JP5309966B2 - 高反応性コークスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コークスのガス化反応性を高める触媒物質を石炭に混合し、これを成形した成形炭を用いた高反応性コークスの製造方法に関するものである。
コークスのガス化反応性を高める触媒物質、すなわち、炭素とニ酸化炭素とから一酸化炭素を生成する反応を活性化させる物質を、石炭と混合して乾留した高反応性コークスは、反応性が高いため、高炉の還元材比を低減させ、高炉操業の生産性を向上させる目的で用いられている。
従来、このような触媒物質を用いた高反応性コークスの製造法としては、特許文献1に示される、アルカリや鉄などの遷移金属またはそれらの化合物を触媒として用いる方法が、また、特許文献2に示される、石灰石、消石灰、ドロマイトなどのアルカリ土類金属化合物を触媒として用いる方法などがあったが、これらの方法は、触媒物質を石炭に配合して室式コークス炉で乾留する方法(室炉法)であり、この方法では、十分なコークス強度を得ることが困難であるという問題があった。
これに対し、比較的安価な非微粘結炭を多量に使用しても高炉の使用に耐える強度をもつコークスを製造できる方法として、石炭をブリケットに成形し、これを竪型のシャフト炉で加熱して乾留する、いわゆる成形コークス法が知られている。
このような成形コークス法を用いて高反応性コークスを製造する例として、特許文献3には、触媒物質として、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属、および、遷移金属化合物のうちの1種または2種以上からなる混合物を用い、石炭と不活性物質との混合物を乾留した後のコークスボタンの強さから求めた粘結力指数によって、石炭の粘着性の強さを分類し、粘結力指数の値に応じて、上記触媒物質の添加量と触媒含有石炭の配合量を選択することにより強度が高く、高反応性の成形コークスを製造することが記載されている。
また、触媒物質として鉄鉱石を使用した例として、特許文献4には、石炭と鉄鉱石を混合し、これを成形して成形物を製造する際に、石炭として、揮発分18mass%以下の半無煙炭あるいは無煙炭と、揮発分18mass%超の軟化溶融を示す石炭とを混合した配合炭を用いることにより、成形物が軟化融着することがなく、従来と同等の強度を有する成形フェロコークスを製造することが、特許文献5には、石炭として、粘結炭と非粘結炭との混合物を用い、鉄鉱石に含まれる酸化鉄中のFeとOとの比率に基づき、強度が最適になるような非粘結炭の混合割合を定めるフェロコークスの製造方法がそれぞれ記載されている。
この成形コ−クス法では、成形炭をシャフト炉の上部より装入し、炉内を降下する途中の成形炭を加熱・乾留した後、炉の下部から製造されたコークスを排出している。このような竪型炉を用いる場合の障害として、炉内での成形炭の棚吊りの問題がある。この棚吊りが発生すると竪型炉の操業が困難になるという問題が生じる。
例えば、乾留前に成形炭が軟化し、成形炭どうしが相互に融着してしまう場合、成形炭が炉内で棚吊りする原因となる。
また、コークスの製造過程において、揮発分の脱離とともにコークスは収縮し、亀裂が多数発生する。通常の室炉法による製造では、このような亀裂の発生は問題にならないが、竪型炉を用いる成形コークス法においては、亀裂が発生して成形コークスが割れる場合も炉内での棚吊りの原因となる。
このように、竪型炉を用いる高反応性コークスの製造では、成形炭の軟化融着や割れの発生を防ぐことは大きな課題である。
特許文献3〜5では、石炭の粘結性についてなどの点からコークス強度について検討されているが、竪型のシャフト炉を用いて連続的に成形炭を乾留して高反応性コークスを製造するプロセスにおいて必須である、亀裂の発生を抑制し、かつ、膨れによる成形炭の相互融着を抑制するための方法については、十分に検討されていない。
このため、乾留時の成形炭について、き裂の発生及び膨れや軟化融着現象の発生を抑制して、棚吊りの発生の恐れなく安定して高反応性コークスを得る原料配合条件を確立することが必要である。
