JP6265015B2 - コークス製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉用コークス製造方法に関する。特に安価な石炭をより多く配合しつつも強度を低下させることなくコークスを製造する方法に関するものである。
高炉の通気性を確保し、安定的に操業するために、高炉で用いられるコークスには高強度な品質が求められている。近年では高炉容積の大型化やCO削減を目指した低還元材比で操業するために、益々高強度なコークスが要求されている。
高炉用コークスを製造する際には、多種多様な銘柄の石炭を配合した原料石炭(配合炭)をコークス炉内に装入し、乾留する。コークス炉の中で加熱された原料石炭は、350℃〜500℃の温度域で一旦軟化溶融して、石炭粒子同士が結合した後、再度固化することで強固なコークスを生成する。石炭が軟化溶融する性質のことを粘結性という。
配合炭は、通常、粘結性の高い石炭(粘結炭)と粘結性の低い石炭(非微粘結炭)が十数種類配合された構成となっている。そして、強度の高いコークスを製造するには、ある一定の粘結性が必要とされることから粘結炭を多く配合することが必要である。しかし、良質な粘結炭は高価であり、また資源的に少なくなってきていることから、粘結炭に比べて埋蔵量が多く、かつ安価な非微粘結炭の配合率を高くすることが望まれている。
しかしながら、非微粘結炭のうち、加熱時に全く軟化溶融しない、即ち、粘結性を有しない銘柄の配合率を高くすると、加熱時の石炭粒子同士の融着性が低下するため、コークスの構造が脆弱となる。また、加熱時に軟化溶融するものの、揮発分が高い銘柄の配合率を高くすると、気孔率が高くなることや、再固化時の収縮量が大きいことに起因して、コークス塊内の亀裂を多く生じることにより、ドラム衝撃時の破壊による粉化が著しくなる。結果として、非微粘結炭の配合率を単純に増加させることはコークス強度の低下に繋がる。
このことから、非微粘結炭の配合率を増加させるためには、単に配合率を増加させるのではなく、非微粘結炭の不利な特性を補うような配合方法が必要となる。
例えば、非微粘結炭を核としてその周囲に粘結炭を被覆してなる造粒炭を、配合炭に40質量%以上配合することが提案されている(特許文献1)。特許文献1では、造粒炭を多量に配合するので隣接する造粒炭の粘結炭同士が融着し合い、かつ造粒炭粒子の核となっている非微粘結炭粒子同士が接触し難くなるため、高強度のコークスが得られる。また、粘結炭と非微粘結炭とを用いて造粒炭を作製するため、これら以外の似通った石炭化度を有する銘柄、即ち、軟化溶融する温度範囲の重なりが大きい銘柄同士が多く残り、それらを配合することでも高強度のコークスを製造できる。
特開2007−231066号公報
しかしながら、上記特許文献1では、非微粘結炭に粘結炭を被覆させることで造粒炭を作製しているため、非微粘結炭の配合率を増加させようとした場合には、それに伴って粘結炭の量も増加させる必要がある。したがって、非微粘結炭の配合率を高めることによる、原料炭コストの低減効果は小さい。
従来、非微粘結炭の使用方法としては、粘結炭と非微粘結炭の配合比率を適切化して配合炭とすること、又は、前記配合炭に、非微粘結炭と粘結炭と粘結材とを混合、成型した成型炭を配合して配合炭とすることにより、非微粘結炭を20〜40%使用してきた。
本発明者らは、従来の非微粘結炭の使用方法に上乗せするものとして、非微粘結炭の増使用方法を検討した。
本発明の目的は、コークス強度を低下させることなく、非微粘結炭の配合率を高めるとともに、粘結炭の使用量を低減し得るコークス製造方法を提供することである。
本発明者らは、コークス強度を低下させることなく、非微粘結炭の配合率を高めるとともに、粘結炭の使用量を低減することが可能な手法を検討した結果、揮発分率が大きく異なる少なくとも2種の非微粘結炭を粘結材とともに適正な割合で混合した後、所定の粒度に造粒した成型炭を配合炭に加えて装入炭とすることが有効であることを見出した。
