JP6075354B2 - コークスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、低石炭化度非微粘結炭を使用して、高炉用コークスを製造する方法に関する。
高炉操業に使用されるコークスは、多種の石炭を粉砕・配合した後、コークス炉に装入して、炉内で乾留して製造される。このようなコークスには、高炉内の通気性を確保するために、所要の強度が求められる。一方、コークス用原料において、良質な強粘結炭は、資源的に枯渇状態にあるのに対して、粘結性の劣る非微粘結炭は、埋蔵量が豊富であり、安価に入手できることから、非微粘結炭を用いて、必要な強度を有するコークスを製造する方法が多く提案されている。
特許文献1には、活性成分に富んだ石炭を粗く粉砕し、非微粘結炭のように活性成分に富まない石炭を細かく粉砕して、配合原料とし、乾留してコークスを製造する方法が開示されている。
また、特許文献2には、粘結炭や非微粘結炭に限らず、石炭中に粗大なイナート成分があると、コークス強度を低下させる要因になるので、1.5mm以上の粗大イナート成分を強粉砕する粉砕工程を含む高炉用コークスの製造方法が開示されている。
このように、非微粘結炭を使用して高強度のコークスを製造する場合、石炭を強粉砕する手法を採用することが多い。そのため、非微粘結炭を強粉砕して、コークス強度を向上させるに当たり、コークス強度をより向上させる粉砕方法が望まれている。
そのような要望に対し、強粉砕の際、低石炭化度の非微粘結炭及び配合炭の全膨張率に応じて、それの粉砕粒度を適切な範囲にする方法が特許文献3に開示されている。すなわち、特許文献3には、全膨張率20%未満の低イナート低石炭化度炭を、配合炭の全膨張率40%以上の場合、粉砕粒度3mm篩下82質量%以上に粉砕し、配合炭の全膨張率40%未満の場合、粉砕粒度3mm篩下72〜78%に粉砕する方法が開示されている。
一方、近年、石炭価格の高騰などを背景として、これまでコークスの製造原料として使用されなかった全膨張率が0%の非微粘結炭の使用が求められているところ、特許文献3には、全膨張率20%未満の低石炭化度炭を対象とした技術であると記載されているものの、全膨張率0%の低石炭化度炭について調査した事例は記載されていない。そのため、特許文献3に開示された技術は、実質的に、全膨張率0%の低石炭化度の非微粘結炭を考慮されたものではない。
そして、低石炭化度の非微粘結炭は、一般に、強粉砕することにより、その内部に生成されるクラックのサイズが小さくなり、コークス強度が上昇するため、粉砕粒度を小さくすることが望ましい。一方、粉砕粒度をある境界値を超えて小さくすると、コークス強度の上昇が妨げられることが知られている。しかし、上述のように、全膨張率0%の低石炭化度の非微粘結炭において、コークス強度を向上させる粉砕粒度の上限は、検討されておらず、全膨張率0%の低石炭化度の非微粘結炭の粉砕において、コークス強度を向上させるための最適な粉砕粒度について知見がなく、コークス強度の向上を図ることができなかった。
特開昭56−032587号公報 特開2008−297385号公報 特開2013−006958号公報
本発明は、このような実情に鑑み、低石炭化度非微粘結炭を使用するコークスの製造方法において、全膨張率0%の低石炭化度非微粘結炭を使用しても、最適な粉砕により強度の高いコークスを安定的に製造できる方法を提供することを課題とする。
まず、本発明者らは、全膨張率が0%で、銘柄の異なる低石炭化度非微粘結炭を区別するため、特許第4691212号に開示の手法を用いて、全膨張率0%の低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積を測定して、区別した。
これらの低石炭化度非微粘結炭のうち、ある高速昇温膨張比容積の石炭において、配合炭の全膨張比容積と石炭充填嵩密度の積(配合炭の空隙充填度)を変え、最もコークス強度が高くなるときの粉砕粒度(最適な粉砕粒度)を調査したところ、配合炭の空隙充填度によって、最適な粉砕粒度があることを発見した。これより、全膨張率0%の低石炭化度非微粘結炭の最適な粉砕粒度に対して、空隙充填度を指標にすることができるとの知見を得た。
