JP2009249596A - コークスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】非微粘結炭の配合割合をこれまでと同等またはそれ以上に高めた配合炭を使用しても、近年求められている強度を満足するコークスを製造できる方法を提供する。
【解決手段】コークス炉原料の調製に際して、揮発分が25%以下で最高流動度が1ddpm以上10ddpm以下の低揮発性非微粘結炭を前記配合炭にさらに配合する工程および粘結材を添加する工程を備え、前記低揮発性非微粘結炭の前記粘結材に対する質量比(非微粘結炭/粘結材)が1以上3以下、および/または前記低揮発性非微粘結炭の配合炭に対する質量比率が2〜9%であることが好ましい。
【選択図】図1

Description

本発明は、高炉用コークスの製造方法、特に安価な石炭をより多く配合しつつも強度を低下させることなくコークスを製造する方法に関する。
高炉の通気性を確保し、安定的に操業するために、高炉で用いられるコークスには高強度であることが求められている。近年では高炉容積の大型化が図られており、またCO削減を目指した低還元材比で操業するために、益々高強度なコークスが要求されている。たとえば、コークス強度として、JIS−K2151に記載の手法で測定したドラム強度指数(10kgの塊コークスを所定のドラム内で150回転させた後の15mm篩上重量分率)を指標とすると、近年の目標値としては、85程度が必要であるとされている。
高炉用コークスを製造する際には、十数銘柄の多種多様な石炭を配合した原料石炭(以下、「配合炭」と記す。)をコークス炉内に装入し、乾留する。コークス炉の中で加熱された石炭は350〜500℃の温度域で一旦軟化溶融して、石炭粒子どうしが結合した後、再度固化して強固なコークスを生成する。このとき石炭が軟化溶融する性質のことを「粘結性」という。
配合炭は、通常、粘結性の高い石炭(粘結炭)と粘結性の低い石炭(非微粘結炭)とが十数種類配合された構成となっている。強度の高いコークスを製造するには、高い粘結性が必要とされることから粘結炭を多く配合することが好ましいが、良質な粘結炭は高価であり、また資源的に少なくなってきていることから、粘結炭に比較して埋蔵量が多く安価な非微粘結炭の配合比率(配合炭を構成する各石炭の配合炭に対する質量比率)を高くすることが望まれている。
一般に配合炭における非微粘結炭の配合比率は、かつては高々20質量%程度であったが、最近では40質量%を超える配合炭も使用されるようになってきている。しかしながら、非微粘結炭の配合比率を高めることは、配合炭の粘結性を低下させ、結果的にコークス強度の低下を招く。そこで、コークス強度を低下させずに非微粘結炭の配合率を高くするには、非微粘結炭の粘結性の低さを補うことが必要となる。その方法のひとつに、粘結材(バインダー)を添加して装入炭の粘結性を改善する粘結材添加法がある。
たとえば、非特許文献1には、石炭化度の異なる4種の非微粘結炭を使用して、各非微粘結炭に対して、粘結材としてアスファルトを熱分解して得られるピッチを使用し、石炭(非微粘結炭)2に対して粘結材1の比率で混合して乾留した場合に、石炭とピッチが相溶することでコークス組織が強固となることが示されている。ただし、どのような非微粘結炭および組織に対しても同じ効果を示すのではなく、比較的粘結性に富む活性成分組織との相溶がよく、粘結性に乏しいこと、または風化した組織とは相溶性が悪いことが記述されている。
粘結材を石炭、特に非微粘結炭に添加することでコークス強度を向上させる例としては、たとえば非特許文献2に、アスファルト熱分解ピッチを3種の異なる石炭に10〜50%添加した結果に基づいて、非微粘結炭(揮発分29%、最高流動度2ddpm)に上記ピッチを20%〜30%添加することで、該非微粘結炭単味コークスでは強度がゼロに近かったものを、高炉用コークスに準ずる程度まで強度が向上した例が示されている。なお、「揮発分」とは、JIS M8812の揮発分定量方法に記載された方法にて測定した無水ベースの揮発分の測定値である。
