JP5760997B2 - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及び硬化物 - Google Patents
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は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、またはハロゲン原子であり、互いに異なっていてもよい。)
後の数値または物性値を含む表現として用いるものとする。
本発明のエポキシ樹脂は、下記式(1)で表わされるエポキシ樹脂であって、式(1)におけるAが式(2)で表される構造であり、かつ式(1)中に互いに異なる3種類以上の式(2)で表される構造を有するものである。
前記式(1)中、Aは前記式(2)で表される構造であり、かつ式(1)中に互いに異なる3種類以上の式(2)で表される構造を有するものである。式(2)で表される構造の種類の上限は、本発明の効果を損なわないものであれば特に制限されないが、通常10種類以下、好ましくは7種類以下、より好ましくは5種類以下、特に好ましくは3種類である。
1分子のエポキシ樹脂において、R1〜R8としては、水素原子と炭素数1〜10の炭化水素基との両方を含んでいるものがエポキシ樹脂全体の結晶性とハンドリングの観点から好ましい。R1〜R8が同一であると結晶性が高くなり、熱伝導性を高めることが可能であるが、結晶性が高すぎるとエポキシ樹脂をフィルム成形したときの伸びが小さくなる傾向にある。
さらに具体的には、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基などが挙げられる。エーテル結合を有する置換基としては、例えば、メトキシメチル基が挙げられる。エステル結合を有する置換基としては、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基が挙げられる。
これらの中で、原料調達の容易さから好ましくはメトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシ基である。ただし、伸び性の優れたエポキシ樹脂を得る観点、原料調達や製造の容易さの観点などから、炭化水素基は置換基を有しないものが特に好ましい。
更に、本発明のエポキシ樹脂は、前記式(1)におけるAのビフェニル骨格が、特に下記式(4)から(6)の3種の構造を含んでいるものが好ましい。
前記式(4)のビフェニル骨格:2〜40モル%
前記式(5)のビフェニル骨格:2〜55モル%
前記式(6)のビフェニル骨格:20〜96モル%
本発明のエポキシ樹脂のエポキシ当量は特に制限されないが、エポキシ樹脂をフィルム成形したときの伸びを大きくする観点から、500g/当量以上であることが好ましく、より好ましくは1,000g/当量以上、更に好ましくは2,500g/当量以上、特に好ましくは3,500g/当量以上であり、最も好ましくは4,500g/当量以上であり、一方、硬化時の反応性の観点から、30,000g/当量以下であることが好ましく、より好ましくは15,000g/当量以下、更に好ましくは10,000g/当量以下である。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K 7236に準じて測定することができる。エポキシ当量は、後述のエポキシ樹脂の製造方法の項において説明する反応条件、触媒の選択などによって制御することが可能である。
本発明のエポキシ樹脂の重量平均分子量Mwは、10,000以上200,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が10,000より低いものでは伸び性が低くなる傾向にあり、200,000より高いと樹脂の取り扱いが困難となる傾向にある。エポキシ樹脂の重量平均分子量および数平均分子量は、例えば、後述の実施例で説明する方法により測定することができる。
エポキシ樹脂が、有機溶媒に対する溶解性が不十分である場合、当該エポキシ樹脂を含む組成物を塗布した際に、エポキシ樹脂の析出物による外観不良の問題が起こることが考えられる。ここでいう有機溶媒とは、後述のエポキシ樹脂の製造方法において説明する反応用の溶媒及び/またはエポキシ樹脂組成物における希釈用の溶媒を指す。その中でもケトン系溶媒に対する溶解性に優れることが好ましく、ケトン系の混合溶媒溶解性に優れることがより好ましく、メチルエチルケトン及び/またはシクロヘキサノンに対する溶解性に優れることが特に好ましい。
電気・電子分野では、絶縁注型、積層材料、封止材料等においてエポキシ樹脂を用いる場合、材料の熱伝導性の高いことが求められる。従って、エポキシ樹脂は熱伝導が大きいことが好ましい。熱伝導はフォノンと伝導電子に支配され、金属のように自由電子を有する場合は伝導電子による寄与が大きいが、エポキシ樹脂は一般的に絶縁体であり、絶縁体においてはフォノンが熱伝導の主因子である。フォノンによる熱伝導は振動エネルギーの伝播であるので、振動が減衰しにくく、硬い材料であるほど熱伝導性に優れる。
が、全ての骨格がビフェニル骨格であることから構造の自由度が少なく、振動エネルギーが減衰しにくいこと、またビフェニル骨格は平面性が高いため、分子間の重なりが良く、より分子運動を拘束できることによるものであると推定される。熱伝導性は例えば熱伝導率によって評価することができる。
エポキシ樹脂をフィルム成形・塗布等のプロセスに適用する場合、十分な製膜性を確保し、膜が脆くならないようにするためには、伸びが大きいことが求められる。本明細書における「伸び性に優れる」または「伸びが大きい」とは、後述の実施例における評価において、伸び性の値が大きくなることを言う。
