JP6241336B2 - 高炉用コークスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉用コークスの製造方法に関し、詳しくは、コークス強度を維持しながら、大きな粒径のコークスを得ることができる高炉用コークスの製造方法に関する。
一般に、製鉄プロセスでは、高炉の上部から焼結鉱や鉄鉱石などの鉄含有原料とコークスとを交互に装入し、高炉の下部から熱風を吹き込むことで、コークスをガス化して一酸化炭素や水素などを含んだ高温ガスを発生させて、鉄含有原料を加熱溶融しつつ、還元反応により銑鉄を得る。
このように高炉用コークスには、鉄含有原料を加熱溶融するための熱源、鉄含有原料を還元して鉄分を取り出すための還元材、及び、高炉中での高温ガスや溶けた鉄の通路を確保するための通気・通液材としての役割がある。従って、高炉内での通気・通液が確保されるようにするために、高炉用コークスは高強度であると共に、粒径が大きいことが有利である。
通常、コークスを製造する際には、銘柄の異なる石炭を複数組み合わせて配合炭とし、コークス炉において高温で長時間乾留することで、高炉で要求されるような所望のコークス強度を有するコークスを得るようにしている。ところが、製造されるコークスの粒度は、用いる石炭の特性によっても変わってしまう。特に、近年では、非微粘結炭のような安価な石炭の使用量を増やすことで、コークス製造のコストを抑えるようにするが、品質が劣る石炭を配合することで、コークス粒度は低下する傾向にある。
そこで、従来、配合炭に粉コークスを添加することで、得られるコークスの粒径を制御する方法や(特許文献1参照)、粉コークスと共に石油系ピッチを配合炭に添加する方法(特許文献2参照)が知られている。しかしながら、配合炭に粉コークスを添加することによって、コークス粒度は拡大するものの、コークス強度は逆に低下してしまう。特許文献2のように、石油系ピッチなどの添加材を加えることで、粉コークス添加によるコークス強度の低下をある程度抑制することはできるが、高い強度を有して粒径を拡大させたコークスを安定して製造するのは難しい。
また、通常タールよりも軟化点が高いタール重質留分、ソフトピッチ、石油ピッチ等の粘結材を配合炭に対する割合で2〜10質量%添加することで、粒径が大きなコークスを製造する方法も知られている(特許文献3参照)。この方法は、上記のような粘結材を添加して配合炭の再固化温度を上昇させることにより、コークス炉内での収縮量を低減させ、また、軟化溶融過程での石炭粒子同士の接着を高めて、亀裂の発生や伝播を抑制して得られるコークス粒径の向上を図るものである。
特開昭60−69192号公報 特開平6−17056号公報 特開2008−120973号公報
上述したように、コークス強度を高めたり、粒径の大きなコークスを製造する上で、配合炭に粘結材を添加することは知られている。しかしながら、粘結材がもたらすコークスの強度を維持しながら、粒径を拡大させることについて、これまでに検討はなされていない。
すなわち、従来の高炉用コークスの製造方法では、配合炭に粘結材を添加してコークス炉に装入し、乾留してコークスを製造している。例えば上記特許文献2及び3においては、いずれも配合炭に対する割合で10質量%以下で粘結材を添加し(特許文献2の段落0021、特許文献3の段落0063参照)、コークス炉に装入してコークスを得るようにしている。ところが、本発明者らが得た知見によれば、複数銘柄の石炭を含む配合炭における粘結材の働きに着目すると、添加材によるコークス強度を維持しながら、粒径を拡大させることについては、更に改善の余地があることが分かった。
そこで、本発明の目的は、粘結材の添加によって、コークス強度を維持しながら、粒径の大きなコークスを得ることができる高炉用コークスの製造方法を提供することにある。
