JP4890200B2 - 高強度コークスの製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、成型炭を原料炭に配合し、コークス炉で乾留して高強度コークスを製造する際、配合する成型炭の粒径を調整する高強度コークスの製造方法に関する。
高炉操業において、コークス(還元材)には、炉内の通気性を確保するために、所要の強度が求められるが、コークス用原料としての良質の強粘結炭は、資源的に枯渇状態にあるので、低品質炭(非粘結炭や非微粘結炭)を用いて、高強度のコークスを製造する技術が、これまで数多く提案されている。
その一つとして、例えば、特許文献1〜3には、粉状の低品質炭(非粘結炭や非微粘結炭)を混合した成型炭をコークス炉で乾留し成型コークス(室炉コークスに替えて用いる)を製造する技術が開示されている。しかし、この技術では、低品質炭を成型コークスの原料として用いるので、コークス強度の向上には限界がある。
他方、特許文献4には、所定量の成型炭を原料炭に配合し、高強度コークスを製造する技術が開示されている。この技術によれば、炉内における嵩密度が改善されて、コークス強度が向上するが、コークス強度(ドラム強度指数DI150 15)のレベルは83であり、十分に高い強度レベルとはいえない。
低品質コークス原料を用い、従来以上に強度の高いコークスを生産性よく製造する技術の開発が求められている現状において、成型炭と原料炭を配合する手法は、高強度コークスを製造する点で有力な手法である。
しかし、成型炭と原料炭の配合態様と、コークスの強度特性との関連性は充分に解明されておらず、成型炭と原料炭の配合を前提とする有効な高強度コークスの製造方法は提案されていない。
特公昭60−38437号公報 特公昭62−45914号公報 特開平7−145385号公報 特許第2773994号公報
本発明は、上記現状に鑑み、原料炭に、低品質コークス原料を成型して製造した成型炭を、粒径を調整して配合し、従来以上に強度の高いコークスを製造する高強度コークスの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者は、成型炭を原料炭に配合して乾留し、コークスを製造することを前提に、コークスの強度特性を高める手法について鋭意研究した。
まず、本発明者は、成型炭を、粒径を変えて粗粒炭(原料炭)に配合し、成型炭の粒径が、コークスの強度特性(ドラム強度指数DI150 15)に及ぼす影響について調査した。
その結果、特定の粒径範囲の成型炭を配合した場合、ドラム強度指数(DI150 15)が極大値を示す現象と極小値を示す現象のいずれかが発現することが判明した。
そして、上記現象が発現する原因を調査した結果、下記式(1)で定義する空隙充填度Zが、コークスの強度特性に大きく影響していることが判明した。
Z=SV×BD ……(1)
ここで、SVは、成型炭を構成する石炭の軟化時の比容積(cm3/g)であり、BDは、コークス炉装入時の配合炭の嵩密度(g/cm3)である。
本発明者は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨は以下のとおりである。
(1) 成型炭を原料炭に配合して高強度コークスを製造する製造方法において、
(a)成型炭につき、下記式(1)で定義する空隙充填度Zを測定し、
(b)空隙充填度Zで粒径d(mm)の成型炭を、配合率X(%)で原料炭に配合してコークス強度DIを測定し、
(c)上記測定結果に基づいて、配合率X(%)におけるコークス強度DIの変化代(DI向上代又はDI低下代):ΔDIと粒径d(mm)の関係を規定する関数DI(d)を設定し、
(d)関数DI(d)に基づいて、所要のコークス強度DIの変化代(DI向上代又はDI低下代):ΔDIを達成する成型炭の粒径d(mm)又は配合率X(%)を算出し、
(e)上記算出値に基づいて、空隙充填度Zの成型炭を原料炭に配合する
ことを特徴とする高強度コークスの製造方法。
Z=SV×BD ……(1)
ここで、SV:成型炭を構成する石炭の軟化時の比容積(cm3/g)
BD:コークス炉装入時の配合炭の嵩密度(g/cm3
(2) 成型炭を原料炭に配合して高強度コークスを製造する製造方法において、
(a)下記式(1)で定義する空隙充填度Zの成型炭の粒径d(mm)及び配合率X(%)を、コークス強度DIの変化代(DI向上代又はDI低下代):ΔDIを調整する、下記式(2)で定義するDI調整関数:DI(d)に基づいて算出し、
(b)上記算出値に基づいて、空隙充填度Zの成型炭を原料炭に配合する
ことを特徴とする高強度コークスの製造方法。
Z=SV×BD ……(1)
ここで、SV:成型炭を構成する石炭の軟化時の比容積(cm3/g)
BD:コークス炉装入時の配合炭の嵩密度(g/cm3
DI(d)=DI−DI(0) ……(2)
ここで、DI:空隙充填度Zで粒径d(mm)の成型炭を、配合率Xで原料炭に配合し て乾留した時のコークス強度
DI(0):d<d1、d2<dでのDI(基準DI)、d1、d2:定数
DI(d)=0(d<d1、d2<d)
DI(d)≠0(d1≦d≦d2)
