JP6672699B2 - エポキシ樹脂、エポキシ樹脂組成物、硬化物、電気・電子回路用積層板及びエポキシ樹脂の製造方法 - Google Patents
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Description
幅広く使用されている。近年、電気・電子機器に使用される多層回路基板は、機器の小型化、軽量化及び高機能化が進んでおり、更なる多層化、高密度化、薄型化、軽量化と信頼性及び成形加工性の向上等が要求されている。
高度に集積化された多層基板に用いられるビルドアップ方式においては、高多層化・絶縁層の薄型化が進んでおり、耐薬品性(特に耐溶剤性)のみならず、製膜性、誘電特性、耐熱性等の様々な特性とのバランスが求められる。特に、絶縁材のフィルム形状化が必要になるため、製膜性は必須特性である。
特許文献1には、アシル化されたポリフェノール化合物とエポキシ樹脂を反応させ、二級水酸基がエステル化されたエポキシ樹脂を得る製造方法が開示されている。
ここで開示されているエステル化エポキシ樹脂は、エポキシ当量が最大でも904g/当量であり、分子量が大きくないことから製膜性が期待できない。近年のビルドアップ材料はフィルム化されたものが主流であり、製膜性を有する高分子量タイプのエポキシ樹脂が求められているが、特許文献1では高分子量化が考慮されておらず、高分子量化を実現するための製造条件に関しての記載はない。また、実施例では触媒としてテトラブチルアンモニウムブロマイドが用いられており、本発明者らの検討によれば、この触媒では製膜性が発現するまでの高分子量化は実現が困難であることがわかっている。更に、近年の環境問題に対する意識の高まりから、ハロゲン化合物を積極的に用いることは決して好ましくない。
フェノキシ樹脂を後工程でエステル化することで、高分子量タイプのエステル化樹脂を得ることは可能であるが、本発明者らの検討によれば、この方法では反応中に生成する塩化水素やカルボン酸の影響で、末端のエポキシ基が消失してしまうことがわかっている。文献中にも記載されているように、この高分子量エステル化樹脂は熱可塑性樹脂であり、硬化反応に関与し得ない。架橋構造中に固定されていないため、硬化反応に関与した場合に期待される耐熱性、誘電特性、耐薬品性(耐溶剤性)などは十分に発現しない可能性が
ある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、分子末端にエポキシ基を有する高分子型エステル化エポキシ樹脂を製造することに成功し、本エステル化エポキシ樹脂が製膜性に優れることを見出した。また本発明の高分子量エステル化エポキシ樹脂を用いた組成物からなる硬化物が、耐薬品性(特に耐溶剤性)に優れることを見出した。即ち本発明の要旨は以下の[1]〜[11]に存する。
[1]下記式(1)で表され、重量平均分子量が5,000〜200,000、エポキシ当量が2,000〜50,000g/当量、かつエポキシ当量が数平均分子量以下であることを特徴とするエポキシ樹脂。
[2]前記式(2)で表される化学構造が、下記式(4)及び/又は下記式(5)である、[1]に記載のエポキシ樹脂。
[4]前記エポキシ樹脂の固形分100重量部に対し、前記硬化剤を固形分で0.1〜1
00重量部含む、[3]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[5]前記エポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂を含み、当該エポキシ樹脂と当該他のエポキシ樹脂との固形分の重量比が99/1〜1/99である、[3]又は[4]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[6]前記エポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂の固形分の合計100重量部に対し、前記硬化剤を固形分で0.1〜100重量部含む、[5]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[7]前記硬化剤がフェノール系硬化剤、アミド系硬化剤、イミダゾール類及び活性エステル系硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である、[3]乃至[6]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物。
[8][3]乃至[7]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を用いてなる電気・電子回路用積層板。
[9][3]乃至[7]のいずれか1つに記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
[10]下記式(6)で表される2官能エポキシ樹脂と、下記式(7)で表されるジエステル系化合物とを反応させ、重量平均分子量が5,000〜200,000、エポキシ当量が2,000〜50,000g/当量、かつエポキシ当量が数平均分子量以下である下記式(1)’のエポキシ樹脂を得るエポキシ樹脂の製造方法。
