JP5760997B2 - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物及び硬化物 - Google Patents

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Description

本発明は、有機溶媒に対する溶解性に優れ、また、熱伝導性、伸び性、耐熱性のバランスにも優れたエポキシ樹脂に関する。また、本発明は、該エポキシ樹脂と硬化物とを含むエポキシ樹脂組成物、及び該エポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物に関する。
エポキシ樹脂は、耐熱性、接着性、耐水性、機械的強度および電気的特性に優れていることから、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野で使用されている。特に、電気・電子分野では、絶縁注型、積層材料、封止材料等において幅広く使用されている。
近年、電気・電子機器に使用される多層回路基板は、機器の小型化、軽量化および高機能化が進んでおり、更なる多層化、高密度化、薄型化、軽量化と、信頼性および成形加工性の向上等が要求されている。
これに伴い、用いられる材料の放熱性が問題になっている。この放熱性については、従来はフィラーの熱伝導性で賄っていたが、更なる高集積化に向けて、マトリクスであるエポキシ樹脂自体の熱伝導性の向上が求められるようになってきた。
これまでにもエポキシ系の高熱伝導材料の開発は行われてきたが、マトリクスとなるエポキシ樹脂自体の熱伝導性よりも、高熱伝導性フィラーを含む組成物の配合最適化を指向したものが多かった。
例えば、特許文献1、2では、高熱伝導性フィラーとして熱伝導率の高い無機化合物の粉末または繊維を配合し、エポキシ樹脂については一般的なビスフェノールA型エポキシ樹脂で非常に分子量の高いものを用いており、エポキシ樹脂自体の熱伝導性には言及していない。すなわち、特許文献1,2において、熱伝導性はフィラーが担っており、エポキシ樹脂はフィルムとしての取り扱いやすさを付与しているのみである。また、特許文献3では、フィラーの形状を特徴付けており、特許文献4では、フィラーの配合による接着性等の低下をエポキシ樹脂と相溶性の高分子量樹脂や反応性高分子量樹脂の配合で改善しており、いずれも使用されているエポキシ樹脂はごく一般的なノボラックやビスフェノールA型エポキシ樹脂である。
一方、最近では、メソゲン骨格を導入することで、エポキシ樹脂自体の熱伝導性を改良しようとする発明がいくつか開示されている。例えば、非特許文献1には、種々のメソゲン骨格の導入によるエポキシ樹脂の熱伝導性の向上についての記載があるが、コスト面、プロセス、耐加水分解性や熱安定性を考慮すると実用的とは言えない。
また、特許文献5には、ビフェニル骨格のみを用いた熱伝導性のよいエポキシ樹脂が開示されている。
特開平04−339815号公報 特開平04−339854号公報 特開平05−259312号公報 特開平10−183086号公報 特開2010−001427号公報
電子部品用エポキシ樹脂の最新技術(シーエムシー出版、2006年、第1章P24〜31、第5章P114〜121)
本発明者らの検討によれば、特許文献5に開示されているエポキシ樹脂では、エポキシ樹脂の高分子量化の際の溶媒として、また、エポキシ樹脂を硬化物と共に用いたエポキシ樹脂組成物とするときの溶剤として有用である、メチルエチルケトン及び/またはシクロヘキサノンに対する溶解性が十分ではないという問題点が見出された。エポキシ樹脂が溶媒に対して溶解性が不十分である場合、当該エポキシ樹脂を含む組成物を塗布した際に、エポキシ樹脂の析出物による外観不良の問題が起こることが考えられる。
本発明は、上記課題を解決し、有機溶媒に対する溶解性に優れ、また、熱伝導性、耐熱性、フィルム成形・塗布等のプロセスに適用するのに十分な製膜性、伸び性のバランスに優れたエポキシ樹脂を提供することを課題とするものである。
本発明者らが上記課題を解決すべく鋭意検討した結果、樹脂中に含まれる単位骨格が異なる3種類のビフェニル骨格を有するエポキシ樹脂が、有機溶媒に対する溶解性に優れることを見出したものである。即ち本発明の要旨は以下の[1]〜[8]に存する。
[1] 下記式(1)で表されるエポキシ樹脂であって、式(1)におけるAが式(2)で表される構造であり、かつ式(1)中に互いに異なる3種類以上の式(2)で表される構造を有することを特徴とするエポキシ樹脂。
Figure 0005760997
(上記式(1)中、Aは式(2)で表されるビフェニル骨格であり、Bは水素原子または上記式(3)で表される基であり(ただし、式(1)中のふたつのBがいずれも水素原子であることはない。)、nは2以上100以下の数である。上記式(2)中、R〜R
は、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、またはハロゲン原子であり、互いに異なっていてもよい。)
[2] 前記式(1)中のAが、下記式(4)から(6)の3種類のビフェニル骨格を少なくとも有するものである[1]に記載のエポキシ樹脂。
Figure 0005760997
(上記式(5)中のR、R10および上記式(6)中のR11〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
[3] 少なくとも2官能エポキシ樹脂(X)とビフェノール化合物(Y)とを反応させて得られるエポキシ樹脂であって、該2官能エポキシ樹脂(X)及び該ビフェノール化合物(Y)がそれぞれ下記式(4)から(6)のうち少なくともいずれか1つのビフェニル骨格を有するものであり、かつ下記式(4)から(6)の3種のビフェニル骨格を、該2官能エポキシ樹脂(X)及び/または該ビフェノール化合物(Y)においてすべて用いることを特徴とするエポキシ樹脂。
Figure 0005760997
(上記式(5)中のR、R10および上記式(6)中のR11〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
[4] エポキシ当量が500g/当量以上30,000g/当量以下である[1]から[3]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂。
[5] 重量平均分子量Mwが10,000以上200,000以下である[1]から[4]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂。
[6] [1]から[5]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂と硬化剤とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
[7] 前記硬化剤を、固形分としての全エポキシ樹脂成分と硬化剤との合計に対して0.1〜60重量%含む、[6]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[8] [6]または[7]に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化物。
本発明によれば、有機溶媒に対する溶解性に優れるエポキシ樹脂を提供することができる。更に、本発明によれば、熱伝導性、耐熱性、フィルム成形・塗布等のプロセスに適用するのに十分な製膜性、伸び性のバランスにも優れたエポキシ樹脂が提供される。
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明するが、以下に記載する構成要件の説明は、本発明の実施の形態の一例であり、本発明はその要旨を超えない限り、以下の記載内容に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」という表現を用いる場合、その前
後の数値または物性値を含む表現として用いるものとする。
[エポキシ樹脂]
本発明のエポキシ樹脂は、下記式(1)で表わされるエポキシ樹脂であって、式(1)におけるAが式(2)で表される構造であり、かつ式(1)中に互いに異なる3種類以上の式(2)で表される構造を有するものである。
Figure 0005760997
(上記式(1)中、Aは式(2)で表されるビフェニル骨格であり、Bは水素原子または式(3)で表される基であり、nは2以上100以下の数である。上記式(2)中、R〜Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、またはハロゲン原子であり、互いに異なっていてもよい。)
(化学構造)
