JP6769016B2 - コークスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、廃プラスチックを配合炭に添加してコークスを製造する方法に関し、特に、非微粘結炭に対して事前に加熱冷却処理を施してから廃プラスチックを添加するコークスの製造方法に関する。
産業廃棄物や一般廃棄物として、大量に排出されるプラスチック又はプラスチックを含有する廃棄物(以下、「廃プラスチック」ともいう)は、従来、大部分が埋め立て処理され、一部が焼却処理されている。しかし、埋め立て処理では、埋め立て処分場が将来不足することが予想され、また、焼却処理では、地球温暖化やCO2排出などの多くの問題を抱えている。
近年、環境問題への関心の高まりから、廃プラスチックの処理に関する上記の問題を解決すべく、廃プラスチックを再利用及び再資源化することが促進されている。再資源化の一例として、高炉等で使用する製鉄用コークスを製造するためのコークス炉に、廃プラスチックを添加して、油化物やガスを回収することが検討されている(例えば、特許文献1、特許文献2、参照)。
このように、廃プラスチックをコークス炉に添加して処理することが検討されているが、単純に石炭に廃プラスチックを添加してコークス炉に装入すると、コークス強度が低下することがある。
コークス炉に廃プラスチックを添加して処理する技術において、コークス強度の低下は、廃プラスチックに起因して生じるが、配合炭中の良質な石炭の配合比率を増加させて、コークス強度の低下を補償することが考えられる。しかしながら、良質な石炭は、資源的に枯渇状態にあるため、良質な石炭の配合比率を増加させることなしに、廃プラスチックを添加して、必要な強度を有するコークスを製造する技術の開発が望まれている。
一方、劣質な石炭を、そのまま原料として使用することは難しいため、劣質な石炭を改質して、必要な強度を有するコークスを製造する技術が多く提案されている。その技術の一つとして、コークス炉に装入する前の配合炭を事前に急速加熱処理(例えば、昇温速度が100℃/分程度の処理)してから乾留し、コークスを製造する方法が知られている(例えば、特許文献3〜6、参照)。
特開昭48−034901号公報 特開平08―157834号公報 特許第3614919号公報 特開2000−212572号公報 特開2005−082790号公報 特開2013−253158号公報
コークス炉に廃プラスチックを添加して処理する技術において、廃プラスチックに起因して生じるコークス強度の低下を、配合炭に含まれる劣質な石炭を改質して、補償することが考えられる。そうすると、特許文献3〜6に開示の方法を採用し、急速加熱処理した配合炭に、廃プラスチックを添加することが考えられるが、次のような問題が生じる。
配合炭を事前に急速加熱処理する方法では、コークス炉へ石炭を装入する際の温度が高くなるほどコークス炉において、コークスが得られるまでの時間が短くなり、生産効率が増加する。そのため、300℃近くまで加熱された石炭を可能な限り高温のまま搬送してコークス炉へ装入することになる。
そうすると、急速加熱処理した配合炭に、廃プラスチックを添加する場合、急速加熱処理後の高温の石炭と廃プラスチックが接触することになり、その際に、廃プラスチックが熱分解して、可燃性ガスが発生する。そのため、コークス炉に廃プラスチックを添加して処理する技術において、コークス強度の向上手段として、配合炭を急速加熱処理する方法を適用することは困難であった。
本発明は、このような実情に鑑み、急速加熱処理を施した石炭に廃プラスチックを添加して、必要な強度を有するコークスを製造する方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討した。急速加熱処理後の石炭と廃プラスチックが接触して、廃プラスチックから可燃性ガスが発生することを防止するために、急速加熱処理を施した石炭を冷却することを試みた。まず、本発明者らは、急速加熱処理を施した石炭を放冷し、コークス炉で乾留してコークスを製造したところ、急速加熱処理を施した石炭を冷却せずに乾留して得られたコークスより、コークス強度が低下した。
