JP2013221120A - エポキシ樹脂組成物および該エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物および該エポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物 Download PDF

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Abstract

【課題】成形性、機械特性、耐熱性に優れると共に、熱伝導性にも優れたエポキシ樹脂組成物を提供する。
【解決手段】下記式(1)で表される、エポキシ当量2500g/当量以上のエポキシ樹脂(A)と、150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)とを含有するエポキシ樹脂組成物。
Figure 2013221120

(Aは特定のビフェニル骨格。Bは水素原子又はグリシジル基。nは平均値で10<n<50。)
【選択図】なし

Description

本発明は、機械特性、成形性、耐湿性、耐熱性に優れると共に、熱伝導性にも優れたエポキシ樹脂組成物に関する。また本発明は、このエポキシ樹脂組成物を硬化させてなる硬化物およびその用途に関するものである。
エポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度および電気的特性に優れていることから、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野で使用されている。特に、電気・電子分野では、絶縁注型、積層材料、封止材料等として幅広く使用されている。近年、これらの用途において、材料の基本的な物性に対する要求に加え、放熱性に対する要求が高まっている。
例えば、電気・電子機器に使用される多層回路基板は、機器の小型化、軽量化および高機能化が進んでおり、更なる多層化、高密度化、薄型化、軽量化と、信頼性および成形加工性の向上等が要求されている。
これに伴い、用いられる材料の機械特性、成形性、耐湿性、耐熱性、電気特性、放熱性等の特性が問題になっている。
特に放熱性については、更なる高密度化に向けて、エポキシ樹脂組成物の熱伝導性の向上が求められるようになってきている。
これまでのエポキシ樹脂組成物からなる高熱伝導材料は、高熱伝導性の無機フィラーを含む組成物に関するものがほとんどであり、マトリクスとなるエポキシ樹脂自体の熱伝導性よりも、汎用のエポキシ樹脂と高熱伝導性の無機フィラーを複合させたエポキシ樹脂組成物に関するものが多かった。
このようなエポキシ樹脂組成物では、無機フィラーが熱伝導を担う。しなしながら、上記要求を満たしつつ、高熱伝導材料の熱伝導性をさらに向上させるためには、マトリックスとして存在するエポキシ樹脂自体の熱伝導率の向上が重要となる。樹脂の熱伝導率を向上させることが出来れば、所望の熱伝導率を達成するために充填するフィラーの量を減らすことが出来、その分、材料設計の自由度が増すという効果もある。そのため、マトリクスであるエポキシ樹脂自体の熱伝導性の向上が求められるようになってきている。
従来、エポキシ樹脂自体の熱伝導性を向上させる発明として、エポキシ樹脂にメソゲン骨格を導入する方法が開示されている。例えば、非特許文献1には、種々のメソゲン骨格の導入によるエポキシ樹脂の熱伝導性の向上についての記載がある。
また、特許文献1には、ビフェニル骨格のみを用いた熱伝導性のよいエポキシ樹脂が開
示されている。
特開2010−001427号公報
電子部品用エポキシ樹脂の最新技術(シーエムシー出版、2006年、第1章P24〜31、第5章P114〜121)
非特許文献1で開示されるものは、熱伝導性の向上は見られるものの、コスト面、プロセス適合性、耐加水分解性や熱安定性などのバランスを考慮すると実用的とは言えなかった。また、特許文献1で合成されている樹脂は、ごく低分子量のエポキシ樹脂のみであり、成形性に欠け、また、特許文献1において合成されたエポキシ樹脂を用いて得られた硬化物は、靱性が不十分であることが予想される。このために、実際の硬化物として用いる場合にはゴム成分を添加するなどの変性が必要となり、その際には変性による熱伝導率の低下が懸念される。
このように、メソゲン骨格は熱伝導性に優れることは知られているが、従来提案されているメソゲン骨格を有するエポキシ樹脂を用いた組成物には、成形性に優れ、熱伝導性、機械特性、耐熱性などの性能バランスに優れた硬化物を与えるものがなかった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、本発明の目的は、成形性、機械特性、耐熱性に優れると共に、熱伝導性にも優れたエポキシ樹脂組成物を提供することである。
本発明の目的はまた、このエポキシ樹脂組成物の硬化物、このエポキシ樹脂組成物から得られるプリプレグと三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物、並びに三次元積層型半導体装置およびその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、下記発明が上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下を要旨とする。
[1] 下記式(1)で表される構造を有し、かつ、エポキシ当量が2500g/当量以上であるエポキシ樹脂(A)と、150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
Figure 2013221120
(式(1)中、Aは下記式(2)で表されるビフェニル骨格であり、Bは水素原子又は下記式(3)で表される基であり、nは繰り返し数であり、平均値は10<n<50である。)
Figure 2013221120
(式(2)中、Rは、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又はハロゲン原子であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2013221120
[2] 150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)が下記式(4)で表されるエポキシ樹脂を含むことを特徴とする[1]に記載のエポキシ樹脂組成物。
Figure 2013221120
(式(4)中、Rは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又はハロゲン原子であり、互いに同一であっても異なっていてもよく、mは繰り返し数であり、平均値で0〜6の数である。)
[3] さらに無機フィラー(C)を、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とを含む全エポキシ樹脂100重量部に対して、5重量部以上1900重量部以下含有する、[1]または[2]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[4] さらに硬化剤(D)を、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とを含む全エポキシ樹脂100重量部に対して、0.005重量部以上200重量部以下含有する、[1]から[3]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
[5] [1]から[4]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
[6] [1]から[4]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物から得られるプリプレグ。
[7] [1]から[4]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物から得られる三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物。
[8] [1]から[4]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を層間に用いた三次元積層型半導体装置。
[9] [1]から[4]のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を層間に充填する三次元積層型半導体装置の製造方法。
本発明によれば、成形性、機械特性、耐熱性に優れると共に、熱伝導性にも優れたエポキシ樹脂組成物が提供される。また、本発明によれば、このエポキシ樹脂組成物を層間充填剤組成物として用いて、層間の熱伝導性等に優れた三次元積層型半導体装置が提供される。
以下、本発明の実施の形態について説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その要旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