このように、非微粘結炭に粘結材を添加し粘結性を補填する技術は、調湿炭を炭化室に装入する操業のみならず、湿炭、乾燥炭、予熱炭、成型炭を装入する操業およびスタンプチャージ等においても有効である。
実際の操業においては、何らかの手法により粘結材の添加率を規定し、効率的に利用する技術が求められる。粘結材の添加率を規定する方法としては、たとえば特許文献1のように、粘結材を添加した後の装入炭の粘結性指数(全膨張率および最高流動度)が所定の範囲を満たすようにする方法がある。ただし、この手法は、粘結材添加後の粘結性指数のみに着目しているため、粘結材添加の対象となる非微粘結炭の好適な性状については明確な記述はなされていない。このため、粘結材がより効果を発揮する条件下で使用できているとは限らない。
非微粘結炭の性状に注目して粘結材の添加率を制御する手法としては、特許文献2に一般炭(当該文献において最高流動度が5ddpm以下の石炭を意味する。)のボタン指数にもとづいて粘結材の添加率を調整する方法が示されている。具体的には、一般炭のボタン指数が1/2〜1の範囲において、粘結材の0.8〜1.6倍の一般炭と粘結材を同時に配合することで基準配合コークスの強度が維持可能である例が示されている。なお、ボタン指数とは、JIS−M8801のるつぼ膨張試験方法に記載の手法にて求めた石炭のるつぼ膨張指数の通称である。ここで、ボタン指数を利用している理由は、最高流動度ではゼロとしか評価されない石炭銘柄においても、るつぼ膨張試験方法で用いられる急速加熱条件ではある程度は粘結性を示すものがあり、前記した膨張性指数で評価することによってこれらを区別することができるからとされている。しかし、実際の乾留における昇温速度は流動性試験方法における昇温速度に近く、ボタン指数測定時のような急速加熱では、実際の乾留における一般炭の粘結性を過大評価している可能性が大きいと考えられる。
なお、石炭には粘結性の大小に着目して、粘結炭、微粘結炭、非粘結炭、の呼称があり、後の2種を総称して非微粘結炭という場合がある。また、用途の面から原料炭、一般炭という名称もあり、ほぼ粘結炭、非微粘結炭に相当する。その他の呼び方もあるが、いずれにしても、これらの呼称は取引上の要因も絡むので、分類方法に関して明確な定義は存在していない。従って、これらの用語については、先の特許文献2の一般炭の定義のように個別に定義する必要がある。本発明において、「非微粘結炭」はJIS−M8801の流動性試験(ギーセラープラストメータ法)にて求められるギーセラー流動度(温度に対して流動度を測定した場合の最大値として得られる最高流動度であって、以下「最高流動度」ともいう。)が10ddpm以下の石炭を意味し、「粘結炭」は定義された「非微粘結炭」以外のコークス用原料炭を意味する。
「燃料協会誌」第58巻 第630号(1979) p860 「ピッチ類の石炭改質機構」 「燃料協会誌」第59巻 第642号(1980) p841 「特殊粘結材(ASP)を用いてのコークス製造」 特開2001−262155号公報 特開昭54−56603号公報
近年は高炉容積の拡大等により、さらに高強度なコークスが要求されるようになってきている。一方で、製造コスト削減の観点から、高価な粘結炭の配合比率を低下させ、非微粘結炭の配合比率を高めることが求められている。しかしながら、それに応じた配合条件下では、非微粘結炭添加による粘結性の低下を粘結材により補填しても、必ずしも所望の強度を有するコークスが得られない場合があった。このため、実務上、所望のコークス強度を安定的に確保するためには、目標とするコークス強度よりも高い強度を狙った配合とせざるを得ず、結局、高価な粘結炭の配合比率を低下させることができなかった。
