JP2016148019A - コークスの製造方法 - Google Patents

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勇樹 大八木
Yuki Oyagi
勇樹 大八木
裕子 西端
Hiroko Nishihata
裕子 西端
一秀 石田
Kazuhide Ishida
一秀 石田
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Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
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Kansai Coke and Chemicals Co Ltd
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Abstract

【課題】 特殊な装置を必要とせず、簡便な方法で粉砕粒度を適正化して、製造されるコークスの強度を高強度化することが可能なコークスの製造方法を提供すること。
【解決手段】 複数種の単味炭を配合して得られる装入炭を乾留することによりコークスを製造するコークスの製造方法であって、各単味炭の指標IH/C及び指標IO/Cを得る工程A、各単味炭の[IH/C−IO/C]を算出する工程B、算出した[IH/C−IO/C]の値が所定の閾値未満である場合には粉砕効果を示す値Yを、Y=e×X+f×X+gにより算出し、所定の閾値以上である場合には値Yを、Y=h×X+iにより算出し、少なくとも値Yが一番大きいと決定された単味炭を粉砕する工程を含むコークスの製造方法。
【選択図】 図1

Description

本発明は、コークスの製造方法に関する。
従来、製鉄原料として用いられるコークスは、高炉内での通液性を確保するため、高強度であることが求められる。
しかしながら、高強度なコークスを製造する、高品質な石炭を多く使用するとコークス製造コストが増加する。そこで、安価で高強度なコークス製造技術について、様々な検討がされてきており、その一環として粉砕粒度を適正化することで強度を制御する方法が検討されてきた。
一般に石炭をコークス炉へ装入した際の充填密度が一定であれば、同一配合において石炭を細かく粉砕するほど均質性が増加し、乾留して得られるコークスの強度が高まると言われている。
しかしながら、粉砕粒度を細かくすることで充填密度が低下し、生産性が低下することが懸念されてきた。そこで、充填密度の低下を抑制するため、配合前の各単味炭を各石炭性状により整理し、各石炭の適切な粉砕粒度を設定する方法が報告されている。
例えば、特許文献1〜4には、イナート組織のサイズに応じて石炭の粉砕粒度、配合を制御することで高強度コークスを製造する方法が開示されている。
また、特許文献5〜7には、膨張率、全イナート量、入荷時平均粒度、平均最大反射率、ギーセラー最高流動度、ハードグローブ指数等、各種石炭性状に応じて適切な粉砕粒度を決定し、高強度コークスを製造する方法が開示されている。
また、特許文献8には、浸透距離が大きい石炭を粉砕することで強度低下を抑制する方法が開示されている。
特開2004−339503号公報 特開2008−297385号公報 特開2010−138254号公報 特開2006−273884号公報 特開2007−112941号公報 特開2008−133383号公報 特開2013−6958号公報 特開2012−72388号公報
特許文献1〜4において、イナートサイズを評価する方法は、顕微鏡によって撮影した石炭、コークス画像を画像解析する方法、イナートの累積体積比から評価する方法などである。しかしながら、このような手法による、粉砕後の石炭もしくは乾留後のコークスのイナートサイズの評価は煩雑であり、時間もかかるといった問題がある。
また、特許文献5〜7の方法では、石炭性状を組み合わせる場合、複数の測定を実施する必要があり、情報を得るためには時間を要し、必要試料量も多くなるといった問題がある。
また、特許文献8の方法では、浸透距離測定には特殊な測定装置が必要であるといった問題がある。