(3) 前記DI(d)は、d1≦d≦d2で、上に凸の曲線であることを特徴とする前記(2)に記載の高強度コークスの製造方法。
(4) 前記DI(d)は、d1≦d≦d2で、下に凸の曲線であることを特徴とする前記(2)に記載の高強度コークスの製造方法。
(5) 前記上に凸の曲線において、粒径d1〜d2(d1<d2)の成型炭の粒径分布yを、関数:f(x)で表す時、粒径d1〜d2の成型炭を配合率Xで原料炭に配合した時のDI向上代:ΔDIが、下記式:
d1 d2DI(x)f(x)dx
に対応することを特徴とする前記(3)に記載の高強度コークスの製造方法。
(6) 前記下に凸の曲線において、粒径d1〜d2(d1<d2)の成型炭の粒径分布yを、関数:f(x)で表す時、粒径d1〜d2の成型炭を配合率Xで原料炭に配合した時のDI低下代:ΔDIが、下記式:
d1 d2DI(x)f(x)dx
に対応することを特徴とする前記(4)に記載の高強度コークスの製造方法。
(7) 前記上に凸の曲線に従い、空隙充填度Zの成型炭を原料炭に配合し、コークス強度をΔDI'向上せしめる時、向上代ΔDI'を確保する成型炭の配合率X'を、下記手順に従い決定又は算出することを特徴とする前記(5)に記載の高強度コークスの製造方法。
(1)配合する成型炭の粒径d1'〜d2'(d1'<d2')、粒径分布関数:f(x)を設定する。
(2)算出根拠のDI調整関数:DI(d)(配合率:X、d1≦d1'<d2'≦d2)を選択する。
(3)粒径d1'〜d2'の成型炭を配合率Xで配合した時のDI向上代:ΔDIを、下記式で算出する。
ΔDI=∫d1' d2'DI(x)f(x)dx
(4)粒径d1'〜d2'の成型炭の配合率X'を下記式で算出する。
X'=(ΔDI'/ΔDI)×X
(8) 前記下に凸の曲線に従い、空隙充填度Zの成型炭を原料炭に配合し、コークス強度の低下をΔDI'に抑制する時、低下代ΔDI'に抑制する成型炭の配合率X'を、下記手順に従い決定又は算出することを特徴とする前記(6)に記載の高強度コークスの製造方法。
(1)配合しない成型炭の粒径d1〜d1'及び粒径d2'〜d2における成型炭の粒径分布関数:f(x)を設定する。
(2)算出根拠のDI調整関数:DI(d)(配合率:X、d1≦d1'<d2'≦d2)を選択する。
(3)粒径d1〜d1'及び粒径d2'〜d2の成型炭を配合率Xで配合した時のDI低下代:ΔDI(≧ΔDI')を、下記式で算出する。
ΔDI=∫d1 d1'DI(x)f(x)dx+∫d2' d2DI(x)f(x)dx
(4)粒径d1〜d1'及び粒径d2'〜d2の成型炭の配合率X'を下記式で算出する。
X'=(ΔDI'/ΔDI)×X
本発明によれば、低品質コークス原料を成型して製造した成型炭を、粒径を調整して原料炭に配合することにより、従来以上に強度の高いコークスを製造することができる。
本発明者が、原料炭に配合する成型炭の粒径が、コークスの強度特性(ドラム強度指数DI150 15)に及ぼす影響について調査した結果について説明する。
図1に、原料炭と成型炭を、表1に示す配合条件A〜Fで配合した時の成型炭粒径と、コークスのドラム強度指数DI150 15との関係を示す。成型炭粒径5〜12mmにおいて、ドラム強度指数DI150 15が、配合条件AとBでは極大値を示し、一方、配合条件D、E、及び、Fでは極小値を示している。
Figure 0004890200
このように、原料炭に配合する成型炭の粒径が5〜12mmの時、コークスの強度特性は、極大値又は極小値を示し大きく振れることが判明した。そこで、本発明者は、コークスの強度特性が、成型炭の粒径に依存し大きく振れる原因について鋭意調査した。
石炭の膨張特性はコークス強度に大きく影響するから、本発明者は、まず、配合条件A〜Fの配合炭の全膨張率TD(%)(表1、参照)と、コークスの強度変化:ΔDI150 15との関係を調査した。その結果を、図2に示す。
図2に示すように、全膨張率TD(%)が大きい場合(配合条件A:55%、配合条件B:81%)は、+ΔDI150 15であり、DI150 15は向上するが、全膨張率TD(%)が小さい場合(配合条件D:29%、配合条件E:35%、配合条件F:29%)は、−ΔDI150 15であり、DI150 15は低下する。
このことは、(i)配合炭の全膨張率が小さいと、石炭の軟化時に石炭が膨張しても、石炭粒同士が充分に接着せず、強度特性が向上しないか、又は、むしろ低下し、(ii)配合炭の全膨張率が大きいと、石炭の軟化時に石炭粒同士が充分に接着し、強度特性が向上することを意味している。
しかし、配合条件A(TD:55%)では、ΔDI150 15≒0.72であり、また、配合条件B(TD:81%)では、ΔDI150 15≒0.55であるから、コークスの強度特性は、必ずしも、全膨張率の大小だけに依存するのではない。
本発明者は、石炭粒同士の接着度合は、全膨張率の他に、下記式(1')で表す“石炭軟化時の空隙充填度”にも依存するとの見地から、上記“石炭軟化時の空隙充填度”を評価指標として、石炭特性を評価することを特開2005−194358号で提案した。
石炭軟化時の空隙充填度=石炭軟化時の比容積(cm3/g)
×コークス炉装入時の石炭の嵩密度(g/cm3)…(1')
