JP6464912B2 - コークスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成型炭を用い、劣質な石炭を多量に配合しても高強度なコークスを製造できる方法に関し、特に、事前加熱処理工程を有しながら石炭を搬送する設備改造を必要としない製造方法に関する。
高炉操業に使用されるコークスは、多種の石炭を粉砕・配合した後、コークス炉に装入して、炉内で乾留して製造される。このようなコークスには、高炉内の通気性を確保するために、所要の強度が求められる。一方、コークス用原料において、良質な粘結炭は、資源的に枯渇状態にあるのに対して、劣質な石炭は、埋蔵量が豊富である。そのため、劣質な石炭を用いて必要な強度を有するコークスを製造する技術が多く提案されている。
その技術の一つとして、劣質な石炭を配合して成型炭とし、その成型炭と、別の配合炭を粉砕して調製した粉炭とを混合してコークス炉に装入する方法がある。この方法は、少なくとも劣質な石炭を含む配合炭Aを準備し、これを粉砕機で粉砕し、粉砕後の配合炭にタール、ピッチ等のバインダーを添加して混練機で混練した後、成型機で成型して成型炭とし、他方、別の配合炭Bを粉砕して粉炭とし、例えば粉炭70〜90質量%、成型炭10〜30質量%の割合で両者を混合してコークス炉に装入し、乾留してコークスを製造する方法である。
この成型炭を用いる方法では、劣質な石炭を配合した石炭を見掛密度の高い成型炭とするため、コークス強度が改善される利点がある。また、装入嵩密度の低い粉炭に見掛密度の高い成型炭を混合することにより、全体の嵩密度が向上し、粉炭のみを使用した場合よりもコークス品質を改善する利点もある。
このような成型炭を用いる方法において、成型炭中の劣質な石炭の使用量を更に増加するためには、劣質な石炭の使用量が増加しても冷間強度の高いコークスを製造できるようにすることが必要である。
一方、コークス強度は、石炭の粘結性の程度に大きく依存し、粘結性の劣る劣質な石炭は、そのまま原料として使用することは難しいため、劣質な石炭を改質して、必要な強度を有するコークスを製造する技術が多く提案されている。その技術の一つとして、コークス炉に装入する前の配合炭を事前に急速加熱処理(例えば、昇温速度が100℃/分程度の処理)をしてから乾留し、コークスを製造する方法がある。
配合炭を事前に急速加熱処理する技術として、特許文献1には、劣質な石炭を含み、残部が粘結炭である石炭を、2段の気流層を用いて、1段目で石炭中の微粉を昇温し分離し、続けて2段目で粗粒を加熱し、かつ各気流層で、石炭の軟化開始温度よりも−100℃〜+10℃までの温度域まで、102〜106℃/分の加熱速度で加熱した後に、コークス炉へ装入して乾留して、コークスを製造する技術が開示されている。
また、特許文献2では、配合炭を事前に急速加熱処理する際に熱的崩壊により生じる微粉石炭粒子に着目し、この微粉石炭粒子の発生を抑制して、コークス強度を向上させることが提案されている。具体的には、特許文献2には、石炭を200℃以上で300℃未満の温度になるまで予熱して、冷却することなく、石炭を更に300℃以上の高温になるまで予熱する方法が開示されている。
また、特許文献3及び4では、配合炭を事前に急速加熱処理する技術において、配合炭に着目した技術が提案されている。
特許文献3には、劣質な石炭と粘結炭とを分別せずに、事前に急速加熱処理することで、高強度のコークスを操業性良く、製造する方法であって、30〜103℃/分の加熱速度で、300℃以上で、かつ、石炭の軟化開始温度以下の温度域に急速加熱するとともに、微粉炭と粗粒炭に分級し、当該微粉炭を成型してコークスを製造する方法が開示されている。
特許文献4には、高強度なコークスが得られる石炭を、種々の石炭の中から選択してコークスを製造することで、効果的に高強度なコークスを製造する方法であって、平均最大反射率が1.0未満で、かつ最高流動度が2.0超である石炭を事前に加熱処理した後、加熱処理を受けない残りの石炭と配合し、コークス炉で乾留してコークスを製造する方法が開示されている。
特許第3614919号公報 特開2000−212572号公報 特開2005−082790号公報 特開2013−253158号公報
成型炭を用いる方法において、成型炭中の劣質な石炭の使用量をさらに増加させるために、特許文献1〜4に開示の方法を採用することが考えられる。しかしながら、成型炭を用いる方法において、配合炭を事前に急速加熱処理する方法を採用する場合、次のような問題があった。
配合炭を事前に急速加熱処理する方法では、コークス炉へ石炭を装入する際の温度が高くなるほどコークス炉において、コークスが得られるまでの時間が短くなり、生産効率が増加する。そのため、300℃近くまで加熱された石炭を可能な限り高温のまま搬送してコークス炉へ装入することになる。
