JP2016148019A - コークスの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 複数種の単味炭を配合して得られる装入炭を乾留することによりコークスを製造するコークスの製造方法であって、各単味炭の指標IH/C及び指標IO/Cを得る工程A、各単味炭の[IH/C−IO/C]を算出する工程B、算出した[IH/C−IO/C]の値が所定の閾値未満である場合には粉砕効果を示す値Yを、Y=e×X2+f×X3+gにより算出し、所定の閾値以上である場合には値Yを、Y=h×X3+iにより算出し、少なくとも値Yが一番大きいと決定された単味炭を粉砕する工程を含むコークスの製造方法。
【選択図】 図1
Description
複数種の単味炭を配合して得られる装入炭を乾留することによりコークスを製造するコークスの製造方法であって、
下記手順(a)〜(b)により、各前記単味炭の指標IH/C及び指標IO/Cを得る工程A、
手順(a):単味炭を加熱した際の加熱減量を用いて下記式(1)により算出される値を指標IH/Cとする。
IH/C=aX0+b・・・式(1)
(ただし、X0=加熱減量(mg/g-coal.daf)、また、a及びbは定数)
手順(b):前記手順(a)の際に発生したガス中のCH4,CO,CO2の発生量を用いて下記式(2)により算出される値を指標IO/Cとする。
IO/C=cX1+d・・・式(2)
(ただし、X1=1−[CH4/(CH4+CO+CO2)]、また、c及びdは定数)
工程Aの後、各前記単味炭の[IH/C−IO/C]を算出する工程B、
算出した前記[IH/C−IO/C]の値が所定の閾値未満である場合には、当該単味炭をグループAに分類し、前記所定の閾値以上である場合には、当該単味炭をグループBに分類する工程C1、
グループAに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(3)により算出する工程C2、
Y=e×X2+f×X3+g・・・・・・・式(3)
(ただし、X2=IO/C、X3=IH/C−IO/C、また、e、f及びgは定数)
グループBに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(4)により算出する工程C3、
Y=h×X3+i・・・・・・・式(4)
(ただし、X3=IH/C−IO/C、また、h及びiは定数)
少なくとも前記値Yの一番大きい単味炭を決定する工程D、及び、
少なくとも前記値Yが一番大きいと決定された単味炭を粉砕する工程E、
を含むコークスの製造方法。
つまり、工程Dにおいて複数種のなかで粉砕効果の最も大きいと決定された単味炭を、工程Eにおいて粉砕するため、装入炭全体の粉砕粒度が細かくなりすぎない態様で、コークス強度を効率的に高強度化することができる。
下記手順(a)〜(b)により、各前記単味炭の指標IH/C及び指標IO/Cを得る工程A、
手順(a):単味炭を加熱した際の加熱減量を用いて下記式(1)により算出される値を指標IH/Cとする。
IH/C=aX0+b・・・式(1)
(ただし、X0=加熱減量(mg/g-coal.daf)、また、a及びbは定数)
手順(b):前記手順(a)の際に発生したガス中のCH4,CO,CO2の発生量を用いて下記式(2)により算出される値を指標IO/Cとする。
IO/C=cX1+d・・・式(2)
(ただし、X1=1−[CH4/(CH4+CO+CO2)]、また、c及びdは定数)
工程Aの後、各前記単味炭の[IH/C−IO/C]を算出する工程B、
算出した前記[IH/C−IO/C]の値が所定の閾値未満である場合には、当該単味炭をグループAに分類し、前記所定の閾値以上である場合には、当該単味炭をグループBに分類する工程C1、
グループAに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(3)により算出する工程C2、
Y=e×X2+f×X3+g・・・・・・・式(3)
(ただし、X2=IO/C、X3=IH/C−IO/C、また、e、f及びgは定数)
グループBに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(4)により算出する工程C3、
Y=h×X3+i・・・・・・・式(4)
(ただし、X3=IH/C−IO/C、また、h及びiは定数)
少なくとも前記値Yの一番大きい単味炭を決定する工程D、及び、
少なくとも前記値Yが一番大きいと決定された単味炭を粉砕する工程E、
を少なくとも含む。
まず、工程Aにおいて、下記手順(a)〜(b)により、各前記単味炭の指標IH/C及び指標IO/Cを得る。
手順(a):単味炭を加熱した際の加熱減量を用いて下記式(1)により算出される値を指標IH/Cとする。
IH/C=aX0+b・・・式(1)
(ただし、X0=加熱減量(mg/g-coal.daf)、また、a及びbは定数)