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)装入炭を乾留して、コークスを製造するコークス製造方法であって、粘結炭と非微粘結炭を含む配合炭に、更に、揮発分が20質量%以下の非微粘結炭と、揮発分が34質量%以上の非微粘結炭と、粘結材を、平均揮発分が24質量%以上32質量%以下になるように混合し、造粒した成型炭を加え、前記配合炭と、前記成型炭からなる装入炭を乾留することを特徴とするコークス製造方法。
ここで、非微粘結炭とは、石炭化度の指標であるビトリニット平均反射率Roが0.85%以上、かつ、ギーセラー最高流動度MFが10ddpm以下、又は、ビトリニット平均反射率Roが0.85%以下、かつ、ギーセラー最高流動度MFが50ddpm以下の石炭をいい、粘結炭とは、ビトリニット平均反射率Roが1.00%以上、かつ、ギーセラー最高流動度MFが800ddpm以上、又は、ビトリニット平均反射率Roが1.25%以上、かつ、ギーセラー最高流動度MFが10ddpm以上800ddpm以下の石炭をいう。
(2)前記成型炭は、ディスクにより成型され、直径が5mm以上15mm以下のペレットであることを特徴とする(1)に記載のコークス製造方法。
(3)前記成型炭の含有量が、前記装入炭の合計質量に対し、3質量%以上5質量%以下であることを特徴とする(1)又は(2)に記載のコークス製造方法。
本発明によれば、コークス強度を低下させることなく、安価で資源量の多い非微粘結炭の配合率を高めることが可能となる。それに伴い、高価な粘結炭の使用量が削減され、原料炭コストの低減に寄与できる。
非微粘結炭及び粘結炭のRo及びMFの分布を示す図。 単味石炭の揮発分率と再固化直後の脱揮発分速度の関係を示す図。 2銘柄配合時の脱揮発分速度並びに収縮速度の加成性を示す図。 実験1における、低揮発分の非微粘結炭の配合率(平均揮発分)とロガ指数の関係を示す図。 実験1における、粘結材の添加率とロガ指数の関係を示す図。 実験2における、非微粘結炭配合時のドラム強度指数変化を示す図。 実験3における、造粒物の平均揮発分とドラム強度指数の関係を示す図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本発明は、コークス製造に際して非微粘結炭の有効利用を図る方法であり、その具体的な実施形態について説明する。なお、以降、配合割合などを示す「%」は、特に断りが無い限り「質量%」である。
本実施形態のコークス製造方法は、粘結炭と非微粘結炭を含む配合炭に、更に、揮発分が20質量%以下の非微粘結炭と、揮発分が34質量%以上の非微粘結炭と、粘結材を、平均揮発分が24質量%以上32質量%以下になるように混合し、造粒した成型炭を加え、配合炭と、成型炭からなる装入炭を乾留することを特徴とするものである。
非微粘結炭及び粘結炭のビトリニット平均反射率Ro及びギーセラー最高流動度MFの分布を図1に示す。
図1に示すように、粘結炭は、石炭化度の指標であるビトリニット平均反射率Roが1.00%以上、かつ、ギーセラー最高流動度MFが800ddpm以上、又は、ビトリニット平均反射率Roが1.25%以上、かつ、ギーセラー最高流動度MFが10ddpm以上800ddpm以下のものを指す。
非微粘結炭は、低揮発分のものと高揮発分のものとに大別される。
低揮発分、即ち、石炭化度が高い非微粘結炭は、ビトリニット平均反射率Roが0.85%以上、かつ、ギーセラー最高流動度MFが10ddpm以下のものを指す。
また、高揮発分、即ち、石炭化度が低い非微粘結炭は、ビトリニット平均反射率Roが0.85%以下、かつ、ギーセラー最高流動度MFが50ddpm以下のものを指す。