本発明は、上述した課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、特殊な装置を必要とせず、簡便な方法で粉砕粒度を適正化して、製造されるコークスの強度を高強度化することが可能なコークスの製造方法を提供することにある。
以上のような目的を達成するために、本発明は、以下のようなものを提供する。
複数種の単味炭を配合して得られる装入炭を乾留することによりコークスを製造するコークスの製造方法であって、
下記手順(a)〜(b)により、各前記単味炭の指標IH/C及び指標IO/Cを得る工程A、
手順(a):単味炭を加熱した際の加熱減量を用いて下記式(1)により算出される値を指標IH/Cとする。
H/C=aX+b・・・式(1)
(ただし、X=加熱減量(mg/g-coal.daf)、また、a及びbは定数)
手順(b):前記手順(a)の際に発生したガス中のCH,CO,COの発生量を用いて下記式(2)により算出される値を指標IO/Cとする。
O/C=cX+d・・・式(2)
(ただし、X=1−[CH/(CH+CO+CO)]、また、c及びdは定数)
工程Aの後、各前記単味炭の[IH/C−IO/C]を算出する工程B、
算出した前記[IH/C−IO/C]の値が所定の閾値未満である場合には、当該単味炭をグループAに分類し、前記所定の閾値以上である場合には、当該単味炭をグループBに分類する工程C1、
グループAに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(3)により算出する工程C2、
Y=e×X+f×X+g・・・・・・・式(3)
(ただし、X=IO/C、X=IH/C−IO/C、また、e、f及びgは定数)
グループBに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(4)により算出する工程C3、
Y=h×X+i・・・・・・・式(4)
(ただし、X=IH/C−IO/C、また、h及びiは定数)
少なくとも前記値Yの一番大きい単味炭を決定する工程D、及び、
少なくとも前記値Yが一番大きいと決定された単味炭を粉砕する工程E、
を含むコークスの製造方法。
前記構成によれば、工程Aにおいて、単味炭を加熱した際の加熱減量と、その際に発生したガス中のCH,CO,COの発生量を測定する。この測定は、例えば、熱天秤とガスクロマトグラフを組み合わせた装置等で比較的簡単に同時測定することができる。そして、その後の工程B、工程C1、工程C2、工程C3、及び、工程Dでは、予め決められた計算を行って、前記値Yの一番大きい単味炭を決定する。この工程は、情報処理装置等によって簡単に行うことができる。そして、工程Eにおいて、前記値Yが一番大きいと決定された単味炭を粉砕する。詳しくは後述するが、工程C1、工程C2、工程C3、及び、工程Dにおいて決定された、前記値Yの一番大きい単味炭は、粉砕効果の最も大きい単味炭である。粉砕効果が大きいとは、同量の単味炭を粉砕した際に、コークス強度の向上の程度が大きいことをいう。
つまり、工程Dにおいて複数種のなかで粉砕効果の最も大きいと決定された単味炭を、工程Eにおいて粉砕するため、装入炭全体の粉砕粒度が細かくなりすぎない態様で、コークス強度を効率的に高強度化することができる。
前記構成において、前記工程Dは、前記値Yの値が大きい順に単味炭の順位を決定する工程であり、前記工程Eは、前記工程Dで決定された順位の順に、単味炭を粉砕する工程であることが好ましい。
前記値Yの値が大きい順に単味炭を粉砕すれば、例えば、目標とする装入炭全体の粉砕粒度に対して、工程Dで決定した順位で単味炭を粉砕すれば、コークス強度をより効率的に高強度化することができる。
本発明によれば、特殊な装置を必要とせず、簡便な方法で粉砕粒度を適正化して、製造されるコークスの強度を高強度化することが可能なコークスの製造方法を提供することができる。
ドラム強度試験により実際に求めた粉砕効果(実測値)と、値Y(粉砕効果(推定値))との関係を示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について説明する。
本実施形態に係るコークスの製造方法は、複数種の単味炭を配合して得られる装入炭を乾留することによりコークスを製造するコークスの製造方法であって、
下記手順(a)〜(b)により、各前記単味炭の指標IH/C及び指標IO/Cを得る工程A、
