JP6241337B2 - 高炉用コークスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、高炉用コークスの製造方法に関し、詳しくは、配合炭に粘結補填材を添加して、コークス強度に優れた高炉用コークスを製造する方法に関する。
一般に、製鉄プロセスでは、高炉の上部から焼結鉱や鉄鉱石などの鉄含有原料とコークスとを交互に装入し、高炉の下部から熱風を吹き込むことで、コークスをガス化して一酸化炭素や水素などを含んだ高温ガスを発生させて、鉄含有原料を加熱溶融しつつ、還元反応により銑鉄を得る。
このように高炉用コークスには、鉄含有原料を加熱溶融するための熱源、鉄含有原料を還元して鉄分を取り出すための還元材、及び、高炉中での高温ガスや溶けた鉄の通路を確保するための通気・通液材としての役割があり、少なくとも、高炉内での通気・通液が確保されるようにするために、高炉用コークスは高強度であることが求められる。
コークスの強度を向上させる技術のひとつとして、粘結補填材を添加する方法がある。例えば、コールタールピッチやアスファルト等の石油系重質留分を配合炭に添加し、配合炭を構成する各石炭の粘結性を向上させることで、粘結炭の配合割合を減らして非微粘結炭の配合割合を増加させながら、良質なコークスを製造する方法が知られている(例えば非特許文献1参照)。
また、特許文献1には、配合炭を乾燥した後、又は、乾燥と同時に、微粉炭と粗粒炭とに分級して、80〜350℃の温度の微粉炭に所定の粘結補填材を添加し、かつ、熱間加圧成型して塊成炭を製造して、該塊成炭と粗粒炭とを混合し、コークス炉に装入して乾留する高炉用コークスの製造方法が開示されている。この特許文献1記載の方法によれば、高温な微粉炭に対して粘結補填材を添加することで、粘結補填材の流動性が高まり均一に微粉炭粒子間に分散して、粘結補填材添加後、成形によって得られた塊成炭の膨張性を向上させて、高強度コークスを製造することができる。
更に、特許文献2には、高膨張圧炭に対して5質量%以上の粘結補填材を事前に添加し混練した後に、残りの配合炭と混合して、コークス炉で乾留するコークスの製造方法が開示されている。高膨張圧炭は、主に低揮発分の強粘結炭であって、高膨張圧炭から製造したコークスの強度は高いのが通例であるが、高膨張圧炭をコークス炉に装入するとコークス炉の膨張圧が高くなり、コークス炉に悪影響を及ぼすおそれがあることから、この特許文献2に係る発明では、粘結補填材を添加して高膨張圧炭が軟化溶融した石炭層の粘度を下げることで、ガスが抜け易くするようにして膨張圧の上昇を抑制する。
特許第4102426号公報 特開2008−156661号公報
木村英雄・藤井修冶(1977)「石炭化学と工業」、三共出版、315ページ
これらの例をはじめとして、高炉用コークスの製造において粘結補填材は広く利用されている。ところが、粘結補填材は、石炭がより低温で軟化溶融したり、製造したコークスの光学的異方性が発達するなど、その添加によって石炭を改質する作用があると考えられており、高炉用コークスを製造する上で、粘結補填材はあくまでも補助的な役割を担うものである。また、近年では、非微粘結炭のように品質の劣る安価な石炭を粘結炭と共に使用して、コークスを製造するのが一般的になりつつあるが、得られるコークスの強度が十分な強度となるように、配合炭中に粘結炭を所定量は配合しなければならない。つまり、非微粘結炭のように品質の劣る安価な石炭の配合比率をより多くしても、得られるコークスの強度が十分な強度となることを実現するためには、粘結補填材による石炭の改質作用をより効果的に得る技術の開発が必要である。
そこで、本発明の目的は、粘結補填材による石炭の改質作用をより効果的に得ながら、コークス強度に優れた高炉用コークスを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討した結果、配合炭が粘結補填材を含んだ状態で、所定の温度及び時間で保持する高温保持処理を施した後に、コークス炉に装入することで、得られるコークスのコークス強度が向上することを見出した。しかも、このような事前の高温保持処理によるコークス強度の向上効果は、配合炭を形成する石炭の炭種によっても異なり、特定の石炭において顕著であることを併せて見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の要旨は次のとおりである。
