JP5888539B2 - 冶金用コークスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、石炭を乾留して冶金用コークス、とくに高強度の冶金用コークスを製造する方法に関する。
高炉などによる製鉄プロセスにおいて、還元材や熱源として使用されるコークスは、複数銘柄の原料炭を粉砕して所定の割合で配合し、得られたその配合炭をコークス炉に装入して、乾留することによって製造されている。ところで、高炉は、炉内の通気性を良好な状態に維持することで安定操業を実現できるが、そのためには、炉内では粉化しにくい高強度の冶金用コークスの使用が有効である。
高強度の冶金用コークスを製造するための、基本的な石炭配合の考え方については、“城”が提案しているモデルが知られている(非特許文献1)。このモデルは、石炭の構成成分を繊維質部分と粘結成分とに分けて考えるものである。即ち、城は、繊維質部分の強度と粘結成分の量の最適化こそが、高強度コークスを製造する上で重要であることを明らかにしている。
近年の代表的な石炭配合技術は、こうした概念を発展させたものであって、例えば、石炭化度パラメータと、粘結性パラメータを用いるものである。その石炭化度パラメータは、JIS M 8816のビトリニット平均最大反射率(以下、「Ro」と略記する)や石炭の揮発分などが知られている。また、粘結性パラメータとしては、JIS M 8801のギーセラープラストメータを用いた流動性試験によって測定される最高流動度(以下、「MF」と記載する)や、JIS M 8801のジラトメータを用いた膨張性試験によって測定される全膨張率などがよく用いられる。
また、粘結性パラメータのひとつに、Schapiroらにより提案された、CBI(Composition Balance Index:組織平衡指数)による方法がある(例えば、非特許文献2)。この方法は、原料炭配合にコンクリートの考え方を応用したものであり、石炭のマセラルを加熱することにより軟化溶融する活性成分と軟化溶融しない不活性成分とに分け、活性成分をセメントに、不活性成分(以下、「イナート」という)を骨材に見立ててコークス強度を推定する方法である。即ち、この考え方を応用すると、配合炭中に含まれる全イナート成分の含有量(以下、「全イナート量」、「TI」と略記する)に応じて粘結成分の最適量を添加することとし、これら2つの成分(全イナート量と粘結成分)の比率を最適値に近づけることによって、コークス強度を高くすることができると考えられている。
ただし、高強度コークスを製造するための不活性成分(イナート)と粘結成分との最適比率は、イナートの量のみではなく、粘結成分自体の「イナートを接着する能力」によっても変わる。例えば、配合炭中の粘結成分の接着力が弱いと、その分だけ粘結成分の必要な量は多くなる。従って、この場合のイナート成分と粘結成分との比率は、必要とされる粘結成分の比率の方が相対的に多くなると考えられる。
なお、この接着力の大きさは、上記した粘結性の指標である最高流動度MFと相関があると考えられる。つまり、溶けていて流動性の高い粘結成分は、流動性の低い粘結成分に対して、イナートを接着する能力が高いと考えられる。この点、特許文献1では、平均反射率Roおよび最高流動度MFと全イナート量TIとの相互関係について検討し、RoおよびMFを所定値としたとき、得られるコークス強度は、TIの値に応じて上に凸な放物線を描き、強度が極大となるときのイナートの量はMFの大きさによって変わることが報告されている。また、特許文献2ではMF、TIを含めた原料炭の性状により、コークス強度を推定する方法が報告されている。
なお、石炭中のイナート成分の含有量(全イナート量TI)は、JIS M 8816に規定される石炭の微細組織成分測定方法で測定できる。この方法は、850μm以下に粉砕した石炭を熱可塑性または熱硬化性バインダーと混合してブリケット化し、被験表面を研磨した後、顕微鏡下における光学的性質及び形態学的性質によって識別する方法である。試料中の各微細組織成分の含有率は、成分ごとに測定された個数の百分率をもって、容量百分率とする方法である。上記方法により求められた微細組織成分の含有量を用いて、全イナート量(TI)は下記(1)式で求められる。
全イナート量(%)=フジニット(%)+ミクリニット(%)+(2/3)×セミフジニット(%)+鉱物質(%) −(1)
ここで、含有量はすべてvol.%である。
なお、鉱物質の含有量は、JIS M 8816解説に記載のParrの式を用いて、無水ベースの灰分と無水ベースの全硫黄分から計算で求めることができる。
特開2007−246593号公報 特開昭61−145288号公報 特開2008−69258号公報