〔エポキシ樹脂組成物〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は、下記式(1)で表される構造を有し、かつ、エポキシ当量が2500g/当量以上であるエポキシ樹脂(A)と、150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)とを含有するものである。
Figure 2013221120
(式(1)中、Aは下記式(2)で表されるビフェニル骨格であり、Bは水素原子又は下記式(3)で表される基であり、nは繰り返し数であり、平均値は10<n<50である。)
Figure 2013221120
(式(2)中、Rは、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又はハロゲン原子であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2013221120
[エポキシ樹脂(A)]
本発明のエポキシ樹脂組成物が含有する、エポキシ樹脂(A)は、上記式(1)で表される構造を有し、且つエポキシ当量が2500g/当量以上であるエポキシ樹脂である。
上記式(1)で表される構造を有し、且つエポキシ当量が2500g/当量以上である本発明に係るエポキシ樹脂(A)は、十分な伸び性を有し、熱伝導性、耐熱性とのバランスに優れたエポキシ樹脂である。
従来の高熱伝導性エポキシ樹脂は、ほぼすべてが熱伝導性を高めるために設計されたエポキシ樹脂であり、硬化条件を含めた硬化プロセス等において制限があることが多く、その選択の自由度は低かった。このため、部材や封止材、接着剤などの製品に従来の高熱伝導性エポキシ樹脂を適用しようとした場合、コストを含めた製品の要求物性と高熱伝導性を両立させることが非常に困難であった。
これに対し、本発明で用いるエポキシ樹脂(A)は、それ自体熱伝導性に優れ、エポキシ樹脂成分として所望の量添加することで硬化物の熱伝導性を高めることが出来、また、エポキシ樹脂(A)の伸び性に由来して、材料に靱性を付与しうることから、製品への要求物性と高熱伝導性の両立が可能な本発明のエポキシ樹脂組成物を提供することができる。
本発明に係るエポキシ樹脂(A)が伸び性に優れる理由の詳細は明らかではないが、引っ張りの応力がかかった際の延伸に耐えうる分子鎖長を有し、さらにその応力を緩和するために、重なり合ったビフェニル骨格同士が「滑る」ことができるためであると推測される。また、この時、結晶性が高すぎると、脆く、伸びずに破断してしまうため、適度にアモルファス部分を有していることが重要であるが、本発明に係るエポキシ樹脂(A)では、ビフェニル骨格が置換基を有することにより、結晶性を適度に低下させることができ、このことが伸び性の発現に繋がっていると考えられる。従って、伸び性の観点からは、前記式(2)におけるRがすべて水素原子ではなく、1つ以上のRが炭化水素基、又はハロゲン原子であることが好ましい。
物質の熱伝導はフォノンと伝導電子に支配され、金属のように自由電子を有する場合は伝導電子による寄与が大きいが、エポキシ樹脂は一般的に絶縁体であり、絶縁体においてはフォノンが熱伝導の主因子である。フォノンによる熱伝導は振動エネルギーの伝播であるので、振動が減衰しにくく、硬い材料であるほど熱伝導性に優れる。
本発明に係るエポキシ樹脂(A)が熱伝導性に優れる理由の詳細は明確ではないが、全ての骨格がビフェニル骨格であることから構造の自由度が少なく、振動エネルギーが減衰しにくいこと、またビフェニル骨格は平面性が高いため、分子間の重なりが良く、より分子運動を拘束できることによるものであると推定される。
エポキシ樹脂は、一般に、結晶性がよい方が耐熱性に優れる傾向があり、同一構造のエポキシ樹脂であれば、樹脂の分子量、あるいはエポキシ当量が高い方が耐熱性に優れる傾向にある。エポキシ樹脂(A)は適度な結晶性とエポキシ当量の高さを有することにより耐熱性にも優れる。
前記式(1)中、nは繰り返し数であり、平均値である。その値の範囲は10<n<50であるが、伸び性と樹脂の取り扱いの両面のバランスから、nの範囲は、15<n<50であることが好ましく、とりわけ20<n<50であることが好ましい。式(1)のnが10以下であると本発明のエポキシ樹脂組成物の伸び性が不十分となり、50以上であるとエポキシ樹脂(A)を含む、本発明のエポキシ樹脂組成物の粘度が高くなり、取り扱いが困難となる傾向がある。
前記式(1)中、Aは前記式(2)で表されるビフェニル骨格であり、前記式(2)において、Rは、互いに同一であっても異なっていてもよく、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又はハロゲン原子を表すが、1分子のエポキシ樹脂において、Rとしては水素原子と炭素数1〜10の炭化水素基との両方を含んでいるものがエポキシ樹脂全体の結晶性とハンドリングの観点から好ましい。Rがすべて同一であると結晶性が高くなり、熱伝導性を高めることが可能であるが、結晶性が高すぎるとエポキシ樹脂組成物をフィルム成形したときの伸びが小さくなる傾向にある。
前記式(2)におけるRが、炭素数1〜10の炭化水素基である場合には、Rは好ましくは1〜4のアルキル基、特に好ましくはメチル基である。
尚、Rの炭化水素基は置換基を有していてもよく、その置換基は特に限定されるものではないが、分子量で200以下のものである。
また、Rのハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子を指し、これらは1種のみでも複数種を含んでいてもよい。
前記式(2)で表されるAのビフェニル骨格は、2,2’−ビフェニル骨格、2,3’−ビフェニル骨格、2,4’−ビフェニル骨格、3,3−ビフェニル骨格、3,4’−ビフェニル骨格、4,4’−ビフェニル骨格のいずれでも良いが、好ましくは4,4’−ビフェニル骨格である。
また、Rとしては、このビフェニル骨格の2位および/又は6位に水素原子があることが好ましく、3位および/又は5位に炭化水素基があることが好ましい。
本発明で用いるエポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は2,500g/当量以上であるが、エポキシ当量が2,500g/当量未満の場合には、本発明のエポキシ樹脂組成物は、十分な伸び性が得られず、フィルム成形・塗布などのプロセスに適用することが困難となる。
伸び性の観点からは、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、好ましくは3,000g/当量以上、より好ましくは4,000g/当量以上である。
一方、エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量の上限値は特に限定はないが、取り扱い性・作業性という点で、好ましくは15,000g/当量以下、より好ましくは10,000g/当量以下である。
エポキシ樹脂(A)のエポキシ当量は、後述の実施例の項に記載される方法で求められる。
また、エポキシ樹脂(A)の重量平均分子量Mwは、10,000以上200,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が10,000より低いものでは伸び性が低くなる傾向にあり、200,000より高いと樹脂の取り扱いが困難となる傾向にある。エポキシ樹脂(A)の重量平均分子量は、後述の実施例の項に記載される方法で求められる。
本発明に係るエポキシ樹脂(A)は耐熱性に優れるものであり、後掲の実施例の項で示すガラス転移温度Tgで評価した場合、80℃以上、220℃以下を達成することができる。エポキシ樹脂(A)のTgは、後掲の本発明のエポキシ樹脂組成物を用いる用途では高い方が好ましく、好ましくは85℃以上、より好ましくは90℃以上、更に好ましくは95℃以上であるが、Tgが高過ぎると、加工プロセスで使用する加熱温度で硬化反応が十分に進行せず、品質が安定しなかったり、要求される物性が発現しなかったりする、といった問題が生じうるため、その上限は通常200℃であることが好ましい。
また、本発明に係るエポキシ樹脂(A)は伸び性に優れるものであり、後掲の実施例の項で示す伸びで評価した場合、5%以上を達成することができる。
以下、エポキシ樹脂(A)の製造方法について説明する。
エポキシ樹脂(A)は、例えば、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(X)とビフェノール化合物(Y)を反応させる、二段法によって得ることができる。また、1種類又は2種類以上のビフェノール化合物(Y)とエピクロロヒドリンを直接反応させる、一段法によっても得られる。しかし、ビフェノール化合物(Y)は溶剤溶解性が良くないため、一般的に一段法に用いられる溶剤がそのまま適用できない場合があるので、二段法を用いることが好ましい。
