JP2018039868A - コークスの製造方法 - Google Patents
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Description
複数種の単味炭を配合して得られる装入炭を乾留することによりコークスを製造するコークスの製造方法であって、
ギーセラー最高流動度が350ddpm未満の単味炭に対して、以下の工程A〜工程Cを行うコークスの製造方法。
下記手順(a)〜(c)により、各単味炭の指標dHIを得る工程A、
手順(a):単味炭を加熱した際の加熱減量を用いて下記式(1)により算出される値を指標IH/Cとする。
IH/C=aX0+b・・・式(1)
(ただし、X0=加熱減量(mg/g-coal.daf)、また、a及びbは定数)
手順(b):前記手順(a)の際に発生したガス中のCH4,CO,CO2の発生量を用いて下記式(2)により算出される値を指標IO/Cとする。
IO/C=cX1+d・・・式(2)
(ただし、X1=1−[CH4/(CH4+CO+CO2)]、また、c及びdは定数)
手順(c):指標dHI=(指標IH/C−指標IO/C)を算出する。
各単味炭を、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が80%となるように粉砕したときの、単味炭組織全体に対する、面積が34500μm2以上のイナートの含有量(g/100g−Coal)と、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が100%となるように粉砕したときの、単味炭組織全体に対する、面積が34500μm2以上のイナートの含有量(g/100g−Coal)との差であるΔ大イナートサイズ(g/100g−Coal)を求める工程B、及び、
各単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(3)により算出する工程C。
Y=e×X2+f×X3+g×X4+h・・・・・・・式(3)
(ただし、X2は、指標dHIであり、X3は、TI(イナート組織全量の石炭全体に対する体積割合)であり、X4は、Δ大イナートサイズであり、e、f、g及びhは定数である。)
その結果、流動性の低い単味炭の中で、粉砕の順位付けや粉砕粒度を決定することができる。
以上により、粉砕粒度をより適正化して、製造されるコークスの強度を高強度化することが可能となる。
なお、特許文献1では、すべての原料炭について、イナート組織の長さサイズに応じて、粉砕粒度を決定しており、各原料炭の流動性を考慮していない。
所定の目開きの篩で各前記単味炭を篩分けする工程D、
前記工程Dにより篩分けされた所定粒度以下のフラクションの全膨張率を、ジラトメーターにより測定する工程E、及び、
粉砕効果を示す値Yを、下記式(4)により算出する工程F。
Y=i×X5+j×X6+k・・・・・・・式(4)
(ただし、X5は、ギーセラー最高流動度(ddpm)であり、X6は、所定粒度以下のフラクションの全膨張率であり、i、j及びkは定数である。)
その結果、流動性の低い単味炭と流動性の高い単味炭とを合わせた全部の単味炭の中で、粉砕の順位付けや粉砕粒度を決定することができる。
複数種の単味炭を配合して得られる装入炭を乾留することによりコークスを製造するコークスの製造方法であって、
ギーセラー最高流動度が350ddpm未満の単味炭に対して、以下の工程A〜工程Cを少なくとも行うコークスの製造方法。
下記手順(a)〜(c)により、各単味炭の指標dHIを得る工程A、
手順(a):単味炭を加熱した際の加熱減量を用いて下記式(1)により算出される値を指標IH/Cとする。
IH/C=aX0+b・・・式(1)
(ただし、X0=加熱減量(mg/g-coal.daf)、また、a及びbは定数)
手順(b):前記手順(a)の際に発生したガス中のCH4,CO,CO2の発生量を用いて下記式(2)により算出される値を指標IO/Cとする。
IO/C=cX1+d・・・式(2)
(ただし、X1=1−[CH4/(CH4+CO+CO2)]、また、c及びdは定数)
手順(c):指標dHI=(指標IH/C−指標IO/C)を算出する。
各単味炭を、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が80%となるように粉砕したときの、単味炭組織全体に対する、面積が34500μm2以上のイナートの含有量(g/100g−Coal)と、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が100%となるまで粉砕したときの、単味炭組織全体に対する、面積が34500μm2以上のイナートの含有量(g/100g−Coal)との差であるΔ大イナートサイズ(g/100g−Coal)を求める工程B、及び、
