JP2013181048A - コークス用配合炭組成決定方法及びコークス製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】所望の強度を有するコークスを製造するのに好適な配合条件を決定するコークス用配合炭組成決定方法を提供すること。
【解決手段】複数銘柄の石炭を含む調査対象配合炭から複数のコークスを作製する。作製されたコークスのコークス強度を測定する。調査対象配合炭に含まれる複数銘柄の石炭の各々の最高流動度(MF)ddpm及び浸透距離mmを測定する。測定した最高流動度及び浸透距離に基づいて、性状パラメーターを算出する。測定されたコークス強度を目的変数とする。算出された性状パラメーターを含む説明変数と目的変数とから、コークス強度を予測する回帰式を作成する。作成した回帰式に基づいて、後に作製される、複数の銘柄の石炭及びその銘柄の配合割合を有する予測対象配合炭から製造されるコークスのコークス強度を予測する。この予測されるコークス強度が所定の管理範囲となるように予測対象配合炭に配合される銘柄及び配合割合を調整する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、配合炭を乾留してコークスを製造する際に、コークス強度を精度よく予測するコークス用配合炭組成決定方法に関する。特に、石炭乾留時の軟化溶融特性(thermal plasticity)を精度良く評価できる指標である浸透距離及び最高流動度を用いて、コークスの強度を高精度に予測可能とするコークス用配合炭組成決定方法及びこのコークス用配合炭組成決定方法を用いた、コークス強度を安定的に管理可能とするコークス製造方法に関する。
製銑法として最も一般的に行われている高炉法において使用されるコークスは、鉄鉱石の還元材、熱源、スペーサーなどの数々の役割を担っている。高炉を安定的に効率良く操業するためには、高炉内の通気性を維持することが重要であることから、強度の高いコークスの製造が求められている。コークスは、粉砕し、粒度を調整した種々のコークス製造用石炭を配合した配合炭を、コークス炉内にて乾留することで製造される。コークス製造用石炭は、乾留中約350℃〜550℃の温度域で軟化溶融し、また同時に揮発分の発生に伴い発泡、膨張することで、各々の粒子が互いに接着しあい、塊状のセミコークスとなる。セミコークスは、その後1000℃付近まで昇温する過程で収縮することで焼きしまり、堅牢なコークスとなる。従って、石炭の軟化溶融時の接着特性が、乾留後のコークス強度や粒径等の性状に大きな影響を及ぼすといえる。そのため、従来、石炭の軟化溶融特性の評価は非常に重要視されており、種々の方法で測定され、コークス強度の管理指標として利用されてきた。特に、コークスの重要な品質であるコークス強度は、その原料である石炭性状、とりわけ石炭化度と軟化溶融特性に大きく影響される。軟化溶融特性は、通常、軟化溶融物の流動性、粘度、接着性などにより測定、評価される。
石炭の軟化溶融特性のうち、軟化溶融時の流動性を測定する一般的な方法としては、JIS M 8801に規定されるギーセラープラストメータ法による石炭流動性試験方法が挙げられる。ギーセラープラストメータ法は、425μm以下に粉砕した石炭を所定のるつぼに入れ、規定の昇温速度で加熱し、規定のトルクをかけた撹拌棒の回転速度を測定し、1分ごとの目盛分割をもって試料の軟化溶融特性を表す方法である。
また、その他の軟化溶融特性評価方法として、定回転方式でトルクを測定する方法、動的粘弾性測定装置による粘度の測定方法、JIS M 8801に規定されているジラトメーター法がよく知られている。
上記の方法とは別の軟化溶融特性評価方法として、特許文献1には、コークス炉内で石炭の軟化溶融物が置かれている状況を考慮した条件で、軟化溶融特性を評価する方法が提案されている。特許文献1の方法では、軟化溶融した石炭が拘束された条件で、かつ周囲の欠陥構造への溶融物の移動、浸透を模擬した条件で測定が行なわれており、この方法で測定される浸透距離は、従来の方法とは異なる石炭軟化溶融特性の指標であることが知られている。
特開2010−190761号公報
宮津ら著:「日本鋼管技報」、vol.67、1975年、第125頁〜第137頁 山本ら著:「鉄と鋼」、vol.62、1976年、第38頁
石炭の軟化溶融特性は、その石炭を用いてコークスを製造した場合のコークス強度に大きな影響を及ぼすため、軟化溶融特性の評価精度の向上は重要である。また、コークス強度を高めるために、石炭の軟化溶融特性の評価結果に基づいて使用する石炭の銘柄を選択したり、ある石炭銘柄の配合量を調整したりすることも重要である。ところが、特許文献1に示されるような従来の軟化溶融性評価方法では、測定される特性とコークス強度の相関が弱く、コークス強度の制御のために評価方法の改善が望まれていた。
コークス炉内での石炭の軟化溶融挙動を従来の評価方法より正確に評価するためには、コークス炉内において軟化溶融した石炭の周辺の環境を模擬した状態で、石炭の軟化溶融特性を測定することが必要である。冶金用コークスの製造においては、複数の銘柄の石炭を所定の割合で配合した配合炭を使用するのが一般的であるが、軟化溶融特性を正しく評価できないと、要求されている強度を満足するコークスを製造することができない。高炉等の竪型炉で所定の強度を満足していない低強度のコークスを使用した場合、竪型炉内での粉の発生量を増加させて圧力損失の増大を招き、竪型炉の操業を不安定化させるとともにガスの流れが局所的に集中する、いわゆる吹き抜けといったトラブルを招く可能性がある。
コークス炉内において、軟化溶融時の石炭は隣接する層に拘束された状態で軟化溶融している。石炭の熱伝導率は小さいため、コークス炉内において石炭は一様に加熱されず、加熱面である炉壁側からコークス層、軟化溶融層、石炭層と、状態が異なっている。コークス炉自体は乾留時多少膨張するがほとんど変形しないため、軟化溶融した石炭は隣接するコークス層、石炭層に拘束されている。よって、隣接するコークス層、石炭層の拘束を模擬した条件で測定することが、軟化溶融特性の評価には重要である。
また、軟化溶融した石炭は、周囲に存在する空隙部に移動することが考えられる。軟化溶融層周辺の空隙は、石炭層の石炭粒子間空隙、軟化溶融石炭の粒子間空隙、熱分解ガスの揮発により発生した粗大気孔、隣接するコークス層に生じる亀裂など、様々ある。特に、コークス層に生じる亀裂は、その幅が数百ミクロンから数ミリ程度と考えられ、数十〜数百ミクロン程度の大きさである石炭粒子間空隙や気孔に比較して大きい。そのため、このようなコークス層に生じる粗大欠陥へは、石炭から発生する副生物である熱分解ガスや液状物質だけではなく、軟化溶融した石炭自体も移動すると考えられる。したがって、石炭の軟化溶融特性をより正確に評価するためには、周囲の欠陥構造、特に粗大欠陥の浸透条件を模擬して測定する必要がある。
