JP7143714B2 - 焼結用炭材の製造方法、焼結用炭材の原料選定方法及び焼結鉱の製造方法 - Google Patents

焼結用炭材の製造方法、焼結用炭材の原料選定方法及び焼結鉱の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、焼結用炭材を製造する方法と、焼結用炭材の原料である石炭を選定する方法と焼結鉱の製造方法に関するものである。
特許文献1には、焼結鉱の製造時における窒素酸化物の排出量を低減することを目的として、所定の性質を有する焼結用炭材を用いることが記載されている。具体的には、反応開始温度が550℃以下、揮発分が1.0%以上、H/C(水素及び炭素の原子数比)が0.040以上、水銀圧入法で測定される孔径0.1~10μmの気孔量が50mm/g以上である焼結用炭材を用いている。
特許文献2には、急速熱分解反応器の内壁にチャーが融着することを防止するために、ロガ指数が10以下である石炭を原料として用いることが記載されている。
特許第4681688号 特開平6-179872号公報
本願発明者は、焼結用炭材の原料となる石炭のロガ指数に着目したところ、ロガ指数が所定値以下である石炭を用いて焼結用炭材を製造することにより、焼結用炭材を用いた焼結工程時に発生するNOx(NOやNO)の排出量を低減できることが分かった。
特許文献1では、焼結用炭材が所定の性質を有することを特定しているが、この性質は、焼結用炭材を製造した後でなければ確認することができない。言い換えれば、焼結用炭材が所定の性質を有するか否かを判別するためには、焼結用炭材を製造しなければならない。
特許文献2は、石炭を液化及びガス化するための急速熱分解を前提として、急速熱分解反応器の内壁にチャーが融着することを防止する技術である。このため、特許文献2では、焼結工程時に発生するNOxの排出量を低減することについては何ら認識していない。
本願第1の発明は、焼結用炭材の製造方法であり、石炭のロガ指数を算出し、このロガ指数が10以下であり、N含有量が1.09質量%以下である石炭を用いて焼結用炭材を製造する。
本願第2の発明は、焼結用炭材の原料選定方法であり、石炭のロガ指数を算出し、このロガ指数が10以下であり、N含有量が1.09質量%以下である石炭を、焼結用炭材の原料として選定する。
本願第1及び第2の発明において、石炭としては、瀝青炭を用いることができる。
本願第3の発明は、焼結鉱の製造方法であり、焼結用原料の造粒工程において、本願第1の発明である製造方法で製造され、予め決められた配合量の少なくとも一部の焼結用炭材を、造粒工程の途中又は造粒工程の終了時に後添加する。
本願第4の発明は、焼結鉱の製造方法であり、焼結用原料の造粒工程において、本願第1の発明である製造方法で製造され、予め決められた配合量の少なくとも一部の焼結用炭材を、造粒工程の途中に後添加するとき、焼結用炭材の全体の質量に対して後添加する焼結用炭材の質量の割合を30質量%以上とし、後添加する焼結用炭材を添加するまでの造粒時間を全造粒時間に対して80%以上95%以下とする。
本発明によれば、焼結用炭材の原料として、ロガ指数が10以下である石炭を用いることにより、焼結用炭材を用いて焼結鉱を製造するときに発生するNOxの排出量を低減することができる。また、石炭のロガ指数を算出するだけでよいため、石炭から焼結用炭材を製造することなく、焼結用炭材の原料を選定することができる。
炭材後添加焼結法の概略を示す図である。
本発明の実施形態は、焼結用炭材の原料である石炭についてロガ指数を算出し、ロガ指数が10以下である石炭を用いることにより、焼結鉱の製造時(焼結工程)に発生するNOxの排出量を低減することができる焼結用炭材を製造する方法である。また、本発明の実施形態は、焼結鉱の製造時(焼結工程)に発生するNOxの排出量を低減するために、石炭のロガ指数を算出し、ロガ指数が10以下である石炭を焼結用炭材の原料として選定する方法である。
本願発明者は、焼結用炭材の原料となる石炭のロガ指数に着目したところ、ロガ指数が10以下である石炭から製造された焼結用炭材を用いて焼結鉱を製造すると、焼結時におけるNOxの排出量を低減できることが分かった。また、ロガ指数が10以下である石炭から製造された焼結用炭材を用いれば、副次的な効果として、焼結鉱の生産率を向上できることが分かった。