ここに、本発明の目的は、非微粘結炭の配合比率をこれまでと同等またはそれ以上に高めた配合炭を使用しても、近年求められている強度を満足するコークスを製造できる方法を提供することである。
本発明のより具体的な目的は、粘結材を、その特性を十分に活かすことができる性状を有する非微粘結炭と組み合わせて使用することで、高価で資源量の少ない粘結炭の使用を減らしつつも強度を低下させることなくコークスを製造可能な方法を提供することである。
本発明者らは、粘結材を使用するに際して種々の検討を実施した結果、揮発分が低く(石炭化度が高く)、粘結性に乏しい石炭を配合炭の一部として使用する際に粘結材を併せて使用することが有効であることを見出した。
粘結性に乏しい石炭、即ち最高流動度が10ddpm以下の非微粘結炭と呼ばれる石炭には、低揮発性のもの(低揮発性非微粘結炭)と高揮発性のもの(高揮発性非微粘結炭)とがある。高揮発性非微粘結炭は乾留時の収縮が大きいことによりコークス塊中に多くの亀裂を生じせしめ、強度低下の作用を引き起こすため、粘結材と組合せても高いコークス強度を維持することができない。一方、低揮発性非微粘結炭は、粘結材との組合せでコークス強度を維持する効果が発揮される。即ち、粘結材と組み合わせて粘結炭の配合比率を低下させることのできる非微粘結炭の揮発分には適切な範囲が存在し、発明者らの検討では、その範囲は約25%以下であった。
本発明は、粘結炭と非微粘結炭とからなる配合炭を含むコークス炉原料を乾留して高炉用コークスを製造する方法において、前記コークス炉原料の調製に際して、揮発分が25%以下で最高流動度が1ddpm以上10ddpm以下の低揮発性非微粘結炭を前記配合炭にさらに配合する工程および粘結材を添加する工程を備えることを特徴とするコークスの製造方法である。
好ましくは、前記低揮発性非微粘結炭の前記粘結材に対する質量比(非微粘結炭/粘結材)が1以上3以下、および/または前記低揮発性非微粘結炭の配合炭に対する質量比率が2〜9%である。
本発明は、別の観点からは、粘結炭と非微粘結炭とからなる配合炭に、揮発分が25%以下で最高流動度が1ddpm以上10ddpm以下の低揮発性非微粘結炭を配合する工程と、粘結材を添加する工程とを備えるコークス炉原料の製造方法であって、得られたコークス炉原料に対する前記低揮発性非微粘結炭の質量比率が2〜9%であることを特徴とするコークス炉原料の製造方法である。
本発明において、「配合炭」とは、コークスを製造する際の原料に含まれる、通常は十数銘柄が配合される石炭であって、粘結炭および非微粘結炭から構成される。
「装入炭」とは、コークスを製造する際の原料としてコークス炉に装入されるもの(コークス炉原料)であって、「配合炭」以外の成分を含む場合がある。具体的には、粘結材、廃プラスチックス、粉コークス、オイルコークス、ダスト、廃タイヤ、廃木材などの物質がある。
「粘結材」とは「配合炭」以外の成分の一つであって、コークスを製造する際に配合炭の粘結性不足を補うために添加する瀝青質物質である。具体的には、タールピッチ、石油系ピッチ、溶剤精製炭などがある。
本発明により、適正量の低揮発性非微粘結炭を粘結材と組み合わせて配合することにより、安価な非微粘結炭を多量配合しても強度を低下させずにコークスを製造することが可能となり、その経済的な効果は大きい。
本発明は、コークス製造に際しての非微粘結炭の有効利用を図る方法であり、その具体的実施態様について説明する。本明細書で配合比率、添加率および揮発分を示す「%」は、特に断りがない限り、「質量%」である。
本発明の特徴は、揮発分(JIS M8812に規定される無水ベース揮発分)が低く(石炭化度が高く)かつ粘結性に乏しい低揮発性非微粘結炭を配合炭の一部として使用するとともに、その際に粘結材を併せて使用することである。