次に、銘柄の異なる低石炭化度非微粘結炭において、配合炭の空隙充填度を一定にして、最適な粉砕粒度を調査したところ、銘柄の異なる低石炭化度非微粘結炭毎に、最適な粉砕粒度があることを発見した。これより、全膨張率0%の低石炭化度非微粘結炭の最適な粉砕粒度に対して、低石炭化度非微粘結炭の膨張比容積を指標にすることができるとの知見を得た。
そこで、本発明者らは、これら知見に基づき、低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積と、配合炭の空隙充填度と、最適な粉砕粒度との関係について整理し、この関係を利用することで、使用する全膨張率0%の低石炭化度非微粘結炭の最適な粉砕粒度を決定することができることを見出し、本発明を完成させた。
このような検討を通してなされた本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)低石炭化度非微粘結炭が配合された配合炭を、コークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、
前記低石炭化度非微粘結炭は、揮発分が30質量%以上、ビトリニット反射率が0.9以下である石炭のうち、JIS M 8801で規定される方法によって測定される全膨張率が0%の石炭であり、
前記低石炭化度非微粘結炭の銘柄毎に、6℃/min以上の昇温速度で測定した高速昇温膨張比容積を求め、
前記低石炭化度非微粘結炭の銘柄毎に、配合炭の全膨張比容積と石炭充填嵩密度の積の値を変化させて、最もコークス強度が高くなる粉砕粒度を求め、
前記粉砕粒度毎に、前記低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積と、前記配合炭の全膨張比容積と石炭充填嵩密度の積との関係を予め求めておき、
使用する低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積と、操業条件から決まる配合炭の全膨張比容積と石炭充填嵩密度の積とに応じて、前記関係から粉砕粒度を決定し、
前記使用する低石炭化度非微粘結炭を、前記決定した粉砕粒度になるように粉砕することを特徴とするコークスの製造方法。
本発明によれば、低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積及び配合炭の空隙充填度を指標とする、最適な粉砕粒度の関係を予め求めておくことで、全膨張率0%の低石炭化度非微粘結炭を使用する際に、粉砕粒度の検討試験を行うことなく、最適な粉砕粒度を決定することができ、強度の高いコークスを安定的に製造できる。
配合炭の空隙充填度、最適な粉砕粒度、低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積の関係を示す図である。
以下、本発明のコークスの製造方法について説明する。
本発明者らは、JIS M 8801で規定される方法(ジラトメータ法)によって測定される全膨張率0%の低石炭化度非微粘結炭(以下、「全膨張率0%の低石炭化度非微粘結炭」という)を使用して、安定的に強度の高いコークスを製造するには、銘柄の異なる低石炭化度非微粘結炭を、コークス強度と所定の相関を有する膨張性によって、区別する必要があると考えた。このような、全膨張率が0%の低石炭化度非微粘結炭の膨張性を、膨張比容積で区別する方法が、特許第4691212号に開示されている。
この膨張比容積の測定方法は、特許第4691212号で詳細に説明されているので、膨張比容積の測定方法に関しては、簡潔に説明する。また、この膨張比容積の測定方法は、石炭の軟化時の昇温を高速昇温させるものであるため、この測定方法により測定された膨張比容積を、以下、「高速昇温膨張比容積」という。
高速昇温膨張比容積の測定方法に従い、全膨張率0%の3種類の低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積を測定した。まず、低石炭化度非微粘結炭を細管に入れ、この細管にピストンを挿入し、石炭の軟化時の昇温速度が12℃/minになるように石炭を加熱し、ピストンの変位量を測定した。そして、この変位量から膨張率から求め、この膨張率から軟化時の高速昇温膨張比容積を求めた。表1に、いずれも全膨張率が0%の低石炭化度非微粘結炭について、測定された高速昇温膨張比容積を示す。
Figure 0006075354
このように、ジラトメータ法により測定される全膨張率では区別できない低石炭化度非微粘結炭の膨張性の差が明確となった。
