JP6115509B2 - コークスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コークスの製造方法に関する。
コークスの製造では、安価原料である非微粘結炭を多量に使用することが望まれている。非微粘結炭は、高揮発分であるが故に、軟化溶融−再固化後の(セミ)コークス収縮率が高い。非微粘結炭が高収縮する結果、コークス塊内には亀裂が生成される。生成された亀裂は、コークス強度を低下させる要因となる。
上記問題に対しては、非微粘結炭を粉砕することで、コークス強度を向上させている。具体的には、非微粘結炭を粉砕して、非微粘結炭の粒子サイズを小さくする。これにより、非微粘結炭の高収縮によって生成されるコークス塊内の亀裂サイズが低下するため、結果として、亀裂生成に起因するコークス強度の低下を抑制できる。
一方で、非微粘結炭は、過粉砕して、粒度が小さくなると、膨張性が低下することが知られている。
このように、非微粘結炭を細粒に粉砕すると、コークス強度は向上するが、過粉砕すると膨張性が低下してしまい、かえって、コークス強度は低下すると考えられる。
従って、膨張性の低下によるコークス強度の低下を引き起こさずに、粉砕による効果を享受することが望まれている。
非微粘結炭の粉砕粒度を規定する手法として、以下のようなものが開示されている。
平均反射率0.6%以上1.1%以下、かつ、膨張率−10%以上の弱粘結炭を粒度2mm以下90質量%以上に粉砕する方法が開示されている(特許文献1)。従来の技術範囲(3mm以下60質量%〜90質量%)よりも細かく粉砕することで、亀裂抑制効果が大きく、コークス強度が向上するとしている。
また、粘結炭、非粘結炭を問わず、0.6mm以上の最大長さを有する粗大イナート組織を区分化し、区分毎に粉砕し、石炭粉砕に伴う粒径0.3mm以下の微粉炭の増加による配合炭全体の嵩密度の低下を抑制することで、安定的かつ効果的にコークス強度を高める高炉用コークスの製造方法が開示されている(特許文献2)。
更に、石炭は過粉砕により膨張性が低下することから、非微粘結炭の最適粒度の決定に石炭の膨張性の指標である比容積を指標とし、石炭を粉砕したときの比容積の低下度合いによって石炭の粒度を調整する方法が開示されている(特許文献3)。
特開2002−121567号公報 特許第4551494号公報 特許第4102015号公報
特許文献1は、弱粘結炭を粒度2mm以下90質量%以上に粉砕しているが、粉砕により発生する微粉及び配合炭の膨張性に対する影響に関しての記載がない。
特許文献2は、石炭の性状に対応した粉砕方法を提案し、粗大イナート組織に着目して、その特性に応じて粉砕している。しかし、上記特許文献1と同様に、非微粘結炭の粉砕に伴う膨張性の変化についての記述はない。
特許文献3では、非微粘結炭を粉砕したときの膨張性の変化に着目している。しかし、非微粘結炭を2〜3mmかつ平均粒径2.5mmに粉砕した場合の比容積を基準としており、そのような粒度分布に非微粘結炭を粉砕することは難しい。また実操業で得られる非微粘結炭の粒度分布は上述のような狭いものではなく、現実的な方法とはいえない。
本発明の目的は、このような状況を鑑み、非微粘結炭を配合炭の一部として使用するにあたって、より高強度のコークスを簡便に得ることが可能な、コークスの製造方法を提供することである。
本発明者らは、非微粘結炭の粒度毎の膨張特性に着目し、膨張性を阻害する変動率が所定の値以下となるように非微粘結炭の粉砕粒度を決定することで、より高強度のコークスを簡便に製造することができることを見出した。
本発明の要旨とするところは、以下のとおりである。
