JP2016065111A - コークスの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】成型炭を粉炭とともにコークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、成型炭に配合する劣質炭の量を増加しても、強度の高いコークスを安定して、安価に製造できる方法を提供する。
【解決手段】劣質炭を含む成型炭用の配合炭を粉砕し、粉砕後の配合炭に粘結補填材を添加して混練した後、成型機で成型して成型炭とし、この成型炭を、粉炭用の別の配合炭を粉砕して調製した粉炭とともにコークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、配合される石炭の全膨張率を加重平均した加重平均全膨張率をΣTDとし、配合炭を粉砕した後の粒径が3mm以下の石炭粒子の比率をRDとしたとき、成型炭用の配合炭として、ΣTDが40%未満で、RDが75質量%未満の配合炭を用い、更に、成型炭用の配合炭に対して、前記粘結補填材が9〜17質量%となるように添加して成型した成型炭を用いることを特徴とするコークスの製造方法。
【選択図】図4

Description

本発明は、コークスの製造方法に関し、特に、粘結補填材を添加し、劣質炭を配合してなる成型炭を、別の配合炭を粉砕して得られた粉炭とともにコークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法に関する。
高炉操業において、炉内の通気性を確保するために、コークスには所要の強度が求められる。一方、コークス用原料としての良質の強粘結炭は、資源的に枯渇状態にあるので、劣質炭を用いて、必要な強度を有するコークスを製造する方法が、多く提案されている。その一つとして、劣質炭を配合して成型炭とし、その成型炭と、別の配合炭を粉砕して調製した粉炭とを混合してコークス炉に装入する方法がある。
図1に、成型炭と粉炭とを混合してコークス炉で乾留してコークスを製造する際の処理フローを示す。この製造方法では、少なくとも劣質炭を含む配合炭Aを準備し、これを粉砕機で粉砕し、粉砕後の配合炭に粘結補填材を添加して混練機で混練した後、成型機で成型して成型炭とする。他方、別の配合炭Bを粉砕して粉炭とした後、例えば、粉炭70〜90質量%、成型炭10〜30質量%の割合で両者を混合し、コークス炉に装入し、乾留して、コークスを製造するものである。
この製造方法では、劣質炭を配合した石炭を見掛密度の高い成型炭とするため、コークス強度が改善される。また、装入嵩密度の低い粉炭に、見掛密度の高い成型炭を混合することにより、全体の嵩密度が向上し、粉炭のみを使用した場合よりも、コークス品質が改善される。
このような成型炭を用いる方法において、成型炭中の劣質炭の使用量をさらに増加するためには、劣質炭の使用量が増加しても、冷間強度の高いコークスを製造できるようにすることが必要である。上記の成型炭を用いるコークスの製造において、強度の高いコークスを製造する方法が、特許文献1、2及び3に開示されている。
特許文献1には、成型炭部と粉炭部のコークス強度をそれぞれ推定し、両者のコークス化時の重量割合からコークス強度を推定する際、成型炭に用いる原料の粒度、真比重、揮発分、膨張率と、成型炭の密度と、乾留条件から成型炭部のコークス強度を推定し、粉炭部も同様にして推定することにより、強度の高いコークスが得られる原料石炭の配合調整をより適正に行うことができる方法が開示されている。
特許文献2には、原料炭に、低品質コークス原料を成型して製造した成型炭を、成型炭の粒径を調整して配合し、従来以上に強度の高いコークスを製造する高強度コークスの製造方法が開示されている。
また、石炭を粉砕して塊成化する方法として、特許文献3には、粘結力指数80未満の石炭を3mm以下70質量%以上100質量%以下に粉砕し、粘結力指数80以上の石炭を2mm以下90質量%以上に粉砕し、これらの石炭を配合して塊成化し、塊成化した石炭のみを乾留して、高強度の成型コークスを得る方法が記載されている。
特開昭60−174951号公報 特開2008−120898号公報 特開2002−121568号公報
劣質炭を配合した成型炭を粉炭とともにコークス炉に装入してコークスを製造する際、特許文献1に開示の方法で、コークス強度を推定して使用する石炭原料を調整したり、特許文献2に開示の方法で、成型炭の粒径を調整したりしても、劣質炭の割合によっては、コークス強度が低下して、十分な強度が得られない場合があった。
