JP5309966B2 - 高反応性コークスの製造方法 - Google Patents
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Description
また、コークスの製造過程において、揮発分の脱離とともにコークスは収縮し、亀裂が多数発生する。通常の室炉法による製造では、このような亀裂の発生は問題にならないが、竪型炉を用いる成形コークス法においては、亀裂が発生して成形コークスが割れる場合も炉内での棚吊りの原因となる。
特許文献3〜5では、石炭の粘結性についてなどの点からコークス強度について検討されているが、竪型のシャフト炉を用いて連続的に成形炭を乾留して高反応性コークスを製造するプロセスにおいて必須である、亀裂の発生を抑制し、かつ、膨れによる成形炭の相互融着を抑制するための方法については、十分に検討されていない。
(1)コークスのガス化反応を促進する触媒物質を石炭に混合して成形した成形炭を、竪型炉を用いて連続的に乾留する高反応性コークスの製造方法において、
(A)原料となる石炭の配合ごとに、予め触媒物質の配合率に対する比容積及びコークス収縮率の関係をそれぞれ求めておき、
(B)石炭の比容積とコークス強度の関係から目標とするコークス強度を満たす石炭の比容積の範囲を決定し、
(C)前記(A)で求めた触媒物質の配合率と比容積及びコークス収縮率との関係を用いて、前記(B)で求めた比容積の範囲を満たす触媒物質の配合率を求めるとともに、この触媒の配合率に対応するコークス収縮率を求め、
(D)前記(C)で求められた収縮率が所定範囲に収まるような石炭の配合を原料配合として選択し、この選択された石炭の配合に触媒物質を前記決定された配合率で混合して成形炭とすることを特徴とする高反応性コークスの製造方法。
(2)さらに、触媒物質の配合率に対するコークス反応率の関係を求めておき、前記(C)において、目標とするコークス反応率を満たす触媒物質の配合率を選択することを特徴とする(1)に記載の高反応性コークスの製造方法。
このため、竪型炉による成形炭の乾留時の棚吊りの発生を防止でき、安定的な操業ができるようになるとともに、従来、亀裂発生のために使用できない配合炭であっても、触媒物質の配合によって収縮率が低下し、高反応性コークスの原料として使用できるようになる。
その結果、石炭の比容積とその石炭を用いたコークスの収縮率が触媒物質の配合率に依存すること、触媒物質の配合率に応じて前記比容積と収縮率の値を所定範囲に収まるようにすれば、成形炭の相互融着や亀裂の発生を防止して、必要なコークス強度が確保できることを見出した。
配合炭の膨張率が適当な範囲にある場合には、石炭の軟化時に石炭粒同士が充分に接着し、コークス強度が向上する。膨張率が小さ場合には石炭粒同士の接着が充分でなく、逆に大きい場合には、成形炭の膨れによりコークス強度が低下する。また、コークスの収縮率が大きいと乾留時に割れが発生しやすくなる。
触媒物質としては、アルカリ土類金属化合物として生石灰(CaO)を用いた。
図1、図2に、得られた触媒物質の配合率と比容積あるいはコークス収縮率との関係をそれぞれ示す。
これらの図より、比容積とコークス収縮率は、触媒物質の配合率が高くなるといずれの配合でも低下するが、それらの値の範囲や低下率は、石炭の配合によって異なることがわかった。
このため、触媒物質の配合率を決める際には、高炉原料として使用するために必要なコークス強度が確保できる比容積の範囲で、コークス収縮率が割れの発生しない値以下であることが必要となる。
コークス強度と関連する配合炭の全膨張率は、石炭自体の膨脹率と成形炭の密度によるものとして、それらの積の大きさで評価できる。そこで、種々の比容積の石炭を準備し、それをブリケットに成形して、乾留後のコークスの強度を調べた。
図3に、(石炭の比容積×成形炭の密度)の値に対するコークスの強度の関係を示す。
成形炭のブリケット密度は、使用するブリケット成形機に応じた一定の値に決まるものであるので、図3の結果、必要なコークス強度を満たすためには、比容積に必要な範囲があることがわかった。
コークス収縮率が大きいと乾留時に割れが発生しやすくなるため、コークス収縮率が割れの発生しないような値になる触媒物質の配合率を求めることにより、同時に必要なコークス強度が確保できることになる。
以下、そのような原料の配合条件の求め方を、図5を用いて説明する。
以下、(a1)〜(a3)の関係について説明する。
種々の配合の石炭について、触媒物質の配合率を変えて成形コークスにしたときの比容積を調査し、図5aのような、触媒物質の配合率に対する比容積の関係を示すグラフを作成する。図では、配合イと配合ロの石炭について調査した例を示している。
さらに、同様に、成形コークスの収縮率を調査し、図5bのような、触媒物質の配合率に対するコークス収縮率の関係を示すグラフを作成する。図では、配合イと配合ロの石炭から作成したコークスについて調査した例を示している。
高反応性コークスの製造に用いられる種々の配合の石炭を用い、それに混合する触媒物質の配合率を変えた条件で、ブリケットを作成し、これを乾留して成形コークスを製造する。