城著:「燃料協会誌」、Vol.26、1947年、p.1−p.10 Schapiroら著:「Proc. Blast Furnace,Coke oven and Raw Materials」、Vol.20、1961年、p.89−p.112 Schapiroら著:「J.Inst.Fuel」、Vol.37、1964年、p.234−p.242 奥山ら著、燃料協会誌、Vol.49、1970年、p.736‐p.743
近年のコークスの製造技術においては、石炭粒子を強く接着させるため、石炭の流動性を確保することに重点が置かれ、MFとTIの両方を最適化することについては十分に検討されてこなかった。例えば、非特許文献3では、最適な粘結成分とイナート量との比に対する、Roの影響については検討されているが、MFの影響については検討されていない。なお、特許文献1については、配合炭のギーセラープラストメータ法によって求められる最高流動度の常用対数値logMF(log ddpm)(以下、「ギーセラー最高流動度(logMF)」という)が2.50〜2.55 log ddpm、TIが25〜35vol.%という、MFが狭い範囲の条件でコークスを製造している。また、特許文献2においても、配合炭のlogMFとTIがそれぞれlogMF:2.58 log ddpm、TI:24.0vol.%もしくはlogMF:2.69 log ddpm、TI:24.7vol.%という2種類の条件のみについて、高強度コークスの製造が可能であることを報告している。また、特許文献3では、2.83 log ddpm≧logMF≧2.35 log ddpm、35.6vol.%≧TI≧32.1vol.%の範囲で高強度コークスの製造に成功している。
従来の研究において検討されてきたlogMFとTIの範囲を図2に示す。ただし、図2の範囲(2.90 log ddpm≧logMF≧2.35 log ddpm、36.0vol.%≧TI≧24.0vol.%)以外の条件でのMFおよびTIのコークス強度への影響は報告されていない。
本発明の目的は、配合炭の最高流動度(MF)と全イナート量(TI)との関係を最適化することにより、従来よりも高強度の冶金用コークスを製造することにある。
従来技術が抱えている上述した問題を克服するために、本発明では、以下の方法を提案する。即ち、本発明は、複数銘柄の石炭を配合してなる配合炭を乾留してコークスを製造する方法において、前記配合炭として、全イナート量(TI)が3.5vol.%以上15.0vol.%未満の範囲、ギーセラープラストメータ法による最高流動度(logMF)が1.8〜2.3 log ddpmの範囲内の性質を示すものを用いることを特徴とする冶金用コークスの製造方法である。
なお、本発明において、前記配合炭として、全イナート量(TI)3.5vol.%以上14.5vol.%以下の範囲、ギーセラープラストメータ法による最高流動度(logMF)が1.8〜2.0 log ddpm範囲内の性質を示すものを用いることがより好ましい。
さらに、本発明において、配合炭のギーセラープラストメータ法による最高流動度(logMF)は、配合炭を構成する各銘柄炭のギーセラープラストメータ法による最高流動度(logMF)と配合炭中における前記銘柄炭の構成質量比率に基づき算出される加重平均値であることを特徴としている。
前述のように構成される本発明によれば、石炭配合について簡単な考え方の下でのコークス製造が可能となる。特に、従来から使用されていた原料炭以外の石炭を多量に配合してなる配合炭を用いて高強度の冶金用コークスの製造が可能になる。従って、本発明によれば、使用できる石炭の選択の幅が広がり、資源の違いによる制約が緩和されるとともに、品質の安定した冶金用コークスの製造供給が可能となり、ひいては高炉操業などを安定的に行なうことができるようになる。
図1は本発明に適合する配合炭のlogMFとTIの範囲を示すグラフである。 図2は従来技術における配合炭のlogMFとTIの範囲を示すグラフである。 図3は従来の配合炭と低イナート配合炭から得られるコークスの顕微鏡写真である。 図4はlogMF(log ddpm)が2.2〜2.3になるよう調製した配合炭のTIと、配合炭を乾留して得られたコークスのドラム強度DI(150/15)の関係を示すグラフである。 図5はlogMFが1.8〜2.0 log ddpmになるよう調製した配合炭のTIと、配合炭を乾留して得られたコークスのドラム強度DI(150/15)の関係を示すグラフである。