そうすると、配合炭を事前に急速加熱処理して成型炭を製造する場合、加熱処理後の高温の石炭を成型することになり、成型の際に軟化温度の低いバインダーを混合すると、石炭が高温のためバインダーの機能が十分発揮されず、成型性が悪く、成型炭の強度が高くならないことや、そのような成型炭が、種々の装置に石炭付着することがあった。また、急速加熱処理をしていない石炭を成型して成型炭とし、加熱処理後の高温の石炭と混合すると、高温の石炭と成型炭とが接触し、バインダーが加熱され、成型炭が崩壊しやすくなることや、種々の装置に石炭付着することがあった。
また、配合炭を事前に急速加熱処理する方法では、現状扱っている湿炭や調湿炭と比較して高温の石炭を扱うことになり、急速加熱処理後の石炭を成型や搬送する際に、酸化等による石炭の劣化等の問題が懸念される。そのため、急速加熱処理された高温の石炭をコークス炉へ装入するまでの間、石炭に対して、密閉・断熱処理を施さなければならない。また、石炭を急速加熱処理する設備から、コークス炉までの距離が長いレイアウトの場合には、高温の石炭を搬送する距離も当然長くなるため、石炭に対して密閉・断熱処理を施す範囲が拡大し、設備改造に要するコストが大幅に上昇する。
本発明は、このような実情に鑑み、成型炭を用いる方法において、劣質な石炭を多量に配合するために、事前の急速加熱処理を施した石炭を用いてコークス強度を向上させ、更に、高温の石炭を搬送するための設備改造を必要としない、コークスの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討した。その結果、急速加熱処理した石炭を一定値以上の高い冷却速度で冷却することで、石炭にバインダーを添加して成型炭とすることができ、当該成型炭は、装置に石炭付着し難く、高温の石炭を搬送するための大幅な設備改造を要することがなくなるとともに、コークス強度が高くなることを見出した。
また、急速加熱処理していない石炭を成型して成型炭とし、急速加熱処理し、冷却して得た石炭と混合した場合であっても、バインダーが加熱されることがなく、装置に石炭付着し難く、高温の石炭を搬送するための大幅な設備改造を要することがなくなるとともに、コークス強度が高くなることを見出した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)コークスの製造に用いる配合炭の一部とバインダーとを混合し成型して成型炭とし、他方の配合炭と前記成型炭とを混合して装入炭とし、当該装入炭をコークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、
成型炭とする配合炭及び成型炭と混合する他方の配合炭の少なくとも一方の配合炭の一部又は全部に、250〜350℃に40〜1000℃/minの昇温速度で加熱した後、加熱処理終了温度から少なくとも100℃まで10℃/min以上の平均冷却速度で冷却する、加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭を用いることを特徴とするコークスの製造方法。
(2)前記成型炭とする配合炭の一部又は全部に、前記加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭を用いることを特徴とする前記(1)に記載のコークスの製造方法。
(3)前記成型炭と混合する他方の配合炭の一部又は全部に、前記加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭を用いることを特徴とする前記(1)に記載のコークスの製造方法。
(4)前記成型炭とする配合炭と、前記成型炭に混合する他方の配合炭が異なることを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のコークスの製造方法。
(5)前記成型炭とする配合炭と、前記成型炭に混合する他方の配合炭が同じことを特徴とする前記(1)〜(3)のいずれかに記載のコークスの製造方法。
(6)前記成型炭とする配合炭の一部に、前記加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭を用い、当該加熱冷却処理石炭にビトリニット平均最大反射率Roが1.0超の石炭を添加して、バインダーと混合し成型して成型炭とすることを特徴とする前記(1)、(2)、(4)のいずれかに記載のコークスの製造方法。
(7)前記成型炭とする配合炭の一部は、ビトリニット平均最大反射率Roが1.0以下の石炭であることを特徴とする前記(6)に記載のコークスの製造方法。
本発明によれば、ビトリニット平均最大反射率Roが1.0以下の石炭(以降、本発明では便宜上、「非微粘結炭」と記載する場合がある。)を多量(例えば、30質量%以上)に配合してもコークス強度を向上させることができ、また、石炭に事前の加熱処理を施しても大幅な設備改造を少なくすることができる。