エポキシ樹脂(A)の製造に用いられる2官能エポキシ樹脂(X)は、ビフェニル骨格を有し、分子内に2個のエポキシ基を持つ化合物であり、下記式(5)で表されるビフェノール化合物をエピハロヒドリンと縮合させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。
Figure 2013221120
(式(5)中、Rは式(2)におけるRと同義である。)
前記式(5)で表されるビフェノール化合物としては、例えば、2,2’−ビフェノール、2,3’−ビフェノール、2,4’−ビフェノール、3,3’−ビフェノール、3,4’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール、2−メチル−4,4’−ビフェノール、3−メチル−4,4’−ビフェノール、2,2’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタメチル−4,4’−ビフェノール等が挙げられる。これらの中で好ましいものは、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールである。エピハロヒドリンとの縮合反応を行う際には、これらのビフェノール化合物は単独で用いてもよく、また複数種を併用してもよい。また、このようなビフェノール化合物とエピハロヒドリンとを縮合させて得られた2官能エポキシ樹脂(X)を複数種併用することもできる。
エポキシ樹脂(A)の原料としての2官能エポキシ樹脂(X)は、その末端基不純物である加水分解性塩素濃度が200ppm以下であり、αグリコール基濃度が100meq/kg以下であることが好ましい。2官能エポキシ樹脂(X)の加水分解性塩素濃度が200ppmより大きい場合や、αグリコール基濃度が100meq/kgより大きい場合には、十分に高分子量化しなくなり、好ましくない。
一方、ビフェノール化合物(Y)は、2個の水酸基がビフェニル骨格に結合した化合物であり、前記式(4)で表される。ビフェノール化合物(Y)としては、上記と同様、例えば、2,2’−ビフェノール、2,3’−ビフェノール、2,4’−ビフェノール、3,3’−ビフェノール、3,4’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール、2−メチル−4,4’−ビフェノール、3−メチル−4,4’−ビフェノール、2,2’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタメチル−4,4’−ビフェノール等が挙げられる。これらの中で好ましいものは、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールである。これらのビフェノール化合物は複数種を併用することもできる。
なお、上記2官能エポキシ樹脂(X)とビフェノール化合物(Y)に含まれるビフェニル骨格が同時に無置換でないことが好ましく、一分子中に1つ以上の置換基を有することが好ましい。全てが無置換のビフェニル骨格であると、得られるエポキシ樹脂(A)の結晶性が高くなり、伸び性が悪くなる傾向にある。
エポキシ樹脂(A)の製造において、上記の2官能エポキシ樹脂(X)とビフェノール化合物(Y)の使用量は、その配合当量比で、エポキシ基:フェノール性水酸基=1:0.90〜1.10となるようにするのが好ましい。この当量比が上記範囲であることにより十分な高分子量化が進行する。
エポキシ樹脂(A)の合成には触媒を用いてもよく、その触媒としては、エポキシ基とフェノール性水酸基、アルコール性水酸基やカルボキシル基との反応を進めるような触媒能を持つ化合物であればどのようなものでもよい。例えば、アルカリ金属化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、環状アミン類、イミダゾール類等が挙げられる。これらの触媒は1種のみを使用することも、2種以上組み合わせて使用することもできる。
アルカリ金属化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属フェノキシド、水素化ナトリウム、水素化リチウム等のアルカリ金属の水素化物、酢酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等の有機酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
有機リン化合物の具体例としては、トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、テトラメチルホスフォニウムブロマイド、テトラメチルホスフォニウムアイオダイド、テトラメチルホスフォニウムハイドロオキサイド、トリメチルシクロヘキシルホスホニウムクロライド、トリメチルシクロヘキシルホスホニウムブロマイド、トリメチルベンジルホスホニウムクロライド、トリメチルベンジルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルエチルホスホニウムクロライド、トリフェニルエチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルエチルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、トリフェニルベンジルホスホニウムブロマイドなどが挙げられる。
第3級アミンの具体例としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミンなどが挙げられる。
第4級アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。
環状アミン類の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7,1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5等が挙げられる。
イミダゾール類の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
触媒の使用量は反応固形分中、通常0.001〜1重量%である。
なお、触媒として、アルカリ金属化合物を使用すると得られるエポキシ樹脂(A)中にアルカリ金属分が残留し、このようなエポキシ樹脂(A)を含む本発明のエポキシ樹脂組成物をプリント配線板に使用した場合、使用したプリント配線板の絶縁特性を悪化させる傾向があるため、エポキシ樹脂(A)中のLi,NaおよびKの含有量の合計が60ppm以下、好ましくは50ppm以下とする必要がある。
また、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、環状アミン類、イミダゾール類等を触媒として使用した場合も、得られるエポキシ樹脂(A)中にこれらが触媒残渣として残留し、アルカリ金属分の残留と同様にプリント配線板の絶縁特性を悪化させるので、エポキシ樹脂(A)中の窒素原子の含有量が300ppm以下であり、エポキシ樹脂(A)中のリン原子の含有量が300ppm以下である必要がある。さらに好ましくは、エポキシ樹脂(A)中の窒素原子の含有量は200ppm以下であり、エポキシ樹脂(A)中のリン原子の含有量は200ppm以下である。
本発明のエポキシ樹脂(A)は、その製造時の合成反応の工程において、溶剤として有機溶媒を用いてもよく、その有機溶媒としては、エポキシ樹脂(A)を溶解するものであればどのようなものでもよい。例えば、芳香族系溶剤、ケトン系溶剤、アミド系溶剤、グリコールエーテル系溶剤などが挙げられる。
芳香族系溶剤の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
ケトン系溶剤の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジオキサンなどが挙げられる。
アミド系溶剤の具体例としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
グリコールエーテル系溶剤の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
これらの有機溶媒は単独で用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
エポキシ樹脂(A)の製造時の合成反応における反応系の固形分濃度は35〜95重量%が好ましい。また、反応途中で高粘性生成物が生じたときは溶剤(有機溶媒)を追加添加して反応を続けることもできる。反応終了後、溶剤(有機溶媒)は必要に応じて、除去することもできるし、更に追加することもできる。
