JP2019052315A - 硬化性組成物及びその硬化物、光学部材、並びに光学装置 - Google Patents
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Abstract
Description
また、本発明の他の目的は、高精度であって光学特性に優れ、なおかつ生産性の高い光学部材及び該光学部材を有する光学装置を提供することにある。
[1]エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)、芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)、及び熱カチオン硬化剤(C)を含む硬化性組成物であって、エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)が、エポキシ化された環状オレフィン基を少なくとも2個有する化合物であることを特徴とする硬化性組成物。
[2]エポキシ化された環状オレフィン基が、炭素数5〜12の環状オレフィン基がエポキシ化された基である[1]に記載の硬化性組成物。
[3]エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)が、エポキシ化された環状オレフィン基の少なくとも2個が単結合又は2価の炭化水素基で結合された構造を有する化合物である[1]又は[2]に記載の硬化性組成物。
[4]エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)が、下記式(a1)
で表される化合物である[1]〜[3]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[5]エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)が、式(a1)中の2つのRがともにシクロヘキセンオキシド基である化合物である[4]に記載の硬化性組成物。
[6]エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)が、2つのシクロヘキセンオキシド基の4位の炭素原子が単結合又は2価の炭化水素基によって連結された化合物である[5]に記載の硬化性組成物。
[7]エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)の含有量が、硬化性組成物の総量(100重量%)に対して、10〜60重量%である[1]〜[6]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[8]エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)及び芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)の総量(100重量%)に対するエステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)の割合が、10〜60重量%である[1]〜[7]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[9]芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)が有する芳香環が、芳香族炭化水素環である[1]〜[8]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[10]芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)が分子内に有する芳香環の数が1〜10個である[1]〜[9]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[11]芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)が、脂環エポキシ基、グリシジル基、及びオキセタニル基からなる群より選択された少なくとも1種のカチオン硬化性官能基を有する[1]〜[10]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[12]芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)が分子内に有するカチオン硬化性官能基の数が1〜10個である[1]〜[11]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[13]芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)が下記式(b1)で表される化合物である[1]〜[12]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[14]芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)の含有量が、硬化性組成物の総量(100重量%)に対して、40〜90重量%である[1]〜[13]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[15]硬化性組成物の総量(100重量%)に対するエステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)及び芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)の総量の割合が、80重量%以上、100重量%未満である[1]〜[14]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[16]熱カチオン硬化剤(C)が熱カチオン重合開始剤である[1]〜[15]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[17]熱カチオン硬化剤(C)の含有量(配合量)が、硬化性組成物に含まれるカチオン硬化性化合物の総量100重量部に対して、0.001〜10重量部である[1]〜[16]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[18]硬化開始温度が60〜150℃である[1]〜[17]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[19]さらに、酸化防止剤を含む[1]〜[18]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[20]酸化防止剤がフェノール系酸化防止剤である[19]に記載の硬化性組成物。