本発明者らは、高炉用コークスの製造における粘結材の添加について詳細な検討を重ねた結果、従来のように、配合炭に対して粘結材をまとめて添加するのではなく、所定の粘結性を有する低石炭化度炭に粘結材を選択的に添加するようにし、しかも、添加対象の低石炭化度炭に対する割合で粘結材の添加量を決定するようにすることで、コークス強度を維持しながら、粒径の大きなコークスが得られるようになることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は以下に記したとおりである。
(1)少なくとも平均反射率が0.65%以上0.9%以下の低石炭化度炭と平均反射率が0.9%超の高石炭化度炭とを配合した配合炭をコークス炉に装入して、高炉用コークスを製造する方法において、平均反射率が前記の低石炭化度炭の範囲に含まれる銘柄の石炭に対する割合で5質量%以上15質量%以下の粘結材が添加された状態で、該銘柄の石炭と粘結材とを粘結材の軟化点以上350℃以下の範囲に加熱して混練したうえで、配合炭を構成する残りの石炭と配合して、コークス炉に装入することを特徴とする高炉用コークスの製造方法。
(2)平均反射率が前記の低石炭化度炭の範囲に含まれる石炭が複数銘柄存在し、そのうちの少なくとも1つ又は2つ以上の銘柄の石炭について、1銘柄の石炭に対する割合で5質量%以上15質量%以下の粘結材が添加された状態で加熱し混練して、配合炭を構成する残りの石炭と配合する(1)に記載の高炉用コークスの製造方法。
(3)粘結材を添加する前記の低石炭化度炭が、JIS M8801による最高流動度が10ddpm以上である(1)又は(2)に記載の高炉用コークスの製造方法。
(4)粘結材の揮発分が60質量%以下である(1)〜(3)のいずれかに記載の高炉用コークスの製造方法。
(5)粘結材が石炭系粘結材である(1)〜(4)のいずれかに記載の高炉用コークスの製造方法。
(6)粘結材が添加された状態で加熱し混練した低石炭化度炭を10mm以下の大きさに解砕した後、配合炭を構成する残りの石炭と配合する(1)〜(5)のいずれかに記載の高炉用コークスの製造方法。
本発明によれば、所定の粘結性を有する低石炭化度炭に対して選択的に粘結材を添加することで、コークス強度を維持しながら、粒径の大きなコークスを得ることができるようになる。例えば、同量の粘結材を使用する場合で比較しても、本発明による方法で製造したコークスは、従来のように配合炭に粘結材を添加して得たコークスよりも強度の維持と粒径拡大との両立が図られ、粘結材の働きを効率良く引き出すことができる。そのため、本発明の方法は、粘結炭に比べて品質の劣る安価な石炭の増使用が進む高炉用コークスの製造において、極めて有用である。
図1は、配合炭における粘結材の添加の様子を模式的に示す図である。 図2は、粘結材の添加によるコークスの強度指数と粒度の改善の様子を表す概念図である。 図3は、コークス製造試験1〜4で得られた各試験用コークスの平均粒度と低石炭化度炭Aの配合率との関係を示すグラフである。 図4は、コークス製造試験1〜4で得られた各試験用コークスのドラム強度指数と低石炭化度炭Aの配合率との関係を示すグラフである。
以下、本発明について詳細に説明する。
先ず、本発明では、少なくとも平均反射率が0.65%以上0.9%以下の低石炭化度炭と平均反射率が0.9%超の高石炭化度炭とを配合した配合炭をコークス炉に装入して、高炉用コークスを製造する方法として、図1(1)に示したように、平均反射率が0.65%以上0.9%以下の低石炭化度炭と平均反射率が0.9%超の高石炭化度炭とを配合した際に、平均反射率が0.65%以上0.9%以下の低石炭化度炭側に粘結材を添加して、コークスを得る場合(すなわち、平均反射率が0.65%未満の石炭を配合しない場合)を例に挙げて説明する。