手順(b):前記手順(a)の際に発生したガス中のCH4,CO,CO2の発生量を用いて下記式(2)により算出される値を指標IO/Cとする。
IO/C=cX1+d・・・式(2)
(ただし、X1=1−[CH4/(CH4+CO+CO2)]、また、c及びdは定数)
工程Aの後、各前記単味炭の[IH/C−IO/C]を算出する。
算出した前記[IH/C−IO/C]の値が所定の閾値未満である場合には、当該単味炭をグループAに分類し、前記所定の閾値以上である場合には、当該単味炭をグループBに分類する。
グループAに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、[IH/C−IO/C]、及び、IO/C、の値に基づいて、算出する。具体的には、下記式(3)により算出する。
Y=e×X2+f×X3+g・・・・・・・式(3)
(ただし、X2=IO/C、X3=IH/C−IO/C、また、e、f及びgは定数)
グループBに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、[IH/C−IO/C]の値に基づいて、算出する。具体的には、下記式(4)により算出する。
Y=h×X3+i・・・・・・・式(4)
(ただし、X3=IH/C−IO/C、また、h及びiは定数)
次に、少なくとも前記値Yの一番大きい単味炭を決定する。
本発明では、少なくとも前記値Yの一番大きい単味炭がどれであるかを決定すればよいが、前記値Yの値が大きい順に単味炭の順位を決定することが好ましい。なお、順位を決定する場合、すべての単味炭について順位をつけてもよいが、上位の数種類にのみ順位をつけてもよい。例えば、10種の単味炭を配合する場合に、前記値Yの大きい5番目までにのみ順位をつけることとしてもよい。
次に、少なくとも前記値Yが一番大きいと決定された単味炭を粉砕する。工程C1、工程C2、工程C3、及び、工程Dにおいて決定された、前記値Yの一番大きい単味炭は、粉砕効果の最も大きい単味炭である。粉砕効果が大きいとは、同量の単味炭を粉砕した際に、コークス強度の向上の程度が大きいことをいう。
つまり、工程Dにおいて複数種のなかで粉砕効果の最も大きいと決定された単味炭を、工程Eにおいて粉砕するため、装入炭全体の粉砕粒度が細かくなりすぎない態様で、コークス強度を効率的に高強度化することができる。
まず、表1に示す9種類の銘柄の単味炭を準備した。
表1には、これらの単味炭の石炭性状(VM、R0、MF、TI、IH/C、IO/C、[IH/C−IO/C])についても示している。表1中、VM、R0、MF、TIは、下記を意味する。
なお、指標IH/Cと指標IO/Cとを求めるのに必要な加熱減量、及び、CH4,CO,CO2の発生量は、リガク社製の装置名:示差熱天秤―質量分析同時測定装置 ThermoMass (TG-MS)を用い、800℃になるまで加熱して得た値を用いた。
VM:空気との接触を断って、既定の条件のもとで試料を加熱したときの、質量減少率から水分を差引いた値(JIS M 8812に従って測定できる。)
R0:ビトリニット(主として植物の木質部に由来する微細組織)の反射率測定において、1個の研磨試料の50点以上の最大反射率の平均値。原料石炭の石炭化度を示すパラメーター。)
MF:ギーセラー最高流動度(ギーセラ−プラストメーターを使用する試験(JISM8801にその詳細が規定されている石炭の加熱軟化溶融特性試験)において回転翼が最高回転数を示す値の対数値。原料石炭の粘結性を代表する指標。)
TI:イナート組織全量の石炭全体に対する体積割合(JIS M 8816に従って測定できる。)
工程A〜C3において各値を算出する際の定数a、b、c、d、e、f、g、h及びiは、多数の実操業データを統計的に解析して決定している。
表2の「配合率」に示す配合率で表1に示した9種類の単味炭を配合した。配合する際には、粉砕粒度が3mm以下のものが含まれる割合を、表2の「3mm以下割合」に示す割合となるように、ジョークラッシャーあるいはコーヒーミルで粉砕した上で、配合した。
具体的には、各製造例において、それぞれ評価石炭A〜Hの粉砕粒度を3mm以下が約80%となるものと、100%となるものとの2水準に粉砕し、評価石炭以外は3mm以下割合が約80%となるように粉砕した。ASPは1mm以下100%となるように粉砕した。
例えば、製造例1において製造例1−Aでは、評価石炭Aの粉砕粒度を、3mm以下が約80%となるようにする一方、製造例1−Bでは、100%とした。
得られたコークスをシャッター試験2回実施後、ドラム試験機で150回転させ、DI150 15を測定した。結果を表2に示す。また、DI向上量(それぞれ、製造例AのDI値と製造例BのDI値との差)、3mm以下割合1%あたりのDI向上幅(「粉砕効果(実測値)」ともいう)も表2に示した。ここで、3mm以下割合1%あたりのDI向上幅が大きいほど、粉砕による強度向上の効果が大きいことを意味する。そこで、3mm以下割合1%あたりのDI向上幅の大きい順に、順位をつけ、これも表2に示した。
