JP5729336B2 - エポキシ化合物、樹脂組成物、樹脂シート、積層板及びプリント配線板 - Google Patents
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Description
(A)成分としては4,4’−テトラメチルビフェノールエポキシ樹脂と4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂の混合物(混合比率が50wt%対50wt%)ある三菱化学株式会社製YL6121H(エポキシ当量175)を用い、(B)成分としてはメソゲン骨格をもつフェノール化合物である4,4’−ビフェノール(本州化学株式会社製)を用いた。(A)成分100部と(B)成分50部を混合し、190℃で溶融させて13時間反応させ、室温に戻すことで表1に示すようなエポキシ化合物を得た。
このエポキシ化合物のGPCピーク高さ比は4.0であり、その重量平均分子量(Mw)は2100であった。
樹脂シートの成形性の評価は、銅回路パターン高さ105um、パターン間 3mmの回路パターン間を前記樹脂シートを2枚用い、175℃での積層プレス成形で充填できるかどうかと前記樹脂シートに含まれる樹脂の回転式レオメータでの溶融粘度用いての樹脂流動性評価で評価した。評価基準としては、充填性に関しては、その成形品について金属顕微鏡による断面観察と超音波探傷においてボイド、未充填のような空孔部が観察されないものを充填可能:〇と判断し、観察されたものを充填不可:×と判断した。溶融粘度に関しては、175℃における最低溶融粘度が5000Pa・S以下の場合、成形可能:〇と判断し、5000Pa・Sを超えた場合、成形不可能:×と判断した。前記の両者とも〇であった場合を成形性:〇(成形性良好)とし、片方もしくは両方とも×であった場合を成形性×(成形性不良)と判断した。
メソゲン系エポキシ樹脂とメソゲン系フェノール化合物の反応物で積層成形時の溶融温度で十分均一に溶融することができるエポキシ化合物であるかどうか、つまり成形品である積層板の外観評価は、樹脂シートを7枚重ね、面方向で25mm×70mmの大きさに175℃で積層プレス成形し、切断後、断面研磨を行い、研磨面を金属顕微鏡で観察し、相分離箇所の有無で評価した。
評価基準としては、相分離が存在していないものを積層板外観:〇(外観良好)、相分離が少しでも存在しているものを積層板外観:×(外観不良)と判断した。
熱伝導性評価には、熱伝伝導率の測定を行なった。熱伝導率の測定は、樹脂シート6枚重ね、175℃で積層プレス成形した積層板を10mmφの円盤状に打ち抜き、熱拡散率測定用サンプルとして作成した。作成サンプルを熱拡散率測定装置(アルバック理工社製TCシリーズ)で熱拡散率の測定を行った。そして比熱は、サファイアを標準サンプルとして示差走査熱量測定(DSC)にて測定を行った。以下の(式6)を用いて、積層板の厚み方向の熱伝導率を算出し、1.00W/(m・K)以上を十分な熱伝導率が得られたとして評価した。
λ=α×Cp×r・・・(式6)
α:熱拡散率
Cp:比熱
r:密度
高温での長期耐熱性については、絶縁耐力試験を樹脂シート2枚重ねて175℃で積層プレス成形した積層板を100mm×100mmの試験片に切断し、試験片を得て実施した。高温200℃の恒温槽中にその積層板を保持しエージング(熱劣化)を施し、エージング時間に対する積層板の絶縁耐力の低下度合いを評価した。絶縁耐力が初期値の1/2になった(半減期と定義する。)エージング時間をそのエージング温度における寿命として、2500時間以上得られるものを長期耐熱性があると判断した。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比が4.0、かつ重量平均分子量(Mw)は4200であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、3300時間であった。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は3.0であり、重量平均分子量(Mw)は4900であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、3200時間であった。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は2.0であり、重量平均分子量(Mw)は5900であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、3600時間であった。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は1.6であり、重量平均分子量(Mw)は6800であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、2900時間であった。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は3.7であり、重量平均分子量(Mw)は8500であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、3100時間であった。
エポキシ化合物の原料である(B)成分がベンズアラルニル型フェノールであり、かつエポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比が2.5であり、重量平均分子量(Mw)は4900であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。GPCピーク高さ比は2.5であり、重量平均分子量(Mw)は4900であった。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、2700時間であった。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は3.0であり、重量平均分子量(Mw)は4900であるエポキシ化合物を用いたこととそれを含むエポキシ樹脂組成物の硬化剤がフェノールノボラック樹脂ではなく、ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂であることを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性については、硬化剤側からのビフェニル骨格の導入により、実施例2、4、7と比較すると5100時間と大きく向上した。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は2.7であり、重量平均分子量(Mw)は900であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。樹脂シート成形性は充填に関して問題がなかったが、積層板外観については、成形時の未溶融物による相分離が発生していた。その引き起こす未硬化部(未溶融物により構成された部分)により、高温での長期耐熱性は実施例2、4、7、8と比較して、1600時間と大きく低下した。また、熱伝導率も実施例1〜8と比較して低下した。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は1.1であり、重量平均分子量(Mw)は1500であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。樹脂シート成形性は良好であったが、積層板外観については、比較例1と同様に成形時の未溶融物による相分離が発生していた。比較例1と同様に、高温での長期耐熱性は1400時間と大きく低下した。また、熱伝導率も実施例1〜8と比較して低下した。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は4.0であり、重量平均分子量(Mw)は42000であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。樹脂シート成形性はエポキシ化合物の170℃における溶融粘度が23.4(Pa・S)と急減に増大したため、その樹脂組成物が与える樹脂シートの流動性が大きく低下、回路パターンの未充填を引き起こした。積層板外観については、比較例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、2900時間であった。