電気・電子部品の絶縁材料等の分野でエポキシ樹脂を使用する場合、エポキシ樹脂が高温にさらされるため、耐熱性に優れることが好ましい。エポキシ樹脂は、結晶性がよい方が耐熱性に優れる傾向があり、同一構造のエポキシ樹脂であれば、樹脂の分子量、あるいはエポキシ当量が高い方が耐熱性に優れる傾向にある。
本発明のエポキシ樹脂は、適度な結晶性とエポキシ当量の高さを有することにより耐熱性にも優れたものとすることができる。
(二段法による製造方法)
本発明のエポキシ樹脂は、例えば、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(X)と下記式(7)で表されるビフェノール化合物(Y)とを反応させる、二段法によって得ることができる。
前記式(4)のビフェニル骨格:2〜40モル%
前記式(5)のビフェニル骨格:2〜55モル%
前記式(6)のビフェニル骨格:20〜96モル%
)=1:0.90〜1.10となるようにするのが好ましい。この当量比が上記範囲であることにより十分に高分子量化を進行させることができる。
使用することも、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
が進まないことがある。これらの理由から反応温度は、好ましくは50〜230℃、より好ましくは120〜200℃である。また、反応時間は通常1〜12時間、好ましくは3〜10時間である。アセトンやメチルエチルケトンのような低沸点溶剤を使用する場合には、オートクレーブを使用して高圧下で反応を行うことで反応温度を確保することができる。
本発明のエポキシ樹脂は、一段法によっても製造することができる。具体的には、二段法による製造において説明したビフェノール化合物(Y)を3種類以上組み合わせて用い、エピクロロヒドリンを直接反応させればよい。ただし、ビフェノール化合物(Y)は溶剤溶解性が良くないため、一般的に一段法に用いられる反応用の溶媒が好適でない場合があるので、前述の二段法を用いることが好ましい。
前記式(4)のビフェニル骨格:2〜40モル%
前記式(5)のビフェニル骨格:2〜55モル%
前記式(6)のビフェニル骨格:20〜96モル%
100であり、減圧下の反応の場合は20〜100℃、より好ましくは30〜90℃、さらに好ましくは35℃〜80℃である。反応温度が低過ぎると反応が進行せず、目的の生成物が得られにくくなる傾向にある。反応温度が高過ぎると副反応が進行し、特に塩素不純物が増加してしまうことがある。
ハロヒドリンを減圧留去して除くと、目的のエポキシ樹脂が得られる。この反応におけるエピハロヒドリンとしては、通常、エピクロルヒドリン又はエピブロモヒドリンが用いられる。アルカリ金属水酸化物としては通常、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが用いられる。
メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類;エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイドなどのホスホニウム塩;トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類等の触媒を用いてもよい。
アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;メトキシプロパノールなどのグリコールエーテル類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒等の不活性な有機溶媒を使用してもよい。
くは0.5〜10時間再閉環反応を行った後、水洗等の方法で過剰のアルカリ金属水酸化物や副性塩を除去し、さらに有機溶媒を減圧留去及び/または水蒸気蒸留を行うと、加水分解性ハロゲン量が低減されたエポキシ樹脂を得ることができる。この反応温度が低過ぎたり、反応時間が短すぎたりすると再閉環反応が進行しないことがある。また、反応温度が高過ぎたり、反応時間が長過ぎると反応は進行するが、高分子量化してエポキシ当量が高くなる、軟化点が高くなる、溶融粘度が高くなる恐れがある。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂成分として少なくとも上述のエポキシ樹脂と硬化剤とを含有してなるものである。当該エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、他のエポキシ樹脂無機フィラーなどを適宜配合することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、熱伝導性に優れると共に、各種用途に要求される諸物性を十分に満たす硬化物を与えるものである。
本発明のエポキシ樹脂と共に用いることのできる硬化剤とは、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応に寄与する物質を示す。
(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が例示される。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂を含むことが出来る。
他のエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであることが好ましく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等の、各種エポキシ樹脂を使用することができる。これらは1種のみでも2種以上の混合体としても使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には無機フィラーを含有していてもよい。無機充填剤を含むことにより、より一層の熱伝導性の向上を図ることができる。本発明で用いる無機フィラーは高い熱伝導性を有するものが好ましく、当該無機充填剤の熱伝導率として1W/m・K以上、好ましくは2W/m・K以上の高熱伝導性無機フィラーが好ましい。
び比率で混合して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、塗膜形成時の取り扱い時に、エポキシ樹脂組成物の粘度を適度に調整するために溶剤を配合してもよい。本発明のエポキシ樹脂組成物が含み得る溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等のアルカン類、トルエン、キシレン等の芳香族類などが挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物には、その機能性の更なる向上を目的として、各種の添加剤を含有させることができる。このようなその他の添加剤としては、基材との接着性やマトリックス樹脂と無機フィラーとの接着性を向上させるための添加成分として、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤、保存安定性向上のための紫外線防止剤、酸化防止剤、可塑剤、はんだの酸化皮膜除去のためのフラックス、難燃剤、着色剤、分散剤、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤等が挙げられる。
プのシラン等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物は、熱伝導性、耐熱性、伸び性などのバランスに優れ、良好な硬化物性を示すものであり、以下に記載する各種用途に有用である。
本発明のエポキシ樹脂およびそれを含むエポキシ樹脂組成物は、有機溶媒に対する溶解性に優れ、フィルム成形・塗布等のプロセスに適用するのに十分な伸び性を有し、また、熱伝導性、耐熱性とのバランスに優れ、硬化物性にも優れるものである。このため、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野に適用可能であり、特に、電気・電子分野における絶縁注型、積層材料、封止材料等として有用である。本発明のエポキシ樹脂およびそれを含むエポキシ樹脂組成物の用途の一例としては、多層プリント配線基板、フィルム状接着剤、液状接着剤、半導体封止材料、アンダーフィル材料、3D−LSI用インターチップフィル、絶縁シート、プリプレグ、放熱基板等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
東ソー(株)製「HLC−8120GPC装置」を使用し、以下の測定条件で、標準ポ
リスチレンとして、TSK Standard Polystyrene:F−128(Mw1,090,000、Mn1,030,000)、F−10(Mw106,000、Mn103,000)、F−4(Mw43,000、Mn42,700)、F−2(Mw17,200、Mn16,900)、A−5000(Mw6,400、Mn6,100)、A−2500(Mw2,800、Mn2,700)、A−300(Mw453、Mn387)を使用した検量線を作成し、重量平均分子量および数平均分子量をポリスチレン換算値として測定した。
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/min
検出:UV(波長254nm)
温度:40℃
試料濃度:0.1重量%
インジェクション量:10μl
前記式(1)におけるnの値およびその平均値は、上記で求められた数平均分子量より算出した。
JIS K 7236に準じて測定し、固形分換算値として表記した。
エポキシ樹脂の溶液(実施例1−1〜1−7及び比較例1−1)を、15〜25℃の室温に放置した。10日後に目視で確認可能な析出物の有無を評価し、析出物が確認されなかったものを「◎」、白濁してはいるものの、沈澱を生じず均一に分散しており、そのままエポキシ樹脂組成物として配合・塗布などの加工プロセスへの適用に耐えるものを「○」、析出物が確認され、沈澱を生じたものを「×」として評価した。
エポキシ樹脂の溶液(実施例1−1〜1−7及び比較例1−1)またはエポキシ樹脂組成物(実施例2−1、2−2および比較例2−1)を、セパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み:100μm)にドクターブレードで塗布した。
エポキシ樹脂の溶液については、60℃で1時間、その後、150℃で1時間、更に200℃で1時間加熱乾燥させ、厚さ約50μmのエポキシ樹脂のフィルムを得た(実施例1−1〜1−7及び比較例1−1)。
また、エポキシ樹脂組成物については、60℃で1時間、その後、150℃で1時間、更に200℃で1時間加熱することによって硬化させ、厚さ約50μmの硬化物のフィルムを得た(実施例2−1、2−2及び比較例2−1)。
これらのフィルムについて、以下の装置にて、熱拡散率、比重、比熱を測定し、この3つの測定値を乗じることで熱伝導率を求めた。
熱拡散率:(株)アイフェイズ「アイフェイズ・モバイル 1u」
比重:メトラー・トレド(株)「天秤 XS−204」(「固体比重測定キット」使用)
比熱:セイコーインスツル(株)「DSC320/6200」
溶剤を乾燥除去したエポキシ樹脂で、SIIナノテクノロジー(株)製「DSC7020」を使用し、30〜200℃まで10℃/minで昇温して測定した。