まず、焼結用炭材は、鉄鉱石及び副原料(石灰石等)と混合されて加熱され、焼結鉱を製造するために用いられる。焼結用炭材の揮発分(無水ベース)は、10mass%以下であることが好ましい。
焼結用炭材は、原料となる石炭を無酸素または低酸素雰囲気にて加熱することによって製造される。例えば、石炭を熱分解炉(ロータリーキルン)に装入し、石炭を撹拌させながら熱分解させることにより、焼結用炭材(具体的には、チャー)を製造することができる。ここで、石炭を熱分解炉に装入する前に、石炭を予熱炉で加熱して石炭中の水分を除去することもできる。
焼結用炭材を製造する方法としては、様々な方法が提案されており、これらの方法を適宜採用することができる。例えば、熱分解炉としてロータリーキルン以外の形式、すなわち流動層、移動層(シャフト炉)、固定層等のいずれのタイプを用いても構わない。また既設のコークス炉(室炉式)や付帯設備(コークス乾式消火設備など)を用いてチャーを製造することも可能である。本発明は、上述したように、焼結用炭材を用いた焼結工程において、NOxの排出量を低減するために、焼結用炭材の原料となる石炭を選定するものであり、焼結用炭材を製造する方法は、特に限定されるものではない。
焼結用炭材の原料となる石炭の種類としては、褐炭、亜瀝青炭、瀝青炭がある。本実施形態において、褐炭は、O/Cが0.25以上である石炭であり、亜瀝青炭は、O/Cが0.25未満、0.15以上である石炭であり、瀝青炭は、O/Cが0.15未満の石炭である。O/Cとは、石炭に含まれる酸素及び炭素について、炭素に対する酸素の元素比率である。JIS-M8813に規定されている元素分析法によって、石炭に含まれる炭素及び酸素の質量%を測定できるため、下記式(1)に示すように、炭素及び酸素の質量%の測定結果と、炭素及び酸素の原子数とに基づいて、O/Cを算出できる。
Figure 0007143714000001
焼結用炭材の原料となる石炭としては、1種類の石炭を用いたり、2種類以上の石炭を混合した混炭を用いたり、同一種類であるが石炭性状(工業分析値や元素分析値)が互いに異なる複数の石炭を混合した混炭を用いたりすることができる。1種類の石炭を用いる場合には、この石炭のロガ指数が10以下であればよい。また、混炭を用いる場合には、混炭のロガ指数が10以下であればよい。ここで、焼結用炭材の原料となる石炭のロガ指数は、好ましくは6以下、より好ましくは2以下である。
石炭のなかでも、瀝青炭については、ロガ指数が変動しやすく、ロガ指数が10よりも大きくなるものや、ロガ指数が10以下となるものがある。そこで、焼結用炭材の原料となる石炭として、瀝青炭を用いる場合には、ロガ指数を算出した上で、ロガ指数が10以下である瀝青炭を用いればよい。
ロガ指数は、JIS-M8801に規定されているロガ試験方法によって算出される。以下、ロガ試験方法について、簡単に説明する。
粒径が200μm以下である石炭(焼結用炭材の原料)1gと標準無煙炭5gを、るつぼ中で十分混合する。標準無煙炭としては、灰分(無水ベース)が4.0%以下であり、揮発分(無水ベース)が5.0~6.5%であり、粒径が300~400μmである無煙炭が用いられる。次に、耐熱鋼おもりを用いて、るつぼ中の石炭及び標準無煙炭に対して、所定時間(少なくとも30秒)の間、一定の荷重(59N)を加える。
次に、炉内温度が850±10℃に設定された電気炉内に上述したるつぼを配置して、15分間、石炭及び標準無煙炭を加熱(乾留)する。そして、加熱したるつぼを耐熱板に配置して45分間冷却した後、るつぼの内容物(るつぼコークス)の質量を測定するとともに、1mmの円孔板ふるいを用いて、篩上のコークスの質量を測定する。
次に、るつぼの内容物(コークス)をドラムに入れて、ドラムを所定の回転速度(50rpm)で5分間回転させることにより、コークスに対して破壊処理を行う。ドラムの内径は200mm、ドラムの深さは70mmであり、ドラムの内周壁には、長さ70mm、幅30mmの2枚の羽根が対称に配置されている。
次に、1mmの円孔板ふるいを用いて、破壊処理後のコークスの篩い分けを行い、篩上の質量を測定する。上述した破壊処理を3回繰り返して行い、下記式(2)に基づいてロガ指数を算出する。
Figure 0007143714000002