さらには、種々の石炭銘柄に対し、コークス炉内での石炭軟化溶融特性をより正確に評価するためには、コークス炉内で石炭が軟化溶融し、周辺の欠陥構造へ移動、または変形した範囲内でのせん断速度下において測定する必要がある。この場合には、せん断速度は銘柄毎に異なることが予想されるため、各銘柄の軟化溶融時の変形、移動挙動を、コークス炉内での挙動と等しくなるような測定条件にすることが求められる。したがって、コークス炉での石炭軟化溶融挙動に基づく石炭軟化溶融特性を評価する場合、せん断速度一定下ではなく、コークス炉内でのせん断速度を再現する必要があり、そのためには拘束条件、浸透条件を適正に制御する必要がある。
上述したとおり、コークス炉内において軟化溶融した石炭の周辺の環境を模擬した状態で石炭の軟化溶融特性を測定するためには、拘束条件、浸透条件を適正にする必要がある。そこで発明者らは、特許文献1に記載の軟化溶融特性の評価方法を提案した。しかし、特許文献1の方法で求められる浸透距離のコークス強度への影響は十分には解明されていないという問題がある。
さらには、従来の軟化溶融特性指標を用いる技術では、軟化溶融特性の評価の不正確さに由来するコークス強度のバラツキを考慮して、目標とするコークス強度を予め高めに設定することでコークス強度を一定値以上に管理することが行われており、この方法では、軟化溶融特性に優れた比較的高価な石炭を使用して配合炭の平均的な品位を高めに設定することが必要となるため、コストの増大を招いているという問題もあった。
上述の問題を解決するために、本発明の目的は、石炭のより正確な軟化溶融特性を示す、最高流動度(MF)と浸透距離とに基づいて算出される性状パラメーターを用いて乾留後コークスの強度を高精度に予測する方法を明らかにし、その予測される強度に基づいて、所望の強度を有するコークスを製造するのに好適な配合条件を決定するコークス用配合炭組成決定方法を提供することである。
加えて、本発明は、このコークス用配合炭組成決定方法によって、コークス強度を従来の方法よりも高精度に予測することで、配合炭の平均品位を必要以上に高めに設定する必要を無くし、コークス強度を維持しながら高品位の石炭の使用量を削減し、資源の効率的な利用や製造コスト削減を可能とした、安定的に所望の強度を有するコークスを製造する方法を提供することも目的とする。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)複数銘柄の石炭を含む配合炭を乾留することにより作製されるコークスの配合炭の組成を決定するコークス用配合炭組成決定方法であって、複数銘柄の石炭を含む調査対象配合炭から作製されたコークスのコークス強度を測定し、かつ、前記調査対象配合炭に含まれる前記複数銘柄の石炭の各々の最高流動度(MF)ddpm及び浸透距離mmを測定し、測定されたコークス強度を目的変数とし、最高流動度(MF)と浸透距離とに基づいて算出される性状パラメーターを含む説明変数と前記目的変数とで、複数銘柄の石炭を含む予測対象配合炭から作製されるコークスのコークス強度を予測する回帰式を作成して、該回帰式に基づいて、作製されるコークスのコークス強度を予測し、予測されるコークス強度が所定の管理範囲となるように、前記予測対象配合炭に含まれる石炭の銘柄と複数の銘柄の配合割合とを決定することを特徴とするコークス用配合炭組成決定方法。
(2)下記(1)式により、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭の浸透距離及び最高流動度の測定値から、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭の偏差浸透距離を算出し、下記(2)式により、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭の配合割合に応じて、該各銘柄の石炭の偏差浸透距離を加重平均して得られる、加重平均偏差浸透距離を算出し、前記性状パラメーターとして前記加重平均偏差浸透距離を用いることを特徴とする上記(1)に記載のコークス用配合炭組成決定方法。
Figure 2013181048
ここで、aは、1.0<logMF<2.5の範囲となる、コークスの原料に用いられ得る少なくとも1つ以上の石炭の、浸透距離と最高流動度(MF)の常用対数値(logMF)との複数の組から原点を通る回帰直線を作成した際の、該回帰直線についての、logMFの変化量に対する浸透距離の変化量の比の値であり、浸透距離は、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭の浸透距離であり、logMFは、最高流動度の常用対数値であり、但し、(1)式の右辺の値がゼロ以下となる場合には偏差浸透距離の値は0とする。
Figure 2013181048
ここで、αiは、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭iの配合割合であり、(偏差浸透距離)iは、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭iの偏差浸透距離であり、Nは、前記調査対象配合炭を構成する石炭銘柄の総数である。
(3)前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭の浸透距離及び最高流動度の測定値から、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭の配合割合に応じて下記(3)式、(4)式の加重平均浸透距離及び加重平均logMFを算出し、下記(5)式により、算出した加重平均浸透距離及び加重平均logMFを用いて偏差加重平均浸透距離を算出し、前記性状パラメーターとして、偏差加重平均浸透距離を用いることを特徴とする上記(1)に記載のコークス用配合炭組成決定方法。
Figure 2013181048
Figure 2013181048
ここで、αiは、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭iの配合割合、(浸透距離)iは、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭iの浸透距離、(logMF)iは、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭iのlogMF、Nは、前記調査対象配合炭を構成する石炭銘柄の総数である。
Figure 2013181048
ここで、aは、1.0<logMF<2.5の範囲となる、コークスの原料に用いられ得る少なくとも1つ以上の石炭の、浸透距離と最高流動度(MF)の常用対数値(logMF)との複数の組から原点を通る回帰直線を作成した際の、該回帰直線についての、logMFの変化量に対する浸透距離の変化量の比の値であり、加重平均浸透距離は、(3)式で算出された値であり、加重平均logMFは、(4)式で算出された値である、但し、(5)式の右辺の値がゼロ以下となる場合には偏差加重平均浸透距離の値は0とする。