前記式(1)中、Aは前記式(2)で表される構造であり、かつ式(1)中に互いに異なる3種類以上の式(2)で表される構造を有するものである。式(2)で表される構造の種類の上限は、本発明の効果を損なわないものであれば特に制限されないが、通常10種類以下、好ましくは7種類以下、より好ましくは5種類以下、特に好ましくは3種類である。
前記式(2)において、R〜Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、またはハロゲン原子である。また、R〜Rは、それぞれ異なっていても同一であってもよい。
1分子のエポキシ樹脂において、R〜Rとしては、水素原子と炭素数1〜10の炭化水素基との両方を含んでいるものがエポキシ樹脂全体の結晶性とハンドリングの観点から好ましい。R〜Rが同一であると結晶性が高くなり、熱伝導性を高めることが可能であるが、結晶性が高すぎるとエポキシ樹脂をフィルム成形したときの伸びが小さくなる傾向にある。
ここで、炭素数1〜10の炭化水素基としては、例えば、メチル基、エチル基、ビニル基、エチニル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチルビニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、3−ブチニル基、1,3−ブタジエニル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、メチルシクロヘキシル基、n−オクチル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、n−デシル基、フェニル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、ベンジル基、エチルフェニル基、フェネチル基、スチリル基、キシリル基、n−プロピルフェニル基、イソプロピルフェニル基、シンナミル基、メシチル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基が挙げられる。また、ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子が挙げられる。
前記式(2)におけるR〜Rは、好ましくは1〜4のアルキル基、特に好ましくはメチル基である。なお、R〜Rのいずれかが炭素数1〜10の炭化水素基である場合、当該炭化水素基は、エポキシ化反応、高分子量化反応において反応せず、かつ本発明の効果を著しく阻害するものでなければいかなる置換基を有していてもよい。
このような置換基としては、アルコキシ基、エーテル結合を有する置換基、エステル結合を有する置換基などが挙げられる。
さらに具体的には、アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基などが挙げられる。エーテル結合を有する置換基としては、例えば、メトキシメチル基が挙げられる。エステル結合を有する置換基としては、例えば、アセトキシ基、ベンゾイルオキシ基が挙げられる。
これらの中で、原料調達の容易さから好ましくはメトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基等のアルコキシ基である。ただし、伸び性の優れたエポキシ樹脂を得る観点、原料調達や製造の容易さの観点などから、炭化水素基は置換基を有しないものが特に好ましい。
より具体的に前記式(1)中のAとしては、2,2’−ビフェニル骨格、2,3’−ビフェニル骨格、2,4’−ビフェニル骨格、3,3’−ビフェニル骨格、3,4’−ビフェニル骨格、4,4’−ビフェニル骨格を有するものが挙げられるが、好ましくは4,4’−ビフェニル骨格を有するものである。なお、Aのビフェニル骨格の割合は、後述のエポキシ樹脂の製造方法の項目において説明する、原料の比率によって制御することができる。このため、本発明のエポキシ樹脂においては、後述の一段法により製造されたエポキシ樹脂において、原料として複数種類のビフェノール化合物(Y)を用いた場合には、その原料ビフェノール化合物(Y)のモル比がそのままAのビフェニル骨格の割合とみなすこととする。同様に、後述の二段法により製造されたエポキシ樹脂の場合、原料として用いた2官能エポキシ樹脂(X)とビフェノール化合物(Y)とのそれぞれに含まれるビフェニル骨格のモル比が、そのままAのビフェニル骨格の割合とみなすこととする。
また、前記式(1)中のAとして4,4’−ビフェニル骨格を有するものの中でも、R〜Rとしての水素原子は、2位および/または6位にあることが好ましく、3位および/または5位に炭化水素基があることが好ましい。
更に、本発明のエポキシ樹脂は、前記式(1)におけるAのビフェニル骨格が、特に下記式(4)から(6)の3種の構造を含んでいるものが好ましい。
Figure 0005760997
上記式(5)のR、R10および上記式(6)のR11〜R14は、炭素数1〜4のアルキル基である。これらの基は、互いに同一でも異なっていてもよく、メチル基であることがより好ましい。最も好ましいのは、式(5)が3,3’−ジメチルビフェニル構造であり、かつ式(6)が3,3’,5,5’−テトラメチルビフェニル構造であるものである。これにより、エポキシ樹脂が適度な結晶性を有し、熱伝導性、伸び性などの物性が優れたものとなる。
前記式(4)〜(6)のビフェニル骨格を3種の合計100モル%に対して下記割合で使用することが特に好ましい。
前記式(4)のビフェニル骨格:2〜40モル%
前記式(5)のビフェニル骨格:2〜55モル%
前記式(6)のビフェニル骨格:20〜96モル%
前記式(1)中、Bは水素原子または上記式(3)で表される基(エポキシ基)である。すなわち、式(1)において、Bは末端構造を示すものであり、両末端が水素原子または式(3)のエポキシ基であってもよく、片末端のみが水素原子または式(3)のエポキシ基であってもよい。ただし、前記式(1)は、エポキシ樹脂であることから、少なくとも式(1)中のBとして、少なくともエポキシ基を含むのである。本発明のエポキシ樹脂は、通常、これら諸種の末端を有する分子や、次に述べる繰り返し数(n)の異なる分子などの混合物である。また、後述するエポキシ当量は、本発明のエポキシ樹脂におけるエポキシ当量は、式(3)のエポキシ基の存在割合を示すものである。
前記式(1)中、nは繰り返し数の平均値である。その値の範囲は2以上100以下の範囲であるが、製膜性、伸び性と樹脂の取り扱いの両面のバランスから、好ましくは10以上、より好ましくは15以上、更に好ましくは20以上、特に好ましくは30以上であり、一方、好ましくは80以下、より好ましくは60以下、特に好ましくは55以下である。式(1)のnが2より小さいと伸び性が発現しない傾向があり、100より大きいとエポキシ樹脂の粘度が高くなり、取り扱いが困難となる傾向がある。
n数はエポキシ樹脂の高分子量化反応の反応条件、使用する触媒などにより、制御することができる。特に、後述の好ましい態様で反応を行うことにより、nの数を大きくすることができる。n数は後述の実施例で説明する方法により測定することができる。n数の測定に当たっては数平均分子量を測定するため、n数は数平均分子量と相関する。本発明のエポキシ樹脂のn数は、数平均分子量で言えば、800以上50,000以下である。
(エポキシ当量)
本発明のエポキシ樹脂のエポキシ当量は特に制限されないが、エポキシ樹脂をフィルム成形したときの伸びを大きくする観点から、500g/当量以上であることが好ましく、より好ましくは1,000g/当量以上、更に好ましくは2,500g/当量以上、特に好ましくは3,500g/当量以上であり、最も好ましくは4,500g/当量以上であり、一方、硬化時の反応性の観点から、30,000g/当量以下であることが好ましく、より好ましくは15,000g/当量以下、更に好ましくは10,000g/当量以下である。エポキシ樹脂のエポキシ当量は、JIS K 7236に準じて測定することができる。エポキシ当量は、後述のエポキシ樹脂の製造方法の項において説明する反応条件、触媒の選択などによって制御することが可能である。
(重量平均分子量)
本発明のエポキシ樹脂の重量平均分子量Mwは、10,000以上200,000以下であることが好ましい。重量平均分子量が10,000より低いものでは伸び性が低くなる傾向にあり、200,000より高いと樹脂の取り扱いが困難となる傾向にある。エポキシ樹脂の重量平均分子量および数平均分子量は、例えば、後述の実施例で説明する方法により測定することができる。
(有機溶媒に対する溶解性)
エポキシ樹脂が、有機溶媒に対する溶解性が不十分である場合、当該エポキシ樹脂を含む組成物を塗布した際に、エポキシ樹脂の析出物による外観不良の問題が起こることが考えられる。ここでいう有機溶媒とは、後述のエポキシ樹脂の製造方法において説明する反応用の溶媒及び/またはエポキシ樹脂組成物における希釈用の溶媒を指す。その中でもケトン系溶媒に対する溶解性に優れることが好ましく、ケトン系の混合溶媒溶解性に優れることがより好ましく、メチルエチルケトン及び/またはシクロヘキサノンに対する溶解性に優れることが特に好ましい。