本発明者らのこれまでの知見によれば、コークス粒度を拡大するには、強度指数(DI150 15)を改善する場合と比較して多量の粘結材を添加する必要がある。ここで、強度指数(DI150 15)は、JIS K 2151に基づき測定することができる。
ところが、図2に示した概念図のように、粘結材の添加量に対して、コークス粒度の拡大と強度指数の向上とは必ずしも一致せず、添加材を多く添加してコークス粒度をより大きくすると、逆にコークス強度は低下してしまうことが新たに判明した。これは、コークス炉に装入した装入炭の揮発分が増えて、コークスの気孔率が上昇してコークスの強度指数が低下するためと考えられる。
そこで、本発明の高炉用コークスの製造方法では、従来のように配合炭に粘結材を添加するのではなく、所定の粘結性を有する低石炭化度炭に対して、粘結材を選択的に添加することにより、コークス強度を維持しながら、粒径の大きなコークスを得ることができることを新たに見出した。
詳細には、本発明者らは、粘結材添加によるコークス粒度の拡大効果は、平均反射率が0.65%以上0.9%以下の低石炭化度炭の場合が大きいことを見出した。
粘結材添加によるコークス粒度の拡大効果は、平均反射率が0.65以上0.9以下の低石炭化度炭の場合が大きい理由については、以下の様に推察される。
石炭をコークス炉で乾留してコークスを得る際、一般に、石炭は400℃前後から軟化し、450〜500℃で再固化してセミコークスになる。セミコークスはそれ以降も加熱されコークスになるが、その過程で収縮する。この収縮の歪によりコークスに亀裂が発生すると考えられる。なかでも、平均反射率が0.9以下の低石炭化度炭のセミコークスは収縮率が大きく、コークスに亀裂が多く生成するため、コークス炉からの押し出しや搬送過程での衝撃等によって割れが発生し易く、得られるコークスの粒度が低下する原因になる。
一方で、平均反射率が0.65%未満の石炭は粘結性がほとんどなく、粘結材との相互作用が弱いため、得られるコークスの粒度拡大効果は望めない。
そのため、本発明では、平均反射率が0.65%以上0.9%以下の低石炭化度炭に対して粘結材を選択的に添加することで、この低石炭化度炭の再固化後の収縮率を低下させて、上記のような亀裂生成を抑制することができる。平均反射率が0.9%超の高石炭化度炭は、そもそも低石炭化度炭に比べて収縮率が小さいため、粘結材を添加することによってその収縮率を低下させる効果に乏しい。
従って、亀裂抑制の効果の高い低石炭化度炭(平均反射率が0.65%以上0.9%以下)にのみ粘結材を添加し、その効果の低い高石炭化度炭や、平均反射率が0.65%未満の石炭には粘結材を添加しないようにすれば、粘結材の働きが効率良く得られるだけでなく、気孔率上昇に伴うコークス強度指数の低下を防ぐことができると考えられる。
なお、石炭の平均反射率とは、後述する実施例の内容を含めて、ISO 7405−5の”Methods for the petrographic analysis of bituminous coal and anthracite”記載の方法で測定されるビトリニットの平均ランダム反射率(以下、Roと略称する場合がある)を意味する。
また、粘結材の添加量については、添加対象の低石炭化度炭に対する割合(粘結材/対象低石炭化度炭)で5質量%以上15質量%以下、好ましくは7質量%以上12質量%以下となるようにする。添加対象の低石炭化度炭に対する粘結材の割合が5質量%未満では、当該低石炭化度炭の改質反応による収縮率の低下が十分に起こらない場合があり、反対に15質量%を超えて添加すると、粘結材由来の揮発分が増えてコークスの気孔率が上昇し、かえってコークス強度を低下させてしまうためである。