試験コークスのコークス強度DIを示す図である。 平均冷却速度に対するコークス強度の関係を示す図である。 加熱冷却処理石炭を成型炭とする配合炭の全部とした場合に、コークスを製造するフローを示す図である。 加熱冷却処理石炭を成型炭と混合する配合炭の全部とした場合に、コークスを製造するフローを示す図である。 加熱冷却処理石炭Aを成型炭とする配合炭の全部とし、加熱冷却処理石炭Bを成型炭と混合する配合炭の全部とした場合に、コークスを製造するフローを示す図である。 加熱冷却処理石炭Aを成型炭とする配合炭の全部、及び、成型炭と混合する配合炭の全部とし、コークスを製造するフローを示す図である。 非微粘結炭に加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭に、強粘結炭を添加して成型炭を作成し、成型炭と、成型炭と混合する配合炭とを混合してコークスを製造するフローを示す図である。
本発明のコークスの製造方法(以下、「本発明の製法」ということもある)は、成型炭とする配合炭とバインダーとを混合し、成型して成型炭とし、他方の配合炭と前記成型炭とを混合して、コークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、成型炭とする配合炭及び成型炭と混合する他方の配合炭の少なくとも一方の配合炭の一部又は全部に、250〜350℃に40〜1000℃/minの昇温速度で加熱した後、加熱処理終了温度から100℃以下まで10℃/min以上の平均冷却速度で冷却する、加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭を用いる方法である。
これにより、非微粘結炭を多量に配合してもコークス強度を向上させることができ、また、石炭に事前の急速加熱処理を施しても大幅な設備改造を少なくすることができる。
次に、本発明の製法に至った検討の経緯について説明するとともに、本発明の製法について説明する。
非微粘結炭を用いて必要な強度を有するコークスを製造する技術として、非微粘結炭を配合した配合炭を成形して成型炭とする方法があるが、成型炭中の非微粘結炭の使用量を更に増加させるために、非微粘結炭の使用量が増加しても冷間強度の高いコークスを製造できる方法が望まれていた。
一方、コークス強度は、石炭の粘結性の程度に大きく依存し、粘結性の劣る非微粘結炭は、そのまま原料として使用することは難しいため、非微粘結炭を改質する技術があり、その技術の一つとして、コークス炉に装入する前の配合炭を事前に急速加熱処理をするものがある。
そうすると、成型炭を用いる方法において、成型炭中の非微粘結炭の使用量を更に増加させるために、配合炭を事前に急速加熱処理する方法を採用することが考えられる。配合炭を事前に急速加熱処理する方法は、コークス炉へ高温のまま石炭を搬送することにより、生産効率を増加させるものであるため、成型炭を用いる方法に、配合炭を事前に急速加熱処理する方法を採用する場合、加熱処理後の高温の石炭を成型することになり、配合炭を成型炭とすることが困難となる場合があった。また、配合炭を事前に急速加熱処理する方法において、高温のまま石炭を搬送するには、既存の設備では搬送できないため、設備改造する必要があった。
そこで、本発明者らは、成型炭を用いる方法に、配合炭を事前に急速加熱処理する方法を採用する手段を検討した。配合炭を事前に急速加熱処理する方法では、コークスの生産効率を向上させるために、事前に急速加熱処理した石炭を高温のまま、コークス炉へ装入しているが、これに対して、急速加熱処理した石炭を冷却して、コークス炉へ装入することを試みた。具体的には、次のような試験を行った。
流動床装置に配合炭を装入し、300℃に100℃/minの昇温速度で急速加熱した後、直ちに3℃/min又は10℃/minで80℃まで冷却し、それぞれ試験コークス炉で乾留し、試験コークス1及び試験コークス2を作成した。
比較試験として、流動床装置に配合炭を装入し、300℃に100℃/minの昇温速度で急速加熱した後、冷却せずに、試験コークス炉で乾留し、試験コークス3を作成した。
また、他の比較試験として、配合炭を急速加熱及び冷却せずに、試験コークス炉で乾留し、試験コークス4を作成した。
なお、試験コークス炉で乾留するにあたっては、石炭の装入嵩密度をコークス強度に影響がでないようにするために、ほぼ同一の装入嵩密度に調整した。
そして、試験コークス1〜4のコークス強度を測定した。コークス強度は、コークスをJIS K2151記載のドラム試験機により150回転した後、15mmふるい上のコークスの百分率DI150 15を実測して求めた。なお、コークス強度DI150 15を、以下ではコークス強度DIと簡略化して記載する。
図1に試験コークスのコークス強度DIを示す。急速加熱処理後に3℃/minで冷却した試験コークス1は、急速加熱及び冷却をしない試験コークス4より、コークス強度DIが高いものの、急速加熱処理後、冷却しない試験コークス3より、コークス強度DIが明らかに低くなった。それに対して、急速加熱処理後に10℃/minで冷却した試験コークス2は、急速加熱処理後に3℃/minで冷却した試験コークス1、及び、急速加熱処理及び冷却しない試験コークス4よりも、コークス強度DIが高く、急速加熱後に冷却をしない試験コークス3とほぼ同等であった。