石炭軟化時の比容積(cm3/g)は、下記式(2')に従って計算する。
石炭軟化時の比容積(cm3/g)
=最大膨張時の石炭体積(cm3)/ディラトメーターへの石炭投入量(g)
=0.96π(1+b/100)/ディラトメーターへの石炭投入量(g)…(2')
ここで、b:JIS M 8801に従い測定した全膨張率(%)
上記提案に則れば、原料炭に配合する成型炭の粒径が5〜12mmの時、コークスの強度特性が大きく振れる理由は、「成型炭の空隙充填度が、大きくばらついている」ということである。
本発明者は、上記理由を確認するため、強度特性が大きく振れる成型炭の粒径範囲を、図1から読み取れる“5〜12mm”を基に“5〜15mm”に拡大し、この粒径範囲において石炭成分とその組成を種々変えて製造した成型炭を、下記式(1)で表す評価指標で評価するとともに、該成型炭を、配合量を変えて原料炭に配合して製造したコークスの強度特性を測定した。
成型炭を構成する石炭の軟化時の空隙充填度Z=SV×BD ……(1)
ここで、SV:成型炭を構成する石炭の軟化時の比容積(cm3/g)
=最大膨張時の成型炭体積(cm3)/ディラトメーターへの成型炭投入量(g)
=0.96π(1+b/100)/ディラトメーターへの成型炭投入量(g)
b:成型炭を構成する石炭成分につき、JIS M 8801に従って測定し た全膨張率(%)、b1、b2、…、bnの加重平均値
BD:コークス炉装入時の配合炭の嵩密度(g/cm3
その結果、成型炭の粒径範囲5〜15mmにおいて、コークス強度は、
(a1)軟化時の空隙充填度Z(以下「空隙充填度Z」という)が1.5以下の時、著しく低下し、
(a2)空隙充填度Zが1.5を超える時、低下しないか、又は、向上し、
(a3)空隙充填度Zが1.75以上の時、著しく向上する
ことが判明した。
粒径5〜15mmの成型炭を、前記(1)式で定義する空隙充填度Zで評価し、原料炭に配合する成型炭の粒径分布を調整することにより、コークス強度が向上する理由は、一応、次のように考えられる。
(i)粒径が15mmを超える大きい成型炭の場合は、膨張性が大きいので、軟化時に、成型炭の周囲の空隙を押し潰して、嵩密度の低い粉炭部分を圧密する。その結果、成型炭同士、また、成型炭と粉炭が充分に接着して、強固なコークス構造が形成される。
(ii)粒径が5〜15mmの中位の成型炭の場合は、膨張性が、粒径15mm超の成型炭の膨張性ほど大きくないが、
(ii-a)空隙充填度Zが大きければ、粒径15mm超の成型炭の場合と同様の現象が起き、強固又は均一なコークス構造が形成され、一方、
(ii-b)空隙充填度Zが小さければ、成型炭の周囲の空隙が押し潰されないので、嵩密度の低い粉炭部分が圧密されず、嵩密度が低いまま残り、この粉炭部分に、脆弱なコークス構造が形成される。
(iii)粒径が5mm未満と小さい成型炭の場合は、成型炭と粉炭の接触面積が大きくなるので、成型炭の膨張性に拠るのではなく、むしろ、成型炭が小さいことにより、成型炭中に含まれるバインダーが均一に分散して、成型炭の軟化時、成型炭の周囲に存在する粉炭の粘結性をより高め、その結果、強固なコークス構造が形成される。
したがって、成型炭は、粒径が異なれば勿論のこと、粒径が同じでも、空隙充填度Zが異なれば、原料炭との混在状態における乾留過程で異なる挙動又は作用をなし、異なる現象が発現するのであり、成型炭の空隙充填度Zは、成型炭のコークス強度に及ぼす影響を客観的に評価する上で重要な評価指標である。
この点が、本発明の基礎をなす知見である。
そこで、本発明者は、成型炭の空隙充填度Zと粒径が、コークス強度に及ぼす影響について、成型炭の空隙充填度Zi(i=1、2、…、n)及び配合率Xj(j=1、2、…、m)を変えて、さらに調査した。
その結果、粒径−コークス強度曲線は、
(b1)図1に示す成型炭粒径−コークス強度曲線と同様に、所定の粒径範囲(以下、粒径を「粒径d」と記載し、粒径範囲を「d1〜d2(d1<d2)」と記載することがある)で、極大値又は極小値を示すこと、及び、
(b2)d<d1、及び、d>d2の粒径範囲で、ほぼ一定値を示すこと
が判明した。
即ち、「コークス強度−(d<d1及びd>d2の粒径範囲でのコークス強度)」を、コークス強度の変化分(DI向上分又はDI低下分):ΔDIと定義すると、空隙充填度Zi(i=1、2、…、n)の粒径dの成型炭を、配合率Xj(j=1、2、…、m)で配合した場合におけるコークス強度の変化分(向上分又は低下分):ΔDIは、図3に模式的に示すように、
(c1)粒径範囲d1〜d2(d1<d2)で、空隙充填度Ziに依存して異なる極大値を有する、上に凸の成型炭粒径(d)−コークス強度変化分(ΔDI)曲線、又は、
(c2)粒径範囲d1〜d2(d1<d2)で、空隙充填度Ziに依存して異なる極小値を有する、下に凸の成型炭粒径(d)−コークス強度変化分(ΔDI)曲線
で表示できることを見出した。
このことは、空隙充填度Ziの成型炭を配合率Xjで原料炭に配合する場合、予め、成型炭粒径(d)−コークス強度変化分(ΔDI)曲線を把握しておけば、配合する成型炭の粒径範囲d1〜d2(d1<d2)における粒径分布から、コークス強度の変化分(DI向上分又はDI低下分):ΔDIを算出することができ、その結果、コークス強度DIを推測できることを意味している。
