JP2011032531A - 高炉原料用塊成化物の製造方法 - Google Patents

高炉原料用塊成化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】軟化溶融性をほとんど有しない石炭を用いても、高強度の高炉原料用塊成化物を製造しうる高炉原料用塊成化物の製造方法を提供する。
【解決手段】最高流動度MFが3DDPM以下で、揮発分VMを10質量%以上含有する粉状石炭Aと、結晶水LOIを3質量%以上含有する粉状鉄鉱石Bとを混合機1にて冷間で混合して混合原料Cとした後に、この混合原料Cを加熱機2で250〜550℃に加熱し、この加熱された混合原料C’を熱間成形機4で熱間成形して成形物Dを作製し、この成形物Dを熱処理装置5にて560〜750℃で加熱処理して高炉原料用塊成化物Eを製造する。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉の装入原料として用いることができる、熱間成形による高炉原料用塊成化物の製造方法に関し、詳しくは、高結晶水含有鉄鉱石と微非粘結性石炭との組合せによる高炉原料用塊成化物の製造方法に関する。
本出願人は、高炉、キューポラなどの竪型炉用装入原料として用いることを目的として、粉鉱石と軟化溶融性を有する炭材の混合物を熱間成形することにより、従来の炭材内装コールドペレット等のようにセメントなどのバインダを添加せずとも高強度が得られる炭材内装塊成化物を開発した。
このような炭材内装塊成化物は、例えば図8に示すような工程で製造できる。すなわち、粉状鉄鉱石Bをロータリキルン(原料加熱手段)12で400〜800℃に加熱するとともに、軟化溶融性(流動性)を有する粉状石炭Aを別途ロータリドライヤ(炭材加熱手段)11で軟化溶融が起らない250℃未満の温度で乾燥したのち、これらの加熱された粉状石炭A(以下、単に「石炭」ともいう。)と粉状鉄鉱石B(以下、単に「鉄鉱石」ともいう。)とからなる加熱原料を混合機13で混合して粉状石炭Aが軟化溶融する温度である250〜550℃の加熱混合物C’とする。そして、この加熱混合物C’を双ロール型成形機(成形手段)14で熱間成形してブリケット化し、必要により脱ガス槽(熱処理手段)15にて残留タール分を除去することにより炭材内装塊成化物Eが得られる(特許文献1,2参照)。
ところで、上記従来技術(特許文献1,2に記載の製造方法)は、粉状石炭Aとして少なくともlogMF>0.5〔すなわち、MF>3DDPM〕(MF:ギーセラー最高流動度)の軟化溶融性を有するものを用いることを必須としているため、原料選択に制約があり、もっと軟化溶融性の低い、あるいは軟化溶融性を有しない石炭を用いても、高炉の装入原料として用いることができる、高強度の高炉原料用塊成化物を製造しうる技術の開発が望まれていた。
特開2008−95124号公報 特開2001−294944号公報
そこで、本発明は、軟化溶融性をほとんど有しない石炭を用いても、高強度の高炉原料用塊成化物を製造しうる高炉原料用塊成化物の製造方法を提供することを目的とする。
発明者らは、上記課題の解決策を見出すため、まず、炭種と鉄鉱石銘柄との組合せを種々変更するとともに、それらの混合および加熱の方式を種々変更して熱間成形し、得られた高炉原料用塊成化物(以下、単に「塊成化物」ともいう。)の強度に及ぼす影響を調査した。
その結果、驚くべきことに、ごく低流動性ないしは無流動性ではあるが揮発分を所定量含有する石炭と、結晶水を所定量含有する鉄鉱石を冷間で混合した後に、この混合原料を熱間成形温度まで加熱して熱間成形し、さらに、熱間成形温度よりも高い温度で熱処理することで、高炉原料用塊成化物の強度が向上することがわかった(後記実施例参照)。