また、特許文献3に開示の方法は、石炭の粒子を特別に細かくするものであり、所要とする電力量の増加や微粉の増加による粉塵の発生につながる。その上、この方法は、石炭を全量塊成化してコークス炉に装入し、塊成炭間の空隙を介した伝熱を利用して乾留時間を短縮するものであり、成型炭を粉炭に混合して乾留する場合における劣質炭の多量使用について、特に知見がない。
本発明者らは、成型炭と粉炭を用いて製造されるコークスの強度は、同一の粉炭を用いた場合においては、成型炭に由来する部分(成型炭部)のコークスの強度に依存すると考え、成型炭における、劣質炭の配合量及び石炭の粉砕粒度と、成型炭部のコークス強度との関係を調べた。その結果、成型炭では、劣質炭の配合量にかかわらず、石炭の粉砕粒度が大きいとき、成型炭部コークス強度が低くなった。また、石炭の粉砕粒度が大きいとき、劣質炭の配合量の増加とともに、成型炭部コークス強度が低下した。
これについて、劣質炭の配合量の指標であるΣTD(配合される石炭の全膨張率を加重平均した加重平均全膨張率)と、石炭の粉砕粒度の指標であるRD(配合炭を粉砕した後の粒径が3mm以下の石炭粒子の比率)を用いて示すと、ΣTD40%未満で、RD75%未満の配合炭を用いたとき、十分な成型炭部コークス強度を得ることができないことになる。しかし、RD75%未満の条件においても、ΣTD40%未満の成型炭を用いることが出来ると、低コストのまま所要とする電力量や微粉による粉塵の発生の抑制につながる。
そこで、本発明は、成型炭を粉炭とともにコークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、成型炭に配合する劣質炭の量を増加させても、石炭の粒子を特別に細かくすることなく、強度の高いコークスを安定して、安価に製造できる方法を提供することを課題とする。
ΣTDが40%未満で、RDが75%未満の配合炭を用いて作成した成型炭は、原料の石炭が粗いので、粗大なイナートを有する。さらに、本発明者らは、粗大な石炭粒子の周囲には局所的な空隙が存在することを見出した。一方で、劣質炭の配合量が多い場合においては、乾留後の石炭の膨れが十分でないため、本発明者らは、このような成型炭を乾留すると、粗大なイナートに起因した亀裂の生成に加え、石炭の膨張により、成型炭内の局所的な空隙が充填されず、成型炭部コークス強度が低下すると考えた。
そこで、本発明者らは、劣質炭の配合量を増加しても、石炭の粒子を特別に細かくせずに、成型炭部のコークス強度を高くするために、乾留途中で成型炭中の石炭を膨張させ、成型炭中の局所的な空隙を充填することで、石炭同士の接着を強化することを見出した。
このような検討を通してなされた本発明の要旨は、以下の通りである。
(1)少なくとも劣質炭を含む成型炭用の配合炭を粉砕し、粉砕後の配合炭に粘結補填材を添加して混練した後、成型機で成型して成型炭とし、この成型炭を、粉炭用の別の配合炭を粉砕して調製した粉炭とともにコークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、
配合される石炭の全膨張率を加重平均した加重平均全膨張率をΣTDとし、配合炭を粉砕した後の粒径が3mm以下の石炭粒子の比率をRDとしたとき、
成型炭用の配合炭として、ΣTDが40%未満で、RDが75質量%未満の配合炭を用い、
更に、成型炭用の配合炭に対して、前記粘結補填材が9〜17質量%となるように添加して成型した成型炭を用いる
ことを特徴とするコークスの製造方法。
本発明によれば、成型炭を粉炭とともにコークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、成型炭に劣質な石炭をより多量に使用することができる。
成型炭と粉炭とを混合してコークス炉で乾留してコークスを製造する際の処理フローを示す図である。 成型炭用の配合炭を粉砕した後の粒径が3mm以下の石炭粒子の比率RDと成型炭用の配合炭に配合される石炭の全膨張率を加重平均した加重平均全膨張率ΣTDを変化させた場合におけるΣTDと成型炭部のコークス強度DIの関係をRDごとに示す図である。 乾留前後の成型炭をX線CTで撮像し、得られた断層画像を示す図である。(1)は乾留前の成型炭の断層画像であり、(2)は乾留後の成型炭の断層画像である。 粘結補填材の配合率と成型炭用の配合炭に配合される石炭の全膨張率を加重平均した加重平均全膨張率ΣTDを変化させた場合におけるΣTDと成型炭部のコークス強度DIの関係を示す図である。