上記式(2)において、RIはロガ指数である。mは、乾留後のるつぼコークスの全質量[g]、mは、1回目の破壊処理を行う前における篩上のコークスの質量[g]、mは、1回目の破壊処理を行った後における篩上のコークスの質量[g]である。mは、2回目の破壊処理を行った後における篩上のコークスの質量[g]、mは、3回目の破壊処理を行った後における篩上のコークスの質量[g]である。
焼結用炭材の原料となる石炭を選定するときには、選定対象の石炭について、上述したロガ試験方法を行うことによりロガ指数を算出する。そして、ロガ指数が10以下である石炭を、焼結用炭材の原料として選定する。
一方、焼結用炭材の原料として、複数の石炭を混合した混炭を用いる場合には、上述したロガ試験方法によってロガ指数を算出し、ロガ指数が10以下である混炭を選定すればよい。混炭を用いる場合には、複数の石炭の配合割合(重量比)に応じて、混炭のロガ指数が変動するため、複数の石炭の配合割合を調整することにより、混炭のロガ指数を10以下に調整することができる。特に、ロガ指数が10よりも大きい値を示す石炭が混炭に含まれていても、ロガ指数が10以下である値を示す石炭と混合することにより、混炭のロガ指数を10以下に調整することができる。
上述したように選定された石炭を用いて焼結用炭材を製造し、それ(以下、本願発明の炭材)を焼結用炭材として用いることで、焼結工程におけるNOxの排出量を低減することができる。また、副次的な効果として、焼結鉱の生産率を向上させることができる。
特に、本願発明の炭材は、造粒工程において「後添加」されるのが好ましい。これによって、さらにNOxの排出量を削減しやすくなる。
一般的に焼結プロセスの造粒工程においては、原料に水分を添加して造粒を行う。原料に水分を添加して造粒操作を行うことにより、水がバインダーとなって比較的粗い粒子の周囲に比較的細かい粒子が付着する。これにより見掛けの配合原料粒径が増大し、配合原料が焼結機に供給された際に原料充填層の空隙率および空隙径が増加して通気性が向上する。通気性が向上すれば焼結の進行が速くなり、焼結鉱の生産率も向上する。
ところが水をバインダーとして用いて原料を造粒する際に、石炭から製造した焼結用炭材(チャー)を同時に混合すると、吸水性が大きな焼結用炭材(チャー)が造粒物の内部に埋没、内装され、造粒を阻害するため、十分な大きさの見掛けの配合原料粒径が得られないことがある。そうすると配合原料(造粒物)同士の間隔が狭くなり、焼結時の通気性および焼結用炭材の燃焼性が阻害され、その結果NOxの発生量が増加し、焼結鉱の生産率も低下する。
このような問題に対しては、これら焼結用炭材を後添加する技術(以下これらを総称して炭材後添加焼結法と呼ぶ)によって解決することができる。ここでいう後添加には、焼結用炭材の全量を後添加する場合と、焼結用炭材の全量の一部を後添加する場合とが含まれる。一部の焼結用炭材を後添加する場合には、残りの焼結用炭材は、焼結用炭材を除いた原料と同時に混合することができる。
図1に炭材後添加焼結法の概略を示す。炭材後添加焼結法を採用しない一般的な造粒では、焼結用原料(粉鉱、微粉鉱石(ペレットフィード等)などの主原料、石灰石等の副原料、返鉱、炭材(固体炭素源)および生石灰等のバインダー等)の全量を大量処理に適したドラムミキサー1で一括して造粒する。一方、炭材後添加焼結法では、後添加したい炭材(ここではチャー)を除いた原料を造粒する途中または造粒が完了した後に、後添加したい炭材(チャー)を加える。例えば、図1のように炭材ホッパー2から後添加したい炭材(チャー)をドラムミキサー1の出口側に添加し、それを前記配合原料の全量として用いる方法である。
なお、炭材(チャー)を後添加した配合原料は、ホッパー3に供給された後、ホッパー3を介して焼結機に装入されることにより、原料充填層4が形成される。点火炉5が原料充填層4の上部に点火することにより、原料充填層4が燃焼して焼結ケーキが生成され、焼結ケーキを解砕及び整粒することにより、所定粒径の焼結鉱が得られる。
上述した炭材後添加焼結法によれば、後添加したい炭材は、外装され、すなわち造粒物へ内包されることはなく、造粒物の表層に付着または未付着な独立粒として存在する。つまり、炭材後添加焼結法では、吸水性が大きく造粒を阻害する炭材(チャー)を除いて造粒するため、造粒強化による通気性の向上や燃焼性の改善が期待できる。また、これまで使用されてきた通常の焼結用炭材(粉コークス、無煙炭)よりも高反応性のチャーを造粒物の表層に付着させることにより、炭素と鉄鉱石(酸化鉄)間の反応を抑制して焼結鉱中のFeOの上昇を抑えることができ、焼結鉱の被還元性を向上させる効果も期待できる。