エポキシ樹脂(A)の製造において、2官能エポキシ樹脂(X)とビフェノール化合物(Y)との重合反応は、使用する触媒が分解しない程度の反応温度で実施される。反応温度が高すぎると生成するエポキシ樹脂が劣化するおそれがある。逆に温度が低すぎると十分に反応が進まないことがある。これらの理由から反応温度は、好ましくは50〜230℃、より好ましくは120〜200℃である。また、反応時間は通常1〜12時間、好ましくは3〜10時間である。アセトンやメチルエチルケトンのような低沸点溶剤を使用する場合には、オートクレーブを使用して高圧下で反応を行うことで反応温度を確保することができる。
[150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)]
本発明のエポキシ樹脂組成物が含有するエポキシ樹脂(B)は、150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂である。このような低溶融粘度のエポキシ樹脂はその高い熱流動性に起因して硬化時に分子配向性を高めながら硬化させることが可能であり、また、本発明のエポキシ樹脂組成物にフィラー充填する際、フィラーの高充填を可能とする効果を付与することが出来る。エポキシ樹脂の150℃における粘度が0.05Pa・sより高くなると、エポキシ樹脂組成物の溶融粘度が高くなってしまい、三次元積層型半導体装置を製造する際に、半導体チップの電気的接合を阻害したり、あるいは、樹脂のみの硬化物や後述する無機フィラー(C)を導入した硬化物を含め、熱伝導率が十分に向上しないなどの不具合が生じる虞がある。
エポキシ樹脂の150℃における樹脂の粘度は、市販の溶融粘度計を用いて測定することができる。
本発明のエポキシ樹脂(B)の150℃における粘度は、より具体的には、後掲の実施例の項に記載される方法に従って、株式会社アントンパール・ジャパン製 粘弾性測定装置Physica MCR301を用いて測定したパラレルプレート動的粘度である。
エポキシ樹脂(B)の150℃における粘度を0.05Pa・s以下とするには、例えば、樹脂の分子量を低減させることや、樹脂の骨格中に柔軟性の高い鎖、例えば脂肪族鎖を導入することや、融点を有するエポキシ樹脂(化合物)を用いることが挙げられる。融点を有するエポキシ樹脂とは、室温では結晶状態で安定した固体として存在する一方、融点に達すると共に速やかに結晶状態が解け、きわめて低粘度の液状になる物質である。
より具体的に、市販品として入手可能な150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)としては、三菱化学(株)製ビスフェノールA型エポキシ樹脂(YL6810;150℃における粘度0.01Pa・s以下)、ビスフェノールF型エポキシ樹脂(1750;150℃における粘度0.01Pa・s以下)、ビフェニル型エポキシ樹脂(YX4000(H);150℃における粘度0.02Pa・s以下、YL6121H;150℃における粘度0.02Pa・s以下)、アントラセン系エポキシ樹脂(YX8800;150℃における粘度0.02Pa・s以下)、新日鐵化学(株)製ビスフェノール型エポキシ樹脂(YSLV−80XY;150℃における粘度0.01Pa・s以下、YSLV−120TE;150℃における粘度0.02Pa・s以下)、ハイドロキノン型エポキシ樹脂(YDC−1312)、DIC(株)製ナフタレン型エポキシ樹脂(HP4032D)等が例示される。
特に本発明で用いるエポキシ樹脂(B)は、エポキシ樹脂(A)との相互作用によるさらなる高熱伝導化が実現しうることから、下記式(4)で表されるエポキシ樹脂を含むことが好ましい。
Figure 2013221120
(式(4)中、Rは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又はハロゲン原子であり、互いに同一であっても異なっていてもよく、mは繰り返し数であり、平均値で0〜6の数である。)
上記式(4)において、Rは炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましく、mは0〜2であることが好ましい。
また、エポキシ樹脂(B)のエポキシ当量については、高すぎると溶融粘度が高くなる傾向があり、分子配向による高熱伝導化に悪影響を及ぼしうることから、50〜300g/当量、特に150〜250g/当量であることが好ましい。
このようなエポキシ樹脂(B)の市販品としては、三菱化学(株)製ビフェニル型エポキシ樹脂(YX4000(H);150℃における粘度0.02Pa・s以下、YL6121H;150℃における粘度0.02Pa・s以下)が挙げられる。
これらのエポキシ樹脂(B)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
本願発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)と共に150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)を含むことにより、取り扱い性に優れた樹脂組成物を得ることが出来、また、十分な機械特性、耐熱性と熱伝導性を有する硬化物を得ることができる。エポキシ樹脂(A)と150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)とを含有する本発明のエポキシ樹脂組成物の熱伝導性が向上する理由は明かではないが、エポキシ樹脂(A)と150℃における粘度が0.5Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)が共に分子配向性を有するため、その相乗効果で硬化時に分子配向性がより高まるためと推測される。
[他のエポキシ樹脂]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、その目的を損なわない範囲において、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)以外のエポキシ樹脂(以下、「他のエポキシ樹脂」と称す。)を含んでいてもよい。
他のエポキシ樹脂の例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、アントラセン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、多官能フェノール型エポキシ樹脂等の、各種エポキシ樹脂が挙げられる。
なお、他のエポキシ樹脂のエポキシ当量については特に制限はなく、用途に応じて選択すればよい
これらの他のエポキシ樹脂は1種を添加しても良いし、2種以上を添加しても良い。
[エポキシ樹脂の含有割合]
本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)と150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂中のエポキシ樹脂(A)の割合は、その合計を100重量%として、1〜99重量%、好ましくは5〜95重量%である。なお、「エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂」とは、本発明のエポキシ樹脂組成物に含まれるエポキシ樹脂が、エポキシ樹脂(A)およびエポキシ樹脂(B)のみの場合には、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)の合計を意味し、さらに他のエポキシ樹脂を含む場合には、エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)および他のエポキシ樹脂の合計を意味する。
全エポキシ樹脂中のエポキシ樹脂(A)の割合が上記下限以上であることにより、エポキシ樹脂組成物に成膜性を付与し、またエポキシ樹脂(A)の配合による熱伝導性の向上効果を十分に得ることができ、所望の高熱伝導性を得ることができる。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物において、エポキシ樹脂(A)と150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂中のエポキシ樹脂(B)の割合は、その合計を100重量%として、1〜99重量%、好ましくは5〜95重量%である。
150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)の割合が上記下限以上であることにより、エポキシ樹脂組成物に加熱時の流動性を付与し、また150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)の配合による熱伝導性の向上効果を十分に得ることができ、所望の高熱伝導性を得ることができる。