(1)揮発分が30質量%以上で、ジラトメーター測定による全膨張率が40%以下、ギーセラー流動度(ddpm)の対数値が1.5以下の非微粘結炭を粉砕して配合炭の一部としてコークスを製造するにあたり、前記非微粘結炭の粉砕粒度と膨張性阻害変動率の関係を求めておき、膨張性阻害変動率が所定の値以下になるように前記非微粘結炭の粉砕粒度を決定することを特徴とするコークスの製造方法。
ここで、前記膨張性阻害変動率は、次の方法により求める。即ち、前記非微粘結炭を3mm篩下比率65質量%以上85質量%以下に粉砕した場合の1mm〜3mm粒度の石炭の膨張性阻害指数(IFC)を求める。次に、前記1mm〜3mm粒度の石炭を粉砕して生ずる粒度iについて、粒度i毎に石炭の膨張性阻害指数(IFC)を算出することで前記IFCからの増加係数(ΔIFC)を算出しておく。次に、前記非微粘結炭のIFCを算出した粉砕粒度以上に粉砕した場合の1mm篩下における粒度区分毎に粒度iの質量比率増分(ΔFC)を求める。なお、前記ΔFCは、前記非微粘結炭の全量に対する粒度iにおける質量比率増分である。前記ΔIFCと前記ΔFCとを掛け合わせて、それぞれの粒度i毎に合計し、Σ(ΔIFC×ΔFC)を算出する。最後に、算出した前記Σ(ΔIFC×ΔFC)に、乾留試験に供する配合炭での前記非微粘結炭の配合割合αを掛け、膨張性阻害変動率とする。
なお、IFC およびIFC の求め方は、いずれも以下の式(便宜上、IFC およびIFC をまとめてIFCと表記)により求める。
ここで、配合炭とは非微粘結炭及び粘結炭を配合させたものである。
(2)前記膨張性阻害変動率が0.02以下となるように前記非微粘結炭の粉砕粒度を決定することを特徴とする(1)に記載のコークスの製造方法。
本発明によれば、非微粘結炭を配合炭の一部として使用するにあたって、非微粘結炭の粉砕粒度を決定することで、より高強度のコークスを簡便に得ることができる。
非微粘結炭の粒度とI型強度並びに配合炭の膨張比容積との関係を示す図。 非微粘結炭の粒度と膨張性阻害指数(IFC)との関係を示す図。 実施例1における、非微粘結炭の粒度分布を示す図。 実施例1における、非微粘結炭の粒度低下による膨張性阻害指数(IFC)の変化を示す図。 実施例1における、非微粘結炭Cの粉砕強化による粒度分布の変化を示す図。 実施例1における、非微粘結炭の粒度とドラム強度の関係を示す図。 実施例1における、膨張性阻害変動率に関する図であり、(A)は膨張性阻害変動率とドラム強度の関係を示す図、(B)は膨張性阻害変動率と粉砕レベルの関係を示す図。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態において、粉砕対象となる非微粘結炭は、揮発分が30質量%以上で、ジラトメーター測定による全膨張率が40%以下、ギーセラー流動度(ddpm)の対数値が1.5以下のものをいう。
先ず、非微粘結炭の粒度毎のコークス強度と配合炭の膨張性について調査した。
この調査で使用した非微粘結炭並びに粘結炭の性状を以下の表1に示す。
非微粘結炭を、3mm篩下比率が75質量%となるように粉砕した。そして粉砕物を、7mm,5mm,3mm,1mm,0.6mm,0.3mm,0.1mmの篩で7つの粒度区分に篩い分けた。
次に、篩い分け後の各粒度の非微粘結炭と、1mm篩下比率が100質量%の粘結炭とを混合して、各粒度毎に配合炭を作製した。配合炭の割合は、非微粘結炭30乾質量%、粘結炭70乾質量%とした。
次に、配合炭100gを試験コークス炉に装入し、3℃/minの昇温速度で1000℃まで昇温し、1000℃で30分保持して配合炭を乾留することにより、コークスを作製した。なお、試験コークス炉には、石炭装炭容積144cm(W40mm、L60mm、H60mm)の小型の乾留装置を使用した。
得られたコークスの強度をI型強度試験により測定した。