このようにコークス強度が低下したのは、急速加熱処理した石炭を冷却する際の条件が関係していると推察し、冷却の条件ついて調査した。その結果、急速加熱処理後の石炭を一定値以上の高い冷却速度で冷却することで、得られたコークスの強度が、急速加熱処理を施した石炭を冷却せずに乾留して得られたコークスのそれと同等となることを知見した。
そして、急速加熱処理を施した石炭を一定値以上の高い冷却速度で冷却し、廃プラスチックを添加したところ、廃プラスチックに起因して生じるコークス強度の低下を補償できることを知見した。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)コークスの製造に用いる配合炭に廃プラスチックを添加して装入炭とし、当該装入炭をコークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、
前記配合炭の一部又は全部に、250〜350℃に40〜1000℃/minの昇温速度で加熱した後、加熱処理終了温度から少なくとも100℃まで10℃/min以上の平均冷却速度で冷却するに際し、急速加熱終了後から冷却開始までの温度低下を50℃以下とする、加熱冷却処理を施した石炭を用いることを特徴とするコークスの製造方法。
(2)前記配合炭に、外数で前記廃プラスチックを2.5質量%以下添加することを特徴とする前記(1)に記載のコークスの製造方法。
本発明によれば、急速加熱処理した石炭を冷却するので、加熱処理後の石炭に廃プラスチックを添加することができ、コークス強度の低下を抑制できる。
試験コークスのコークス強度DIを示す図である。 平均冷却速度に対するコークス強度の関係を示す図である。 加熱冷却処理石炭に廃プラスチックを添加してコークスを製造するフローを示す図である。
次に、本発明のコークスの製造方法(以下、「本発明の製法」ということもある)に至った検討の経緯について説明するとともに、本発明の製法について説明する。なお、廃プラスチックの添加率は、加熱冷却処理石炭(配合炭)に対する外数である。
コークス炉に廃プラスチックを添加して処理する技術において、廃プラスチックを添加しても、必要な強度を有するコークスを製造できる技術の開発が望まれていた。一方、劣質な石炭を、そのまま原料として使用することは難しいため、劣質な石炭を含む配合炭をコークス炉に装入する前に急速加熱処理を施して、改質することが提案されている。
そうすると、コークス炉に廃プラスチックを添加して処理する技術において、廃プラスチックに起因して生じるコークス強度の低下を、配合炭に含まれる劣質な石炭を急速加熱処理して改質して、補償することが考えられる。しかし、配合炭を急速加熱処理する方法では、コークス炉へ高温のまま石炭を搬送するため、この石炭に廃プラスチックを添加すると、廃プラスチックから可燃性ガスが発生してしまう。
そこで、本発明者らは、急速加熱処理後の石炭と廃プラスチックが接触して、廃プラスチックから可燃性ガスが発生することを防止するために、急速加熱処理を施した石炭を冷却することを試みた。まず、急速加熱処理を施した石炭を放冷し、コークス炉で乾留してコークスを製造した。しかしながら、得られたコークスは、急速加熱処理を施した石炭を冷却せずに乾留して得られたコークスより、コークス強度が低下した。
本発明者らは、急速加熱処理により付与される特性を冷却後の石炭においても維持するには、急速加熱処理した石炭を適切な冷却条件で冷却する必要があることを知見した。詳細には、次のような急速加熱処理した石炭を種々条件で冷却する試験を行った。
流動床装置に配合炭を装入し、300℃に100℃/minの昇温速度で急速加熱した後、直ちに3℃/min又は10℃/minで80℃まで冷却し、それぞれ試験コークス炉で乾留し、試験コークス1及び試験コークス2を作成した。