本発明のエポキシ樹脂は、溶媒に対する溶解性に優れるものである。その理由は定かではないが、本発明のエポキシ樹脂が前記式(1)中に互いに異なる3種類以上の前記式(2)で表される構造を有することにより、エポキシ樹脂の構造が適度に結晶性の崩れた構造となり、有機溶媒が分子構造中の隙間に入り込みやすいことによるものと考えられる。なお、有機溶媒に対する溶解性は本明細書の実施例で示すような方法により、評価することができる。
(熱伝導性)
電気・電子分野では、絶縁注型、積層材料、封止材料等においてエポキシ樹脂を用いる場合、材料の熱伝導性の高いことが求められる。従って、エポキシ樹脂は熱伝導が大きいことが好ましい。熱伝導はフォノンと伝導電子に支配され、金属のように自由電子を有する場合は伝導電子による寄与が大きいが、エポキシ樹脂は一般的に絶縁体であり、絶縁体においてはフォノンが熱伝導の主因子である。フォノンによる熱伝導は振動エネルギーの伝播であるので、振動が減衰しにくく、硬い材料であるほど熱伝導性に優れる。
本発明のエポキシ樹脂は熱伝導性に優れるものである。その理由の詳細は明確ではない
が、全ての骨格がビフェニル骨格であることから構造の自由度が少なく、振動エネルギーが減衰しにくいこと、またビフェニル骨格は平面性が高いため、分子間の重なりが良く、より分子運動を拘束できることによるものであると推定される。熱伝導性は例えば熱伝導率によって評価することができる。
本発明のエポキシ樹脂の熱伝導率(硬化前の熱伝導率)は、好ましくは0.18W/mK以上、より好ましくは0.19W/mK以上、更に好ましくは0.20W/mK以上である。尚、一般的にエポキシ樹脂の熱伝導率はエポキシ樹脂の硬化物として評価されることが多く、一般的な硬化していないビスフェノールA型エポキシ樹脂の熱伝導率は、通常この値よりも低く、液状であるため伸び性を測定するサンプル作成も不可能である場合が多い。本発明のエポキシ樹脂は、硬化前の樹脂そのものの状態でも十分な製膜性と熱伝導率を有し、かつ伸び性とのバランスにも優れるものである。なお、エポキシ樹脂の熱伝導率は、後述の実施例の項に記載される方法で測定することができる。
(伸び性)
エポキシ樹脂をフィルム成形・塗布等のプロセスに適用する場合、十分な製膜性を確保し、膜が脆くならないようにするためには、伸びが大きいことが求められる。本明細書における「伸び性に優れる」または「伸びが大きい」とは、後述の実施例における評価において、伸び性の値が大きくなることを言う。
本発明のエポキシ樹脂は、伸び性に優れるものである。その理由の詳細は明らかではないが、引っ張りの応力がかかった際の延伸に耐えうるほどに長い分子鎖長を有し、さらにその応力を緩和するために、重なり合ったビフェニル骨格同士が「滑る」ことができるためであると推測される。また、この時、結晶性が高すぎると、脆く、伸びずに破断してしまうため、適度にアモルファス部分を有していることが重要である。
本発明のエポキシ樹脂では、前記繰り返し数(n)、エポキシ当量(数平均分子量)、重量平均分子量が所定の範囲であることが好ましい。なお、伸び性は実施例の項に記載する方法によって評価することができる。
(耐熱性)
電気・電子部品の絶縁材料等の分野でエポキシ樹脂を使用する場合、エポキシ樹脂が高温にさらされるため、耐熱性に優れることが好ましい。エポキシ樹脂は、結晶性がよい方が耐熱性に優れる傾向があり、同一構造のエポキシ樹脂であれば、樹脂の分子量、あるいはエポキシ当量が高い方が耐熱性に優れる傾向にある。
本発明のエポキシ樹脂は、適度な結晶性とエポキシ当量の高さを有することにより耐熱性にも優れたものとすることができる。
エポキシ樹脂の耐熱性は、例えば後述の実施例で示すガラス転移温度Tgによって評価することができる。耐熱性をTgで評価する場合、本発明のエポキシ樹脂は100℃以上、220℃以下を達成することができる。エポキシ樹脂のTgは、後述の用途では高い方が好ましく、好ましくは105℃以上であるが、Tgが高過ぎると、加工プロセスで使用する加熱温度で硬化反応が十分に進行せず、品質が安定しなかったり、要求される物性が発現しない、といった問題が生じうるため、200℃以下であることが好ましい。
<エポキシ樹脂の製造方法>
(二段法による製造方法)
本発明のエポキシ樹脂は、例えば、ビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(X)と下記式(7)で表されるビフェノール化合物(Y)とを反応させる、二段法によって得ることができる。
本発明の他の実施態様のエポキシ樹脂は、少なくとも2官能エポキシ樹脂(X)とビフェノール化合物(Y)とを反応させて得られるエポキシ樹脂であって、該2官能エポキシ樹脂(X)及び該ビフェノール化合物(Y)がそれぞれ下記式(4)から(6)のうち少なくともいずれか1つのビフェニル骨格を有するものであり、かつ下記式(4)から(6)の3種のビフェニル骨格を、該2官能エポキシ樹脂(X)及び/または該ビフェノール化合物(Y)においてすべて用いることを特徴とするものである。
Figure 0005760997
(上記式(5)中のR、R10および式(6)中のR11〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
本発明のポキシ樹脂の製造に用いられる2官能エポキシ樹脂(X)は、ビフェニル骨格を有し、分子内に2個のエポキシ基を持つ化合物であり、前記ビフェノール化合物(Y)をエピハロヒドリンと縮合させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。なお、下記式(7)中、R1’〜R8 ’は式(2)におけるR〜Rと同様のものである。
Figure 0005760997
前記式(7)で表されるビフェノール化合物としては、例えば、2,2’−ビフェノール、2,3’−ビフェノール、2,4’−ビフェノール、3,3’−ビフェノール、3,4’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール、2−メチル−4,4’−ビフェノール、3−メチル−4,4’−ビフェノール、2,2’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタメチル−4,4’−ビフェノール等が挙げられる。これらの中で好ましいものは、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールである。エピハロヒドリンとの縮合反応を行う際には、これらのビフェノール化合物は単独で用いてもよく、また複数種を併用してもよい。また、このようなビフェノール化合物とエピハロヒドリンとを縮合させて得られた2官能エポキシ樹脂(X)を複数種併用することもできる。
2官能エポキシ樹脂(X)中としては、その末端基不純物である加水分解塩素濃度が200ppm以下であり、αグリコール基濃度が100meq/kg以下である2官能エポキシ樹脂(X)を原料として使用することが好ましい。加水分解塩素濃度が200ppmより大きい場合や、αグリコール基濃度が100meq/kgより大きい場合には、十分に高分子量化しなくなるおそれがある。
一方、ビフェノール化合物(Y)は、2個の水酸基がビフェニル骨格に結合した化合物であり、前記式(7)で表される。ビフェノール化合物(Y)としては、上記と同様、例えば、2,2’−ビフェノール、2,3’−ビフェノール、2,4’−ビフェノール、3,3’−ビフェノール、3,4’−ビフェノール、4,4’−ビフェノール、2−メチル−4,4’−ビフェノール、3−メチル−4,4’−ビフェノール、2,2’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール、2,2’,3,3’,5,5’−ヘキサメチル−4,4’−ビフェノール、2,2’,3,3’,5,5’,6,6’−オクタメチル−4,4’−ビフェノール等が挙げられる。これらの中で好ましいものは、4,4’−ビフェノール、3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール、3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールである。これらのビフェノール化合物は複数種を併用することもできる。
前記式(2)の構造は、前記式(7)のビフェノール化合物に由来する構造であり、前記式(7)中の2つの水酸基が取れた構造が前記式(2)の構造に相当する。なお、本発明のエポキシ樹脂は前述の通り、式(2)中のR〜Rの種類および/または数が互いに異なる3種類以上のものである。従って、上記2官能エポキシ樹脂(X)とビフェノール化合物(Y)に含まれるビフェニル骨格を選択することによって、R〜Rの種類および/または数が互いに異なる3種類以上となるようにすればよい。