図1からわかるように、粉砕効果(実測値)と、本発明に係る粉砕効果(推定値)とはよい相関を示している。従って、粉砕効果(推定値)、すなわち、値Yの高い単味炭から順に粉砕すれば、装入炭全体の粉砕粒度が細かくなりすぎない態様で、コークス強度を効率的に高強度化することができることがわかる。
まず、表3に示す4種類の銘柄の単味炭を準備した。
表3には、表1と同様に、これらの単味炭の石炭性状(VM、R0、MF、TI、IH/C、IO/C、[IH/C−IO/C])についても示した。
また、工程A〜工程C3の手順により算出した石炭I〜Lの値Y(「粉砕効果(推定値)」)を算出し、この値も表3に示した。なお、値Yを算出する際、本実施例では、所定の閾値として0.2を採用した。
工程A〜C3において各値を算出する際の定数a、b、c、d、e、f、g、h及びiは、多数の実操業データを統計的に解析して決定している。
実施例1、及び、比較例1〜2では、4種類の単味炭の配合率を同じとする一方、各単味炭における粉砕粒度3mm以下の割合を表4に示すように異ならせた。その上で、コークスを作成し、コークス強度DIを測定した。具体的には下記の通りである。
得られたコークスをシャッター試験2回実施後、ドラム試験機で150回転させ、DI150 15を測定した。結果を表4に示す。
Claims (2)
- 複数種の単味炭を配合して得られる装入炭を乾留することによりコークスを製造するコークスの製造方法であって、
下記手順(a)〜(b)により、各前記単味炭の指標IH/C及び指標IO/Cを得る工程A、
手順(a):単味炭を加熱した際の加熱減量を用いて下記式(1)により算出される値を指標IH/Cとする。
IH/C=aX0+b・・・式(1)
(ただし、X0=加熱減量(mg/g-coal.daf)、また、a及びbは定数)
手順(b):前記手順(a)の際に発生したガス中のCH4,CO,CO2の発生量を用いて下記式(2)により算出される値を指標IO/Cとする。
IO/C=cX1+d・・・式(2)
(ただし、X1=1−[CH4/(CH4+CO+CO2)]、また、c及びdは定数)
工程Aの後、各前記単味炭の[IH/C−IO/C]を算出する工程B、
算出した前記[IH/C−IO/C]の値が所定の閾値未満である場合には、当該単味炭をグループAに分類し、前記所定の閾値以上である場合には、当該単味炭をグループBに分類する工程C1、
グループAに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(3)により算出する工程C2、
Y=e×X2+f×X3+g・・・・・・・式(3)
(ただし、X2=IO/C、X3=IH/C−IO/C、また、e、f及びgは定数)
グループBに分類された単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(4)により算出する工程C3、
Y=h×X3+i・・・・・・・式(4)
(ただし、X3=IH/C−IO/C、また、h及びiは定数)
少なくとも前記値Yの一番大きい単味炭を決定する工程D、及び、
少なくとも前記値Yが一番大きいと決定された単味炭を粉砕する工程E、
を含むコークスの製造方法。 - 前記工程Dは、前記値Yの値が大きい順に単味炭の順位を決定する工程であり、
前記工程Eは、前記工程Dで決定された順位の順に、単味炭を粉砕する工程である
請求項1に記載のコークスの製造方法。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2017173294A (ja) * | 2016-03-22 | 2017-09-28 | 関西熱化学株式会社 | コークスの強度推定方法、及び、コークスの製造方法 |
JP2018039868A (ja) * | 2016-09-05 | 2018-03-15 | 関西熱化学株式会社 | コークスの製造方法 |
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JPH04246495A (ja) * | 1991-01-31 | 1992-09-02 | Kansai Coke & Chem Co Ltd | 高炉用コークスの製造方法 |
JP2008133383A (ja) * | 2006-11-29 | 2008-06-12 | Jfe Steel Kk | 高強度コークスの製造方法 |
-
2015
- 2015-11-24 JP JP2015228642A patent/JP2016148019A/ja active Pending
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