JP2019031641A - 高炉用コークスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
を有することを特徴とする高炉用コークスの製造方法。
また、本発明の対象である低石炭化度炭以外に配合炭に配合される他の石炭として、ビトリニット平均反射率が0.9%以上の高石炭化度炭や、ビトリニット平均反射率が0.9%以下であるが本発明の対象ではない低石炭化度炭がある。他の石炭のうち、粗大イナート組織含有率が5体積%超の石炭は、3mm以下90質量%以上に粉砕することとする。低石炭化度炭の周囲に粗大イナートが残存していると、粗大イナートが主要な欠陥となるため、低石炭化度炭ビトリニットの細粒化によるコークス強度への影響が表れにくいためである。
また、他の石炭としては、粗大イナート組織含有率が5体積%未満であれば、1)ビトリニット平均反射率が0.9%以下で、かつ全膨張率が20%未満の石炭や、2)ビトリニット平均反射率が0.9%超の石炭、の粉砕粒度は、特に限定されるものではなく、3mm以下80〜85質量%程度が例示される。
(実験1)
まず、粉砕した低石炭化度炭から、篩分けによって5〜7mmの低石炭化度炭粒子を得た。その低石炭化度炭粒子の中から、輝炭粒子を採取し、厚紙で作成した筒体(直径:20mm、高さ:20mm)の中心に配置し、この輝炭粒子の周りに微粉状の高石炭化度炭を充填することにより筒状石炭を作成した。なお、輝炭粒子は目視にて採取した。また、輝炭粒子は、ビトリニット組織を多く含むことから、この輝炭粒子をビトリニット組織と見なして検討した。
実験1と同様にして試料調整した筒状石炭10を、温度勾配のない加熱雰囲気下で乾留した(ただし、ここでは厚紙ではなく薬包紙を使用した)。図4は、筒状石炭が配置された試験装置の概略斜視図であり(ただし、上下面に取り付けられるSUS板を省略して図示する)、図5は、試験装置の側面図である。SUS板本体21には、筒状に形成された収容開口部21aがマトリクス状に配列されており、これらの収容開口部21aに対して各筒状石炭10が収められている。SUS板本体21の上面には、上部SUS板22が取り付けられており、SUS板本体21の下面には、下部SUS板23が取り付けられている。このSUSの試験装置を、上下に加熱ヒーターが付いた加熱炉に入れることで、上部SUS板22の上部及び下部SUS板23の下部から、其々加熱することができる。また、上部SUS板22及び下部SUS板23の熱は、SUS板本体21に伝熱するため、全ての筒状石炭10を略均等に加熱することができる。
これを種々の温度勾配において低石炭化度炭ビトリニット組織サイズを変化させて求めた。その結果を図8に示す。熱応力計算を実施したところ、温度勾配が大きくなる程、熱応力が大きくなることを確認した。また、低石炭化度炭ビトリニット組織のサイズが小さくなるほど、熱応力が小さくなることが確認された。
(第一の実施形態)
本発明の第一の実施形態は、A)予め、データベースを作成する工程と、B)実操業において温度勾配を変化させる場合に、目標のコークス強度となる様に、新たな操業条件を決定する工程、で構成される。
1点目として、低石炭化度炭の粉砕粒度と、その粉砕粒度に対応したビトリニット組織のサイズ分布を調べておく方法を以下に述べる。
各粉砕粒度に粉砕した低石炭化度炭において、1mm以上の粒子について、複数の粒度区分に分ける。粒度区分としては、4つの粒度区分(1mm以上3mm未満、3mm以上5mm未満、5mm以上10mm未満、10mm以上)に分けることが例示される。なお、1mm以上の粒子について調べた理由は、通常のコークス炉操業条件による温度勾配の範囲において、クラック生成の臨界径が1mm未満になることは無いことを知見しているためである。
実機での実施が想定される温度勾配および低石炭化度炭の粉砕粒度の範囲において、各温度勾配条件下にて、配合炭中の低石炭化度炭の粉砕粒度を変えて、配合炭を乾留し、コークスを製造してコークス強度DI150 15を測定する。併せて、各温度勾配に対応する臨界径を、前述の[0035]段落で述べた方法によりそれぞれ求める。
次に、図10(b)に示す様なビトリニット組織のサイズ分布を用いて、粉砕粒度毎に臨界径以上のビトリニット組織比率を求め、求めたビトリニット組織比率に配合炭中における低石炭化度炭の配合比を掛けることによって、配合炭中における臨界径以上のビトリニット組織比率に換算する。
以上の結果に基き、低石炭化度炭の粉砕粒度毎に、測定しておいたコークス強度と対応させることで、図11に示すような、温度勾配毎に、配合炭中の臨界径以上のビトリニット組織比率とコークス強度の関係を求めることができる。
なお、以降では、配合炭中における臨界径以上のビトリニット組織比率を+Rc比率と記載することがある。