(4)前記浸透距離の測定については、粒径2mm以下に調製した石炭を0.8g/cmの充填密度で容器内に厚さ10mmに充填して試料とし、該試料の上に直径2mmのガラスビーズを配置し、該ガラスビーズに50kPaの荷重を負荷しつつ、3℃/分の加熱速度で550℃まで前記試料を加熱する際に、前記ガラスビーズへ浸透した溶融試料の浸透距離を測定することを特徴とする、上記(1)ないし上記(3)のいずれか1つに記載のコークス用配合炭組成決定方法。
(5)前記説明変数に、石炭の炭化度に関わるパラメーターを加えて、コークス強度を予測することを特徴とする上記(1)ないし上記(4)のいずれか1つに記載のコークス用配合炭組成決定方法。
(6)前記説明変数に、石炭の炭化度に関わるパラメーター及び石炭の軟化溶融性に関わるパラメーターを加えてコークス強度を予測することを特徴とする上記(1)ないし上記(4)のいずれか1つに記載のコークス用配合炭組成決定方法。
(7)上記(1)ないし上記(6)のいずれか1つに記載のコークス用配合炭組成決定方法によって決定された石炭の銘柄と含有割合とに基づいて配合炭を作製し、前記配合炭を乾留してコークスを製造するコークス製造方法。
本発明によれば、コークス炉内での石炭の軟化溶融層周辺に存在する欠陥構造、特に軟化溶融層に隣接するコークス層に存在する亀裂の影響を模擬し、また、コークス炉内での軟化溶融物周辺の拘束条件を適切に再現した状態での、石炭の軟化溶融特性、すなわち、欠陥構造への軟化溶融物浸透の評価が可能な測定値である浸透距離と、最高流動度とに基づいて算出される性状パラメーターを用いることで、配合炭を乾留して得られるコークスの強度を精度良く予測できる。したがって、この予測されるコークスの強度に基づいて配合条件を決定することで、所望の強度を有するコークスを安定的に製造可能となる。また、必要以上に配合炭の品位を高めに設定する必要が無いため、コークス強度を維持しながら高品位の石炭の使用量を削減し、コストの削減が可能となる。
本発明で使用する試料と上下面に貫通孔を有する材料に一定荷重を負荷しつつ軟化溶融特性を測定する装置の一例を示す概略説明図である。 本発明で使用する試料と上下面に貫通孔を有する材料を一定容積に保ちつつ軟化溶融特性を測定する装置の一例を示す概略説明図である。 本発明で使用する上下面に貫通孔を有する材料のうち、円形貫通孔を有する一例を示す概略説明図である。 本発明で使用する上下面に貫通孔を有する材料のうち、球形粒子充填層の一例を示す概略説明図である。 本発明で使用する上下面に貫通孔を有する材料のうち、円柱充填層の一例を示す概略説明図である。 実施例で測定した、石炭軟化溶融物の浸透距離の測定結果を示すグラフである。 従来法の予測値及び加重平均偏差浸透距離に基づいた本発明の予測値と実施例で測定したタンブラー強度の実測値との散布図である。 従来法の予測値及び偏差加重平均浸透距離に基づいた本発明の予測値と実施例で測定したタンブラー強度の実測値との散布図である。 本発明例1により得られたコークス強度予測式によるコークス強度の予測値と実測値との散布図である。 本発明例2により得られたコークス強度予測式によるコークス強度の予測値と実測値との散布図である。
本発明者らは、上述した本発明の目的を達成するために、コークス炉内において軟化溶融した石炭の周辺の環境を模擬した状態で軟化溶融特性を測定可能とし、測定した軟化溶融特性を示す「浸透距離」とコークス強度の関係について鋭意研究を重ねた。その結果、軟化溶融特性指標として従来から用いられているギーセラー最高流動度にはほとんど差がない配合炭であっても、本発明で用いる浸透距離には差があり、この浸透距離の異なる配合炭から製造されるコークスの強度も異なっている現象を発見した。本発明者らは、この現象に着目し、コークス強度を予測するためには、最高流動度と浸透距離とを用いれば、コークス強度をより正確に予測することが可能ではないかと着想した。
コークス強度を予測する場合における浸透距離を指標とすることの優位性は、コークス炉内状況に近い測定方法をとることに基づいて原理的に想定されるだけではなく、コークス強度への浸透距離の影響を調査した結果からも明らかとなった。実際、コークス強度への浸透距離の影響を調査する過程で、同程度のlogMF(ギーセラープラストメータ法による最高流動度の常用対数値)を持つ石炭であっても、銘柄により浸透距離に差があることが明らかとなり、浸透距離の異なる石炭を配合してコークスを製造する乾留実験でも、コークス強度に対する影響も異なることが確認された。
ところで、従来のギーセラープラストメータによる軟化溶融特性の評価では、高い流動性を示す石炭の方が石炭粒子同士を接着する効果が高いと考えられてきた。一方で、浸透距離とコークス強度との関係を調査したところ、極端に浸透距離の大きい石炭を配合するとコークス化時に粗大な欠陥を残し、かつ薄い気孔壁の組織構造を形成するため、コークス強度が配合炭の平均品位から予想される値に比べて低下することが分かった。コークス強度が予想値より低い理由は、浸透距離が大きすぎる石炭が周囲の石炭粒子間に顕著に浸透することで、その石炭粒子が存在していた部分自体が大きな空洞となり、欠陥となってしまうためと推測される。特にギーセラープラストメータによる軟化溶融特性の評価において高い流動性を示す石炭においては、浸透距離の大小によりコークス中に残存する粗大な欠陥の生成量が異なることが分かった。この関係は粘結材に関しても同様に見られた。
上述のような知見は、浸透距離を測定することによって初めて得られたものであり、従来の軟化溶融特性評価法を補完あるいは代替する技術として、最高流動度(MF)と浸透距離とに基づいて算出される性状パラメーターを用いて、コークスの強度を予測する本発明の有効性を示している。本発明のコークス強度を予測する方法としては具体的に次のように行なう。
1.銘柄及び配合割合が既知である複数の配合炭(調査対象配合炭)を乾留して複数のコークスを作製する。複数のコークスを作製する前に、調査対象配合炭に含まれる複数銘柄の石炭の各々の最高流動度(MF)ddpm及び浸透距離mmなどの指標を予め測定しておく。
2.作製されたコークスのコークス強度を測定する。なお、コークス強度は、JIS K 2151の回転強度試験法などに基づいて測定することが可能である。
3.測定した最高流動度(MF)及び浸透距離に基づいて、後述する、加重平均偏差浸透距離や、加重平均浸透距離及び加重平均logMFなどの性状パラメーターを算出する。
4.これらの複数の配合炭から得られる複数のコークスについて、2.で測定されたコークス強度を目的変数とし、複数の配合炭について3.で算出された性状パラメーターを含む説明変数と、この目的変数とから、コークス強度を予測する回帰式を作成する。
5.作成した回帰式に基づいて、複数銘柄の石炭を含む予測対象配合炭から作製される予定のコークスのコークス強度を予測する。なお、コークス強度の予測に際しては、予測対象配合炭中の各銘柄の石炭の最高流動度(MF)及び浸透距離などを測定する。この測定した最高流動度(MF)及び浸透距離や、予測対象配合炭中の各銘柄の石炭の配合割合などに基づいて、上述の性状パラメーターを算出し、算出された性状パラメーターを含む変数に基づき、作成した回帰式から予測されるコークス強度を得る。この予測されるコークス強度が所定の管理範囲となるように予測対象配合炭に配合される銘柄及び配合割合を決定する。