ここで、粘結材としては公知のものを使用でき、例えば、コールタール、コールタールを蒸留して得られる軟ピッチや硬ピッチ、石油系のアスファルト、アスファルトを熱処理、抽出等して得られるピッチ等のような瀝青物を用いることができる。なかでも、コールタールやコールタールを蒸留して得られる軟ピッチ、硬ピッチ等の石炭系粘結材であれば、石炭との相互作用が強いため、改質反応によって低石炭化度炭の収縮率を低下させる効果が大きい。
また、上述したように、粘結材の揮発分が高いと、コークス炉に装入する装入炭の揮発分が高くなり、コークス収率が低下するため、コークスの気孔率が上昇してコークス強度が低下することがある。特に、低石炭化度炭は揮発分が高いため、低石炭化度炭を多量に配合すると、コークス炉装入炭の揮発分が高くなる傾向がある。そのため、コークス炉装入炭の揮発分の上昇を防ぐ必要がある場合には、揮発分が60質量%以下の粘結材を使用するのが望ましい。
また、本発明において、配合炭として、平均反射率が0.65%以上0.9%以下の低石炭化度炭の範囲に含まれる石炭を複数銘柄で含む場合には、そのうちの少なくとも1つ又は2つ以上の銘柄の石炭に対して粘結材を添加してもよい。すなわち、平均反射率が0.65%以上0.9%以下の低石炭化度炭に分類される銘柄の石炭のうちの少なくとも1種について、1銘柄の石炭に対する割合で5質量%以上15質量%以下の粘結材を添加してもよい。
例えば、図1(2)には、7つの銘柄の石炭を配合した配合炭であって、そのうち石炭a〜aが平均反射率0.65%以上0.9%以下の低石炭化度炭、石炭b〜bが平均反射率0.9%超の高石炭化度炭である例を示している。ここで、粘結材の添加対象となり得る低石炭化度炭(0.65%≦Ro≦0.9%)はa〜aの3銘柄であるが、この例では、石炭a及びaに対してそれぞれ粘結材を添加する場合を示している(すなわち、高石炭化度炭b〜bと共に低石炭化度炭aが、配合炭を構成する残りの石炭である)。その際の粘結材の添加量は、石炭aに対して5質量%以上15質量%以下とすると共に、石炭aに対しても5質量%以上15質量%以下となるようにしている。また、石炭a〜aのなかから粘結材を添加するものを選択するにあたっては、配合比率が多いものを優先したり、平均反射率がより低いものを優先するようにするのが好適である。勿論、石炭a〜aのいずれか1つに粘結材を添加するようにしてもよく、石炭a〜aの全てに対して、それぞれ所定の割合で粘結材を添加するようにしてもよい。なお、本発明においては、配合炭を構成するにあたり、平均反射率が0.65%未満の石炭を含めるようにしてもよい。但し、その場合には、粘結材を添加する対象には含めず、配合炭を構成する残りの石炭として扱う。
また、本発明においては、粘結材を添加する低石炭化度炭として、JIS M8801による最高流動度が10ddpm以上であると、石炭の溶融性が向上するため好ましい。平均反射率が0.65%以上0.9%以下であって、かつ、最高流動度が10ddpm以上の低石炭化度炭であると、粘結材との相互作用によるコークスの粒度拡大効果をより確実に得ることができる。なお、この最高流動度については、後述の実施例を含めて、JIS M8801に記載の流動性試験方法(ギーセラープラストメータ法)により求められるものである。
本発明において、粘結材を添加する低石炭化度炭については、粘結材が添加された状態で、粘結材の軟化点以上かつ350℃以下に加熱して混練することで、改質反応の対象となる石炭に粘結材を付着させるようにする。粘結材を石炭に付着させるには、粘結材の軟化点以上に加熱する必要があるが、350℃より高い温度に加熱すると、石炭の劣化(熱分解反応)が進行してしまうおそれがある。混練の手段としては特に制限はなく、例えば、二軸混練機やパン型混練機を用いるなど、公知の手法を採用することができる。また、粘結材が添加された状態で加熱・混練されればよいため、例えば、添加対象の石炭に粘結材を添加したうえで、上記温度に加熱して混練するようにしてもよく、或いは、予め添加対象の石炭を上記温度に加熱しておき、それに粘結材を添加して混練するようにしてもよい。なお、粘結材の軟化点については、後述の実施例を含めて、JIS K2425に規定されている方法により測定することができる。
