JP4837799B2 - 焼結鉱の製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、製鉄プロセスにおける高炉原料用の焼結鉱を製造する方法に関する。
本願は、2009年3月16日に、日本に出願された特願2009−063466号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
ドワイトロイド式の焼結機を用いた焼結鉱の製造方法の概略工程を図1に示す。図1に示すように、焼結鉱は、焼結原料6を焼結機30内で焼結することにより製造される。この焼結原料6は、主原料である鉄鉱石1aと、副原料である石灰石2aと、固体燃料であるコークス3aと、返鉱4aとの混合物を造粒して作製される。鉄鉱石1a、石灰石2a、コークス3a及び返鉱4aは、それぞれ、鉄鉱石ホッパー1、石灰石ホッパー2、コークスホッパー3及び返鉱ホッパー4から所定量切り出される。これらの切り出された原料をドラムミキサー等の造粒機5を用いて水分が5.5〜8.5mass%程度になるように調湿しながら造粒する。造粒物は、主に粒径1mm以上の核粒子の周囲に粒径0.5mm以下の微分粒子が付着した擬似粒子からなる。焼結原料6として、このような造粒物を用いることによって焼結機内の通気性を維持することができる。
造粒物である焼結原料6をサージホッパー7に装入する。この焼結原料6を、ドラムフィーダー8によって切り出し、シュート8aを介して焼結機30のパレット上に装入して充填層9を形成する。この充填層9の表層部分のコークス3aに点火炉10で点火し、排風機20を用いて充填層9の下方に空気を吸引しながらコークス3aを燃焼させ、このコークス3aの燃焼熱によって上層から下層へ向けて順次焼結原料6を焼結する。焼結原料6の焼結によって得られた焼結ケーキ11は、排鉱部12で排出され、破砕および整粒される。整粒後の5mm以上の塊成化物が成品焼結鉱として高炉へ供給される。なお、5mm以下の焼結鉱は、返鉱4aとして再使用される。また、成品焼結鉱の一部は、床敷用焼結鉱46として再使用される。
昨今の世界的な鉄鋼需要の増加を背景として、製鉄原料としての焼結鉱のより一層の生産効率の向上が求められている。同時に、環境面においても、焼結の際に固体燃料の燃焼により発生する排ガスNOxなどの大気汚染物質の排出量削減が強く求められている。
焼結鉱の生産性を向上し、大気汚染物質を低減する従来技術として、例えば、特許文献1および特許文献2に、以下の焼結鉱の製造方法が提案されている。
特許文献1は、固体燃料の燃焼性を改善し、焼結鉱の生産性を向上するために、焼結反応中の焼結鉱の表面に散水することによって発生した水蒸気を焼結層内の固体燃料の燃焼反応に供給して、水素の生成反応を誘引する方法を開示する。
特許文献2は、固体燃料の燃焼性を改善し、焼結鉱の生産性を向上し、さらに、NOxを低減するために、配合原料中の水分量と散水量との配分を適正化して、水蒸気を供給することにより、水蒸気の供給効果を最大化する方法を開示する。
特公昭51−6002号公報 特公平7−78257号公報
しかしながら、特許文献1及び特許文献2の焼結技術には、次に述べる2つの問題がある。第一の問題は、水分の蒸発に必要な熱量を確保する必要があることである。マクロな熱のバランスを考えると、焼結層の表面に散水する方法では、散水量に相当する蒸発潜熱を焼結層に供給する必要がある。最近の省エネルギー操業においては、固体燃料の配合率を必要量の下限近くまで下げて焼成を行っているため、焼結層内の熱量の余裕は、極めて小さい。したがって、焼結層へ散水を行った場合には、その散水量に相当する熱量を得るために、別途固体燃料を増やす必要がある。
