JP2005194358A - コークス強度の推定方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 高石炭化度炭と低石炭化度炭とを配合し、配合する各石炭について乾留前に測定した石炭性状に基づいて、コークスの表面破壊粉コークス量およびコークスの体積破壊粉コークス量を推定し、表面破壊粉コークス量及び体積破壊粉コークス量の和より乾留後のコークス強度を推定するコークス強度の推定方法において、低石炭化度炭の配合比率が高いときでも、良好な精度でコークスの強度を推定することのできるコークス強度の推定方法を提供する。
【解決手段】 配合する高石炭化度炭の平均反射率及び低石炭化度炭の配合率とに基づいて体積破壊粉コークス量を推定する。配合する高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量と低石炭化度炭の表面破壊粉コークス量とを別々に求め、これらを高石炭化度炭と低石炭化度炭の配合割合で加重平均することにより、上記推定に用いる表面破壊粉コークス量とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、高炉用コークスの強度を推定する方法に関するものである。
コークスは、通常多くの種類の石炭を配合し、コークス炉で乾留して製造される。高炉用コークスは、高炉までの輸送や高炉内での衝撃に耐えるため、所定の値以上の強度を持つことが要求される。
コークス強度としては、JISのドラム強度指数、ISOのマイカム強度指数、ASTMのタンブラー強度指数などの回転強度指数と落下強度指数が用いられており、いずれも、所定の機械的衝撃をコークスに与えたときに粉コークスにならないで塊コークスとしてどの程度残るかを表す指数である。回転強度指数は円筒形の容器内でコークスの落下試験を自動的に繰返して行って得られる指数で、落下強度指数と本質的には同様の指数である。
石炭の配合を変更する際などには、コークス強度を一定に維持するために、事前にコークス強度を予測することが必要である。
そのために、石炭の性状からコークス強度を推定する技術が開発されており、従来は、石炭化度を表す性状と粘結性を表す性状とからコークス強度を推定していた。石炭化度を表す性状としては、揮発分、反射率、炭素含有率などが用いられ、粘結性を表す性状としては、JIS M8801に規定されている膨張性や流動性などが用いられている。また、そのほかに、石炭組織分析値から石炭化度と粘結性に相当する2つのパラメーターを算出してコークス強度を推定する方法や元素分析値から石炭化度と粘結性に相当する2つのパラメーターを算出してコークス強度を推定する方法なども開発されていた。しかし、これら従来法では使用する石炭が大幅に変更された場合などに十分な精度でコークス強度を推定することができない。
特許文献1においては、配合する各石炭の性状から乾留後のコークス強度を推定する方法において、配合する各石炭について乾留前に測定した石炭性状に基づいて、コークスの表面破壊により生成する粉コークス量(以下「表面破壊粉コークス量」という。)およびコークスの体積破壊により生成する粉コークス量(以下「体積破壊粉コークス量」という。)を推定し、前記表面破壊粉コークス量と体積破壊粉コークス量の和より乾留後のコークス強度を推定する推定方法が記載されている。ここにおいて、配合する各石炭の膨張率または比容積を該石炭の配合割合で加重平均した値とコークス強度試験後の6mm以下の粉生成量との関係より、コークスの表面破壊により生成する粉コークス量を推定している。また、配合石炭の再固化温度とコークス強度試験後の6mm超の粉生成量との関係より、コークスの体積破壊により生成する粉コークス量を推定している。
特許文献2においては、使用する石炭の石炭軟化時の比容積とコーク炉装入時の石炭の嵩密度から石炭軟化時の空隙充填度を求め、この石炭軟化時の空隙充填度からコークスの表面破壊強度を推定する発明が記載されている。コークスの表面破壊強度とは上記コークスの表面破壊粉コークス量から求めることができる。
特許文献3には、コークス炉に装入する配合炭の乾留時における比容積を推定する方法において、配合する各石炭について予め乾留温度とその温度での比容積の関係を求め、乾留温度と比容積の関係より、特定の乾留温度での配合炭比容積を配合する各石炭の重量分率で加重平均し、膨張しない石炭の重量分率と該温度において最大膨張温度以上に達している石炭の重量分率との和に応じたイナート係数を掛けて、乾留温度での配合炭の比容積を推定する方法が開示されている。
特開平9−263764号公報 特開2002−121565号公報 特開平9−255965号公報