上記のように、粘結性の非常に低い又は無い石炭を用いても、高炉原料用塊成化物の強度が発現するメカニズムについては、いまだ調査中であるが、現時点では発明者らは以下の仮説に基づくものと想定している。
すなわち、ごく低流動性ないしは無流動性ではあるが揮発分を所定量含有する石炭と、結晶水を所定量含有する鉄鉱石からなる混合原料を熱間成形温度である250〜550℃に加熱すると、揮発分を含有する石炭からは揮発分が気化して(脱揮して)CHなどの炭化水素成分を含有するガスが発生する一方、結晶水を含有する鉄鉱石からは結晶水が解離して水蒸気(HO)が発生する。すると、CH+HO→3H+COのガス改質反応によりHが生成し、このHの存在により石炭が水添されて液化が促進され、石炭は流動性(軟化溶融性)を獲得する。このようにして、流動性(軟化溶融性)が発現した石炭と、結晶水の解離によりゲーサイトからヘマタイトへの相変態に伴って比表面積が増加した鉄鉱石とを熱間で加圧成形することで、強固な成形物が得られる。そして、熱間成形後に熱間成形温度よりも高い温度で成形物を熱処理することで、成形物中に残留する揮発分と結晶水が気化し、上記ガス改質反応により発生したHによって石炭の粘結性がさらに高まり、成形物(高炉原料用塊成化物)の強度がより上昇することとなる。
発明者らは上記知見に基づいてさらに検討を加え、以下の発明を完成するに至った。
請求項1に記載の発明は、ギーセラー最高流動度MFが3DDPM以下で、揮発分VMを10質量%以上含有する粉状石炭と、結晶水LOIを3質量%以上含有する粉状鉄鉱石とを混合して混合原料となす混合工程と、この混合原料を250〜550℃に加熱する加熱工程と、この加熱された混合原料を熱間成形して成形物となす熱間成形工程と、この成形物を560〜750℃で加熱処理して高炉原料用塊成化物となす熱処理工程と、を備えたことを特徴とする高炉原料用塊成化物の製造方法である。
請求項2に記載の発明は、前記混合原料中における、〔揮発分VMの含有量〕/〔結晶水LOIの含有量〕の比率が質量比で0.5〜2.0である請求項1に記載の高炉原料用塊成化物の製造方法である。
請求項3に記載の発明は、前記熱処理工程の後に、前記高炉原料用塊成化物を不活性ガス雰囲気中で300℃以下まで冷却する冷却工程を備えた請求項1または2に記載の高炉原料用塊成化物の製造方法である。
本発明によれば、上記従来技術(特許文献1,2に記載の製造方法)と異なり、軟化溶融性は低いが所定量の揮発分を含有する粉状石炭と、所定量の結晶水を含有する粉状鉄含有原料とを、冷間で混合してから、上記従来技術と同様の熱間成形温度(250〜550℃)で加熱した後、熱間成形し、上記従来技術の熱処理温度(熱間成形温度以上)よりも高めの温度(560〜750℃)で熱処理することで、高強度の高炉原料用塊成化物を製造できるようになった。
本発明の一実施形態に係る、高炉原料用塊成化物の製造装置の概略構成を示すフロー図である。 実施例のラボ試験の手順を説明するためのフロー図である。 粉状鉄鉱石中の結晶水LOI含有量と高炉原料用塊成化物の引張強度との関係を示すグラフ図である。 粉状石炭の最高流動度MFと高炉原料用塊成化物の引張強度との関係を示すグラフ図である。 粉状石炭中の揮発分VM含有量と高炉原料用塊成化物の引張強度との関係を示すグラフ図である。 成形物の熱処理温度と高炉原料用塊成化物の引張強度との関係を示すグラフ図である。 タブレットの示差熱分析結果を示すグラフ図である。 従来技術における、炭材内装塊成化物の製造装置の概略構成を示すフロー図である。
(実施形態)
図1に本発明の一実施形態に係る高炉原料用塊成化物の製造装置の概略構成を示す。なお、上記従来技術で説明した図8と共通する物質には同じ符号を用いた。