手順(a):単味炭を加熱した際の加熱減量を用いて下記式(1)により算出される値を指標IH/Cとする。
H/C=aX+b・・・式(1)
(ただし、X=加熱減量(mg/g-coal.daf)、また、a及びbは定数)
手順(b):前記手順(a)の際に発生したガス中のCH,CO,COの発生量を用いて下記式(2)により算出される値を指標IO/Cとする。
O/C=cX+d・・・式(2)
(ただし、X=1−[CH/(CH+CO+CO)]、また、c及びdは定数)
工程Aの後、各前記単味炭の[IH/C−IO/C]を算出する工程B、
算出した前記[IH/C−IO/C]の値が所定の閾値未満である場合には、当該単味炭をグループAに分類し、前記所定の閾値以上である場合には、当該単味炭をグループBに分類する工程C1、
グループAに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(3)により算出する工程C2、
Y=e×X+f×X+g・・・・・・・式(3)
(ただし、X=IO/C、X=IH/C−IO/C、また、e、f及びgは定数)
グループBに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(4)により算出する工程C3、
Y=h×X+i・・・・・・・式(4)
(ただし、X=IH/C−IO/C、また、h及びiは定数)
少なくとも前記値Yの一番大きい単味炭を決定する工程D、及び、
少なくとも前記値Yが一番大きいと決定された単味炭を粉砕する工程E、
を少なくとも含む。
以下、各工程について説明する。
[工程A]
まず、工程Aにおいて、下記手順(a)〜(b)により、各前記単味炭の指標IH/C及び指標IO/Cを得る。
手順(a):単味炭を加熱した際の加熱減量を用いて下記式(1)により算出される値を指標IH/Cとする。
H/C=aX+b・・・式(1)
(ただし、X=加熱減量(mg/g-coal.daf)、また、a及びbは定数)
手順(b):前記手順(a)の際に発生したガス中のCH,CO,COの発生量を用いて下記式(2)により算出される値を指標IO/Cとする。
O/C=cX+d・・・式(2)
(ただし、X=1−[CH/(CH+CO+CO)]、また、c及びdは定数)
前記指標IH/C及び指標IO/Cは、装入炭のドラム強度DIを推定するのに用いることのできる指標である。詳しくは、特開平4−275389号公報(特に、段落[0019]〜段落[0027])に記載されているので、詳細な説明はここでは省略するが、これらの指標は、配合に粘結炭だけでなく、粘結性が小さいか粘結性を有しない微・非粘結炭を使用した場合にも、粘結炭のみのときと同じように精度良く装入炭のドラム強度DIを推定することができる指標である。従って、本実施形態では、前記指標IH/C及び指標IO/Cを、各単味炭のドラム強度向上効果の順位付けを行う指標として用いることとした。
また、前記加熱減量を用いて上記式(1)により算出される値を指標IH/Cとすることができ、前記手順(a)の際に発生したガス中のCH,CO,COの発生量を用いて上記式(2)により算出される値を指標IO/Cとすることができる点についても、詳しくは、特開平4−275389号公報(特に、段落[0039])に記載されているので、詳細な説明はここでは省略するが、本出願人に係る発明者らは、以前、IH/Cと原料石炭の加熱減量との間には高度の相関関係の存在すること、及び、IO/Cと原料石炭のCO発生量との間には高度の相関関係があることを見い出しており、さらに、これらの値は、たとえば熱天秤とガスクロマトグラフを組み合わせた装置で比較的簡単に同時測定することができることを見出している。本発明は、これに基づいて、各前記単味炭の指標IH/C及び指標IO/Cの値を得ることとした。
なお、定数a〜dは、実炉の型式や操業方法によって決まる定数であり、多数の実操業データを統計的に解析することによって求めることができる。
[工程B]
工程Aの後、各前記単味炭の[IH/C−IO/C]を算出する。
[工程C1]
算出した前記[IH/C−IO/C]の値が所定の閾値未満である場合には、当該単味炭をグループAに分類し、前記所定の閾値以上である場合には、当該単味炭をグループBに分類する。
[工程C2]