高炉用コークスの製造においては、コークスの強度を高炉で使用できるレベルに保つため、乾留時に充分軟化溶融し、かつコークス化したときに強固なコークスを形成するため、粘結炭を中心とする高石炭化度炭の配合がなされてきた。一方で、高石炭化度炭の埋蔵量は全石炭の中でも限られており、かつ高価であるため、粘結性が劣るものの、埋蔵量が多くかつ安価な低石炭化度炭(非微粘結炭)をコークス製造用原料炭として使用できれば、資源ソース拡大およびコークス製造コスト低減に大きく貢献するため、注目を集めつつある。
近年コークス業界においては、各種の石炭乾燥プロセスによってコークス炉に装入する前の石炭の水分を低減させてコークス炉への装入嵩密度を増加させることにより、低石炭化度炭の増使用をはかってきた。このプロセス導入により、低石炭化度炭の使用比率が向上した。
低石炭化度炭のコークス炉配合比率が増大した結果、上記特許文献1〜3に記載されたコークス強度の推定方法の精度が低下するという現象が発生するようになった。そこで本発明では、低石炭化度炭の配合比率が高いときでも、良好な精度でコークスの強度を推定することのできるコークス強度の推定方法を提供することを目的とする。
即ち、本発明の要旨とするところは以下の通りである。
(1)高石炭化度炭と低石炭化度炭とを配合し、配合する各石炭について乾留前に測定した石炭性状に基づいて、コークスの表面破壊により生成する粉コークス量(以下「表面破壊粉コークス量」という。)およびコークスの体積破壊により生成する粉コークス量(以下「体積破壊粉コークス量」という。)を推定し、前記表面破壊粉コークス量および体積破壊粉コークス量の和より乾留後のコークス強度を推定するコークス強度の推定方法において、配合炭の平均反射率に基づいて体積破壊粉コークス量を推定することを特徴とするコークス強度の推定方法。
(2)高石炭化度炭と低石炭化度炭とを配合し、配合する各石炭について乾留前に測定した石炭性状に基づいて、コークスの表面破壊により生成する粉コークス量(表面破壊粉コークス量)およびコークスの体積破壊により生成する粉コークス量(体積破壊粉コークス量)を推定し、前記表面破壊粉コークス量及び体積破壊粉コークス量の和より乾留後のコークス強度を推定するコークス強度の推定方法において、配合する高石炭化度炭の平均反射率及び低石炭化度炭の配合率とに基づいて体積破壊粉コークス量を推定することを特徴とするコークス強度の推定方法。
(3)さらに配合炭の嵩密度とコークス炉炉温の一方又は両方の影響を加味して体積破壊粉コークス量を推定することを特徴とする上記(1)又は(2)に記載のコークス強度の推定方法。
(4)高石炭化度炭と低石炭化度炭とを配合し、配合する各石炭について乾留前に測定した石炭性状に基づいて、コークスの表面破壊により生成する粉コークス量(表面破壊粉コークス量)およびコークスの体積破壊により生成する粉コークス量(体積破壊粉コークス量)を推定し、前記表面破壊粉コークス量及び体積破壊粉コークス量の和より乾留後のコークス強度を推定するコークス強度の推定方法において、配合する高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量と低石炭化度炭の表面破壊粉コークス量とを別々に求め、これらを高石炭化度炭と低石炭化度炭の配合割合で加重平均することにより、上記推定に用いる表面破壊粉コークス量とすることを特徴とするコークス強度の推定方法。
(5)配合する高石炭化度炭の膨張率又は比容積と配合炭の装入嵩密度とから高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量を求め、配合する低石炭化度炭の膨張率又は比容積と配合炭の装入嵩密度とから低石炭化度炭の表面破壊粉コークス量を求めることを特徴とする上記(4)に記載のコークス強度の推定方法。
(6)高石炭化度炭の比容積は、高石炭化度炭として配合する各石炭の比容積を配合比率で加重平均して求め、低石炭化度炭の比容積は、低石炭化度炭として配合する各石炭の比容積を配合比率で加重平均して求め、さらに前記求めた高石炭化度炭の比容積と配合炭の装入嵩密度と低石炭化度炭の配合比率とから高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量を求めることを特徴とする上記(5)に記載のコークス強度の推定方法。
(7)配合炭嵩密度、配合炭揮発分、配合炭平均反射率のうちの2以上に基づいてコークス気孔率を推定し、該推定したコークス気孔率に基づいて、前記求めた高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量及び低石炭化度炭の表面破壊粉コークス量の値を補正することを特徴とする上記(5)又は(6)に記載のコークス強度の推定方法。
(8)配合炭の表面破壊粉コークス量および体積破壊粉コークス量それぞれについて、各製造現場のコークス炉毎に定まる補正係数によって補正を加えることを特徴とする上記(1)乃至(7)のいずれかに記載のコークス強度の推定方法。