石炭としては、ギーセラー最高流動度MFが3DDPM以下で、揮発分VMを10質量%以上(好ましくは12質量%以上)含有するもの、例えば高炉羽口吹込み用微粉炭に用いられる非粘結炭などを用いることができるが、揮発分の含有量が低い(10質量%未満の)無煙炭は適しない。
ギーセラー最高流動度MFを3DDPM以下としたのは、3DDPMを超える(logMF>0.5)ものであれば、上記従来技術を適用すればよく、本発明を適用するまでもないためである。また、揮発分VMを10質量%以上(好ましくは12質量%以上)含有するものとしたのは、上記仮説に基づくメカニズムによれば、揮発分由来の炭化水素成分が相当量発生することが必須であるためである。
また、鉄鉱石としては、結晶水LOIを3質量%以上(好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上)含有するもの、例えば高結晶水鉱石、マラマンバ鉱石、リモナイト鉱石などを用いることができるが、結晶水含有量の低い(3質量%未満の)ヘマタイト鉱石やマグネタイト鉱石は適しない。
結晶水LOIの含有量を3質量%以上(好ましくは5質量%以上、さらに好ましくは7質量%以上)としたのは、上記仮説に基づくメカニズムによれば、結晶水由来の水蒸気(HO)が相当量発生することが必須であるためである。
石炭と鉄鉱石は、必要な場合には粉砕して、例えば、石炭は−250μm、鉄鉱石は−45μm程度の粉状にするとよい。
〔混合工程〕
このようにして粒度調整した粉状石炭Aと粉状鉄鉱石Bとを所定の配合割合で切り出して混合機1で混合して混合原料とする。
上記所定の配合割合は、以下のようにして決定すればよい。すなわち、上記仮説中のガス改質反応を促進させるためには、炭化水素と水蒸気のモル比は1に近いほど良いと考えられ、CHを主体とする炭化水素の平均分子量と水蒸気(HO)の分子量はほぼ等しいことから、混合原料中における、〔揮発分VMの含有量〕/〔結晶水LOIの含有量〕の比率は質量比で0.5〜2.0、より好ましくは0.75〜1.5、特に好ましくは0.8〜1.2になるようにするのが推奨される。
この混合に際して、粉状鉄鉱石Bは、上記従来技術のように250℃以上に加熱することは避ける必要がある。つまり、結晶水を含有する粉状鉄鉱石Bを250℃以上に加熱すると、粉状石炭Aとの混合前に結晶水が解離して除去されてしまうので、粉状石炭Aと混合した後に再度加熱しても上記ガス改質反応が起こらなくなりHが発生しなくなることから、石炭が流動性を獲得できなくなるためである。ただし、付着水分を除去する目的で、250℃未満で乾燥することは、結晶水が離脱することがないので問題ない。
また、粉状石炭Aも、上記従来技術と同様に、当然、250℃以上に加熱することは避ける必要がある。つまり、揮発分を含有する粉状石炭Aを250℃以上に加熱すると、揮発分が気化して除去されてしまうので、粉状鉄鉱石Bと混合した後に再度加熱しても上記ガス改質反応が起こらなくなりHが発生しなくなることから、石炭が流動性を獲得できなくなるためである。ただし、付着水分を除去する目的で、250℃未満で乾燥することは、揮発分が気化することがないので問題ない。
なお、混合機1としては周知のドラムミキサなどを用いることができる。
〔加熱工程〕
混合原料Cは、加熱装置(例えば、外部加熱式ロータリキルン)2で250〜550℃、好ましくは300〜500℃に加熱する。
このように、流動性は非常に低いが揮発分を所定量含有する粉状石炭Aと、結晶水を所定量含有する粉状鉄鉱石Aを混合した後に所定温度で加熱することで、本来流動性をほとんど有しない粉状石炭Aが、上記仮説に基づくメカニズムにより流動性を獲得するものと考えられる。