得られた成形コークスの反応性を調査し、図5dのような、触媒物質の配合率に対するコークス反応率の関係を示すグラフを作成する。
種々の比容積の石炭を準備し、それをブリケットに成形して、乾留後のコークスの強度を調べ、図5cの模式図に示すような、(石炭の比容積×成形炭の密度)の値に対するコークスの強度のグラフを求める。
ブリケット密度を一定とした場合、比容積の小さい場合は、石炭どうしの融着が十分でなく、強度が低い(領域I)。逆に、比容積が大きくなると、膨れが大きくなり強度が低下するとともに、最終的には相互融着による操業不良が発生する(領域III)。
ブリケット密度は、使用するブリケット成形機に依存するものであり、そのブリケット密度を用いて、比容積の範囲H1〜H2を求める。
まず、配合イと配合ロの石炭において、(B)で求められた比容積の範囲を満たす触媒物質の配合率を(a1)の関係(図5aのグラフ)から求める。図では、触媒物質の配合率Zとした場合を示す。
図5bでは、配合ロが目標とする収縮率S以下であり、この結果、配合ロの石炭に対する触媒物質の配合率として配合率Zが決定される。
その場合は、配合率Zを、目標とする収縮率Sを超えないように、比容積の目標範囲H1〜H2内で、Zより高めの値に設定する。
このため、触媒物質の配合率を決定する際、目標とする反応率をあらかじめ決めておき、以上で述べた方法によって求められた配合率が、目標とする反応率を満たすかどうかを(a2)の関係(図5dのグラフ)に基づいて判定することにより、必要なコークス強度を満たす範囲で反応性のより高いコークスを得ることができる。
石炭軟化時の比容積(cm3/g)=最大膨張時の石炭体積(cm3)/ディラトメーターへの石炭装入量(g)=0.96π(1+b/100)/ディラトメーターへの石炭装入量(g)
により計算することができる。また全膨張率は、JIS M 8801の膨張率を用いることができる。
(1−反応後の質量/反応前の質量)×100
の値として求める。
この結果、図1より、この比容積の範囲を満たす触媒物質(生石灰)の配合比率の範囲は、配合Aでは4%以上12%以下、配合Bでは6%以上18%以下、配合Cでは8%以下であった。
また、図2において、割れが生じない収縮率の範囲の上限を12%以下としたとき、収縮率の範囲が12%以下となる触媒物質(生石灰)の配合比率の範囲は、配合Aでは11%以上、配合Bでは7%以上、配合Cでは25%以上であった。
上記の配合A、配合Bにおける触媒の配合率はいずれも5%以上となるので、反応率60以上のコークスが得られることがわかった。
また、目標とするコ−クス反応率を75以上とすると、図4より、それに対応する生石灰配合比率は15%以上となる。上記の配合Aにおける触媒の配合率(11−12%)では反応率75以上のコークスは製造できないが、配合Bにおいて触媒の配合率を15%以上18%以下とすれば反応率75以上のコークスが得られることがわかった。
これらの数式を用いれば、比容積×成形炭密度の範囲や触媒配合比率の値を計算で求めることができる。
その際、棚吊りの発生がなく操業率製造できた。また製造されたコークスの性能を評価したところ、強度I600 1が86で、反応率CRIが70のコークスであった。
さらに、配合Bの石炭に生石灰を配合比率15%で混合した原料を成形して、密度1.2のブリケットとし、これを竪型炉で乾留して、コークスを製造した。
その際、棚吊りの発生がなく操業率製造できた。また製造されたコークスの性能を評価したところ、強度I600 1が86で、反応率CRIが75のコークスであった。
比較のため、配合Cの石炭を用いて同様にコークスを製造したところ、棚吊りが発生し、操業が不能になった。
Claims (2)
- コークスのガス化反応を促進する触媒物質を石炭に混合して成形した成形炭を、竪型炉を用いて連続的に乾留する高反応性コークスの製造方法において、
(A)原料となる石炭の配合ごとに、予め触媒物質の配合率に対する比容積及びコークス収縮率の関係をそれぞれ求めておき、
(B)石炭の比容積とコークス強度の関係から目標とするコークス強度を満たす石炭の比容積の範囲を決定し、
(C)前記(A)で求めた触媒物質の配合率と比容積及びコークス収縮率との関係を用いて、前記(B)で求めた比容積の範囲を満たす触媒物質の配合率を求めるとともに、この触媒の配合率に対応するコークス収縮率を求め、
(D)前記(C)で求められた収縮率が所定範囲に収まるような石炭の配合を原料配合として選択し、この選択された石炭の配合に触媒物質を前記決定された配合率で混合して成形炭とする
ことを特徴とする高反応性コークスの製造方法。 - さらに、触媒物質の配合率に対するコークス反応率の関係を求めておき、前記(C)において、目標とするコークス反応率を満たす触媒物質の配合率を選択することを特徴とする請求項1に記載の高反応性コークスの製造方法。
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