2は互いに異なっていてもよく、水素原子又は上記式(3)’で表される化学構造であり、少なくともいずれか一方は上記式(3)’で表される基である。R’3の5モル%以上は炭素数1〜10の脂肪族カルボニル基又は芳香族カルボニル基で、残りは水素原子であり、nは繰り返し数の平均値であり5以上500以下である。上記式(2)’中、X’1は直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO2−、−C(CF3)2−及び−CO−から選ばれる基であり、R’4〜R’11は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜12のアルキル基、炭素数1〜12のアルコキシ基、炭素数6〜12のアリール基、炭素数1〜12のアルケニル基、炭素数1〜12のアルキニル基から任意に選ばれる基である。)
[11]前記式(2)’で表される化学構造が、下記式(8)及び/又は下記式(9)である、[10]に記載のエポキシ樹脂の製造方法。
本発明のエポキシ樹脂は、下記式(1)で表され、重量平均分子量が5,000〜200,000、エポキシ当量が2,000〜50,000、かつエポキシ当量が数平均分子量以下であるものである。
本発明のエポキシ樹脂は、製膜性に優れるという特長を有する。前記式(1)において、製膜性を発現するに十分な分子量を有し、かつ分子末端にエポキシ基を有することで、硬化反応時に架橋構造に組み込まれ、これにより硬化物の耐薬品性(特に耐溶剤性)が向上すると推定される。
前記式(1)中、Aは前記式(2)で表される化学構造を含む。前記式(2)中、X1は直接結合、炭素数1〜13の2価の炭化水素基、−O−、−S−、−SO2−、−C(CF3)2−及び−CO−から選ばれる基である。
ここで、前記式(2)のX1における炭素数1〜13の2価の炭化水素基としては次のようなものが挙げられる。例えば、−CH2−、−CH(CH3)−、−C(CH3)2−、−C(CF3)2−、−CHPh−、−C(CH3)Ph−、−CPh2−、9,9−フルオレニレン基、1,1−シクロプロピレン基、1,1−シクロブチレン基、1,1
−シクロペンチレン基、1,1−シクロヘキシレン基、3,3,5−トリメチル−1,1−シクロヘキシレン基、1,1−シクロドデシレン基、1,2−エチレン基、1,2−シクロプロピレン基、1,2−シクロブチレン基、1,2−シクロペンチレン基、1,2−シクロヘキシレン基、1,2−フェニレン基、1,3−プロピレン基、1,3−シクロブチレン基、1,3−シクロペンチレン基、1,3−シクロヘキシレン基、1,3−フェニレン基、1,4−ブチレン基、1,4−シクロヘキシレン基、1,4−フェニレン基等である。
ここで、前記式(2)におけるR4〜R11の炭素数1〜12のアルキル基としては次のようなものが挙げられる。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、シクロペンチル基、n−ヘキシル基、イソヘキシル基、シクロヘキシル基、n−ヘプチル基、シクロヘプチル基、メチルシクロヘキシル基、n−オクチル基、シクロオクチル基、n−ノニル基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシル基、n−デシル基、シクロデシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、シクロドデシル基、ベンジル基、メチルベンジル基、ジメチルベンジル基、トリメチルベンジル基、ナフチルメチル基、フェネチル基、2−フェニルイソプロピル基等である。
トキシ基、シクロヘプトキシ基、メチルシクロヘキシロキシ基、n−オクチロキシ基、シクロオクチロキシ基、n−ノニロキシ基、3,3,5−トリメチルシクロヘキシロキシ基、n−デシロキシ基、シクロデシロキシ基、n−ウンデシロキシ基、n−ドデシロキシ基、シクロドデシロキシ基、ベンジロキシ基、メチルベンジロキシ基、ジメチルベンジロキシ基、トリメチルベンジロキシ基、ナフチルメトキシ基、フェネチロキシ基、2−フェニルイソプロポキシ基等である。
前記式(2)におけるR4〜R11の炭素数2〜12のアルケニル基としては次のようなものが挙げられる。例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−メチルビニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、3−ブテニル基、1,3−ブタジエニル基、シクロヘキセニル基、シクロヘキサジエニル基、シンナミル基、ナフチルビニル基等である。