特開昭63−137989号公報 特開2001−348576号公報 特開2004−300170号公報 特開2008−56791号公報 特開2007−126505号公報
そこで、本発明は、石炭と触媒物質とを混合してブリケットに成形した成形炭を、竪型のシャフト炉を用いて連続的に乾留して高反応性コークスを製造するにあたり、原料配合の調整により、高いコークス強度を有し、棚吊りの原因となる成形炭どうしの相互溶着やコークスにおける割れの発生を抑制することを可能とする高反応性コークスの製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は、成形炭どうしの相互溶着やコークスの割れの発生を抑制するための条件として、乾留時の成形炭の膨れと収縮に着目した。そして、成形炭の膨れと収縮に関連する指標として比容積と収縮率を用い、これらの値が触媒物質の配合率によってどのように変化するかを求め、その変化に基づいて成形炭の膨れと収縮が所定範囲に収まるようにする、石炭配合と触媒物質の配合率の条件を求める方法を見出した。
そのようにしてなされた本発明の要旨は、以下のとおりである。
(1)コークスのガス化反応を促進する触媒物質を石炭に混合して成形した成形炭を、竪型炉を用いて連続的に乾留する高反応性コークスの製造方法において、
(A)原料となる石炭の配合ごとに、予め触媒物質の配合率に対する比容積及びコークス収縮率の関係をそれぞれ求めておき、
(B)石炭の比容積とコークス強度の関係から目標とするコークス強度を満たす石炭の比容積の範囲を決定し、
(C)前記(A)で求めた触媒物質の配合率と比容積及びコークス収縮率との関係を用いて、前記(B)で求めた比容積の範囲を満たす触媒物質の配合率を求めるとともに、この触媒の配合率に対応するコークス収縮率を求め、
(D)前記(C)で求められた収縮率が所定範囲に収まるような石炭の配合を原料配合として選択し、この選択された石炭の配合に触媒物質を前記決定された配合率で混合して成形炭とすることを特徴とする高反応性コークスの製造方法。
(2)さらに、触媒物質の配合率に対するコークス反応率の関係を求めておき、前記(C)において、目標とするコークス反応率を満たす触媒物質の配合率を選択することを特徴とする(1)に記載の高反応性コークスの製造方法。
本発明によれば、触媒物質の配合率の調整によって、成形炭の相互融着が起こらない石炭配合の下で、成形炭の収縮率を低下させることが可能となり、コークス製造時において亀裂の発生を抑制して割れの発生を防止することが可能となる。
このため、竪型炉による成形炭の乾留時の棚吊りの発生を防止でき、安定的な操業ができるようになるとともに、従来、亀裂発生のために使用できない配合炭であっても、触媒物質の配合によって収縮率が低下し、高反応性コークスの原料として使用できるようになる。
本発明者は、コークスのガス化反応性を高める触媒物質を石炭に混合してブリケットに成形した成形炭を、竪型のシャフト炉を用いて連続的に乾留して高反応性コークスを製造する場合において、コークスとしての必要な強度を有し、かつ、棚吊りの原因となる成形炭の相互融着や亀裂の発生を防止できる原料配合について検討した。
その結果、石炭の比容積とその石炭を用いたコークスの収縮率が触媒物質の配合率に依存すること、触媒物質の配合率に応じて前記比容積と収縮率の値を所定範囲に収まるようにすれば、成形炭の相互融着や亀裂の発生を防止して、必要なコークス強度が確保できることを見出した。
まず、本発明の基礎となった基本的な知見について説明する。
配合炭の膨張率が適当な範囲にある場合には、石炭の軟化時に石炭粒同士が充分に接着し、コークス強度が向上する。膨張率が小さ場合には石炭粒同士の接着が充分でなく、逆に大きい場合には、成形炭の膨れによりコークス強度が低下する。また、コークスの収縮率が大きいと乾留時に割れが発生しやすくなる。
そこで、本発明者は、竪型炉における棚吊りの原因となる成形炭どうしの相互溶着やコークスの割れの発生を抑制するための条件として、乾留時の成形炭の膨れと収縮に着目した。そして、石炭の膨れと収縮に関連する指標として比容積とコークス収縮率を用い、これらの値が、触媒物質の配合率によってどのように変化するかを調べた。