I型強度試験は、円筒状容器にサンプルを入れ、この円筒状容器を所定速度で回転させることにより衝撃を加えた後、サンプルの9.52mm篩上残存率を求めるものである。円筒状容器の回転は、円筒状容器の長さ中央部に回転軸を設け、この回転軸を中心に1分間に20回の回転速度で合計600回転させることにより行った。
また、本試験では、内径132mm×長さ600mmの円筒状容器を用い、サンプルには、上記得られたコークスのうち、略72cm、略40gのコークスを用いた。
また、コークス作製前の配合炭について、膨張性の指標として、以下の方法に基づき、膨張比容積を求めた。膨張比容積は、石炭質量に対する石炭膨張後の体積である。
先ず、JIS M8801に規定された細管に、配合炭を粉体のまま、所定の装入密度(0.85[dry,g/cm])で高さ60mmに装入した。次に、細管内の配合炭の上にピストンを装入し、ピストンを装入した状態で細管を3.0±0.1℃/minの昇温速度で300℃から600℃まで加熱し、加熱終了した後の配合炭の高さを測定した。なお、この調査においては、ピストンが配合炭に及ぼす荷重は約110gとした。加熱終了後の配合炭高さをL[mm]とした。そして、以下の式(1)から膨張比容積[cm/g]を求めた。
膨張比容積 =L/(60×0.85) …(1)
非微粘結炭の粒度とI型強度並びに配合炭の膨張比容積との関係を図1に示す。
図1に示すように、非微粘結炭が1mm〜3mm粒度のときに、コークス強度は最大となる結果が得られた。従って、粗大な非微粘結炭粒子は、1〜3mm程度の粒度にまで粉砕することによって、セミコークスの収縮率差に起因する亀裂サイズを低下させることができ、その結果、コークス強度が向上すると考えられる。
一方で、1mm以下の粒度では、コークス強度が大幅に低下した。このことから、粒度を1mmよりも小さくしても亀裂サイズの低下によるコークス強度の向上効果は小さいと考えられる。また、1mm以下の粒度のコークス強度の低下は、膨張比容積が低下していることが原因として考えられる。
上記結果から、粉砕によるコークス強度の向上効果を得るには、非微粘結炭を1mm〜3mmの範囲となるように粉砕することが望ましい。しかしながら、実際の粉砕操作においては、必然的に1mmよりも小さい微粉が発生する。そして、粒度が1mm以下の微粉が及ぼすコークス強度への影響は非常に大きいと推察される。
そこで、粒度が1mm以下の微粉が及ぼす膨張性への影響を評価した。
この調査で使用した非微粘結炭並びに粘結炭の性状を以下の表2に示す。
異なる銘柄の非微粘結炭において、3mm篩下比率75質量%となるように粉砕した際の、3mm以下の粒度数区分における膨張性阻害指数(IFC)を算出した。
ここで、膨張性阻害指数(IFC)とは、例えば特許第5402369号に開示されている、下記式(2)に示すイナートファクターIFを算出する際の定数fを指す。
イナートファクターIF=−f×x+1.00 …(2)
上記式中、xは低石炭化度炭配合率である。
膨張性阻害指数(IFC)では、非微粘結炭が粒度区分によって膨張性をどの程度阻害しているかが判る。
膨張性阻害指数(IFC)の算出方法では、先ず、非微粘結炭と、粘結炭と、非微粘結炭及び粘結炭を配合させた配合炭との膨張比容積をそれぞれ算出した。なお、膨張比容積は、前述の方法を用いて式(1)から算出した。次に、非微粘結炭及び粘結炭の配合率に基づく加重平均値による配合炭の膨張比容積を求めた。そして、加重平均による膨張比容積と、実測の配合炭膨張比容積との差分を、配合炭に添加した非微粘結炭のパーセントで割ることによって求めた。
即ち、膨張性阻害指数(IFC)は、下記式(3)で表される。

非微粘結炭の粒度と膨張性阻害指数(IFC)との関係を図2に示す。