特に、二段法により製造する場合において、前記式(4)〜(6)の3種のビフェニル骨格を有する2官能エポキシ樹脂(X)及び/またはフェノール化合物(Y)を、該3種のビフェニル骨格の合計100モル%に対して下記割合で使用することが特に好ましい。
前記式(4)のビフェニル骨格:2〜40モル%
前記式(5)のビフェニル骨格:2〜55モル%
前記式(6)のビフェニル骨格:20〜96モル%
本発明のエポキシ樹脂の製造において、上記の2官能エポキシ樹脂(X)とビフェノール化合物(Y)の使用量は、その配合当量比で、(エポキシ基):(フェノール性水酸基
)=1:0.90〜1.10となるようにするのが好ましい。この当量比が上記範囲であることにより十分に高分子量化を進行させることができる。
本発明のエポキシ樹脂の合成には触媒を用いてもよく、その触媒としては、エポキシ基とフェノール性水酸基、アルコール性水酸基やカルボキシル基との反応を進めるような触媒能を持つ化合物であればどのようなものでもよい。例えば、アルカリ金属化合物、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、環状アミン類、イミダゾール類等が挙げられる。
アルカリ金属化合物の具体例としては、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化リチウム、塩化カリウム等のアルカリ金属塩、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属アルコキシド、アルカリ金属フェノキシド、水素化ナトリウム、水素化リチウム等のアルカリ金属の水素化物、酢酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム等の有機酸のアルカリ金属塩が挙げられる。
有機リン化合物の具体例としては、トリ−n−プロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、テトラメチルホスフォニウムブロマイド、テトラメチルホスフォニウムアイオダイド、テトラメチルホスフォニウムハイドロオキサイド、トリメチルシクロヘキシルホスホニウムクロライド、トリメチルシクロヘキシルホスホニウムブロマイド、トリメチルベンジルホスホニウムクロライド、トリメチルベンジルホスホニウムブロマイド、テトラフェニルホスホニウムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルメチルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルエチルホスホニウムクロライド、トリフェニルエチルホスホニウムブロマイド、トリフェニルエチルホスホニウムアイオダイド、トリフェニルベンジルホスホニウムクロライド、トリフェニルベンジルホスホニウムブロマイドなどが挙げられる。
第3級アミンの具体例としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミンなどが挙げられる。
第4級アンモニウム塩の具体例としては、テトラメチルアンモニウムクロライド、テトラメチルアンモニウムブロマイド、テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド、トリエチルメチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムクロライド、テトラエチルアンモニウムブロマイド、テトラエチルアンモニウムアイオダイド、テトラプロピルアンモニウムブロマイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロオキサイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、テトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムアイオダイド、ベンジルトリメチルアンモニウムクロライド、ベンジルトリメチルアンモニウムブロマイド、ベンジルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、フェニルトリメチルアンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらの中でもテトラメチルアンモニウムハイドロオキサイドが好ましい。
環状アミン類の具体例としては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7,1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5等が挙げられる。
イミダゾール類の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどが挙げられる。
以上に挙げた触媒の中でも第4級アンモニウム塩が好ましい。また、触媒は1種のみを
使用することも、2種以上を組み合わせて使用することもできる。
触媒の使用量は反応固形分中、通常0.001〜1重量%であるが、アルカリ金属化合物を使用すると得られるエポキシ樹脂中にアルカリ金属分が残留し、それを使用した電子・電気部品の絶縁特性を悪化させるおそれがあるため、エポキシ樹脂中のリチウム、ナトリウムおよびカリウムの原子含有量の合計が60ppm以下、好ましくは50ppm以下とする必要がある。
また、有機リン化合物、第3級アミン、第4級アンモニウム塩、環状アミン類、イミダゾール類等を触媒として使用した場合も、得られるエポキシ樹脂中にこれらが触媒残渣として残留し、アルカリ金属分の残留と同様にプリント配線板の絶縁特性を悪化させるので、エポキシ樹脂中の窒素の含有量が300ppm以下であり、エポキシ樹脂中のリンの含有量が300ppm以下である必要がある。さらに好ましくは、エポキシ樹脂中の窒素の含有量が200ppm以下であり、エポキシ樹脂中のリンの含有量が200ppm以下である。
本発明のエポキシ樹脂は、その製造時の合成反応の工程において、反応用の溶媒を用いてもよく、その溶媒としては、エポキシ樹脂を溶解するものであればどのようなものでもよい。例えば、芳香族系溶媒、ケトン系溶媒、アミド系溶媒、グリコールエーテル系溶媒などが挙げられる。
芳香族系溶媒の具体例としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられる。ケトン系溶媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、2−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、シクロヘキサノン、アセチルアセトン、ジオキサンなどが挙げられる。
アミド系溶媒の具体例としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドンなどが挙げられる。
グリコールエーテル系溶媒の具体例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどが挙げられる。
以上に挙げた反応用の溶媒は1種のみで用いてもよく、2種以上を併用することもできる。
エポキシ樹脂の製造時の合成反応における固形分濃度は35〜95重量%が好ましい。また、反応途中で高粘性生成物が生じたときは溶剤を追加添加して反応を続けることもできる。反応終了後、溶剤は必要に応じて、除去することもできるし、更に追加することもできる。
エポキシ樹脂の製造において、2官能エポキシ樹脂(X)とビフェノール化合物(Y)との重合反応は使用する触媒が分解しない程度の反応温度で実施される。反応温度が高すぎると生成するエポキシ樹脂が劣化するおそれがある。逆に温度が低すぎると十分に反応
が進まないことがある。これらの理由から反応温度は、好ましくは50〜230℃、より好ましくは120〜200℃である。また、反応時間は通常1〜12時間、好ましくは3〜10時間である。アセトンやメチルエチルケトンのような低沸点溶剤を使用する場合には、オートクレーブを使用して高圧下で反応を行うことで反応温度を確保することができる。
(一段法による製造)
本発明のエポキシ樹脂は、一段法によっても製造することができる。具体的には、二段法による製造において説明したビフェノール化合物(Y)を3種類以上組み合わせて用い、エピクロロヒドリンを直接反応させればよい。ただし、ビフェノール化合物(Y)は溶剤溶解性が良くないため、一般的に一段法に用いられる反応用の溶媒が好適でない場合があるので、前述の二段法を用いることが好ましい。
一段法により製造する場合、特に、前記式(4)〜(6)のビフェニル骨格を有するフェノール化合物(Y)を該3種のフェノール化合物の合計100モル%に対して下記割合で使用することが好ましい。