[21]酸化防止剤の含有量(配合量)が、硬化性組成物に含まれるカチオン硬化性化合物の総量100重量部に対して、0.001〜15重量部である[19]又は[20]に記載の硬化性組成物。
[22]硬化させて得られる硬化物のアッベ数が35以下である[1]〜[21]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[23]さらに、カチオン硬化性官能基を有する離型剤を含む[1]〜[22]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[24]前記離型剤が有するカチオン硬化性官能基の数が、1〜4個である[23]に記載の硬化性組成物。
[25]前記離型剤が、エポキシ基を有するフッ素置換炭化水素である[23]又は[24]に記載の硬化性組成物。
[26]前記エポキシ基を有するフッ素置換炭化水素が、下記式(i)で表される化合物である[25]に記載の硬化性組成物。
[27]前記離型剤の含有量(配合量)が、エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)及び芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)の総量100重量部に対して、0.01〜10重量部である[23]〜[26]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[28]硬化性組成物に含まれる硬化性化合物の総量(100重量%)に対するカチオン重合性化合物の総量の割合が、80〜100重量%である[1]〜[27]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[29]硬化させて得られる硬化物の400nmにおける内部透過率[厚み0.5mm換算]が、70〜100%である[1]〜[28]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[30]硬化させて得られる硬化物の589nmにおける屈折率(25℃)が、1.58以上である[1]〜[29]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[31]硬化させて得られる硬化物のガラス転移温度が、100〜200℃である[1]〜[30]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[32]硬化させて得られる硬化物のガラス転移温度以下における線膨張係数(α1)が、40〜100ppm/Kである[1]〜[31]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[33]硬化させて得られる硬化物のガラス転移温度以上における線膨張係数(α2)が、90〜150ppm/Kである[1]〜[32]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[34]光学部材形成用組成物である[1]〜[33]のいずれか1つに記載の硬化性組成物。
[35][1]〜[34]のいずれか1つに記載の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物。
[36]400nmにおける内部透過率[厚み0.5mm換算]が、70〜100%である[35]に記載の硬化物。
[37]589nmにおける屈折率(25℃)が、1.58以上である[35]又は[36]に記載の硬化物。
[38]ガラス転移温度が、100〜200℃である[35]〜[37]のいずれか1つに記載の硬化物。
[39]ガラス転移温度以下における線膨張係数(α1)が、40〜100ppm/Kである[35]〜[38]のいずれか1つに記載の硬化物。
[40]ガラス転移温度以上における線膨張係数(α2)が、90〜150ppm/Kである[35]〜[39]のいずれか1つに記載の硬化物。
[41]アッベ数が35以下である[35]〜[40]のいずれか1つに記載の硬化物。
[42][34]に記載の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物を有する光学部材。
[43][42]に記載の光学部材を有する光学装置。
本発明の硬化性組成物は、エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)、芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)、及び熱カチオン硬化剤(C)を必須成分として含む硬化性組成物である。本発明の硬化性組成物は、上述の必須成分のほかに、例えば、後述の酸化防止剤、離型剤、各種添加剤等のその他の成分を含んでいてもよい。なお、本発明の硬化性組成物は、加熱により硬化して硬化物(樹脂硬化物)を形成する熱硬化性組成物として使用できる。
本発明の硬化性組成物におけるエステル基(エステル結合)を有しない脂環エポキシ化合物(A)(以下、単に「脂環エポキシ化合物(A)」や「成分(A)」と称する場合がある)は、分子内にエステル基(エステル結合)を有しない化合物であって、分子内にエポキシ化された環状オレフィン基を少なくとも2個有する化合物である。脂環エポキシ化合物(A)が有する「エポキシ化された環状オレフィン基」とは、環状オレフィン(環を形成する炭素−炭素結合の少なくとも1つが炭素−炭素不飽和結合である環状脂肪族炭化水素)が有する炭素−炭素不飽和結合の少なくとも1つがエポキシ化された構造から1つの水素原子を除いて形成される基(1価の基)であり、以下、「エポキシ化環状オレフィン基」や「脂環エポキシ基」と称する場合がある。即ち、上記エポキシ化環状オレフィン基は、脂肪族炭化水素環構造とエポキシ基とを含み、該エポキシ基が上記脂肪族炭化水素環を構成する隣接する2つの炭素原子と酸素原子とで構成されるエポキシ基である基である。
本発明の硬化性組成物における芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)(以下、単に「カチオン重合性化合物(B)」や「成分(B)」と称する場合がある)は、分子内に少なくとも1個の芳香環と、少なくとも1個のカチオン硬化性官能基(カチオン重合性官能基)とを有する化合物である。カチオン重合性化合物(B)を含むことにより、本発明の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物に対し、特に、耐熱性、並びに、高透明性、高屈折率、及び低アッベ数の光学特性を効率的に付与できる傾向がある。