加熱温度を250〜550℃(好ましくは300〜500℃)としたのは、加熱温度が低すぎると、粉状石炭Aからの揮発分VMの気化も、粉状鉄鉱石Bからの結晶水LOIの気化も起らず粉状石炭Aが流動性を獲得し得ないためであり、一方加熱温度が高すぎると、粉状石炭Aが軟化溶融状態に留まらず、さらにコークス化まで進行してしまい、いずれの場合もバインダとしての効果が十分に発揮されないためである。
加熱装置2として外部加熱式のものを採用するのは、内部加熱式の加熱装置で加熱すると混合原料Cが急速加熱されてバースティング(爆裂)が発生しやすくなるためである。
加熱装置2から排出された排ガスは、粉状石炭Aから発生したタール分を含有する場合があり、排ガス系統において凝縮・固着し、配管等を閉塞させるおそれがある。これを防止するため、図示しないが、例えば、加熱装置2の排ガス排出ダクトに燃焼器を設置してタール分を燃焼分解してガス化させてしまう方法や、同排出ダクトにバーナを設置して排ガス中の揮発分(炭化水素ガス)を部分燃焼してタール分が凝縮しない温度に保持して排ガス処理装置まで搬送する方法などを採用すればよい。
〔熱間成形工程〕
加熱された混合原料(加熱混合原料)C’は、熱間成形機(例えば熱間成形用の双ロール型成形機)4を用いてブリケット(成形物)Dに加圧成形する。
〔熱処理工程〕
成形物Dを560〜750℃に調整した熱処理装置(例えば、シャフト炉)5内に装入し、成形物D中に残存する揮発分および結晶水を気化して石炭の流動性(粘結性)をさらに高めて成形物Dのバインディング効果をより高めた後、炭材を固化させる。これにより、得られた塊成化物Eが高炉に装入されて加熱された際に、もはや炭材が軟化することがなく塊成化物Eの強度が維持されるとともに、タール分が多量に発生することがなく高炉の排ガス系統にタールが固着する等のトラブルの発生を防止できる。
シャフト炉5で熱処理された成形物Dは、熱いまま大気中に排出すると発火や燃焼のおそれがあるため、シャフト炉5の下部または図示しない冷却器中で窒素ガスなどの不活性ガス雰囲気中で300℃以下まで冷却してから排出するのが望ましい。
脱ガス後の成形物Dは、スクリーン6で篩って、篩下粉Fは、可能であればロータリキルン2や混合機3等へ戻して再利用しつつ、篩上塊状物Eは目的とする高強度の高炉原料用塊成化物として回収する。
(変形例)
上記実施形態では、粉状石炭Aおよび粉状鉄鉱石Bとしては、ともに単一の銘柄を用いる例を示したが、複数銘柄を配合して用いてもよい。この場合、配合後の組成が、上記請求項1で規定する条件を満足すべきことは当然である。なお、上記篩下粉Fを再利用する場合は、篩下粉Fを鉄鉱石の複数銘柄の一つとみなして同様の取り扱いをすればよい。
また、上記実施形態では、混合工程において、混合原料として粉状鉄鉱石と粉状石炭のみを用いる例を示したが、さらに粉状フラックス(石灰石、ドロマイトなど)を含有させてもよい。この場合も、フラックスを鉄鉱石の複数銘柄の一つとみなして上記と同様の取り扱いをすればよい。
また、上記実施形態では、熱間成形機として双ロール型成形機を用いる例を示したが、押出し成形機を用いてもよい。
本発明の効果を確証するため、以下のラボ試験を実施した。
〔試験方法〕
ラボ試験の方法としては、以下の(1)〜(6)の手順で行った(図2参照)。
(1)粉状石炭と粉状鉄鉱石を所定の配合割合にて合計質量で約8gになるように配合し、混合機(攪拌羽根付き縦型円筒容器)内で、攪拌羽根の回転速度:180〜300rpm、混合時間0.17〜1.0minの条件で冷間混合して混合原料を作製する。
(2)ついで、この混合原料を、外部ヒータ付きのドーナツ型モールドの中心部円筒空間(内径20mm)に充填して所定温度に加熱する。