前記式(4)のビフェニル骨格:2〜40モル%
前記式(5)のビフェニル骨格:2〜55モル%
前記式(6)のビフェニル骨格:20〜96モル%
反応に用いるエピハロヒドリンの使用量は、フェノール化合物(Y)のフェノール性水酸基1当量当たり通常、0.8〜20モル、より好ましくは0.9〜15モル、さらに好ましくは1.0〜10モルに相当する量を使用すし、フェノール化合物(Y)をエピハロヒドリンに溶解させて均一な溶液とする。エピハロヒドリンの量が少な過ぎると高分子量化し、溶融粘度が増大するなどの問題がある。エピハロヒドリンの量が多過ぎると生産効率が悪くなったり、経済性が悪くなる傾向にある。
ついで、その溶液を撹拌しながら、これにフェノール性水酸基1当量当たり通常、0.5〜2.0モル、より好ましくは0.7〜1.8モル、さらに好ましくは0.9〜1.6モルに相当する量のアルカリ金属水酸化物を固体又は水溶液で加えて反応させる。アルカリ金属水酸化物の量が少な過ぎると、未反応の水酸基と生成したエポキシ樹脂が反応して高分子量化してしまうことがある。また、アルカリ金属水酸化物が多過ぎると、副反応による不純物が生成するおそれがある。
この反応は、常圧下又は減圧下で行わせることができ、反応温度は通常、常圧下の反応の場合は20〜150℃ 、より好ましくは30〜120℃、さらに好ましくは35℃〜
100であり、減圧下の反応の場合は20〜100℃、より好ましくは30〜90℃、さらに好ましくは35℃〜80℃である。反応温度が低過ぎると反応が進行せず、目的の生成物が得られにくくなる傾向にある。反応温度が高過ぎると副反応が進行し、特に塩素不純物が増加してしまうことがある。
反応は必要に応じて所定の温度を保持しながら反応液を共沸させ、揮発する蒸気を冷却して得られた凝縮液を油分と水分とに分離し、水分を除いた油分を反応系へ戻す方法により脱水する。アルカリ金属水酸化物の添加は、急激な反応を抑えるために、0.5〜8時間、より好ましくは1〜7時間、さらに好ましくは1〜6時間かけて少量ずつを断続的もしくは連続的に添加する。添加時間が短過ぎると急激に反応が進行し、反応温度の制御が難しくなる傾向にある。添加時間が長過ぎると塩素不純物が生成する、経済性が悪くなるなどの問題が生じることがある。全反応時間は通常、1〜15時間である。
反応終了後、不溶性の副生塩を濾別して除くか、水洗により除去した後、未反応のエピ
ハロヒドリンを減圧留去して除くと、目的のエポキシ樹脂が得られる。この反応におけるエピハロヒドリンとしては、通常、エピクロルヒドリン又はエピブロモヒドリンが用いられる。アルカリ金属水酸化物としては通常、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムが用いられる。
また、この反応においては、テトラメチルアンモニウムクロリド、テトラエチルアンモニウムブロミドなどの第四級アンモニウム塩; ベンジルジメチルアミン、2,4 ,6−トリス( ジメチルアミノメチル) フェノールなどの第三級アミン;2−エチル−4−
メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾールなどのイミダゾール類;エチルトリフェニルホスホニウムアイオダイドなどのホスホニウム塩;トリフェニルホスフィンなどのホスフィン類等の触媒を用いてもよい。
さらに、この反応においては、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール類;
アセトン、メチルエチルケトンなどのケトン類;ジオキサン、エチレングリコールジメチルエーテルなどのエーテル類;メトキシプロパノールなどのグリコールエーテル類;ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミドなどの非プロトン性極性溶媒等の不活性な有機溶媒を使用してもよい。
さらに、上記のようにして得られたエポキシ樹脂の可鹸化ハロゲン量が多すぎる場合は、再処理して十分に可鹸化ハロゲン量が低下した精製エポキシ樹脂を得ることができる。つまり、その粗製エポキシ樹脂を、イソプロピルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、トルエン、キシレン、ジオキサン、メトキシプロパノール、ジメチルスルホキシドなどの不活性な有機溶媒に再溶解しアルカリ金属水酸化物を固体又は水溶液で加えて約30〜120℃、より好ましくは40〜110℃、さらに好ましくは50〜100℃ の温度で0.1〜15時間、より好ましくは0.3〜12時間、さらに好まし
くは0.5〜10時間再閉環反応を行った後、水洗等の方法で過剰のアルカリ金属水酸化物や副性塩を除去し、さらに有機溶媒を減圧留去及び/または水蒸気蒸留を行うと、加水分解性ハロゲン量が低減されたエポキシ樹脂を得ることができる。この反応温度が低過ぎたり、反応時間が短すぎたりすると再閉環反応が進行しないことがある。また、反応温度が高過ぎたり、反応時間が長過ぎると反応は進行するが、高分子量化してエポキシ当量が高くなる、軟化点が高くなる、溶融粘度が高くなる恐れがある。
[エポキシ樹脂組成物]
本発明のエポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂成分として少なくとも上述のエポキシ樹脂と硬化剤とを含有してなるものである。当該エポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、他のエポキシ樹脂無機フィラーなどを適宜配合することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は、熱伝導性に優れると共に、各種用途に要求される諸物性を十分に満たす硬化物を与えるものである。
(硬化剤)
本発明のエポキシ樹脂と共に用いることのできる硬化剤とは、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応に寄与する物質を示す。
本発明に用いる硬化剤としては、特に制限はなく一般的にエポキシ樹脂硬化剤として知られているものはすべて使用できる。例えば、フェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミド系硬化剤、第3級アミン、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。
フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o−クレゾールノボラック、m−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、フルオログリシノール、ピロガロール、t−ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,4−ジヒドロキシナフタレン、2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,8−ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物またはポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック、アリル化ピロガロール等が例示される。
アミン系硬化剤の例としては、脂肪族アミン類、ポリエーテルアミン類、脂環式アミン類、芳香族アミン類などが挙げられる。
脂肪族アミン類の具体例としては、エチレンジアミン、1,3−ジアミノプロパン、1,4−ジアミノプロパン、ヘキサメチレンジアミン、2,5−ジメチルヘキサメチレンジアミン、トリメチルヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、イミノビスプロピルアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ペンタエチレンヘキサミン、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン、テトラ(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン等が例示される。
ポリエーテルアミン類としては、トリエチレングリコールジアミン、テトラエチレングリコールジアミン、ジエチレングリコールビス(プロピルアミン)、ポリオキシプロピレンジアミン、ポリオキシプロピレントリアミン類等が例示される。
脂環式アミン類の具体例としては、イソホロンジアミン、メタセンジアミン、N−アミノエチルピペラジン、ビス(4−アミノ−3−メチルジシクロヘキシル)メタン、ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、3,9−ビス(3−アミノプロピル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ(5,5)ウンデカン、ノルボルネンジアミン等が例示される。