グループAに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、[IH/C−IO/C]、及び、IO/C、の値に基づいて、算出する。具体的には、下記式(3)により算出する。
Y=e×X+f×X+g・・・・・・・式(3)
(ただし、X=IO/C、X=IH/C−IO/C、また、e、f及びgは定数)
[工程C3]
グループBに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、[IH/C−IO/C]の値に基づいて、算出する。具体的には、下記式(4)により算出する。
Y=h×X+i・・・・・・・式(4)
(ただし、X=IH/C−IO/C、また、h及びiは定数)
ここで、[IH/C−IO/C]の値が所定の閾値未満であるものと所定の閾値以上であるものとで単味炭を分類し、粉砕効果を示す値Yの算出方法を異ならせている点について説明する。
[IH/C−IO/C]の値は、粘結性に対応する指標である。IO/Cは、石炭化度方向の変化に対応する指標である。コークスのドラム強度DIは、IO/Cが高くなるとともに低下する。この点については、特開平4−275389号公報(特に、段落[0028]、段落[0030])に開示されている。
[IH/C−IO/C]の値が比較的大きい場合には、粘結性は、そのまま[IH/C−IO/C]の値に比例することになる。従って、所定の閾値以上である場合には、上記式(4)に基づいて、粉砕効果を示す値Yを算出する。
一方、[IH/C−IO/C]の値が小さい場合、IO/Cの影響は大きくこの影響を無視できないことを本発明者らは見出した。そして、[IH/C−IO/C]のみではなく、IO/Cをも考慮にいれて粉砕効果を検討すれば、高精度な粉砕効果の推定ができることに本発明者らは想到した。
所定の閾値は、IO/Cの影響が無視できるかできないかの観点で、決定されるものである。所定の閾値の決定方法は、操業データを統計的に解析して決定することができる。
以上、本実施形態では、[IH/C−IO/C]の値が所定の閾値未満であるものと所定の閾値以上であるものとで単味炭を分類し、粉砕効果を示す値Yの算出方法を、より高精度となる式に当てはめて計算しているのである。
なお、定数e、f、g、h及びiは、実炉の型式や操業方法によって決まる定数であり、多数の実操業データを統計的に解析することによって求めることができる。
[工程D]
次に、少なくとも前記値Yの一番大きい単味炭を決定する。
本発明では、少なくとも前記値Yの一番大きい単味炭がどれであるかを決定すればよいが、前記値Yの値が大きい順に単味炭の順位を決定することが好ましい。なお、順位を決定する場合、すべての単味炭について順位をつけてもよいが、上位の数種類にのみ順位をつけてもよい。例えば、10種の単味炭を配合する場合に、前記値Yの大きい5番目までにのみ順位をつけることとしてもよい。
[工程E]
次に、少なくとも前記値Yが一番大きいと決定された単味炭を粉砕する。工程C1、工程C2、工程C3、及び、工程Dにおいて決定された、前記値Yの一番大きい単味炭は、粉砕効果の最も大きい単味炭である。粉砕効果が大きいとは、同量の単味炭を粉砕した際に、コークス強度の向上の程度が大きいことをいう。
つまり、工程Dにおいて複数種のなかで粉砕効果の最も大きいと決定された単味炭を、工程Eにおいて粉砕するため、装入炭全体の粉砕粒度が細かくなりすぎない態様で、コークス強度を効率的に高強度化することができる。
また、工程Dにおいて前記値Yの値が大きい順に単味炭の順位を決定した場合、工程Eにおいて、前記値Yの値が大きい順に単味炭を粉砕する。例えば、目標とする装入炭全体の粉砕粒度になるまで、工程Dで決定した順位で単味炭を粉砕すれば、コークス強度をより効率的に高強度化することができる。
上述した実施形態では、工程Dにおいて前記値Yの値が大きい順に単味炭の順位を決定した場合、工程Eにおいて、前記値Yの値が大きい順に単味炭を粉砕する場合について説明した。しかしながら、本発明はこの例に限定されず、順位をつけたものについて1又は複数種ごとにグループ化(好ましくは3つ以上にグループ化)し、グループごとに粉砕することとしてもよい。