本発明の硬化性組成物における熱カチオン硬化剤(C)(以下、「成分(C)」と称する場合がある)は、加熱によって硬化性組成物に含まれるカチオン硬化性化合物(カチオン硬化性官能基を有する化合物;例えば、脂環エポキシ化合物(A)、カチオン重合性化合物(B)、分子内に1個以上のカチオン硬化性官能基を有する離型剤等)の重合反応(硬化反応)を開始乃至進行させる働きを有する化合物である。熱カチオン硬化剤(C)としては、上述の働きを有する公知乃至慣用の化合物を使用することができ、特に限定されないが、例えば、加熱によりカチオン種を発生し、これにより硬化性化合物の重合(硬化)を開始させる熱カチオン重合開始剤等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、さらに、酸化防止剤を含んでいてもよい。上記酸化防止剤としては、酸化防止剤として使用できる公知乃至慣用の化合物を使用することができ、特に限定されないが、例えば、フェノール系酸化防止剤(フェノール系化合物)、リン系酸化防止剤(リン系化合物)、硫黄系酸化防止剤(硫黄系化合物)等が挙げられる。
本発明の硬化性組成物は、さらに、離型剤を含んでいてもよい。上記離型剤としては、離型剤として使用できる公知乃至慣用の化合物を使用することができ、特に限定されないが、例えば、(ポリ)オキシアルキレンアルキルリン酸化合物、フッ素化合物(フッ素系離型剤)、シリコーン系化合物、長鎖アルキル基を有する化合物、ポリアルキレンワックス、アミドワックス、ポリテトラフルオロエチレンパウダー等が挙げられる。中でも、透明性を損なわない観点で、分子内に1個以上のカチオン硬化性官能基を有する離型剤が好ましく、より好ましくは分子内に1個以上のカチオン硬化性官能基を有するフッ素化合物(フッ素系離型剤)である。
本発明の硬化性組成物は、上述の成分のほか、必要に応じて添加剤等のその他の成分を含んでいてもよい。上記添加剤としては、公知乃至慣用の添加剤が挙げられ、特に限定されないが、例えば、金属酸化物粒子、ゴム粒子、シリコーン系やフッ素系の消泡剤、シランカップリング剤、充填剤、可塑剤、レベリング剤、帯電防止剤、難燃剤、着色剤、紫外線吸収剤、イオン吸着体、顔料等が挙げられる。これら各種の添加剤の含有量(配合量)は、特に限定されないが、硬化性組成物(100重量%)に対して、5重量%以下(例えば、0〜5重量%)とすることが好ましい。また、本発明の硬化性組成物は溶媒を含んでいてもよいが、あまり多いと硬化物に気泡が生じる場合があるので、硬化性組成物(100重量%)に対して10重量%以下(例えば、0〜10重量%)とすることが好ましく、より好ましくは1重量%以下である。
(DSCの測定条件)
・測定雰囲気:窒素(流量:50mL/分)
・測定温度:30〜300℃
・昇温条件:20℃/分
なお、本発明の硬化性組成物の硬化開始温度は、例えば、硬化性組成物の組成(例えば、熱カチオン硬化剤(C)の種類;特に、脂環エポキシ化合物(A)及びカチオン重合性化合物(B)と熱カチオン硬化剤(C)との組み合わせ)によって制御することができる。
表1に記載の各成分につき、自転公転ミキサーを使用して、常温(25℃)にて攪拌・混合することにより、硬化性組成物を得た。なお、表1に記載された配合量の単位は重量部である。
〔硬化性化合物〕
PG−100 : フルオレン系エポキシ化合物(大阪ガスケミカル(株)製、商品名「PG−100」)
EG−200 : フルオレン系エポキシ化合物(大阪ガスケミカル(株)製、商品名「EG−200」)
827 : ビスフェノールA型エポキシ化合物(三菱化学(株)製、商品名「jER827」)
C1 : 3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(3,4−エポキシ)シクロヘキサンカルボキシレート
C2 : 3,4,3',4'−ジエポキシビシクロヘキシル
EA−F5503 : フルオレン系アクリル化合物(大阪ガスケミカル(株)製、商品名「オグソールEA−F5503」)
IRR−214K : 脂環アクリル化合物(ダイセル・サイテック(株)製、商品名「IRR−214K」)
〔熱カチオン重合開始剤〕
SI−100L : 芳香族スルホニウム塩(三新化学工業(株)製、商品名「サンエイドSI−100L)
〔熱ラジカル重合開始剤〕
パーヘキサC : 1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン(日油(株)製、商品名「パーヘキサC」、1分間半減期温度:153.8℃)
〔酸化防止剤〕
IRG1010 : ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェノール)プロピオネート](BASF社製、商品名「IRGANOX1010」)
〔離型剤〕
E−1630 : 3−パーフルオロヘキシル−1,2−エポキシプロパン(ダイキン工業(株)製、商品名「E−1630」)
以下の手順で硬化物を調製した。
実施例及び比較例で得られた硬化性組成物につき、インプリント成型機(明昌機工(株)製「NANOIMPRINTER NM−0501」)を使用して、25℃にて塗布(キャスティング)を行った後、プレス軸位置を調整して厚み0.5mmとし、昇温速度20℃/分にて180℃まで昇温した後、180℃にて5分間保持し、80℃まで冷却した後に離型した。得られた硬化物(「一次硬化物」とする)を、予め180℃に熱したオーブンにて30分間加熱した後、硬化物(「二次硬化物」とする)を得た。
実施例及び比較例で得られた硬化性組成物について、レオメーター(Paar Physica社製「PHYSICA UDS200」)を使用して、温度25℃、回転速度20/秒における粘度(Pa・s)を測定した。
実施例及び比較例で得られた硬化性組成物について、示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製「Q2000」)を使用して、窒素雰囲気下にて、下記の温度条件における硬化発熱量を測定し、これを硬化性組成物の硬化発熱量とした。続いて、上記で得られた一次硬化物につき、同温度条件における硬化発熱量を、一次硬化物の中心部と周辺部(各々、該当箇所を刃物で切り出して取得)において測定し、その平均値を一次硬化物の硬化発熱量とした。そして、硬化率を下記式にて算出した。
温度条件:50℃にて3分間保持した後、昇温速度20℃/分にて250℃まで昇温し、250℃で3分間保持
