JP5655684B2 - 成形コークスの強度推定方法 - Google Patents

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Description

この発明は、成形コークスの強度を推定する方法に関し、詳しくは、一般炭と称される石炭を成形して得られる成形コークスの強度を推定する方法に関する。
世界レベルでの鉄鋼需要の高まりにより、コークス用原料炭の価格が高騰している。特に粘結性を示す良質な石炭はその傾向は顕著であることから、近年では、比較的安価な石炭を利用するための技術開発が強く望まれるようになっている。高炉操業に必要なコークスを製造するに際して、重要な品質のひとつにコークス強度がある。これまでに室炉式コークス炉で製造したコークス強度を推定する方法は多数報告されており、いくつか例示すると次のような方法が挙げられる。
例えば、特開2004−26902号公報(特許文献1)には、高炉用コークスの強度を推定する方法として、コークスの平均壁厚W、低円形度気孔量L、及び粗大イナート量Iを数値化し、これらのパラメータと石炭中の揮発分VMとからドラム強度指数DI150 15を算出して、JIS K2151のドラム強度指数と同等の精度でコークスの強度を推定する方法が報告されている。特開2005−281355号公報(特許文献2)には、多数銘柄の原料炭についてレーザラマン分光測定を行ってレーザラマンスペクトルのピークに係る特性値を求め、これら複数の特性値を石炭銘柄の配合割合に従って加算してピークに係る配合炭の特性値を求めて、予め求めておいたスペクトルのピークに係る特性値とコークス強度との関係に基づいて、配合炭のコークス強度を推定する方法が報告されている。
特開2007−284615号公報(特許文献3)には、ドラム回転試験時に発生する粒径0.5mm以下の微視構造破壊粉率と0.5mm超15mm以下の巨視構造破壊粉率とをそれぞれ個別に推定するに際し、原料炭の石炭化度、軟化溶融時の粘結性指数、及び装入嵩密度から微視構造破壊粉率を推定する方法が報告されている。特開2002−121565号公報(特許文献4)には、石炭軟化時の比容積とコークス炉装入時の石炭嵩密度とを用いて、配合炭から製造されるコークスの表面破壊強度を推定方法が報告されている。
ところが、これらの方法は、室炉式コークス炉で製造したコークス強度を推定する方法であるため、非微粘結炭(非粘結炭及び微粘結炭)やそれよりも石炭化度の高い石炭の使用を前提にしたものであって、いわゆる一般炭と称されるような、JIS M 8801で規定された膨張性試験で膨張性を示さない石炭(以下、「極低全膨張率炭」と記載する場合がある)を使用するような場合には適用することができない。さらには、極低全膨張率炭を用いて製造した成形コークスのコークス強度を推定する方法は、本発明者らが知る限りにおいてこれまで報告されていない。
特開2004−26902号公報 特開2005−281355号公報 特開2007−284615号公報 特開2002−121565号公報
良質な石炭の価格高騰はこれからも継続し、それより品質の劣る劣質炭との値差はますます拡大していくものと考えられる。そのため、比較的価格の安い原料炭を使ってコークスを製造する技術を確立することは急務になっている。
そこで、本発明者らは、品質の劣る一般炭を使って成形炭にし、これを乾留して成形コークスを製造するにあたり、得られる成形コークスのコークス強度を事前に推定することができる方法について鋭意検討を行った。その結果、予め所定の方法によって測定した一般炭の比容積と、得られる成形コークスのコークス強度との間に関係性があり、これを利用すれば、事前に一般炭から得られる成形コークスのコークス強度を推定することができることを見出し、本発明を完成させた。
本発明の目的は、いわゆる一般炭と称されるような極低全膨張率炭を成形し、乾留して得られる成形コークスのコークス強度を推定する方法を提供することにある。本発明の要旨は次のとおりである。
すなわち、本発明は、