特許文献4に開示されている温度165℃に反応温度を変更して、確認したGPCピーク高さ比は2.5であり、重量平均分子量(Mw)は800であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。長時間の反応時間にかかわらず、重量平均分子量(Mw)は小さく、樹脂シート成形性は良好であったが、積層板外観については、成形時の未溶融物による相分離が発生していた。その引き起こす未硬化部(未溶融物により構成された部分)により、高温での長期耐熱性は実施例2、4、7、8と比較して、1300時間と大きく低下した。また、熱伝導率も実施例1〜8と比較して低下した。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は2.0であり、重量平均分子量(Mw)は21000であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表1に示す。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、2900時間であった。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は1.4であり、重量平均分子量(Mw)は5100であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、3300時間であった。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は1.6であり、重量平均分子量(Mw)は6800であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、2900時間であった。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は2.0であり、重量平均分子量(Mw)は5900であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、3600時間であった。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は3.0であり、重量平均分子量(Mw)は4900であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、3200時間であった。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は3.7であり、重量平均分子量(Mw)は8500であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、3100時間であった。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は4.0であり、重量平均分子量(Mw)は4300であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。樹脂シート成形性および積層板外観ともに実施例1と同様に良好であった。高温での長期耐熱性は、3300時間であった。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は4.5であり、重量平均分子量(Mw)は3400であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。樹脂シート成形性は良好であったが、積層板外観については、成形時の未溶融物による相分離が発生していた。それが引き起こす未硬化部により、高温での長期耐熱性は実施例2、4、7、8と比較して、1600時間と大きく低下した。また、熱伝導率も実施例9〜14と比較して低下した。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は4.8であり、重量平均分子量(Mw)は5600であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。樹脂シート成形性は関しては良好であったが、積層板外観については、比較例1と同様に成形時の未溶融物による相分離が発生していた。比較例5と同様に、高温での長期耐熱性は、1500時間と大きく低下した。また、熱伝導率も実施例9〜14と比較して低下した。
エポキシ化合物の作製時の反応温度と反応時間を変更して、確認したGPCピーク高さ比は5.9であり、重量平均分子量(Mw)は5300であるエポキシ化合物を用いたことを除いて、実施例1と同様に実施した。その結果を表2に示す。樹脂シート成形性は良好であったが、積層板外観については、比較例1と同様に成形時の未溶融物による相分離が発生していた。比較例5と同様に、高温での長期耐熱性は、1700時間と大きく低下した。また、熱伝導率も実施例9〜14と比較して低下した。
溶融粘度はReserch Equipment(London) Limited製測定装置を用いたICI粘度である。
エポキシ樹脂化合物1:4,4’−テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂と4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂の混合物(混合比率 50wt%対50wt%)三菱化学株式会社製ビフェニルエポキシ樹脂 YL6121H)
フェノール1:4,4’−ビフェノール(本州化学株式会社製)
フェノール2:4,4’−ヒドロキシベンズアラルニル(和光純薬株式会社製)
フェノール樹脂1:フェノールノボラック樹脂(DIC株式会社製TD2093Y)
フェノール樹脂2:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(エアウォーターケミカル株式会社製 HE200C)
イミダゾール1:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製2E4Mz)
球状アルミナ:球状アルミナ(平均粒子径 3μm)(電気化学工業株式会社製DAW−03)
ここでの硬化剤、硬化促進剤、充填剤の配合量である重量部は、表1の表記上150部となっているエポキシ化合物を100とした時の配合量である。
溶融粘度はReserch Equipment(London) Limited製測定装置を用いたICI粘度である。
エポキシ樹脂化合物1:4,4’−テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂と4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂の混合物(混合比率 50wt%対50w%)(三菱化学株式会社製ビフェニルエポキシ樹脂 YL6121H)
フェノール1:4,4’−ビフェノール(本州化学株式会社製)
フェノール2:4,4’−ヒドロキシベンズアラルニル(和光純薬株式会社製)
フェノール樹脂1:フェノールノボラック樹脂(DIC株式会社製TD2093Y)
フェノール樹脂2:ビフェニルアラルキル型フェノール樹脂(エアウォーターケミカル株式会社製 HE200C)
イミダゾール1:2−エチル−4−メチルイミダゾール(四国化成株式会社製2E4Mz)
球状アルミナ:球状アルミナ(平均粒子径 3μm)(電気化学工業株式会社製DAW−03)
硬化剤、硬化促進剤、充填剤の配合量である重量部は、表1の表記上150部となっているエポキシ化合物を100とした時の配合量である。
2 ガラスクロス
3 銅箔
4 樹脂シート
13 積層板
5 外層回路
6 内層回路
14 プリント配線板
Claims (6)
- 請求項1に記載のエポキシ化合物と硬化剤を少なくとも含むことを特徴とするエポキシ樹脂組成物。
- 請求項2または請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物を少なくとも含む樹脂シート。
- 請求項4に記載の樹脂シートを少なくとも1層含む積層板。
- 請求項4に記載の樹脂シートを少なくとも1層含むプリント配線板。
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