ここで、空隙充填度Ziで配合率Xjの成型炭粒径(d)−コークス強度変化分(ΔDI)曲線(該曲線を「DI(x)」という)において、粒径範囲d1〜d2(d1<d2)の成型炭の粒径分布を、関数:f(x)で定義すると、粒径範囲d1〜d2(d1<d2)の成型炭を配合した時のコークス強度変化分:ΔDIは、DI(x)とf(x)の積の粒径範囲d1〜d2における積分値、即ち、
ΔDI=∫d1 d2DI(x)f(x)dx
である。
したがって、上に凸のDI(x)において、所望のコークス強度のDI向上分:ΔDI'を設定すれば、該変化分に対応するDI向上代:ΔDI'計算値、即ち、
ΔDI'=∫d1' d2'DI(x)f(x)dx
から、所望のコークス強度の変化分(DI向上分)を担う粒径範囲d1'〜d2'(d1<d1'<d2'<d2)を算出できるし、また、配合率X'(<X)を算出することができる。
また、下に凸のDI(x)において、コークス強度の低下を抑制する所望の変化分(DI低下分):ΔDI'を設定すれば、該変化分に対応するDI低下代:ΔDI'計算値、即ち、
ΔDI'=∫d1 d1'DI(x)f(x)dx+∫d2' d2DI(x)f(x)dx
から、所望のコークス強度の変化分(DI低下分)を担う粒径範囲d1〜d1'及びd2'〜d2(d1<d1'<d2'<d2で、粒径範囲d1'〜d2'の成型炭を配合しない)を算出できるし、また、配合率X'(<X)を算出することができる。
本発明は、以上の知見を基礎とするものであり、予め求めた、空隙充填度Ziで配合率Xjの成型炭粒径(d)−コークス強度変化分(ΔDI)曲線:DI(x)に従って、原料炭に配合する成型炭の粒径d又は配合率Xを、決定又は算出する点が特徴である。
以下、この決定又は算出の一例を説明する。
<粒径dij(mm)又は配合率Xij(%)の決定又は算出例>
<1>DI調整関数:DIij(d)の設定
下記式(1”)で定義する空隙充填度Zi(i=1、2、…、n)を測定した成型炭iを配合率Xj(j=1、2、…、m)で原料炭に配合し、乾留した時のコークス強度DIijを測定し、空隙充填度Zi、配合率Xjでの成型炭粒径(dij)−コークス強度(DIij)曲線を得る。
Zi=SVi×BD ……(1”)
ここで、SVi:成型炭iを構成する石炭の軟化時の比容積(cm3/g)
BD:コークス炉装入時の配合炭の嵩密度(g/cm3
上記成型炭粒径(dij)−コークス強度(DIij)曲線において、DIij=DIij(0)(基準DIij)となる粒径範囲d<d1ij及びd>d2ij(d1ij<d2ij)を見いだし、下記式(2”)で定義するDI調整関数:DIij(d)を設定する。
DIij(d)=DIij−DIij(0) ……(2”)
ここで、DIij(d)は、DIij(d)=0(d<d1ij、d2ij<d)、DIij(d)≠0(d1ij≦d≦d2ij)であり、粒径dij(mm)の成型炭を配合率Xj(%)で原料炭に配合した場合におけるコークス強度DIの変化代:ΔDIijを意味している。
粒径範囲d1ij≦d≦d2ijにおけるΔDIij−粒径dijは、上に凸か、下に凸の相関を示すが、この相関を何らかの関数曲線で近似し、DIij(d)を設定する。
DIij(d)が、粒径範囲d1ij≦d≦d2ijで、上に凸の曲線であると、ΔDIijは、コークス強度DIの向上代(DI向上代)を意味し、下に凸の曲線であると、DI低下代を意味する。
なお、上に凸の曲線、及び、下に凸の曲線を表示する関数は、粒径範囲d1ij≦d≦d2ijにおける上に凸、又は、下に凸の相関をできるだけ正確に表示できる関数であればよく、関数形態に拘る必要はない。
<2−1>向上代ΔDI'ijを得る場合における配合率X'jの決定又は算出
上に凸のDI調整関数:DIij(d)に基づいて、下記手順に従って、原料炭に配合する成型炭の配合率X’j(%)を決定又は算出する。
(1)配合する成型炭の粒径d1'ij〜d2'ij(d1'ij<d2'ij)を設定する。
(2)算出根拠のDI調整関数:DIij(d)(配合率:Xj、d1ij≦d1'ij<d2'ij≦d2ij)を選択する。
(3)粒径分布関数:fij(d)(∫d1'ij d2'ijfij(x)dx=1 となるように規格化した粒径分布関数)の粒径d1'ij〜d2'ijの成型炭を、配合率Xjで配合した場合におけるDI向上代:ΔDIijを、下記式で算出する。
ΔDIij=∫d1'ij d2'ijDIij(x)fij(x)dx
(4)向上代ΔDI'ijを得る場合における粒径d1'ij〜d2'ijの成型炭の配合率X'jを下記式で算出する。
X'j=(ΔDI'ij/ΔDIij)×Xm
<2-2>向上代ΔDI'ijを得る場合における成型炭粒径d'ijの決定又は算出
上に凸のDI調整関数:DIij(d)に基づいて、下記手順に従って、原料炭に配合する成型炭の粒径d'ijを決定又は算出する。
(1)配合する成型炭の配合比率X'j(%)を設定する。
(2)算出根拠のDI調整関数:DIij(d)(配合率:X'j、d1ij≦d1'ij<d2'ij≦d2ij)を選択する。