触媒物質としては、アルカリ土類金属化合物として生石灰(CaO)を用いた。
高反応性コークスの製造に用いられる配合の石炭A〜Cを用い、それに混合する生石灰の配合率を変えた条件で、ブリケットを作成し、石炭の比容積とコークス収縮率を求めた。
図1、図2に、得られた触媒物質の配合率と比容積あるいはコークス収縮率との関係をそれぞれ示す。
これらの図より、比容積とコークス収縮率は、触媒物質の配合率が高くなるといずれの配合でも低下するが、それらの値の範囲や低下率は、石炭の配合によって異なることがわかった。
コークス収縮率は、コークスにおける割れの発生の点から小さい値の方が好ましいが、石炭の比容積は、コークス強度と相関があることが知られており、比容積が低下すると、乾留時の石炭のコークス強度が低下する。
このため、触媒物質の配合率を決める際には、高炉原料として使用するために必要なコークス強度が確保できる比容積の範囲で、コークス収縮率が割れの発生しない値以下であることが必要となる。
次に、必要なコークス強度を確保できる比容積の範囲について調べた。
コークス強度と関連する配合炭の全膨張率は、石炭自体の膨脹率と成形炭の密度によるものとして、それらの積の大きさで評価できる。そこで、種々の比容積の石炭を準備し、それをブリケットに成形して、乾留後のコークスの強度を調べた。
図3に、(石炭の比容積×成形炭の密度)の値に対するコークスの強度の関係を示す。
成形炭のブリケット密度は、使用するブリケット成形機に応じた一定の値に決まるものであるので、図3の結果、必要なコークス強度を満たすためには、比容積に必要な範囲があることがわかった。
以上の結果、図3より高炉原料として必要なコークス強度が確保できる石炭の比容積の範囲が決められれば、図1よりその範囲を満たす触媒物質の配合率が求められるとともに、図2よりその触媒物質の配合率を用いた場合のコークス収縮率が求められることになる。
コークス収縮率が大きいと乾留時に割れが発生しやすくなるため、コークス収縮率が割れの発生しないような値になる触媒物質の配合率を求めることにより、同時に必要なコークス強度が確保できることになる。
そして、触媒物質を石炭に配合することによる乾留後のコークスの反応性の向上効果を触媒物質配合率との関連で調べておけば、反応性の点から選択した配合率を用いて成形コークスとする場合、必要なコークス強度を満たすことができるかどうか、あるいは、割れを起こさない収縮率の範囲にあるかどうかが事前に分かることになる。
本発明は、高反応性コークスを製造するにあたり、上記のような知見に基づいて、乾留時の棚吊りの発生を防止でき、安定的な操業ができる原料の配合条件を求めるための手順を見出したものである。
以下、そのような原料の配合条件の求め方を、図5を用いて説明する。
(A)予め、原料となる石炭の配合ごとに、触媒物質の配合率に対する比容積の関係(a1)、及び、触媒物質の配合率に対するコークス収縮率の関係(a2)、更には、必要に応じて、原料全体における触媒物質の配合率に対するコークス反応率の関係(a3)、をそれぞれ求めておく。
以下、(a1)〜(a3)の関係について説明する。
(a1)の関係
種々の配合の石炭について、触媒物質の配合率を変えて成形コークスにしたときの比容積を調査し、図5aのような、触媒物質の配合率に対する比容積の関係を示すグラフを作成する。図では、配合イと配合ロの石炭について調査した例を示している。
(a2)の関係
さらに、同様に、成形コークスの収縮率を調査し、図5bのような、触媒物質の配合率に対するコークス収縮率の関係を示すグラフを作成する。図では、配合イと配合ロの石炭から作成したコークスについて調査した例を示している。
(a3)の関係
高反応性コークスの製造に用いられる種々の配合の石炭を用い、それに混合する触媒物質の配合率を変えた条件で、ブリケットを作成し、これを乾留して成形コークスを製造する。
得られた成形コークスの反応性を調査し、図5dのような、触媒物質の配合率に対するコークス反応率の関係を示すグラフを作成する。