焼結層への供給空気に蒸気を混合して水分を供給する方法では、蒸気を製造するプラントにおいて蒸発潜熱が消費されているため、マクロな熱バランスを考えると供給水分量に相当する熱量を投入せざるを得ない。
第二の問題は、焼結層へ水分を供給するために、焼結ストランド上に大規模な散水設備を設置することが避けられない点である。通常の焼結機における焼結面積は、200〜600mであり、全焼結層における固体燃料の燃焼反応を改善するためには、この焼結面積の大部分にむらなく散水する必要がある。このためには、焼結機の上部に複数の散水配管および散水ノズルを規則正しく設置する必要がある。
通常、定期的な焼結機の修理においては、使用後の焼結パレットを天井クレーンで吊り上げて、焼結機の外部に搬出し、整備済みの焼結パレットを逆手順で搬入する交換作業が日常的に行われている。焼結機のストランド上に大規模な散水配管網及び散水装置を設置した場合には、これらの散水配管網及び散水装置に干渉しないように焼結パレットの交換作業を行う必要があるため、修理時間の長期化などの弊害が生じる。
本発明は、上記現状に鑑みてなされたものであり、製銑工程における高炉装入用原料となる焼結鉱の製造において、従来の散水及び水蒸気添加を用いることなく、固体燃料の燃焼反応に水蒸気が供給されるような焼結原料を提供して、固体燃料の燃焼性を本質的に改善させ、生産性を向上させることを目的とする。また、本発明は、焼結鉱生産量あたりの吸引風量の原単位を低減させて、排風機の電力消費量を低減でき、かつ、全排ガス量とNOx排出量とを低下させて、大気環境規制物質の排出負荷を低減できる新しい焼結技術を提供することを目的としている。
本発明者らは、焼結層内での固体燃料の燃焼性を改善するために研究開発を進めてきた。特に、本発明者らは、焼結層内で起こる鉄鉱石中の結晶水の熱分解反応と固体燃料の燃焼反応とを同時に起こさせるために、種々の検討を行ってきた。その結果、高結晶水鉄鉱石と比較的低温で燃焼する固体燃料とを組み合わせて使用する焼結法の有効性を確認した。
図2は、焼結層(着火後の充填層)の垂直断面の模式図である。この焼結層は、焼結反応の進行状態に応じて複数のゾーンに区分されている。焼結層は、図2に示すような温度分布を有し、固体燃料の燃焼反応は、上層から下層へと順次進行する。また、任意の時刻における焼結層は、下から順に、原料帯(原料ゾーン)9a、乾燥帯(乾燥ゾーン)9b、仮焼帯(仮焼ゾーン)9c、燃焼帯(燃焼ゾーン)9d、冷却帯(冷却ゾーン)9eを積層した構成である。それぞれのゾーンの特徴は、以下のとおりである。
原料ゾーン9aは、100℃未満の温度域に相当するゾーンである。この原料ゾーン9aでは、焼結機に装入した配合原料(焼結原料)は、湿潤状態にある。
乾燥ゾーン9bは、100℃以上300℃未満の温度域に相当するゾーンである。この乾燥ゾーン9bでは、配合原料の乾燥が活発に進行する。
仮焼ゾーン9cは、300℃以上700℃未満の温度域に相当するゾーンである。この仮焼ゾーン9cでは、鉄鉱石中の結晶水の分解や石灰石の脱炭酸などの反応が起こっている
燃焼ゾーン9dは、700℃以上1300℃未満の温度域に相当するゾーンである。この燃焼ゾーン9dでは、固体燃料が吸引空気中の酸素と反応して燃焼し、鉄鉱石および副原料の溶融反応と液相焼結とが同時に進行する。
冷却ゾーン9eは、1300℃から常温までの温度域に相当するゾーンである。この冷却ゾーン9eでは、一連の焼結反応が完了し、生成した焼結体(シンターケーキ)が冷却される。