(3)粒径分布関数:fij(d)(∫d1'ij d2'ijfij(x)dx=1 となるように規格化した粒径分布関数)の粒径d1'ij〜d2'ijの成型炭を配合率X'jで配合した場合におけるDI向上代:ΔDIijを下記式で求め、向上代ΔDI'ijとΔDIijが等しくなるように、下記式において粒径d1'ij〜d2'ijを調整することにより、向上代ΔDI'ijを得る場合における成型炭粒径d1'ij〜d2'ijを算出する。
ΔDIij=∫d1'ij d2'ijDIij(x)fij(x)dx
<3−1>低下代をΔDI'ijに抑制する場合における配合率X'jの決定又は算出
下に凸のDI調整関数:DIij(d)に基づいて、下記手順に従って、原料炭に配合する成型炭の配合率X'j(%)を決定又は算出する。基本的には、上記<2−1>の場合と同様である。
(1)配合しない成型炭の粒径d1'ij〜d2'ij(d1'ij<d2'ij)を設定する。
(2)算出根拠のDI調整関数:DIij(d)(配合率:Xj、d1ij≦d1'ij<d2'ij≦d2ij)を選択する。
(3)粒径分布関数:fij(d)(∫d1ij d1'ijfij(x)dx+∫d2'ij d2ijfij(x)dx=1となるように規格化した粒径分布関数)の粒径d1ij〜d1'ij及び粒径d2'ij〜d2ijの成型炭を配合率Xjで配合した場合におけるDI低下代:ΔDIijを、下記式で算出する。
ΔDIij=∫d1ij d1'ijDIij(x)fij(x)dx+∫d2'ij d2ijDIij(x)fij(x)dx
(4)低下代をΔDI'ijに抑制する場合における粒径d1ij〜d1'ij及び粒径d2'ij〜d2ijの成型炭の配合率X'jを下記式で算出する。
X'j=(ΔDI'ij/ΔDIij)×Xm
<3-2>低下代をΔDI'ijに抑制する場合における成型炭粒径d'ijの決定又は算出
下に凸のDI調整関数:DIij(d)に基づいて、下記手順に従って、原料炭に配合する成型炭の粒径d'ijを決定又は算出する。
(1)配合しない成型炭の配合比率X'j(%)を設定する。
(2)算出根拠のDI調整関数:DIij(d)(配合率:X'j、d1ij≦d1'ij<d2'ij≦d2ij)を選択する。
(3)粒径分布関数:fij(d)(∫d1ij d1'ijfij(x)dx+∫d2'ij d2ijfij(x)dx=1となるように規格化した粒径分布関数)の粒径d1ij〜d1'ij及び粒径d2'ij〜d2ijの成型炭を配合率X'jで配合した場合におけるDI低下代:ΔDIijを下記式で求め、目標低下代ΔDI'ijとΔDIijが等しくなるように、下記式において粒径d1'ij〜d2'ijを調整することにより、低下代をΔDI'ijに抑制する場合における成型炭粒径d1'ij〜d2'ijを算出する。
ΔDIij=∫d1ij d1'ijDIij(x)fij(x)dx+∫d2'ij d2ijDIij(x)fij(x)dx
以上のように、空隙充填度Ziの成型炭を配合率Xjで配合した場合におけるDI調整関数:DIij(d)が予め解っていれば、DIij(d)に基づいて、所要のコークス強度を得るために配合する成型炭の粒径範囲d1'〜d2'又は粒径範囲d1〜d1'及び粒径d2'〜d2、及び、配合率X'jを、決定又は算出することができる。
上記粒径範囲を規定するd1及びd2は、配合率Xj及び成型炭の空隙充填率Zjにより異なるが、配合率Xjが15〜30%の範囲、成型炭の空隙充填率Zjが1.2〜1.8の範囲においては、本発明者の試験結果によれば、d1'≒5mm、d2'≒15mmであった。
本発明において、成型炭の配合の適否は、成型炭の空隙充填度Zで評価するから、成型炭は、特定の銘柄、組成の石炭粒で成型されたものである必要はなく、適宜選択した銘柄の石炭粒を適宜混合して成型したものでよい。粉砕し、配合した原料炭を乾燥分級機で乾燥・分級処理を行った微粉炭のみを成型してもよいし、微粉炭に粘結材を混合して成型したものを用いてもよい。
実際に成型炭を製造する場合、粒径範囲d'1〜d'2(d1'<d2')の成型炭が、コークス強度DIを高める成型炭(向上代ΔDIの成型炭)であれば、粒径範囲d1'〜d2'の成型炭を増産する成型態様を採用する。
図4に、上記成型態様の一例を示す。成型機1から排出された成型炭から、上段篩機2で、+d2'(d2'<d)の成型炭を分別・回収する。回収した成型炭を、粉砕機4で粉砕し上段篩機2へ循環する。上段篩機2を通過した−d2'(d≦d2')の成型炭から、下段篩機3で、原料炭へ配合する+d1'(d≧d1')の成型炭6(粒径範囲d1'〜d2'(mm)の成型炭)を分別・回収する。下段篩機3を通過した−d1'(d<d1')の成型炭は、成型炭原料5に混合され成型機1へ供給される。
なお、図4に示す成形態様においては、+d2'(d2'<d)の成型炭、及び、−d1'(d<d1')の成型炭を循環し、成型炭原料を、全て、粒径範囲d1'〜d2'(mm)の成型炭に成型する態様を示したが、篩機を用いず、成型機1で、粒径範囲d1'〜d2'の成型炭を、直接、成型してもよいし、また、粉砕機4からでる粉砕粉(d<d2')の一部、及び/又は、下段篩機3を通過した篩下粉(d<d1')の一部を、成型炭による変化代ΔDIを損なわない範囲で、配合用成型炭6に混合してもよい。