B−1)温度勾配の変化前の状態について、以下のステップを有している。
B−1−1)温度勾配(変化前)を求めるステップと、
B−1−2)温度勾配(変化前)に対応する相関関係とクラック生成熱応力(図12(a))に基づき、前記低石炭化度炭のビトリニット組織の臨界径Rc(α)を求めるステップと、
B−1−3)図12(b)の関係に基き、実操業における低石炭化度炭の粉砕粒度における臨界径Rc(α)以上の前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率X´を求めるステップと、
B−1−4)前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率X´を、配合炭中のビトリニット組織の比率Xに換算するステップと、
B−1−5)図11において、前記の配合炭中のビトリニット組織の比率Xにおけるコークス強度2が、操業条件の決定前の状態における実測のコークス強度1に一致する様に、前記の図11を図12(c)に補正するステップ。
なお、詳細には、以下に述べる通りである。
実操業における温度勾配(変化前)での低石炭化度炭の粉砕粒度に該当するデータがあれば、そのデータを読み取ればよいが、データが無い場合は、実操業における温度勾配(変化前)での低石炭化度炭の粉砕粒度に近い、2つの粉砕粒度とビトリニット組織のサイズ分布の関係から、按分して求めればよい。例として、実操業における温度勾配(変化前)での低石炭化度炭の粉砕粒度が3mm以下82質量%、臨界径Rc(α)が4.5mmだった場合を、図12(b)を用いて説明する。予め求めておいた、粉砕粒度3mm以下75質量%と85質量%の関係を用い、それぞれの関係において、臨界径4.5mmにおけるビトリニット組織比率(縦軸)の点を求め、その2点を結ぶ線分を、前記2つの粉砕粒度と、実操業における温度勾配(変化前)での粉砕粒度との比率に応じて按分する。つまり、線分を7:3に分ける点の縦軸での値を、ビトリニット組織比率X’として求める。
なお、この補正は、A)の工程でデータベースを作成する際に用いる配合炭を構成する各石炭の性状や配合比率に対して、B)の工程では実操業で用いる配合炭を構成する各石炭の性状や配合比率が通常は相違するため、得られるコークス強度の絶対値に差分が生じることから、この差分を是正するために、行うものである。
B−2−1)温度勾配(変化後)を求めるステップと、
B−2−2)前記のB−1−5)で補正された関係のうち、温度勾配(変化後)に対応する関係である図12(e)に基き、温度勾配(変化後)に、目標とするコークス強度となる、配合炭中の臨界径以上のビトリニット組織の比率Zを求めるステップと、
B−2−3)前記配合炭中のビトリニット組織の比率Zを、低石炭化度炭のビトリニット組織の比率Z´に換算するステップと、
B−2−4)図12(f)に基づき、温度勾配(変化後)の前記低石炭化度炭のビトリニット組織の臨界径Rc(β)を求めるステップと
B−2−5)図12(g)に基き、前記の比率Z´と、前記の臨界径Rc(β)から、低石炭化度炭の粉砕粒度を求めるステップと、
B−2−6)前記のB−2−5)で求めた粉砕粒度より細かく低石炭化度炭を粉砕するステップと、を有している。
なお、詳細には、以下に述べる通りである。
本発明の第二の実施形態は、第一の実施形態に対して、温度勾配の変化後の新たな操業条件として、「粉砕粒度」から「石炭配合」に変更したものである。
すなわち、A)およびB−1)は共通しており、B−2)に代えて、下記のB−3)とする。
具体的には、第一の実施形態のB−2)に代えて、
B−3)温度勾配の変化後の新たな操業条件として、石炭配合を決定するに際し、
B−3−1)温度勾配(変化後)を求めるステップと、
B−3−2)温度勾配(変化後)に対応する図12(f)に基づき、前記低石炭化度炭のビトリニット組織の臨界径Rc(β)を求めるステップと、
B−3−3)図12(h)に基き、実操業における低石炭化度炭の粉砕粒度における臨界径Rc(β)以上の前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率Y´を求めるステップと、
B−3−4)前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率Y´を、配合炭中のビトリニット組織の比率Yに換算するステップと、
B−3−5)補正された図12(i)に基き、温度勾配(変化後)において、
前記の配合炭中のビトリニット組織の比率Yに相当するコークス強度を求めるステップと、
B−3−6)前記のB−3−5)で求めたコークス強度に対して、目標とするコークス強度となるように、石炭の配合構成を変化させるステップと、を有している。