一般的な焼結用の固体燃料として広く使用されている粉コークス及び無煙炭は、700℃以上の温度に達する燃焼ゾーン9dで燃焼反応を開始する。一方、鉄鉱石に含まれる結晶水は、その燃焼ゾーン9dよりも温度の低い仮焼ゾーン9cにおける熱分解によって、水蒸気を放出する。
本発明者らは、仮焼ゾーン9cで燃焼する低い燃焼開始温度の燃焼固体燃料を用いることにより、鉄鉱石中の結晶水の熱分解に伴って発生する水蒸気を固体燃料の燃焼性改善に有効活用できることを発見した。
より具体的には、低い燃焼開始温度の燃焼固体燃料と高結晶水鉄鉱石とを混合した原料(焼結原料)を用いて焼結試験を行った結果、本発明者らは、結晶水の熱分解反応と低温燃焼固体燃料の燃焼とが仮焼ゾーン9cで同時に起こり、固体燃料の燃焼雰囲気に効果的に水蒸気を供給できることを発見した。さらに、本発明者らは、低い燃焼開始温度の燃焼固体燃料(低温燃焼固体燃料)を用いることで、HOとCとの反応を促進して、生産性を向上し、燃焼による排ガス中のNOxを低減することを確認した。
本発明は、以上の知見に基づいてなされたもので、以下の手段を採用した。
(1)本発明の焼結鉱の製造方法では、焼結原料として、4.0mass%以上の結晶水を含有する高結晶水鉄鉱石を含む鉄鉱石と、副原料と、燃焼反応の開始温度が450℃未満である低温燃焼固体燃料を10mass%以上含む固体燃料とを前記高結晶水鉄鉱石が前記焼結原料中に30mass%以上含まれるように配合し;前記焼結原料をドワイトロイド式の焼結機に装入し;前記焼結原料の表層部に着火し;前記焼結原料の上方から下方へ向けて空気を吸引する。
(2)上記(1)に記載の焼結鉱の製造方法では、前記低温燃焼固体燃料は、亜瀝青炭、褐炭、または、前記亜瀝青炭と前記褐炭とを混合した混合炭のいずれかを乾留して得られたチャーであってもよい。
本発明によれば、製銑工程における高炉装入用原料となる焼結鉱の製造において、従来の散水及び水蒸気添加を用いることなく、固体燃料の燃焼反応に水蒸気が供給されるような焼結原料を提供することができる。また、この焼結原料を用いることにより、焼結鉱の生産性を向上し、排ガス中のNOxを低減することができる。
焼結鉱の製造方法の概略工程を示した工程図である。 焼結層の垂直方向の断面の模式図である。
本発明の具体的な方法について、以下に述べる。上述したドワイトロイド式の焼結機を用いた焼結鉱の製造方法において、焼結原料に配合する固体燃料として燃焼開始温度が450℃未満である低温燃焼固体燃料が用いられる。
この低温燃焼固体燃料として、亜瀝青炭、褐炭、または、亜瀝青炭と褐炭とを混合した混合炭を800℃程度の比較的低温で乾留して得られたチャー(炭材)を用いることができる。これらのチャーは、330〜450℃の低温度域で燃焼し始め、530〜550℃の温度域で最大燃焼状態(最大重量減少温度)に達する。これらの燃焼温度の低いチャーは、仮焼ゾーン9cで充分に燃焼することが可能である。同時に、仮焼ゾーン9cでは、鉄鉱石中の結晶水より発生する水蒸気の供給効果を享受することができる。
他方、固体燃料として通常の粉コークス及び無煙炭を用いた場合には、粉コークス及び無煙炭の最大重量減少温度が700〜800℃と高いため、仮焼ゾーン9cでの燃焼量は、極めて部分的である。そのため、主に、水蒸気が供給されない燃焼ゾーン9dにおいて燃焼反応が起こる。このような燃焼条件においては、どれだけ高結晶水鉄鉱石を配合しても期待した水蒸気供給の効果を得ることができない。ここで、通常の粉コークスは、高炉用コークスの製造プロセスおよび高炉までの搬送過程で発生した粉状のコークスまたはコークスを粉砕して得られた粉状のコークスである。また、コークス用原料炭としては、粘結炭及び非微粘結炭が用いられる。