図2に示すように、非微粘結炭の粒度が低下するに従ってIFCは高くなる傾向にあり、粒度が1mm以下の微粉が膨張性に影響を与えていることを明らかとした。なお、IFCの増加度合いは非微粘結炭の銘柄によって異なっており、全膨張率が40%と高い非微粘結炭AのIFCの増加度合いは低く、全膨張率が0%のほとんど膨張しない非微粘結炭Dの増加度合いが高い結果が得られた。
そこで、1mm〜3mm粒子の非微粘結炭を粉砕して、粒径を1mm以下での粒度iまで低下させたときの、IFCからの増加係数(ΔIFC)を求めた。なお、銘柄による膨張性阻害指数(IFC)の差が小さい1mm〜3mm粒子の膨張性阻害指数を基準とした。この基準とした1mm〜3mm粒子の膨張性阻害指数をIFCとする。
ΔIFCは、1mm〜3mm粒子の非微粘結炭を粉砕して生ずる粒度iについて、粒度i毎に算出する膨張性阻害指数(IFC)とIFCとの差により算出される(ΔIFC=IFC−IFC)。
即ち、IFCからの増加係数(ΔIFC)は、下記式(4)で表される。

ΔIFCは、増分が大きいほど、非微粘結炭の粉砕強化によって、配合炭の膨張性をより低下させることを意味している。このため、銘柄毎のΔIFCの違いによって、どの程度にまで粉砕強化することが可能かの指標になるといえる。
また、銘柄毎に膨張性阻害指数を算出しておけば、コークス製造に用いる配合炭で、その都度、膨張性を評価する手間を省くことができるため、作業を簡素化でき、迅速に最適な粉砕粒度を決定することができる。
なお、膨張性阻害指数(IFC)を算出する際には、膨張性の変化が確認できるように、膨張比容積を測定する際に、配合炭に配合する粘結炭には十分な膨張性を有していることが望まれる。
一方で、粉砕強化によって、1mm以下の粒度の微粉がどのような傾向で増加するかを評価した。
ここでは、非微粘結炭を3mm篩下比率75質量%から粉砕強化をした際の粒度分布を測定した。そして、1mm篩下をいくつかの粒度iに区分し、粒度区分毎に粒度iの質量比率増分(ΔFC)を算出した。このΔFCにより、粉砕強化によって、非微粘結炭の全量に対して、どの粒度が、どの程度の質量で占めているのかが判る。なお、ΔFCは、非微粘結炭の全量に対する粒度iにおける質量比率増分である。
そして、ΔIFCとΔFCとを掛け合わせ、このΔIFC×ΔFCをそれぞれの粒度i毎に合計し、Σ(ΔIFC×ΔFC)を算出した。
ΔIFC×ΔFCによって、粒度iの非微粘結炭が、非微粘結炭の全量に対して、どの程度の膨張性を阻害しているかが判り、これらを合計することで、1mm篩下の微粉が非微粘結炭の全量に対して、どの程度の膨張性を阻害しているかを指標化できる。
更に、算出したΣ(ΔIFC×ΔFC)に、乾留試験に供する際の配合炭における非微粘結炭の配合割合αを掛けることで得られる、Σ(ΔIFC×ΔFC)×αを膨張性阻害変動率とした。
この膨張性阻害変動率を求めることで、非微粘結炭を粉砕強化したときの配合炭の膨張性の低下度合いを予測できる。つまり、膨張性阻害変動率が小さい程、非微粘結炭を粉砕しても配合炭の膨張性低下は小さい、すなわち非微粘結炭の粉砕を強化できるということを意味する。
非微粘結炭を粉砕するとコークス塊内の亀裂サイズを低下させ、コークス強度が向上するが、過粉砕すると膨張性阻害度合いが増大し、かえってコークス強度を低下させる。
ここで膨張性阻害とは、他の石炭(主に粘結炭)の膨張を阻害する要因である。
非微粘結炭の粉砕によるコークス強度の影響は、その他に、粗粒炭(3mmオーバー)の減少によるもの、粉砕による非微粘結炭自体の膨張比容積の減少によるものもあり、複雑である。