(9)高石炭化度炭と低石炭化度炭とを配合し、配合する各石炭について乾留前に測定した石炭性状より、上記(1)〜(3)のいずれかに記載の方法によって体積破壊粉コークス量を推定し、上記(4)〜(7)のいずれかに記載の方法によって表面破壊粉コークス量を推定し、前記表面破壊粉コークス量および体積破壊粉コークス量の和より乾留後のコークス強度を推定することを特徴とするコークス強度の推定方法。
本発明において、低石炭化度炭とは、JIS M8801 流動性試験方法により測定される石炭の固化温度(以下T(℃)と称する)が470℃未満の石炭のことであり、より厳密には、JIS M8801 膨張性試験方法により測定される収縮率と膨張率の和である全膨張率(以下TD(%)と称する)を用い、TD<25×(470−T) の関係式を満たす石炭のことである。また、高石炭化度炭とは、冶金用コークス製造用原料炭において、低石炭化度炭以外の石炭をいう。
本発明により、低石炭化度炭の配合比率が高いときでも、良好な精度でコークスの強度を推定することが可能になる。
コークスの回転強度指数や落下強度指数などの強度は、機械的衝撃により塊コークスからどの程度粉コークスが発生するか(あるいは、塊コークスがどの程度残るか)を示すもので、所定の機械的衝撃をコークスに与えた後の所定の篩目以下、または以上のコークスの歩留で表される。
機械的衝撃を与えた後のコークスの粒度分布を詳細に調べると、粗粒側のピークと微粒側のピークとの2つのピークよりなっている。粗粒側のピークは体積破壊により生成したものであり、微粒側のピークは表面破壊により生成したものである。上記粒度分布における体積破壊により生成した成分と表面破壊により生成した成分との境界は、元のコークス粒度により異なるが、高炉用コークスの場合、ほぼ6mmである。
コークスの破壊は脆性破壊であり、コークス中の欠陥から破壊が起る。体積破壊と表面破壊とでは、破壊の原因となる欠陥が異なっている。体積破壊は肉眼で観察できるような大きな亀裂を起点として発生する。これに対し、表面破壊は元の石炭粒子(平均粒度は1mm程度)の接着の不完全な部分や顕微鏡で見える程度のミクロな亀裂を起点として発生する。
石炭性状と乾留条件によりコークス中の欠陥の生成状態が変化し破壊挙動が変化するが、体積破壊と表面破壊とでは石炭性状と乾留条件の影響の仕方が異なっている。体積破壊の原因になる大きな亀裂は、コークス全体の収縮の不均一さから発生する熱応力により生成し、その生成量は乾留時のコークス内温度分布と石炭再固化時の収縮係数に支配されている。これに対し、表面破壊の原因になるよりミクロな亀裂は、コークス全体の収縮でなく、局部的な、石炭粒子間の収縮の不均一さによる応力から生成する。また、表面破壊の主要原因になる石炭粒子の接着の不完全な部分の発生は、石炭の粘結性や嵩密度に支配されている。
本発明では、コークス強度試験において生成する粉コークス量を、体積破壊により生成する粉コークス量(体積破壊粉コークス量)と表面破壊により生成する粉コークス量(表面破壊粉コークス量)とに分離してそれぞれ推定する。具体的にはコークス強度試験において生成する粉コークスのうち、6mm以下のものを表面破壊により生成したものとし、6mm超のものを体積破壊により生成したものとする。このことにより、石炭性状と乾留条件が、体積破壊と表面破壊にそれぞれ及ぼす影響が的確に把握できる。すなわち、石炭性状や乾留条件は、多くの場合体積破壊と表面破壊の両方に影響しているので、二つの破壊機構の影響を分離して評価することによってより精度良く推定できる。
コークスの強度として、JIS K2151に規定されている衝撃後の15mm以上の塊割合を示す回転ドラム強度指数DI150 15を用いる場合、回転ドラム強度試験で生成する15mm以下の粉のうち、6mm以下の粉が表面破壊粉コークス量であり、6〜15mmのものが体積破壊粉コークス量であるとして、それぞれを推定し、両者の和から回転ドラム強度指数DI150 15を推定することができる。ここで、DI150 6が6mm以上の塊の割合を示すとすると、6mm以下の表面破壊粉コークス量は100−DI150 6で表される。6〜15mmの体積破壊粉コークス量をDI150 6-15で表すと、DI150 15は次式で表せる。DI150 15=100−(100−DI150 6)−DI150 6-15 =DI150 6−DI150 6-15
前述のとおり、低石炭化度炭の配合比率が増大すると、従来の推定方法ではコークス強度の推定精度が低下する。これに対し、体積破壊粉コークス量、表面破壊粉コークス量それぞれについて、以下に述べるような本発明の推定方法を用いることにより、低石炭化度炭の配合比率が高いときでも、良好な精度でコークスの強度を推定することが可能になる。
まず第1に、本発明の体積破壊粉コークス量の推定方法について説明を行う。