ここで、上記低温燃焼固体燃料及び従来の固体燃料の燃焼性能を表1に示す。表1の燃焼開始温度及び最大重量減少温度は、示差熱分析装置を用いて測定した。
Figure 0004837799
本発明の焼結鉱の製造方法に用いる固体燃料は、低温燃焼固体燃料のみを含んでもよい。また、固体燃料は、低温燃焼固体燃料と低温燃焼固体燃料以外の固体燃料(例えば、粉コークス、無煙炭およびカーボン含有ダストなど)とを含んでもよい。この低温燃焼固体燃料は、亜瀝青炭、褐炭、または、亜瀝青炭と褐炭とを混合した混合炭のいずれかを乾留して得られたチャー(低温燃焼チャー)であってもよい。固体燃料としてこの低温燃焼チャーのみを使用した場合には、固体燃料の燃焼効果を最大限に高めることができる。好ましくは、固体燃料として、亜瀝青炭を800℃で乾留したチャーを全量使用する。表1に示すように、亜瀝青炭を800℃で乾留して得られたチャー(亜瀝青炭乾留チャー)の燃焼開始温度は、330℃、最大重量減少温度は、530℃である。そのため、亜瀝青炭から得られたチャーは、低温燃焼固体燃料のなかでもより低温で燃焼させることができる。しかしながら、亜瀝青炭を使用する場合であっても、1000℃を超えるような高温条件で乾留したチャー(亜瀝青炭高温乾留チャー)は、チャー組織が緻密になるため、燃焼開始温度が高くなる。例えば、表1に示すように、1100℃で乾留した亜瀝青炭高温乾留チャーの燃焼開始温度は、540℃である。そのため、亜瀝青炭高温乾留チャーを用いた場合には、固体燃料の燃焼性を改善することができない。したがって、亜瀝青炭を使用する場合であっても、1000℃以下で乾留したチャーを使用することが好ましい。
また、低温燃焼固体燃料に低温燃焼固体燃料以外の固体燃料を混合した固体燃料を使用することにより、コークス工程あるいは製鉄所内外で発生する炭材含有粉状物を固体燃料として活用することができる。ただし、この固体燃料全体に占める低温燃焼固体燃料の配合率は、10mass%以上にしなければならない。低温燃焼固体燃料を10mass%以上含ませることにより、固体燃料の燃焼性を十分に改善することができる。
次に、高結晶水鉄鉱石の配合条件について述べる。高結晶水鉄鉱石として、4.0mass%以上の結晶水を含有した鉄鉱石が用いられる。結晶水の量が4.0mass%未満の鉄鉱石では、仮焼ゾーン9cの初期に脱水反応が完了するため、固体燃料の燃焼反応に対して水蒸気が充分に供給されない。固体燃料の燃焼が起こる温度域まで水蒸気を供給し続けるためには、4.0mass%以上の結晶水を含有する高結晶水鉄鉱石を用いる必要がある。なお、焼結原料に用いる高結晶水鉄鉱石は、配合前に水分を除去する予備処理を行う必要はない。
4.0mass%以上の結晶水を含有する高結晶水鉄鉱石として、7〜9mass%の結晶水を含有するピソライト鉱石、4〜8mass%の結晶水を含有するマラマンバ鉱石及び4〜6mass%の結晶水を含有するブロックマン鉱石を用いることが好ましい。これらの高結晶水鉄鉱石は、いずれも水酸化鉄の鉱物相を含んでいる。また、例えば、4.0mass%以上の結晶水を含む炭酸化鉄及びゲーサイト含有スケールも焼結鉱の原料として用いることができる。なお、表2に示すように、複数の高結晶水鉄鉱石を混合して使用してもよい。