(B)つぎに、石炭の比容積と成形炭の密度の積の値に対するコークス強度の関係(b1)を求めておき、この関係から必要なコークス強度を満たす比容積の範囲を求める。
種々の比容積の石炭を準備し、それをブリケットに成形して、乾留後のコークスの強度を調べ、図5cの模式図に示すような、(石炭の比容積×成形炭の密度)の値に対するコークスの強度のグラフを求める。
ブリケット密度を一定とした場合、比容積の小さい場合は、石炭どうしの融着が十分でなく、強度が低い(領域I)。逆に、比容積が大きくなると、膨れが大きくなり強度が低下するとともに、最終的には相互融着による操業不良が発生する(領域III)。
上記の(b1)の関係が求められたら、高炉で使用可能なコークス強度の目標値を決め、このコークス強度を満たし、相互融着による操業不良が発生しない(石炭の比容積×成形炭の密度)の範囲を(b1)の関係(図5cのグラフ)から求める。
ブリケット密度は、使用するブリケット成形機に依存するものであり、そのブリケット密度を用いて、比容積の範囲H1〜H2を求める。
(C)上記(B)のようにして比容積の範囲が求められたら、次に、この関係を用いて、石炭の配合と、触媒物質の配合率を決定する。
まず、配合イと配合ロの石炭において、(B)で求められた比容積の範囲を満たす触媒物質の配合率を(a1)の関係(図5aのグラフ)から求める。図では、触媒物質の配合率Zとした場合を示す。
次に、配合イと配合ロの石炭において、配合率Zの場合のコークス収縮率を(a2)の関係(図5bのグラフ)からそれぞれ求める。
(D)予め、実験等により、棚吊りにつながるような割れの発生する恐れがない上限の収縮率Sを決めておく。そして、配合イと配合ロの石炭において、目標とする配合率Zの場合に、コークス収縮率が目標とする値以下かどうかを、(a2)の関係(図5bのグラフ)から判定する。
図5bでは、配合ロが目標とする収縮率S以下であり、この結果、配合ロの石炭に対する触媒物質の配合率として配合率Zが決定される。
また、触媒物質の配合率Zのときの収縮率が目標とする収縮率Sを超える配合イの場合は、その配合では、乾留時に収縮により割れが発生しやすくなると判定される。
その場合は、配合率Zを、目標とする収縮率Sを超えないように、比容積の目標範囲H1〜H2内で、Zより高めの値に設定する。
以上のような手順により決定された配合率で触媒物質を配合することにより、図5bに示されるように、コークスの収縮率を低下させ、コークス製造時における亀裂や割れの発生を抑制することができる。また、配合炭ロのように、触媒物質の配合なしでは亀裂発生のために使用できないものが、触媒物質の配合により使用可能になる。
なお、コークスの反応率は、図5dに示すように、触媒物質の配合率を増加させることによって高い値となる。しかし、配合率の増加に伴いコークス強度が低下する。
このため、触媒物質の配合率を決定する際、目標とする反応率をあらかじめ決めておき、以上で述べた方法によって求められた配合率が、目標とする反応率を満たすかどうかを(a2)の関係(図5dのグラフ)に基づいて判定することにより、必要なコークス強度を満たす範囲で反応性のより高いコークスを得ることができる。
そして、以上によって決定された原料配合(例えば、配合ロの石炭に触媒物質を配合率Zで配合する)を用い、それをブリケットに成形した成形炭を、竪型のシャフト炉を用いて連続的に乾留することにより、高反応性コークスを棚吊りの発生なく安定して製造することができる。
以上の説明では、それぞれグラフに基づいて、値を選択したり、条件を満たすかどうかの判定を実施するように説明したが、図5a〜図5dに示されたグラフの関数系を導き出し、それぞれの範囲を計算によって求めるようにしてもよい。
また、(a1)〜(a3)及び(b1)の関係を予め求めるにあたり、石炭の比容積やコークスの収縮率、強度及び反応率は次のようにして求める。
石炭の比容積は、特開2005−194358号公報に記載の方法で求める。具体的には、例えばJIS M 8801のディラトメーターにより測定される全膨張率b(%)から、次の関係式