粘結材の添加対象の石炭と粘結材とを加熱して混練したあとは、配合炭を構成する残りの石炭と配合して、コークス炉に装入する。ここで、残りの石炭とは、粘結材を添加していない石炭であって、平均反射率が0.9%超の高石炭化度炭や、平均反射率が0.65%未満の石炭(本願では便宜上「極低石炭化度炭」と記載する場合がある。)のほか、平均反射率が0.65%以上0.9%以下の範囲の石炭であっても粘結材を添加しなかったものも含まれ〔図1(2)の例で言えば石炭a〕、これらは、配合炭を構成する残りの石炭として、粘結材の添加対象の石炭と粘結材とを加熱して混練したあとに配合する。
粘結材が添加された状態で加熱・混練した低石炭化度炭については、配合炭を構成する残りの石炭と配合するにあたって、粘結材が添加されていない石炭との粒径を揃えるために、好ましくは篩下で10mm以下の大きさ、より好ましくは6mm以下に解砕するのがよい。粘結材と石炭を混練すると、石炭粒子が固まって塊状になることがある。その場合、配合炭を構成する残りの石炭と配合した際に、低石炭化度炭が集中する部分が生じて、得られるコークスが均質にならなくなるおそれがあることから、残りの石炭と配合する際に、予め解砕しておくのが望ましい。
上述したように、本発明によれば、所定の低石炭化度炭に対して粘結材を選択的に添加して、加熱し混練したうえで、配合炭を構成する残りの石炭と配合することで、コークス強度を維持しながら、粒径の大きなコークスを効果的に得ることができる。そのため、配合炭を構成する各石炭の事前の粉砕処理やコークス炉での乾留する際の条件等は、公知の方法と同様にすることができる。
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の内容に制限されるものではない。
[コークス製造試験1(試験No.1-1〜1-5)]
平均反射率が0.76%の低石炭化度炭A(揮発分35.6%、最高流動度110ddpm)と、平均反射率が1.23%の高石炭化度炭B(揮発分24.5%、最高流動度540ddpm)とを用いて配合炭とし、次のようにして試験No.1−1〜1−5の試験用コークスを製造するコークス製造試験1を行った。
先ず、低石炭化度炭Aをハンマー粉砕機で3mm以下が80%になるように粉砕し、コールタールから製造された硬ピッチC(軟化点85℃、揮発分54.2%)を同じくハンマー粉砕機により3mm以下となるように粉砕して、表1に示した配合炭(A+B)での低石炭化度炭Aの質量に応じて、低石炭化度炭Aに対して硬ピッチCが外数で10質量%となるように添加した(すなわちC/Aが10質量%)。次いで、これら低石炭化度炭Aと硬ピッチCとを150℃に加熱しながら、二軸混練機を用いて2分間の混練を行った。得られた混練物については、塊状になったものが認められたため、ハンマー粉砕機を用いて6mm以下になるように解砕した。
次いで、高石炭化度炭Bをハンマー粉砕機で3mm以下が80%になるように粉砕し、表1に示した配合炭の配合割合になるようにしながら、上記で低石炭化度炭Aと硬ピッチCとを加熱・混練した混練物と配合し、硬ピッチCと配合炭(A+B)との合計82kgを嵩密度800kg/mで試験コークス炉に装入した。そして、加熱温度を1250℃、乾留時間を18.5時間とする条件で乾留し、試験No.1−1〜1−5に係る試験用コークスをそれぞれ製造した。
得られた各試験用コークスについて、JIS K 2151のコークス粒度試験方法に基づきコークス平均粒度を測定した。また、コークス強度として、JIS K 2151のドラム強度指数(DI150 15)を測定した。結果を表1に示す。