さらに、結晶水含有量8.0mass%以上のピソライト鉱石(例えば、表2中のヤンディクージナ)を用いることがより好ましい。このピソライト鉱石(ヤンディクージナ)は、現在、マーケットに流通する鉄鉱石としては、最大の結晶水含有量を有する。高結晶水鉄鉱石の結晶水の含有量の上限は、特に限定しない。しかしながら、結晶水が鉄鉱石中の化合物と結合した水であるため、高結晶水鉄鉱石の結晶水の含有量は、100mass%を含まない。
高結晶水鉄鉱石の配合率は、全焼結原料中の30mass%以上にする必要がある。焼結原料中の高結晶水鉄鉱石の配合率が30mass%未満の場合には、充分な量の水蒸気を仮焼ゾーン9cに供給できない。すなわち、結晶水の分解によって発生した水蒸気は、順次吸引ガスに同伴されて排ガスとして排出される。そのため、水蒸気の発生量が少ないと、仮焼ゾーン9cでの水蒸気濃度が低下する。
一方で、固体燃料表面における炭素と水蒸気との反応速度は、雰囲気中の水蒸気濃度に大きく依存するため、水蒸気による充分な効果を引き出すためには、水蒸気濃度を高める必要がある。本発明者らの検討によれば、充分な炭素と水蒸気との反応速度を得るためには、焼結原料中の高結晶水鉄鉱石の配合率は、30mass%以上にする必要がある。なお、副原料及び固体燃料の配合を考慮すると、焼結原料中の高結晶水鉄鉱石の配合率は、80mass%以下であることが好ましい。
好ましくは、結晶水含有量が8.0mass%以上のピソライト鉱石を、全焼結原料中に35mass%以上45mass%以下含有させる。この場合には、焼結層の仮焼ゾーン9c内に充分な水蒸気量を確保することができる。上述の方法を用いると、仮焼ゾーン9cでは、低温燃焼固体燃料から供給される熱により、高結晶水鉄鉱石から水蒸気が持続的に供給される。この水蒸気の供給により、水性ガス反応(水蒸気と炭素との反応)および水性ガスシフト反応(水蒸気と一酸化炭素との反応)が促進し、水素が供給される。そのため、仮焼ゾーン9c内の熱伝達速度が改善し、焼結鉱の生産性が高まる。さらに、水素がNOxを還元し、NOxの発生量を抑制することができる。加えて、水性ガスシフト反応により固体燃料の燃焼効率も向上する。また、仮焼ゾーン9c内の熱伝達速度を改善して、焼結鉱の生産性(焼結速度)を高めるため、過剰の融液の生成を考慮する必要がない。本発明者らは、低温燃焼固体燃料と高結晶水鉄鉱石とを用いることにより、過剰の融液の生成することなく、焼結鉱を製造できることを確認している。
具体的には、例えば、図1に示すような焼結工程において、4.0mass%以上の結晶水を含有する高結晶水鉄鉱石を含む鉄鉱石と、副原料と、燃焼反応の開始温度が450℃未満である低温燃焼固体燃料を10mass%以上含む固体燃料とを高結晶水鉄鉱石が30mass%以上含まれるように配合し、焼結原料として使用する。この焼結原料をドワイトロイド式の焼結機に装入し、焼結原料の表層部に着火する。この焼結機内の焼結層(焼結原料)の上方(冷却ゾーン9e)から下方(原料ゾーン9a)へ向けて空気を吸引する。この空気の吸引により焼結反応が連続的に進行し、焼結鉱が製造される。
上述の方法によれば、固体燃料の燃焼性を大幅に改善することができ、焼結鉱の生産性を改善することができる。また、排ガス中のNOx濃度も大幅に低減することが可能である。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