以上で挙げた中でも、前記式(2)のR4〜R11としては、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基が好ましく、特に好ましくは水素原子、メチル基である。これは置換基が立体的に大きすぎると、分子間の凝集が妨げられ、製膜時の可撓性や耐熱性が低下する可能性があるためである。また、R4〜R11が炭素数1〜4のアルキル基炭素数1〜12の炭化水素基である場合、R4〜R11の置換数は2または4であることが好ましく、更に、R4〜R11の置換数が2である場合、該アルキル基は2−位及び2’−位にあることが好ましく、R4〜R11の置換数が4である場合、該アルキル基は2−位、2’−位、6−位及び6’−位にあることが好ましい。
前記式(1)におけるR3の5モル%以上は炭素数1〜10の脂肪族カルボニル基又は芳香族カルボニル基で、残りは水素原子である。
本発明のエポキシ樹脂は、通常、これらの末端を有する分子や、次に説明する繰り返し数nの異なる分子等の混合物である。
本発明のエポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は5,000〜200,000である。重量平均分子量が5,000より低いものでは製膜性が低くなり、200,000より高いと樹脂の取り扱いが困難となる。本発明のエポキシ樹脂の重量平均分子量(Mw)は、製膜性を向上させる観点から、10,000以上が好ましく、15,000以上がより好ましく、一方、取り扱い性を良好なものとする観点から、160,000以下が好ましく、120,000以下がより好ましく、80,000以下が更に好ましい。なお、エポキシ樹脂の重量平均分子量及び数平均分子量は前述のゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定することができる。
本発明のエポキシ樹脂のエポキシ当量は、2,000〜50,000g/当量の範囲であり、かつエポキシ当量が数平均分子量以下である。エポキシ当量はエポキシ基当たりの分子量であるから、エポキシ当量が数平均分子量以下であることは、平均で一分子当たり一つ以上のエポキシ基が含まれていることを意味する。これにより、本発明のエポキシ樹脂はそれ自体が硬化反応に関与し、架橋構造に組み込まれることが可能である。
本発明のエポキシ樹脂は、例えば、下記式(4)で表される2官能エポキシ樹脂と、下記式(5)で表されるジエステル系化合物とを反応させて得られる。理論的には、公知の方法で合成されたフェノキシ樹脂(高分子量エポキシ樹脂)の二級水酸基を後工程でアシル化する方法でも合成可能と思われるが、実際にはアシル化の反応中に生成する塩化水素やカルボン酸によって末端のエポキシ基が消失してしまうため、本法を用いることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂の製造に用いられる2官能エポキシ樹脂は、前記式(4)で表されるエポキシ樹脂であり、例えば、下記式(6)で表されるビスフェノール系化合物を、公知の方法によってエピハロヒドリンと縮合させて得られるエポキシ樹脂等が挙げられる。
また本発明のエポキシ樹脂の製造に用いられるジエステル化合物は、前記式(5)で表されるものであり、例えば、前記式(6)で表されるビスフェノール系化合物を、酸クロリドや酸無水物、あるいはカルボン酸等との縮合反応でアシル化して得られる。
前記式(4)及び/又は(5)中、A’は前記式(2)’で表される化学構造を含んでいてもよいし、含まなくともよいが、前記式(4)中のA’が式(2)’を含まない場合は、前記式(5)は前記式(2)’ で表される化学構造を必ず含むものである。一方、
前記式(6)中、A’は前記式(2)’で表される化学構造を含んでいてもよいし、含まなくともよいが、前記式(5)中のA’が式(2)’を含まない場合は、前記式(6)は前記式(2)’ で表される化学構造を必ず含むものである。つまり、本発明のエポキシ
樹脂には、前記式(2)’で表される化学構造が必ず含まれるものであり、これを満たす限り、前記式(2)’の化学構造が、2官能エポキシ樹脂及びジエステル系化合物のいずれに含まれるものであってもよく、またその化学構造の割合も制限されるものではない。
前記式(2)’におけるR’4〜R’11の定義と好ましいものは、それぞれ前記式(2)におけるR4〜R11と同様のものである。また、前記式(2)’におけるX’1の定義と好ましいものは、それぞれ前記式(2)におけるX1と同様のものである。
前記式(5)におけるmは繰り返し数の平均値であり、0以上6以下である。公知の方法で前記式(6)のビスフェノール化合物とエピクロロヒドリンを反応させると、mは0より大きくなるのが通常である。mを0とするためには、公知の方法で製造したエポキシ樹脂を蒸留・晶析等の手法で高度に精製するか、または前記式(6)のビスフェノール化合物をアリル化した後に、オレフィン部分を酸化することでエポキシ化する方法がある。これにより、本発明のエポキシ樹脂は二級水酸基を含まないものとなり、吸湿性・誘電特性を更に改良することができる。一方で、例えば金属に対する接着性を微調整する際に、適当なm数のエポキシ樹脂を用いることで、吸湿性を始めとする他の物性に大きな影響を及ぼさない範囲で、本発明のエポキシ樹脂中に敢えて適量の二級水酸基を存在させることができる。