(1)粘結補填材が添加された配合炭をコークス炉に装入して、高炉用コークスを製造する方法であって、前記配合炭は、石炭化度Roが0.9%以下の石炭又は石炭化度Roが1.1%以上の石炭の少なくともいずれか一方を用いて形成されており、配合炭に粘結補填材が添加された状態で、非酸化雰囲気下で150℃以上350℃以下の温度で1時間以上12時間以下の高温保持処理を施した後に、コークス炉に装入することを特徴とする高炉用コークスの製造方法。
(2)配合炭に対する割合で1質量%以上15質量%以下の粘結補填材が添加されることを特徴とする(1)に記載の高炉用コークスの製造方法。
本発明によれば、粘結補填材による石炭の改質作用を従来よりも効果的に得ながら、高炉用コークスを製造することができる。そのため、得られるコークスのコークス強度を向上させることができ、或いは、品質の劣る安価な石炭をより多く配合して、高炉用コークスを製造することができるようになる。
図1は、ジラトメータ試験によって粘結補填材と高温保持処理による石炭の膨張性の違いを評価したグラフである〔A炭(-150μm)の場合〕。 図2は、ジラトメータ試験によって粘結補填材と高温保持処理による石炭の膨張性の違いを評価したグラフである〔A炭(-150μm)の場合〕。 図3は、ジラトメータ試験によって粘結補填材と高温保持処理による石炭の膨張性の違いを評価したグラフである〔A炭(-150μm)の場合〕。 図4は、ジラトメータ試験によって粘結補填材と高温保持処理による石炭の膨張性の違いを評価したグラフである〔A炭(-1.5mm)の場合〕。 図5は、ジラトメータ試験によって粘結補填材と高温保持処理による石炭の膨張性の違いを評価したグラフである〔B炭(-150μm)の場合〕。 図6は、ジラトメータ試験によって粘結補填材と高温保持処理による石炭の膨張性の違いを評価したグラフである〔C炭(-150μm)の場合〕。 図7は、ジラトメータ試験によって粘結補填材と高温保持処理による石炭の膨張性の違いを評価したグラフである〔D炭(-150μm)の場合〕。 図8は、ジラトメータ試験によって粘結補填材と高温保持処理による石炭の膨張性の違いを評価したグラフである〔E炭(-150μm)の場合〕。 図9は、ジラトメータ試験によって粘結補填材と高温保持処理による石炭の膨張性の違いを評価したグラフである〔F炭(-150μm)の場合〕。 図10は、ジラトメータ試験で得られた最大膨張率をA炭〜F炭の石炭化度Roとの関係でまとめたグラフである。 図11は、実施例で得られたコークスのドラム強度指数DI150 15(−)を示すグラフである(実験水準1〜4)。 図12は、実施例で得られたコークスのドラム強度指数DI150 15(−)を示すグラフである(実験水準5〜8)。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明では、石炭化度Roが0.9%以下の石炭又は石炭化度Roが1.1%以上の石炭の少なくともいずれか一方を用いて形成された配合炭について、それぞれ粘結補填材が含まれた状態において、非酸化雰囲気下で150℃以上350℃以下、好ましくは200℃以上300℃以下の温度で、1時間以上12時間以下、好ましくは3時間以上8時間以下保持する高温保持処理を施した上で、粘結補填材が添加された配合炭をコークス炉に装入して、高炉用コークスを製造する。
本発明者らは、このような非酸化雰囲気下での高温保持処理をコークス炉に装入する前に行うことにより、非酸化雰囲気下での高温保持処理を施さずにコークス炉で乾留した場合に比べて、得られるコークスのコークス強度が向上することを見出した。この理由については定かではないが、事前に非酸化雰囲気下での高温保持処理を施すことで、粘結補填材が石炭内部まで浸透し、粘結補填材による石炭の改質領域が拡大するためと推測する。高温保持処理における温度が150℃未満であったり、保持時間が1時間未満であると、このような改質効果が十分ではなく、反対に350℃超の温度の場合は、石炭の軟化溶融現象がコークス炉外で進行してしまうおそれがある。また、高温保持時間が12時間を超えて保持すると、雰囲気中に含まれるわずかな酸素の影響により、石炭の酸化反応が進行し、膨張性の低下が生じるおそれがある。なお、非酸化雰囲気としては窒素雰囲気等を例示することができるが、特に制限されない。