石炭軟化時の比容積(cm3/g)=最大膨張時の石炭体積(cm3)/ディラトメーターへの石炭装入量(g)=0.96π(1+b/100)/ディラトメーターへの石炭装入量(g)
により計算することができる。また全膨張率は、JIS M 8801の膨張率を用いることができる。
コークス反応率CRIは、それぞれの配合石炭から製造されたコークス200g(サイズ20±1mm)を、反応容器内で、1100℃、2時間炭酸ガスと反応させた際のガス化反応率に相当し、次式、
(1−反応後の質量/反応前の質量)×100
の値として求める。
コークス強度は、例えば、JIS K2151に記載のコークスの回転強度試験方法のドラム法により測定した、150回転後の15mm篩上指数(DI150 15)として求める。あるいは、内径130mm長さ700mmの鉄製のI型ドラム試験機に、所定粒度(例えば20±1mm)の試料を所定量(例えば200g)入れ、600回転(20rpm×30分)の衝撃を加えた後の1mm篩上重量百分率で表されるI型強度指数(I600 1)で求めてもよい。
コークス収縮率は、特開2005−232349号公報に記載の方法で求める。具体的には、石炭を容器内において石炭の再固化温度以上の温度T(℃)まで加熱し、再固化温度と温度T とにおける内容物の容積差又は長さ差を再固化温度における容積又は長さで除した値をその石炭から生成したコークスの温度T における収縮率とする。
本発明では、コークスのガス化反応性を高める触媒物質として、アルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属、および、遷移金属化合物のうちの1種または2種以上からなる混合物を用いることができる。
アルカリ土類金属とは、周期律表2族に属する元素の総称であり、アルカリ土類金属化合物とは、アルカリ土類金属の水酸化物、酸化物、過酸化物、窒化物、炭化物の他、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩などの塩および複塩等を意味する。
上記アルカリ土類金属化合物の代表的なものとしては、石灰石(CaCO)、生石灰(CaO)、消石灰(Ca(OH))あるは、ドロマイト(MgCO)等があるが、これらは製鉄プロセスにおいて従来から工業的に利用されているため、容易かつ安価に入手することができ、自然界に豊富な資源として用いることができる。
また、遷移金属とは、周期律表の3族から11族までの元素であり、遷移金属化合物とは、これらの遷移金属の水酸化物、酸化物、過酸化物、窒化物、炭化物の他、ハロゲン化物、硝酸塩、炭酸塩、硫酸塩、酢酸塩などの塩および複塩等を意味する。
代表的な遷移金属としては、鉄、遷移金属化合物としては、酸化鉄があるが、製鉄プロセスにおいては、資源として再利用するには劣質な、鉄粉、酸化鉄や、鉄粉、鉄酸化物を含むスラリーを容易かつ安価に入手することができるというメリットがある。
本発明では、これらのアルカリ土類金属、アルカリ土類金属化合物、遷移金属、および、遷移金属化合物のうちの何れか1種を触媒物質として用いた場合でも、触媒作用によりコークスのガス化反応性の向上効果は充分に得られるが、これらの2種以上を混合して触媒として用いることにより、相乗作用でコークスのガス化反応性をより活性化させることが可能である。
本発明では、コークスのガス化反応性を高める触媒物質として、アルカリ土類金属や遷移金属の1種または2種以上を1質量%以上含有する石炭を配合炭に配合することによっても、上記と同様な効果が得られる。そのような石炭のうち、Caを含有する石炭やFeを含有する石炭は、入手しやすいため特に好ましい。
配合石炭A〜C及び触媒物質として生石灰を用いて、図1〜4に示すグラフを作成した。なお、図4は、図5dのような、触媒の配合率に対するコークス反応率の関係を示すグラフである。
図3において、目標とするコークス強度I600 1を85以上とすると、比容積×成形炭密度の範囲は1.41〜1.80となる。成形炭密度を1.2とすると、比容積の範囲は1.175〜1.5となる。