また、ジエステル系化合物の一部を、前記式(6)で表されるビスフェノール化合物に置き換えることも可能である。これにより前述のように、本発明のエポキシ樹脂中に敢えて適量の二級水酸基を存在させることで物性の微調整ができる。
第3級アミンの具体例としては、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミン、トリ−n−ブチルアミン、トリエタノールアミン、ベンジルジメチルアミン、ピリジン、4−(ジメチルアミノ)ピリジン等が挙げられる。
イミダゾール類の具体例としては、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、2−フェニルイミダゾール等が挙げられる。
こともできる。
アミド系溶媒の具体例としては、ホルムアミド、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトアミド、N−メチルアセトアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、2−ピロリドン、N−メチルピロリドン等が挙げられる。
エポキシ樹脂の製造において、2官能エポキシ樹脂とジエステル系化合物との重合反応は使用する触媒が分解しない程度の反応温度で実施される。反応温度が高すぎると触媒が分解して反応が停止したり、生成するエポキシ樹脂が劣化したりするおそれがある。逆に温度が低すぎると十分に反応が進まないことがある。これらの理由から反応温度は、好ましくは50〜230℃、より好ましくは120〜200℃である。また、反応時間は通常1〜12時間、好ましくは3〜10時間である。アセトンやメチルエチルケトンのような低沸点溶媒を使用する場合には、オートクレーブを使用して高圧下で反応を行うことで反応温度を確保することができる。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくとも前述した本発明のエポキシ樹脂と硬化剤とを含むエポキシ樹脂組成物である。また、本発明のエポキシ樹脂組成物には、必要に応じて、他のエポキシ樹脂、無機フィラー、カップリング剤、酸化防止剤等の各種添加剤を適
宜配合することができる。本発明のエポキシ樹脂組成物は低吸湿性、誘電特性、耐熱性、耐溶剤性に優れ、各種用途に要求される諸物性を十分に満たす硬化物を与えるものである。
本発明のエポキシ樹脂に硬化剤を配合してエポキシ樹脂組成物とすることができる。本発明において硬化剤とは、エポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質を示す。なお、本発明においては通常、「硬化促進剤」と呼ばれるものであってもエポキシ樹脂のエポキシ基間の架橋反応及び/又は鎖長延長反応に寄与する物質であれば、硬化剤とみなすこととする。
本発明のエポキシ樹脂組成物において、後述する他のエポキシ樹脂が含まれる場合には、本発明のエポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂との固形分の重量比が99/1〜1/99である。本発明において、「固形分」とは溶媒を除いた成分を意味し、固体のエポキシ樹脂のみならず、半固形や粘稠な液状物のものをも含むものとする。また、「全エポキシ樹脂成分」とは、本発明のエポキシ樹脂と後述する他のエポキシ樹脂との合計を意味する。
硬化剤としてフェノール系硬化剤を用いることが、得られるエポキシ樹脂組成物の取り扱い性と、硬化後の耐熱性を向上させる観点から好ましい。フェノール系硬化剤の具体例としては、ビスフェノールA、ビスフェノールF、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、1,4−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルケトン、4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、4,4’−ジヒドロキシビフェニル、2,2’−ジヒドロキシビフェニル、10−(2,5−ジヒドロキシフェニル)−10H−9−オキサ−10−ホスファフェナンスレン−10−オキサイド、フェノールノボラック、ビスフェノールAノボラック、o−クレゾールノボラック、m−クレゾールノボラック、p−クレゾールノボラック、キシレノールノボラック、ポリ−p−ヒドロキシスチレン、ハイドロキノン、レゾルシン、カテコール、t−ブチルカテコール、t−ブチルハイドロキノン、フルオログリシノール、ピロガロール、t−ブチルピロガロール、アリル化ピロガロール、ポリアリル化ピロガロール、1,2,4−ベンゼントリオール、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、1,8−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、2,4−ジヒドロキシナフタレン、2,5−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,8−ジヒドロキシナフタレン、上記ジヒドロキシナフタレンのアリル化物又はポリアリル化物、アリル化ビスフェノールA、アリル化ビスフェノールF、アリル化フェノールノボラック、アリル化ピロガロール等が例示される。