(1)JIS M 8801の膨張性試験方法により測定される全膨張率が5%以下の一般炭を成形し、乾留して得られる成形コークスの強度を推定する際に、予め複数種の一般炭の比容積とそれぞれの一般炭から得られる成形コークスのコークス強度との関係を求めておき、この関係に基づいて、一般炭の比容積からその一般炭を用いて得られる成形コークスのコークス強度を推定する方法であって、前記の比容積は、膨張率測定装置に装入した一般炭の温度が400〜500℃の範囲で平均昇温速度が10℃/min以上となる条件で膨張させた最大膨張体積Vと、装入した一般炭の質量Wとの比(V/W)であることを特徴とする成形コークスの強度推定方法、
(2)予め前記の複数種の一般炭の酸素含有量と比容積との関係を求めておき、この関係に基づいて、一般炭の酸素含有量からその一般炭の比容積を推定し、更に前記の一般炭の比容積と得られる成形コークスのコークス強度との関係に基づいてその一般炭を用いて得られる成形コークスのコークス強度を推定することを特徴とする前記(1)に記載の成形コークスの強度推定方法、
(3)強度を推定する成形コークスは、高炉用の小塊コークスに使用されるものであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の成形コークスの強度推定方法、
である。
本発明によれば、極低全膨張率炭を成形し、これを乾留して得られる成形コークスの強度を事前に推定することができるようになることから、例えば高炉用小塊コークスの製造などに使用するに際して、比較的安価な劣質炭を用いても、所望の強度を確保できる石炭を、簡便な方法で事前に選定することができる。
図1は、昇温速度の増加による一般炭(X炭)の膨張性の違いを示すグラフである。 図2は、膨張比容積測定の概要を示す説明図である。 図3は、一般炭の比容積とドラム強度指数DI150 15の関係を示すグラフである。 図4は、一般炭の酸素含有量と比容積の関係を示すグラフである。 図5は、関係式(1)及び(2)を使って推定したドラム強度指数DI150 15と実測したドラム強度指数DI150 15の関係を示すグラフである。
以下、本発明の成形コークスの強度推定方法について詳細に説明する。
本発明は、JIS M 8801の膨張性試験方法により測定される全膨張率が5%以下の石炭、好適には全膨張率がほぼ0%の石炭を成形し、その成形炭を乾留して得られる成形コークスのコークス強度を推定する方法に関し、非微粘結炭(微粘結炭及び非粘結炭)より粘結性を有さない極低全膨張率炭であって、瀝青炭のなかでも「一般炭」に分類される石炭を対象にする。
成形コークスの強度を推定するにあたり、本発明では、一般炭の比容積と、その一般炭を成形し、乾留して得られた成形コークスのコークス強度との関係を規定した関係性を利用する。この関係性は、汎用ソフト等を用いて相関式(便宜上、「相関式(1)と記載する」)を導出することで得られる。相関式(1)を導き出す際には、複数種の一般炭を用いて後述の方法により比容積を測定し、好ましくは3種類以上の一般炭を用いて比容積を測定する。また、実際に所望の成形コークスを製造する場合の事前処理(石炭粉砕、バインダー添加、混練等)、成形条件、乾留条件等を同じにして、それぞれの一般炭から得られる成形コークスのコークス強度を測定する。なお、コークス強度は、一般にはJIS K 2151で規定されたドラム試験方法によるドラム強度指数DIが用いられるが、このようなJIS規定のドラム強度指数のほか、ASTMおよびJIS規定のタンブラー強度指数、ISO規定およびDIN規格のマイカム強度指数、NF規定およびISO規定のイルシッド強度指数等を用いるようにしてもよい。
ここで、一般炭の比容積は、一般炭を加熱し膨張させて最大に膨張したときの最大膨張体積Vと一般炭質量W(無水ベース)との比(V/W)で表され、例えば、JIS M 8801に記載されるディラートメーター試験と同じ膨張率測定装置を用いて測定し、下記式(i)より算出することができる。但し、一般炭は粘結性が乏しいことから、通常採用される昇温速度3℃/minでの膨張率測定では銘柄ごとの比容積の差別化が難しいことが判明した。そこで、本発明では、膨張率測定装置に装入した一般炭を10℃/min以上、好ましくは20℃/min以上、より好ましくは50℃/min以上、さらにより好ましくは100℃/min以上の平均昇温速度で膨張させて最大膨張体積Vを求め、装入した一般炭の質量Wとから比容積(V/W)を算出するようにした。なお、昇温速度の上限は特に限定されるものではなく、加熱装置の形態や加熱能力に応じて設定される。