比較試験として、流動床装置に配合炭を装入し、300℃に100℃/minの昇温速度で急速加熱した後、冷却せずに、試験コークス炉で乾留し、試験コークス3を作成した。
また、他の比較試験として、配合炭を急速加熱及び冷却せずに、試験コークス炉で乾留し、試験コークス4を作成した。
なお、試験コークス炉で乾留するにあたっては、コークス強度に影響を与えないようにするために、石炭の装入嵩密度をほぼ同一の値(0.76t/m3)に調整した。
そして、試験コークス1〜4のコークス強度を測定した。コークス強度は、コークスをJIS K2151記載のドラム試験機により150回転した後、15mmふるい上のコークスの百分率DI150 15を実測して求めた。なお、コークス強度DI150 15を、以下ではコークス強度DIと簡略化して記載する。
図1に試験コークスのコークス強度DIを示す。急速加熱処理後に3℃/minで冷却した試験コークス1は、急速加熱及び冷却をしない試験コークス4より、コークス強度DIが高いものの、急速加熱処理後、冷却しない試験コークス3より、コークス強度DIが明らかに低くなった。それに対して、急速加熱処理後に10℃/minで冷却した試験コークス2は、急速加熱処理後に3℃/minで冷却した試験コークス1、及び、急速加熱処理及び冷却しない試験コークス4よりも、コークス強度DIが高く、急速加熱後に冷却をしない試験コークス3とほぼ同等であった。
なお、実際のコークス炉においては、石炭の装入嵩密度は、常温に近い温度で装入する方が、高温で装入するよりも高くなる。このため、急速加熱した後、冷却しない試験コークス3よりも、急速加熱した後に10℃/minで冷却した試験コークス2の方が、コークス強度が高くなることを意味している。
次に、流動床装置に配合炭を装入し、300℃に100℃/minの昇温速度で急速加熱した後、種々の平均冷却速度で冷却して、試験コークス炉で乾留し、試験コークスの強度を測定した。図2に、平均冷却速度に対するコークス強度の関係を示す。図2に示すように、平均冷却速度が大きいほどコークスの強度が高くなり、平均冷却速度が10℃/min以上とすることで、コークス強度が高いコークスを安定して得られることが判明した。
次に、急速加熱後に平均冷却速度10℃/min以上で急速冷却する処理(以下、「加熱冷却処理」ということもある)を配合炭に施した加熱冷却処理石炭に、廃プラスチックを添加して、試験コークス5を作成した。
具体的な加熱冷却条件としては、配合炭を急速加熱装置において、100℃/minで300℃まで急速加熱した後、急速冷却装置において、直ちに、10℃/minで80℃まで冷却し、加熱冷却処理石炭を得た。そして、加熱冷却処理石炭に廃プラスチックを1質量%添加し、試験コークス炉で乾留して試験コークス5を得た。
比較試験として、加熱冷却処理を施さない配合炭に廃プラスチック1質量%添加して、試験コークス炉で乾留して試験コークス6を得た。
また、参考試験として、加熱冷却処理を施さない配合炭に廃プラスチックを添加せず、試験コークス炉で乾留して試験コークス7を得た。
そして、試験コークス5、試験コークス6及び試験コークス7のコークス強度を測定した。その結果、試験コークス6のコークス強度DIの83.4%であるのに対して、試験コークス7のコークス強度DIは83.6%であることから、廃プラスチックを配合炭に添加することで、コークス強度DIが低下することがわかる。一方、試験コークス5のコークス強度DIは84.5%であり、試験コークス6より高くなった。更に、試験コークス5のコークス強度DIは、試験コークス7より高くなり、試験コークス5の製造における廃プラスチックの添加率においては、廃プラスチックを添加してもコークス強度DIが低下しないことがわかった。
また、配合炭に加熱冷却処理を施す方法では、コークス炉へ高温のまま石炭を搬送することが無くなり、既存の石炭の搬送設備を活用できることがわかった。