なお、実際のコークス炉においては、石炭の装入嵩密度は、常温に近い温度で装入する方が、高温で装入するよりも高くなる。このため、急速加熱した後、冷却しない試験コークス3よりも、急速加熱した後に10℃/minで冷却した試験コークス2の方が、コークス強度が高くなることを意味している。
次に、流動床装置に配合炭を装入し、300℃に100℃/minの昇温速度で急速加熱した後、種々の平均冷却速度で冷却して、試験コークス炉で乾留し、試験コークスの強度を測定した。図2に、平均冷却速度に対するコークス強度の関係を示す。図2に示すように、平均冷却速度が大きいほどコークスの強度が高くなり、平均冷却速度が10℃/min以上とすることで、コークス強度が高いコークスを安定して得られることが判明した。
次に、急速加熱後に平均冷却速度10℃/min以上で急速冷却する処理(以下、「加熱冷却処理」ということもある)を配合炭に施した加熱冷却処理石炭と、加熱冷却処理をしていない配合炭及びバインダーを混合して成型した成型炭と、を混合して、試験コークス5を作成した。
具体的な加熱冷却条件としては、配合炭を急速加熱装置において、100℃/minで300℃まで急速加熱した後、急速冷却装置において、直ちに、10℃/minで80℃まで冷却し、加熱冷却処理石炭を得た。
一方、同一の配合炭を用いて、加熱冷却処理せずにバインダーと混合し、成型機において、成型炭とした。この成型炭と、前記の加熱冷却処理石炭とを混合し、試験コークス炉で乾留して試験コークス5を得た。
また、比較試験として、加熱冷却処理を施さない配合炭と、加熱冷却処理をしていない成型炭とを混合して、試験コークス炉で乾留して試験コークス6を得た。
そして、試験コークス5及び試験コークス6のコークス強度を測定した。その結果、試験コークス5のコークス強度DIは83.9%であり、試験コークス6のコークス強度DIの82.8%より、高かった。そして、試験コークス5及び試験コークス6を作成するにあたり、いずれの場合も、装置に石炭は付着しなかった。
また、加熱冷却処理を施した配合炭とバインダーとを混合し、成型して成型炭とし、一方で、同一の配合炭を加熱冷却処理した加熱冷却処理石炭とし、加熱冷却処理した成型炭と、加熱冷却処理石炭とを混合し、試験コークス炉で乾留して試験コークス7を作成した。ちなみに、加熱冷却条件は、試験コークス5を作成する場合と同様の条件とした。
そして、試験コークス7のコークス強度を測定した。その結果、試験コークス7のコークス強度は84.2%であり、試験コークス5より、コークス強度DIが高くなった。
そして、成型した配合炭のうち成型炭となったものの割り合いである成型歩留まりは、試験コークス5を作成する場合も試験コークス7を作成する場合も同等であった。従って、配合炭と混合する操作や搬送による成型炭の崩壊にも違いはみられないと考えられる。
また、試験コークス7を作成する場合も、石炭は装置に付着しなかった。
また、配合炭に加熱冷却処理を施す方法では、コークス炉へ高温のまま石炭を搬送することが無くなり、高温の石炭の搬送設備の大幅な改造が不要となった。
本発明は、以上のような検討過程を経て上記(1)に記載の発明に至ったものであり、そのような本発明について、必要な要件や好ましい要件について順次説明する。
本発明の製法は、成型炭とする配合炭とバインダーとを混合し、成型して成型炭とし、他方の配合炭と前記成型炭とを混合して、コークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、成型炭とする配合炭及び成型炭と混合する他方の配合炭の少なくとも一方の配合炭に、250〜350℃に40〜1000℃/minの昇温速度で加熱した後、加熱処理終了温度から100℃以下まで10℃/min以上の平均冷却速度で冷却する、加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭を用いる方法である。
まず、成型炭とする配合炭及び成型炭と混合する配合炭に用いる、加熱冷却処理石炭の製造方法について説明する。
<加熱冷却処理石炭の製造方法>
加熱冷却処理石炭は、配合炭を、250〜350℃に40〜1000℃/minの昇温速度で加熱した後、加熱処理終了温度から少なくとも100℃まで10℃/min以上の平均冷却速度で冷却して製造される。
(配合炭)
加熱冷却処理をする配合炭は、原料石炭が配合された配合炭であり、非微粘結炭を多量に配合してコークスを製造するとの目的から、配合炭は、非微粘結炭を含むものとし、強粘結炭に対して内数で非微粘結炭を30%以上の配合率で配合することが好ましく、60%以上の配合率で配合することがさらに好ましい。また、加熱冷却処理する配合炭を非微粘結炭からなるものとしてもよい。非微粘結炭の配合率は、目標とするコークス強度に応じて、設定すれば良い。