本発明において「配合炭」は、上記のように粘結炭および非微粘結炭から構成されるものであって、それらの配合比率(配合炭に対する質量比率)は特に制限されないが、一般には、粘結炭:65%、非微粘結炭:35%が例示される。
粘結性に乏しい石炭、即ち最高流動度が10ddpm以下の非微粘結炭には、低揮発性のもの(低揮発性非微粘結炭)と高揮発性のもの(高揮発性非微粘結炭)がある。
高揮発性非微粘結炭は乾留時の収縮が大きいことによりコークス塊中に多くの亀裂を生じせしめ、強度低下の作用を引き起こす。このため、配合炭における非微粘結炭が高揮発性非微粘結炭だけでは粘結材と組合せても高いコークス強度を維持することができない。
これに対し、低揮発性非微粘結炭は、粘結材との組み合わせによりコークス強度を維持することができる。即ち、粘結材と組み合わせて粘結炭の配合比率を低下させることのできる非微粘結炭の揮発分には適切な範囲が存在し、その範囲が約25%以下であるとの新たな知見に本発明は基づいている。
このように、本発明では、揮発分が25%以下の低揮発性非微粘結炭が使用されるが、そのときの揮発分の下限は特に制限されない。ただし、使用形態によっては、揮発分が低すぎることによる問題点が生じることがある。すなわち、非微粘結炭の揮発分が過度に低くなると、乾留時の収縮が極端に小さいため周囲石炭との収縮差に起因する亀裂が発生し、コークスの強度低下が引き起こされる場合がある。このような強度低下は揮発分が15%より小さい場合に顕著になる傾向がある。したがって、本発明の好適態様における揮発分の範囲は15%以上、25%以下である。
また、最高流動度の適正範囲は1ddpm以上10ddpm以下であり、その理由は次のとおりである。すなわち、最高流動度10ddpm超で揮発分25%以下の石炭は、その殆どが粘結炭であり、そのような石炭は配合することによりコークス強度を向上させる効果があるため、そもそも粘結材と組み合わせる必要が無い。また、粘結性を実質的に有しない、すなわち最高流動度が実質上ゼロの石炭、つまり1ddpm未満の石炭については、周囲の粘結炭由来あるいは粘結材由来のコークス組織との接着が悪いため、粘結材により粘結性を補填しても強度の低下は免れない。
この低揮発性非微粘結炭の添加率(装入炭に対する質量比率)は、配合炭を構成する他の石炭の性状および配合比率、コークスに求められる強度、粘結材の添加率等により変化するため、確定的に範囲を規定することはできない。ただし、少量の添加では粘結性改善効果が小さく、逆に大量に添加すると上記の揮発分が過度に低い場合と同様にコークスの強度低下を引き起こすおそれがあるため、添加率として2〜9%とすることが好ましい。3〜7%とすれば特に好ましい。この添加率に相当する高価な粘結炭を安価な非微粘結炭に置き換えることの経済的な効果(コスト改善効果)は顕著である。
なお、本発明に係る配合炭に含まれる揮発分が25%を超える高揮発性非微粘結炭の配合比率については特に制限されない。配合炭を構成する他の石炭の性状および配合比率、コークスに求められる強度等を考慮して、配合炭の一部として粘結炭とともに、適宜量が配合されればよい。
本発明に係る粘結材としては、瀝青質物質、たとえば、タールピッチ、石油系ピッチ、溶剤精製炭などが例示されるが、好ましくは、石油系ピッチである。本発明において、最も広義には、粘結材の添加率は制限されないが、好ましくは、本発明において使用する低揮発性非微粘結炭の粘結材に対する質量比率(非微粘結炭/粘結材)が1〜4の範囲になるように粘結材の添加率を設定することが好ましく、1〜3の範囲とすればさらに好ましい。また、粘結材の添加率としては、1〜5%の範囲であれば好ましく、2〜3%であればさらに好ましい。