本発明は、以上のような検討過程を経て上記(1)に記載の発明に至ったものであり、そのような本発明の製法の流れについて、フロー図を用いて説明するとともに、必要な要件について説明する。
図3は、加熱冷却処理石炭に廃プラスチックを添加してコークスを製造するフローを示す図である。原料石炭貯蔵装置1には、種々銘柄の原料石炭が貯蔵されている。この原料石炭貯蔵装置1から、加熱冷却処理を施す石炭を取り出し、配合及び必要に応じて粉砕して急速加熱装置2に搬送する。
急速加熱装置2では、配合炭を250〜350℃に40〜1000℃/minの昇温速度で加熱する。配合炭の加熱温度が250℃未満であると十分なコークス強度が得られず、一方、加熱温度が350℃超であると、石炭の熱分解反応が進行してしまい、コーク強度が低下する恐れがある。
また、加熱処理での昇温速度が40℃/min未満であると、石炭を所定温度まで加熱するための時間が長くなり、コークスの生産性が低下する。一方、昇温速度が1000℃/min超であると、昇温速度が速すぎるため、石炭の加熱温度を制御することが難しくなり、石炭が想定よりも高温まで加熱されてしまう恐れがあり、この場合には、石炭の熱分解反応が進行してコークス強度が低下する。
続いて、急速加熱装置2で加熱された配合炭を急速冷却装置3に搬送する。急速冷却装置3では、加熱処理終了温度から少なくとも100℃まで10℃/min以上の平均冷却速度で冷却する。冷却温度が100℃超であると大気下での石炭の劣化が大きく、コークス強度が低下する。
また、図2には、配合炭を300℃まで100℃/minで急速加熱した後、異なる平均冷却速度で40℃まで冷却し、試験コークス炉で乾留して生成したコークスの強度DIを示しており、平均冷却速度が10℃/min未満であると、平均冷却速度が小さくなるほどコークス強度DIが低くなり、コークス強度の向上の効果が十分に得られなくなる。そのため、平均冷却速度を10℃/min以上として冷却する。
急速冷却装置3で冷却した加熱冷却処理石炭に廃プラスチックを添加する。廃プラスチックは、加熱冷却処理石炭がコークス炉4へ搬送される搬送コンベアーの途上で添加して装入炭とすることができる。コークス炉4の手前に加熱冷却処理石炭と廃プラスチックとの配合設備を設け、配合設備で配合した後、コークス炉に装入して乾留し、高炉用コークスを製造してもよい。
加熱冷却処理石炭に対する廃プラスチックの添加率は、所望のコークス強度に応じて、添加率を調整すればよく、特に限定されるものでないが、配合炭に対して2.5質量%以下添加することが好ましい。原料石炭の特性や、廃プラスチックに含まれるプラスチックの種類によるものの、2.5質量%以下とすると、廃プラスチックを添加せずに製造したコークス強度を維持できるため、好ましい。
ちなみに、一部の配合炭に加熱冷却処理を施し、廃プラスチックを添加する場合は、図3の点線矢印で示されるように、廃プラスチックの添加と同時に、あるいは、廃プラスチックの添加の前又は後に、加熱冷却処理を行っていない配合炭を混合することができる。加熱冷却処理石炭と、加熱冷却処理を行っていない配合炭との混合比率は、特に規定されないが、加熱冷却処理石炭を50質量%以上とすることが好ましい。
そして、コークス炉4に搬送した装入炭を乾留してコークスを製造する。このように、配合炭の一部又は全部に加熱冷却処理石炭を用いることで、コークス強度の低下を抑制しつつ、廃プラスチックを添加することができる。
以上のように、本発明の製法は、配合炭の一部又は全部に加熱冷却処理を施して加熱冷却処理石炭を製造し、その後、配合炭に廃プラスチックを添加してコークス炉に装入して乾留してコークスを製造するものであり、次に、本発明の製法の好ましい要件について順次説明する。
(配合炭)
加熱冷却処理をする配合炭は、原料石炭が配合された配合炭であり、非微粘結炭を含むものとし、強粘結炭に対して内数で非微粘結炭を60%以上の配合率で配合することが好ましい。また、加熱冷却処理する配合炭を非微粘結炭からなるものとしてもよい。配合炭の粉砕粒度は、特に限定されるものでなく、3mm以下の比率を60%〜95%の粒度に粉砕したものが例示される。