次に、低石炭化度非微粘結炭と、コークス強度と所定の相関関係を有する配合炭の全膨張比容積と石炭充填嵩密度の積(以下、「配合炭の空隙充填度」という)との関係について、低石炭化度非微粘結炭を別の石炭と配合して配合炭とし、乾留して試験コークスを製造し、試験コークスの強度を測定して、最もコークス強度が高くなるときの粉砕粒度(以下、「最適な粉砕粒度」という)を調査することで、検討した。
空隙充填度は、石炭粒子の膨張による空隙の充填度を示すパラメーターであり、石炭粒子同士の接着性を示すものである。空隙充填度を求める際の膨張比容積は、膨張時の石炭体積と装入石炭質量との比で定義されるものであり、膨張時の石炭体積の測定はJIS M 8801に規定されている装置を使用して行うことができる。そして、配合炭の全膨張比容積は、配合炭中の各石炭の膨張比容積の加重平均値とし、各石炭の膨張比容積は3℃/minにて測定した。
コークス強度は、コークスをJIS K2151記載のドラム試験機により150回転した後、15mmふるい上のコークスの百分率DI150 15を実測して求めた。なお、コークス強度DI150 15を、以下ではコークス強度DIと簡略化して記載する。
(空隙充填度と低石炭化度非微粘結炭の最適な粉砕粒度との関係)
表1に示す、低石炭化度非微粘結炭のうち、高速昇温膨張比容積が1.9cm3/gのA炭を、インパクトクラッシャーにて、3mm以下の比率を75%、85%、95%になるように粉砕し、それぞれ、別の石炭とともに混合して配合炭とし、配合炭の空隙充填度を1.1として、試験コークス炉で乾留して試験コークスを製造した。
試験コークスのコークス強度DIを測定すると、A炭を3mm以下の比率95%に粉砕した場合に、コークス強度が一番高かった。これより、全膨張率0%の低石炭化度非微粘結炭であっても、粉砕粒度3mm以下の比率95%とすることで、より強度の高いコークスを製造可能であることがわかった。従って、粉砕粒度3mm以下の比率95%がより強度の高いコークスを製造可能な粉砕粒度(以下、「最適な粉砕粒度」と記載する場合がある)であることがわかった。
次に、配合炭を構成する単味炭の銘柄及び配合比を変え、配合炭の空隙充填度を変えて検討した。A炭を、インパクトクラッシャーにて、3mm以下の比率を75%、85%、95%になるように粉砕し、それぞれ、別の石炭とともに混合して配合炭とし、配合炭の空隙充填度を1.0以下として、試験コークス炉で乾留して試験コークスを製造した。
試験コークスのコークス強度DIを測定すると、配合炭の空隙充填度が1.0以下において、3mm以下の比率85%に粉砕した場合に、コークス強度が一番高かった。
このように、全膨張率0%の低石炭化度非微粘結炭であっても、空隙充填度によって、最適な粉砕粒度に違いがあり、また、空隙充填度が小さくなるとともに、最適な粉砕粒度が大きくなった。空隙充填度を小さくしたときに、最適な粉砕粒度が大きくなったのは、粉砕粒度を小さくすること、すなわち低石炭化度非微粘結炭を微細にすることで、配合炭の膨張性が低下したために、配合炭の空隙を、配合炭の膨張で充分に埋めることができなくなり、コークス強度が低下すると考えられる。これにより、低石炭化度非微粘結炭の最適な粉砕粒度に対して、空隙充填度を指標とすることができることが確認できた。
(低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積と最適な粉砕粒度との関係)
表1に示す、低石炭化度非微粘結炭のうち、高速昇温膨張比容積が1.4cm3/gのB炭を、インパクトクラッシャーにて3mm以下の比率を75%、85%、91%になるように粉砕し、それを別の石炭とともに混合して配合炭とし、配合炭の空隙充填度を約1.1として、試験コークス炉で乾留して試験コークスを製造した。
試験コークスのコークス強度DIを測定すると、3mm以下の比率91%に粉砕した場合に、コークス強度が一番高かった。A炭及びB炭において、配合炭の空隙充填度が1.1の場合、試験コークスの最適な粉砕粒度が、A炭では3mm以下の比率95%であり、B炭では3mm以下の比率91%であった。これにより、低石炭化度非微粘結炭の最適な粉砕粒度に対して、低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積を指標とすることができることが確認できた。