この文献では、主に、配合する石炭の平均反射率及び配合率、さらに配合炭の嵩密度とコークス炉温が、体積破壊粉コークス量に及ぼす影響に基づいて体積破壊粉コークス量を推定し、併せて、石炭の膨張率および装入嵩密度とコークス強度の関係に基づいて表面破壊粉コークス量を推定することで、コークス強度を推定している。
本実施形態では、前記B−3−5)〜B−3−6)で記載した通り、温度勾配(変化後)において求めたコークス強度に対して、目標とするコークス強度となるように、石炭の配合構成を変化させる。従って、目標とするコークス強度となる石炭配合は、この文献の推定式により、温度勾配(変化後)の条件で求めたコークス強度推定値と、石炭の配合のみを変化させた条件で求めたコークス強度推定値との差(差1)が、前記B−3−5)で求めたコークス強度と、目標とするコークス強度の差(差2)と等しくなるように、石炭配合を変化させて計算することで、求めることができる。なお、実際に石炭の配合構成を変化させる際には、上記の「差1」が「差2」よりも大きくなるように(すなわち、目標とするコークス強度よりも大きくなるように)石炭の配合を変化させても構わない。
本発明の第三の実施形態は、第一の実施形態に対して、実操業において温度勾配を「変化させていた」から「温度勾配を変化させない」場合に変更したものである。すなわち、A)は共通しており、B)に代えて、C)実操業において温度勾配を変化させず、目標のコークス強度を変化させる場合に、新たな操業条件を決定する工程として、粉砕粒度を決定する方法である。
具体的には、第一の実施形態のB)に代えて、
C)実操業において温度勾配を変化させず、目標のコークス強度を変化させる場合に、新たな操業条件を決定する工程として、粉砕粒度を決定する方法であって、
C−1)実操業の温度勾配が一定の状態において、
C−1−1)温度勾配(実操業)を求めるステップと、
C−1−2)温度勾配(実操業)に対応する図12(a)に基づき、前記低石炭化度炭のビトリニット組織の臨界径Rc(α)を求めるステップと、
C−1−3)図12(b)に基き、実操業における低石炭化度炭の粉砕粒度における臨界径Rc(α)以上の前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率X´を求めるステップと、
C−1−4)前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率X´を、配合炭中のビトリニット組織の比率Xに換算するステップと、
C−1−5)図11において、前記の配合炭中のビトリニット組織の比率Xにおけるコークス強度2が、操業条件の決定前の状態における実測のコークス強度1に一致する様に、前記の図11を図12(c)に補正するステップと、
C−1−6)補正された図12(j)に基き、目標とするコークス強度となる配合炭中の臨界径以上のビトリニット組織比率Wを求めるステップと、
C−1−7)前記配合炭中のビトリニット組織の比率Wを、低石炭化度炭のビトリニット組織の比率W´に換算するステップと、
C−1−8)図12(k)に基き、前記の比率W´と、前記の臨界径Rc(α)から、低石炭化度炭の粉砕粒度を求めるステップと、
C−1−9)前記C−1−8)で求めた粉砕粒度より細かく低石炭化度炭を粉砕するステップと、を有している。
図9に示すように、石炭装入温度および炉温を変化させて、操業条件と温度勾配の関係を求めた。また、実施の形態にて述べたように、図8のビトリニット組織サイズと発生熱応力の関係を求めた。また、クラック生成熱応力を300kPaとした。
それぞれを表1に併記する。
以上までを、データベースとして作成しておいた。
臨界径4.5mm、+Rc比率が1.7%でコークス強度が85.5となるように、図13の縦軸のコークス強度を縦軸方向に平行移動させた図を、図14に示す。
温度勾配を変化する前の条件として、石炭装入温度50℃、炉温1050℃、石炭水分2.0%で操業しており、温度勾配は9.6℃/mmで臨界径は4.5mmであった。配合炭中の非微粘結炭比率は65%で、低石炭化度炭比率は表1のC炭を用いており、比率は60%であった。粗大イナート高含有炭は3mm以下95質量%に粉砕し、低石炭化度炭を3mm以下90質量%に粉砕し、配合炭を0.5mmで分級して0.5mm以下の微粉炭は塊成化して塊成炭とし、0.5mm超の粗粒炭と塊成炭を混合した装入炭を製造したところ、コークス強度は85.5であり、目標のコークス強度85.5を満たすコークスを製造できていた。このときの配合炭中に臨界径以上のビトリニット組織比率は、1.7%であった。