粘結補填材の添加量については、配合炭に対する割合(粘結補填材/配合炭)で1質量%以上15質量%以下、好ましくは3質量%以上10質量%以下になるようにするのがよい。配合炭に対する割合で粘結補填材が1質量%未満であると、上記のような石炭の改質効果が十分に得られない。反対に15質量%を超えて添加しても、粘結補填材の添加によるコークス強度向上効果が飽和してしまう。
ここで、高温保持処理による石炭の改質効果を確認するために、本発明者らは次のようなジラトメータ試験を行った。
すなわち、表1に示した性状を有する石炭(A炭〜F炭)と表2に示した性状を有する粘結補填材(X、Y)とを用いて、表3に示した条件の実験(水準1〜40)を行い、種々の温度及び時間で高温保持することによる石炭の膨張性の違いについて評価した。ここで、A炭については、150μm以下が100%になるように微粉砕したものと、1.5mm以下が100%になるように粉砕したものの2種類の粒度を用意し、それ以外の石炭についてはいずれも150μm以下が100%になるように微粉砕した。また、粘結補填材を添加するものについては、石炭に対する割合が外数で10質量%となるようにした。なお、表1中、VMは揮発分、Roは石炭化度、MDは下記で説明するJIS M 8801のジラトメータ法で求めた膨張率(最大膨張率)、MFはギーセラー最高流動度を表す。
ちなみに、表3に示した実験水準1は、150μm以下に微粉砕した石炭Aを高温保持処理せずに、そのまま、以下に示したようにして膨張率を測定したものである。実験水準2は、同じく微粉砕した石炭Aを250℃で3時間の高温保持処理を行った後に、膨張率を測定したものである。実験水準3は、同じく微粉砕した石炭Aに粘結補填材Xを外数で10質量%添加して、膨張率を測定したものである。実験水準4は、同じく微粉砕した石炭Aに粘結補填材Xを外数で10質量%添加して、250℃で3時間の高温保持処理を行った後に、膨張率を測定したものである。
石炭の膨張性の評価については、JIS M 8801に規定のジラトメータ法における膨張性測定装置を用いた。通常、JIS M 8801では、150μm以下に微粉砕した石炭を、規定の棒状に加圧成形して所定の細管に装入し、その上にピストンを入れた後、300℃に予熱した電気炉に挿入して300〜550℃まで3℃/minで昇温し、ピストンの上下の変位から石炭の膨張性を評価するが、この実験では、高温保持処理の影響を評価する目的から、事前に高温保持処理を行うものについては、微粉砕した石炭と粘結補填材とを混ぜて棒状に加圧成形した上で、細管に装入して、窒素雰囲気下で所定の時間及び温度で高温保持した後に、規定の昇温速度で加熱してピストンの上下の変位を測定した。そして、ピストンのゼロ点から最高位置までの変位の、棒状に成形した試料の最初の長さに対する分率(%)を膨張率(最大膨張率:MD)として求めた。但し、水準15〜18に関しては、1.5mm以下に粉砕した石炭Aと粘結補填材を成形せずに、密度0.85g/cmで細管に装入して、最大膨張率(MD)を測定した。
Figure 0006241337
Figure 0006241337
Figure 0006241337
上記ジラトメータ試験の結果について、各実験水準から得られた最大膨張率(MD)をグラフにしたものが図1〜9である。これらのグラフから分かるように、A炭(石炭化度Ro=0.74%)、B炭(同0.82%)、E炭(同1.23%)、及びF炭(同1.38%)については、それぞれ粘結補填材と共に、非酸化雰囲気下で高温保持処理をすることで、高温保持しない場合と比べて最大膨張率が増加している。これは、石炭と粘結補填材とを高温で保持することで、粘結補填材が石炭粒子の内部まで浸透して、石炭の改質領域が拡大したためと考えられ、石炭の膨張性が向上することで、得られるコークスの強度を増大させることができる。
一方で、C炭(同0.94%)及びD炭(同1.07%)は、粘結補填材と共に高温で保持しても、A炭、B炭、E炭、及びF炭のように膨張率が効果的に向上することはなかった。この理由については定かではないが、これらの石炭は、粘結補填材を添加した場合の最大膨張率が高温保持の有無にかかわらず150%以上と極めて高く、高温保持で粘結補填材による石炭の改質領域が拡大しても、もはやそれ以上には膨張率が増加しなかったためと考えられる。
ここで、150μm以下に微粉砕したA炭〜F炭にそれぞれ粘結補填材Xを添加して250℃で3時間の高温保持処理を行った場合、粘結補填材Xを添加して高温保持処理を行わなかった場合、及び、粘結補填材Xを添加せずに高温保持処理も行わなかった場合について、ジラトメータ試験で得られた最大膨張率をA炭〜F炭の石炭化度Roとの関係でまとめたグラフが図10である。このグラフからも、A炭、B炭、E炭、及びF炭については、高温保持処理により石炭の膨張性が向上し、C炭及びD炭については高温保持処理によっても石炭の膨張性が変わらないことが分かる。