また、このようにして決定された、配合される石炭の銘柄及び配合割合に基づいて、配合炭を作製し、作製した配合炭を乾留してコークスを製造することが可能である。
まずは、加重平均偏差浸透距離や、加重平均浸透距離及び加重平均logMFを含む性状パラメーターを算出するための「浸透距離」を測定する方法を説明する。図1は、本発明で使用する浸透距離の測定装置の一例であり、石炭試料と上下面に貫通孔を有する材料に一定荷重を負荷させて石炭試料を加熱する場合の装置である。容器3下部に石炭を充填して試料1とし、試料1の上に、上下面に貫通孔を有する材料である2を配置する。試料1を軟化溶融開始温度以上に加熱し、上下面に貫通孔を有する材料2に試料を浸透させ、浸透距離を測定する。加熱は不活性ガス雰囲気下で行なう。ここで、不活性ガスとは、測定温度域で石炭と反応しないガスを指し、代表的なガスとしてはアルゴンガス、ヘリウムガス、窒素ガス等である。なお、浸透距離の測定は、石炭と貫通孔を有する材料を一定容積に保ちつつ加熱するようにしてもよい。その場合に使用する軟化溶融特性(浸透距離)の測定装置の一例を図2に示す。
図1に示す試料1と上下面に貫通孔を有する材料2に一定荷重を負荷して試料1を加熱する場合、試料1が膨張又は収縮し、上下面に貫通孔を有する材料2が上下方向に移動する。よって、上下面に貫通孔を有する材料2を介して試料浸透時の膨張率を測定することが可能である。図1に示すように上下面に貫通孔を有する材料2の上面に膨張率検出棒13を配置し、膨張率検出棒13の上端に荷重付加用の錘14を乗せ、その上に変位計15を配置し、膨張率を測定する。変位計15は、試料の膨張率の膨張範囲(−100%〜300%)を測定可能なものを用いれば良い。加熱系内を不活性ガス雰囲気に保持する必要があるため、非接触式の変位計が適しており、光学式変位計を用いることが望ましい。不活性ガス雰囲気としては、窒素雰囲気とすることが好ましい。上下面に貫通孔を有する材料2が粒子充填層の場合は、膨張率検出棒13が粒子充填層に埋没する可能性があるため、上下面に貫通孔を有する材料2と膨張率検出棒13の間に板を挟む措置を講ずるのが望ましい。負荷させる荷重は、試料上面に配置した上下面に貫通孔を有する材料の上面に対して、均等にかけることが好ましく、上下面に貫通孔を有する材料の上面の面積に対し、5〜80kPa、好ましくは15〜55kPa、最も好ましくは25〜50kPaの圧力を負荷することが望ましい。この圧力は、コークス炉内における軟化溶融層の膨張圧に基づいて設定することが好ましいが、測定結果の再現性、種々の石炭での銘柄差の検出力を検討した結果、炉内の膨張圧よりはやや高めの25〜50kPa程度が測定条件として最も好ましい。
加熱手段は、試料の温度を測定しつつ、所定の昇温速度で加熱できる方式のものを用いることが望ましい。具体的には、電気炉や、導電性の容器と高周波誘導を組み合わせた外熱式、またはマイクロ波のような内部加熱式である。内部加熱式を採用する場合は、試料内温度を均一にする工夫を施す必要があり、例えば、容器の断熱性を高める措置を講ずることが好ましい。
加熱速度については、コークス炉内での石炭及び粘結材の軟化溶融挙動を模擬するという目的から、コークス炉内での石炭の加熱速度に一致させることが好ましい。コークス炉内での軟化溶融温度域における石炭の加熱速度は炉内の位置や操業条件によって異なるが概ね2〜10℃/分であり、平均的な加熱速度として2〜4℃/分とすることが望ましく、もっとも望ましいのは3℃/分程度である。しかし、非微粘結炭のように流動性の低い石炭の場合、3℃/分では浸透距離や膨張が小さく、検出が困難となる可能性がある。石炭は急速加熱することによりギーセラープラストメータによる流動性が向上することが一般に知られている。従って、例えば浸透距離が1mm以下の石炭の場合には、検出感度を向上させるために、加熱速度を10〜1000℃/分に高めて測定しても良い。
加熱を行なう温度範囲については、石炭及び粘結材の軟化溶融特性の評価が目的であるため、石炭及び粘結材の軟化溶融温度域まで加熱できればよい。コークス製造用の石炭及び粘結材の軟化溶融温度域を考慮すると、0℃(室温)〜550℃の範囲において、好ましくは石炭の軟化溶融温度である300〜550℃の範囲で所定の加熱速度で加熱すればよい。
上下面に貫通孔を有する材料は、透過係数をあらかじめ測定または算出できるものが望ましい。材料の形態の例として、貫通孔を持つ一体型の材料、粒子充填層が挙げられる。貫通孔を持つ一体型の材料としては、例えば、図3に示すような円形の貫通孔16を持つもの、矩形の貫通孔を持つもの、不定形の貫通孔を持つものなどが挙げられる。粒子充填層としては、大きく球形粒子充填層、非球形粒子充填層に分けられ、球形粒子充填層としては図4に示すようなビーズの充填粒子17からなるもの、非球形粒子充填層としては不定形粒子や、図5に示すような充填円柱18からなるものなどが挙げられる。測定の再現性を保つため、材料内の透過係数はなるべく均一で、かつ測定を簡便にするため、透過係数の算出が容易なものが望ましい。したがって、本発明で用いる上下面に貫通孔を有する材料には球形粒子充填層の利用が特に望ましい。上下面に貫通孔を有する材料の材質は、石炭軟化溶融温度域以上、具体的には600℃まで形状がほとんど変化せず、石炭とも反応しないものならば特に指定はない。また、その高さは、石炭の溶融物が浸透するのに十分な高さがあればよく、厚み5〜20mmの石炭層を加熱する場合には、20〜100mm程度あればよい。
上下面に貫通孔を有する材料の透過係数は、コークス層に存在する粗大欠陥の透過係数を推定して設定する必要がある。本発明に特に望ましい透過係数について、粗大欠陥構成因子の考察や大きさの推定など、本発明者らが検討を重ねた結果、透過係数が1×108〜2×109-2の場合が最適であることを見出した。この透過係数は、下記(6)式で表されるDarcy則に基づき導出されるものである。
ΔP/L=K・μ・u ・・・(6)
ここで、ΔPは上下面に貫通孔を有する材料内での圧力損失[Pa]、Lは貫通孔を有する材料の高さ[m]、Kは透過係数[m-2]、μは流体の粘度[Pa・s]、uは流体の速度[m/s]である。例えば上下面に貫通孔を有する材料として均一な粒径のガラスビーズ層を用いる場合、上述の好適な透過係数を持つようにするためには、直径0.2mmから3.5mm程度のガラスビーズを選択することが望ましく、もっとも望ましいのは2mmである。
測定試料とする石炭および粘結材はあらかじめ粉砕し、所定の充填密度で所定の層厚に充填する。粉砕粒度としては、コークス炉における装入石炭の粒度(粒径3mm以下の粒子の比率が全体の70〜80質量%程度)としてもよく、粒径3mm以下が70質量%以上となるように粉砕することが好ましいが、小さい装置での測定であることを考慮して、全量を粒径2mm以下に粉砕した粉砕物を用いることが特に好ましい。粉砕物を充填する密度はコークス炉内の充填密度に合わせ0.7〜0.9g/cm3とすることができるが、再現性、検出力を検討した結果、0.8g/cm3が好ましいことを知見した。また、充填する層厚は、コークス炉内における軟化溶融層の厚みに基づいて層厚5〜20mmとすることができるが、再現性、検出力を検討した結果、層厚は10mmとすることが好ましい。
