフェノール系硬化剤を用いることが、得られるエポキシ樹脂組成物の取り扱い性と、硬化後の耐熱性を向上させる観点から好ましい。
フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o−クレゾールノボラック、m−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、フルオログリシノール、ピロガロール、t−ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,4−ジヒドロキシナフタレン、2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,8−ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物又はポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック、アリル化ピロガロール等が例示される。
以上で挙げたフェノール系硬化剤は1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
硬化剤としてフェノール系硬化剤を用いる場合、全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基に対するフェノール系硬化剤中の官能基の当量比で0.8〜1.5の範囲となるように用いることが好ましい。この範囲内であると未反応のエポキシ基や硬化剤の官能基が残留しにくくなるために好ましい。
<アミド系硬化剤>
硬化剤としてアミド系硬化剤を用いることが、得られるエポキシ樹脂組成物の耐熱性の向上の観点から好ましい。
アミド系硬化剤としてはジシアンジアミド及びその誘導体、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
アミド系硬化剤は1種のみで用いても、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
アミド系硬化剤は、エポキシ樹脂組成物中の固形分としての全エポキシ樹脂成分とアミド系硬化剤との合計に対して0.1〜20重量%の範囲で用いることが好ましい。
<イミダゾール系硬化剤>
硬化剤としてイミダゾール類(イミダゾール系硬化剤)を用いることが、硬化反応を十分に進行させ、耐熱性を向上させる観点から好ましい。
イミダゾール類としては、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及びエポキシ樹脂と上記イミダゾール類との付加体等が例示される。なお、イミダゾール類は触媒能を有するため、一般的には後述する硬化促進剤にも分類されうるが、本発明においては硬化剤として分類するものとする。
以上に挙げたイミダゾール類は1種のみでも、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
イミダゾール類は、エポキシ樹脂組成物中の固形分としての全エポキシ樹脂成分とイミダゾール類との合計に対して0.1〜20重量%の範囲で用いることが好ましい。
<活性エステル系硬化剤>
硬化剤として活性エステル系硬化剤を用いることが、得られる硬化物の耐熱性、誘電特性を向上させる観点から好ましい。
活性エステル系硬化剤としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく、中でも、カルボン酸化合物とフェノール性水酸基を有する芳香族化合物とを反応させたフェノールエステル類がより好ましい。カルボン酸化合物としては、具体的には、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール性水酸基を有する芳香族化合物としては、カテコール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
以上に挙げた活性エステル系硬化剤は1種のみでも、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
活性エステル系硬化剤は、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂成分中のエポキシ基に対する活性エステル系硬化剤中の活性エステル基の当量比で0.2〜2.0の範囲となるように用いることが好ましい。
<その他の硬化剤>
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることのできる上記のフェノール系硬化剤、アミド系硬化剤、イミダゾール類及び活性エステル系硬化剤以外の硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤(ただし、第3級アミンを除く。)、酸無水物系硬化剤、第3級アミン、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。以上で挙げたその他の硬化剤は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
<他のエポキシ樹脂>
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂に加え、本発明のエポキシ樹脂とは異なる他のエポキシ樹脂を含むことができる。他のエポキシ樹脂を用いることで、不足する物性を補ったり、種々の物性を向上させたりすることができる。
他のエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであることが好ましく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等の、各種エポキシ樹脂を使用することができる。これらは1種のみでも2種以上の混合体としても使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、本発明のエポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂とを用いる場合、固形分としての全エポキシ樹脂成分中、他のエポキシ樹脂の配合量は、好ましくは1重量%以上であり、より好ましくは5重量%以上であり、更に好ましくは10重量%以上であり、一方、好ましくは99重量%以下であり、より好ましくは95重量%以下であり、更に好ましくは90重量%以下である。他のエポキシ樹脂の割合が上記下限値以上であることにより、他のエポキシ樹脂を配合することによる物性向上効果を十分に得ることができる。一方、他のエポキシ樹脂の割合が前記上限値以下であることにより、本発明のエポキシ樹脂の効果が十分に発揮され、低吸湿性等の特性を得る観点から好ましい。