[コークス製造試験2(試験No.2-1〜2-5)]
低石炭化度炭Aと高石炭化度炭Bとをそれぞれハンマー粉砕機で3mm以下が80%になるように粉砕し、これらを表1に示した試験No.2−1〜2−5の割合になるように配合した。また、硬ピッチCをハンマー粉砕機で3mm以下になるように粉砕して、低石炭化度炭Aと高石炭化度炭Bとの配合炭(A+B)の質量に対して硬ピッチCが外数で10質量%となるように添加して(すなわちC/(A+B)が10質量%)、これらを150℃に加熱しながら、二軸混練機を用いて2分間の混練を行った。
次いで、得られた混練物をハンマー粉砕機で6mm以下になるように解砕し、硬ピッチCと配合炭(A+B)との合計82kgを嵩密度800kg/mで試験コークス炉に装入して、コークス製造試験1と同様にして試験No.2−1〜2−5に係る試験用コークスを製造した。得られた試験用コークスについて、それぞれコークス製造試験1と同様にコークス平均粒度及びドラム強度指数(DI150 15)を測定した。結果を表1に示す。
[コークス製造試験3(試験No.3-1〜3-5)]
コークス製造試験2と同様に低石炭化度炭Aと高石炭化度炭Bとを配合して配合炭とし、配合炭(A+B)に対して硬ピッチCを添加するが、このコークス製造試験3では、粘結材の添加量をコークス製造試験1の場合と同じになるようにした。すなわち、配合炭(A+B)に対して硬ピッチCを添加する際、配合炭中の低石炭化度炭Aの質量に対して外数で10質量%となるように硬ピッチCを添加した(C/Aが10質量%)。それ以外はコークス製造試験2と同様にして混練物を得てハンマー粉砕機で解砕し、硬ピッチCと配合炭(A+B)との合計82kgを嵩密度800kg/mで試験コークス炉に装入して、試験No.3−1〜3−5に係る試験用コークスを製造した。得られた各試験用コークスについて、コークス製造試験1と同様にしてコークス平均粒度及びドラム強度指数(DI150 15)を測定した。結果を表1に示す。
[コークス製造試験4(試験No.4-1〜4-5)]
コークス製造試験2と同様に低石炭化度炭Aと高石炭化度炭Bとを配合して配合炭(A+B)としたのち、硬ピッチCを添加せずに、配合炭82kgを嵩密度800kg/mで試験コークス炉に装入して、コークス製造試験1と同様にして試験No.4−1〜4−5に係る試験用コークスを製造した。得られた各試験用コークスについて、コークス製造試験1と同様にしてコークス平均粒度及びドラム強度指数(DI150 15)を測定した。結果を表1に示す。
Figure 0006241336
上記コークス製造試験1〜4で得られた各試験用コークスについて、配合炭(A+B)における低石炭化度炭Aの配合率(%)とコークス平均粒度(mm)との関係をグラフにしたものが図3である。また、同じく低石炭化度炭Aの配合率(%)とドラム強度指数(−)との関係をグラフにしたものが図4である。これらのグラフから分かるように、低石炭化度炭Aに対して選択的に硬ピッチC(粘結材)を添加して加熱・混練したうえで、配合炭を構成する残りの高石炭化度炭Bと配合して、コークス炉に装入してコークスを製造するコークス製造試験1で得られたコークスは、配合炭(A+B)に対して硬ピッチCを添加し、加熱・混練してコークスを製造したコークス製造試験2及び3に比べて、コークス平均粒度及びドラム強度指数のいずれもが高い結果を示した。
すなわち、コークス製造試験1の場合よりも試験コークス炉に装入した装入炭として硬ピッチCの添加量が多いコークス製造試験2では、コークス製造試験3やコークス製造試験4の場合よりもコークス平均粒度が大きくなり、コークス製造試験1に近い結果を示すが(図3)、ドラム強度指数は逆に低下してしまうことが分かる(図4)。一方、ドラム強度指数については、装入炭として硬ピッチCの添加量がコークス製造試験1の場合と等しいコークス製造試験3の場合が、コークス製造試験1に次いで高い結果を示しているが(図4)、このコークス製造試験3でのコークス平均粒度は、添加材を含まないコークス製造試験4に比べて拡大してはいるものの、その効果は小さい。