上述の装置を用いかつ測定条件を調整して、以下に示す代表的な測定条件で浸透距離を測定することができる。
(A)石炭又は粘結材を粒径2mm以下が100質量%となるように粉砕し、該粉砕された石炭又は粘結材を充填密度0.8g/cmで、層厚が10mmとなるように容器に充填して試料を作成する。
(B)該試料の上に直径2mmのガラスビーズを浸透距離以上の厚さ(通常は層厚80mm)となるように配置する。
(C)前記ガラスビーズの上部から50kPaとなるように荷重を負荷しつつ、加熱速度3℃/分で室温から550℃まで不活性ガス雰囲気下で加熱する。
(D)前記ガラスビーズ層へ浸透した溶融試料の浸透距離を測定する。
上記(D)の浸透距離の測定について、石炭及び粘結材の軟化溶融物の浸透距離は、加熱中に常時連続的に測定できることが本来望ましい。しかし、常時測定は、試料から発生するタールの影響などにより、困難である。加熱による石炭の膨張、浸透現象は不可逆的であり、一旦膨張、浸透した後は冷却してもほぼその形状が保たれているので、石炭溶融物が浸透終了した後、容器全体を冷却し、冷却後の浸透距離を測定することで加熱中にどこまで浸透したかを測定するようにしてもよい。例えば、冷却後の容器から上下面に貫通孔を有する材料を取り出し、ノギスや定規で直接測定することが可能である。
上下面に貫通孔を有する材料として粒子を使用した場合には、粒子間空隙に浸透した軟化溶融物は、浸透した部分までの粒子層全体を固着させている。したがって、前もって粒子充填層の質量と高さの関係を求めておけば、浸透終了後、固着していない粒子の質量を測定し、初期質量から差し引くことで、固着している粒子の質量を導出でき、そこから浸透距離を算出することができる。
次に、本発明で用いる性状パラメーターを説明する。本発明者らは、配合炭を構成する石炭の上述の浸透距離及び軟化溶融特性を示す最高流動度とコークス強度との関係性を、ラボにおける乾留試験を繰り返して調査し、鋭意研究を重ねた結果、浸透距離及び最高流動度とコークス強度とには以下の2つの関係性があることを見出した。
(1)浸透距離を目的変数(Y)とし、最高流動度の常用対数値を説明変数(X)とし、浸透距離と最高流動度の常用対数値との回帰直線を作成し、その回帰直線に対して、浸透距離の値が正の方向に偏倚した幅(以下、偏差浸透距離)が大きい銘柄の石炭ほど、配合炭に配合した場合には、その配合炭から製造されるコークスのコークス強度が低下する。
(2)浸透距離を目的変数(Y)とし、最高流動度の常用対数値を説明変数(X)とし、浸透距離と最高流動度の常用対数値との回帰直線を作成し、その回帰直線に対して、浸透距離の値が正の方向に偏倚した銘柄を多く配合炭に配合するほど、その配合炭から製造されるコークスのコークス強度が低下する。
上記のように、最高流動度が同じであっても浸透距離の大きさによってコークスの強度が影響を受ける理由としては、(1)浸透距離が過大であるほど乾留後のコークス内に粗大な欠陥が発生すること、(2)浸透距離が過大な石炭を多く配合するほど乾留後のコークス内に粗大な欠陥が増えることが挙げられる。
従来のコークス強度を予測するための石炭配合理論において、コークス強度は主に、石炭のビトリニット平均最大反射率(Ro)と、ギーセラー最高流動度の対数値(logMF)により決定されると考えられてきた(例えば、非特許文献1参照)。一方、本発明によると、上記(1)及び(2)のように、最高流動度と浸透距離とがコークス強度に影響を及ぼすことから、浸透距離と最高流動度とに基づいて算出される性状パラメーターをコークス強度の予測をする際の説明変数として用いることで、従来よりも高精度な予測が可能となる。
また、コークス強度の予測を行なう際のパラメーターは、上記(1)及び(2)の関係性を反映した形である事が望ましい。本発明者らが浸透距離をパラメーターとしてコークス強度の予測を行なううえで、最適な形態を鋭意研究した結果、以下の計算で求める、加重平均偏差浸透距離や、加重平均浸透距離及び加重平均logMFを含む性状パラメーターを用いることが望ましい事を見出した。
本発明者らが種々の性状を有する銘柄に対して、その浸透距離と最高流動度(MF)を測定して関係性を調査したところ、測定された最高流動度(MF)の常用対数値について、1.0<logMF<2.5の範囲において、両者には良好な正の相関があることが分かった。したがって、実際の運用において、複数の銘柄の石炭の浸透距離と最高流動度(MF)の組を測定し、測定した浸透距離と最高流動度(MF)の組の中から、1.0<logMF<2.5の範囲となる少なくとも1つ以上の石炭に対して浸透距離と最高流動度(MF)を抽出し、その抽出した浸透距離と最高流動度(MF)の組を基に、浸透距離を目的変数(Y)とし、最高流動度の常用対数値(log(MF))を説明変数(X)とした原点を通る回帰直線を作成した。次いで、その回帰直線と該石炭の浸透距離の偏差を算出することとした。この石炭の偏差浸透距離は、該石炭を配合炭に配合した時のコークス強度影響を表し、この値が大きいほど配合時のコークス強度の低下幅が大きい。配合炭中の各銘柄の石炭の浸透距離及び最高流動度の測定値から、複数銘柄の石炭の各々の偏差浸透距離を求める計算式を(1)式に示す。
Figure 2013181048
ここでaは、コークス製造用(コークスの原料)に用いる任意の石炭の最高流動度(MF)を測定し、測定された最高流動度に基づいて、1.0<logMF<2.5の範囲となる少なくとも1つ以上の石炭を抽出し、抽出した石炭の浸透距離を測定し、その測定値を基に浸透距離を目的変数(Y)とし、最高流動度の常用対数値(logMF)を説明変数(X)とした原点を通る回帰直線を作成した際のlogMFの係数(傾き)である。なお、logMFは、該石炭の最高流動度の対数値である。但し、偏差浸透距離の値の下限は0とする。このように下限を設定した理由は、浸透距離が負に偏倚している銘柄は、乾留後のコークス内で粗大な欠陥を形成しないためコークス強度を低下させることは無いが、向上させることも無いことを実験的に確かめたことによる。
なお、上記傾きaは、この回帰直線についての、logMFの変化量に対する浸透距離の変化量の比の値でもある。また、浸透距離及び最高流動度の測定値のうち、最高流動度の常用対数値(logMF)を目的変数(Y)とし、浸透距離を説明変数(X)とすることも可能であり、その場合には、原点を通る回帰直線を作成したとしても、aとして、該回帰直線についての、logMFの変化量に対する浸透距離の変化量の比の値を算出することになる。