<溶剤>
本発明のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物には、塗膜形成時の取り扱い時に、エポキシ樹脂組成物の粘度を適度に調整するために溶剤を配合し、希釈してもよい。本発明のエポキシ樹脂組成物において、溶剤は、エポキシ樹脂組成物の成形における取り扱い性、作業性を確保するために用いられ、その使用量には特に制限がない。なお、本発明においては「溶剤」という語と前述の「溶媒」という語をその使用形態により区別して用いるが、それぞれ独立して同種のものを用いても異なるものを用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物が含み得る溶剤としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のグリコールエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等のアルカン類、トルエン、キシレン等の芳香族類等が挙げられる。以上に挙げた溶剤は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
<その他の成分>
本発明のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物には、その機能性の更なる向上を目的として、以上で挙げたもの以外の成分(本発明において「その他の成分」と称することがある。)を含んでいてもよい。このようなその他の成分としては、エポキシ樹脂を除く熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂、硬化促進剤(ただし、「硬化剤」に含まれるものを除く。)、紫外線防止剤、酸化防止剤、カップリング剤、可塑剤、フラックス、難燃剤、着色剤、分散剤、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤、無機フィラー、有機フィラー等が挙げられる。
[硬化物]
本発明のエポキシ樹脂を硬化剤により硬化してなる硬化物は、低吸湿性、耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性等のバランスに優れ、良好な硬化物性を示すものである。ここでいう「硬化」とは熱及び/又は光等によりエポキシ樹脂組成物を意図的に硬化させることを意味するものであり、その硬化の程度は所望の物性、用途により制御すればよい。硬化反応の進行の程度は完全硬化であっても、半硬化の状態であってもよく、特に制限されないが、エポキシ基と硬化剤の硬化反応の反応率として通常5〜95%である。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させて硬化物とする際のエポキシ樹脂組成物の硬化方法は、エポキシ樹脂組成物中の配合成分や配合量によっても異なるが、通常、80〜280℃で60〜360分の加熱条件が挙げられる。この加熱は80〜160℃で10〜90分の一次加熱と、120〜200℃で60〜150分の二次加熱との二段処理を行うことが好ましく、また、ガラス転移温度(Tg)が二次加熱の温度を超える配合系においては更に150〜280℃で60〜120分の三次加熱を行うことが好ましい。このように二次加熱、三次加熱を行うことは硬化不良や溶剤の残留を低減する観点から好ましい。
樹脂半硬化物を作製する際には、加熱等により形状が保てる程度にエポキシ樹脂組成物の硬化反応を進行させることが好ましい。エポキシ樹脂組成物が溶剤を含んでいる場合には、通常、加熱、減圧、風乾等の手法で大部分の溶剤を除去するが、樹脂半硬化物中に5重量%以下の溶剤を残留させてもよい。
[用途]
本発明のエポキシ樹脂は、製膜性を有し、低吸湿性に優れ、かつ耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性等のバランスに優れ、またこれを含むエポキシ樹脂組成物は、低吸湿性、耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性等に優れた硬化物を与えるという効果を奏する。このため、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野に適用可能であり、特に、電気・電子分野における絶縁注型、積層材料、封止材料等として有用である。本発明のエポキシ樹脂及びそれを含むエポキシ樹脂組成物の用途の一例としては、多層プリント配線基板、キャパシタ等の電気・電子回路用積層板、フィルム状接着剤、液状接着剤等の接着剤、半導体封止材料、アンダーフィル材料、3D−LSI用インターチップフィル、絶縁シート、プリプレグ、放熱基板等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。なお、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
〔物性・特性の評価方法〕
以下の実施例及び比較例において、物性、特性の評価は以下の1)〜7)に記載の方法で行った。
1)重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)
東ソー(株)製「HLC−8320GPC装置」を使用し、以下の測定条件で、標準ポリスチレンとして、TSK Standard Polystyrene:F−128(Mw:1,090,000、Mn:1,030,000)、F−10(Mw:106,000、Mn:103,000)、F−4(Mw:43,000、Mn:42,700)、F−2(Mw:17,200、Mn:16,900)、A−5000(Mw:6,400、Mn:6,100)、A−2500(Mw:2,800、Mn:2,700)、A−300(Mw:453、Mn:387)を使用した検量線を作成して、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)をポリスチレン換算値として測定した。