これらの結果を勘案すれば、次のような配合炭について、コークス炉に装入する前に、粘結補填材と共に所定の高温保持処理を施すのがよく、得られるコークスのコークス強度を効果的に向上させることができる。すなわち、石炭化度Roが0.9%以下の石炭の1種又は2種以上を含む配合炭、石炭化度Roが1.1%以上の石炭の1種又は2種以上を含む配合炭、又は、石炭化度Roが0.9%以下の石炭の1種又は2種以上と石炭化度Roが1.1%以上の石炭の1種又は2種以上とを含む配合炭である。なかでも、石炭化度Roが0.9%超1.1%未満の石炭は使用せずに、石炭化度Roが0.9%以下の石炭と石炭化度Roが1.1%以上の石炭とを用いて配合炭を形成するのが好ましい。なお、石炭化度Roが0.9%以下の石炭を用いる場合、石炭化度Roの下限値については、非微粘結炭として使用している石炭の下限値である0.65%程度である。一方で、石炭化度Roが1.1%以上の石炭については、高炭化度炭として使用している石炭の上限値である1.6%程度である。また、本発明において、石炭の石炭化度Roとは、ISO 7405−5の”Methods for the petrographic analysis of bituminous coal and anthracite”記載の方法で測定されるビトリニットの平均ランダム反射率を意味する。
ここで、配合炭を形成する際の各石炭の配合比率については、次のようにするのがよい。すなわち、石炭化度Roが0.9%以下の石炭については、従来、粘結補填材を添加しない湿炭操業においても、石炭化度Roが0.9%以下の石炭を20質量%以上配合していることから、Roが0.9%以下の石炭は20質量%以上となるようにするのがよい。また、石炭価格は、通常、石炭化度Roが0.9%以下の石炭<石炭化度Roが0.9%超1.1%未満の石炭<石炭化度Roが1.1%以上の石炭の序列である。そのため、石炭化度Roが0.9%超1.1%未満の石炭については、それぞれの石炭価格差と共に、上述したジラトメータ試験での高温保持による粘結補填材の強度向上効果の結果を勘案して、0質量%以上20質量%以下の範囲とするのがよい。一方で、石炭化度Roが1.1%以上の石炭の配合割合については特に制限はないが、石炭化度Roが0.9%以下の石炭と石炭化度Roが0.9%超1.1%未満の石炭との合計を除いた割合が上限であることから、その上限は実質的に80質量%である。
また、上記のジラトメータ試験によれば、粘結補填材X、Y共に、石炭の改質効果が認められる。そのため、粘結補填材としては公知のものを使用でき、例えば、コールタール、コールタールを蒸留して得られる軟ピッチや硬ピッチ、石油系のアスファルト、アスファルトを熱処理、抽出等して得られるピッチ等のような瀝青物を用いることができる。なかでも、石炭との相互作用が強く、高温保持処理によって石炭の改質領域を拡大させる効果が大きいことから、コールタール系の粘結補填材を用いるのが好ましい。
更には、上記ジラトメータ試験において2種類の粒度で膨張性を評価したA炭の結果から分かるように、150μm以下が100%になるように微粉砕した場合、1.5mm以下が100%になるように粉砕した場合のいずれにおいても、粘結補填材と共に高温保持処理することで、石炭の改質効果により膨張性が向上している。そのため、例えば特許文献1にあるように、配合炭を微粒炭と粗粒炭とに分級した後(境界分級点は一般的に0.3〜0.6mmの範囲)、微粒炭を成型して塊成炭とし、該塊成炭と粗粒炭とを混合してコークス炉に装入するような場合、粘結補填材を添加する対象は微粒炭に限らず、粗粒炭についても粘結補填材を添加し、それぞれ所定の高温保持処理を行うことで、乾留して得られるコークスのコークス強度を向上させることができる。勿論、本発明における方法は、配合炭を分級せずに、コークス炉に装入して乾留する場合でも適用できる。なお、配合炭が粘結補填材を含んだ状態で高温保持処理がなされればよいため、各種石炭を配合した配合炭に対して粘結補填材を添加するようにしてもよく、配合炭を形成する過程のいずれかで粘結補填材が添加されるようにしてもよい。