配合炭の平均反射率(%)を測定し、この平均反射率と体積破壊粉コークス量(DI150 6-15)との関係を評価したところ、図1に示すように、体積破壊粉コークス量は配合炭の平均反射率と極めて良好な相関を有していることが明らかになった。この関係は、低石炭化度炭の配合比率が高くなっても変化しない。このことから、本発明のように配合炭の平均反射率に基づいて体積破壊粉コークス量を推定することにより、体積破壊粉コークス量の高い推定精度を実現することが可能になる。配合炭の平均反射率は、単味炭の反射率の加重平均を用いることができる。ここで石炭の平均反射率とは、JIS M8816の石炭の微細組織成分及び反射率測定方法記載の方法で測定されるビトリニットの平均最大反射率(以下Roと略称する)のことである。
上記本発明方法は、配合炭の平均反射率から体積破壊粉コークス量を推定するものであるが、体積破壊粉コークス量を推定する本発明の別の方法として、配合する高石炭化度炭の平均反射率及び低石炭化度炭の配合率とを用いることができる。
高石炭化度炭の配合比率が50%において、高石炭化度炭の反射率と体積破壊粉コークス量との関係を評価したところ、図2に示すような結果が得られた。ここで、高石炭化度炭の反射率をRo、体積破壊粉コークス量をy1とおくと、
y1 = -a×Ro + b (1)
のような関係が得られた。aとbについては図2より求めれば良く、発明者らの検討ではa=1.6、b=4.6であった。一方、高石炭化度炭の反射率が1.3において、低石炭化度炭の配合比率を変化させたときの体積破壊粉コークス量の変化を調査したところ、図3に示すような結果が得られた。図3の関係については、低石炭化度炭の配合率をx、体積破壊粉コークス量をy2とおき、y2をxの関数で表せば良い。
y2 = f(x) (2)
これらの関係から、配合する高石炭化度炭の平均反射率及び低石炭化度炭の配合率とに基づいてさらに、
y = y1 + y2 +c (3)
によって体積破壊粉コークス量yを推定することにより、体積破壊粉コークス量の高い推定精度を実現することが可能になる。ここで、cについては測定条件に依存する絶対値を補正する定数項であり、実験結果と合うように任意の値に決めれば良い。発明者らの検討例ではc=−2.6であった。高石炭化度炭として2種類以上の石炭を配合する場合、高石炭化度炭の平均反射率は、単味炭の反射率の加重平均を用いることができる。
以上のようにして求めた体積破壊粉コークス量に、さらに配合炭の嵩密度とコークス炉炉温の一方又は両方の影響を加味することにより、体積破壊粉コークス量の推定精度をより高めることができる。配合炭の嵩密度と体積破壊粉コークス量との関係を調査したところ、図4に示すような結果が得られた。ここで、高石炭化度炭の反射率は1.3、低石炭化度炭の配合率は50%としている。この結果から、配合炭の嵩密度をBD(t/m3)、体積破壊粉コークス量の補正量をΔy3とすると、
Δy3 = d×(BD−e) (4)
のような関係が得られた。dとeについては図4より求めれば良く、発明者らの検討では、例えばBD=0.8の時の体積破壊粉コークス量を基準とすれば、d=2、e=0.8であった。一方、コークス炉の炉温と体積破壊粉コークス量との関係を調査したところ、図5に示すような結果が得られた。ここで、高石炭化度炭の反射率は1.3、低石炭化度炭の配合率は50%としている。図5の関係については、コークス炉の炉温をT、ある炉温(例えば1250℃)を基準とした時の体積破壊粉コークス量の補正量をΔy4とおき、Δy4をTの関数で表せば良い。
Δy4 = f(T) (5)
これより、前記のように求めたyにΔy1とΔy2の一方又は両方を加えることにより、体積破壊粉コークス量の推定精度をより高めることができる。
以上のようにして求めた体積破壊粉コークス量と、別の方法で求めた表面破壊粉コークス量との和を求めれば、乾留後のコークス強度を精度良く推定することができる。表面破壊粉コークス量の推定方法としては、特許文献1に記載の方法を用いることもできるが、後述する本発明方法を用いることによりより精度の高い推定を行うことが可能となる。
第2に、本発明の表面破壊粉コークス量の推定方法について説明を行う。
コークス中には、体積破壊の原因になる巨視的な亀裂は存在するが、表面破壊の原因になるような亀裂は通常は存在せず、コークスの表面破壊の原因になる欠陥は、非接着粒界と連結気孔である。非接着粒界とは、石炭粒子が十分接触しないままコークス化し、粒子と粒子の境界に空隙が存在する場合である。連結気孔とは、石炭粒子が自由膨張状態になった結果、気泡が破裂して連結してできた大きな気孔である。