硬化率(%)={1−(一次硬化物の硬化発熱量)/(硬化性組成物の硬化発熱量)}×100
実施例及び比較例で得られた硬化性組成物について、示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント社製「Q2000」)を使用して、窒素雰囲気下にて、上述の硬化開始温度測定時の条件で加熱した際の硬化発熱量(反応熱量)を観測した。得られた硬化発熱量のチャートにおいて、硬化発熱の立ち上がり温度(ベースラインからの立ち上がりが開始する温度)を、硬化開始温度として測定した。
上記で得られた二次硬化物(厚み:0.5mm)の内部透過率を下記式にて算出した。なお、400nmにおける光線透過率(二次硬化物の光線透過率)は、分光光度計(日立ハイテクノロジーズ(株)製「U−3900」)を使用して測定した。下記式におけるnは、400nmにおける屈折率であり、後述の屈折率の測定方法により得た値を使用した。
内部透過率(400nm)(%)=400nmにおける光線透過率(%)/(1−r)2
r={(n−1)/(n+1)}2
上記で得られた二次硬化物について、JIS K7142に準拠した方法により、屈折率計(メトリコン社製「Model 2010」)を使用して、25℃での589nmにおける屈折率を測定した。
上記で得られた二次硬化物のアッベ数を、下記式にて算出した。
アッベ数=(nd−1)/(nF−nC)
(式中、ndは589.2nmにおける屈折率、nFは486.1nmにおける屈折率、nCは656.3nmにおける屈折率を示す。なお、屈折率の値としては、前述の屈折率の測定方法を使用し、前記各波長において得られた屈折率の値を使用した。)
上記で得られた二次硬化物の体積収縮率(%)は、硬化性組成物の25℃における比重(G1)、及び二次硬化物の比重(G2)を、電子比重計((株)島津製作所製「SD−200L」)を使用して測定した後、下記式にて算出した。
体積収縮率(%)={(G2−G1)/G1×100}
上記で得られた二次硬化物のガラス転移温度(ガラス転移点)(Tg、℃)は、TMA測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「TMA/SS100」)を使用し、JIS K7197に準拠した方法により、窒素雰囲気下にて、昇温速度5℃/分で、測定温度範囲30〜250℃における熱膨張率を測定した後、ガラス転移点の前及び後の曲線に接線を引き、これら接線の交点から求めた。
上記で得られた二次硬化物の線膨張係数は、TMA測定装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー社製「TMA/SS100」)を使用し、JIS K7197に準拠した方法により、窒素雰囲気下にて、昇温速度5℃/分で、測定温度範囲30〜250℃における熱膨張率を測定した後、ガラス転移点より低温側の直線の勾配をα1、ガラス転移点より高温側の直線の勾配をα2とし、各々を線膨張係数として求めた。
上記で得られた二次硬化物について、卓上リフロー炉(シンアペック社製)を使用して、JEDEC規格記載の温度プロファイルに基づき、最高温度270℃のリフロー条件の耐熱性試験を連続して3回行った後、400nmにおける光線透過率及び400nmにおける屈折率を前述した測定方法により測定し、耐熱性試験後における内部透過率を求めた。耐熱性試験前後の内部透過率から、黄変率(%)を下記式にて算出し、耐熱性を評価した。なお、黄変率が小さいほど、硬化物の耐熱性は良好である。
黄変率(%)={(耐熱性試験前の内部透過率)−(耐熱性試験後の内部透過率)}/(耐熱性試験前の内部透過率)×100
Claims (10)
- エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)、芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)、及び熱カチオン硬化剤(C)を含む硬化性組成物であって、エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)が、エポキシ化された環状オレフィン基を少なくとも2個有する化合物であり、
芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)が下記式(b1)
で表される化合物であり、
エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)及び芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)の総量(100重量%)に対するエステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)の割合が、10〜40重量%であり、
硬化性組成物の総量(100重量%)に対するエステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)及び芳香環を有するカチオン重合性化合物(B)の総量の割合が、80重量%以上、100重量%未満であることを特徴とする硬化性組成物。 - エポキシ化された環状オレフィン基が、炭素数5〜12の環状オレフィン基がエポキシ化された基である請求項1に記載の硬化性組成物。
- エステル基を有しない脂環エポキシ化合物(A)が、エポキシ化された環状オレフィン基の少なくとも2個が単結合又は2価の炭化水素基で結合された構造を有する化合物である請求項1又は2に記載の硬化性組成物。
- 硬化開始温度が60〜150℃である請求項1〜3のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 硬化させて得られる硬化物のアッベ数が35以下である請求項1〜4のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- さらに、カチオン硬化性官能基を有する離型剤を含む請求項1〜5のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 光学部材形成用組成物である請求項1〜6のいずれか1項に記載の硬化性組成物。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物。
- 請求項7に記載の硬化性組成物を硬化させて得られる硬化物を有する光学部材。
- 請求項9に記載の光学部材を有する光学装置。
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