硬化剤としてアミド系硬化剤を用いることが、耐熱性等の向上の観点から好ましい。硬化剤としてアミド系硬化剤を用いることにより、得られるエポキシ樹脂組成物の耐熱性の向上の観点から好ましい。アミド系硬化剤としてはジシアンジアミド及びその誘導体、ポリアミド樹脂等が挙げられる。
硬化剤としてイミダゾール類を用いることが、硬化反応を十分に進行させ、耐熱性を向上させる観点から好ましい。イミダゾール類としては、2−フェニルイミダゾール、2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−ベンジル−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾール、1−シアノ−2−フェニルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾールトリメリテイト、1−シアノエチル−2−フェニルイミダゾリウムトリメリテイト、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−エチル−4’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジン、2,4−ジアミノ−6−[2’−メチルイミダゾリル−(1’)]−エチル−s−トリアジンイソシアヌル酸付加体、2−フェニルイミダゾールイソシアヌル酸付加体、2−フェニル−4,5−ジヒドロキシメチルイミダゾール、2−フェニル−4−メチル−5−ヒドロキシメチルイミダゾール、及びエポキシ樹脂と上記イミダゾール類との付加体等が例示される。なお、イミダゾール類は触媒能を有するため、一般的には後述する硬化促進剤にも分類されうるが、本発明においては硬化剤として分類するものとする。
以上に挙げたイミダゾール類は1種のみでも、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。また、イミダゾール類は、エポキシ樹脂組成物中の固形分としての全エポキシ樹脂成分とイミダゾール類との合計に対して0.1〜20重量%の範囲で用いることが好ましい。
硬化剤として活性エステル系硬化剤を用いることは、得られる硬化物の吸水性を低下させる観点から好ましい。活性エステル系硬化剤としては、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等の反応活性の高いエステル基を1分子中に2個以上有する化合物が好ましく、中でも、カルボン酸化合物とフェノール性水酸基を有する芳香族化合物とを反応させたフェノールエステル類がより好ましい。カルボン酸化合物としては、具体的には、安息香酸、酢酸、コハク酸、マレイン酸、イタコン酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ピロメリット酸等が挙げられる。フェノール性水酸基を有する芳香族化合物としては、カテコール、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、ジヒドロキシベンゾフェノン、トリヒドロキシベンゾフェノン、テトラヒドロキシベンゾフェノン、フロログルシン、ベンゼントリオール、ジシクロペ
ンタジエニルジフェノール、フェノールノボラック等が挙げられる。
以上に挙げた活性エステル系硬化剤は1種のみでも、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。また、活性エステル系硬化剤は、エポキシ樹脂組成物中の全エポキシ樹脂中のエポキシ基に対する硬化剤中の活性エステル基の当量比で0.2〜2.0の範囲となるように用いることが好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物に用いることのできる硬化剤として、フェノール系硬化剤、アミド系硬化剤及びイミダゾール類以外のものとしては、例えば、アミン系硬化剤(ただし、第3級アミンを除く。)、酸無水物系硬化剤、第3級アミン、有機ホスフィン類、ホスホニウム塩、テトラフェニルボロン塩、有機酸ジヒドラジド、ハロゲン化ホウ素アミン錯体、ポリメルカプタン系硬化剤、イソシアネート系硬化剤、ブロックイソシアネート系硬化剤等が挙げられる。以上で挙げたその他の硬化剤は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、本発明のエポキシ樹脂に加え、他のエポキシ樹脂を含むことができる。他のエポキシ樹脂を用いることで、不足する物性を補ったり、種々の物性を向上させたりすることができる。
他のエポキシ樹脂としては、分子内に2個以上のエポキシ基を有するものであることが好ましく、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビスフェノールZ型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂等の、各種エポキシ樹脂を使用することができる。これらは1種のみでも2種以上の混合体としても使用することができる。