空隙率に対して石炭の膨張率が高いと石炭粒子は膨張して石炭粒子同士は十分に接着する。一方膨張率が低いと、相対的に空隙が十分あるため、石炭粒子は自由に膨張する。自由膨張すると、気泡が破裂し、連結気孔や非接着粒界が生成して脆弱なコークスになる。石炭は400℃前後の温度で軟化し始め、膨張し、500℃前後の温度で再固化するが、この間での石炭粒子が空隙をどの程度充填するかを判定すれば、コークス中に非接着粒界と連結気孔の欠陥がどの程度発生するかを予測でき、コークスの表面破壊強度を予測できる。
石炭軟化時の空隙充填度は、石炭軟化時の最大比容積とコークス炉装入時の石炭の嵩密度から、
石炭軟化時の空隙充填度(−)=石炭軟化時の比容積(cm3/g)×コークス炉装入時の石炭の嵩密度(g/cm3) (6)
により評価できる。
ここで石炭軟化時の比容積とは、例えばJIS M 8801のディラトメーターにより測定される膨張率b(%)から
石炭軟化時の比容積(cm3/g)=最大膨張時の石炭体積(cm3)/ディラトメーターへの石炭装入量(g)=0.96π(1+b/100)/ディラトメーターへの石炭装入量(g) (7)
により計算することができる。また膨張率は、JIS M 8801の膨張率を用いることができる。
特許文献1に記載の発明においては、配合する各石炭の膨張率または比容積を石炭の配合割合で加重平均し、この結果に基づいて表面破壊粉コークス量が推定できるとしている。また特許文献2に記載の発明においては、使用する石炭の石炭軟化時の比容積とコーク炉装入時の石炭の嵩密度から石炭軟化時の空隙充填度を求め、この石炭軟化時の空隙充填度からコークスの表面破壊強度を推定するに際し、石炭軟化時の比容積は、配合炭の場合は各石炭の実測値の加重平均値を用いればよいとしている。
ところが、低石炭化度炭の配合割合が増大すると、特許文献1、2に記載の方法では表面破壊粉コークス量の推定精度が低下することが明らかになった。その理由は、石炭の膨張率や比容積には加成性が成立しないためである。特に非微粘結炭などの低石炭化度炭は、粘結炭などの高石炭化度炭の膨張を阻害するため、低石炭化度炭の比率が高いときにはこの影響を考慮する必要がある。
これに対し、再固化温度の低い低石炭化度炭部分と再固化温度の高い高石炭化度炭部分とに分けてコークスの表面破壊強度を推算し、全体の強度はその平均値になると考えると、より精度の高いコークスの表面破壊強度を推定できることがわかった。即ち、配合する高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量と低石炭化度炭の表面破壊粉コークス量とを別々に求め、その後において高石炭化度炭と低石炭化度炭それぞれの表面破壊粉コークス量を配合割合で加重平均することとすると、たとえ低石炭化度炭の配合割合が多くなった場合においても、配合炭の表面破壊粉コークス量を精度良く推定できることが明らかになった。そこで本発明においては、配合する高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量と低石炭化度炭の表面破壊粉コークス量とを別々に求め、これらを配合する高石炭化度炭と低石炭化度炭の配合割合で加重平均することにより、前記推定に用いる表面破壊粉コークス量とする。
次に上記本発明において、高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量と低石炭化度炭の表面破壊粉コークス量それぞれの具体的な求め方について説明する。即ち、配合する高石炭化度炭の膨張率又は比容積と配合炭の装入嵩密度とから高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量を求め、配合する低石炭化度炭の膨張率又は比容積と配合炭の装入嵩密度とから低石炭化度炭の表面破壊粉コークス量を求めることとするとよい。
ここにおいて、高石炭化度炭、低石炭化度炭それぞれが複数の炭種を含む場合には、高石炭化度炭の比容積は、高石炭化度炭として配合する各石炭の比容積を配合比率で加重平均し、低石炭化度炭の比容積は、低石炭化度炭として配合する各石炭の比容積を配合比率で加重平均して求めることができる。
高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量を求めるに際しては、さらに低石炭化度炭の配合比率に基づくイナートファクターを考慮して高石炭化度炭の比容積を補正するとより推定精度を高めることができる。
低石炭化度炭は高石炭化度炭よりも再固化温度が低いため、高石炭化度炭が軟化溶融しているときには低石炭化度炭は既に再固化しており、高石炭化度炭から発生した熱分解ガスが粒子間に保持されにくく、そのために高石炭化度炭の膨張性が抑制されることとなる。従って、高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量の算出に際して、低石炭化度炭による高石炭化度炭の膨張抑制効果をイナートファクターとして加味すれば、推定精度が高くなるのである。