(3)その後、モールドの外部ヒータの電源をOFFにし、直ちに加圧用ピンで加熱混合原料を1700〜2000kgf(1kgf≒9.8N)の成形荷重で加圧してタブレット(成形物)を作製する。
(4)モールドからタブレット(成形物)を取り出し、これをN流通下で所定温度に加熱された加熱炉内に速やかに装入して10〜120min熱処理する。
(5)熱処理が終了したタブレット(成形物)を取り出し、Nで室温まで急冷する。
(6)コンクリートの引張強度試験方法(JIS−A1113)に準じて、タブレット(高炉原料用塊成化物)の圧潰強度を測定し、引張強度を算出する。
〔試料〕
粉状鉄鉱石としては、発明例用試料として、鉱石A[豪州産高結晶水鉱石(LOI:10.38質量%)]および鉱石B[リモナイト鉱石(LOI:17.0質量%)]を用い、比較例用試料として、鉱石C[ブラジル産ヘマタイト鉱石(LOI:0.9質量%)]、および、これらの各鉱石を事前に空気中またはN雰囲気中で650℃×2h加熱して結晶水を完全に除去したものを用いた。
粉状石炭としては、発明例用試料として、石炭P[低VM一般炭(MF:0、VM:15.2質量%)]を用い、比較例用試料として、石炭Q[無煙炭(MF:0、VM:5.5質量%)]、石炭R[微粘結炭(logMF:2.47、VM:34.6質量%)]および石炭S[粘結炭(logMF:3.94、VM:28.8質量%)]を用いた。
粉状石炭の粒度は−250μm、粉状鉄鉱石の粒度は−100μmとした。
そして、混合原料は、粉状鉄鉱石:粉状石炭=60:40(質量比)の配合割合(一定)とした。
〔試験結果〕
[試験1](粉状鉄鉱石中の結晶水LOI含有量の影響)
タブレット(高炉原料用塊成化物)の引張強度に及ぼす粉状鉄鉱石中の結晶水LOI含有量の影響を調査するため、以下の試験を実施した。
すなわち、粉状石炭としては発明例用試料である石炭Pのみを用い、粉状鉄鉱石としては、鉱石A、B、Cの各鉱石を、事前に加熱しないもの(生)と、空気中またはN雰囲気中で加熱処理したもの(Air焼、N焼)をそれぞれ用い、これらを組み合わせて上述の試験方法でタブレット(高炉原料用塊成化物)を作製し、その圧潰強度を測定し引張強度を算出した。なお、加熱温度は410℃、熱処理温度は650℃でともに一定とした。
試験結果を表1および図3に示す。
Figure 2011032531
表1および図3に示すように、粉状鉄鉱石の種類によらず、結晶水LOI含有量が高くなるにしたがって、タブレット(高炉原料用塊成化物)の引張強度が上昇することが明らかであり、図3より、結晶水LOI含有量3質量%以上で、高炉用装入物として十分な強度である引張強度20kgf/cm以上が得られることがわかる。
[試験2](粉状石炭の最高流動度MFおよび揮発分VM含有量の影響)
つぎに、タブレット(高炉原料用塊成化物)の引張強度に及ぼす粉状石炭のギーセラー最高流動度MFおよび揮発分VM含有量の影響を調査するため、以下の試験を実施した。
すなわち、粉状鉄鉱石としては発明例用試料である鉱石Aのみを生、Air焼、N焼したものをそれぞれ用い、粉状石炭としては、石炭P、Q、R、Sの各石炭をそれぞれ用い、これらを組み合わせて上述の試験方法でタブレット(高炉原料用塊成化物)を作製し、その圧潰強度を測定して引張強度を算出した。なお、上記試験1と同様、加熱温度は410℃、熱処理温度は650℃でともに一定とした。
試験結果を表2ならびに図4および図5に示す。
Figure 2011032531
表2ならびに図4および図5に示すように、粉状石炭の最高流動度MF=0(logMF=−∞)の場合であっても、該粉状石炭の揮発分VM含有量が10質量%以上で、かつ、粉状鉄鉱石の結晶水LOI含有量が3質量%である場合(表2中の試験No.2−4、図4中の粉状石炭logMF=−∞[MF=0]における○印のプロット、図5中の粉状石炭VM=15.2質量%における○印のプロット参照)には、粉状石炭の最高流動度MFがlogMF>0.5の場合に匹敵する約25kgf/cmの引張強度が得られることがわかる。