また、エポキシ樹脂(A)と150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)の配合割合は、重量比で、エポキシ樹脂(A):エポキシ樹脂(B)=1:0.01〜99、特に1:0.05〜20であることが、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とを併用することによる熱伝導率の向上と各種物性とのバランスを取る上で好ましい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物が、エポキシ樹脂(A)と150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)の他、他のエポキシ樹脂を含む場合、他のエポキシ樹脂の割合は、全エポキシ樹脂100重量%に対して70重量%以下であることが好ましく、より好ましくは60重量%以下である。
本発明のエポキシ樹脂組成物が他のエポキシ樹脂を含むことにより、硬化物の機械特性、成形性、耐熱性などを制御することができるが、その含有量が多過ぎると、相対的にエポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)の含有量が低減し、本発明の目的を達成し得ない。
[無機フィラー(C)]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて、無機フィラー(C)を含有していてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、無機フィラー(C)は、熱伝導性と強度の向上を目的に添加され、特に熱伝導性の向上が主目的である。
そのため、本発明で用いる無機フィラー(C)は高い熱伝導性を有するものが好ましく、当該無機フィラーの熱伝導率として1W/m・K以上、好ましくは2W/m・K以上の高熱伝導性無機フィラーが好ましい。
無機フィラー(C)としては、アルミナ(Al)、窒化アルミニウム(AlN)、窒化ホウ素(BN)、窒化ケイ素(Si)、シリカ(SiO)などが挙げられ、なかでも、Al、AlN、BN、SiOが好ましく、とりわけAl、BN、SiOが好ましい。これらの無機フィラーは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
無機フィラー(C)は、その粒径が大き過ぎると硬化物中にボイドが残留しやすくなり、小さ過ぎると凝集しやすくなり分散性が悪くなることから、粒状や扁平状の無機フィラーであれば、平均粒径0.05〜1000μm程度のものを用いることが好ましい。
また、凝集状の無機フィラーであれば、平均結晶径が0.01μm〜5μmで、平均凝集径が1〜1000μmのものを用いることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物が無機フィラー(C)を含有する場合、その含有量は、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂100重量部当たり、5重量部以上1900重量部以下が好ましく、10重量部以上1800重量部以下がより好ましい。無機フィラー(C)の含有量が全エポキシ樹脂100重量部当たり、上記下限未満であると、無機フィラー(C)の添加効果が小さくなり、目的とする熱伝導性が得られない場合があり、上記上限を超えると硬化性、硬化物の物性が不十分なものとなるおそれがある。
[硬化剤(D)]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、必要に応じて硬化剤(D)を含有していてもよい。
硬化剤(D)とは、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応に寄与する物質を示す。
硬化剤(D)としては、特に制限はなく一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、フェノール系硬化剤、脂肪族アミン、ポリエーテルアミン、脂環式アミン、芳香族アミンなどのアミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、第3級アミン、イミダゾールおよびその誘導体、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o−クレゾールノボラック、m−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、フルオログリシノール、ピロガロール、t−ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,4−ジヒドロキシナフタレン、2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,8−ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物又はポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック、アリル化ピロガロール等が例示される。
アミン系硬化剤の具体例として、脂肪族アミン類としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等が例示される。ポリエーテルアミン類としては、トリエチレングリコールジアミン、テトラエチレングリコールジアミン、ジエチレングリコールビス(プロピルアミン)、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン類等が例示される。脂環式アミン類としては、イソホロンジアミン、メタセンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、ノルボルネンジアミン等が例示される。芳香族アミン類としては、テトラクロロ−p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソール、2,4−トルエンジアミン、2,4−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、2,4−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−アミノフェノール、m−アミノベンジルアミン、ベンジルジメチルアミン、2−ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエタノールアミン、メチルベンジルアミン、α−(m−アミノフェニル)エチルアミン、α−(p−アミノフェニル)エチルアミン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、α,α’−ビス(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が例示される。
酸無水物系硬化剤の具体例としては、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、無水ヘット酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、1−メチル−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物等が例示される。
アミド系硬化剤としては、ジシアンジアミド、ポリアミド樹脂等が例示される。
第3級アミンとしては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が例示される。
イミダゾールおよびその誘導体としては、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、およびエポキシ樹脂と上記イミダゾール類との付加体等が例示される。
有機ホスフィン類としては、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等が例示され、ホスホニウム塩としては、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレート等が例示され、テトラフェニルボロン塩としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等が例示される。
また、これらの硬化剤(D)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物が硬化剤(D)を含有する場合、その含有量は、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)を含む全エポキシ樹脂100重量部当たり、好ましくは0.005重量部以上200重量部以下であり、より好ましくは0.01重量部以上180重量部以下ある。
硬化剤(D)の含有量が上記下限未満であると、硬化が不十分になるおそれがあり、上記上限を超えると、エポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、無機フィラー(C)に由来する熱伝導性、硬化性などの物性が得られない場合がある。
[その他の添加剤]
本発明のエポキシ樹脂組成物には、その機能性の更なる向上を目的として、本発明の効果を損なわない範囲において、各種の添加剤を含んでいてもよい。