各単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(3)により算出する工程C。
Y=e×X2+f×X3+g×X4+h・・・・・・・式(3)
(ただし、X2は、指標dHIであり、X3は、TI(イナート組織全量の石炭全体に対する体積割合)であり、X4は、Δ大イナートサイズであり、e、f、g及びhは定数である。)
まず、工程Aにおいて、ギーセラー最高流動度が350ddpm未満の単味炭に対して、下記手順(a)〜(c)により、各単味炭の指標dHIを得る。
手順(a):単味炭を加熱した際の加熱減量を用いて下記式(1)により算出される値を指標IH/Cとする。
IH/C=aX0+b・・・式(1)
(ただし、X0=加熱減量(mg/g-coal.daf)、また、a及びbは定数)
手順(b):前記手順(a)の際に発生したガス中のCH4,CO,CO2の発生量を用いて下記式(2)により算出される値を指標IO/Cとする。
IO/C=cX1+d・・・式(2)
(ただし、X1=1−[CH4/(CH4+CO+CO2)]、また、c及びdは定数)
手順(c):指標dHI=(指標IH/C−指標IO/C)を算出する。
次に、各単味炭を、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が80%となるように粉砕したときの、単味炭組織全体に対する、面積が34500μm2以上のイナートの含有量(g/100g−Coal)と、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が100%となるまで粉砕したときの、単味炭組織全体に対する、面積が34500μm2以上のイナートの含有量(g/100g−Coal)との差であるΔ大イナートサイズ(g/100g−Coal)を求める。
次に、各単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(3)により算出する。
Y=e×X2+f×X3+g×X4+h・・・・・・・式(3)
(ただし、X2は、指標dHIであり、X3は、TI(イナート組織全量の石炭全体に対する体積割合)であり、X4は、Δ大イナートサイズであり、e、f、g及びhは定数である。)
なお、定数e〜hは、炉の型式や操業方法によって決まる定数であり、多数の測定データを統計的に解析することによって求めることができる。
工程Dにおいて、ギーセラー最高流動度が350ddpm以上の単味炭に対して、所定の目開きの篩で各前記単味炭を篩分けする。
次に、前記工程Dにより篩分けされた所定粒度以下のフラクションの全膨張率を、ジラトメーターにより測定する。
次に、粉砕効果を示す値Yを、下記式(4)により算出する工程F。
Y=i×X5+j×X6+k・・・・・・・式(4)
(ただし、X5は、ギーセラー最高流動度(ddpm)であり、X6は、所定粒度以下のフラクションの全膨張率であり、i、j及びkは定数である。)
工程A〜工程Fの後、すべての単味炭(ギーセラー最高流動度が350ddpm未満の単味炭、及び、ギーセラー最高流動度が350ddpm以上の単味炭)の中から、少なくとも前記値Yの一番大きい単味炭を決定する。本実施形態では、少なくとも前記値Yの一番大きい単味炭がどれであるかを決定するのが好ましいが、前記値Yの値が大きい順に単味炭の順位を決定することがより好ましい。なお、順位を決定する場合、すべての単味炭について順位をつけてもよいが、上位の数種類にのみ順位をつけてもよい。例えば、10種の単味炭を配合する場合に、前記値Yの大きい5番目までにのみ順位をつけることとしてもよい。
本実施形態では、ギーセラー最高流動度が350ddpm未満の単味炭と、ギーセラー最高流動度が350ddpm以上の単味炭とで、値Yを求めるための式を変更している。これは、単味炭の流動性に応じて、粉砕効果と相関するパラメータが異なることを本発明者らが発見したことによる。
本実施形態では、ギーセラー最高流動度が350ddpm未満の単味炭と、ギーセラー最高流動度が350ddpm以上の単味炭とで、値Yを求めるための式を変更し、流動性に関わらず、算出される粉砕効果(推定粉砕効果)が、実際の粉砕効果と高い相関が得られるようになっている。その結果、流動性の低い単味炭と流動性の高い単味炭とを合わせた全部の単味炭の中で、粉砕の順位付けや粉砕粒度を決定することができる。
次に、少なくとも前記値Yが一番大きいと決定された単味炭を粉砕することが好ましい。工程Gにおいて決定された、前記値Yの一番大きい単味炭は、粉砕効果の最も大きい単味炭である。粉砕効果が大きいとは、同量の単味炭を粉砕した際に、コークス強度の向上の程度が大きいことをいう。