Figure 0005655684
さらに、石炭は400℃前後の温度で軟化し始めてその後膨張し、500℃前後の温度で再固化することから、本発明において複数種の一般炭の比容積を測定する際には、少なくとも炭中温度が400℃から500℃になるまでの間を10℃/min以上の平均昇温速度で昇温させて最大膨張体積Vを求めるようにすることが必要であることが判った。ここで、炭中温度が400℃から500℃になるまでの間の平均昇温速度が10℃/min以上というのは、炭中温度が400℃から500℃の間で、昇温速度が10℃/min未満である時期があっても、平均昇温速度が10℃/min以上であれば良いことを意味している。(以降、平均昇温速度を単に「昇温速度」と記載する。)
参考までに、一般炭の1種であるX炭を昇温速度3℃/minで膨張させた場合と昇温速度12℃/minで膨張させた場合の膨張性(高さ変位)の変化について、図1に示す。また、図2は、その際の膨張比容積測定の概要を示す説明図である。なお、図2では、測定管内の試料を加熱する手段として電気炉を用いているが、それ以外にも例えば赤外炉、熱風炉等の加熱炉や、マイクロ波を使用して加熱するようにしてもよい。
また、本発明では、予め複数種の一般炭を用いて、好ましくは3種以上の一般炭を用いてそれらの酸素含有量と比容積との関係性を利用し、一般炭の酸素含有量からその一般炭の比容積を推定するようにしても良い。この関係性は、汎用ソフト等を用いて相関式(便宜上、「相関式(2)と記載する」)を導出することで得られる。酸素含有量は既に標準化され汎用的に用いられている石炭物性値のひとつであり、本発明者等は、一般炭の酸素含有量が、上述した方法によって測定した一般炭の比容積(V/W)と良好な相関関係を有することを見出した。そのため、予め複数種の一般炭を用いてそれらの酸素含有量と比容積との相関式(2)を規定しておけば、製造する成形コークスのコークス強度を、その原料になる一般炭の物性値から、上記相関式(1)に基づき事前に予測することが可能になる。
一般炭の酸素含有量(酸素の無水試料に対する百分率)は、炭素C、水素H、硫黄S、窒素Nと共にJIS M 8813に規定される元素分析から求めることができ、具体的には次式(ii)により算出することができる。
Figure 0005655684
ここで、燃焼性硫黄の無水試料に対する百分率は次式(iii)から求められる。なお、下記式中の不燃性硫黄は灰中の硫黄分を無水試料に対する百分率で表したものである。
Figure 0005655684
本発明によって強度を推定する成形コークスは、既に述べたように一般炭を成形して成形炭にし、これを乾留して成形コークスにすることから、高炉用コークス(室炉コークス)並みの強度は直ちに期待できないが、高炉周辺部に装入される小塊コークスであれば、そこまでの強度は要求されない。そのため、強度を推定した成形コークスは、小塊コークスに用いるのが好適である。本発明の方法によって推定したコークス強度は、高炉においてコークスが衝撃によって壊れない強度を有しているか否かを判別できれば良いため、例えば、ドラム強度DI150 15を推定し、その値が40〜80程度であれば、小塊コークスとして使用可能と判別し、また、その値が40に達しない程度の場合には、小塊コークスとしての使用は困難であると判別するなどして利用することができる。
なお、本発明の強度推定方法は、原料の一般炭を単味で成形して、成形コークスを製造する場合のコークス強度を推定するほか、一般炭を複数種配合して成形コークスを製造する場合にも利用することができる。一般炭を複数種配合する場合には、一般炭の比容積や酸素含有量を配合比で加重平均することで、得られる成形コークスのコークス強度を推定できる。
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の内容に制限されるものではない。
[一般炭の比容積測定]