具体的には、イナートファクターをIF(−)、低石炭化度炭の配合比率をx(%)としたときに、図6のような関係が得られるので、
IF = −f・x + 1.00 (8)
としてIFを求めた上で、高石炭化度炭として配合する各石炭の比容積を配合比率で加重平均したものにイナートファクター、配合炭の装入嵩密度を掛け合わせて高石炭化度炭の空隙充填度を求め、その数値に基づいて例えば図7(b)によって高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量を求める。ここで、fについては図6より求めれば良く、発明者らの検討ではf=0.004であった。
コークスは多孔質材料であり、表面破壊強度は気孔率の影響も受ける。すなわち、気孔率が高いと有効断面積が減少するので有効弾性率や有効表面エネルギーなどの物性が変化し、強度が低下する。従って、気孔率による表面破壊強度の変化を求めておき、石炭配合や石炭嵩密度などによるコークス気孔率変化の影響を織込めば、推定精度はさらに向上する。コークスの気孔率は、石炭の嵩密度、石炭の反射率と石炭の揮発分などとの相関関係から求めておくことができる。
実際のコークス製造プロセスにおいては、製造したコークスの強度を測定するためのコークスサンプリング箇所が製造現場毎に異なる。その結果、コークス炉炭化室から抽出されてからサンプリング箇所までに受ける衝撃が製造現場毎に異なるため、測定されたコークス強度はサンプリング箇所までに受けた衝撃の影響を受けて変化することとなる。そこで本発明においては、前記配合炭の表面破壊粉コークス量および体積破壊粉コークス量それぞれについて、各製造現場のコークス炉毎に定まる補正係数によって補正を加えることにより、コークス強度の推定精度をさらに向上することができる。
例えば、
補正後の表面破壊粉コークス量=g×補正前の表面破壊粉コークス量+h
補正後の体積破壊粉コークス量=i×補正前の体積破壊粉コークス量+j (9)
のように式を立て、補正係数g、h、i、jを各製造現場のコークス炉毎に実績に基づいて定めることができる。
上述したように、本発明では、配合炭中の石炭を低石炭化度炭と高石炭化度炭に分けて、それぞれ別々にコークスの表面破壊強度を求めた後、低石炭化度炭と高石炭化度炭のそれぞれの表面破壊強度を推定し、それぞれ配合割合で加重平均してコークス強度を推定するため、特に、従来法ではコークス強度の推定精度が悪かった、配合炭中の低石炭化度炭の配合比が30%以上の低石炭化度炭が多量配合した条件においても、本発明法の適用により高い精度でコークス強度を推定することが可能となる。したがって、本発明のコークス強度の推定方法は、配合炭中の低石炭化度炭の配合比が30%以上、より好ましくは低石炭化度炭の配合比が45%以上のような低石炭化度炭の多量配合時に適用することにより、安価な非微粘結炭を多量配合した条件でも配合炭の配合調整を精度良く行なうことができ、良好な強度のコークスを安定して製造することができる。
本発明法及び従来法を適用してコークス強度の推定を行った。適用したコークス製造箇所として、製鉄所Aから製鉄所Eまでの各製鉄所のコークス炉におけるコークス強度の推定を行った。低石炭化度炭の配合比率は、製鉄所Aでは30−45%、製鉄所Bでは10−45%、製鉄所Cでは10−30%、製鉄所Dでは45−70%、製鉄所Eでは30−45%であった。本発明例、比較例ともに、配合する各石炭について乾留前に測定した石炭性状より表面破壊粉コークス量(100−DI150 6)および体積破壊粉コークス量(DI150 6-15)を推定し、前記表面破壊粉コークス量(100−DI150 6)および体積破壊粉コークス量(DI150 6-15)の和より乾留後のコークス強度(DI150 15)を推定するコークス強度の推定方法を用いている。
本発明例で適用したコークス強度推定方法について説明する。
体積破壊粉コークス量(DI150 6-15)については、配合する高石炭化度炭の平均反射率及び低石炭化度炭の配合率とを用いて推定を行った。具体的には、高石炭化度炭の反射率をRo、低石炭化度炭の配合率をxとし、前記(1)(2)(3)式に基づいて体積破壊粉コークス量yを推定する。高石炭化度炭の反射率については、JIS M8816の石炭の微細組織成分及び反射率測定方法記載の方法で測定されるビトリニットの平均最大反射率の加重平均とした。さらに、配合炭の嵩密度BDに基づいて前記(4)式から体積破壊粉コークス量の補正量Δy3を求め、コークス炉の炉温Tに基づいて前記(5)式から体積破壊粉コークス量の補正量Δy4を求め、上記算出した体積破壊粉コークス量yにΔy1とΔy2の両方を加えることにより、体積破壊粉コークス量(DI150 6-15)の推定値とした。