つまり、工程Gにおいて複数種のなかで粉砕効果の最も大きいと決定された単味炭を、工程Hにおいて粉砕すれば、装入炭全体の粉砕粒度が細かくなりすぎない態様で、コークス強度を効率的に高強度化することができる。
<コークス強度DIの実測値と推定値との相関関係の検証>
まず、表1に示す8種類の銘柄の単味炭(A炭〜H炭)を準備した。
表1には、これらの単味炭の性状(VM、Ro、MF、TI、IH/C、IO/C、dHI、Δ大イナートサイズ、全膨張率、−0.5mm全膨張率)について、示している。dHIは、IH/CからIO/Cを引いた値、すなわち、dHI=[IH/C−IO/C]である。
なお、指標IH/Cと指標IO/Cとを求めるのに必要な加熱減量、及び、CH4,CO,CO2の発生量は、リガク社製の装置名:示差熱天秤―質量分析同時測定装置 ThermoMass (TG-MS)を用い、800℃になるまで加熱して得た値を用いた。
表1中、VM、Ro、MF、TI、全膨張率、−0.5mm全膨張率は、下記を意味する。
VM:空気との接触を断って、既定の条件のもとで試料を加熱したときの、質量減少率から水分を差引いた値(JIS M 8812に従って測定できる。)
Ro:ビトリニット(主として植物の木質部に由来する微細組織)の反射率測定において、1個の研磨試料の50点以上の最大反射率の平均値。原料石炭の石炭化度を示すパラメーター。)
MF:ギーセラー最高流動度(ギーセラ−プラストメーターを使用する試験(JISM8801にその詳細が規定されている石炭の加熱軟化溶融特性試験)において回転翼が最高回転数を示す値の対数値。原料石炭の粘結性を代表する指標。)
TI:イナート組織全量の石炭全体に対する体積割合(JIS M 8816に従って測定できる。)
全膨張率:篩分けしていない状態の単味炭の全膨張率
−0.5mm全膨張率:篩分けしていない状態の単味炭を目開き0.5mmの篩で篩分けした後の、粒度0.5mm以下のフラクションの全膨張率
上記全膨張率、及び、−0.5mm全膨張率は、いずれも、JIS M8801に記載の膨張性測定方法(ジラトメーター法)により測定される収縮率及び膨張率の和(Total Dilatation)である。
まず、各単味炭を、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が80%となるように粉砕した場合と、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が100%となるまで粉砕した場合とについて、粒径ごとに区切り、各粒径範囲に含まれる単味炭の重量割合を求めた。結果を表2に示す。
各粒径範囲に含まれる単味炭の重量割合は、以下のようにして求めた。
まず、下記目開きの篩を用いて、ロータップ型ふるい振とう機(飯田製作所製)にて各粒径に篩分けした。
目開き:50mm、25mm、15mm、9.5mm、5.6mm、3.0mm、1.5mm、0.5mm、0.25mm、0.15mm、0.075mm
次に、下記式にて重量割合を求めた。なお、重量割合は、各篩上の重量の百分率である。
(重量割合,%)=[(各篩上の重量,g)/(全重量,g)]×100
例えば、銘柄Aについて見てみると、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が80%となるまで粉砕した場合、粒径が9.5−5.6mmの範囲内となる石炭は、5.5%であり、粒径が3.0−1.5mmの範囲内となる石炭は、19.6%であり、粒径が1.5−0.5mmの範囲内となる石炭は、31.1%であり、粒径が0.5−0.25mmの範囲内となる石炭は、12.5%である。一方、銘柄Aを、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が100%となるまで粉砕した場合粒径が3.0−1.5mmの範囲内となる石炭は、19.1%であり、粒径が1.5−0.5mmの範囲内となる石炭は、26.2%であり、粒径が0.5−0.25mmの範囲内となる炭は、9.2%である。
例えば、銘柄Aについて見てみると、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が80%となるまで粉砕した場合、粒径が9.5−5.6mmの範囲内となる石炭に含まれるイナートの面積率は、0.317であり、粒径が3.0−0.25mmの範囲内となる石炭に含まれるイナートの面積率は、0.155である。一方、銘柄Aを、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が100%となるまで粉砕した場合、粒径が3.0−1.5mmの範囲内となる石炭に含まれるイナートの面積率は、0.234であり、粒径が1.5−0.5mmの範囲内となる石炭に含まれるイナートの面積率は、0.150であり、粒径が0.5−0.25mmの範囲内となる石炭に含まれるイナートの面積率は、0.155である。