まず、本発明者らは、成型炭用の石炭の配合及び粉砕粒度を変えた成型炭を作製して、成型炭部のコークス強度の変化を調べた。以下、成型炭用の配合炭に配合される石炭の全膨張率を加重平均した加重平均全膨張率をΣTD、成型炭用の配合炭を粉砕した後の粒径が3mm以下の石炭粒子の比率をRDと記載する。
成型炭用の配合炭として、強粘結炭に対して劣質炭の配合量を変えたものを準備し、RDが60%及び90%になるように、それぞれ粉砕し、その配合炭を用いて成型炭を作製した。成型炭は、乾留後に単独で取り出して評価できるように、紙で包んで所定の性状の粉炭(石炭の加重平均揮発分量定量ΣVM=28dry%、石炭の加重平均全膨張率ΣTD=80%、水分=10%)に一定の配合量で混合し、混合した原料を乾留してコークスを製造した。得られたコークスは、成型炭部からなるコークスの周囲に不活性な紙が存在することで、周囲の粉炭部分からなるコークスと分断されたような形になっており、成型炭部からなるコークスを取り出すことができる。このようにして得られた成型炭部のコークスについて、強度を測定した。
成型炭部のコークス強度は、通常のコークスと同様、コークスをJIS K2151記載のドラム試験機により150回転した後、15mmふるい上のコークスの百分率DI150 15を実測して求めた。なお、コークス強度DI150 15を、以下ではコークス強度DIと簡略化して記載する。
ΣTDを求め、成型炭部コークス強度DIを、RDごとに、ΣTDとの関係で整理した。結果を図2に示す。
図2より、ΣTDの値にかかわらず、同一の配合炭を用いた成型炭においては、RDが大きいと、成型炭部コークス強度DIが向上した。また、RDが90%のときは、ΣTDによらず、同レベルの成型炭部コークス強度DIの成型炭部コークスが得られた。一方、RDが60%のときは、ΣTDの低下とともに、成型炭部コークス強度DIが低下した。
このように、RDを大きくするほど、すなわち、成型炭用の石炭の粉砕粒度を細かくするほど、成型炭部の強度が増加する。しかし、粒度を細かくすると、所要とする電力量の増加や微粉の増加による粉塵の発生につながるため、粒度が粗い領域でも所望のコークス強度を得られると望ましい。
一方、RDが60%であっても、ΣTDが40%以上であれば、コークス強度DIが80%を超える。しかし、ΣTDを大きくするには、成型炭部の劣質炭の割合を減らす必要があり、多量の劣質炭を使用することができない。
しかし、ΣTDが40%未満であるとRDが75%未満となるとき、成型炭部のコークス強度は大きく低下することが分かった。
そこで、RDが75%未満、ΣTDが40%未満の乾留前後の成型炭の変化を調べるために、X線CT観察を行った。図3に、成型炭をX線CTで撮像し、得られた断層画像を示す。(1)は乾留前の成型炭の断層画像であり、(2)は乾留後の成型炭の断層画像である。画像において、高密度な程、白く、低密度な程、黒く、観察される。乾留前の成型炭において、粗い石炭粒子の周辺に、空隙である黒い低密度部分が存在している。また、乾留後の成型炭において、粗大な気孔である黒い部分が存在している。
この観察結果に基づき、図2の成型炭部コークス強度DI、RD及びΣTDの関係は、次のように考える。
RDが75%未満の場合、粗粉砕であるため、成型炭中に粗大なイナートが残存し、乾留後に、周囲との収縮率差に起因して、粗大なイナートの剥離による亀裂や、イナート内の亀裂が発生する。さらに、成型炭中に粗い石炭粒子が存在することで、その粒子の周囲に局所的空隙が生じる。成型炭部のΣTDが低い場合、空隙周囲の石炭の膨張性が不足しているため、乾留後に粗大な気孔や連結気孔が生成する。起因して、粗大なイナートの剥離による亀裂や、イナート内の亀裂が発生する。その結果として、成型炭部コークス強度が低下する。
これに対して、ΣTDが40%以上の場合、成型炭中の石炭の膨れが十分であり、成型炭中に空隙が存在しても、乾留の際に、空隙の自由膨張を抑制できるため、必要な成型炭部のコークス強度が得られる。
そうすると、ΣTDが40%未満の成型炭用の配合炭を用いた場合であっても、乾留の際に、ΣTDが40%の成型炭用の配合炭の石炭と同等以上に膨れるようにすれば、必要な成型炭部コークス強度が得られると考えられる。
すなわち、本発明者らは、成型炭部分の石炭粒度が粗い場合であっても、成型炭部の配合炭に粘結補填材の添加量を調整することで、成型炭中の石炭をより膨張させ、粗大な粒子周囲の空隙の影響を減らすことができると考えた。そこで、RDが60%で、異なる配合率の配合炭に対して、粘結補填材として、アスファルトピッチ(以下、ASPと称する)を3%とタールを7%添加(すなわち、粘結補填材の合計として10%添加)し、成型炭を作製して、成型炭部コークス強度DIを測定した。