配合炭の乾留により得られるコークス強度は、配合炭を構成する銘柄の偏差浸透距離とその配合割合に影響を受ける。したがって、配合炭を構成する銘柄の偏差浸透距離を配合炭中の配合割合に応じて加重平均して算出した、加重平均偏差浸透距離をコークス強度の予測を行なう際の回帰式の説明変数に含まれる性状パラメーターとすることもできる。この加重平均偏差浸透距離を求める計算式を(2)式に示す。
Figure 2013181048
ここでαは、配合炭中の各銘柄の石炭の配合割合、(偏差浸透距離)は配合炭中の各銘柄の石炭の偏差浸透距離、Nは、配合炭を構成する石炭銘柄の総数である。なお、記載されている配合炭とは、銘柄及び配合割合が既知である複数の調査対象配合炭を意味する。
また、本発明者らは、配合炭の浸透距離の実測値が配合炭を構成する銘柄の浸透距離を配合炭中の配合割合に応じて加重平均して算出した加重平均浸透距離とほぼ一致する事を、実験的に確認している。同様に、配合炭のlogMFも加重平均値と略一致することが一般的に知られている。したがって、コークスの強度予測を行なう際の回帰式の説明変数に含まれる性状パラメーターとして、以下の計算で求める、偏差加重平均浸透距離値を用いることも有効である。
すなわち、予め配合炭を構成する各銘柄の石炭の浸透距離及び最高流動度の測定値から配合炭中の各銘柄の石炭の配合割合に応じて下記(3)、(4)式の加重平均浸透距離及び加重平均logMFを算出する。
Figure 2013181048
Figure 2013181048
ここでαiは、配合炭中の各銘柄の石炭iの配合割合、(浸透距離)iは、配合炭中の各銘柄の石炭iの浸透距離、(logMF)iは、配合炭中の各銘柄の石炭iのlogMF、Nは配合炭を構成する石炭銘柄の総数である。また、配合炭が偏差浸透距離の大きな石炭を多く含むほど、(3)式で求めた加重平均浸透距離は、(4)式で求めた加重平均logMFから回帰直線により求めた浸透距離との偏差が大きくなる。従って、この値を配合炭の偏差加重平均浸透距離として、コークス強度予測の性状パラメーターとした。偏差加重平均浸透距離の計算式を(5)式に示す。
Figure 2013181048
(5)式でのaは、前述で述べたaと同様にして求められ、コークス製造用(コークスの原料)に用いる任意の石炭の最高流動度(MF)を測定し、測定された最高流動度に基づいて、1.0<logMF<2.5の範囲となる少なくとも1つ以上の石炭を抽出し、抽出した石炭の浸透距離を測定し、その測定値を基に浸透距離を目的変数(Y)とし、最高流動度の常用対数値(logMF)を説明変数(X)とした原点を通る回帰直線を作成した際のlogMFの係数(傾き)である。加重平均浸透距離、加重平均logMFは、それぞれ(3)、(4)式で算出した値である。但し、(5)式の右辺の値がゼロ以下となる場合には偏差加重平均浸透距離の値は0とする。
(5)式は、(2)式と数学的には等価であり、(1)式で偏差浸透距離が負の値をとる場合でもその値を0にすることなく加重平均値を計算した結果と一致する。上述したとおり、本来偏差浸透距離が負の値をとる銘柄は、配合炭の強度を向上させる効果は無いが、発明者らが種々の配合炭に対して加重平均偏差浸透距離と偏差加重平均浸透距離の関係を調査した結果、両者の間には実用的に十分な相関関係が成り立つ事を確認している。これは、前記回帰直線に対して浸透距離が大きく負に偏倚する石炭((1)式の右辺が大きな負の値になる石炭)はほとんど存在せず、仮に負に偏倚していても、その値は高々3mm程度と少ないことに起因している。そのため、偏差加重平均浸透距離を用いても、十分に従来のコークス強度予測よりも精度の高い予測を行なうことができる。
また、(2)式を用いて計算する際に、logMF<2.5の範囲にある石炭の偏差浸透距離を0として計算しても良い。これは、この性状範囲にある石炭の場合、その浸透距離が回帰式から大きくずれる事が無いことや、低MFの石炭は浸透距離の絶対値が小さいために測定誤差の影響を相対的に受け易く、予測精度を低下させる傾向にある、などの理由による。なお、この性状範囲にある石炭を用いて、配合炭の強度影響を調査したところ、浸透距離の差が、強度に大きく影響することが無い事を実験的に確認している。
本発明の特徴は、コークス強度の予測を行なうための説明変数に、最高流動度(MF)と浸透距離とから導かれる性状パラメーターを使用する点にある。配合炭に使用する石炭は、通常、銘柄ごとに様々な品位を予め測定して使用している。最高流動度(MF)や浸透距離についても同様に予め銘柄のロット毎に測定しておけばよい。ここで、浸透距離の値は、測定条件によって変わる可能性があるため、すべての石炭について同じ条件で測定し、その値をコークス強度の予測に用いる。
また、その他の石炭性状に関するパラメーターを、目的変数がコークス強度である回帰直線の説明変数に加えてもよい。特に、石炭の炭化度に関わるパラメーターおよび石炭の軟化溶融性に関わるパラメーターはコークスの強度の予測に重要である。石炭の炭化度に関わるパラメーターの例としては、石炭の反射率、揮発分、炭素含有率、発熱量などが挙げられ、軟化溶融性に関わるパラメーターの例としては、ギーセラー最高流動度、ジラトメーターから得られる膨張率、動的粘弾性、膨張性、比容積などの値が知られている。特に好ましいのは、石炭のビトリニットの平均最大反射率およびギーセラー最高流動度を浸透距離と合わせて、目的変数がコークス強度である回帰式の説明変数に加えることである。また、イナート含有量などのその他の石炭性状の指標や、石炭粒度や水分量などの石炭事前条件、コークス炉の乾留条件などのパラメーターを組み合わせて、目的変数がコークス強度である回帰式の説明変数に加えてもよい。
以上のように、加重平均偏差浸透距離または偏差加重平均浸透距離である性状パラメーターを含む説明変数とし、コークス強度を目的変数とするコークス強度の予測式を予め作成しておき、予測した強度が操業の管理範囲になるように配合炭の配合割合を決定することで、所望の管理範囲の強度を有するコークスの基である配合炭に含まれる石炭の銘柄と含有割合を決定することが可能となる。引いては、所望の管理範囲の強度を有するコークスを安定的に製造することができる。
26種類の石炭(A〜Z炭)について、例えば、浸透距離等の石炭の性状を示す指標の測定を行った。使用した石炭の性状を表1に示す。ここで、RoはJIS M 8816の石炭のビトリニット平均最大反射率、logMFはギーセラプラストメータ法で測定した最高流動度(Maximum Fluidity:MF)の常用対数値、揮発分(VM)、灰分(Ash)はJIS M 8812の工業分析法による測定値(ドライベース)である。TIはJIS M 8816の石炭の微細組織成分の測定方法に基づき算出した、乾留時に軟化溶融性を示さないイナート成分の割合である。
Figure 2013181048