本発明のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物には、塗膜形成時の取り扱い時に、エポキシ樹脂組成物の粘度を適度に調整するために溶剤を配合し、希釈してもよい。本発明のエポキシ樹脂組成物において、溶剤は、エポキシ樹脂組成物の成形における取り扱い性、作業性を確保するために用いられ、その使用量には特に制限がない。なお、本発明においては「溶剤」という語と前述の「溶媒」という語をその使用形態により区別して用いるが、それぞれ独立して同種のものを用いても異なるものを用いてもよい。
トルエン、キシレン等の芳香族類等が挙げられる。以上に挙げた溶剤は、1種のみで用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で混合して用いてもよい。
本発明のエポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物には、その機能性の更なる向上を目的として、以上で挙げたもの以外の成分(本発明において「その他の成分」と称することがある。)を含んでいてもよい。このようなその他の成分としては、エポキシ樹脂を除く熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂、硬化促進剤(ただし、「硬化剤」に含まれるものを除く。)、紫外線防止剤、酸化防止剤、カップリング剤、可塑剤、フラックス、難燃剤、着色剤、分散剤、乳化剤、低弾性化剤、希釈剤、消泡剤、イオントラップ剤、無機フィラー、有機フィラー等が挙げられる。
本発明のエポキシ樹脂を硬化剤により硬化してなる硬化物は、低吸湿性、誘電特性、耐熱性、耐薬品性(特に耐溶剤性)等のバランスに優れ、良好な硬化物性を示すものである。ここでいう「硬化」とは熱及び/又は光等によりエポキシ樹脂組成物を意図的に硬化させることを意味するものであり、その硬化の程度は所望の物性、用途により制御すればよい。進行の程度は完全硬化であっても、半硬化の状態であってもよく、特に制限されないが、エポキシ基と硬化剤の硬化反応の反応率として通常5〜95%である。
樹脂半硬化物を作製する際には、加熱等により形状が保てる程度にエポキシ樹脂組成物の硬化反応を進行させることが好ましい。エポキシ樹脂組成物が溶剤を含んでいる場合には、通常、加熱、減圧、風乾等の手法で大部分の溶剤を除去するが、樹脂半硬化物中に5質量%以下の溶剤を残留させてもよい。
本発明のエポキシ樹脂は、製膜性に優れ、またこれを含むエポキシ樹脂組成物は、耐薬品性(耐溶剤性)に優れた硬化物を与えるという効果を奏する。このため、接着剤、塗料、土木建築用材料、電気・電子部品の絶縁材料等、様々な分野に適用可能であり、特に、電気・電子分野における絶縁注型、積層材料、封止材料等として有用である。本発明のエポキシ樹脂及びそれを含むエポキシ樹脂組成物の用途の一例としては、多層プリント配線基板、キャパシタ等の電気・電子回路用積層板、フィルム状接着剤、液状接着剤等の接着剤、半導体封止材料、アンダーフィル材料、3D−LSI用インターチップフィル、絶縁シート、プリプレグ、放熱基板等が挙げられるが、何らこれらに限定されるものではない。
本発明のエポキシ樹脂組成物は前述したように電気・電子回路用積層板の用途に好適に用いることができる。本発明において「電気・電子回路用積層板」とは、本発明のエポキシ樹脂組成物を含む層と導電性金属層とを積層したものであり、本発明のエポキシ樹脂組成物を含む層と導電性金属層とを積層したものであれば、電気・電子回路ではなくとも、例えばキャパシタも含む概念として用いられる。なお、電気・電子回路用積層板中には2種以上のエポキシ樹脂組成物からなる層が形成されていてもよく、少なくとも1つの層に
おいて本発明のエポキシ樹脂組成物が用いられていればよい。また、2種以上の導電性金属層が形成されていてもよい。
電気・電子回路用積層板におけるエポキシ樹脂組成物からなる層の厚みは通常10〜200μm程度である。また、導電性金属層の厚みは通常0.2〜70μm程度である。
電気・電子回路用積層板における導電性金属としては、銅、アルミニウム等の金属や、これらの金属を含む合金が挙げられる。本発明において電気・電子回路用積層板の導電性金属層においては、これらの金属の金属箔、あるいはメッキやスパッタリングで形成された金属層を用いることができる。
本発明における電気・電子回路用積層板の製造方法としては、例えば次のような方法が挙げられる。
(1) ガラス繊維、ポリエステル繊維、アラミド繊維、セルロース、ナノファイバーセルロース等の無機及び/又は有機の繊維材料を用いた不織布やクロス等に、本発明のエポキシ樹脂組成物を含浸させてプリプレグとし、導電性金属箔及び/又はメッキにより導電性金属層を設けた後、フォトレジスト等を用いて回路を形成し、こうした層を必要数重ねて積層板とする。