(非微粘結炭)
本発明における非微粘結炭とは、ビトリニット平均反射率Roが1.0以下である石炭を意味しており、その他の特性(揮発分VM、全膨張率TDなど)は、特に限定されるものでない。ビトリニット平均反射率Roを1.0以下の石炭に加熱冷却処理を施すことで、乾留した後のコークス強度の向上が顕著となる。また、ビトリニット反射率RoはJIS M8816で規定される方法で測定することができる。
(強粘結炭)
本発明における強粘結炭とは、ビトリニット平均反射率Roが1.0%超である石炭を意味している。なお、ビトリニット平均反射率Roの上限は特に限定されないが、粘結性の確保の観点から、1.65%未満が好ましい。ビトリニット平均反射率Roを1.0超とすることで、石炭を乾留した後のコークスの強度が高くなる。
(廃プラスチックの種類)
加熱冷却処理石炭に添加する廃プラスチックは、産業廃棄物や一般廃棄物として、大量に排出されるプラスチック又はプラスチックを含有する廃棄物である。廃プラスチックに含有されるプラスチックは、特に限定されるものでないが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)や、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリスチレン(PS)、塩化ビニル(PVC)等のプラスチックが例示される。
(廃プラスチックの形状)
廃プラスチックの形状は、特に限定されるものでないが、減容化処理した塊状物を適当な寸法(例えば、直径20mm、長さ40〜50mm)に切断したものが好ましい。これは、減容して廃プラスチックの嵩密度を大きくすることにより、廃プラスチックの比表面積(廃プラスチック単位質量あたりの表面積)が低下し、廃プラスチックと石炭の接触面積が減少し、廃プラスチックの周囲に形成される熱分解ガスにより劣化した石炭が、減少するためである。
(急速加熱装置)
急速加熱装置は、配合炭を加熱温度及び昇温速度で加熱することが可能な装置であればよく、特に限定されるものでない。急速加熱装置としては、燃焼ガス(例えば、熱風炉にてLPGやコークス炉ガス(COG)等を燃焼させて生じた高温ガス)を用いて、加熱する流動床装置が例示される。
(急速冷却装置)
急速冷却装置は、急速加熱後の配合炭を上記の冷却温度及び平均冷却速度で冷却することが可能な装置であればよく、特に限定されるものでない。急速冷却装置としては、上記の急速加熱装置として例示される流動床装置を、冷却装置としても同様に用いることができ、石炭全体を均一に冷却することが可能であるとともに、加熱及び冷却を迅速かつ効率的に行うことができる。また、常温窒素ガスを用いれば、10℃/min以上の冷却速度で迅速に冷却することができる。
(急速加熱装置と急速冷却装置との配置)
急速加熱装置と急速冷却装置とは、急速加熱終了後から、冷却開始までの温度低下を抑制するためにも、急速加熱装置と急速冷却装置とを隣接して配置することが望ましい。急速加熱を終えた配合炭の温度が極力低下しないうちに冷却装置で冷却を開始されることが望ましく、そのような温度低下を抑制するために、急速加熱終了後から冷却開始までの温度低下を50℃以下、好ましくは30℃以下にできるように設置されていることが望ましい。この加熱装置と冷却装置との隣接の形態としては、一基の流動床装置の内部を前段と後段とに分け、前段で石炭を急速加熱処理した後に、後段で冷却する装置が例示される。これによれば、急速加熱は必然的に急速冷却処理されるので、加熱処理後から冷却開始までの温度低下が0℃にすることができ望ましい。
(その他)
本発明の製法において、成型炭と、粉炭とを混合してコークスを製造する方法を適用してもよい。その場合、加熱冷却処理を施した加熱冷却処理石炭を、成型炭とする配合炭としても、成型炭と混合する配合炭としてもよく、コークス炉に装入する前に廃プラスチックを添加すればよい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