コークス炉内に装入する配合炭の流動度は、配合によってその都度異なるが、ギーセラー最高流動度MFは、100ddpm〜400ddpm程度が一般的である。
一方、低揮発分の非微粘結炭は、その流動度が上記配合炭の流動度と比較して著しく低く、殆ど軟化溶融しない。このため、低揮発分の非微粘結炭を配合炭に配合すると、配合炭の流動度が著しく低下し、コークス強度が低下する作用を引き起こす。しかし、低揮発分の非微粘結炭は、低揮発分であるため、再固化温度後の収縮が小さいという利点を有している。
また、高揮発分の非微粘結炭は、再固化後の収縮が大きい。このため、高揮発分の非微粘結炭を配合炭に配合すると、コークス塊中に多くの亀裂を生じせしめ、コークス強度が低下する作用を引き起こす。しかし、高揮発分の非微粘結炭は、ギーセラー最高流動度MFが50ddpm〜100ddpm付近の銘柄も多く、また、低揮発分の非微粘結炭と比較して軟化溶融性が高いという利点を有している。
本発明者らは、上記のような、低揮発分の非微粘結炭及び高揮発分の非微粘結炭の特性の違いに着目した。
そして、検討を重ねた結果、図2に示すように、再固化直後のコークス収縮率に影響する脱揮発分速度は、原料となる単味石炭の揮発分率と相関があり、そして、図3に示すように、その相関は2銘柄を配合した混合石炭についてもほぼ成り立つことを見出した。
また、図3に示すように、収縮速度も2銘柄を配合した混合石炭で加成性があることが確認された。
なお、図2及び図3に示す脱揮発分速度は、熱天秤による重量減少の測定結果(昇温速度3℃/min)における重量減少微分曲線の最大値であり、図3に示す収縮速度は、ジラトメータにて再固化から600℃までの収縮量を測定し、1℃あたりの収縮量として算出したものである。
即ち、低揮発分の非微粘結炭と高揮発分の非微粘結炭とを混合し、造粒した造粒物の平均揮発分を配合炭の揮発分と同程度の水準に調整することで、造粒物と配合炭との間の収縮差を小さくすることができ、収縮差に起因する亀裂発生によるコークス強度の低下を抑制することが可能となる。
一方で、コークス強度を維持するには、非微粘結炭を混合して得た造粒物の再固化後の収縮性を、周囲に存在する石炭(配合炭)の収縮性と一致させるだけではなく、コークス化した造粒物が配合炭由来のコークス並みの強度を有していることも必要とされる。
低揮発分の非微粘結炭と高揮発分の非微粘結炭との混合のみでは、軟化溶融性が不足するが、粘結材を添加することで、不足する軟化溶融性を補ったうえで造粒することで、擬似的な粘結炭としての挙動を示し、コークス強度を低下させることなく、非微粘結炭の配合率を向上させることができる。コークス製造用の粘結材としては、石油系重質留分(アスファルト)や石炭系であるコールタール、およびそれらから得られるピッチなどが用いられる。
これらの好適な配合率に対しては、以下の実験1により決定することができる。
〔実験1〕
低揮発分の非微粘結炭、高揮発分の非微粘結炭、及び粘結材を混合し、乾留して得られるコークスの強度を評価した。
この検討で使用した、低揮発分の非微粘結炭、高揮発分の非微粘結炭、及び粘結材の性状を以下の表1に示す。なお、本試験における粘結材は、石油系重質留分を加熱蒸気により熱分解して得られたピッチを用いた。
Figure 0006265015
低揮発分の非微粘結炭及び高揮発分の非微粘結炭は、0.5mm以下にそれぞれ粉砕し、低揮発分の非微粘結炭、高揮発分の非微粘結炭、及び粘結材を所定の配合率で混合した。混合物の配合は、低揮発分の非微粘結炭と、高揮発分の非微粘結炭とを混合するに際して、低揮発分の非微粘結炭を0%、10%、20%、30%、40%及び50%に変動させた。また、粘結材は、外割で添加し、0%、10%及び20%にそれぞれ変動させた。
そして、得られた混合物5gを坩堝内に装入した。装入した試料上には錘を載せた。