カラム:東ソー(株)製「TSKGEL SuperHM−H+H5000+H4000+H3000+H2000」
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min
検出:UV(波長254nm)
温度:40℃
試料濃度:0.1重量%
インジェクション量:10μl
2)エポキシ当量
JIS K 7236に準じて測定し、固形分換算値として表記した。
3)耐熱性
(試験片の作成)
250mm×250mm×8mmのガラス板の片面に離型PETフィルムを貼り付けたものを2枚用意し、その内の1枚をフィルムを貼り付けた側が上になるように置いた。この上に内径4mmのシリコン製チューブをU字型にセットし、またガラス板の四隅に厚さ4mmの金属製スペーサーを置いた上で、もう1枚のフィルム付ガラス板をフィルム側が向かい合うようにして重ね合わせ、小型万力で2枚のガラス板を固定して硬化物作成用の型を準備した。エポキシ樹脂組成物を減圧下で脱泡した後、準備した型の中に流し入れ、170℃で1時間硬化させた。硬化物を所望の大きさに切り出し、試験片を得た。
この試験片について、SIIナノテクノロジー(株)製示差走査熱量計「TG/DTA」を使用し、30〜600℃まで10℃/minで昇温して5%重量減少温度を測定した。5%重量減少温度が350℃以上のものを◎、300℃以上350℃未満のものを○、250℃以上300℃未満のものを△、250℃未満のものを×とした。
4)可撓性
3)と同様の方法で、厚さ約4mm、幅10mm、長さ50mmの試験片を得た。この試験片を用い、SIIナノテクノロジー(株)製「DMS6100」を使用し、30〜150℃まで5℃/minで昇温して弾性率E’を測定した。40℃、1Hzでの弾性率が8MPa未満のものを◎、8MPa以上30MPa未満のものを○、30MPa以上1000MPa未満のものを△、1000MPa以上のものを×とした。
5)吸水率
4)と同様の方法で試験片を得た。この試験片を、85℃、85%RHの恒温恒湿槽に48時間放置した後の吸水率を下記式で算出した。
吸水率(%)=[{(85℃、85%RHに48時間放置後の試験片の重量)
−(処理前の試験片の重量)}/(処理前の試験片の重量)]×100
吸水率が2%未満のものを○、2%以上のものを×とした。
6)誘電特性
3)と同様の方法で厚さ約2mm、幅1〜2mm、長さ80mmの試験片を得た。この試験片について空洞共振法を用いて1GHzでの誘電率/誘電正接を測定した。誘電正接が0.050未満のものを○、0.050以上0.070未満のものを△、0.070以上のものを×とした。
7)溶剤溶解性
エポキシ樹脂をMEKに固形分が30重量%になるように混合し、室温で溶解したものを○、溶解しなかったものを×とした。
〔原料等〕
以下の実施例・比較例において用いた原料、及び触媒は以下の通りである。
[2官能エポキシ樹脂]
(A−1):1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル(三菱ケミカル(株)製 商品名「YED216D」、エポキシ当量116g/当量)
[ジエステル系化合物]
(B−1):ジアセトキシビフェニル
[二価の水酸基含有化合物]
(P−1):ビフェノール(水酸基当量93g/当量)
(P−2):ビスフェノールF(水酸基当量100g/当量)
[触媒]
(C−1):4−(ジメチルアミノ)ピリジン
(C−2):テトラアンモニウムハイドロキサイド 27重量%水溶液
(C−3):エチルトリフェニルホスフォニウムアイオダイド 30重量%エタノール/プロピレングリコール溶液
[硬化剤]
(D−1):ビスフェノールAノボラック樹脂(三菱ケミカル(株)製 商品名「YLH129」)
(D−2):2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール(三菱ケミカル(株)製 商品名「EMI−24」)
〔エポキシ樹脂の製造と評価〕
<実施例1及び比較例1〜2>
実施例1については、表−1に示した配合で2官能エポキシ樹脂、ジエステル系化合物、及び触媒を撹拌機付き反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下、140℃で7時間反応を行った。
比較例1については、表−1に示した配合で2官能エポキシ樹脂、二価の水酸基含有化合物、及び触媒を撹拌機付き反応容器に入れ、シクロヘキサノンで固形分70%に調整した後、窒素ガス雰囲気下、145℃で5時間反応を行った。
比較例2については、表−1に示した配合で2官能エポキシ樹脂、及び二価の水酸基含有化合物を撹拌機付き反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下で水分を留去した後、触媒を加えて170℃で5時間反応を行った。
得られた樹脂について分析を行った結果を表−1に示す。
また、各エポキシ樹脂にエポキシ基と当量の硬化剤(D−1)と0.05phrの硬化剤(D−2)を配合し、よく撹拌してエポキシ樹脂組成物を得た。
これらのエポキシ樹脂組成物について、前述の通り、170℃で1時間加熱することにより硬化させ、エポキシ樹脂硬化物を得た。得られた硬化物について分析を行った結果を表−1に示す。
なお、実施例1において、(A−1):1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテルと(B−1):ジアセトキシビフェニルとは(エポキシ基):(エステル基)=1.6:1となるように反応させた。得られたエポキシ樹脂についてビフェニル基を含む化合物と1,6−ヘキシレン基を含む化合物の仕込み量より概算した、化学構造(2)に該当するビフェニル基と化学構造(3)に該当する1,6−ヘキシレン基を有する化合物との合計に対するビフェニル基の割合は38モル%で、1,6−ヘキシレン基の割合は62モル%であった。
Figure 2019059867
[評価結果]
表−1の結果より、本発明のエポキシ樹脂を用いて得られた実施例1のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂を用いなかった比較例1〜2のエポキシ樹脂組成物のそれぞれと比較して低吸湿性に優れる上に、耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性のバランスに優れたものであることがわかる。