これら炭材(チャー)の後添加の効果を十分に発現するためには、炭材(チャー)全体の質量に対して後添加する炭材(チャー)の質量の割合が30質量%以上であることが望ましい。更にチャーの造粒物への内包を十分に回避するため、後添加する炭材(チャー)を添加するまでの造粒時間を全造粒時間に対して80%以上95%以下とすることが好ましい。
造粒は図1に示したように、単独のドラムミキサー1を用い、後添加する炭材(チャー)のみをドラムミキサー1の終端側から供給することにより行っても良い。図示しないが二つのドラムミキサーを用い、最初のドラムミキサーで炭材(チャー)以外の造粒を行い、その次のドラムミキサーで最初のドラムミキサーで造粒された造粒物に炭材(チャー)を外装する造粒を行っても良い。炭材(チャー)を添加するまでの造粒時間を全造粒時間に対して80%以上95%以下とするためには、図1に示した場合では、ドラムミキサー1における炭材(チャー)を供給する位置によって制御すればよく、二つのドラムミキサーを使用する場合では、それぞれのドラムミキサーでの造粒時間を制御すればよい。
以下、本発明の実施例について説明する。
13種類の石炭を用意し、各石炭について、ロガ指数を算出した。また、各石炭からチャー(焼結用炭材)を製造し、これらのチャーを使用した焼結工程におけるNOxの排出量等を測定した。
(石炭の種類)
13種類の石炭(石炭A~K及び混炭L,M)の分析値(工業分析値及び元素分析値)を下記表1に示す。混炭Lは、石炭H及び石炭Jを重量比2:1の割合で混合したものであり、混炭Mは、石炭H及び石炭Jを重量比1:1の割合で混合したものである。石炭A~K及び混炭L,Mについては、上述したロガ試験方法を行うことにより、ロガ指数を算出した。表1には、石炭A~K及び混炭L,Mのロガ指数も示している。
Figure 0007143714000003
上記表1によれば、石炭A(褐炭)や石炭B~D(亜瀝青炭)については、軟化溶融性をほとんど示さず、ロガ指数は、ほぼゼロであった。石炭E~H(瀝青炭)及び混炭L,M(瀝青炭)については、軟化溶融性をほとんど示さず、ロガ指数は、10以下の値であった。一方、石炭I~K(瀝青炭)については、若干の軟化溶融性を示し、ロガ指数は、10よりも大きい値であった。
混炭L,Mについては、ロガ指数が10よりも大きい値(すなわち、16.4)である石炭Jが含まれているが、ロガ指数が10以下の値(すなわち、1.9)である石炭Hを混合させることにより、各混炭L,Mのロガ指数を10以下とすることができる。このように、ロガ指数が異なる複数の石炭を混合することにより、ロガ指数が10以下となる石炭(混炭)を調整することができる。
石炭F~J(瀝青炭)については、O/Cがほぼ同じ値(すなわち、0.11又は0.10)であるにもかかわらず、ロガ指数には大きなバラツキが生じている。具体的には、石炭F~Hのロガ指数は10以下となるが、石炭I,Jのロガ指数は10よりも大きくなっている。このように、瀝青炭については、石炭の石炭化度が同レベルであるにもかかわらず、ロガ指数に大きなバラツキが発生することが分かる。
(チャーの製造)
石炭A~K及び混炭L,Mのそれぞれを用いて、チャーを製造した。具体的には、各石炭A~Kや各混炭L,Mを乾燥した後に、粒径が10mm以下になるまで粉砕し、適量の粉砕物を反応容器内に充填した。次に、窒素ガスを反応容器内で流通させながら、10℃/minの昇温速度において、反応容器内の温度を目標温度(例えば、700℃又は800℃)まで上昇させた。そして、反応容器内の温度を目標温度に維持しながら1時間放置することにより、チャーを製造した。
下記表2には、チャーの原料である石炭の種類と、チャーを製造したときの目標温度(反応容器内の温度)と、チャーA~Mの分析値(工業分析値及び元素分析値)を示す。また、下記表2では、比較のために、焼結用炭材である粉コークスの分析値(工業分析値及び元素分析値)も示す。ここで、下記表2に示す石炭A~K及び混炭L,Mは、上記表1に示した石炭である。
Figure 0007143714000004
(焼結試験)