[試験3](成形物の熱処理温度の影響)
タブレット(高炉原料用塊成化物)の引張強度に及ぼすタブレット(成形物)の熱処理温度の影響を調査するため、以下の試験を実施した。
すなわち、粉状鉄鉱石としては発明例用試料である鉱石A(生)と、粉状石炭としては発明例試料である石炭Pを用いてタブレットを作製し、熱処理温度を順次変化させてタブレットの圧潰強度を測定し引張強度を算出した。なお、加熱温度は410℃一定とした。
試験結果を図6に示す。なお、同図において、熱処理温度0℃のデータは、熱処理前のタブレットの引張強度を測定したものである。
同図に示すように、熱処理温度が550℃まではタブレットの引張強度にほとんど変化は見られないが、560℃以上になるとタブレットの引張強度が急激に上昇することがわかる。
[試験4](冷却温度の影響)
最後に、タブレット(成形物)を熱処理後、どの程度まで冷却すれば大気中に安全に取り出せるかを確認するため、600℃および800℃でそれぞれ熱処理した後のタブレット(成形物)を、N雰囲気中および大気雰囲気中のそれぞれで示差熱分析を実施した。
測定結果を図7に示す。同図に示すように、N雰囲気中では発熱は見られないのに対し、大気雰囲気中では、300℃を超える頃から試料質量はあまり変化はないものの発熱量が増加し始め、400℃を超えると試料質量が大幅に減少し始めるとともに発熱量も急激に増大して500℃付近で発熱量が最大になり、500℃を超えると発熱量が低下することがわかる。
このことから、300℃を超える頃からタブレット中に残留する揮発分VMが気化してこれが大気で酸化されて発熱し始め、400℃を超えるあたりで、大きな発熱を伴う炭素の酸化が開始し、500℃を超えると炭素の酸化反応に加えて酸化鉄が炭素で直接還元される吸熱反応が開始して発熱量が減少するものと考えられる。
以上の結果から、タブレット中に残留する揮発分VMの気化とそれに伴う大気による酸化発熱反応をより確実に回避するためには、熱処理後の冷却工程での不活性ガス雰囲気中における成形物の冷却温度は300℃以下とすることが推奨される。
1:混合機
2:加熱装置(外部加熱式ロータリキルン)
4:熱間成形機(双ロール型成形機)
5:熱処理装置(シャフト炉)
6:スクリーン
A:粉状石炭
B:粉状鉄鉱石
C:混合原料
C’:加熱混合原料
D:成形物(ブリケット)
E:高炉原料用塊成化物(篩上塊状物)
F:篩下粉

Claims (3)

  1. ギーセラー最高流動度MFが3DDPM以下で、揮発分VMを10質量%以上含有する粉状石炭と、結晶水LOIを3質量%以上含有する粉状鉄鉱石とを混合して混合原料となす混合工程と、
    この混合原料を250〜550℃に加熱する加熱工程と、
    この加熱された混合原料を熱間成形して成形物となす熱間成形工程と、
    この成形物を560〜750℃で加熱処理して高炉原料用塊成化物となす熱処理工程と、
    を備えたことを特徴とする高炉原料用塊成化物の製造方法。
  2. 前記混合原料中における、〔揮発分VMの含有量〕/〔結晶水LOIの含有量〕の比率が質量比で0.5〜2.0である請求項1に記載の高炉原料用塊成化物の製造方法。
  3. 前記熱処理工程の後に、前記高炉原料用塊成化物を不活性ガス雰囲気中で300℃以下まで冷却する冷却工程を備えた請求項1または2に記載の高炉原料用塊成化物の製造方法。
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