本発明のエポキシ樹脂は、低吸湿性に優れ、かつ耐熱性、可撓性、溶剤溶解性、誘電特性等のバランスに優れ、またこれを含むエポキシ樹脂組成物も、低吸湿性、耐熱性、可撓性、誘電特性、耐溶剤性等に優れた硬化物を与えるという効果を奏する。このため、本発明のエポキシ樹脂及びそれを含むエポキシ樹脂組成物は、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野に適用可能であり、特に、電気・電子分野における絶縁注型、積層材料、封止材料等として有用である。本発明のエポキシ樹脂及びそれを含むエポキシ樹脂組成物の用途の一例としては、多層プリント配線基板、キャパシタ等の電気・電子回路用積層板、フィルム状接着剤、液状接着剤等の接着剤、半導体封止材料、アンダーフィル材料、3D−LSI用インターチップフィル、絶縁シート、プリプレグ、放熱基板等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。

Claims (16)

  1. 下記式(1)で表される、エポキシ当量が200〜50,000g/当量であることを特徴とするエポキシ樹脂。
    Figure 2019059867
    (上記式(1)中、Aは上記式(2)で表される化学構造及び上記式(3)で表される化学構造を含み、Bは互いに異なっていてもよく、水素原子又は上記式(4)で表される化学構造であり、少なくともいずれか一方は上記式(4)で表される基である。Rの5モル%以上は炭素数1〜10の脂肪族カルボニル基及び/又は芳香族カルボニル基で、残りは水素原子である。nは繰り返し数の平均値であり2以上500以下の数である。
    上記式(2)中、Xは直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、−C(CF−及び−CO−から選ばれる基であり、R〜R11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルケニル基、及び炭素数1〜12のアルキニル基から任意に選ばれる基である。
    上記式(3)中、R及びRは互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数2〜20の2価の炭化水素基であり、mは0以上30以下の数である。)
  2. 前記式(3)のmが0である、請求項1に記載のエポキシ樹脂。
  3. 前記式(2)で表される化学構造が炭化水素基である、請求項1又は2に記載のエポキシ樹脂。
  4. 下記式(5)で表される2官能エポキシ樹脂と、下記式(6)で表されるジエステル系化合物との反応物である、請求項1乃至3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂。
    Figure 2019059867
    (上記式(5)及び/又は(6)中、A’は上記式(2)’で表される化学構造及び/又は上記式(3)’で表される化学構造を含み、R’の5モル%以上は炭素数1〜10の脂肪族カルボニル基及び/又は芳香族カルボニル基で、残りは水素原子である。n’は繰り返し数の平均値であり0以上6以下の数である。
    上記式(2)’中、X’は直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO−、−C(CF−及び−CO−から選ばれる基であり、R’〜R’11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルケニル基、及び炭素数1〜12のアルキニル基から任意に選ばれる基である。
    上記式(3)’中、R’及びR’は互いに同一であっても異なっていてもよく、炭素数2〜20の2価の炭化水素基であり、m’は0以上30以下の数である。)
  5. 前記式(3)’のm’が0である、請求項4に記載のエポキシ樹脂。
  6. 前記式(2)’で表される化学構造が炭化水素基である、請求項4又は5に記載のエポキシ樹脂。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の本発明のエポキシ樹脂と、硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物。
  8. 本発明のエポキシ樹脂の固形分100重量部に対し、前記硬化剤を固形分で0.1〜100重量部含む、請求項7に記載のエポキシ樹脂組成物。
  9. 本発明のエポキシ樹脂と本発明のエポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂とを含み、本発明のエポキシ樹脂と該他のエポキシ樹脂との固形分の重量比が、99/1〜1/99である、請求項7又は8に記載のエポキシ樹脂組成物。
  10. 本発明のエポキシ樹脂と前記他のエポキシ樹脂の固形分の合計100重量部に対し、前記硬化剤を固形分で0.1〜100重量部含む、請求項9に記載のエポキシ樹脂組成物。
  11. 前記硬化剤がフェノール系硬化剤、アミド系硬化剤、イミダゾール類及び活性エステル系硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項7乃至10のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  12. 請求項7乃至11のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  13. 請求項7乃至11のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物からなる封止材。
  14. 請求項7乃至11のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物からなる複合材料。
  15. 請求項7乃至11のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物からなる接着剤。
  16. 請求項7乃至11のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物からなる塗料。
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