また、粘結補填材と共に高温保持処理が施された配合炭は、既に石炭の改質領域の拡大がなされていることから、引き続き(連続的に)コークス炉に装入するようにしてもよく、一旦、温度が下がった状態でコークス炉に装入されるようにしても構わない。なお、配合炭を構成する各石炭の事前の粉砕処理やコークス炉での乾留する際の条件等については、公知の方法と同様にすることができる。
上述したように、本発明によれば、粘結補填材を含んだ配合炭をコークス炉に装入して、高炉用コークスを製造する際に、事前に、配合炭が粘結補填材を含んだ状態で高温保持処理を行うことで、粘結補填材による石炭の改質作用を効率良く受けながら、コークスを製造することができる。そのため、コークス強度を向上させることができるほか、品質の劣る安価な石炭の使用量を配合炭中で増すことができながらも良好なコークスを安定して得ることができる。特に、本発明における高温保持処理は、所定の石炭化度を有する石炭に対して効果的であることから、配合炭を構成する石炭を石炭化度(Ro≦0.9%、Ro≧1.1%)によって選択することで、粘結補填材による石炭の改質作用を最大限利用して、上記のような効果を得ることができる。
以下、実施例に基づき本発明をより詳細に説明するが、本発明は以下の内容に制限されるものではない。
先の表1に示した性状を有するA炭、D炭、E炭、及びF炭を用いて、それぞれ3mm以下の粒径が質量比85%となるように粉砕し、表4に示す配合割合(表中の数値は質量%を表す)で石炭を配合した。次いで、これらの石炭を配合した配合炭を窒素雰囲気で250℃まで乾燥予熱した後、実験水準3、4、7及び8については、表2に示した粘結補填材Xを配合炭に対して質量比で5%(外数)添加した(粘結補填材/配合炭が5質量%)。それ以外の実験水準1、2、5及び6については、粘結補填材Xを添加しなかった。
次いで、実験水準2、4、6及び8に関する配合炭については、窒素雰囲気下、250℃で3時間保持する高温保持処理を行い、それ以外の実験水準1、3、5及び7に関するものは事前の高温保持処理を行わずに、それぞれ嵩密度0.85g/cm(乾燥状態)となるようにして、実験用乾留装置(試験コークス炉)に装入した。そして、炉温1250℃で18.5時間加熱してコークスを製造し、コークス強度として、JIS K 2151のドラム強度指数(DI150 15)を測定した。結果を図11及び図12に示す。
Figure 0006241337
先ず、配合炭の構成が互いに同じである実験水準1〜4(図11)について見てみると、粘結補填材Xを添加した場合(水準3及び4)には、粘結補填材Xを添加していないもの(水準1及び2)に比べて高いドラム強度指数を示している。なかでも、粘結補填材Xを添加して高温保持処理した水準4(DI150 15=85.9)では、高温保持処理していない水準3(DI150 15=85.5)に比べて、ドラム強度指数0.4ポイント向上していることが分かる。
一方で、同じく配合炭の構成を揃えた実験水準5〜8(図12)について見ても、同様の傾向を示している。特に、こちらの実験水準5〜8の配合炭の構成では、粘結補填材Xを添加して高温保持処理していない水準7(DI150 15=85.7)に比べて、高温保持処理を施した水準8(DI150 15=86.3)のドラム強度指数が0.6ポイント向上しており、実験水準1〜4の場合よりも高温保持処理によるドラム強度指数の向上効果が高い。これは、実験水準5〜8では、石炭化度Roが1.07%のD炭を使わずに、石炭化度Roが0.9%以下であるA炭と石炭化度Roが1.1%以上であるE炭及びF炭とを用いて配合炭を形成しているためであり、粘結補填材による石炭の改質作用を最大限利用してコークスを製造することができる。

Claims (2)

  1. 粘結補填材が添加された配合炭をコークス炉に装入して、高炉用コークスを製造する方法であって、前記配合炭は、石炭化度Roが0.9%以下の石炭又は石炭化度Roが1.1%以上の石炭の少なくともいずれか一方を用いて形成されており、配合炭に粘結補填材が添加された状態で、非酸化雰囲気下で150℃以上350℃以下の温度で1時間以上12時間以下の高温保持処理を施した後に、コークス炉に装入することを特徴とする高炉用コークスの製造方法。
  2. 配合炭に対する割合で1質量%以上15質量%以下の粘結補填材が添加されることを特徴とする請求項1に記載の高炉用コークスの製造方法。
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