以下、本発明に関し、実施例を用いて詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。
<コークス強度DIの実測値と推定値(値Y)との相関関係の検証>
まず、表1に示す9種類の銘柄の単味炭を準備した。
表1には、これらの単味炭の石炭性状(VM、R0、MF、TI、IH/C、IO/C、[IH/C−IO/C])についても示している。表1中、VM、R0、MF、TIは、下記を意味する。
なお、指標IH/Cと指標IO/Cとを求めるのに必要な加熱減量、及び、CH,CO,COの発生量は、リガク社製の装置名:示差熱天秤―質量分析同時測定装置 ThermoMass (TG-MS)を用い、800℃になるまで加熱して得た値を用いた。
VM:空気との接触を断って、既定の条件のもとで試料を加熱したときの、質量減少率から水分を差引いた値(JIS M 8812に従って測定できる。)
:ビトリニット(主として植物の木質部に由来する微細組織)の反射率測定において、1個の研磨試料の50点以上の最大反射率の平均値。原料石炭の石炭化度を示すパラメーター。)
MF:ギーセラー最高流動度(ギーセラ−プラストメーターを使用する試験(JISM8801にその詳細が規定されている石炭の加熱軟化溶融特性試験)において回転翼が最高回転数を示す値の対数値。原料石炭の粘結性を代表する指標。)
TI:イナート組織全量の石炭全体に対する体積割合(JIS M 8816に従って測定できる。)
また、工程A〜工程C3の手順により算出した石炭A〜Hの値Y(「粉砕効果(推定値)」ともいう)を算出し、この値も表1に示した。なお、値Yを算出する際、本実施例では、所定の閾値として0.2を採用した。
工程A〜C3において各値を算出する際の定数a、b、c、d、e、f、g、h及びiは、多数の実操業データを統計的に解析して決定している。
Figure 2016148019
(製造例1〜製造例8)
表2の「配合率」に示す配合率で表1に示した9種類の単味炭を配合した。配合する際には、粉砕粒度が3mm以下のものが含まれる割合を、表2の「3mm以下割合」に示す割合となるように、ジョークラッシャーあるいはコーヒーミルで粉砕した上で、配合した。
具体的には、各製造例において、それぞれ評価石炭A〜Hの粉砕粒度を3mm以下が約80%となるものと、100%となるものとの2水準に粉砕し、評価石炭以外は3mm以下割合が約80%となるように粉砕した。ASPは1mm以下100%となるように粉砕した。
例えば、製造例1において製造例1−Aでは、評価石炭Aの粉砕粒度を、3mm以下が約80%となるようにする一方、製造例1−Bでは、100%とした。
配合炭を作成後、水分を7.5%±0.2%に調整した。
次に、水分調整した試料をL:235mm×T:235mm×H:300mmの缶容器に充填密度735dry−kg/mで充填した。
次に、乾留温度1,000℃で約19時間乾留してコークスを得た。
<ドラム強度試験>
得られたコークスをシャッター試験2回実施後、ドラム試験機で150回転させ、DI150 15を測定した。結果を表2に示す。また、DI向上量(それぞれ、製造例AのDI値と製造例BのDI値との差)、3mm以下割合1%あたりのDI向上幅(「粉砕効果(実測値)」ともいう)も表2に示した。ここで、3mm以下割合1%あたりのDI向上幅が大きいほど、粉砕による強度向上の効果が大きいことを意味する。そこで、3mm以下割合1%あたりのDI向上幅の大きい順に、順位をつけ、これも表2に示した。
Figure 2016148019
図1は、上記ドラム強度試験により実際に求めた3mm以下割合1%あたりのDI向上幅、すなわち、「粉砕効果(実測値)」と、工程A〜工程C3の手順により算出した石炭A〜Hの値Y「粉砕効果(推定値)」との関係を示すグラフである。
図1からわかるように、粉砕効果(実測値)と、本発明に係る粉砕効果(推定値)とはよい相関を示している。従って、粉砕効果(推定値)、すなわち、値Yの高い単味炭から順に粉砕すれば、装入炭全体の粉砕粒度が細かくなりすぎない態様で、コークス強度を効率的に高強度化することができることがわかる。
<評価試験>
まず、表3に示す4種類の銘柄の単味炭を準備した。
表3には、表1と同様に、これらの単味炭の石炭性状(VM、R0、MF、TI、IH/C、IO/C、[IH/C−IO/C])についても示した。