次に、300℃に加熱した炉内に、試料が装入された坩堝を入れ、炉内を3℃/minの昇温速度で900℃まで昇温し、その温度で30分保持した。保持後は、窒素流通下で乾式冷却した。これにより、コークスを得た(以下、坩堝コークスという。)。そして、得られた坩堝コークスについて、JIS M8801に記載の手法に従い、ロガ指数を算出した。
具体的には、得られた坩堝コークスを内径200mm、深さ70mm、内周壁に長さ70mm、幅30mmの羽根を2枚対称に取り付けた鉄板製ドラム内に入れ、50rpmの回転速度で5分間回転させる破砕処理を実施した。そして、破砕処理された坩堝コークスを、目開き1mmの篩にて篩分けし、篩上の質量を求めた。この操作を3回繰り返し、次の式(1)を用いてロガ指数を算出した。
Figure 0006265015

上記式(1)中、mは乾留後の坩堝コークスの全質量[g]、mは最初の破砕処理前の篩上全質量[g]、mは最初の破砕処理後の篩上全質量[g]、mは2回目の破砕処理後の篩上全質量[g]、mは3回目の破砕処理後の篩上全質量[g]である。
ここで、強度指標としてロガ指数を用いたのは、粒径が数mmの造粒物や成型物の生地の硬さを評価するのが目的であり、一般的な強度指標として使用されるドラム強度指数だと、コークス塊の破壊、即ち亀裂などの影響が含まれてしまうからである。なお、ロガ指数の値が大きいほど、耐衝撃性が高い、即ち粉化し難いことを意味する。
低揮発分の非微粘結炭の配合率とロガ指数の関係を図4に示す。また、配合率に応じた平均揮発分も併せて示す。
図4に示すように、粘結材を添加しない場合、ロガ指数は、低揮発分の非微粘結炭の配合率が30%付近から急激に低下している。これは、粘結性を有していない低揮発分の非微粘結炭の配合率が高くなったことによるものと推察される。
一方、粘結性を補填するために、粘結材を10%並びに20%の割合で添加した場合、低揮発分の非微粘結炭の配合率が50%に達してもロガ指数の低下は起こらず、ほぼ一定で推移する結果が得られた。
粘結材の添加率とロガ指数の関係を図5に示す。図5は、図4と同じデータを、粘結材の添加率を横軸として示したものである。
図5に示すように、粘結材の添加率は10%及び20%で、ロガ指数がほぼ一定の結果が得られた。この結果から、粘結材の添加率が10%以上になると、ロガ指数の上昇は飽和する傾向があると推察される。したがって、この検討で用いた例では、粘結材の添加率は、10%以上が必要であると評価される。
なお、粘結材の必要な添加率は、用いる石炭の性状によって変化すると考えられるため、適切な値については既述のような予備的検討によって決めておけばよい。
〔実験2〕
次に、非微粘結炭の配合について検討した。
上記表1に示す性状の、低揮発分の非微粘結炭30質量%、高揮発分の非微粘結炭60質量%、及び粘結材10質量%を混合し、直径580mm、深さ98mmの皿型造粒機(パンペレタイザ)を用いて粒度5mm〜10mmに造粒した。なお、低揮発分の非微粘結炭及び高揮発分の非微粘結炭は、0.5mm以下に粉砕したものを使用した。
造粒した造粒物のうちから、10個を無作為に採取し、直径と重量を測定して算出したところ、そのみかけ比重は0.98g/cmであった。
得られた造粒物を、以下の表2に示す配合条件で実機配合炭Aに添加して装入炭を調製した。そして、装入炭を乾留することでコークスを製造した(試験1,2,3)。なお、実機配合炭Aは、非微粘結炭の配合比が20.1%、揮発分率が27.5%、ギーセラー最高流動度MFが263ddpmである。
比較対象として、実機配合炭Aのみを装入炭として、そのまま乾留してコークスを製造した試験を実施した(ベース)。
また、上記製造した造粒物に含まれる成分と同量の低揮発分の非微粘結炭、高揮発分の非微粘結炭及び粘結材を、造粒せずに、粉体のまま実機配合炭Aに添加し、乾留を行うことでコークスを製造した試験を実施した(試験4)。
また、高揮発分の非微粘結炭を配合せずに、低揮発分の非微粘結炭及び粘結材を混合し、造粒した造粒物を実機配合炭Aに添加し、乾留を行うことでコークスを製造した試験を実施した(試験5)。