図2は、冶金用コークスを製造する際に用いられてきた、従来の配合炭のlogMF(log ddpm)と全イナート量TI(vol.%)との関係を示すものである。一般に、従来技術の下で配合調整された配合炭を用いて製造されるコークスの構造は、コンクリートにも例えられるとおり、イナートという固体材料を粘結成分である糊状の材料で接着した構造となっている。即ち、コンクリートにおけるセメントと骨材の役割と類似のものであり、ある程度のイナート成分を含むことが必要である。その一方で、そのイナート成分を接着するための粘結成分の役割もまた重要である。そこで、従来は、コークス強度に大きく影響を及ぼす前記最高流動度MFの高い石炭の配合量を多くすることによって配合炭のMFを高め、高強度の冶金用コークスを製造してきた。
この点に関し、例えば、非特許文献2および3に記載の方法では、平均反射率Roが0.9〜1.2%程度の石炭については、全イナート量TIが20〜30vol.%の場合にコークス強度が極大となり、全イナート量TIがその範囲より多くても少なくてもコークス強度が低下する傾向が報告されている。また、同様の傾向は、非特許文献4にも開示されており、やはり全イナート量TIが20〜30vol.%において、コークスのドラム強度が極大になることが認められている。さらに、同様の傾向は、特許文献1にも開示されており、その開示例では全イナート量TIが31vol.%でコークス強度が極大になる傾向が示されている。即ち、従来の知見では、全イナート量が少ない配合炭の場合には、高強度のコークスが得にくいという認識があった。しかし、発明者らの研究によれば、たとえ全イナート量が少ない配合炭であったとしても、流動性(ギーセラー最高流動度)が適正であれば、コークス強度は低下しないのみならず、通常の配合よりもむしろ強度が向上する場合もあることを見出した。
上記の知見に基づいて、発明者らは、配合炭としてのギーセラー最高流動度の常用対数値logMF(以下、単に「logMF」として表示する)と全イナート量TIとの本発明に適合する好適な関係について調査した。その結果、複数銘柄の石炭を配合してなる配合炭を乾留し、コークスを製造する際、前記配合炭として、全イナート量TIが3.5以上15.0vol.%未満の範囲内となるように配合したものが有効である。また、前記範囲の中でギーセラープラストメータ法による最高流動度(logMF)の好ましい範囲は、1.8〜2.log ddpmであり、特に低流動度の石炭を有効に利用する観点からは、1.8〜2.0 log ddpmが好ましい。
即ち、本発明は、図1に示した角形の線上およびその内側である範囲内(ただしTI=15vol%の線上を除く)の性質を示すものを用いる
なお、本発明法により製造したコークスの構造は、図2の四角形の線上および内側となる条件で製造した従来の配合炭と同様のコークス構造とは異なり、該コークス中のイナート成分は少なく、かつ粘結成分は軟化溶融して固化した状態のものが大部分を占めるコークスとなる。
このような、イナート成分の含有量(全イナート量)が少ない配合炭組成においては、従来、その配合炭を乾留して得られるコークスの強度がどのような要因に支配されるかが明らかではなかった。これに対し、発明者らは、配合炭のイナート成分の含有量が低いときのコークス生成メカニズムについて検討した。その結果、このような構造のコークスについては、粘結成分の接着性つまり粘結性を抑えてもイナート成分を十分に接着でき、従来の配合において問題となるイナート成分の接着不良によるコークス強度の低下が起こらないことがわかった。即ち、イナート含有率の低い配合炭では、コークス強度への該イナート成分の影響(融着)は少なく、むしろコークスの気孔構造の方が強く影響することを見出したのである。
実際、発明者らは、イナート成分の含有量の少ない配合炭では、従来のイナート成分含有量の多い石炭を配合する際の一般的な配合思想とは異なり、気孔構造の異なるコークスが生成することもわかった。例えば、従来の配合炭(配合炭a、品位:Ro=1.00%、logMF=2.5log ddpm、全イナート量=34vol.%)と、低イナート配合炭(配合炭b、品位:Ro=1.00%、logMF=2.2log ddpm、全イナート量=18vol.%)を同じ条件で乾留して得られたコークスの顕微鏡写真(図3)を比較すると、配合炭aに比べて、配合炭bでは円形に近い気孔が独立して存在しており、配合炭bでは従来の配合によるコークスよりも気孔の成長と合一が抑制され、連結気孔もできにくいことがわかった。
このように、全イナート量の低い配合炭では、一般的な配合炭とはミクロ構造の異なるコークスが生成することは、従来は知られておらず、発明者らが新たに見出した知見であって、低イナート炭の利用により配合炭の全イナート量を低くする場合には、従来の配合技術の延長線上の考え方に基づいて石炭配合設計を行なうのではなく、新たな配合基準の下での設計が必要となると考えられる。本発明はその方法を提案するものである。