表1に示した3種類の一般炭A〜Cについて、JIS M 8801に記載されるディラートメーター試験と同じ膨張率測定装置を用いて、以下の方法により比容積を測定した。なお、一般炭の全膨張率は、JIS M 8801で規定されている膨張試験により測定した値である。また、酸素含有量は、酸素Oの無水試料に対する百分率であって、JIS M 8813に規定される元素分析により上述した式(ii)から算出された値である。
Figure 0005655684
先ず、粒径1.5mm以下が100%になるように粉砕した一般炭Aを、図2に示したように、SUS310S製測定管(φ8mm×372mm)に装入し、測定管内の上部側にピストンを載せて一般炭Aの高さが60mmになるように準備した。このとき測定管内に装入された一般炭Aの無水ベースの質量は2.316gであり、また、充填密度は0.8g/cm3であった。
次いで、測定管のまわりを取り囲むように配置した電気炉によって測定管内の一般炭Aを加熱し、膨張率測定を行った。その際、炭中温度が400℃から500℃になるまでの間の昇温速度を3℃/min、10℃/min、及び100℃/minの3水準で実施し、ピストンに接続した図示外のレーザー変位計によって測定管内で膨張する一般炭Aをピストン変位(高さ)で計測し、ピストン変位が最大になった時点で最大膨張体積Vを求め、下記式(iv)から比容積を算出した。結果を表2に示す。なお、昇温速度100℃/minについては、使用した電気炉の出力の都合上、本実施例では予め550℃まで昇温させた電気炉に測定管を投入して、7分間保持するようにした。
Figure 0005655684
Figure 0005655684
そして、一般炭Aと同様にして、一般炭B及びCについても3水準の昇温速度で比容積を測定した。結果を表2に示す。これらの結果から明らかなように、一般炭は3℃/minの昇温速度では全く膨張を示さず、銘柄ごとの差別化はできなかったが、10℃/minと100℃/minの場合には一般炭A〜Cの比容積の差を明確にすることができた。
[成形コークスの製造とコークス強度の測定]
一般炭Aについて、粒径1.5mm以下が100%になるように粉砕した後、バインダーピッチを8%添加し、また、ミキサーで180秒間混練した。次いで、混練炭をロールコンパクターを用いて線圧3t/cmの圧力で成形し、56ccのピロー型成形炭を得た。得られた成形炭について、乾留炉を用いて成形炭中心部の400〜500℃の領域における昇温速度が6℃/minとなる条件で乾留し、一般炭Aを原料にした成形コークスAを製造した。
上記のようにして製造した成形コークスAを10個用意して、25mm目の篩で手篩により篩分けし、篩上を測定用試料にして、JIS K2151に規定されたドラム試験方法によりドラム強度指数DI150 15を測定した。すなわち、内径1500mm、長さ1500mmのドラム試験機に上記測定用試料を入れ、150回転させた後に15mm目の篩で篩分けして、篩上に残存したコークス質量の試料質量に対する百分率を求めた。結果を表3に示す。
Figure 0005655684
一般炭B及びCについても成形コークスAと同様にして、それぞれを原料とする成形コークスB及びCを製造した。そして、成形コークスAの場合と同様にして、成形コークスB及びCのドラム強度指数DI150 15を測定した。結果を表3に示す。
[一般炭の比容積とコークス強度の関係]
上記で得られた一般炭A〜Cの比容積(cm3/g)をx軸にし、同じく上記で得られた成形コークスA〜Cのコークス強度(DI150 15)をy軸にしてプロットしたグラフを図3に示す。ここでは、一般炭の比容積の差別化が可能な昇温速度10℃/minで測定した場合と昇温速度100℃/minで測定した場合の2つのグラフを示している。このうち、昇温速度10℃/minで測定した比容積(x)とDI150 15(y)とは、y=513.88x−588.4の関係式(1-1)が成り立つことが分る(R2=0.7209)。一方、昇温速度100℃/minで測定した比容積(x)とDI150 15(y)とは、y=162.26x2−363.68x+198.14の関係式(1-2)が成り立つことが分る(R2=1)。