配合炭の粉砕粒度は、特に限定されるものでなく、3mm以下の比率を60%〜95%の粒度に粉砕したものが例示される。
本発明における非微粘結炭とは、ビトリニット平均最大反射率Roが1.0以下である石炭を意味しており、その他の特性(揮発分VM、全膨張率TDなど)は、特に限定されるものでない。ビトリニット平均最大反射率Roを1.0以下の石炭に加熱冷却処理を施すことで、乾留した後のコークス強度の向上が顕著となる。また、ビトリニット平均最大反射率RoはJIS M8816で規定される方法で測定することができる。
本発明における強粘結炭とは、ビトリニット平均最大反射率Roが1.0%超である石炭を意味している。なお、ビトリニット平均最大反射率Roの上限は特に限定されないが、粘結性の確保の観点から、1.65%未満が好ましい。ビトリニット平均最大反射率Roを1.0超とすることで、石炭を乾留した後のコークスの強度が高くなる。
(加熱温度:250〜350℃)
加熱冷却処理での加熱温度は、250〜350℃とする。加熱温度が250℃未満であると十分なコークス強度が得られず、一方、加熱温度が350℃超であると、石炭の熱分解反応が進行してしまい、コーク強度が低下する恐れがある。
(昇温速度:40〜1000℃/min)
加熱冷却処理での昇温速度は、40〜1000℃/minとする。昇温速度が40℃/min未満であると、石炭を所定温度まで加熱するための時間が長くなり、コークスの生産性が低下する。一方、昇温速度が1000℃/min超であると、昇温速度が速すぎるため、石炭の加熱温度を制御することが難しくなり、石炭が想定よりも高温まで加熱されてしまう恐れがあり、この場合には、石炭の熱分解反応が進行してコークス強度が低下する。
(冷却温度:少なくとも100℃まで平均冷却速度:10℃/min以上)
冷却温度は、少なくとも100℃まで平均冷却速度を10℃/min以上とする。冷却温度が100℃超であると大気下での石炭の劣化が大きく、コークス強度が低下する。図2には、配合炭を300℃まで100℃/minで急速加熱した後、異なる平均冷却速度で40℃まで冷却し、試験コークス炉で乾留して生成したコークスの強度DIを示しており、平均冷却速度が10℃/min未満であると、平均冷却速度が小さくなるほどコークス強度DIが低くなり、コークス強度の向上の効果が十分に得られなくなる。
次に、加熱冷却処理石炭を、成型炭とする配合炭及び成型炭と混合する配合炭の少なくとも一方の配合炭として用いる方法について、以下の5つの方法について説明する。
1.加熱冷却処理石炭を、成型炭とする配合炭の一部又は全部として使用する方法
2.加熱冷却処理石炭を、成型炭と混合する配合炭の一部又は全部として使用する方法
3.加熱冷却処理石炭Aを、成型炭とする配合炭の一部又は全部とし、加熱冷却処理石炭Bを、成型炭と混合する配合炭の一部又は全部として使用する方法
4.加熱冷却処理石炭Aを、成型炭とする配合炭、及び、成型炭と混合する配合炭として使用する方法
5.非微粘結炭に加熱冷却処理を施し、強粘結炭を添加して成型炭として使用する方法
(1.加熱冷却処理石炭を成型炭とする配合炭の一部又は全部として使用する方法)
この方法は、加熱冷却処理石炭を成型炭とする配合炭の一部又は全部とし、バインダーと混合して成型炭を作成し、成型炭と、成型炭と混合する別の配合炭とを混合してコークスを製造する方法である。
図3は、加熱冷却処理石炭を成型炭とする配合炭の全部とした場合に、コークスを製造するフローを示す図である。原料石炭貯蔵装置1には、種々銘柄の原料石炭が貯蔵されている。この原料石炭貯蔵装置1から、加熱冷却処理を施す石炭を取り出し、配合及び必要に応じて粉砕して急速加熱装置2aに搬送する。急速加熱装置2aでは、配合炭を250〜350℃に40〜1000℃/minの昇温速度で加熱する。
急速加熱装置2aは、配合炭を上記の加熱温度及び昇温速度で加熱することが可能な装置であればよく、特に限定されるものでない。急速加熱装置2aとしては、燃焼ガス(例えば、熱風炉にてLPGやコークス炉ガス(COG)等を燃焼させて生じた高温ガス)を用いて、加熱する流動床装置が例示される。
急速加熱装置2aで加熱された配合炭を急速冷却装置3aに搬送する。急速冷却装置3aでは、加熱処理終了温度から少なくとも100℃まで10℃/min以上の平均冷却速度で冷却する。急速冷却装置3aは、急速加熱後の配合炭を上記の冷却温度及び平均冷却速度で冷却することが可能な装置であればよく、特に限定されるものでない。急速冷却装置3aとしては、上記の急速加熱装置として例示される流動床装置を、冷却装置としても同様に用いることができ、石炭全体を均一に冷却することが可能であるとともに、加熱及び冷却を迅速かつ効率的に行うことができる。また、常温窒素ガスを用いれば、10℃/min以上の冷却速度で迅速に冷却することができる。