さらに、低揮発分の非微粘結炭を配合せずに、高揮発分の非微粘結炭及び粘結材を混合し、造粒した造粒物を実機配合炭Aに添加し、乾留を行うことでコークスを製造した試験を実施した(試験6)。
Figure 0006265015
コークス製造条件は以下のとおりである。
装入炭の水分を6.5%に調整し、装入炭(配合炭及び造粒物の総量)50kgを嵩密度760kg/mで乾留容器に充填し、電気加熱式の試験コークス炉にて炭中温度1000℃まで乾留した。乾留後は、窒素流通下で乾式冷却した。これにより、コークスを得た。そして、得られたコークスについて、JIS K2151の記載に従い、ドラム強度指数を測定した。その結果を図6に示す。
図6から明らかなように、実機配合炭Aのみを装入炭として乾留した得られたコークス(ベース)のドラム強度指数は86.1であった。また、低揮発分の非微粘結炭、高揮発分の非微粘結炭及び粘結材を粉体のまま実機配合炭Aに添加して得られたコークス(試験4)は、ベースのドラム強度指数よりも低下した。これは、非微粘結炭の配合率が単に増加したことによるものと推察される。
低揮発分の非微粘結炭と高揮発分の非微粘結炭及び粘結材を混合、造粒した造粒物を所定の割合で基準炭に添加して得られたコークス(試験1,2)は、基準炭と同程度のドラム強度指数を有する結果が得られた。このことから、試験1,2のように配合することで、非微粘結炭の配合率を高めても、コークス強度を維持できることが示された。
一方で、非微粘結炭と粘結材を混合、造粒した造粒物を基準炭に添加して得られたコークスであっても、造粒物中の非微粘結炭が、低揮発分の非微粘結炭のみ、或いは高揮発分の非微粘結炭のみであった場合(試験5,6)では、ベースのドラム強度指数よりも低下した。これは、先述したように、造粒炭中の揮発分率が周囲の配合炭と大きく異なることによるコークス中の構造欠陥が起因したものと推察される。
なお、上記低揮発分の非微粘結炭と高揮発分の非微粘結炭及び粘結材を混合、造粒した場合でも、試験3のように造粒物の配合量が5%を超えと、ドラム強度指数は低下した。
この結果から、コークス強度を維持可能な造粒物の配合率は約5%までと判断される。このうち、装入炭への成型炭の含有量は、装入炭の合計質量に対し、3質量%以上5質量%以下であることが好ましい。3質量%未満では、非微粘結炭の配合率が低く、原料炭コストへの低減効果は小さいためである。また、5質量%を超えると、試験6に示す通り、ドラム強度指数が低下するため、好ましくない。
〔実験3〕
次に、低揮発分の非微粘結炭と高揮発分の非微粘結炭の最適な割合を検討する試験を実施した。
上記表1に示す性状の、低揮発分の非微粘結炭、高揮発分の非微粘結炭、及び粘結材を使用し、配合率を変化させた以外は、上記実験2と同様にして、各成分を混合し、造粒して造粒物を得た。なお、配合率は、以下の表3に示すように、造粒物中の粘結材の配合率を10%に固定し、低揮発分の非微粘結炭及び高揮発分の非微粘結炭の配合率をそれぞれ変化させることで平均揮発分を変更した(配合A〜J)。
Figure 0006265015
得られた造粒物を、上記実験2の試験1と同様の配合条件で実機配合炭Bに添加して装入炭を調製した。そして、装入炭を乾留することでコークスを製造した。なお、実機配合炭Bは、非微粘結炭の配合比が23.4%、揮発分率が28.1%、ギーセラー最高流動度MFが244ddpmである。
造粒物の平均揮発分率とドラム強度指数の関係を図7に示す。
図7に示すように、ベースとなる、実機配合炭Bのみを装入炭として乾留して得られたコークスのドラム強度指数は85.3であった。
得られた各コークスの結果から、平均揮発分が高すぎても低すぎてもドラム強度指数は低下する傾向となった。この傾向は、前述した実験2における、造粒物中の非微粘結炭が、低揮発分の非微粘結炭のみ、或いは高揮発分の非微粘結炭のみであった場合(試験5,6)のコークス強度がベースのコークス強度に及ばなかったことと対応する。