焼結機を小型サイズにした実験設備(鍋という)を用いて、焼成処理を行うことにより、燃焼進行速度(FFS;Flame Front Speed)、成品歩留、生産率、NOx排出量及びNOx転換率を評価した。鍋の直径は300mmであり、鍋の厚みは600mmである。また、焼成処理における燃焼ガスの吸引圧を1530kPaとした。
焼結試験で用いられた原料を下記表3に示す。
Figure 0007143714000005
鉄鉱石として、A~Eの銘柄を用意し、これらの鉄鉱石を上記表3に示す質量%で混合した。また、鉄鉱石に対して、副原料としての石灰石、生石灰及び蛇紋岩を混合した。石灰石、生石灰及び蛇紋岩の混合量(質量%)は、上記表3に示す通りである。一方、鉄鉱石及び副原料の混合物に対して、返鉱及び上記表2に示す各チャーA~Mを配合したり、返鉱及び粉コークスを配合したりした。
返鉱の配合量は、鉄鉱石及び副原料の総質量に対して15質量%とした。粉コークスの配合量は、鉄鉱石及び副原料の総質量に対して4.5質量%とした。各チャーA~Mの配合量については、4.5質量%の粉コークスと固定炭素の量が等しくなるように、各チャーA~Mの配合量を調整した。粉コークス及び各チャーA~Mの粒度分布は同一であり、下記表4に示す通りである。
Figure 0007143714000006
燃焼進行速度(FFS)とは、鍋に焼結用原料を充填したときの焼結原料層の層厚(焼結鍋の高さ方向のサイズ)を、焼結原料層の点火を開始した時刻から燃焼帯が焼結原料層の最下部に到達した時刻(到達時刻という)までの時間で除算した値である。本実施例では、到達時刻として、排ガスの温度が最高温度を示す点(BTP;Burn Through Point)に到達した時刻とした。
成品歩留とは、焼結鉱成品の歩留であり、篩目の大きさが5mmの篩により篩い分けた篩上の焼結鉱の質量Msを、元の焼結ケーキの質量Mtで除算した値(mass%)である。具体的には、下記式(3)に基づいて、成品歩留Rが算出される。
Figure 0007143714000007
生産率とは、焼結鉱の生産率[t/24h・m]である。生産率Pは、5mmの篩により篩い分けた篩上の焼結鉱の質量Ms[t]を、焼結機(ここでは鍋)の有効面積S[m]及び焼結時間ts[h]により除算したものであり、下記式(4)に基づいて算出される。
Figure 0007143714000008
NOxの排出量とは、鍋の点火を開始してから、排ガスの温度がBTPに到達するまでの間に排出された排ガス中に含有されるNOxの量(NO及びNOの総量)を窒素重量(酸素を含まない)[kg]として表したものである。NOxの転換率とは、鍋試験の原料の炭材中に含まれる窒素量に対して、排ガス中でNOx(NO及びNO)として検出された窒素量の割合を百分率で表した値である。
(1)炭材後添加焼結法を実施しない場合(造粒前添加)
炭材(チャー)を含むすべての焼結用原料をドラムミキサー(直径1m、回転数23rpm)へ投入し、1分間混合した。次に、ドラムミキサーに目標水分が7.5質量%(外数)となるように水を添加した後に、ドラムミキサー内の混合物を4分間造粒した。
上記造粒物を用いた鍋試験を実施することにより、各チャーA~M及び粉コークスについて、燃焼進行速度(FFS)、成品歩留、生産率、NOxの排出量、NOxの転換率を算出した。結果を下記表5に示す。下記表5に示すチャーA~M及び粉コークスは、上記表2に示すチャーA~M及び粉コークスにそれぞれ相当する。
Figure 0007143714000009
上記表5によれば、ロガ指数が10以下の値を示す石炭(混炭含む)から製造したチャー(チャーA~H,L,M)を使用して焼結鉱を製造した場合(実施例1~10)には、粉コークスを用いて焼結鉱を製造した場合(参考例1)と比べて、NOxの排出量を大幅に低減することができた。また、ロガ指数が10以下の値を示す石炭(混炭含む)から製造したチャー(チャーA~H,L,M)を使用して、焼結鉱を製造した場合(実施例1~10)には、粉コークスを用いて焼結鉱を製造した場合(参考例1)と比べて、NOxの転換率も低減することができた。