表面破壊粉コークス量(100−DI150 6)については、配合する高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量と低石炭化度炭の表面破壊粉コークス量とを別々に求め、その後において高石炭化度炭と低石炭化度炭それぞれの表面破壊粉コークス量を配合割合で加重平均することによって求める。
ここで石炭の比容積については、JIS M 8801のディラトメーターにより測定される膨張率b(%)から(3)式に基づいて求めることができる。
低石炭化度炭のDI150 6推定方法について説明する。まず低石炭化度炭として用いる単味炭の比容積を加重平均して低石炭化度炭の比容積を求める。次に、求めた低石炭化度炭の比容積と配合炭の嵩密度とを(6)式のように掛け合わせ、低石炭化度炭の空隙充填度を求める。この結果を図7(a)に当てはめることにより、低石炭化度炭のDI150 6を推定することができる。
高石炭化度炭のDI150 6推定方法について説明する。まず高石炭化度炭として用いる単味炭の比容積を加重平均して高石炭化度炭の比容積を求める。次に低石炭化度炭の配合比率をx(%)として(8)式からイナートファクターIFを求める。求めた低石炭化度炭の比容積と配合炭の嵩密度とイナートファクターIFとを掛け合わせ、高石炭化度炭の空隙充填度を求める。この結果を図7(b)に当てはめることにより、高石炭化度炭のDI150 6を推定することができる。
以上のように求めた低石炭化度炭のDI150 6と高石炭化度炭のDI150 6とを低石炭化度炭と高石炭化度炭との配合割合で加重平均することにより、表面破壊粉コークス量(100−DI150 6)を求めることができる。
最後に、以上求めた表面破壊粉コークス量(100−DI150 6)および体積破壊粉コークス量(DI150 6-15)より乾留後のコークス強度(DI150 15)を求める。
従来例においては、特許文献1、2に記載の方法に基づいてコークス強度を推定した。即ち、表面破壊粉コークス量(100−DI150 6)については、特許文献2にあるように、使用する石炭の石炭軟化時の比容積とコーク炉装入時の石炭の嵩密度から石炭軟化時の空隙充填度を求め、この石炭軟化時の空隙充填度から算出することとした。体積破壊粉コークス量(DI150 6-15)については、特許文献1にあるように、配合石炭の再固化温度とコークス強度試験後の6−15mmの粉生成量との関係より求めた。また特許文献3にあるように、膨張しない石炭の重量分率と該温度において最大膨張温度以上に達している石炭の重量分率との和に応じたイナート係数を掛けて、乾留温度での配合炭の比容積を推定した。最後に、以上求めた表面破壊粉コークス量(100−DI150 6)および体積破壊粉コークス量(DI150 6-15)より乾留後のコークス強度(DI150 15)を求める点は本発明例と同様である。
推定したコークス強度(DI150 15)と実績コークス強度(DI150 15)との対比した結果を、本発明例については図8〜図10(a)に、比較例については図8〜図10(b)に示した。なお、図8は低石炭化度炭の配合比率が10−30%の場合、図9は低石炭化度炭の配合比率が30−45%の場合、図10は低石炭化度炭の配合比率が45−70%の場合のそれぞれの発明例及び比較例の結果である。図から明らかなように、低石炭化度炭の配合比が10−70%の全ての条件で比較例に対比して本発明例は推定コークス強度(DI150 15)と実績コークス強度(DI150 15)との相関が向上している。これらの内で、特に低石炭化度炭の配合比が高い(45−70%)条件(図10参照)において、本発明例は比較例に比較してコークス強度の推定精度が高くなることから、本発明のコークス強度の推定方法は、低石炭化度炭を多量に配合した条件でより有効である。
従来は、推定コークス強度(DI150 15)と実績コークス強度(DI150 15)との相関が十分ではなかったため、許容される最低コークス強度ぎりぎりを狙ったコークス強度を目標とすることができず、非微粘結炭の使用量を限界ぎりぎりまで増大することができない、また場合によっては、コークス品質が大きく変動し、高炉操業に影響を及ぼす等の問題があった。これに対し、本発明を適用した結果として、推定コークス強度(DI150 15)と実績コークス強度(DI150 15)との相関が良好になったため、許容される最低コークス強度ぎりぎりを狙ったコークス強度を目標とすることが可能になり、非微粘結炭使用量の増量、コークス品質が安定し、高炉操業が安定する等という効果を得ることができるようになった。