直径30cm、層高60cmの焼結試験装置を用いて、所定の配合原料(焼結原料)から焼結鉱を実験的に製造した。この配合原料を焼結試験装置内に60cmの高さまで装入した後、充填層の表層の固体燃料にプロパンガスバーナーを90秒間放射して、点火した。その後、15kPaの一定負圧で下方へ空気を吸引しながら焼結反応を行った。一連の焼結反応が完了した焼結体を、充分に冷却させた後、2mの高さから4回落下させて破砕し、5mm以上の粒度の焼結鉱を回収した。この焼結鉱と配合原料とのマテリアルバランスから焼結鉱の生産率および歩留まりを算出した。同様に、焼結速度を示すフレームフロントスピード(FFS)も算出した。また、排ガス中の酸素濃度及びNOx濃度を測定した。
焼結原料の配合条件および焼結原料の試験結果を表2および表3にそれぞれ示す。なお、表2中の各固体燃料は、表1中の各固体燃料にそれぞれ対応している。
Figure 0004837799
Figure 0004837799
表2に示すように、実施例1〜5の配合原料として、4.0mass%以上の結晶水を含有する高結晶水鉄鉱石を含む鉄鉱石と、燃焼反応の開始温度が450℃未満である低温固体燃料(例えば、表2におけるチャー)を10mass%以上含む固体燃料を用いた。また、実施例1〜5の配合原料(焼結原料)中には、高結晶水鉄鉱石が30mass%以上含まれるように鉄鉱石を配合した。そのため、表3に示すように、焼結鉱の成品歩留りを低下させることなく焼結速度(FFS)を向上し、生産率を大幅に高めることができた。また、これらの実施例1〜5では、固体燃料の燃焼性も大きく改善し、排ガス中の酸素濃度(過剰空気比)とNOx発生量とが低下した。
一方、比較例1、2及び6の配合原料には、低温燃焼固体燃料を用いなかった。比較例3の配合原料には、高結晶水鉄鉱石を用いなかった。また、比較例4の配合原料(焼結原料)中には、高結晶水鉄鉱石を30mass%以上配合しなかった。比較例5の配合原料の固体燃料中には、低温燃焼固体燃料を10mass%以上配合しなかった。なお、比較例6の配合原料中には、固体燃料として燃焼開始温度が高い亜瀝青炭高温乾留チャーを配合した。これらの比較例1〜6では、生産率及びFFSが減少するとともに、固体燃料の燃焼性が低下し、排ガス中の酸素濃度(過剰空気比)とNOx発生量とが増加した。
固体燃料の燃焼性を大幅に改善し、焼結鉱の生産性を向上し、排ガス中のNOx濃度を大幅に低減する焼結鉱の製造方法を提供することができる。
1 鉄鉱石ホッパー
1a 鉄鉱石
2 石灰石ホッパー
2a 石灰石
3 コークスホッパー
3a コークス
4 返鉱ホッパー
4a 返鉱
5 造粒機
6 焼結原料
7 サージホッパー
8 ドラムフィーダー
8a シュート
9 充填層(焼結層)
9a 原料帯(原料ゾーン)
9b 乾燥帯(乾燥ゾーン)
9c 仮焼帯(仮焼ゾーン)
9d 燃焼帯(燃焼ゾーン)
9e 冷却帯(冷却ゾーン)
10 点火炉
11 焼結ケーキ
12 排鉱部
20 排風機
30 焼結機
46 床敷用焼結鉱

Claims (2)

  1. 焼結原料として、4.0mass%以上の結晶水を含有する高結晶水鉄鉱石を含む鉄鉱石と、副原料と、燃焼反応の開始温度が450℃未満である低温燃焼固体燃料を10mass%以上含む固体燃料とを前記高結晶水鉄鉱石が前記焼結原料中に30mass%以上含まれるように配合し;
    前記焼結原料をドワイトロイド式の焼結機に装入し;
    前記焼結原料の表層部に着火し;
    前記焼結原料の上方から下方へ向けて空気を吸引する;
    ことを特徴とする焼結鉱の製造方法。
  2. 前記低温燃焼固体燃料は、亜瀝青炭、褐炭、または、前記亜瀝青炭と前記褐炭とを混合した混合炭のいずれかを乾留して得られたチャーであることを特徴とする請求項1に記載の焼結鉱の製造方法。
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