さらに、表1に示す、低石炭化度非微粘結炭のうち、高速昇温膨張比容積が1.3cm3/gのC炭を、インパクトクラッシャーにて、3mm以下の比率を75%、85%、95%になるように粉砕し、それを別の石炭とともに混合して配合炭とし、配合炭の空隙充填度を0.9、1.4及び2.2として、試験コークス炉で乾留して試験コークスを製造した。そして、試験コークスのコークス強度DIを測定し、それぞれの配合炭の空隙充填度において、最適な粉砕粒度として求めた。
その結果、配合炭の空隙充填度が0.9のとき、3mm以下の比率75%に粉砕した場合に、配合炭の空隙充填度が1.4のとき、3mm以下の比率85%に粉砕した場合に、配合炭の空隙充填度が2.2のとき、3mm以下の比率95%に粉砕した場合に、コークス強度が一番高かった。
上記のA炭、B炭及びC炭における検討結果をもとに、配合炭の空隙充填度を、最適な粉砕粒度毎に、低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積との関係で整理した。図1に、配合炭の空隙充填度、最適な粉砕粒度、低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積の関係を示す。
以上、検討結果をまとめると、以下の通りである。
全膨張率0%の低石炭化度非微粘結炭において、配合炭の空隙充填度の増加とともに、また、低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積の低下とともに、最適な粉砕粒度が小さくなる。全膨張率0%の低石炭化度非微粘結炭を用いてコークスを製造する際に、配合炭の空隙充填度、低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積、及び、最適な粉砕粒度の関係を利用することで、低石炭化度非微粘結炭の最適な粉砕粒度を決定することができ、強度の高いコークスを安定的に製造できる。
本発明は、以上のような検討過程を経て上記(1)に記載の発明に至ったものであり、そのような本発明について、以下の(a)〜(e)の構成に分け、必要な要件や好ましい要件について順次説明する。
(a)低石炭化度非微粘結炭の物性
(b)低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積の求め方
(c)低石炭化度非微粘結炭の銘柄毎に、配合炭の空隙充填度を変化させた際の最適な粉砕粒度の求め方
(d)最適な粉砕粒度毎の、高速昇温膨張比容積と、配合炭の空隙充填度との関係の求め方
(e)使用する低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積と、操業条件から決まる配合炭の空隙充填度とに応じた、(d)の関係からの粉砕粒度の決め方
[低石炭化度非微粘結炭の物性]
(揮発分:30質量%以上、ビトリニット反射率:0.9以下)
低石炭化度非微粘結炭は、単独で加熱しても粘結性を示さない、又は、示してもその程度は、ごく僅かである石炭化度の低い石炭を示すが、本発明の低石炭化度非微粘結炭は、石炭化度を示す指標である揮発分が30質量%以上、ビトリニット反射率Roが0.9以下のものである。揮発分は、JIS M 8812で規定される方法、ビトリニット反射率は、JIS M 8816で規定される方法で測定することができる。
(全膨張率:0%)
低石炭化度非微粘結炭は、上記の揮発分及びビトリニット反射率を満たすもののうち、JIS M 8801で規定される方法により測定して、全膨張率が0%の石炭である。この測定方法は、成型炭を反応管に装入し、その上部にピストンを載置し、その容器を加熱して、成型物の上端の上昇量をピストンの変位量から読み取り、成型物の最初の長さに対する、ピストンの変位量の分率を求め、この分率を全膨張率とするものである。このような、低石炭化度非微粘結炭は、非微粘結炭の中でも、埋蔵量が多く、安価に入手できることから採用する。
[低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積の求め方]