表1に、使用した原料石炭のビトリニット平均反射率Ro、ドライベースの揮発分VM、最高流動度MF、全膨張率TDを示す。なお、ビトリニット反射率RoはJIS M8816で規定される方法で、最高流動度MFは、JIS M8801に規定される方法で、揮発分VMはJIS M8812で規定される方法で、全膨張率TDはJIS M8801で規定される方法で、それぞれ測定した。これらの原料石炭は、3mm以下の比率を80%以上の粒度に粉砕し、表1に示す配合比率で配合炭を調整した。
Figure 0006769016
配合炭を急速加熱装置において、100℃/minで300℃まで急速加熱した後、急速冷却装置において、直ちに、10℃/minで少なくとも80℃まで冷却し、加熱冷却処理石炭を得た。そして、発明例1〜発明例5では、廃プラスチックの添加率を1.0〜3.0%として、加熱冷却石炭に廃プラスチックを添加して、装入炭とした。発明例の廃プラスチックの添加率は、ドライベースの加熱冷却石炭に対する割合である。また、廃プラスチックは、一般廃棄物のプラスチック(容器リサイクル法に従って回収されたプラスチック)を減容化処理したものを適当な寸法(ここでは、長さ約50mm、直径約20mmの略円筒形状)に裁断して使用した。
比較例1〜比較例5では、発明例と同一の配合炭に加熱冷却処理を施さず、水分6.5質量%に調湿し、発明例と同一の廃プラスチックを添加率1.0〜3.0%で添加して、装入炭とした。また、参考例1では、発明例と同一の配合炭に加熱冷却処理を施さず、水分6.5質量%に調湿し、廃プラスチックを添加せずに、装入炭とした。比較例及び参考例の廃プラスチックの添加率は、調湿した後の配合炭に対する割合である。
そして、全ての装入炭の嵩密度を0.76t/m3に調整して、試験コークス炉で乾留してコークスを製造した。作成したコークスのコークス強度DIを測定し、表2に示す。
Figure 0006769016
発明例1〜発明例5は、加熱冷却処理をした石炭を用いてコークスを製造しているため、廃プラスチックを添加しても、同量の廃プラスチックを添加した比較例1〜比較例5よりも、それぞれ高いコークス強度DIとなっている。また、発明例1〜発明例4は、参考例1よりコークス強度DIが高くなっているか、ほぼ維持できており、発明例5においてもコークス強度の低下が小さい。
それに対して、比較例1〜比較例5は、加熱冷却処理をした石炭を用いずに、廃プラスチックを添加してコークスを製造しているため、コークス強度DIが参考例1よりすべて低くなっている。比較例3〜5においてはコークス強度DIの低下が著しい。
本発明によれば、急速加熱処理した石炭を冷却するので、加熱処理後の石炭に廃プラスチックを添加することができ、コークス強度の低下を抑制できる。よって、本発明は、産業上の利用可能性が高いものである。
1 原料石炭貯蔵装置
2 急速加熱装置
3 急速冷却装置
4 コークス炉

Claims (2)

  1. コークスの製造に用いる配合炭に廃プラスチックを添加して装入炭とし、当該装入炭をコークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、
    前記配合炭の一部又は全部に、250〜350℃に40〜1000℃/minの昇温速度で加熱した後、加熱処理終了温度から少なくとも100℃まで10℃/min以上(但し、50℃〜200℃/minを除く)の平均冷却速度で冷却するに際し、急速加熱終了後から冷却開始までの温度低下を50℃以下とする、加熱冷却処理を施した石炭を用いることを特徴とするコークスの製造方法。
  2. 前記配合炭に、外数で前記廃プラスチックを2.5質量%以下添加することを特徴とする請求項1に記載のコークスの製造方法。
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