本実施形態のコークスの製造方法では、非微粘結炭の膨張性阻害要因の効果が大きいことに着目し、上記膨張性阻害変動率が所定の値以下になるように、非微粘結炭の粉砕粒度を決定した。具体的には、0.02以下になるように、非微粘結炭の粉砕粒度を決定した。そして、決定した粉砕粒度で非微粘結炭を粉砕して、配合炭の一部としてコークスを製造する。
このように、1mm以下の粒度の膨張性低下の影響を考慮し、この影響が最小限となるように粉砕することで、膨張性の低下を起因とするコークス強度の低下を抑制できる。
また、非微粘結炭を粉砕して、非微粘結炭の粒子サイズを小さくすることよって亀裂生成に起因するコークス強度の低下を抑制できる。
なお、粉砕による粉砕後の非微粘結炭自身の膨張性の低下も考慮する必要はあるが、本実施形態の粉砕対象となる非微粘結炭であれば、粉砕後の非微粘結炭自身の膨張性の低下は、ほぼ無視してよい。
結果として、本実施形態のコークスの製造方法によれば、より高強度のコークスを簡便に得ることができる。
なお、本実施形態では、3mm篩下比率75質量%に粉砕した場合の1mm〜3mm粒度の石炭の膨張性阻害指数をIFCとしたが、IFCは、3mm篩下比率が65質量%以上85質量%以下の範囲内に粉砕した場合の1mm〜3mm粒度の石炭から算出することが可能である。3mm篩下比率が上記範囲内であれば、銘柄による膨張性阻害指数(IFC)の差が小さいため、ΔIFCの算出の基準とすることができる。
次に、実施例を挙げて本発明を更に詳しく説明する。なお、本発明はこれらの実施例の記載内容に何ら制限されるものではない。
<実施例1>
非微粘結炭A,B,C,Dの性状を以下の表3に、粒度分布を以下の表4並びに図3に示す。
先ず、非微粘結炭A,B,C,Dのそれぞれを3mm篩下比率が75質量%となるように粉砕した。粉砕した粒子から1mm〜3mm粒度の粒子を採取し、その膨張比容積を前述の方法を用いて上記式(1)から算出した。
そして、更にその1mm〜3mm粒度の粒子を、あらかじめ膨張比容積の値が既知である粘結炭(1mm篩下比率が100質量%)に、30質量%の割合で添加し、この配合炭の膨張比容積を測定することで、膨張性阻害指数(IFC)を算出した。この粘結炭の全膨張率は79%である。
更に、上述の1mm〜3mm粒度の粒子を手粉砕にて0.3mm〜0.6mmもしくは0.1mm以下に粉砕した。粉砕した粒子を上記と同様に、粘結炭に添加して、その配合炭の膨張比容積を測定した。この膨張比容積から、各粒度の膨張性阻害指数を算出した。非微粘結炭の粒度低下による膨張性阻害指数(IFC)の変化を図4に示す。
図4に示すように、IFCは、非微粘結炭の粒度が低下するに従って高くなる傾向にあり、その増加度合いは非微粘結炭の銘柄によって異なることが確認できる。
また、非微粘結炭を3mm篩下比率が75質量%、85質量%、95質量%となるようにそれぞれ粉砕し、得られた粉砕物の粒度分布を篩い分けによって測定した。一例として、非微粘結炭Cの粉砕強化による粒度分布の変化を図5に示す。
図5に示すように、非微粘結炭の3mm篩下比率を75質量%から、85質量%、95質量%と粉砕強化することで、粒径が1mm以下の微粉が増加する傾向がみられる。
次に、上記粉砕して得られた粉砕物のうち、1mm以下の微粉を、4粒度区分(1mm〜0.6mm、0.6mm〜0.3mm、0.3mm〜0.1mm、0.1mm以下)に分け、粒度区分毎に質量比率増分(ΔFC)を算出した。
また、図4に示す、隣接するプロット間を直線でそれぞれ繋いだ線に基づき、上記4粒度区分の中央値におけるΔIFC(ΔIFC=IFC−IFC)を推定した。
次に、上記得られたΔIFCとΔFCとを掛け合わせて、それぞれの粒度i毎に合計し、Σ(ΔIFC×ΔFC)を算出した。