また、成型炭を製造する場合、粒径範囲d1'〜d2'の成型炭が、コークス強度DIを低下する成型炭(低下代ΔDIの成型炭)であれば、粒径d1'〜d2'の成型炭を排除する成型態様を採用する。
図5に、上記成型態様例を示す。成型機1から排出された成型炭から、上段篩機2で、原料炭へ配合する+d2'(d2'≦d)の成型炭6を分別・回収する。上段篩機2を通過した−d2'(d2'>d)の成型炭から、下段篩機3で、+d1'(d>d1')の成型炭(粒径範囲d1'未満〜d2'未満の成型炭)を分別・回収する。下段篩機3を通過した−d1'(d≦d1')の成型炭を、原料炭へ配合する成型炭として回収する。
下段篩機3で分別・回収した+d1'(d>d1')の成型炭(粒径範囲d1'未満〜d2'未満の成型炭)は、成型炭原料5へ混合されて成型機1へ再度供給されるか、又は、粉砕機4で粉砕され下段篩機3へ循環される。
なお、この成型態様において、成型炭原料5を、全量、粒径範囲−d1'(d≦d1')、+d2'(d2'≦d)の成型炭に成型するのではなく、下段篩機3で分別・回収した+d1'(d>d1')の成型炭(粒径範囲d1'未満〜d2'未満の成型炭)を、成型炭の低下代ΔDIを増大せしめない範囲で、配合用成型炭6に混合してもよい。
粒径範囲d1'(mm)未満〜d2'(mm)未満の成型炭を排除した成型炭、又は、粒径範囲d1'〜d2'(mm)の成型炭の配合割合は、所望の強度特性を考慮して、適宜設定すればよく、特定の配合割合に限定されないが、d1'〜d2'(mm)≒5〜15(mm)の場合、10〜50質量%が好ましい。
本発明において、粒径を調整した成型炭を配合する原料炭は、特定の銘柄、組成のものに限定されない。原料炭は、低炭化度及び/又は高炭化度の非微粘結炭を含むものでもよい。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例の条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
(実施例1)
<1>DI調整関数:DIij(d)の設定
下記式(1”)で定義する空隙充填度Zi=1.5の成型炭iを配合率Xj=20%で原料炭に配合し、乾留した時のコークス強度DIijを測定し、空隙充填度Zi=1.5、配合率Xj=20%での成型炭粒径(dij)−コークス強度(DIij)曲線を得た。
Zi=SVi×BD ……(1”)
ここで、SVi:成型炭iを構成する石炭の軟化時の比容積=1.875(cm3/g)
BD:コークス炉装入時の配合炭の嵩密度=0.80(g/cm3
上記成型炭粒径(dij)−コークス強度(DIij)曲線において、DIij=DIij(0)(基準DIij)となる粒径範囲は、d<5mm(=d1ij)、及び、d>15mm(=d2ij)であった。
ここで、下記式(2”)で定義するDI調整関数:DIij(d)を設定した。
DIij(d)=DIij−DIij(0) ……(2”)
DIij(d)は、図6に示すように、粒径範囲:d<5mm、15mm<dで、DIij(d)=0であり、粒径範囲:5mm≦d≦15mmで、DIij(d)≠0であり、粒径5〜15mmの範囲で、粒径dij(mm)の成型炭を配合率Xj=20%で原料炭に配合した場合におけるコークス強度DIの変化代:ΔDIijを意味している。
<2−1>向上代ΔDI'ijを得る場合における配合率X'jの決定又は算出例1
(1)配合する成型炭の粒径:d1'ij〜d2'ijは、d1'ij=5mm、d2'ij=15mmとした。
(2)実施例1の<1>で求めたDI調整関数:DIij(d)(配合率:Xj=20%、粒径:5〜15mm)を算出根拠とした。
(3)粒径分布関数:fij(d)(∫d1'ij d2'ijfij(x)dx=1となるように規格化した粒径分布関数)の粒径d1'ij〜d2'ijの成型炭を配合率Xjで配合した場合におけるDI向上代:ΔDIijを、下記式で算出する。
ΔDIij=∫d1'ij d2'ijDIij(x)fij(x)dx
この場合のfij(d)を、図7に示す。即ち、fij(d)は、図7に示すように、
d=5〜7mm、13〜15mm : fij(d)=0.1
d=7〜9mm、11〜13mm : fij(d)=0.2
d=9〜11mm : fij(d)=0.4
であり、ΔDIijは、表2に示すように、ΔDIij=0.68となる。
Figure 0004890200
(4)目標とするDI向上代ΔDI'ij=0.5の場合において、粒径d1'ij〜d2'ijの成型炭の配合率X'jを、下記式で算出する。
X'j=(ΔDI'ij/ΔDIij)×Xm=0.5/0.68×20%=14.1%
したがって、空隙充填度Zi=1.5の粒径5〜15mmの成型炭iを、14.1%(=X'j)配合することにより、ΔDI'ij=0.5を得ることができる。
実際に、上記粒径範囲の成型炭を14.1%配合してコークスを製造したところ、DI向上代0.5を得ることができた(表5中、発明例1、参照)。
(実施例2)
<2−2>向上代ΔDI'ijを得る場合における配合率X'jの決定又は算出例2
(1)配合する成型炭の粒径:d1'ij〜d2'ijは、d1'ij=7mm、d2'ij=13mmとした。