(2) 上記(1)のプリプレグを心材とし、その上(片面又は両面)に、エポキシ樹脂組成物からなる層と導電性金属層を積層する(ビルドアップ法)。このエポキシ樹脂組成物からなる層は有機及び/又は無機のフィラーを含んでいてもよい。
(3) 心材を用いず、エポキシ樹脂組成物からなる層と導電性金属層のみを交互に積層して電気・電子回路用積層板とする。
以下の実施例及び比較例において、物性、特性の評価は以下の1)〜5)に記載の方法で行った。
東ソー(株)製「HLC−8320GPC装置」を使用し、以下の測定条件で、標準ポリスチレンとして、TSK Standard Polystyrene:F−128(Mw:1,090,000、Mn:1,030,000)、F−10(Mw:106,000、Mn:103,000)、F−4(Mw:43,000、Mn:42,700)、F−2(Mw:17,200、Mn:16,900)、A−5000(Mw:6,400、Mn:6,100)、A−2500(Mw:2,800、Mn:2,700)、A−300(Mw:453、Mn:387)を使用した検量線を作成して、重量平均分子量(Mw)および数平均分子量(Mn)をポリスチレン換算値として測定した。
カラム:東ソー(株)製「TSKGEL SuperHM−H+H5000+H4000+H3000+H2000」
溶離液:テトラヒドロフラン
流速:0.5ml/min
検出:UV(波長254nm)
温度:40℃
試料濃度:0.1重量%
インジェクション量:10μl
前記式(1)におけるnの値は上記で求められた数平均分子量より算出した。
JIS K 7236に準じて測定し、固形分換算値として表記した。
エポキシ樹脂、又はエポキシ樹脂組成物の溶液をセパレータ(シリコーン処理したポリエチレンテレフタレートフィルム、またはテフロン(登録商標)フィルム)にアプリケーターで塗布し、160℃で1.5時間、その後200℃で1.5時間乾燥させ、自立可能なフィルムが作製可能かどうか評価した。
○:自立したフィルムが得られ、十分な可撓性がある
△:可撓性は不十分でやや脆いが、フィルム形状を保つことができる
×:脆くてフィルム形状を保てない/フィルムにならない
4)と同様の方法で、厚さ約50μmのエポキシ樹脂フィルムを得た。200mlのサンプル瓶にテトラヒドロフランを100g入れ、そこに得られたフィルムを4cm×4cmに切り出した試験片を浸し、室温で12時間以上放置し、様子を目視で確認した。また、フィルム形状を維持できたものについてはテトラヒドロフラン中から取り出し、100℃で2時間乾燥を行った後、重量を測定し、ゲル分率を算出した。
○ : 分散せず、フィルム形状が維持できている
△ : 分散は見られるものの、フィルム形状が維持できている
× : フィルム形状が全く維持できず、分散してしまっている
(ゲル分率)=[{(テトラヒドロフランつけ置き後、乾燥させた後の質量)-(処理前の試験片の質量)}/(処理前の試験片質量)]×100
以下の実施例・比較例において用いた原料、触媒、溶媒及び溶剤は以下の通りである。
(A−1):三菱化学(株)製 商品名「jER YX4000」(3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、エポキシ当量186g/当量)
(A−2):三菱化学(株)製 商品名「jER 828US」(ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポキシ当量185g/当量)
(A−3):三菱化学(株)製 商品名「jER 806H」(ビスフェノールF型エポキシ樹脂、エポキシ当量169g/当量)
(A−4):三菱化学(株)製 商品名「jER YL6121H」(4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂と3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノール型エポキシ樹脂の1:1混合物、エポキシ当量171g/当量)
(A−5):三菱化学(株)製 商品名「jER YX7760」(エポキシ当量237g/当量)
(A−6):三菱化学(株)製 商品名「jER YX7710」(エポキシ当量240g/当量)
(B−1):ジアセトキシビフェニル
(B−2):ジベンゾイルオキシビフェニル
(B−3):2,2−ビス(4−アセトキシフェニル)プロパン
(B−4):1,1−ビス(4−アセトキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン
(B−5):9,9−ビス(4−アセトキシフェニル)フルオレン
(P−1):4,4’−(フルオレン−9,9−ジイル)ビス(2−メチルフェノール)(本州化学(株)製 製品名:BisOC−FL、水酸基当量:189g/当量)
(C−1):N,N’−ジメチルアミノピリジン
(C−2):2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール(製品名:EMI24、三菱化学(株)製)、50wt%シクロヘキサノン溶液
(C−3):テトラブチルアンモニウムブロミド、50重量%水溶液
(S−1):シクロヘキサノン