本発明に係る装入炭は、上記の配合炭および粘結材のほかに、必要により、さらに、廃プラスチックス、粉コークス、オイルコークス、ダスト、廃タイヤ、廃木材などの物質が少なくとも一種添加されてもよい。その添加率は好ましくは、1%以下である。
このようにして準備された装入炭(配合炭および粘結材ならびに必要に応じて廃プラスチックなどの物質)は、例えば室炉式コークス炉に装入され、加熱、乾留の段階を経ることにより、コークスとして製造される。このときの加熱条件、乾留条件などは特に制限されず、慣用の処理条件で処理すればよい。一般的な乾留条件としては、装入炭水分6〜9%、炉温1050〜1150℃、乾留時間21〜23時間が挙げられる。
乾留が終了した段階で、生成コークスは炉から排出され、冷却後、回収される。
以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例により限定されるものではない。
(実施例1)
(1)基準コークスの作製および評価
本実施例では、次の比率で配合され、表1に示す性状とされた配合炭を基準炭として用いた。
粘結炭:65%、揮発分25%超の非微粘結炭:35%
Figure 2009249596
この基準炭の水分を6%に調整し、調整後の嵩密度が760kg/mであることを確認してから、50kgを乾留容器に装填した。続いて、電気加熱式の試験コークス炉にて炭中温度950℃に乾留した。生成したコークスを窒素雰囲気で乾式冷却した後、JIS−K2151に従ってドラム強度指数を測定した。
こうして基準炭を乾留して得られた基準コークスのドラム強度指数を表1に示す。ドラム強度指数は85.4であって、強度の高いコークスであることが確認された。
(2)試験コークスの作製
表3に示す特性(揮発分および最高流動度)を有する非微粘結炭A、C〜E、粘結炭B、および場合により表2に示す性状の粘結材(アスファルト熱分解ピッチ;石油系ピッチの一種)を上記の基準炭に対して添加して装入炭とした。なお、これらの添加率は表3に示されるとおりであり、「%」は、添加後の装入炭に対する質量%を意味する。こうして得られた装入炭を、基準炭の場合と同様の方法で乾留等を行い、試験コークスを得た。
Figure 2009249596
(3)試験コークスの評価方法
上記のように、基準コークスは高強度であるから、このコークスのドラム強度指数と試験コークスのドラム強度指数とを比較することにより、試験に供された装入炭がコークスの原料として適しているか否かを評価した。
試験コークスのドラム強度指数(DI1)の基準炭コークスのドラム強度指数(DI2)に対する差をΔDIとした。すなわち、ΔDI = DI1−DI2 である。
(4)評価結果
いずれも揮発分が25%超のA炭およびB炭と粘結材とを基準炭に混合したケース1およびケース2では、試験コークスの強度は基準コークスの強度よりも低かった。
また、これらのA炭およびB炭のみを基準炭に対して添加したケース1’およびケース2’のコークス強度は、さらに粘結材を添加したケース1およびケース2よりも低かった。この結果は、揮発分が25%超の非微粘結炭を添加した場合には基準コークスよりも強度が低く、粘結材を添加することにより強度は向上するものの基準コークスのレベルまで回復するほどの効果は得られないことを示している。本発明において粘結炭に分類される単味炭B(但し、粘結炭としては最高流動度が低い部類)であっても、揮発分が高いので粘結材と合わせて添加すると効果は低いことを示す。
一方、いずれも揮発分が25%以下であって最高流動度が1〜10ddpmの範囲にあるC、DおよびE炭と粘結材とを基準炭に混合したケース3、4および5では、試験コークスの強度は基準コークスの強度とほぼ同等であった。
しかしながら、ケース3’、4’および5’のように、同じC、DおよびE炭を用いても、粘結材を添加しない場合には基準コークスの強度を下回る結果となった。