温度勾配を変化する前の条件として、石炭装入温度250℃、炉温1100℃、石炭水分0.0%で操業しており、温度勾配は8.7℃/mmとなり、臨界径は5.4mmであった。配合炭中の非微粘結炭比率は65%で、本発明の粉砕粒度調整の対象である低石炭化度炭は、表1のC炭を用いており、比率は60%であった。粗大イナート高含有炭は3mm以下95質量%に粉砕し、低石炭化度炭を3mm以下90質量%に粉砕し、配合炭を0.5mmで分級して微粉炭は塊成化し、粗粒炭と塊成炭を混合した装入炭を乾留してコークスを製造したところ、コークス強度は85.5であり、目標のコークス強度85.5を満たすコークスを製造できていた。
目標のコークス強度が変化する前の操業条件は、石炭装入温度50℃、炉温1300℃、石炭水分2.0%で操業しており、温度勾配は16.1℃/mmで臨界径は2.8mmであった。配合炭中の非微粘結炭比率は65%で、本発明の粉砕粒度調整の対象である低石炭化度炭は、表1のC炭を用いており、比率は60%であった。粗大イナート高含有炭は3mm以下95質量%に粉砕し、低石炭化度炭を3mm以下90質量%に粉砕し、配合炭を0.5mmで分級して0.5mm以下の微粉炭は塊成化して塊成炭とし、0.5mm超の粗粒炭と塊成炭を混合した装入炭を乾留してコークスを製造したところ、コークス強度は85.5であり、目標のコークス強度85.5を満たすコークスを製造できていた。このときの、配合炭中の臨界径以上の低石炭化度ビトリニット組織比率(+Rc比率)は、図10から3mm以下90質量%の場合を按分して求めると、3.9%であった。
臨界径2.8mm、+Rc比率が3.9%でコークス強度が85.5となるように、図13の縦軸のコークス強度を縦軸方向に平行移動させた図を、図17に示す。
Claims (5)
- 低石炭化度炭を粉砕した石炭を含む配合炭をコークス炉の炭化室で乾留する高炉用コークスの製造方法において、
前記低石炭化度炭は、ビトリニット平均反射率が0.9%以下、かつ、3mm以下70〜85質量%に粉砕したときに、絶対最大長さが1.5mm以上の粗大イナート組織含有率が5体積%未満であり、さらに全膨張率が20%以上の石炭であり、
前記配合炭に配合される他の石炭が、前記の粗大イナート組織が5体積%以上の高含有率である場合は、3mm以下90質量%以上に粉砕して配合されており、
A)予め、データベースを作成する工程として、
A−1)予め、操業条件によって変化する炭化室の炉幅方向における温度勾配を求めておくステップと、
A−2)予め、前記低石炭化度炭のビトリニット組織のサイズと乾留時に前記低石炭化度炭のビトリニット組織に生じる熱応力との相関関係を、前記温度勾配毎に算出しておくステップと、
A−3)予め、前記低石炭化度炭のビトリニット組織にクラックが生じるときの熱応力であるクラック生成熱応力を調べておくステップと、
A−4)予め、前記低石炭化度炭の粉砕粒度毎に、低石炭化度炭のビトリニット組織のサイズ分布を求めておくステップと、
A−5)予め、前記相関関係に基づき、温度勾配毎に、前記クラック生成熱応力に対応する前記低石炭化度炭のビトリニット組織のサイズを臨界径として求めておくステップと、
A−6)温度勾配毎に、配合炭中の臨界径以上のビトリニット組織比率とコークス強度の関係を求めておくステップと、
を有し、
B)実操業において温度勾配を変化させる場合に、目標のコークス強度となる様に、新たな操業条件を決定する工程として、
B−1)温度勾配の変化前の状態において、
B−1−1)温度勾配(変化前)を求めるステップと、
B−1−2)温度勾配(変化前)に対応する前記相関関係と、前記クラック生成熱応力に基づき、前記低石炭化度炭のビトリニット組織の臨界径Rc(α)を求めるステップと、
B−1−3)前記のA−4)で求めたサイズ分布に基き、実操業における低石炭化度炭の粉砕粒度における臨界径Rc(α)以上の前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率X´を求めるステップと、
B−1−4)前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率X´を、配合炭中のビトリニット組織の比率Xに換算するステップと、
B−1−5)前記のA−6)で求めた関係において、前記の配合炭中のビトリニット組織の比率Xにおけるコークス強度2が、操業条件の決定前の状態における実測のコークス強度1に一致する様に、前記のA−6)で求めた関係を補正するステップと、
を有し、
B−2)温度勾配の変化後の新たな操業条件として、粉砕粒度を決定するに際し、
B−2−1)温度勾配(変化後)を求めるステップと、
B−2−2)前記のB−1−5)で補正された関係に基き、温度勾配(変化後)で、目標とするコークス強度となる、配合炭中の臨界径以上のビトリニット組織の比率Zを求めるステップと、
B−2−3)前記配合炭中のビトリニット組織の比率Zを、低石炭化度炭のビトリニット組織の比率Z´に換算するステップと、