急速加熱終了後から、冷却開始までの温度低下を抑制するためにも、急速加熱装置2aと急速冷却装置3aとは、隣接して配置されていることが望ましい。急速加熱を終えた配合炭の温度が極力低下しないうちに冷却装置で冷却を開始されることが望ましく、そのような温度低下を抑制するために、急速加熱終了後から冷却開始までの温度低下を50℃以下、好ましくは30℃以下にできるように設置されていることが望ましい。この加熱装置と冷却装置との隣接の形態としては、一基の流動床装置の内部を前段と後段とに分け、前段で石炭を急速加熱処理した後に、後段で冷却する装置が例示される。これによれば、急速加熱は必然的に急速冷却処理されるので、加熱処理後から冷却開始までの温度低下が0℃にすることができ望ましい。
急速冷却装置3aで冷却した加熱冷却処理石炭の全部を成型炭とする配合炭として用いる。ちなみに、加熱冷却処理石炭の一部を成型炭とする配合炭として用いる場合は、ここで加熱冷却処理を行っていない石炭を混合したものを用いる。その際の加熱冷却処理石炭の混合比率は、特に規定されないが、50質量%以上であることが好ましい。
この成型炭とする配合炭とバインダーとを混合する。バインダーは、特に限定されるものでなく、石油系及び石炭系バインダーなどを使用することができる。バインダーの添加量は、成型炭とする配合炭に配合されている原料石炭の銘柄や配合率等に応じて調整され、特に限定されるものでない。好ましくは、外数で5〜20質量%である。
成型機4に、成型炭とする配合炭とバインダーとの混合物を搬送し、圧縮成型する。成型機4は、特に限定されるものでなく、ブリケットマシン等が例示される。成型条件も特に限定さるものでなく、大きさは4〜125cm3、密度は1.1〜1.2g/cm3が例示される。
一方、原料石炭貯蔵装置1から、成型炭と混合する配合炭を取り出す。成型炭と混合する配合炭は、前記成型炭とする配合炭と配合率及び粉砕粒度が同じ配合炭を用いても、異なる配合炭を用いてもよい。成型炭と混合する配合炭は、上記成型炭と混合して装入炭とする。成型炭と混合する配合炭と成型炭の混合割合は、特に限定されるものでなく、成型炭と混合する配合炭は、70〜90質量%、成型炭は10〜30質量%が例示される。そして、装入炭をコークス炉5に搬送する。コークス炉5では、装入炭を乾留し、コークスを製造する。
(2.加熱冷却処理石炭を成型炭と混合する配合炭の一部又は全部として使用する方法)
この方法は、加熱冷却処理石炭を成型炭と混合する配合炭の一部又は全部とし、成型炭とする配合炭とバインダーと混合して成型炭を作成し、成型炭と、成型炭と混合する配合炭とを混合してコークスを製造する方法である。
図4は、加熱冷却処理石炭を成型炭と混合する配合炭の全部とした場合に、コークスを製造するフローを示す図である。図4に示すコークスを製造するフローの装置は、図3を用いて説明した装置と同じであるため、重複する説明は適宜省略する。
原料石炭貯蔵装置1から、加熱冷却処理を施す石炭を取り出し、急速加熱装置2a及び急速冷却装置3aで加熱冷却処理を施して、得られた加熱冷却処理石炭を成型炭と混合する配合炭とする。一方、原料石炭貯蔵装置1から、成型炭とする配合炭を取り出し、バインダーと混合し、成型機4で成型し、成型炭とする。成型炭とする配合炭は、前記成型炭と混合する配合炭と配合率及び粉砕粒度が同じ配合炭を用いても、異なる配合炭を用いてもよい。成型炭と、成型炭と混合する配合炭と、を混合し、装入炭とし、コークス炉5に装入し乾留して、コークスを製造する。
ちなみに、成型炭と混合する配合炭として、加熱冷却処理石炭の一部を用いる場合、その混合比率は、特に規定されないが、50質量%以上であることが好ましい。
(1)のコークスの製造方法のように、加熱冷却処理石炭を成型炭とする配合炭としても、(2)のコークスの製造方法ように、加熱冷却処理石炭を成型炭と混合する配合炭としても、コークス強度を向上させることができる。
(3.加熱冷却処理石炭Aを成型炭とする配合炭の一部又は全部とし、加熱冷却処理石炭Bを成型炭と混合する配合炭の一部又は全部として使用する方法)
この方法は、加熱冷却処理石炭Aを成型炭とする配合炭の一部又は全部とし、バインダーと混合して成型炭を作成し、加熱冷却処理石炭Bを成型炭と混合する配合炭の一部又は全部とし、成型炭と、成型炭と混合する配合炭とを混合してコークスを製造する方法である。
図5は、加熱冷却処理石炭Aを成型炭とする配合炭の全部とし、加熱冷却処理石炭Bを成型炭と混合する配合炭の全部とした場合に、コークスを製造するフローを示す図である。図5に示すコークスを製造するフローの装置は、図3を用いて説明した装置と同じであるため、重複する説明は適宜省略する。
原料石炭貯蔵装置1から、配合の異なる配合炭A及び配合炭Bを構成する石炭を取り出し配合する。配合炭Aを、急速加熱装置2a及び急速冷却装置3aで加熱冷却処理を施して、得られた加熱冷却処理石炭Aを用いて成型炭とする配合炭とする。一方、配合炭Bを、急速加熱装置2b及び急速冷却装置3bで加熱冷却処理を施して、得られた加熱冷却処理石炭Bを用いて成型炭と混合する配合炭とする。この時の加熱冷却処理の条件は、配合炭の性質に応じて、調整してもよい。