このような知見に基づき、発明者らはイナート成分の含有量の低い石炭配合における好適な配合条件を実験によって確認した。その結果、従来法と本発明方法とでは、全イナート量(TI)と最高流動度(MF)との好適な範囲が異なることを見出して、本発明に想到した。即ち、本発明は、配合炭としての全イナート量(TI)は、3.5vol.%以上15.0vol%未満、ギーセラープラストメータ法による最高流動度(logMF)が1.8 log ddpm〜2.3 log ddpmの範囲内の性質を示すものを用いると、高強度冶金用コークスの製造が可能になることがわかった。
ここで、配合炭のlogMF(log ddpm)および、TI(vol.%)は、配合炭を構成するそれぞれの石炭のlogMFとTIから、その石炭の乾燥質量基準配合率に基づいて加重平均して求めることが好ましい。各銘柄石炭のlogMFとTIを予め測定しておけば、配合炭のlogMFとTIを計算により容易に求めることができ、配合炭のlogMFやTIを配合変更のたびに測定する必要がないからである。TIは体積分率であるが、石炭の密度は銘柄による差が小さいため、配合炭を実測して求めたTIと、上記の加重平均により求めたTIはほぼ一致する。MFについては、石炭間の相互作用があるため、厳密には石炭混合による加成性が成立しない場合があるが、logMFについては、配合炭を実測して求めたlogMFと加重平均logMFの間には相関があることが知られている。
このような、配合条件を採用したときに高強度の冶金用コークスが得られる理由は、次のように考えられる。即ち、最高流動度MFが、図1中の角形の線上およびその内側の範囲を外れる場合、例えば、図1に示された4角形の上側の領域では、軟化溶融時に高い粘結性をもつ原料炭が大きく膨張するため粗大気孔を作りやすく、コークス強度が低下する。一方、このMFが、図1に示された角形の線上およびその内側の条件よりも低い、つまり角形の下側になる領域は、全イナート量に対する接着力だけでなく、粘結成分同士の接着力も不十分な状態となっている。そのため、全イナート量TIを低くしても、粘結成分同士も接着不良になるためコークス強度は低下する。また、図1に示された角形の右側の領域では、TIがMFに対して過剰であるためイナートの接着不良により強度が低下する。さらに、図1に示された角形の左側の領域は、配合炭中のTIが極めて少ないため、粘結成分とイナートの複合材料としての強度向上効果が得られなくなり、コークス強度は低くなる。
なお、原料炭に含まれるイナート成分の含有量は、石炭銘柄によって大きく異なるが、大雑把には産地によって一定の傾向がある。例えば、豪州炭やカナダ炭などは、イナート含有量が30vol.%を超える原料炭が多い。また、インドネシア炭やニュージーランド炭や米炭などは、イナート成分の含有量が20vol.%以下の原料炭が多く、銘柄によってイナート成分の含有量が3vol.%程度である原料炭も存在する。本発明においては、原料炭の産地は特に言及しないが、本発明を実施する場合は、このようなイナート成分量の低い石炭を多く使用する。また、配合炭は、粘結材、油類、粉コークス、石油コークス、樹脂類、廃棄物などの添加物を含むものであってもよい。
この実施例では、コークス強度におよぼす配合炭のMFとTIとの影響を調査するために、平均反射率Roを1.00%で一定とした配合炭(1の1〜6)、(2の1〜8)、(3の1〜6)、(4の1〜6)、(5の1〜5)を乾留し、得られたコークスの性状試験を行った。石炭の充填条件は、水分8mass%、装入嵩密度750kg/mの一定とし、石炭の粉砕粒度条件は3mm以下を100%とした。乾留条件は、乾留温度1050℃、乾留時間6時間とした。その乾留試験は、実炉をシミュレートすることが可能な小型電気炉を使用し、乾留後窒素雰囲気下で冷却して得られたコークスの性状評価については、JIS K 2151に定められているドラム150回転15mm指数のドラム強度DI(150/15)を用いた。なお、一部の試験ではISO18894法に準拠したコークスのCO反応後強度(CSR)も測定した。
前記乾留試験に用いた石炭の性状を表1に示す。表1中の、平均最大反射率(Ro)は、JIS M 8816に準拠して測定した値、ギーセラー最高流動度(logMF)は、JIS M 8801に準拠して測定した最高流動度(MF)の常用対数値、揮発分(VM、ドライベース)は、JIS M 8812に準拠して測定した値、TIはJIS M 8816に準拠して測定し、(1)式により算出した値である。それぞれの配合炭の配合構成(各石炭の乾燥基準配合比率(mass%))および乾留試験の結果を表2〜表6に示す。表中のRo、logMF、TIは、配合した各銘柄のRo、logMF、TIと、各銘柄の配合比率から求めた加重平均値である。図4は、配合炭のギーセラー最高流動度を2.3 log ddpm≧logMF≧2.2 log ddpmとなるよう調整した場合の、TIとドラム強度DI(150/15)との関係を示す。また、図5は、配合炭のギーセラー最高流動度を2.0 log ddpm≧logMF≧1.8 log ddpmとなるよう調整した場合の、TIとドラム強度DI(150/15)との関係を示した。ドラム強度DI(150/15)の目標値は82.7とした。