さらに、最高流動度がゼロであるFおよびG炭と粘結材とを混合したケース6および7では、得られた試験コークスの強度は基準コークスの強度よりも低かった。これは、FおよびG炭は粘結性が全くないために、周囲の粘結炭由来あるいは粘結材由来のコークス組織との接着が悪く、結果的に粘結材の添加によって粘結性のみを補填しても高強度な基準まで達しなかったためと考えられる。
表3の結果について、基準炭に添加した非微粘結炭の揮発分を横軸に、得られた試験コークスのドラム強度指数の基準コークスのドラム強度に対する差(ΔDI)を縦軸にとってプロットした結果を図1に示す。
先述のように、粘結材を添加せず非微粘結炭のみを添加した場合、または粘結材を添加しても最高流動度(MF)がゼロである非微粘結炭と組み合わせた場合には、得られた試験コークスのドラム強度は基準コークスのドラム強度を下回った。すなわち、ΔDIは負となった。
それ以外の場合、すなわち最高流動度が1ddpm以上で粘結性を有する非微粘結炭と粘結材を組み合わせて添加した場合には、添加した非微粘結炭の揮発分が約15〜25%の石炭との組み合わせでΔDIが安定的に正となる結果が得られた。但し、ケース7のように、揮発分は15〜25%の範囲内であっても粘結性を全く有さない(最高流動度が0ddpmの)単味炭を添加した場合はΔDIは負となった。
Figure 2009249596
(実施例2)
実施例1の基準炭に対し、粘結材を3%、表3に示されるC炭を粘結材に対して0.5、1、3、4倍量、即ち1.5%、3%、9%および12%添加し、実施例1と同条件で乾留を行い、得られた試験コークスについてドラム指数を測定した。
その結果、図2に結果を示すように、C炭添加率の粘結材添加率に対する比(C炭/粘結材)が3以下で基準コークス以上の強度が得られた。また、C炭/粘結材が1以下では強度が飽和する結果も得られた。この結果は、C炭/粘結材<1を満たすように粘結材を過剰に添加しても、むしろ経済的観点から不利であることを示している。
このことより、低揮発性の非微粘結炭と粘結材との比率(C炭/粘結材)の特に適正な範囲はおよそ1以上3以下であることが明らかになった。つまり、非微粘結炭と粘結材の比率(C炭/粘結材)が上記の範囲以内であればコークス強度低下の問題は生じにくくなる。もっとも非微粘結炭の添加率が少なすぎる場合は、本発明の目的である粘結炭の配合比率を低減するという効果を十分に享受できない。
なお、言うまでもないが、本発明において、C炭のような低揮発性の非微粘結炭を配合炭の一部として使用する限り、例えばA炭のような高揮発性の非微粘結炭についても配合炭の一部として使用することは可能である。高揮発性の非微粘結炭は、あくまで、粘結材との併用により粘結炭の使用量を削減する能力が低揮発性の非微粘結炭よりも小さいのである。
非微粘結炭の揮発分量とΔDIの関係を示すグラフである。 低揮発分微粘炭/粘結材 の比率とコークスドラム指数の関係を示すグラフである。

Claims (3)

  1. 粘結炭と非微粘結炭とからなる配合炭および粘結材を含むコークス炉原料を乾留して高炉用コークスを製造する方法において、
    前記非微粘結炭が、揮発分が25%以下で、最高流動度が1ddpm以上10ddpm以下の低揮発性非微粘結炭を含むことを特徴とするコークスの製造方法。
  2. 前記低揮発性非微粘結炭の前記粘結材に対する質量比(非微粘結炭/粘結材)が1以上3以下である、請求項1に記載のコークス製造方法。
  3. 前記低揮発性非微粘結炭の前記コークス炉原料に対する質量比率が2〜9%である、請求項1または2に記載のコークス製造方法。
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