成型炭とする配合炭とバインダーを混合して、成型機4で成型して成型炭とする。成型炭と、成型炭と混合する配合炭とを混合し、装入炭とし、コークス炉5に装入し乾留して、コークスを製造する。このように、成型炭とする配合炭及び成型炭と混合する配合炭の両方に加熱冷却処理を施した石炭とすることで、よりコークス強度が向上する。
ちなみに、成型炭に用いる配合炭、及び、成型炭と混合する配合炭として、それぞれに加熱冷却処理石炭の一部を用いる場合、その混合比率は、特に規定されないが、いずれも50質量%以上であることが好ましい。
(4.加熱冷却処理石炭Aを成型炭とする配合炭の一部又は全部、及び、成型炭と混合する配合炭一部又は全部として使用する方法)
この方法は、一つの配合炭に加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭を、成型炭とする配合炭、及び、成型炭と混合する配合炭とし、成型炭とする配合炭とバインダーとを混合して成型炭を作成し、成型炭と、成型炭と混合する配合炭とを混合してコークスを製造する方法である。
図6は、加熱冷却処理石炭Aを成型炭とする配合炭、及び、成型炭と混合する配合炭とし、コークスを製造するフローを示す図である。図6に示すコークスを製造するフローの装置は、図3を用いて説明した装置と同じであるため、重複する説明は適宜省略する。
原料石炭貯蔵装置1から、石炭を取り出して配合し、急速加熱装置2a及び急速冷却装置3aで加熱冷却処理を施して、得られた加熱冷却処理石炭を成型炭とする配合炭、及び、成型炭と混合する配合炭とする。成型炭とする配合炭とバインダーを混合して、成型機4で成型して成型炭とする。成型炭と、成型炭と混合する配合炭とを混合し、装入炭とし、コークス炉5に装入し乾留して、コークスを製造する。このように、一つの配合炭に加熱冷却処理を施し、同じ配合の加熱冷却処理石炭を、成型炭とする配合炭及び成型炭と混合する配合炭として、コークスを製造しても、コークス強度が向上する。
ちなみに、成型炭に用いる配合炭、及び、成型炭と混合する配合炭として、それぞれに加熱冷却処理石炭の一部を用いる場合、その混合比率は、特に規定されないが、いずれも50質量%以上であることが好ましい。
(5.非微粘結炭に加熱冷却処理を施し、強粘結炭を添加して成型炭として使用する方法)
この方法は、非微粘結炭に加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭に、強粘結炭及びバインダーと混合して成型炭を作成し、成型炭と、成型炭と混合する配合炭とを混合してコークスを製造する方法である。
図7は、非微粘結炭に加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭に、強粘結炭を添加して成型炭を作成し、成型炭と、成型炭と混合する配合炭とを混合してコークスを製造するフローを示す図である。図7に示すコークスを製造するフローの装置は、図3を用いて説明した装置と同じであるため、重複する説明は適宜省略する。
原料石炭貯蔵装置1から、非微粘結炭を取り出し、急速加熱装置2a及び急速冷却装置3aで加熱冷却処理を施して、加熱冷却処理石炭を得る。次に、原料石炭貯蔵装置1から、ビトリニット平均最大反射率Roが1.0超の石炭(強粘結炭)を取り出し、前記の加熱冷却処理石炭に強粘結炭及びバインダーと混合して、成型機4で成型して成型炭とする。
一方、原料石炭貯蔵装置1から、成型炭と混合する配合炭を取り出し、成型炭と、成型炭と混合する配合炭とを混合し、装入炭とし、コークス炉5に装入し乾留して、コークスを製造する。
なお、原料石炭貯蔵装置1から、非微粘結炭を取り出し、急速加熱及び急速冷却を施す形態を示したが、非微粘結炭に強粘結炭が配合されていても、ビトリニット平均最大反射率Roが1.0以下の石炭であれば、本発明の対象とする。
また、この方法では、加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭を成型炭と混合する配合炭とすることもできる。図7では、成型炭と混合する配合炭に加熱冷却処理を施す急速加熱装置2b及び急速冷却装置3bを図示していないが、成型炭と混合する配合炭に加熱冷却処理を施す場合は、図5に示すように、急速加熱装置2b及び急速冷却装置3bを設置する。
このように、コークス強度の向上においては、非微粘結炭に加熱冷却処理を施せばよいため、非微粘結炭に加熱冷却処理を施し、その後、強粘結炭を添加し、成型炭とすることで、コークス強度が十分に向上する。なお、この方法に関して、ここでは、非微粘結炭のみに加熱冷却処理を施し、成型炭とする配合炭とする方法について説明しているが、多量に非微粘結炭が配合された配合炭(例えば、非微粘結炭:90質量%以上)に、加熱冷却処理を施し、加熱冷却処理しない強粘結炭を添加し、成型炭としてもよい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