上記DI(150/15)の目標値82.7は、比較例としてRo=1.00%、MFとTIとが従来配合例である図2に示した四角形の範囲内のlogMF=2.50 log ddpm、TI=35vol.%となるよう調製した配合炭を乾留し、得られたコークスのドラム強度DI(150/15)を測定した結果であり、従来法による典型的な条件の一例である。少なくとも、本発明に適合する実施例は比較例のものよりもいずれもDIが大きく、このような強度のコークスを用いれば、大型高炉が問題なく操業できる。
表2〜表6の結果を図4と図5に示す。図4に示すとおり、2.3 log ddpm≧logMF≧2.2 log ddpmの範囲では15.0mass%をピークとして、25.0vol.%≧TI≧3.5vol.%の範囲に配合炭を調製することで、ドラム強度DI(150/15)が目標値以上のコークスが製造できている。また、図5に示すとおり、logMF=2.0 log ddpmとした場合は、25.0vol.%≧TI≧3.5vol.%の範囲に調整することで、ドラム強度DI(150/15)が目標値以上のコークスが製造できた。同様に、logMF=1.9 log ddpmでは、21.5vol.%≧TI≧3.5vol.%の範囲に調整することで、そして、logMF=1.8 log ddpmでは、TIを18.0vol.%≧TI≧3.5vol.%の範囲に調整することで、ドラム強度DI(150/15)が目標値以上のコークスとなる。なお、コークスのCO反応後強度(CSR)についてもドラム強度DI(150/15)と同様の傾向を示すことを確認した。
以上のことから、望ましい配合炭のMFとTIの関係(範囲)は図1に示すようになることが確かめられた。即ち、図1中の角形の線上(ただしTI=15.0vol.%以上を除く)およびその内側となるよう複数種の銘柄炭を配合することで、冶金炉用の高強度コークスの製造が可能になる。この点、従来法による配合の考え方では、好適な配合条件のlogMFの下限値は2.3程度であって、それ以下のlogMFでは、強度が低下すると予想されていた。これに対し、本発明の方法では、配合炭の全イナート量(TI)を低下させた配合条件とすることにより、ギーセラー最高流動度logMFを低下させても、却ってコークス強度が上昇するという、従来にない結果が得られた。
実施例1と同様の方法により、ギーセラー最高流動度logMF=2.2 log ddpmとして平均最大反射率Roの異なる配合炭を調製してコークスを製造し、得られたコークスの強度を調査した。それぞれの配合炭の配合構成(各石炭の乾燥基準配合比率(mass%))および乾留試験の結果を表7〜9に示す。表中のRo、logMF、TIは、配合した各銘柄のRo、logMF、TIと、各銘柄の配合比率から求めた加重平均値である。表6より、平均反射率Roが、1.20%、1.10%、0.95%の場合とも、実施例1に示した平均最大反射率Roが1.00%の場合と同様に、5.0vol.%未満≧TI≧3.5vol.%の範囲の配合炭から、ドラム強度DI(150/15)が82.7以上のコークスが得られることが確認でき、RoはTIとlogMFの好適な範囲に対して大きな影響を及ぼさないと考えられる。
本発明で提案している方法は、高炉などの竪形冶金炉に用いることを基本として、他の高炉精錬技術にも適用が可能である。

Claims (3)

  1. 複数銘柄の石炭を配合してなる配合炭を乾留してコークスを製造する方法において、前記配合炭として、全イナート量(TI)が3.5vol.%以上15.0vol.%未満の範囲、ギーセラープラストメータ法による最高流動度(logMF)が1.8〜2.3 log ddpmの範囲内の性質を示すものを用いることを特徴とする冶金用コークスの製造方法。
  2. 前記配合炭として、全イナート量(TI)3.5vol.%以上14.5vol.%以下の範囲、ギーセラープラストメータ法による最高流動度(logMF)が1.8〜2.0 log ddpm範囲内の性質を示すものを用いることを特徴とする請求項1に記載の冶金用コークスの製造方法。
  3. 配合炭のギーセラープラストメータ法による最高流動度(logMF)は、配合炭を構成する各銘柄炭のギーセラープラストメータ法による最高流動度(logMF)と配合炭中における前記銘柄炭の構成質量比率に基づき算出される加重平均値であることを特徴とする請求項1または2に記載の冶金用コークスの製造方法。
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