これに対して、本発明の高炉用コークスの製造方法に係るコークス製造試験1では、コークス平均粒度及びドラム強度指数ともに最も高い結果を示した。これは、低石炭化度炭に対して選択的に粘結材を添加して、加熱・混練して粘結材を付着させることで、その低石炭化度炭の再固化後の収縮率を低下させて、亀裂の発生を抑制したことにより、装入炭として硬ピッチCの添加量が多いコークス製造試験2の場合よりもコークス粒度を拡大させることができたものと考えられる。
また、コークス製造試験1では、粘結材を低石炭化度炭に選択的に添加することで、気孔率上昇に伴うコークス強度指数の低下を防ぐことができ(コークス製造試験2では硬ピッチCの添加量が多く、粘結材由来の揮発分が増してコークス強度は低下している)、装入炭として硬ピッチCの添加量が同じコークス製造試験3と同等以上のドラム強度指数を得ることができたものと考えられる。ここで、コークス製造試験3に比べて、コークス製造試験1でのドラム強度指数が若干高くなっているのは、粘結材を低石炭化度炭に選択的に添加することで、高石炭化度炭よりも脆弱な構造のコークスになり易い低石炭化度炭の粘結性が改善されて、より良好な構造のコークスになったことがひとつの理由として考えられる。
[コークス製造試験1(試験No.1-6〜1-9)]
表2に示した配合炭(A+B)での低石炭化度炭Aの量に応じて、低石炭化度炭Aに対して硬ピッチCを外数で15質量%添加した場合(試験No.1-6)、低石炭化度炭Aに対して硬ピッチCを外数で5質量%添加した場合(試験No.1-7)、低石炭化度炭Aに対して硬ピッチCを外数で20質量%添加した場合(試験No.1-8)、及び、低石炭化度炭Aに対して硬ピッチCを外数で3質量%添加した場合(試験No.1-9)について、それ以外は上記試験No.1−1〜1−5のコークス製造試験1と同様にして試験用コークスを製造した。得られた試験用コークスのコークス平均粒度及びドラム強度指数(DI150 15)をコークス製造試験1と同様に測定した。結果を表2に示す。
Figure 0006241336
表2に示したように、低石炭化度炭Aに対して硬ピッチCを20質量%(外数)添加した試験No.1−8では、コークスの平均粒度は向上するものの、ドラム強度指数は最も低い値であった。また、低石炭化度炭Aに対して硬ピッチCを3質量%(外数)添加した試験No.1−9では、コークスの平均粒度が最も低い値であった。それに対して、試験No.1−6及び試験No.1−7で得られたコークスは、コークス平均粒度及びドラム強度指数ともに比較的高い値を示し、これらの両立が図られていた。
[コークス製造試験5、6]
平均反射率が0.77%の低石炭化度炭D(揮発分34.8%、最高流動度92ddpm)、平均反射率が0.86%の低石炭化度炭E(揮発分35.1%、最高流動度8250ddpm)、及び、平均反射率が1.38%の高石炭化度炭F(揮発分21.3%、最高流動度180ddpm)を用いて配合炭とし、次のようにして試験用コークスを製造するコークス製造試験5、6を行った。
先ず、低石炭化度炭Dをハンマー粉砕機で3mm以下が80%になるように粉砕して、表3に示した配合炭(D+E+F)での低石炭化度炭Dの質量に対して、軟ピッチG(軟化点36.8℃、揮発分72.0%)を外数で8質量%となるように添加した(G/Dが8質量%)。次いで、これら低石炭化度炭Dと軟ピッチGとを90℃に加熱しながら、二軸混練機を用いて3分間の混練を行った。得られた混練物については、塊状になったものが認められたため、ハンマー粉砕機を用いて6mm以下になるように解砕した。