すなわち、いずれの場合にも一般炭の比容積とコークス強度との間には相関関係があり、特に昇温速度100℃/minで比容積を測定して得られた関係式は、昇温速度10℃/minで測定した場合の関係式に比べて比容積の取り得る範囲が大きくなり、一般炭の種類ごとの差別化がより明確になることが分かった。したがって、例えば、一般炭A〜C以外の種類(又は銘柄)の一般炭から実際に成形コークスを製造する際、少なくともいずれかの関係式に基づいて、その関係式に応じて比容積を測定することで、上述した方法と同様にして得られる成形コークスのコークス強度(DI150 15)を事前に推定することができる。なお、この実施例では3種類の一般炭を用いて比容積とコークス強度の関係式を求めており、炭種の数により関係式の係数は多少の変動幅を有するが、コークス強度の推定値に大きな影響が出るほどの変動幅でないことを実験的に確認している。よって、複数種の一般炭を用いて、好適には3種以上の一般炭を用いて比容積とコークス強度の関係式を求めればよく、炭種の数を増加したら関係式の係数を更新しても良い。
[一般炭の酸素含有量と比容積の関係]
また、一般炭A〜Cの酸素含有量(%)をx軸にし、上記で得られた一般炭A〜Cの比容積(cm3/g)をy軸にしてプロットしたグラフを図4に示す。ここでは、比容積とコークス強度の関係と同様、比容積の測定を昇温速度10℃/minで測定したものと、昇温速度100℃/minで測定したものを示している。いずれも一般炭の酸素含有量と比容積は負の相関関係を有し、昇温速度10℃/minで測定した場合はy=−0.039x+1.594の関係式(2-1)が成り立ち(R2=0.941)、昇温速度100℃/minで測定した場合はy=−0.161x+3.161の関係式(2-2)が成り立つことが分る(R2=0.968)。したがって、例えば、一般炭A〜C以外の種類(又は銘柄)の一般炭から実際に成形コークスを製造する際、その一般炭が有する酸素含有量を少なくともいずれかの関係式に代入して比容積を推定し、その結果を昇温速度にあわせた関係式(1-1、1-2)に代入すれば、事前にコークス強度を推定することができる。なお、一般炭の酸素含有量と比容積の関係についても、複数種の一般炭を用いて、好適には3種以上の一般炭を用いて一般炭の酸素含有量と比容積の関係式を求めればよく、炭種の数が増すにつれて関係式の係数を更新しても良い。
上記で得られた関係式(1)及び関係式(2)を使ったコークス強度の推定結果の精度を確認するために、一般炭A〜Cの酸素含有量からドラム強度指数DI150 15を推定した推定値をx軸にし、実際に製造した成形コークスA〜Cのドラム強度指数DI150 15を測定した実測値をy軸にしてプロットしたグラフを図5に示す。このグラフから分るように推定したドラム強度指数DI150 15は実測したドラム強度指数DI150 15と良好に一致し、特に昇温速度100℃/minに係る関係式(1-2)及び(2-2)を利用した場合には極めて良好に一致することが確認された。

Claims (3)

  1. JIS M 8801の膨張性試験方法により測定される全膨張率が5%以下の一般炭を成形し、乾留して得られる成形コークスの強度を推定する際に、予め複数種の一般炭の比容積とそれぞれの一般炭から得られる成形コークスのコークス強度との関係を求めておき、この関係に基づいて、一般炭の比容積からその一般炭を用いて得られる成形コークスのコークス強度を推定する方法であって、前記の比容積は、膨張率測定装置に装入した一般炭の温度が400〜500℃の範囲で平均昇温速度が10℃/min以上となる条件で膨張させた最大膨張体積Vと、装入した一般炭の質量Wとの比(V/W)であることを特徴とする成形コークスの強度推定方法。
  2. 予め前記の複数種の一般炭の酸素含有量と比容積との関係を求めておき、この関係に基づいて、一般炭の酸素含有量からその一般炭の比容積を推定し、更に前記の一般炭の比容積と得られる成形コークスのコークス強度との関係に基づいて、その一般炭を用いて得られる成形コークスのコークス強度を推定することを特徴とする請求項1に記載の成形コークスの強度推定方法。
  3. 強度を推定する成形コークスは、高炉用の小塊コークスに使用されるものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の成形コークスの強度推定方法。
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