低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積は、特許第4691212号に開示されている測定方法に従い測定する。具体的には、上述のように、低石炭化度非微粘結炭を細管に入れ、この細管にピストンを挿入し、石炭の軟化時の昇温速度が6℃/min以上になるように石炭を加熱し、ピストンの変位量を測定し、この変位量から膨張率から求め、この膨張率から軟化時の高速昇温膨張比容積を求める。
また、高速昇温膨張比容積は、図1に示す関係を予め求める際に、昇温速度を同じにして、測定されれば、測定の際の昇温速度は、特に限定されない。ただし、細管に入れた石炭を極力均一に昇温するという観点から、昇温速度は6〜12℃/minが好ましい。
[低石炭化度非微粘結炭の銘柄毎に、配合炭の空隙充填度を変化させた際の最適な粉砕粒度の求め方]
低石炭化度非微粘結炭を、粉砕機によって、種々の粉砕粒度になるように粉砕し、それぞれ、別の石炭と配合された配合炭とし、配合炭の空隙充填度を変化させて、コークス炉で乾留してコークスを製造する。次に、製造されたコークスのコークス強度DIを測定し、配合炭の空隙充填度毎に、最適な粉砕粒度を求める。そして、他の銘柄の低石炭化度非微粘結炭に関しても同様な手順により、配合炭の空隙充填度毎に最適な粉砕粒度を求める。
(低石炭化度非微粘結炭の粉砕)
粉砕は、インパクトクラッシャーなどの粉砕機を用いて粉砕する。粉砕方法については、特に限定されない。粉砕粒度は、3mm以下の比率75〜95%が好ましい。3mm以下の比率75%未満では、コークス強度の低下を引き起こし易くなり、一方、3mm以下の比率95%超では、所要とする電力量の増加や微粉の増加による粉塵の発生につながり易くなる。
(配合炭)
配合炭は、低石炭化度非微粘結炭を、所定の粉砕粒度に粉砕された複数の別の石炭と配合したものである。低石炭化度非微粘結炭と、別の石炭の合計との配合割合は、低石炭化度非微粘結炭5〜30質量%、別の石炭の合計70〜95質量%が例示される。なお、図1の作成では、低石炭化度非微粘結炭25質量%、別の石炭の合計75質量%とした。
別の石炭は、特に限定されないが、必要なコークス強度を確保するという観点から、強粘結炭を含む通常の石炭(石炭の加重平均全膨張率ΣTD=50〜100%、石炭の加重平均揮発分量定量ΣVM=26〜29dry%)を、3mm以下の比率を60%〜95%の粒度に粉砕したものが例示される。
(空隙充填度)
空隙充填度は、1.0よりも低い条件では、装入時に存在する石炭粒子間の空隙が、石炭の膨張により充填しきれず、石炭粒子間の空隙が欠陥となって残り、低強度のコークスとなりやすい。また、空隙充填度は、1以上の条件では、装入時に存在する石炭粒子間の空隙が、石炭の膨張により完全に充填されており、欠陥が存在せず強度は一定となりやすい。ただし、実際のコークス炉では、装入嵩密度や石炭の性状にばらつきがあることを考慮すると、1.1程度以上とすることが好ましい。一方、上限としては、特に限定されないが、使用可能な在庫石炭の制限などから、1.6程度が現実的である。
[最適な粉砕粒度毎の、高速昇温膨張比容積と、配合炭の空隙充填度との関係の求め方]
上述のように求められた、低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積に対する所定の配合炭の空隙充填度における最適な粉砕粒度を、図1に示すように整理する。すなわち、最適な粉砕粒度毎に、2次関数などで近似式を求めて、近似曲線を作成し、高速昇温膨張比容積と、配合炭の空隙充填度との関係の図を作成する。
[使用する低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積と、操業条件から決まる配合炭の空隙充填度とに応じた、(d)の関係からの粉砕粒度の決め方]
使用する低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積を上述の方法によって測定する。その測定された高速昇温膨張比容積と、操業条件から決まる配合炭の空隙充填度とから、上述の関係図を用いて、粉砕粒度を決定する。ただし、配合炭の空隙充填度は、実際のコークス炉では、予定している操業条件によってほぼ決定されるので、使用する低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積が求まれば、最適な粉砕粒度を求めることができる。