表1に、使用した原料石炭のビトリニット平均最大反射率Ro、ドライベースの揮発分VM、最高流動度MF、全膨張率TDを示す。なお、ビトリニット平均最大反射率RoはJIS M8816で規定される方法で、最高流動度MFは、JIS M8801に規定される方法で、揮発分VMはJIS M8812で規定される方法で、全膨張率TDはJIS M8801で規定される方法で、それぞれ測定した。こられの原料石炭は、3mm以下の比率を80%の粒度に粉砕して使用した。表2に、配合炭における、表1に示す原料石炭の配合率を示す。なお、表2の配合炭の欄において、成型炭とする配合炭を成型炭用、成型炭と混合する配合炭を混合用と表記する。
Figure 0006464912
Figure 0006464912
表2に示す配合炭に加熱冷却処理を施した。表3に加熱冷却処理の条件を示す。急速冷却は、10℃/minとして、緩速冷却は、3℃/minとした。そして、成型炭とする配合炭とバインダー(コールタールピッチ)とを混合して、成型炭を製造した。表2に示すバインダー(コールタールピッチ)の添加量は、成型炭とする配合炭に対する外数である。また、成型炭の大きさは、40cmに統一した。そして、成型炭と混合する配合炭75質量%と成型炭25質量%とを混合して装入炭とし、すべての装入炭の嵩密度を800kg/m3に調整して、コークス炉で乾留してコークスを製造した。表3に、得られたコークスのコークス強度DIもあわせて示す。
なお、発明例5−1、比較例5−1、発明例6−1及び比較例6−1は、急速加熱−急速冷却又は急速加熱−緩冷冷却をA炭(非微粘結炭)のみに行い、急速加熱−急速冷却石炭又は急速加熱−緩冷冷却石炭にC炭(強粘結炭)を添加して、成型炭とした。
Figure 0006464912
発明例1−1〜発明例6−1は、加熱冷却処理をした石炭を用いてコークスを製造しているため、加熱冷却処理をした石炭を用いない比較例1−1〜比較例6−1より、コークス強度DIが高くなっている。
本発明によれば、非微粘結炭を多量に配合してもコークス強度を向上させることができ、また、石炭に事前の加熱処理を施しても大幅な設備改造を少なくすることができる。よって、本発明は、産業上の利用可能性が高いものである。
1 原料石炭貯蔵装置
2a 急速加熱装置
2b 急速加熱装置
3a 急速冷却装置
3b 急速冷却装置
4 成型機
5 コークス炉

Claims (7)

  1. コークスの製造に用いる配合炭の一部とバインダーとを混合し成型して成型炭とし、他方の配合炭と前記成型炭とを混合して装入炭とし、当該装入炭をコークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、
    成型炭とする配合炭及び成型炭と混合する他方の配合炭の少なくとも一方の配合炭の一部又は全部に、250〜350℃に40〜1000℃/minの昇温速度で加熱した後、加熱処理終了温度から少なくとも100℃まで10℃/min以上の平均冷却速度で冷却する、加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭を用いることを特徴とするコークスの製造方法。
  2. 前記成型炭とする配合炭の一部又は全部に、前記加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭を用いることを特徴とする請求項1に記載のコークスの製造方法。
  3. 前記成型炭と混合する他方の配合炭の一部又は全部に、前記加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭を用いることを特徴とする請求項1に記載のコークスの製造方法。
  4. 前記成型炭とする配合炭と、前記成型炭に混合する他方の配合炭が異なることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
  5. 前記成型炭とする配合炭と、前記成型炭に混合する他方の配合炭が同じことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
  6. 前記成型炭とする配合炭の一部に、前記加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭を用い、当該加熱冷却処理石炭にビトリニット平均最大反射率Roが1.0超の石炭を添加して、バインダーと混合し成型して成型炭とすることを特徴とする請求項1、2、4のいずれか1項に記載のコークスの製造方法。
  7. 前記成型炭とする配合炭の一部は、ビトリニット平均最大反射率Roが1.0以下の石炭であることを特徴とする請求項6に記載のコークスの製造方法。
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