一方、ロガ指数が10よりも大きい値を示す石炭から製造したチャー(チャーI~K)を使用して焼結鉱を製造した場合(比較例1~3)には、粉コークスを用いて焼結鉱を製造した場合(参考例1)と比べて、NOxの排出量が増加した。また、NOxの転換率に着目すると、チャーI,Jを用いたときの転換率(比較例1,2)は、粉コークスを用いたときの転換率(参考例1)と比べて若干低下したが、チャーKを用いたときの転換率(比較例3)は、粉コークスを用いたときの転換率(参考例1)と比べて増加した。
(2)炭材後添加焼結法を実施した場合
上記表2に示すチャーHを用いて造粒工程におけるチャーの後添加の効果を検討した。
チャーH(全量または一部)以外の他の焼結用原料をドラムミキサー(直径1m、回転数23rpm)へ投入し、1分間混合した。次に、ドラムミキサーに目標水分が7.5質量%(外数)となるように水を添加した後に、ドラムミキサー内の混合物を一定時間造粒した。次に、ドラムミキサーにチャーH(全量または一部)を添加し、ドラムミキサー内の混合物を更に一定時間混合(造粒)した。なお、全造粒時間は4分間とした。
下記表6に試験条件を示す。下記表6において、後添加割合とは、チャー全体の質量に対して後添加するチャーの質量の割合(mass%)である。実施例11~13では、最初にチャーHをドラムミキサーに投入せず、一定時間の造粒後に全量のチャーHをドラムミキサーに添加した。実施例14では、最初に70質量%のチャーHをドラムミキサーに投入しておき、一定時間の造粒後に30質量%のチャーHをドラムミキサーに添加した。実施例15では、最初に80質量%のチャーHをドラムミキサーに投入しておき、一定時間の造粒後に20質量%のチャーHをドラムミキサーに添加した。
下記表6において、後添加前の造粒時間Aとは、ドラムミキサーによる造粒を最初に開始してからチャーHを後添加するまでの時間であり、後添加後の造粒時間Bとは、チャーHを後添加してからドラムミキサーによる造粒を終了するまでの時間である。チャーHを後添加するときには、ドラムミキサーを一時的に停止させた。上述したとおり、全造粒時間を4分間としているため、造粒時間A及び造粒時間Bの合計は4分間となる。
Figure 0007143714000010
上記造粒物を用いた鍋試験を実施することにより、燃焼進行速度(FFS)、成品歩留、生産率、NOxの排出量、NOxの転換率を算出した。結果を下記表7に示す。下記表7には、上記表5に示した実施例8の結果も示している。
Figure 0007143714000011
上記表7によれば、チャーH(全量または一部)を後添加して焼結鉱を製造した場合(実施例11~15)には、粉コークスを用いて焼結鉱を製造した場合(上記表5の参考例1)と比べて、NOx排出量及びNOx転換率を共に低減することができた。また、チャーHの全量を後添加(全造粒時間の87.5%のタイミングで後添加を実施)で使用して焼結鉱を製造した場合(実施例11)、チャーHの全量を造粒前添加で使用して焼結鉱を製造した場合(実施例8)と比べてNOx排出量およびNOx転換率が共に低減して最低となり、加えて生産率も最も向上した。
1…ドラムミキサー
2…炭材ホッパー
3…ホッパー
4…原料充填層
5…点火炉

Claims (3)

  1. 石炭のロガ指数を算出し、このロガ指数が10以下であり、N含有量が1.09質量%以下である石炭を用いて焼結用炭材を製造し、
    焼結用原料の造粒工程において、予め決められた配合量の少なくとも一部の前記焼結用炭材を、前記造粒工程の途中又は前記造粒工程の終了時に後添加することを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 石炭のロガ指数を算出し、このロガ指数が10以下であり、N含有量が1.09質量%以下である石炭を用いて焼結用炭材を製造し、
    焼結用原料の造粒工程において、予め決められた配合量の少なくとも一部の前記焼結用炭材を、前記造粒工程の途中に後添加するとき、前記焼結用炭材の全体の質量に対して後添加する前記焼結用炭材の質量の割合を30質量%以上とし、後添加する前記焼結用炭材を添加するまでの造粒時間を全造粒時間に対して80%以上95%以下とすることを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  3. 前記石炭は、瀝青炭であることを特徴とする請求項1又は2に記載の焼結の製造方法。
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