図1に示した装置を用い、浸透距離の測定を行った。加熱方式は高周波誘導加熱式としたため、図1の発熱体8は誘導加熱コイルであり、容器3の素材は誘電体である黒鉛を使用した。容器の直径は18mm、高さ37mmとし、上下面に貫通孔を有する材料として直径2mmのガラスビーズを用いた。粒度2mm以下に粉砕し室温で真空乾燥した石炭試料2.04gを容器3に装入し、石炭試料の上から重さ200gの錘を落下距離20mmで5回落下させることにより試料1を充填した(この状態で試料層厚は10mmとなった)。次に直径2mmのガラスビーズを試料1の充填層の上に25mmの厚さとなるように配置した。ガラスビーズ充填層の上に直径17mm、厚さ5mmのシリマナイト製円盤を配置し、その上に膨張率検出棒13として石英製の棒を置き、さらに石英棒の上部に1.3kgの錘14を置いた。これにより、シリマナイト円盤上にかかる圧力は50kPaとなる。不活性ガスとして窒素ガスを使用し、加熱速度3℃/分で550℃まで加熱した。加熱終了後、窒素雰囲気で冷却を行い、冷却後の容器から、軟化溶融した石炭と固着していないビーズ質量を計測した。なお、上記の測定条件は、種々の条件での測定結果の比較により、発明者らが好ましい浸透距離の測定条件として決定したものであるが、浸透距離測定はこの方法に限られるものではない。
なお、ガラスビーズ層の厚みは浸透距離以上の層厚となるように配置すればよい。測定時にガラスビーズ層最上部まで溶融物が浸透してしまった場合には、ガラスビーズを増量して再測定を行なう。発明者らは、ガラスビーズの層厚を変更した試験を行ない、浸透距離以上のガラスビーズ層厚があれば、同一試料の浸透距離測定値は同じになることを確認している。
浸透距離は固着したビーズ層の充填高さで求めた。ガラスビーズ充填層の充填高さと質量の関係をあらかじめ求め、軟化溶融した石炭が固着したビーズの質量よりガラスビーズ充填高さを導出できるようにした。その結果が(7)式であり、(7)式より浸透距離を導出した。
L=(G−M)×H ・・・(7)
ここで、Lは浸透距離[mm]、Gは充填したガラスビーズ質量[g]、Mは軟化溶融物と固着していないビーズ質量[g]、Hは本実験装置に充填されたガラスビーズの1gあたりの充填層高さ[mm/g]を表す。
浸透距離の測定結果を表1に併せて示す。また、浸透距離測定結果とギーセラー最高流動度の対数値(logMF)の関係を図6に示す。図6により、本実施例で測定した浸透距離はlogMFと相関は認められるが、同程度のlogMFであっても、浸透距離の異なる銘柄が存在することを確認した。特にその傾向は、logMFが高い領域で見られた。本装置での浸透距離の測定誤差が、同一条件で3回試験を行った結果標準偏差0.6であったことを考慮すると、logMFがほぼ等しい石炭Aと石炭Kに対して、浸透距離に有意な差が認められた。
次に、本発明の浸透距離をコークス強度の予測方法に適用した際の有効性を調べる為に、表1の石炭を使って配合炭(2銘柄を1:1の質量割合で配合)を作製し、その乾留後のコークス強度を測定した。表2に配合炭の性状値を示す。また、上記(2)式で算出した加重平均偏差浸透距離および(5)式で算出した偏差加重平均浸透距離も併せて表2に示した。ここで、(1)式および(5)式の定数aは、表1の石炭のうち、1.0<logMF<2.5の範囲にある石炭の浸透距離及び最高流動度の値をもとに回帰直線の傾きを計算し、2.977に決定した。
Figure 2013181048
配合炭の乾留は以下の通り行った。表2記載の配合炭の水分を6mass%になるように調整し、この配合炭6kgを、嵩密度775kg/mとなるように乾留缶に充填し、その上に4.8kgの錘を乗せた状態で、炉壁温度1050℃の電気炉内で4時間20分乾留後、炉から取り出し窒素冷却し、コークスを得た。得られたコークスのコークス強度は、JIS K 2151の回転強度試験法に基づき、24rpm、400回転後の粒径6mm以上のコークスの質量割合を測定し、回転前との質量比をタンブラー強度TI400/6として算出した。タンブラー強度の測定結果も表2に併せて示した。
次に、配合炭の性状値からコークス強度を重回帰分析により予測した。従来のコークス強度を予測するための石炭配合理論において、コークス強度は主に、石炭のビトリニット平均最大反射率(Ro)と、logMFにより決定されると考えられている。また、イナート組織の割合がコークス強度に影響を及ぼす事も一般的に知られている(例えば非特許文献2)。そこで、従来法のコークス強度の予測方法として、本試験で得られたタンブラー強度を目的変数とし、Ro、logMFとTIを説明変数として重回帰し、相関係数を求めた(比較例)。その結果、以下の回帰式(8)を得た。
TI(400/6)=78.35+7.267×Ro+0.054×logMF−0.076×TI ・・・(8)
また、得られた相関係数ならびに自由度調整済み相関係数を表3に示す。
Figure 2013181048
同様に、本発明に基づいて、コークス強度の予測するために、本試験で得られたタンブラー強度を目的変数とし、Ro、logMF、TI、加重平均偏差浸透距離を説明変数として重回帰し、相関係数を求めた(本発明例1)。その結果、以下の回帰式(9)を得た。
TI(400/6)=75.01+10.11×Ro+0.870×logMF−0.124×TI−0.293×加重平均偏差浸透距離 ・・・(9)
偏差加重平均浸透距離を説明変数に用いて、本発明例1と同様に重回帰を行ない、以下の回帰式(10)を得た(本発明例2)。
TI(400/6)=75.05+10.20×Ro+0.850×logMF−0.129×TI−0.284×偏差加重平均浸透距離 ・・・(10)
なお、(8)〜(10)式のRo、logMF、TIはそれぞれ配合炭の加重平均ビトリニット平均最大反射率、加重平均logMF、加重平均TIである。
それぞれの重回帰で得られた相関係数ならびに自由度調整済み相関係数を表3に併せて示してある。また、従来法の予測値及び加重平均偏差浸透距離に基づいた本発明の予測値と実測値との散布図を図7に示す。加えて、従来法の予測値及び偏差加重平均浸透距離に基づいた本発明の予測値と実測値との散布図を図8に示す。
表3、図7および図8より、本発明によるコークス強度の予測式は、従来のコークス強度の予測式に比べて、相関係数が高く、表2の配合炭で測定されるコークス強度について従来の予測式より誤差の少ない予測式となっていることがわかる。
次に、表4記載の配合炭の乾留後のコークス強度を(8)〜(10)式を用いて予測し、それぞれの予測式の精度を検証した。コークスの乾留方法および強度の測定方法は、前記コークス強度の予測式作成の際に実施した方法と同じである。
Figure 2013181048
比較例を実施して得られた(8)式による予測値および本発明例1を実施して得られた(9)式による予測値と実測値との散布図を図9に示す。加えて、(8)式による予測値および本発明例2を実施して得られた(10)式による予測値と実測値との散布図を図10に示す。また、それぞれの散布図から得られた相関係数を表5に示す。
Figure 2013181048
表5、図9および図10より、本発明によるコークス強度の予測式は、従来のコークス強度の予測式に比べて、相関係数が高く、予測精度が向上していることを確かめられた。従って、本発明による予測方法が、従来技術に比較して非常に有効である。