芳香族アミン類の具体例としては、テトラクロロ−p−キシレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、m−フェニレンジアミン、o−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、2,4−ジアミノアニソール、2,4−トルエンジアミン、2,4−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノジフェニルメタン、4,4’−ジアミノ−1,2−ジフェニルエタン、2,4−ジアミノジフェニルスルホン、4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、m−アミノフェノール、m−アミノベンジルアミン、ベンジルジメチルアミン、2−ジメチルアミノメチル)フェノール、トリエタノールアミン、メチルベンジルアミン、α−(m−アミノフェニル)エチルアミン、α−(p−アミノフェニル)エチルアミン、ジアミノジエチルジメチルジフェニルメタン、α,α’−ビス
(4−アミノフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン等が例示される。
酸無水物系硬化剤の具体例としては、ドデセニル無水コハク酸、ポリアジピン酸無水物、ポリアゼライン酸無水物、ポリセバシン酸無水物、ポリ(エチルオクタデカン二酸)無水物、ポリ(フェニルヘキサデカン二酸)無水物、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、無水メチルハイミック酸、テトラヒドロ無水フタル酸、トリアルキルテトラヒドロ無水フタル酸、メチルシクロヘキセンジカルボン酸無水物、メチルシクロヘキセンテトラカルボン酸無水物、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸無水物、エチレングリコールビストリメリテート二無水物、無水ヘット酸、無水ナジック酸、無水メチルナジック酸、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロ−3−フラニル)−3−メチル−3−シクロヘキサン−1,2−ジカルボン酸無水物、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物、1−メチル−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸二無水物等が例示される。
アミド系硬化剤の具体例としては、ジシアンジアミド、ポリアミド樹脂等が例示される。
第3級アミンの具体例としては、1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7、トリエチレンジアミン、ベンジルジメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等が例示される。
イミダゾール類の具体例としては、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、およびエポキシ樹脂と上記イミダゾール類との付加体等が例示される。
有機ホスフィン類の具体例としては、トリブチルホスフィン、メチルジフェニルホスフイン、トリフェニルホスフィン、ジフェニルホスフィン、フェニルホスフィン等が例示される。
ホスホニウム塩の具体例としては、テトラフェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート、テトラフェニルホスホニウム・エチルトリフェニルボレート、テトラブチルホスホニウム・テトラブチルボレート等が例示される。
テトラフェニルボロン塩の具体例としては、2−エチル−4−メチルイミダゾール・テトラフェニルボレート、N−メチルモルホリン・テトラフェニルボレート等が例示される。
以上に挙げた硬化剤は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。
また、本発明のエポキシ樹脂組成物中の硬化剤の含有量は、固形分としての全エポキシ樹脂成分と硬化剤との合計に対して0.1〜60重量%であることが好ましい。ここで、「固形分」とは、常温(20℃)で揮発する溶媒などを除いた成分を意味し、固体のみならず、半固形や粘稠な液状物をも含むものとする。また、「全エポキシ樹脂成分」とは、本発明のエポキシ樹脂と後述する他のエポキシ樹脂との合計を意味する。
硬化剤がフェノール系硬化剤、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤の場合は、エポキシ樹脂中のエポキシ基と硬化剤中の官能基との当量比で0.8〜1.5の範囲となるように用いることが好ましい。この範囲外であると未反応のエポキシ基や硬化剤の官能基が残留し、所望の物性が得られないことがある。
一方、硬化剤がアミド系硬化剤、第3級アミン、イミダゾール類、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等の場合は、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂100重量部に対して0.1〜20重量部の範囲で用いることが好ましい。
(他のエポキシ樹脂)
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂以外の他のエポキシ樹脂を含むことが出来る。
他のエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであることが好ましく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等の、各種エポキシ樹脂を使用することができる。これらは1種のみでも2種以上の混合体としても使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、全エポキシ樹脂成分中の本発明のエポキシ樹脂の配合量は、通常1〜100重量%、好ましくは1〜99重量%、より好ましくは5〜95重量%である。本発明のエポキシ樹脂の割合が1重量%以上であることにより、熱伝導性の向上効果を十分に得ることができ、所望の高熱伝導性を得ることができる。本発明のエポキシ樹脂の割合が99重量%以下で他のエポキシ樹脂が1重量%以上であることにより、他のエポキシ樹脂の配合効果が発揮され、硬化性、硬化物の物性が十分なものとなる。
(無機フィラー)
本発明のエポキシ樹脂組成物には無機フィラーを含有していてもよい。無機充填剤を含むことにより、より一層の熱伝導性の向上を図ることができる。本発明で用いる無機フィラーは高い熱伝導性を有するものが好ましく、当該無機充填剤の熱伝導率として1W/m・K以上、好ましくは2W/m・K以上の高熱伝導性無機フィラーが好ましい。
無機フィラーとしては、アルミナ(Al:熱伝導率30W/m・K)、窒化アルミニウム(AlN:熱伝導率260W/m・K)、窒化ホウ素(BN:熱伝導率3W/m・K(厚み方向)、275W/m・K(面内方向))、窒化ケイ素(Si:熱伝導率23W/m・K)、シリカ(SiO:熱伝導率1.4W/m・K)などが挙げられる。中でも、Al、AlN、BN、SiOが好ましく、とりわけAl、BN、SiOが好ましい。
これらの無機フィラーは、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよ
び比率で混合して用いてもよい。
無機フィラーは、その粒径が大き過ぎると硬化物中にボイドが残留しやすくなり、小さ過ぎると凝集しやすくなり分散性が悪くなることから、粒状や扁平状の無機フィラーであれば、平均粒径0.05〜1000μm程度のものを用いることが好ましい。また、凝集状の無機フィラーであれば、平均結晶径が0.01μm〜5μmで、平均凝集径が1〜1000μmのものを用いることが好ましい。
無機フィラーの配合割合は、エポキシ樹脂組成物中の全固形分(通常、エポキシ樹脂組成物中の全固形分とは樹脂組成物中の溶剤を除く成分の合計をさす。)に対して好ましくは5〜98重量%、より好ましくは10〜95重量%であり、このエポキシ樹脂組成物を硬化させて得られる硬化物中の体積割合として好ましくは10〜90体積%、より好ましくは15〜85体積%である。無機フィラーの配合量が5重量%以上であることにより、熱伝導性の向上効果が十分なものとなり、所望の高熱伝導性を得ることができ、また、98重量%以下であることにより、成膜性や接着性、硬化物の物を損なうことなく、良好な特性が得られる。
(溶剤)