(S−2):メチルエチルケトン(MEK)
<実施例1−1〜1−12、比較例1−1>
表−1に示した配合で2官能エポキシ樹脂、ジエステル系化合物、触媒および反応用の溶剤を撹拌機付き反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下で、表−1に記載した反応時間、反応温度で反応を行った。その後、希釈用の溶剤を加えて固形分濃度を調整した。得られた樹脂について分析を行った結果を表−1にあわせて示す。
2官能エポキシ樹脂として三菱化学(株)製 商品名「jER YX4000」(3,3’,5,5’−テトラメチル−4,4’−ビフェノールジグリシジルエーテル、エポキ
シ当量186g/当量)を55.0g、ジエステル系化合物としてBPS−P(T)(ビスフェノールS、水酸基当量125g/当量)を36.2g、触媒として27質量%テトラメチルアンモニウムハイドロオキサイド水溶液を0.47g、および反応用の溶剤としてシクロヘキサノン74.6gを撹拌機付き反応容器に入れ、窒素ガス雰囲気下で5.5時間、145〜155℃で反応を行った。その後、希釈用の溶剤としてシクロヘキサノン138.2gを加えて固形分濃度を30質量%に調整した。この高分子量エポキシ樹脂は数平均分子量12,500、重量平均分子量31,100であった。ここへ、60〜80℃に温度を保ちつつ無水酢酸32.9gを加え、120℃に昇温して2時間反応させた。シクロヘキサノンを50g加え、過剰の無水酢酸と、アシル化によって生成した酢酸を留去することを3回繰り返し、最終的に留出液がほぼ中性であることを確認した上で固形分濃度を30質量%に調整した。1H−NMRで分析したところ、アシル化率は94.7%であった。一方、エポキシ当量は140,000g/当量を超えており、実質的にほとんどエポキシ基が残留していないことがわかった。
<実施例2−1〜2−12、比較例2−1>
実施例1−1〜1−12で得られたエポキシ樹脂又は比較例1−2で得られた熱可塑性樹脂と、フェノールノボラック樹脂50重量%MEK溶液(群栄化学(株)製 商品名「PSM6200」)と、硬化促進剤として2−エチル−4(5)−メチルイミダゾール(三菱化学(株)製 商品名「EMI24」)の20重量%MEK溶液を、表−2に示した重量比(エポキシ基:水酸基=1:1となる比率)で混合して、エポキシ樹脂組成物を得た。これらについて、前述の手法に従って耐薬品性(特に耐溶剤性)を評価した。結果を表−2に示す。
表−2の結果より、実施例2−1〜2−12において、実施例1−1〜1−12のエポキシ樹脂に硬化剤を配合して加熱・硬化した硬化物は耐薬品性(特に耐溶剤性)に優れることがわかる。また、ゲル成分が残存することから、エポキシ基がほとんど残存しない比較例1−2とは異なり、実施例1−1〜1−12のエポキシ樹脂は硬化反応に関与することが明確である。
Claims (11)
- 下記式(1)で表され、重量平均分子量が5,000〜200,000、エポキシ当量が2,000〜50,000g/当量、かつエポキシ当量が数平均分子量以下であるエポキシ樹脂。
) - 請求項1乃至2に記載のエポキシ樹脂と、硬化剤とからなるエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂の固形分100重量部に対し、前記硬化剤を固形分で0.1〜100重量部含む、請求項3に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂を含み、当該エポキシ樹脂と当該他のエポキシ樹脂との固形分の重量比が、99/1〜1/99である、請求項3又は4に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記エポキシ樹脂と他のエポキシ樹脂の固形分の合計100重量部に対し、前記硬化剤を固形分で0.1〜100重量部含む、請求項5に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 前記硬化剤がフェノール系硬化剤、アミド系硬化剤、イミダゾール類及び活性エステル系硬化剤からなる群から選ばれる少なくとも1種である、請求項3乃至6のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
- 請求項3乃至7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を硬化してなる硬化物。
- 請求項3乃至7のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物を用いてなる電気・電子回路用積層板。
- 下記式(6)で表される2官能エポキシ樹脂と、下記式(7)で表される化合物とを反応させ、重量平均分子量が5,000〜200,000、エポキシ当量が2,000〜50,000g/当量、かつエポキシ当量が数平均分子量以下である下記式(1)’のエポキシ樹脂を得るエポキシ樹脂の製造方法。
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