例えば、銘柄Aについて見てみると、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が80%となるように粉砕した場合、粒径が9.5−5.6mmの範囲内となる石炭に含まれるイナートのうち、面積が34500μm2以上のイナートの面積率は、0.353であり、粒径が3.0−0.25mmの範囲内となる石炭に含まれるイナートの面積率は、0.313である。一方、銘柄Aを、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が100%となるまで粉砕した場合、粒径が3.0−1.5mmの範囲内となる石炭に含まれるイナートのうち、面積が34500μm2以上のイナートの面積率は、0.424であり、粒径が1.5−0.5mmの範囲内となる石炭に含まれるイナートの面積率は、0.000であり、粒径が0.5−0.25mmの範囲内となる石炭に含まれるイナートの面積率は、0.000である。
例えば、銘柄Aについて見てみると、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が80%となるまで粉砕した場合、粒径が9.5−5.6mmの範囲内となる石炭に含まれる大イナートの割合は、(重量割合)×(イナート面積割合)×(大イナート面積割合)/(全体の重量割合)=(5.5×0.317×0.353)/(5.5+19.6+31.1+12.5)=0.0090となった。
その後、各単味炭ごとに大イナートの含有割合の合計を求めた。
例えば、銘柄Aについて見てみると、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が80%となるように粉砕した場合、大イナートの含有割合の合計は、0.0090+0.0445=0.0535となった。また、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が100%となるまで粉砕した場合、大イナートの含有割合の合計は、0.0347となった。
例えば、銘柄Aについて見てみると、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が100%となるまで粉砕した場合の大イナートの含有割合の合計である0.0347から、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が80%となるように粉砕した場合の大イナートの含有割合の合計である0.0535を引き、Δ大イナートサイズとして、−0.0188を得た。
(製造例1〜製造例8)
ベースとなる配合炭に、表6の「配合率」に示す配合率でA炭〜H炭のいずれかが配合された評価用配合炭を作製した。ベースとなる配合炭と、評価対象の石炭(A炭〜H炭)との合計が100%となるように配合した。例えば、製造例1では、ベースとなる配合炭80%に対して、A炭を20%配合して評価用配合炭とした。
配合する際には、粉砕粒度が3.0mm以下のものが含まれる割合を、表6の「3.0mm以下割合」に示す割合となるように、ハンマーミル、ジョークラッシャーあるいはコーヒーミルで粉砕した上で、配合した。
具体的には、各製造例において、それぞれ評価石炭(A炭〜H炭)の粉砕粒度を3.0mm以下が約80%となるものと、100%となるものとの2水準に粉砕した。
例えば、製造例1において製造例1−Aでは、評価石炭A(A炭)の粉砕粒度を、3.0mm以下が79.5%(A炭全体を100%としたときの3.0mm以下のものの割合が79.5%)となるようにする一方、製造例1−Bでは、100%とした。
得られたコークスをシャッター試験2回実施後、ドラム試験機で150回転させ、DI150 15を測定した。結果を表6に示す。また、実測粉砕効果も表6に示した。実測粉砕効果は、粒度3.0mm以下の石炭1%当たりのDI向上量である。例えば、製造例1では、粒度3.0mm以下の炭が20.5%増加すると(100%−79.5%=20.5%)、DIが0.2向上しているから(84.7−84.5=0.2)、実測粉砕効果は、約0.010となる(0.2/20.5≒0.010)。ここで、実測粉砕効果の値が大きいほど、粉砕による強度向上の効果が大きいことを意味する。
<ギーセラー最高流動度が350ddpm未満の単味炭について>