B−2−4)前記相関関係と、前記クラック生成熱応力に基づき、温度勾配(変化後)の前記低石炭化度炭のビトリニット組織の臨界径Rc(β)を求めるステップと
B−2−5)前記のA−4)で求めたサイズ分布に基き、前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率Z´と、前記B−2−4)で求めた臨界径Rc(β)から、低石炭化度炭の粉砕粒度を求めるステップと、
B−2−6)前記のB−2−5)で求めた粉砕粒度より細かく低石炭化度炭を粉砕するステップと、
を有することを特徴とする高炉用コークスの製造方法。 - 前記のB−2)に代えて、
B−3)温度勾配の変化後の新たな操業条件として、石炭配合を決定するに際し、
B−3−1)温度勾配(変化後)を求めるステップと、
B−3−2)温度勾配(変化後)に対応する前記相関関係と、前記クラック生成熱応力に基づき、前記低石炭化度炭のビトリニット組織の臨界径Rc(β)を求めるステップと、
B−3−3)前記のA−4)で求めたサイズ分布に基き、実操業における低石炭化度炭の粉砕粒度における臨界径Rc(β)以上の前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率Y´を求めるステップと、
B−3−4)前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率Y´を、配合炭中のビトリニット組織の比率Yに換算するステップと、
B−3−5)前記のB−1−5)で補正された関係に基き、温度勾配(変化後)において、前記の配合炭中のビトリニット組織の比率Yに相当するコークス強度を求めるステップと、
B−3−6)前記のB−3−5)で求めたコークス強度に対して、目標とするコークス強度となるように、石炭の配合構成を変化させるステップと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の高炉用コークスの製造方法。 - 前記のB)に代えて、
C)実操業において温度勾配を変化させず、目標のコークス強度を変化させる場合に、新たな操業条件を決定する工程として、粉砕粒度を決定する方法であって、
C−1)実操業の温度勾配を変化させない状態において、
C−1−1)温度勾配(実操業)を求めるステップと、
C−1−2)温度勾配(実操業)に対応する前記相関関係と、前記クラック生成熱応力に基づき、前記低石炭化度炭のビトリニット組織の臨界径Rc(α)を求めるステップと、
C−1−3)前記のA−4)で求めたサイズ分布に基き、実操業における低石炭化度炭の粉砕粒度における臨界径Rc(α)以上の前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率X´を求めるステップと、
C−1−4)前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率X´を、配合炭中のビトリニット組織の比率Xに換算するステップと、
C−1−5)前記のA−6)で求めた関係において、前記の配合炭中のビトリニット組織の比率Xにおけるコークス強度2が、操業条件の決定前の状態における実測のコークス強度1に一致する様に、前記のA−6)で求めた関係を補正するステップと、
C−1−6)前記のC−1−5)で補正された関係に基き、目標とするコークス強度となる配合炭中の臨界径以上のビトリニット組織の比率Wを求めるステップと、
C−1−7)前記配合炭中のビトリニット組織の比率Wを、低石炭化度炭のビトリニット組織の比率W´に換算するステップと、
C−1−8)前記のA−4)で求めたサイズ分布に基き、前記低石炭化度炭のビトリニット組織の比率W´と、前記C−1−2)で求めた臨界径Rc(α)から、低石炭化度炭の粉砕粒度を求めるステップと、
C−1−9)前記のC−1−8)で求めた粉砕粒度より細かく低石炭化度炭を粉砕するステップと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の高炉用コークスの製造方法。 - 前記温度勾配を求める際の操業条件は、炭化室の炉温、炭化室に装入するときの装入炭の温度を含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の高炉用コークスの製造方法。
- 前記温度勾配は、前記炭化室の炉壁側部及び炉中心側部を除いた所定範囲における温度勾配であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の高炉用コークスの製造方法。
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