エポキシ樹脂の溶液をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み:100μm)にアプリケーターで塗布し、60℃で1時間、その後150℃で1時間、更に200℃で1時間乾燥させ、厚さ約50μmのエポキシ樹脂フィルムを得た。これを幅1cmに切り出し、オートグラフ(INSTRON 5582)を使用して5mm/minで3回測定した平均値を示した。
<実施例1−1〜1−7および比較例1−1>
表−1に示した配合で化合物(X)、化合物(Y)、触媒および反応用の溶媒を撹拌機付き耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下、180℃で5時間反応を行った後、希釈用の溶剤を加えて固形分濃度を調整した。反応生成物から定法により溶剤を除去した後、得られた樹脂について分析を行った。結果を表−1に示す。なお、反応に用いた化合物、触媒および溶剤は以下の通りである。
(X−A):三菱化学(株)製 商品名「YL6121H」(4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂と3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂の1:1混合物、エポキシ当量171g/当量)
(X−B):三菱化学(株)製 商品名「YX4000」(3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、エポキシ当量186g/当量)
(Y−A):3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール(水酸基当量121g/当量)
(Y−B):3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール(水酸基当量107g/当量、本州化学(株)製)
(Y−C):4,4’−ビフェノール(水酸基当量93g/当量)
(C−1):27重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液
<溶媒(反応用)及び溶剤(希釈用)>
(S−1):シクロヘキサノン
(S−2):メチルエチルケトン
<実施例2−1>
実施例1−1で得られたエポキシ樹脂2.5g(樹脂の固形分0.75g;60重量部)と、ビスフェノールAノボラック型多官能エポキシ樹脂80重量%MEK溶液(三菱化学(株)製 商品名「157S65B80)」)0.625g(樹脂の固形分0.5g;40重量部)と、硬化剤として2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール(三菱化学(株)製 商品名「EMI24」)の20重量%MEK溶液0.032g(硬化剤重量0.00625g;0.5重量部)をはかり取り、自転公転ミキサーにて撹拌混合・脱泡を行った。このエポキシ樹脂組成物について、熱伝導率の測定方法の項目において前記した硬化条件にて前述の方法により硬化物のフィルムを作製し、その熱伝導率を求めた。結果を表−2に示す。
表−2に示したようにエポキシ樹脂組成物の配合を変更した以外は実施例2−1と同様にエポキシ樹脂組成物を製造し、熱伝導率の測定方法の項目において前記した硬化条件にて硬化物のフィルムとし、熱伝導率を測定した。その結果を表−2に示す。
・その他のエポキシ樹脂
「1256B40」:三菱化学(株)製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂40重量%MEK溶液
「157S65B80」:三菱化学(株)製 ビスフェノールAノボラック型多官能エポキシ樹脂80重量%MEK溶液
・硬化剤
「EMI24」:三菱化学(株)製 2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール
表−1からわかるように実施例1−1〜1−7のエポキシ樹脂は有機溶媒に対する溶解性に優れるものであるのに対し、比較例1のエポキシ樹脂は目視で確認できるほど大きな析出物が見られた。また、実施例1−1〜1−7のエポキシ樹脂は熱伝導率、ガラス転移温度Tg、伸びの各測定値もバランスよく良好であり、熱伝導性、耐熱性、伸び性においても優れたものであった。また、実施例2−1、2−2のエポキシ樹脂組成物は比較例2−1のエポキシ樹脂組成物に対し、熱伝導率に優れた硬化物であった。
Claims (8)
- エポキシ当量が500g/当量以上30,000g/当量以下である請求項1から3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂。
- 重量平均分子量Mwが10,000以上200,000以下である請求項1から4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂。
- 請求項1から5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂と硬化剤とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 前記硬化剤を、固形分としての全エポキシ樹脂成分と硬化剤との合計に対して0.1〜60重量%含む、請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項6または7に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化物。
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