また、非微粘結炭を25質量%配合した配合炭約80kgを用意した。そして、炭化室内寸法がW450mm×L500mm×H500mmの試験コークス炉に、嵩密度0.87t/mで配合炭を装入し、乾留温度1000℃で21時間乾留を行った。
排出後のコークスは、窒素流通下で冷却し、その後JIS−K2151に規定のドラム強度(DI150 15)測定試験に供した。図6にドラム強度試験の結果を示す。
図6に示すように、粉砕強化によって、ドラム強度が向上する例や、低下する例があり、銘柄によって結果が大きく異なっていた。
図4並びに図6から、粒度が1mm以下の粒子が強度に及ぼす影響の度合い(膨張性阻害指数;IFC)は、銘柄により、また、粒度が1mm以下の粒子の粒度区分により大きく異なることが判る。
次に、上記算出したΣ(ΔIFC×ΔFC)に、上記作製したコークスの配合炭中の非微粘結炭の配合割合(α=25)を掛けることで、膨張性阻害変動率Σ(ΔIFC×ΔFC)×αを求めた。
膨張性阻害変動率とドラム強度の関係を図7(A)に、膨張性阻害変動率と粉砕レベルの関係を図7(B)に示す。図7(A)は、非微粘結炭の粒度が3mm篩下75質量%のときのDI150 15を基準に、非微粘結炭を粉砕強化したときのDI150 15の変化をΔDIとし、膨張性阻害変動率に対し、ΔDIをプロットした図である。
図7(A)に示すように、膨張性阻害変動率が0.02より大きくなるとΔDIが負になっていることが判る。つまり、膨張性阻害の影響が大きくなり、粉砕を強化することによってDIが低下したといえる。また、図7(A)と図7(B)から、粉砕レベルが強化されるにつれて膨張性阻害変動率が大きい非微粘結炭はドラム強度が低下する傾向がみてとれる。
非微粘結炭を配合炭の一部として多量に使用する際のコークスの製造に利用することができる。

Claims (2)

  1. 揮発分が30質量%以上で、ジラトメーター測定による全膨張率が40%以下、ギーセラー流動度(ddpm)の対数値が1.5以下の非微粘結炭を粉砕して配合炭の一部としてコークスを製造するにあたり、
    前記非微粘結炭の粉砕粒度と膨張性阻害変動率の関係を求めておき、膨張性阻害変動率が所定の値以下になるように前記非微粘結炭の粉砕粒度を決定することを特徴とするコークスの製造方法。
    ここで、前記膨張性阻害変動率は、次の方法により求める。即ち、
    前記非微粘結炭を3mm篩下比率65質量%以上85質量%以下に粉砕した場合の1mm〜3mm粒度の石炭の膨張性阻害指数(IFC)を求める。
    次に、前記1mm〜3mm粒度の石炭を粉砕して生ずる粒度iについて、粒度i毎に石炭の膨張性阻害指数(IFC)を算出することで前記IFCからの増加係数(ΔIFC)を算出しておく。
    次に、前記非微粘結炭のIFCを算出した粉砕粒度以上に粉砕した場合の1mm篩下における粒度区分毎に粒度iの質量比率増分(ΔFC)を求める。なお、前記ΔFCは、前記非微粘結炭の全量に対する粒度iにおける質量比率増分である。
    前記ΔIFCと前記ΔFCとを掛け合わせて、それぞれの粒度i毎に合計し、Σ(ΔIFC×ΔFC)を算出する。
    最後に、算出した前記Σ(ΔIFC×ΔFC)に、乾留試験に供する配合炭での前記非微粘結炭の配合割合αを掛け、膨張性阻害変動率とする。
    なお、IFC およびIFC の求め方は、いずれも以下の式(便宜上、IFC およびIFC をまとめてIFCと表記)により求める。
    ここで、配合炭とは非微粘結炭及び粘結炭を配合させたものである。
  2. 前記膨張性阻害変動率が0.02以下となるように前記非微粘結炭の粉砕粒度を決定することを特徴とする請求項1に記載のコークスの製造方法。
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