配合炭の平均反射率と体積破壊粉コークス量(DI150 6-15)との関係を示す図である。 高石炭化度炭の反射率と体積破壊粉コークス量(DI150 6-15)との関係を示す図である。 低石炭化度炭の配合率と体積破壊粉コークス量(DI150 6-15)との関係を示す図である。 配合炭の嵩密度と体積破壊粉コークス量(DI150 6-15)との関係を示す図である。 コークス炉炉温と体積破壊粉コークス量(DI150 6-15)との関係を示す図である。 低石炭化度炭の配合比率とイナートファクターとの関係を示す図である。 石炭の空隙充填度とDI150 6(6mm以上の塊の割合、すなわち100−表面破壊粉コークス量)との関係を示す図であり、(a)は低石炭化度炭、(b)は高石炭化度炭に関するものである。 推定コークス強度(DI150 15)と実績コークス強度(DI150 15)との関係を示す図であり、(a)は本発明例、(b)は比較例である。 推定コークス強度(DI150 15)と実績コークス強度(DI150 15)との関係を示す図であり、(a)は本発明例、(b)は比較例である。 推定コークス強度(DI150 15)と実績コークス強度(DI150 15)との関係を示す図であり、(a)は本発明例、(b)は比較例である。

Claims (8)

  1. 高石炭化度炭と低石炭化度炭とを配合し、配合する各石炭について乾留前に測定した石炭性状に基づいて、コークスの表面破壊により生成する粉コークス量(以下「表面破壊粉コークス量」という。)およびコークスの体積破壊により生成する粉コークス量(以下「体積破壊粉コークス量」という。)を推定し、前記表面破壊粉コークス量および体積破壊粉コークス量の和より乾留後のコークス強度を推定するコークス強度の推定方法において、配合炭の平均反射率に基づいて体積破壊粉コークス量を推定することを特徴とするコークス強度の推定方法。
  2. 高石炭化度炭と低石炭化度炭とを配合し、配合する各石炭について乾留前に測定した石炭性状に基づいて、コークスの表面破壊により生成する粉コークス量(表面破壊粉コークス量)およびコークスの体積破壊により生成する粉コークス量(体積破壊粉コークス量)を推定し、前記表面破壊粉コークス量及び体積破壊粉コークス量の和より乾留後のコークス強度を推定するコークス強度の推定方法において、配合する高石炭化度炭の平均反射率及び低石炭化度炭の配合率とに基づいて体積破壊粉コークス量を推定することを特徴とするコークス強度の推定方法。
  3. さらに配合炭の嵩密度とコークス炉炉温の一方又は両方の影響を加味して体積破壊粉コークス量を推定することを特徴とする請求項1又は2に記載のコークス強度の推定方法。
  4. 高石炭化度炭と低石炭化度炭とを配合し、配合する各石炭について乾留前に測定した石炭性状に基づいて、コークスの表面破壊により生成する粉コークス量(表面破壊粉コークス量)およびコークスの体積破壊により生成する粉コークス量(体積破壊粉コークス量)を推定し、前記表面破壊粉コークス量及び体積破壊粉コークス量の和より乾留後のコークス強度を推定するコークス強度の推定方法において、配合する高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量と低石炭化度炭の表面破壊粉コークス量とを別々に求め、これらを高石炭化度炭と低石炭化度炭の配合割合で加重平均することにより、上記推定に用いる表面破壊粉コークス量とすることを特徴とするコークス強度の推定方法。
  5. 配合する高石炭化度炭の膨張率又は比容積と配合炭の装入嵩密度とから高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量を求め、配合する低石炭化度炭の膨張率又は比容積と配合炭の装入嵩密度とから低石炭化度炭の表面破壊粉コークス量を求めることを特徴とする請求項4に記載のコークス強度の推定方法。
  6. 高石炭化度炭の比容積は、高石炭化度炭として配合する各石炭の比容積を配合比率で加重平均して求め、低石炭化度炭の比容積は、低石炭化度炭として配合する各石炭の比容積を配合比率で加重平均して求め、さらに前記求めた高石炭化度炭の比容積と配合炭の装入嵩密度と低石炭化度炭の配合比率とから高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量を求めることを特徴とする請求項5に記載のコークス強度の推定方法。
  7. 配合炭嵩密度、配合炭揮発分、配合炭平均反射率のうちの2以上に基づいてコークス気孔率を推定し、該推定したコークス気孔率に基づいて、前記求めた高石炭化度炭の表面破壊粉コークス量及び低石炭化度炭の表面破壊粉コークス量の値を補正することを特徴とする請求項5又は6に記載のコークス強度の推定方法。
  8. 前記配合炭の表面破壊粉コークス量および体積破壊粉コークス量それぞれについて、各製造現場のコークス炉毎に定まる補正係数によって補正を加えることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のコークス強度の推定方法。
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