また、この関係図において、使用する低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積と、操業条件から決まる配合炭の空隙充填度との交点に、最適な粉砕粒度をつないだ曲線がない範囲、すなわち最適な粉砕粒度をつないだ曲線と曲線の間の範囲においては、次のようにして粉砕粒度を求める。最適な粉砕粒度をつないだ曲線の間を、上下の曲線の最適な粉砕粒度の数値の差分によって等分し、前記交点においける最適な粉砕粒度を求める。
ただし、最適な粉砕粒度をつないだ曲線の間や、図示していない、空隙充填度が高い部分や低い部分に関して、最適な粉砕粒度を決めるためには、配合炭の空隙充填度、最適な粉砕粒度、低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積の関係を実験により求め、その関係を用いることが、正確に粉砕粒度を決定する上で、好ましい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
表2に、低石炭化度非微粘結炭(D炭)と別の石炭を配合した配合炭の粒度、水分、石炭の加重平均全膨張率ΣTD、石炭の加重平均揮発分量定量ΣVMを示す。表3に、低石炭化度非微粘結炭の全膨張率、高速昇温膨張比容積、配合炭の空隙充填度を示す。低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積は、昇温速度を12℃/minとして測定した。
そして、低石炭化度非微粘結炭の粉砕粒度が3mm以下の比率75%、85%、95%になるように粉砕し、各粒度のD炭のそれぞれについて、別の石炭を75質量%、D炭を25質量%として配合して配合炭とし、試験コークス炉に装入して、コークスを得た。
表3に、得られたコークスのコークス強度DIを示す。これより、低石炭化度非微粘結炭の粉砕粒度を3mm以下の比率95%に粉砕したとき、コークス強度が最大であった。図1において、低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積が1.6、配合炭の空隙充填度が1.2のとき、最適な粉砕粒度は3mm以下の比率95%であり、実験結果と一致している。
Figure 0006075354
Figure 0006075354
以上より、予め、配合炭の空隙充填度、最適な粉砕粒度、低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積の関係を求め、この関係を利用することで、コークス強度を高くすることができる、粉砕粒度の上限を求めることができる。
本発明によれば、低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積及び配合炭の空隙充填度を指標とする、最適な粉砕粒度の関係を作成することで、全膨張率0%の低石炭化度非微粘結炭を使用する際に、粉砕粒度の検討試験をせずとも、最適な粉砕粒度を決定することができる。よって、本発明は、産業上の利用可能性が高いものである。

Claims (1)

  1. 低石炭化度非微粘結炭が配合された配合炭を、コークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、
    前記低石炭化度非微粘結炭は、揮発分が30質量%以上、ビトリニット反射率が0.9以下である石炭のうち、JIS M 8801で規定される方法によって測定される全膨張率が0%の石炭であり、
    前記低石炭化度非微粘結炭の銘柄毎に、6℃/min以上の昇温速度で測定した高速昇温膨張比容積を求め、
    前記低石炭化度非微粘結炭の銘柄毎に、配合炭の全膨張比容積と石炭充填嵩密度の積の値を変化させて、最もコークス強度が高くなる粉砕粒度を求め、
    前記粉砕粒度毎に、前記低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積と、前記配合炭の全膨張比容積と石炭充填嵩密度の積との関係を予め求めておき、
    使用する低石炭化度非微粘結炭の高速昇温膨張比容積と、操業条件から決まる配合炭の全膨張比容積と石炭充填嵩密度の積とに応じて、前記関係から粉砕粒度を決定し、
    前記使用する低石炭化度非微粘結炭を、前記決定した粉砕粒度になるように粉砕することを特徴とするコークスの製造方法。
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