本発明のエポキシ樹脂組成物には、塗膜形成時の取り扱い時に、エポキシ樹脂組成物の粘度を適度に調整するために溶剤を配合してもよい。本発明のエポキシ樹脂組成物が含み得る溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等のエステル類、エチレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル類、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド等のアミド類、メタノール、エタノール等のアルコール類、ヘキサン、シクロヘキサン等のアルカン類、トルエン、キシレン等の芳香族類などが挙げられる。
以上に挙げた溶剤は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせおよび比率で混合して用いてもよい。また、本発明のエポキシ樹脂組成物において、溶剤は、前述の如く、エポキシ樹脂組成物の成形における取り扱い性、作業性を確保するために用いられ、その使用量には特に制限がない。
(その他の添加剤)
本発明のエポキシ樹脂組成物には、その機能性の更なる向上を目的として、各種の添加剤を含有させることができる。このようなその他の添加剤としては、基材との接着性やマトリックス樹脂と無機フィラーとの接着性を向上させるための添加成分として、シランカップリング剤やチタネートカップリング剤等のカップリング剤、保存安定性向上のための紫外線防止剤、酸化防止剤、可塑剤、はんだの酸化皮膜除去のためのフラックス、難燃剤、着色剤、分散剤、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤等が挙げられる。
ここで、シランカップリング剤としては、例えば、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン等のエポキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン等のアミノシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等のメルカプトシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、ビニルトリクロルシラン、ビニルトリス(8−メトキシエトキシ)シラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン等のビニルシラン、さらに、エポキシ系、アミノ系、ビニル系の高分子タイ
プのシラン等が挙げられる。
一方、チタネートカップリング剤としては、例えば、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリ(N−アミノエチル・アミノエチル)チタネート、ジイソプロピルビス(ジオクチルホスフェート)チタネート、テトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート、テトラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネート、テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチル)ビス(ジトリデシル)ホスファイトチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテートチタネート、ビス(ジオクチルパイロホスフェート)エチレンチタネート等が挙げられる。
以上に挙げたカップリング剤は、いずれも1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ、比率で混合して用いてもよい。
カップリング剤の添加量は、エポキシ樹脂組成物中の全固形分に対して0.1〜2.0重量%程度とするのが好ましい。カップリング剤の配合量が少ないと、カップリング剤を配合したことによるマトリックス樹脂と無機フィラーとの密着性の向上効果を十分に得ることができず、多過ぎると得られる硬化物からカップリング剤がブリードアウトすることがある。
また、カップリング剤以外の他の添加剤は、それ自体既知の通常用いられものを用いればよく、その配合量には特に制限はなく、必要な機能性が得られる程度に、通常の樹脂組成物の配合量で用いられる。
[硬化物]
本発明のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物は、熱伝導性、耐熱性、伸び性などのバランスに優れ、良好な硬化物性を示すものであり、以下に記載する各種用途に有用である。
[用途]
本発明のエポキシ樹脂およびそれを含むエポキシ樹脂組成物は、有機溶媒に対する溶解性に優れ、フィルム成形・塗布等のプロセスに適用するのに十分な伸び性を有し、また、熱伝導性、耐熱性とのバランスに優れ、硬化物性にも優れるものである。このため、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野に適用可能であり、特に、電気・電子分野における絶縁注型、積層材料、封止材料等として有用である。本発明のエポキシ樹脂およびそれを含むエポキシ樹脂組成物の用途の一例としては、多層プリント配線基板、フィルム状接着剤、液状接着剤、半導体封止材料、アンダーフィル材料、3D−LSI用インターチップフィル、絶縁シート、プリプレグ、放熱基板等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
以下、本発明を実施例に基づいてより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例により何ら限定されるものではない。以下において、「部」は全て「重量部」を示す。また、以下における各種物性ないし特性の測定方法は次の通りであり、結果を表−1に示す。なお、以下の実施例における各種の製造条件や評価結果の値は、本発明の実施態様における上限又は下限の好ましい値としての意味をもつものであり、好ましい範囲は前記した上限又は下限の値と、下記実施例の値又は実施例同士の値との組み合わせで規定される範囲であってもよい。
1)重量平均分子量および数平均分子量
東ソー(株)製「HLC−8120GPC装置」を使用し、以下の測定条件で、標準ポ
リスチレンとして、TSK Standard Polystyrene:F−128(Mw1,090,000、Mn1,030,000)、F−10(Mw106,000、Mn103,000)、F−4(Mw43,000、Mn42,700)、F−2(Mw17,200、Mn16,900)、A−5000(Mw6,400、Mn6,100)、A−2500(Mw2,800、Mn2,700)、A−300(Mw453、Mn387)を使用した検量線を作成し、重量平均分子量および数平均分子量をポリスチレン換算値として測定した。
カラム:東ソー(株)製「TSKGEL SuperHM−H+H5000+H4000+H3000+H2000」
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.6ml/min
検出:UV(波長254nm)
温度:40℃
試料濃度:0.1重量%
インジェクション量:10μl
2)n数
前記式(1)におけるnの値およびその平均値は、上記で求められた数平均分子量より算出した。
3)エポキシ当量
JIS K 7236に準じて測定し、固形分換算値として表記した。
4)有機溶媒に対する溶解性
エポキシ樹脂の溶液(実施例1−1〜1−7及び比較例1−1)を、15〜25℃の室温に放置した。10日後に目視で確認可能な析出物の有無を評価し、析出物が確認されなかったものを「◎」、白濁してはいるものの、沈澱を生じず均一に分散しており、そのままエポキシ樹脂組成物として配合・塗布などの加工プロセスへの適用に耐えるものを「○」、析出物が確認され、沈澱を生じたものを「×」として評価した。
5)熱伝導率
エポキシ樹脂の溶液(実施例1−1〜1−7及び比較例1−1)またはエポキシ樹脂組成物(実施例2−1、2−2および比較例2−1)を、セパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み:100μm)にドクターブレードで塗布した。
エポキシ樹脂の溶液については、60℃で1時間、その後、150℃で1時間、更に200℃で1時間加熱乾燥させ、厚さ約50μmのエポキシ樹脂のフィルムを得た(実施例1−1〜1−7及び比較例1−1)。
また、エポキシ樹脂組成物については、60℃で1時間、その後、150℃で1時間、更に200℃で1時間加熱することによって硬化させ、厚さ約50μmの硬化物のフィルムを得た(実施例2−1、2−2及び比較例2−1)。
これらのフィルムについて、以下の装置にて、熱拡散率、比重、比熱を測定し、この3つの測定値を乗じることで熱伝導率を求めた。
熱拡散率:(株)アイフェイズ「アイフェイズ・モバイル 1u」