ベースであるドラム強度指数85.3を上回る揮発分の範囲は24%〜32%程度であり、この揮発分の範囲となるように、低揮発分の非微粘結炭と高揮発分の非微粘結炭とを混合することで、コークス強度を維持できることが示された。
これらの結果より、低揮発分の非微粘結炭と高揮発分の非微粘結炭と粘結材とを好適範囲になるように混合し、造粒して成型炭とすることで、低揮発分の非微粘結炭と高揮発分の非微粘結炭とを近接させる。そして、この成型炭を配合炭に加え、配合炭と成型炭からなる装入炭を乾留することで、コークス強度を低下させることなく、安価で資源量の多い非微粘結炭の配合率を高めることが可能となる。それに伴い、高価な粘結炭の使用量が削減され、原料炭コストの低減に寄与できる。
なお、上記実験では、成型炭の製造に際して、低揮発分の非微粘結炭、高揮発分の非微粘結炭及び粘結材の混合物を近接させるための手法として、皿型造粒機(パンペレタイザ)を用いてペレットを製造したが、ブリケットマシンを用いてブリケットとしてもよい。
ペレットは、ブリケットに比べて生産性は劣るが、そのぶん装置的には小規模で済み、なおかつ偏析による強度バラつきを抑えた条件下で非微粘結炭を増配することができるという利点がある。また、ペレットは、粘結材以外の成分を全て非微粘結炭のみで構成することができるところも優位点として挙げられる。成型炭をペレットとする場合には、ディスクにより成型し、ペレットの直径を5mm以上15mm以下とすることが好ましい。
また、ブリケットは、40mm×40mm×20mm程度の大きさのものが一般的であり、生産性の面からもサイズの大きいほうが優位であるが、小さいサイズのブリケットを製造することも可能である。その一方で、ブリケットは、コークス炉に装入する際に偏析が起こり、強度バラつきの原因となる。また、ブリケットは、サイズが大きく、配合比も高いため、自身の強度及び周囲粉炭との接着性が高いレベルで要求されるため、ブリケット内の比率で、粘結炭:非微粘結炭=3:7程度の配合をする必要があり、粘結炭を使用しなければならない。このため、成型炭はペレットとすることが特に好ましい。

Claims (3)

  1. 装入炭を乾留して、コークスを製造するコークス製造方法であって、
    粘結炭と非微粘結炭を含む配合炭に
    更に、揮発分が20質量%以下の非微粘結炭と、揮発分が34質量%以上の非微粘結炭と、粘結材を、平均揮発分が24質量%以上32質量%以下になるように混合し、造粒した成型炭を加え、
    前記配合炭と、前記成型炭からなる装入炭を乾留することを特徴とするコークス製造方法。
    ここで、非微粘結炭とは、石炭化度の指標であるビトリニット平均反射率Roが0.85%以上、かつ、ギーセラー最高流動度MFが10ddpm以下、又は、ビトリニット平均反射率Roが0.85%以下、かつ、ギーセラー最高流動度MFが50ddpm以下の石炭をいい、粘結炭とは、ビトリニット平均反射率Roが1.00%以上、かつ、ギーセラー最高流動度MFが800ddpm以上、又は、ビトリニット平均反射率Roが1.25%以上、かつ、ギーセラー最高流動度MFが10ddpm以上800ddpm以下の石炭をいう。
  2. 前記成型炭は、ディスクにより成型され、直径が5mm以上15mm以下のペレットであることを特徴とする請求項1に記載のコークス製造方法。
  3. 前記成型炭の含有量が、前記装入炭の合計質量に対し、3質量%以上5質量%以下であることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のコークス製造方法。
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