なお、本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述のエポキシ樹脂(A)、エポキシ樹脂(B)、必要に応じて用いられる無機フィラー(C)および硬化剤(D)を主成分とするものであり、その他の添加剤成分は、エポキシ樹脂組成物全量の10重量%以下が好ましく、好ましくは5重量%以下であることがより好ましい。
上記添加剤としては、基材との接着性やマトリックス樹脂と無機フィラーとの接着性を向上させるための添加成分として、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤、保存安定性向上のための紫外線防止剤、酸化防止剤、可塑剤、はんだの酸化皮膜除去のためのフラックス、難燃剤、着色剤、分散剤、流動性改良剤、基材との密着性向上剤等が挙げられる。
これらは、いずれも1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。その他の添加剤の配合量は、上記の上限値以下の範囲において特に制限はなく、必要な機能性が得られる程度に、通常の樹脂組成物の配合量で用いられる。
<カップリング剤>
上記添加剤の中でも、エポキシ樹脂成分と無機フィラー(C)との密着性を向上させる観点からは、カップリング剤を含むことが好ましい。
ここで、シランカップリング剤としては、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(β−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン、さらに、エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タイプのシラン等が挙げられる。
一方、チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジイソプロピルビス(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
これらのカップリング剤は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物がカップリング剤を含む場合、その含有量は、エポキシ樹脂組成物中の全固形分に対して0.1〜2.0重量%程度とすることが好ましい。カップリング剤の配合量が少ないと、カップリング剤を配合したことによるマトリックス樹脂であるエポキシ樹脂と無機フィラー(C)との密着性の向上効果を十分に得ることができず、多過ぎると得られる硬化物からカップリング剤がブリードアウトする問題がある。なお、ここで全固形分とは、後述の如く、溶剤以外の全成分をさし、通常、本発明のエポキシ樹脂組成物の全成分に該当する。
<熱可塑性のオリゴマー類>
また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、成形時の流動性改良および基材との密着性向上の観点より、熱可塑性のオリゴマー類を添加することができる。熱可塑性のオリゴマー類としては、C5系およびC9系の石油樹脂、スチレン樹脂、インデン樹脂、インデン・スチレン共重合樹脂、インデン・スチレン・フェノール共重合樹脂、インデン・クマロン共重合樹脂、インデン・ベンゾチオフェン共重合樹脂等が例示される。これらは、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。本発明のエポキシ樹脂組成物がこれらの熱可塑性のオリゴマー類を含む場合、その含有量としては、通常、全エポキシ樹脂100重量部に対して、2〜30重量部の範囲である。
[エポキシ樹脂組成物の製造方法]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、通常、エポキシ樹脂(A)、150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)、必要に応じて用いられる他のエポキシ樹脂、無機フィラー(C)、および硬化剤(D)とその他の添加剤成分をミキサー等によって均一に混合した後、加熱ロール、ニーダー等によって混練して製造される。これらの成分の配合順序には特に制限はない。また、混練後にプレス機などを用いてフィルム化することも可能である。更には、混練後に溶融混練物の粉砕を行い、パウダー化することやタブレット化することも可能である。
〔エポキシ樹脂組成物塗布液〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂(A)、150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)、必要に応じて用いられる他のエポキシ樹脂、無機フィラー(C)、硬化剤(D)、およびその他の添加剤成分を、更に有機溶媒(E)に分散して塗布液(以下、「本発明のエポキシ樹脂組成物塗布液」または「本発明の塗布液」と称す場合がある。)とすることができる。
[有機溶媒(E)]
本発明のエポキシ樹脂組成物塗布液で用いる有機溶媒(E)としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、メチルアミルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等のアルカン類、トルエン、キシレン等の芳香族類などが挙げられる。
このうち、樹脂の溶解性および溶媒の沸点等を勘案すると、メチルエチルケトンやシクロヘキサノン等のケトン類、エステル類およびエーテル類が好ましく、特にメチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類を用いることが特に好ましい。
これらの有機溶媒(E)は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
本発明の塗布液において、有機溶媒(E)の他の成分に対する混合割合は、特に制限はないが、好ましくは本発明の塗布液の固形分濃度が10重量%以上90重量%以下、特に好ましくは20重量%以上80重量%以下となるように有機溶媒(E)を用いることが好ましい。このような混合割合とすることにより、本発明の塗布液を使用して任意の塗布法によって良好な塗布膜を形成することができる。
なお、ここで、塗布液の「固形分」とは塗布液中の有機溶媒(E)以外の成分をさす。
本発明の塗布液の固形分濃度が上記上限を超えると塗布液の粘度が上昇し良好な塗布膜が得られない場合があり、また上記下限未満では所定の膜厚が得られない等の問題が出てくる可能性がある。
[添加剤]
本発明の塗布液には、各種の添加剤を含んでいてもよい。
このような添加剤としては、前述の本発明のエポキシ樹脂組成物に用いられる添加剤の他、塗布液中での各成分の分散性を向上させる界面活性剤、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤等が挙げられる。
<界面活性剤>
界面活性剤としては、従来公知のアニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤のいずれも使用できる。
例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、モノグリセリドアルキルエステル類、アルキルベンゼンスルホン酸塩類、アルキルナフタレンスルホン酸塩類、アルキル硫酸塩類、アルキルスルホン酸塩類、スルホコハク酸エステル塩類、アルキルベタイン類、アミノ酸類などが挙げられる。
界面活性剤を用いる場合、その添加量としては、エポキシ樹脂組成物塗布液中の全固形分に対して、0.001〜5重量%程度とするのが好ましい。界面活性剤の添加量が上記下限未満では、所定の膜厚均一性が得られない場合があり、また上記上限を超えるとエポキシ樹脂成分との相分離等を引き起こす場合があり好ましくない。
[エポキシ樹脂組成物塗布液の製造方法]
本発明の塗布液の製造方法は、特に限定されず従来公知の方法によればよく、塗布液の構成成分を混合することで製造することができる。なお、その際、塗布液の均一性の向上、脱泡等を目的として、ペイントシェーカーやビーズミル、プラネタリミキサ、撹拌型分散機、自公転攪拌混合機、三本ロールなどを用いて混合することが好ましい。
また、混合順序も反応や沈殿物が発生するなど特段の問題がない限り任意であり、塗布液の構成成分のうち、何れか2成分又は3成分以上を予め配合し、その後に残りの成分を混合してもよいし、一度に全部を混合してもよい。
〔エポキシ樹脂組成物の用途〕
本発明のエポキシ樹脂組成物は、成形性、熱伝導性、耐熱性、機械特性などのバランスに優れるものであり、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野に適用可能であり、特に、電気・電子分野における絶縁注型、積層材料、封止材料等として有用である。