比重:メトラー・トレド(株)「天秤 XS−204」(「固体比重測定キット」使用)
比熱:セイコーインスツル(株)「DSC320/6200」
6)ガラス転移温度Tg
溶剤を乾燥除去したエポキシ樹脂で、SIIナノテクノロジー(株)製「DSC7020」を使用し、30〜200℃まで10℃/minで昇温して測定した。
7)伸び
エポキシ樹脂の溶液をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、厚み:100μm)にアプリケーターで塗布し、60℃で1時間、その後150℃で1時間、更に200℃で1時間乾燥させ、厚さ約50μmのエポキシ樹脂フィルムを得た。これを幅1cmに切り出し、オートグラフ(INSTRON 5582)を使用して5mm/minで3回測定した平均値を示した。
[エポキシ樹脂の製造と評価]
<実施例1−1〜1−7および比較例1−1>
表−1に示した配合で化合物(X)、化合物(Y)、触媒および反応用の溶媒を撹拌機付き耐圧反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下、180℃で5時間反応を行った後、希釈用の溶剤を加えて固形分濃度を調整した。反応生成物から定法により溶剤を除去した後、得られた樹脂について分析を行った。結果を表−1に示す。なお、反応に用いた化合物、触媒および溶剤は以下の通りである。
<化合物(X)>
(X−A):三菱化学(株)製 商品名「YL6121H」(4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂と3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂の1:1混合物、エポキシ当量171g/当量)
(X−B):三菱化学(株)製 商品名「YX4000」(3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、エポキシ当量186g/当量)
<化合物(Y)>
(Y−A):3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール(水酸基当量121g/当量)
(Y−B):3,3’−ジメチル−4,4’−ビフェノール(水酸基当量107g/当量、本州化学(株)製)
(Y−C):4,4’−ビフェノール(水酸基当量93g/当量)
<触媒>
(C−1):27重量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液
<溶媒(反応用)及び溶剤(希釈用)>
(S−1):シクロヘキサノン
(S−2):メチルエチルケトン
[エポキシ樹脂組成物の製造と評価]
<実施例2−1>
実施例1−1で得られたエポキシ樹脂2.5g(樹脂の固形分0.75g;60重量部)と、ビスフェノールAノボラック型多官能エポキシ樹脂80重量%MEK溶液(三菱化学(株)製 商品名「157S65B80)」)0.625g(樹脂の固形分0.5g;40重量部)と、硬化剤として2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール(三菱化学(株)製 商品名「EMI24」)の20重量%MEK溶液0.032g(硬化剤重量0.00625g;0.5重量部)をはかり取り、自転公転ミキサーにて撹拌混合・脱泡を行った。このエポキシ樹脂組成物について、熱伝導率の測定方法の項目において前記した硬化条件にて前述の方法により硬化物のフィルムを作製し、その熱伝導率を求めた。結果を表−2に示す。
<実施例2−2、比較例2−1>
表−2に示したようにエポキシ樹脂組成物の配合を変更した以外は実施例2−1と同様にエポキシ樹脂組成物を製造し、熱伝導率の測定方法の項目において前記した硬化条件にて硬化物のフィルムとし、熱伝導率を測定した。その結果を表−2に示す。
なお、表−2の「その他のエポキシ樹脂」、「硬化剤」における略号の意味は下記の通りである。
・その他のエポキシ樹脂
「1256B40」:三菱化学(株)製 ビスフェノールA型エポキシ樹脂40重量%MEK溶液
「157S65B80」:三菱化学(株)製 ビスフェノールAノボラック型多官能エポキシ樹脂80重量%MEK溶液
・硬化剤
「EMI24」:三菱化学(株)製 2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール
Figure 0005760997
Figure 0005760997
<結果の評価>
表−1からわかるように実施例1−1〜1−7のエポキシ樹脂は有機溶媒に対する溶解性に優れるものであるのに対し、比較例1のエポキシ樹脂は目視で確認できるほど大きな析出物が見られた。また、実施例1−1〜1−7のエポキシ樹脂は熱伝導率、ガラス転移温度Tg、伸びの各測定値もバランスよく良好であり、熱伝導性、耐熱性、伸び性においても優れたものであった。また、実施例2−1、2−2のエポキシ樹脂組成物は比較例2−1のエポキシ樹脂組成物に対し、熱伝導率に優れた硬化物であった。
本発明のエポキシ樹脂およびそれを含むエポキシ樹脂組成物は、有機溶媒に対する溶解性に優れ、フィルム成形・塗布等のプロセスに適用するのに十分な製膜性、伸び性を有し、また、熱伝導性、耐熱性とのバランスに優れ、硬化物性にも優れるものである。このため、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野に適用可能であり、特に、電気・電子分野における絶縁注型、積層材料、封止材料等として有用である。本発明のエポキシ樹脂およびそれを含むエポキシ樹脂組成物は、多層プリント配線基板、フィルム状接着剤、液状接着剤、半導体封止材料、アンダーフィル材料、3D−LSI用インターチップフィル、絶縁シート、プリプレグ、放熱基板等に好適に使用することができる。

Claims (8)

  1. 下記式(1)で表されるエポキシ樹脂であって、式(1)におけるAが式(2)で表される構造であり、かつ式(1)中に互いに異なる3種類以上の式(2)で表される構造を有することを特徴とするエポキシ樹脂。
    Figure 0005760997
    (上記式(1)中、Aは式(2)で表されるビフェニル骨格であり、Bは水素原子または上記式(3)で表される基であり(ただし、式(1)中のふたつのBがいずれも水素原子であることはない。)、nは2以上100以下の数である。上記式(2)中、R〜Rは、水素原子、置換基を有していてもよい炭素数1〜10の炭化水素基、またはハロゲン原子であり、互いに異なっていてもよい。)
  2. 前記式(1)中のAが、下記式(4)から(6)の3種類のビフェニル骨格を少なくと
    も有するものである請求項1に記載のエポキシ樹脂。
    Figure 0005760997
    (上記式(5)中のR、R10および上記式(6)中のR11〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
  3. 少なくとも2官能エポキシ樹脂(X)とビフェノール化合物(Y)とを反応させて得られるエポキシ樹脂であって、該2官能エポキシ樹脂(X)及び該ビフェノール化合物(Y)がそれぞれ下記式(4)から(6)のうち少なくともいずれか1つのビフェニル骨格を有するものであり、かつ下記式(4)から(6)の3種のビフェニル骨格を、該2官能エポキシ樹脂(X)及び/または該ビフェノール化合物(Y)においてすべて用いることを特徴とするエポキシ樹脂。
    Figure 0005760997
    (上記式(5)中のR、R10および式(6)中のR11〜R14は、それぞれ独立して、炭素数1〜4のアルキル基を示す。)
  4. エポキシ当量が500g/当量以上30,000g/当量以下である請求項1から3のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂。
  5. 重量平均分子量Mwが10,000以上200,000以下である請求項1から4のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂。
  6. 請求項1から5のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂と硬化剤とを含有することを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
  7. 前記硬化剤を、固形分としての全エポキシ樹脂成分と硬化剤との合計に対して0.1〜60重量%含む、請求項6に記載のエポキシ樹脂組成物。
  8. 請求項6または7に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化させてなることを特徴とする硬化物。
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