(2)実施例1の<1>で求めたDI調整関数:DIij(d)(配合率:Xj=20%、粒径:5〜15mm)を算出根拠とした。
(3)粒径分布関数:fij(d)(∫d1'ij d2'ijfij(x)dx=1となるように規格化した粒径分布関数)の粒径d1'ij〜d2'ijの成型炭を配合率Xjで配合した場合におけるDI向上代:ΔDIijを、下記式で算出する。
ΔDIij=∫d1'ij d2'ijDIij(x)fij(x)dx
この場合のfij(d)を、図8に示す。即ち、fij(d)は、図8に示すように、
d=7〜9mm、11〜13mm : fij(d)=0.25
d=9〜11mm : fij(d)=0.5
であり、ΔDIijは、表3に示すように、ΔDIij=0.80となる。
Figure 0004890200
(4)目標とするDI向上代ΔDI'ij=0.5の場合において、粒径d1'ij〜d2'ijの成型炭の配合率X'jを、下記式で算出する。
X'j=(ΔDI'ij/ΔDIij)×Xm=0.5/0.8×20%=12.5%
したがって、空隙充填度Zi=1.5の7〜13mmの成型炭iを12.5%(=X'j)配合することにより、ΔDI'ij=0.5を得ることができる。
実際に、上記粒径範囲の成型炭を12.5%配合してコークスを製造したところ、DI向上代0.5を得ることができた(表5中、発明例2、参照)。
(実施例3)
<2−3>低下代をΔDI'ijに抑制する場合における配合率X'jの決定又は算出例3
(1)配合しない成型炭の粒径d1'ij〜d2'ijは、d1'ij=7mm、d2'ij=13mmとした。
(2)算出根拠のDI調整関数:DIij(d)(配合率:Xj=20%、d1ij≦d1'ij<d2'ij≦d2ij)を、実施例1の<1>と同様にして求めた。求めたDI調整関数:DIij(d)を、図9に示す。
ここで、空隙充填度Zi=1.2、配合率Xj=20%、SVi=1.56(cm3/g)、BD=0.77(g/cm3)であった。
(3)粒径分布関数:fij(d)(∫d1ij d1'ijfij(x)dx+∫d2'ij d2ijfij(x)dx=1となるように規格化した粒径分布関数)の粒径d1ij〜d1'ij及び粒径d2'ij〜d2ijの成型炭を配合率Xjで配合した場合におけるDI低下代:ΔDIijを、下記式で算出する。
ΔDIij=∫d1ij d1'ijDIij(x)fij(x)dx+∫d2'ij d2ijDIij(x)fij(x)dx
この場合のfij(d)を、図10に示す。即ち、fij(d)は、図10に示すように、
d=5〜7mm : fij(d)=0.5
d=13〜15mm : fij(d)=0.5
であり、ΔDIijは、表4に示すように、ΔDIij=−0.20とすることができる。
Figure 0004890200
(4)DI低下代をΔDI'ij=−0.3に抑制することを目標とした場合において、粒径d1ij〜d1'ij及び粒径d2'ij〜d2ijの成型炭の配合率X'jを、下記式で算出する。
X'j=(ΔDI'ij/ΔDIij)×Xm=(−0.3)/(−0.2)×20%=30%
したがって、空隙充填度Zi=1.2の5〜7mm及び13〜15mmの成型炭iを、30%(=X'j)配合することにより、ΔDI'ij=−0.3とすることができる。
実際に、上記粒径範囲の成型炭を30%配合してコークスを製造したところ、DI低下代を、−0.3に抑制することができた(表5中、発明例3、参照)。
ここで、実施例1〜3の結果を、発明例1〜3として、表5に示す。
Figure 0004890200
(実施例4)
さらに、配合率を20%とし、空隙充填度Ziを変えて、DI調整関数:DIij(d)を求め、ΔDIij、粒径分布fij(d)であるDI向上代又はDI低下代を算出した。
DI向上代又はDI低下代、及び、配合する成型炭の粒径範囲を設定し、設定したDI向上代又はDI低下代をもたらす成型炭の配合率Xjを算出した。
実際に、所要の粒径範囲の成型炭を、上記算出配合率で配合してコークスを製造したところ、設定どおりのDI向上代又はDI低下代を得ることができた。その結果を、表5に、発明例4〜6として示す。
前述したように、本発明によれば、低品質コークス原料を用いて、従来以上に強度の高いコークスを製造することができる。したがって、本発明は、鉄鋼産業を支えるコークス製造産業において利用される可能性の高い発明である。
成型炭粒径とドラム強度指数DI150 15との関係を示す図である。 配合炭の全膨張率TD(%)とコークス強度変化ΔDI150 15との関係を示す図である。 空隙充填度Ziの成型炭(粒径d)を配合率Xjで配合した時の、成型炭粒径d(mm)とコークス強度DIの変化代ΔDIとの関係を模式的に示す図である。 所要の粒径範囲の成型炭を分別・回収する成型態様の例を示す図である。 所要の粒径範囲の成型炭を分別・回収する成型態様の他の例を示す図である。 DI調整関数:DIij(d)の一例を示す図である。 粒径分布fij(d)を示す図である。 別の粒径分布fij(d)を示す図である。 DI調整関数:DIij(d)の別の一例を示す図である。 別の粒径分布fij(d)を示す図である。