本発明のエポキシ樹脂組成物の用途の一例としては、多層プリント配線基板、フィルム状接着剤、液状接着剤、半導体封止材料、アンダーフィル材料、三次元積層デバイス(三次元積層型半導体装置)用の層間充填剤(3D−LSI用インターチップフィル)、絶縁シート、プリプレグ、放熱基板等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
〔エポキシ樹脂組成の硬化物〕
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる各種の本発明の硬化物について説明する。
本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて硬化物を得るためには、例えば、トランスファー成形、プレス成形、注型成形、射出成形、押出成形等の方法が適用される。
本発明のエポキシ樹脂組成物を接着剤として用いる場合は、本発明のエポキシ樹脂組成物を用いて基材を接着後、15〜200℃の環境で5分間〜1週間放置して硬化させればよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物を封止材として用いる場合は、本発明のエポキシ樹脂組成物を注型、或いはトランスファー成形機、射出成形機などを用いて成形し、さらに80〜200℃で2〜10時間に加熱することにより硬化物を得ることができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物からビルドアップ用接着フィルムを製造する方法は、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を、支持フィルム上に塗布し樹脂組成物層を形成させて多層プリント配線板用の接着フィルムとする方法が挙げられる。
繊維からなるシート状補強基材に本発明のエポキシ樹脂組成物を含浸させて多層プリント配線板の層間絶縁層用のプリプレグを製造する方法は、例えば、本発明のエポキシ樹脂組成物を繊維からなるシート状補強基材にホットメルト法又はソルベント法により含浸させ、加熱により半硬化させることにより製造する方法が挙げられる。ここで使用し得る繊維からなるシート状補強基材としては、例えばガラスクロスやアラミド繊維等が挙げられる。
このようにして製造されたプリプレグを用いて多層プリント配線板を製造する方法としては、例えば回路基板にプリプレグを1枚あるいは必要により数枚重ね、離型フィルムを介して金属プレートを挟み加圧・加熱条件下でプレス積層する方法が挙げられる。ここで、圧力条件は具体的には0.5〜4MPa、温度は120〜200℃で20〜100分の範囲であることが好ましい。また接着フィルムと同様に真空ラミネート法により回路基板にラミネートした後、加熱硬化することによっても製造可能である。その後、導体層をめっきにより形成して多層プリント配線板を製造することができる。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物塗布液から本発明の硬化物を得る場合につき詳述する。
本発明の塗布液から硬化物を得る場合、本発明の塗布液を基板上に塗布し、形成された塗布膜から溶媒を除去してAステージ膜とした後、必要に応じてBステージ膜とし、さらに必要に応じて圧力をかけてこれを硬化させる方法が挙げられる。なお、Bステージ膜とは完全硬化していない半硬化状態の膜を示す。
本発明の塗布液の塗布方法としては特に制限はないが、均一な薄膜を容易に形成することができることから、スピンコート、ディップコート、スプレーコート、フローコート、ドクターブレード法、スクリーン印刷法、インクジェット法などを採用することが好ましい。
形成された塗布膜から溶媒を除去してBステージ膜を得る際の溶媒の除去は、膜を常温あるいは加熱下において溶媒を蒸発させることにより行うことができる。この際必要に応じて減圧を行うことも出来る。この溶媒の除去は、エポキシ樹脂組成物の硬化温度未満の温度で行うことが接着性を得る上で重要である。
なお、ここで、エポキシ樹脂組成物の硬化温度とはゲル化点の温度であり、通常20〜200℃である。溶媒除去時の処理温度は、エポキシ樹脂組成物の硬化温度に対して10〜200℃、好ましくは10〜100℃の温度とすることが好ましい。
このようにして得られたBステージ膜の硬化は、エポキシ樹脂組成物の硬化温度以上、例えばエポキシ樹脂組成物の硬化温度よりも5〜50℃高い温度に加熱することにより行われる。
なお、塗布膜を得た後に溶媒を留去するのではなく、まず、塗布液から溶媒を留去した固体を得た後、前述の手法で注型し、その後加熱して硬化させることも出来る。
本発明の塗布液を三次元積層型半導体装置の製造に適用して硬化物を得る場合は以下の手順で行う。
本発明の塗布液をウェハ基板上に塗布し、形成された塗布膜から溶媒を除去してAステージ膜とし、必要に応じてBステージ膜とした後、ウェハから半導体チップを切り出す。切り出したチップを基板上に載せ、位置合わせ後に加圧・加熱を行って仮接着した後に、はんだの溶融温度まで半導体チップ−基板を加圧・加熱して接合を行う。その後、この接合済みの半導体チップ−基板をオーブン中などで加熱し、硬化させる。
ここで、本発明の塗布液の塗布方法、形成された塗布膜から溶媒を除去してBステージ膜を得る際の溶媒の除去方法、硬化条件等については前述の通りである。
なお、上述のようにウェハ基板上やチップ上でAステージ化した後に更に加熱してBステージ膜を得るのではなく、まず、塗布液中で半硬化反応を進めた後にチップ上に塗布し、溶媒を除去することでBステージ膜を得ることも出来る。
また、塗布液から溶媒を留去した後、プレス機やロールを用いてフィルムなどに成形し、得られたフィルムを半導体チップ−基板間に挟み込み、加圧・加熱によりはんだ接合を行った後に加熱して硬化させることも出来る。
[三次元積層型半導体装置]
本発明の三次元積層型半導体装置は、本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなるエポキシ樹脂組成物硬化物を層間に有するものであり、高い熱伝導性を有し、半導体デバイスの高速化・高容量化に寄与することが期待される。
[硬化物の用途]
本発明の硬化物は、前述の本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなるものであり、成形性、耐熱性、機械特性、熱伝導性に優れ、上記本発明のエポキシ組成物の用途に記載される各種用途の中間および最終製品として使用される。
以下に実施例および比較例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例により何ら限定されるものではない。
[物性の評価方法]
実施例で使用したエポキシ樹脂の物性は、下記の方法により測定した。
<分子量>
東ソー(株)製「HLC−8120GPC装置」を使用し、以下の測定条件で、標準ポリスチレンとして、TSK Standard Polystyrene:F−128(Mw1,090,000、Mn1,030,000)、F−10(Mw106,000、Mn103,000)、F−4(Mw43,000、Mn42,700)、F−2(Mw17,200、Mn16,900)、A−5000(Mw6,400、Mn6,100)、A−2500(Mw2,800、Mn2,700)、A−300(Mw453、Mn387)を使用した検量線を作成し、重量平均分子量および数平均分子量をポリスチレン換算値として測定した。
カラム:東ソー(株)製「TSKGEL SuperHM−H+H5000+H4000+H3000+H2000」
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/min
検出:UV(波長254nm)
温度:40℃
試料濃度:0.1重量%
インジェクション量:10μL
<n数>
前記式(1)におけるnの値およびその平均値は、上記で求められた数平均分子量より算出した。
<エポキシ当量>
JIS K 7236に準じて測定し、固形分換算値として表記した。
<ガラス転移温度(Tg)>
溶剤を乾燥除去したエポキシ樹脂で、SIIナノテクノロジー(株)製「DSC7020」を使用し、30〜200℃まで10℃/minで昇温して測定した。
<伸び>
エポキシ樹脂の溶液をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み:100μm)にアプリケーターで塗布し、60℃で1時間、その後150℃で1時間、更に200℃で1時間乾燥させ、厚さ約50μmのエポキシ樹脂フィルムを得た。これを幅1cmに切り出し、オートグラフ(INSTRON 5582)を使用して5mm/minで3回測定した平均値を示した。
<溶融粘度>
エポキシ樹脂の150℃における粘度は、株式会社アントンパール・ジャパン製 粘弾性測定装置Physica MCR301を用いて以下の方法で測定したパラレルプレート動的粘度である。