次いで、低石炭化度炭Eをハンマー粉砕機で3mm以下が80%になるように粉砕すると共に、高石炭化度炭Fをハンマー粉砕機で3mm以下が80%になるように粉砕し、表3に示した配合炭(D+E+F)の配合割合になるようにしながら、上記で低石炭化度炭Dと軟ピッチGとを加熱・混練した混練物と配合し、軟ピッチGと配合炭(D+E+F)との合計82kgを嵩密度800kg/mで試験コークス炉に装入した。そして、加熱温度を1250℃、乾留時間を18.5時間とする条件で乾留し、コークス製造試験5に係る試験用コークスを製造した。
一方で、低石炭化度炭D、低石炭化度炭E、及び高石炭化度炭Fをそれぞれハンマー粉砕機で3mm以下が80%になるように粉砕し、これらを表3に示した配合炭(D+E+F)の割合になるように配合した。そして、配合炭(D+E+F)の質量に対して軟ピッチGが外数で3.2質量%となるように添加して(G/(D+E+F)が8質量%)、これらを90℃に加熱しながら、二軸混練機を用いて3分間の混練を行った。次いで、得られた混練物をハンマー粉砕機で6mm以下になるように解砕し、軟ピッチGと配合炭(D+E+F)との合計82kgを嵩密度800kg/mで試験コークス炉に装入して、コークス製造試験5と同様の乾留条件にてコークス製造試験6に係る試験用コークスを製造した。
コークス製造試験5及び6で得られた各試験用コークスについて、コークス製造試験1と同様にしてコークス平均粒度及びドラム強度指数(DI150 15)を測定した。結果を表3に示す。
Figure 0006241336
表3に示した結果から明らかなように、ドラム強度指数はコークス製造試験5とコークス製造試験6とで大きな差はなかったが、コークス平均粒度については、低石炭化度の一部に対して軟ピッチG(粘結材)を選択的に添加したコークス製造試験5の方が優れることが分かった。すなわち、本発明に係る高炉用コークスの製造方法によれば、コークス平均粒度とドラム強度指数がともに良好なコークスの製造が可能であり、粘結材の働きを従来に比べて効率良く得ることができる。

Claims (6)

  1. 少なくとも平均反射率が0.65%以上0.9%以下の低石炭化度炭と平均反射率が0.9%超の高石炭化度炭とを配合した配合炭をコークス炉に装入して、高炉用コークスを製造する方法において、平均反射率が前記の低石炭化度炭の範囲に含まれる銘柄の石炭に対する割合で5質量%以上15質量%以下の粘結材が添加された状態で、該銘柄の石炭と粘結材とを粘結材の軟化点以上350℃以下の範囲に加熱して混練したうえで、配合炭を構成する残りの石炭と配合して、コークス炉に装入することを特徴とする高炉用コークスの製造方法。
  2. 平均反射率が前記の低石炭化度炭の範囲に含まれる石炭が複数銘柄存在し、そのうちの少なくとも1つ又は2つ以上の銘柄の石炭について、1銘柄の石炭に対する割合で5質量%以上15質量%以下の粘結材が添加された状態で加熱し混練して、配合炭を構成する残りの石炭と配合する請求項1に記載の高炉用コークスの製造方法。
  3. 粘結材を添加する前記の低石炭化度炭が、JIS M8801による最高流動度が10ddpm以上である請求項1又は2に記載の高炉用コークスの製造方法。
  4. 粘結材の揮発分が60質量%以下である請求項1〜3のいずれかに記載の高炉用コークスの製造方法。
  5. 粘結材が石炭系粘結材である請求項1〜4のいずれかに記載の高炉用コークスの製造方法。
  6. 粘結材が添加された状態で加熱し混練した低石炭化度炭を10mm以下の大きさに解砕した後、配合炭を構成する残りの石炭と配合する請求項1〜5のいずれかに記載の高炉用コークスの製造方法。
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