A炭〜E炭は、ギーセラー最高流動度が350ddpm未満である。そこで、A炭〜E炭については、推定粉砕効果を示す値Yを、下記式(3)により算出した。結果を表6に示す。
Y=e×X2+f×X3+g×X4+h・・・・・・・式(3)
(ただし、X2は、指標dHIであり、X3は、TI(イナート組織全量の石炭全体に対する体積割合)であり、X4は、Δ大イナートサイズであり、e、f、g及びhは定数である。具体的なe、f、g及びhは、下記の通りであり、炉の型式や操業方法によって決まる定数であり、多数の測定データを統計的に解析することによって求めることができる。)
e:−0.16798
f:0.00137
g:−1.50650
h:−0.09589
F炭〜H炭は、ギーセラー最高流動度が350ddpm以上である。そこで、F炭〜H炭については、推定粉砕効果を示す値Yを、下記式(4)により算出した。結果を表6に示す。
Y=i×X5+j×X6+k・・・・・・・式(4)
(ただし、X5は、ギーセラー最高流動度(ddpm)であり、X6は、所定粒度以下のフラクションの全膨張率であり、i、j及びkは定数である。具体的なi、j及びkは、下記の通りであり、重回帰分析により求めた。)
i:4.48×10−6
j:0.000834
k:−0.0320
図1からわかるように、実測粉砕効果の値と、本発明に係る推定粉砕効果の値とはよい相関を示している。従って、推定粉砕効果の値に基づいて各単味炭を粉砕すれば、装入炭全体の粉砕粒度が細かくなりすぎない態様で、コークス強度を効率的に高強度化することができることがわかる。
Claims (4)
- 複数種の単味炭を配合して得られる装入炭を乾留することによりコークスを製造するコークスの製造方法であって、
ギーセラー最高流動度が350ddpm未満の単味炭に対して、以下の工程A〜工程Cを行うコークスの製造方法。
下記手順(a)〜(c)により、各単味炭の指標dHIを得る工程A、
手順(a):単味炭を加熱した際の加熱減量を用いて下記式(1)により算出される値を指標IH/Cとする。
IH/C=aX0+b・・・式(1)
(ただし、X0=加熱減量(mg/g-coal.daf)、また、a及びbは定数)
手順(b):前記手順(a)の際に発生したガス中のCH4,CO,CO2の発生量を用いて下記式(2)により算出される値を指標IO/Cとする。
IO/C=cX1+d・・・式(2)
(ただし、X1=1−[CH4/(CH4+CO+CO2)]、また、c及びdは定数)
手順(c):指標dHI=(指標IH/C−指標IO/C)を算出する。
各単味炭を、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が80%となるように粉砕したときの、単味炭組織全体に対する、面積が34500μm2以上のイナートの含有量(g/100g−Coal)と、粉砕粒度3.0mm以下のものが含まれる割合が100%となるまで粉砕したときの、単味炭組織全体に対する、面積が34500μm2以上のイナートの含有量(g/100g−Coal)との差であるΔ大イナートサイズ(g/100g−Coal)を求める工程B、及び、
各単味炭の粉砕効果を示す値Yを、下記式(3)により算出する工程C。
Y=e×X2+f×X3+g×X4+h・・・・・・・式(3)
(ただし、X2は、指標dHIであり、X3は、TI(イナート組織全量の石炭全体に対する体積割合)であり、X4は、Δ大イナートサイズであり、e、f、g及びhは定数である。) - さらに、ギーセラー最高流動度が350ddpm以上の単味炭に対して、以下の工程D〜工程Fを行う請求項1に記載のコークスの製造方法。
所定の目開きの篩で各前記単味炭を篩分けする工程D、
前記工程Dにより篩分けされた所定粒度以下のフラクションの全膨張率を、ジラトメーターにより測定する工程E、及び、
粉砕効果を示す値Yを、下記式(4)により算出する工程F。
Y=i×X5+j×X6+k・・・・・・・式(4)
(ただし、X5は、ギーセラー最高流動度(ddpm)であり、X6は、所定粒度以下のフラクションの全膨張率であり、i、j及びkは定数である。) - さらに、
少なくとも前記値Yの一番大きい単味炭を決定する工程G、及び、
少なくとも前記値Yが一番大きいと決定された単味炭を粉砕する工程H
を含むことを特徴とする請求項2に記載のコークスの製造方法。 - 前記工程Gは、前記値Yの値が大きい順に単味炭の順位を決定する工程であり、
前記工程Hは、前記値Yの値が大きい順に単味炭を粉砕する工程である
ことを特徴とする請求項3に記載のコークスの製造方法。
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