エポキシ樹脂が室温で液状であれば、そのままで、室温で固体であればこれを加熱して室温まで冷却することで不定形固体を得た後に、このエポキシ樹脂を、パラレルプレートディッシュとパラレルプレート(25mmφ)の間に載置しパラレルプレート動的粘度測定を行った。測定条件は、上記サンプルに正弦波歪みを20%与え、その歪みの角周波数は10rad/secとし、1分間に3℃の割合で昇温させる過程での粘度を40℃〜200℃まで測定した。
[使用材料]
実施例のエポキシ樹脂組成物塗布液の調製に用いた材料は以下の通りである。
<エポキシ樹脂(A)>
実施例で使用したエポキシ樹脂(A)は、下記の方法で製造した。
使用した原料、触媒、溶剤を以下に示す。
・ 2官能エポキシ樹脂(X):三菱化学(株)製 商品名「YL6121H」(4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂と3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂の1:1(重量比)混合物、エポキシ当量171g/当量)
・ ビフェノール化合物(Y):3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール(OH当量107g/当量、本州化学(株)製)
・ 触媒:27重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液
・ 溶剤
溶剤1:シクロヘキサノン(CHN)
溶剤2:メチルエチルケトン(MEK)
2官能エポキシ樹脂(X)210重量部、ビフェノール化合物(Y)127.6重量部、触媒0.78重量部、および溶剤1(シキロヘキサノン)181.8重量部を撹拌機付き耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下、180℃で5時間反応を行った。その後、該耐圧反応容器に溶剤1(シキロヘキサノン)212.1重量部および溶剤2(メチルエチルケトン)393.8重量部を加えて固形分濃度を30重量%に調整した。反応生成物から定法により溶剤を除去した後(ただし、伸びの測定については溶剤除去前に)、得られたエポキシ樹脂(A)について分析を行った結果を以下に示す。
エポキシ樹脂(A)
重量平均分子量(Mw):26425
数平均分子量(Mn) :8129
式(1)におけるn数 :29
エポキシ当量 :4586(g/当量)
Tg :103(℃)
伸び :10(%)
<その他の材料>
実施例で使用した150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B1、B2)、他のエポキシ樹脂1、他のエポキシ樹脂2、無機フィラー(C1,C2)、硬化剤(D)、および有機溶媒(E)を以下に示す。
なお、150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B1、B2)、他のエポキシ樹脂1、他のエポキシ樹脂2のエポキシ当量は、後掲の表1に示す通りである。
1)150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)
・ エポキシ樹脂(B1):三菱化学(株)製 ビフェニル型エポキシ樹脂 商品名「YL6121H」(前記式(4)において、Rがメチル基の化合物とRが水素原子の化合物の約1:1の混合物、mは約0.1、150℃における粘度0.02Pa・s以下)
・ エポキシ樹脂(B2):三菱化学(株)製 ビフェニル型エポキシ樹脂 商品名「YX4000H」(前記式(4)において、Rがメチル基の化合物、mは約0.2、150℃における粘度0.02Pa・s以下)
2)他のエポキシ樹脂
・ 他のエポキシ樹脂1:三菱化学(株)製 トリスフェノールメタン型多官能エポキシ樹脂 商品名「1032H60」(60重量%メチルエチルケトン溶液を調製)
・ 他のエポキシ樹脂2:日本化薬(株)製 ビフェニル型多官能エポキシ樹脂 商品名「NC−3000」(30重量%メチルエチルケトン溶液を調製)
3)無機フィラー(C)
・無機フィラー(C1):日新リフラテック製 窒化ホウ素 商品名「R−BN」(平均粒径:3.0μm)
・無機フィラー(C2):(株)龍森製 結晶性シリカ 商品名「VX−S2」(平均粒径4.9μm)
4)硬化剤(D):四国化成工業(株)製 2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール 商品名「2PHZ−PW」
5)有機溶媒(E):メチルエチルケトン(MEK)
[実施例1〜6]
上記エポキシ樹脂(A)と150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B1、B2)、他のエポキシ樹脂1、他のエポキシ樹脂2、無機フィラー(C1,C2)、硬化剤(D)、および有機溶媒(E)を表1に示す配合重量比として自転公転ミキサーで混合してエポキシ樹脂組成物塗布液を調製した。それぞれのサンプルについて、減圧下に、80℃で15分、次いで150℃で5分加熱して、溶媒を除去した後に、離型処理した二枚のガラスにスペーサ(0.2mmあるいは0.5mm)と共に挟んで硬化を行った。硬化条件は165℃で2時間加熱、その後、180℃で2時間加熱とした。
得られた硬化膜の熱伝導率を以下の方法で測定し、結果を表1に示した。
<硬化膜の熱伝導率>
硬化膜について、以下の装置を用いて、熱拡散率、比重、および比熱を測定し、この3つの測定値を乗じることで求めた。
(1) 熱拡散率:株式会社アイフェイズ「アイフェイズ・モバイル 1u」
(2) 比重:メトラー・トレド株式会社「天秤 XS−204」
(固体比重測定キット使用)
(3) 比熱:セイコーインスツル株式会社「DSC320/6200」
Figure 2013221120
表1より明らかなように、実施例1〜6で得られた硬化膜は、いずれも、エポキシ樹脂(A)およびエポキシ樹脂(B)に起因する高熱伝導性を発現した。
本発明により、フィルム成形・塗布等のプロセスに適用するのに十分な製膜性、伸び性を有し、硬化後には熱伝導性、耐熱性、靱性の性能バランスに優れたエポキシ樹脂組成物が提供される。本発明のエポキシ樹脂組成物を用いてなる材料は、高熱伝導性に加えて各種物性の性能バランスが求められる産業分野に利用されることが期待される。

Claims (9)

  1. 下記式(1)で表される構造を有し、かつ、エポキシ当量が2500g/当量以上であるエポキシ樹脂(A)と、150℃における粘度が0.05Pa・s以下であるエポキシ樹脂(B)とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2013221120
    (式(1)中、Aは下記式(2)で表されるビフェニル骨格であり、Bは水素原子又は下記式(3)で表される基であり、nは繰り返し数であり、平均値は10<n<50である。)
    Figure 2013221120
    (式(2)中、Rは、水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又はハロゲン原子であり、互いに同一であっても異なっていてもよい。)
    Figure 2013221120
  2. エポキシ樹脂(B)が下記式(4)で表されるエポキシ樹脂を含むことを特徴とする請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
    Figure 2013221120
    (式(4)中、Rは水素原子、炭素数1〜10の炭化水素基、又はハロゲン原子であり、互いに同一であっても異なっていてもよく、mは繰り返し数であり、平均値で0〜6の数である。)
  3. さらに無機フィラー(C)を、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とを含む全エポキシ樹脂100重量部に対して、5重量部以上1900重量部以下含有する、請求項1または請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. さらに硬化剤(D)を、エポキシ樹脂(A)とエポキシ樹脂(B)とを含む全エポキシ樹脂100重量部に対して、0.005重量部以上200重量部以下含有する、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
  6. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物から得られるプリプレグ。
  7. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物から得られる三次元積層型半導体装置用の層間充填剤組成物。
  8. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を層間に用いた三次元積層型半導体装置。
  9. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を層間に充填する三次元積層型半導体装置の製造方法。
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