この結果、図1より、この比容積の範囲を満たす触媒物質(生石灰)の配合比率の範囲は、配合Aでは4%以上12%以下、配合Bでは6%以上18%以下、配合Cでは8%以下であった。
また、図2において、割れが生じない収縮率の範囲の上限を12%以下としたとき、収縮率の範囲が12%以下となる触媒物質(生石灰)の配合比率の範囲は、配合Aでは11%以上、配合Bでは7%以上、配合Cでは25%以上であった。
以上の図1〜3の結果より、棚吊り発生の恐れのない好ましい触媒の配合率は、配合Aでは11%以上12%以下、配合Bでは7%以上18%以下であり、配合Cでは棚つりをおこさずに目標とする強度のコークスを製造する事は不可能である。
ここで、目標とするコ−クス反応率を60以上とすると、図4より、それに対応する生石灰配合比率は5%以上となる。
上記の配合A、配合Bにおける触媒の配合率はいずれも5%以上となるので、反応率60以上のコークスが得られることがわかった。
また、目標とするコ−クス反応率を75以上とすると、図4より、それに対応する生石灰配合比率は15%以上となる。上記の配合Aにおける触媒の配合率(11−12%)では反応率75以上のコークスは製造できないが、配合Bにおいて触媒の配合率を15%以上18%以下とすれば反応率75以上のコークスが得られることがわかった。
なお、図3や図4で得られた曲線は、近似式、例えば6次式で近似的に表すことができる。式の係数を求めるには、回帰分析法により求めればよい。この時、最低7点以上の測定点があることが望ましい。
これらの数式を用いれば、比容積×成形炭密度の範囲や触媒配合比率の値を計算で求めることができる。
次に、配合Aの石炭に生石灰を配合比率11%で混合した原料を成形して、密度1.2のブリケットとし、これを竪型炉で乾留して、コークスを製造した。
その際、棚吊りの発生がなく操業率製造できた。また製造されたコークスの性能を評価したところ、強度I600 1が86で、反応率CRIが70のコークスであった。
さらに、配合Bの石炭に生石灰を配合比率15%で混合した原料を成形して、密度1.2のブリケットとし、これを竪型炉で乾留して、コークスを製造した。
その際、棚吊りの発生がなく操業率製造できた。また製造されたコークスの性能を評価したところ、強度I600 1が86で、反応率CRIが75のコークスであった。
比較のため、配合Cの石炭を用いて同様にコークスを製造したところ、棚吊りが発生し、操業が不能になった。
生石灰の配合率に対する比容積の関係の1例を示す図である。 生石灰の配合率に対するコークス収縮率の関係の1例を示す図である。 石炭の比容積×成形炭密度の値に対するコークス強度の関係の1例を示す図である。 生石灰の配合率に対するコークス反応率の関係の1例を示す図である。 高反応性コークス製造時の原料配合条件を決定するための手順を説明するための模式図である。

Claims (2)

  1. コークスのガス化反応を促進する触媒物質を石炭に混合して成形した成形炭を、竪型炉を用いて連続的に乾留する高反応性コークスの製造方法において、
    (A)原料となる石炭の配合ごとに、予め触媒物質の配合率に対する比容積及びコークス収縮率の関係をそれぞれ求めておき、
    (B)石炭の比容積とコークス強度の関係から目標とするコークス強度を満たす石炭の比容積の範囲を決定し、
    (C)前記(A)で求めた触媒物質の配合率と比容積及びコークス収縮率との関係を用いて、前記(B)で求めた比容積の範囲を満たす触媒物質の配合率を求めるとともに、この触媒の配合率に対応するコークス収縮率を求め、
    (D)前記(C)で求められた収縮率が所定範囲に収まるような石炭の配合を原料配合として選択し、この選択された石炭の配合に触媒物質を前記決定された配合率で混合して成形炭とする
    ことを特徴とする高反応性コークスの製造方法。
  2. さらに、触媒物質の配合率に対するコークス反応率の関係を求めておき、前記(C)において、目標とするコークス反応率を満たす触媒物質の配合率を選択することを特徴とする請求項1に記載の高反応性コークスの製造方法。
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