また、工程A〜工程C3の手順により算出した石炭I〜Lの値Y(「粉砕効果(推定値)」)を算出し、この値も表3に示した。なお、値Yを算出する際、本実施例では、所定の閾値として0.2を採用した。
工程A〜C3において各値を算出する際の定数a、b、c、d、e、f、g、h及びiは、多数の実操業データを統計的に解析して決定している。
Figure 2016148019
(実施例1、比較例1〜2)
実施例1、及び、比較例1〜2では、4種類の単味炭の配合率を同じとする一方、各単味炭における粉砕粒度3mm以下の割合を表4に示すように異ならせた。その上で、コークスを作成し、コークス強度DIを測定した。具体的には下記の通りである。
まず、表4の「配合率」となるように、4種類の単味炭を配合した。配合する際には、粉砕粒度が3mm以下のものが含まれる割合を、表4の「3mm以下割合」に示す割合となるように、ジョークラッシャーあるいはコーヒーミルで粉砕した上で、配合した。
配合炭を作成後、水分を7.5%±0.2%に調整した。
次に、水分調整した試料をL:380mm×T:400mm×H:350mmのレトルトに充填密度735dry−kg/mで充填した。
次に、炭芯温度が1030℃に到達するまで乾留後、窯出を行い、常温まで窒素冷却し、コークスを得た。
<ドラム強度試験>
得られたコークスをシャッター試験2回実施後、ドラム試験機で150回転させ、DI150 15を測定した。結果を表4に示す。
実施例1では最も値Yが大きい(粉砕効果が高い)L炭を細粒化し、粉砕効果が高い順に細粒化している。これにより、比較例1、2と比較してドラム強度が高いことが確認できた。粉砕効果が低いK炭を細粒化した比較例1、2ではドラム強度はあまり改善しなかった。以上より、少なくとも、最も値Yが大きい炭を細粒化することにより、コークス強度が改善できることが確認できた。
Figure 2016148019

Claims (2)

  1. 複数種の単味炭を配合して得られる装入炭を乾留することによりコークスを製造するコークスの製造方法であって、
    下記手順(a)〜(b)により、各前記単味炭の指標IH/C及び指標IO/Cを得る工程A、
    手順(a):単味炭を加熱した際の加熱減量を用いて下記式(1)により算出される値を指標IH/Cとする。
    H/C=aX+b・・・式(1)
    (ただし、X=加熱減量(mg/g-coal.daf)、また、a及びbは定数)
    手順(b):前記手順(a)の際に発生したガス中のCH,CO,COの発生量を用いて下記式(2)により算出される値を指標IO/Cとする。
    O/C=cX+d・・・式(2)
    (ただし、X=1−[CH/(CH+CO+CO)]、また、c及びdは定数)
    工程Aの後、各前記単味炭の[IH/C−IO/C]を算出する工程B、
    算出した前記[IH/C−IO/C]の値が所定の閾値未満である場合には、当該単味炭をグループAに分類し、前記所定の閾値以上である場合には、当該単味炭をグループBに分類する工程C1、
    グループAに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(3)により算出する工程C2、
    Y=e×X+f×X+g・・・・・・・式(3)
    (ただし、X=IO/C、X=IH/C−IO/C、また、e、f及びgは定数)
    グループBに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(4)により算出する工程C3、
    Y=h×X+i・・・・・・・式(4)
    (ただし、X=IH/C−IO/C、また、h及びiは定数)
    少なくとも前記値Yの一番大きい単味炭を決定する工程D、及び、
    少なくとも前記値Yが一番大きいと決定された単味炭を粉砕する工程E、
    を含むコークスの製造方法。
  2. 前記工程Dは、前記値Yの値が大きい順に単味炭の順位を決定する工程であり、
    前記工程Eは、前記工程Dで決定された順位の順に、単味炭を粉砕する工程である
    請求項1に記載のコークスの製造方法。
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