符号の説明
1 成型機
2 上段篩機
3 下段篩機
4 粉砕機
5 成型炭原料
6 配合用成型炭

Claims (8)

  1. 成型炭を原料炭に配合して高強度コークスを製造する製造方法において、
    (a)成型炭につき、下記式(1)で定義する空隙充填度Zを測定し、
    (b)空隙充填度Zで粒径d(mm)の成型炭を、配合率X(%)で原料炭に配合してコークス強度DIを測定し、
    (c)上記測定結果に基づいて、配合率X(%)におけるコークス強度DIの変化代(DI向上代又はDI低下代):ΔDIと粒径d(mm)の関係を規定する関数DI(d)を設定し、
    (d)関数DI(d)に基づいて、所要のコークス強度DIの変化代(DI向上代又はDI低下代):ΔDIを達成する成型炭の粒径d(mm)又は配合率X(%)を算出し、
    (e)上記算出値に基づいて、空隙充填度Zの成型炭を原料炭に配合する
    ことを特徴とする高強度コークスの製造方法。
    Z=SV×BD ……(1)
    ここで、SV:成型炭を構成する石炭の軟化時の比容積(cm3/g)
    BD:コークス炉装入時の配合炭の嵩密度(g/cm3
  2. 成型炭を原料炭に配合して高強度コークスを製造する製造方法において、
    (a)下記式(1)で定義する空隙充填度Zの成型炭の粒径d(mm)及び配合率X(%)を、コークス強度DIの変化代(DI向上代又はDI低下代):ΔDIを調整する、下記式(2)で定義するDI調整関数:DI(d)に基づいて算出し、
    (b)上記算出値に基づいて、空隙充填度Zの成型炭を原料炭に配合する
    ことを特徴とする高強度コークスの製造方法。
    Z=SV×BD ……(1)
    ここで、SV:成型炭を構成する石炭の軟化時の比容積(cm3/g)
    BD:コークス炉装入時の配合炭の嵩密度(g/cm3
    DI(d)=DI−DI(0) ……(2)
    ここで、DI:空隙充填度Zで粒径d(mm)の成型炭を、配合率Xで原料炭に配合し て乾留した時のコークス強度
    DI(0):d<d1、d2<dでのDI(基準DI)、d1、d2:定数
    DI(d)=0(d<d1、d2<d)
    DI(d)≠0(d1≦d≦d2)
  3. 前記DI(d)は、d1≦d≦d2で、上に凸の曲線であることを特徴とする請求項2に記載の高強度コークスの製造方法。
  4. 前記DI(d)は、d1≦d≦d2で、下に凸の曲線であることを特徴とする請求項2に記載の高強度コークスの製造方法。
  5. 前記上に凸の曲線において、粒径d1〜d2(d1<d2)の成型炭の粒径分布yを、関数:f(x)で表す時、粒径d1〜d2の成型炭を配合率Xで原料炭に配合した時のDI向上代:ΔDIが、下記式:
    d1 d2DI(x)f(x)dx
    に対応することを特徴とする請求項3に記載の高強度コークスの製造方法。
  6. 前記下に凸の曲線において、粒径d1〜d2(d1<d2)の成型炭の粒径分布yを、関数:f(x)で表す時、粒径d1〜d2の成型炭を配合率Xで原料炭に配合した時のDI低下代:ΔDIが、下記式:
    d1 d2DI(x)f(x)dx
    に対応することを特徴とする請求項4に記載の高強度コークスの製造方法。
  7. 前記上に凸の曲線に従い、空隙充填度Zの成型炭を原料炭に配合し、コークス強度をΔDI'向上せしめる時、向上代ΔDI'を確保する成型炭の配合率X'を、下記手順に従い決定又は算出することを特徴とする請求項5に記載の高強度コークスの製造方法。
    (1)配合する成型炭の粒径d1'〜d2'(d1'<d2')、粒径分布関数:f(x)を設定する。
    (2)算出根拠のDI調整関数:DI(d)(配合率:X、d1≦d1'<d2'≦d2)を選択する。
    (3)粒径d1'〜d2'の成型炭を配合率Xで配合した時のDI向上代:ΔDIを、下記式で算出する。
    ΔDI=∫d1' d2'DI(x)f(x)dx
    (4)粒径d1'〜d2'の成型炭の配合率X'を下記式で算出する。
    X'=(ΔDI'/ΔDI)×X
  8. 前記下に凸の曲線に従い、空隙充填度Zの成型炭を原料炭に配合し、コークス強度の低下をΔDI'に抑制する時、低下代ΔDI'に抑制する成型炭の配合率X'を、下記手順に従い決定又は算出することを特徴とする請求項6に記載の高強度コークスの製造方法。
    (1)配合しない成型炭の粒径d1〜d1'及び粒径d2'〜d2における成型炭の粒径分布関数:f(x)を設定する。
    (2)算出根拠のDI調整関数:DI(d)(配合率:X、d1≦d1'<d2'≦d2)を選択する。
    (3)粒径d1〜d1'及び粒径d2'〜d2の成型炭を配合率Xで配合した時のDI低下代:ΔDI(≧ΔDI')を、下記式で算出する。
    ΔDI=∫d1 d1'DI(x)f(x)dx+∫d2' d2DI(x)f(x)dx
    (4)粒径d1〜d1'及び粒径d2'〜d2の成型炭の配合率X'を下記式で算出する。
    X'=(ΔDI'/ΔDI)×X
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