なお、本発明例では、コークスの回転強度を予測する方法の例としてタンブラー強度の予測例を示したが、JISドラム強度や、マイカム強度、ASTM強度の予測も同じ原理により行なうことができる。さらに、コークスの反応性を考慮に入れれば、CSR(CO反応後コークス強度)の予測も行なうことができる。
1 試料
2 上下面に貫通孔を有する材料
3 容器
4 圧力検出棒
5 スリーブ
6 ロードセル
7 温度計
8 発熱体
9 温度検出器
10 温度調節器
11 ガス導入口
12 ガス排出口
13 膨張率検出棒
14 錘
15 変位計
16 円形貫通孔
17 充填粒子
18 充填円柱
20 気孔壁
21 気孔

Claims (7)

  1. 複数銘柄の石炭を含む配合炭を乾留することにより作製されるコークスの配合炭の組成を決定するコークス用配合炭組成決定方法であって、
    複数銘柄の石炭を含む調査対象配合炭から作製されたコークスのコークス強度を測定し、かつ、前記調査対象配合炭に含まれる前記複数銘柄の石炭の各々の最高流動度(MF)ddpm及び浸透距離mmを測定し、
    測定されたコークス強度を目的変数とし、最高流動度(MF)と浸透距離とに基づいて算出される性状パラメーターを含む説明変数と前記目的変数とで、複数銘柄の石炭を含む予測対象配合炭から作製されるコークスのコークス強度を予測する回帰式を作成して、該回帰式に基づいて、作製されるコークスのコークス強度を予測し、
    予測されるコークス強度が所定の管理範囲となるように、前記予測対象配合炭に含まれる石炭の銘柄と複数の銘柄の配合割合とを決定することを特徴とするコークス用配合炭組成決定方法。
  2. 下記(1)式により、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭の浸透距離及び最高流動度の測定値から、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭の偏差浸透距離を算出し、
    下記(2)式により、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭の配合割合に応じて、該各銘柄の石炭の偏差浸透距離を加重平均して得られる、加重平均偏差浸透距離を算出し、
    前記性状パラメーターとして前記加重平均偏差浸透距離を用いることを特徴とする請求項1に記載のコークス用配合炭組成決定方法。
    Figure 2013181048
    ここで、aは、1.0<logMF<2.5の範囲となる、コークスの原料に用いられ得る少なくとも1つ以上の石炭の、浸透距離と最高流動度(MF)の常用対数値(logMF)との複数の組から原点を通る回帰直線を作成した際の、該回帰直線についての、logMFの変化量に対する浸透距離の変化量の比の値であり、
    浸透距離は、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭の浸透距離であり、
    logMFは、最高流動度の常用対数値であり、但し、(1)式の右辺の値がゼロ以下となる場合には偏差浸透距離の値は0とする。
    Figure 2013181048
    ここで、αiは、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭iの配合割合であり、
    (偏差浸透距離)iは、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭iの偏差浸透距離であり、
    Nは、前記調査対象配合炭を構成する石炭銘柄の総数である。
  3. 前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭の浸透距離及び最高流動度の測定値から、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭の配合割合に応じて下記(3)式、(4)式の加重平均浸透距離及び加重平均logMFを算出し、
    下記(5)式により、算出した加重平均浸透距離及び加重平均logMFを用いて偏差加重平均浸透距離を算出し、
    前記性状パラメーターとして、偏差加重平均浸透距離を用いることを特徴とする請求項1に記載のコークス用配合炭組成決定方法。
    Figure 2013181048
    Figure 2013181048
    ここで、αiは、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭iの配合割合、
    (浸透距離)iは、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭iの浸透距離、
    (logMF)iは、前記調査対象配合炭中の各銘柄の石炭iのlogMF、
    Nは、前記調査対象配合炭を構成する石炭銘柄の総数である。
    Figure 2013181048
    ここで、aは、1.0<logMF<2.5の範囲となる、コークスの原料に用いられ得る少なくとも1つ以上の石炭の、浸透距離と最高流動度(MF)の常用対数値(logMF)との複数の組から原点を通る回帰直線を作成した際の、該回帰直線についての、logMFの変化量に対する浸透距離の変化量の比の値であり、
    加重平均浸透距離は、(3)式で算出された値であり、
    加重平均logMFは、(4)式で算出された値である、但し、(5)式の右辺の値がゼロ以下となる場合には偏差加重平均浸透距離の値は0とする。
  4. 前記浸透距離の測定については、粒径2mm以下に調製した石炭を0.8g/cmの充填密度で容器内に厚さ10mmに充填して試料とし、該試料の上に直径2mmのガラスビーズを配置し、該ガラスビーズに50kPaの荷重を負荷しつつ、3℃/分の加熱速度で550℃まで前記試料を加熱する際に、前記ガラスビーズへ浸透した溶融試料の浸透距離を測定することを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか1項に記載のコークス用配合炭組成決定方法。
  5. 前記説明変数に、石炭の炭化度に関わるパラメーターを加えて、コークス強度を予測することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のコークス用配合炭組成決定方法。
  6. 前記説明変数に、石炭の炭化度に関わるパラメーター及び石炭の軟化溶融性に関わるパラメーターを加えてコークス強度を予測することを特徴とする請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載のコークス用配合炭組成決定方法。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載のコークス用配合炭組成決定方法によって決定された石炭の銘柄と含有割合とに基づいて配合炭を作製し、前記配合炭を乾留してコークスを製造するコークス製造方法。
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