そして、ΣTDを求め、成型炭部コークス強度DIとΣTDとの関係を整理した。結果を図4に示す。また、図4には、図2に示すRDが60%で、粘結補填材として、タールのみを7%添加して、作成された成型炭の成型炭部コークス強度DIとΣTDとの関係も併せて示す。
これより、同一の配合炭を用いた成型炭においては、粘結補填材の添加量を7%から10%に増加させたところ、成型炭部コークス強度DIが向上した。
以上、検討結果をまとめると、以下の通りである。
RDが75%未満で、ΣTDが40%未満の成型炭部の配合炭を用いるとき、成型炭部の配合炭に対して、粘結補填材の添加量を調整すれば、成型炭部コークス強度DIを調整することができる。
本発明は、以上のような検討過程を経て上記(1)に記載の発明に至ったものであり、そのような本発明について、さらに、必要な要件や好ましい要件について順次説明する。
[粉炭]
本発明では、配合炭を粉砕した粉炭に成型炭を混合して、コークス炉に装入し、乾留してコークスを製造する。粉炭と成型炭の混合割合としては、粉炭70〜90質量%、成型炭10〜30質量%が例示される。粉炭は、限定されないが、強粘結炭を含む通常の配合炭(石炭の加重平均全膨張率ΣTD=50〜100%、石炭の加重平均揮発分量定量ΣVM=26〜29dry%)を、3mm以下の比率を60%〜95%の粒度に粉砕したものが例示される。
[成型炭]
成型炭は、原料となる配合炭を粉砕し、これに粘結補填材を添加して混練し、この混練物をブリケットマシンなどで所定の形状に成型することにより製造される。成型条件としては、大きさ:4cc〜125cc、密度:1.1〜1.2g/cmの範囲が例示される。
近年では、劣質炭の配合量が増加しており、成型炭中に劣質炭を40〜70質量%配合することが好ましい。成型炭に劣質炭を集中的に配合することにより、劣質炭を多量に使用しても、高炉に使用するために必要な強度をもつコークスを製造できる。ここで、劣質炭とは、石炭化度が低く(ビトリニットの平均最大反射率が0.85%以下)、かつ、粘結性の乏しい又は粘結性のない(最高流動度2.5(log (ddpm))以下)石炭をいう。
[成型炭部配合炭の加重平均膨張率]
劣質炭の配合量を増加させるため、ΣTDは40%未満とする。ΣTDの下限値は特に限定されず、0%を含む。石炭の全膨張率TDは、JIS M8801に記載の膨張性試験方法(ディラトメーター法)により測定される。石炭の全膨張率TDはすでに多くのものが調べられており、成型炭を構成する石炭の配合が決まれば、配合量(質量割合)に応じた単味炭の全膨張量TDを加算して平均をとった加重平均膨張率ΣTDを知ることができる。
また、上記JIS M8801に記載の膨張性試験方法は、成型炭を反応管に装入し、その上部にピストンを載置し、その容器を加熱して、成型物の上端の上昇量をピストンの変位量から読み取り、成型物の最初の長さに対する、ピストンの変位量の分率を求め、この分率を全膨張率とするものである。
[成型炭部配合炭の粉砕粒度]
成型炭は、原料となる配合された石炭を粉砕して製造する。成型炭に配合される石炭を細かく粉砕する程、石炭中に存在するイナートもより粉砕される。イナートは揮発分が低いため、他の軟化溶融する組織とは乾留時における収縮率が異なり、その差によって両組織の界面に応力が発生し、イナートの内部又は周辺に亀裂が発生する。イナートを粉砕することによってそのような亀裂の発生が抑制され、成型炭部の強度が向上する。
しかし、粒度を細かくすると、所要とする電力量の増加や微粉の増加による粉塵の発生につながるため、前述の通り、RDは75%未満とする。RDの下限値は特に限定されないが、装置への詰まりなど操業上の問題を考慮すると、RDは50%以上が例示される。
[粘結補填材]
粘結補填材は、石油系の粘結材(タール、ピッチ等)及び石炭系の粘結材のいずれも使用することができる。粘結補填材は、必要な成型炭部コークス強度DIを得るために、成型炭部の配合炭に対して、9質量%以上添加する必要があることが判った。一方、粘結補填材の配合率が17質量%超では、揮発分の高い粘結補填材を多量に配合することで、得られるコークスの気孔率が高くなり、成型炭部コークス強度DIは逆に低下し、粘結補填材を多量に添加する効果を得られず、製造コストの増加を招くため、上限を17質量%とする。
なお、成型炭部コークス強度に対する、ΣTD、RD及び粘結補填材の関係は、使用する石炭種、成型炭の見掛密度が異なる場でも有効であることを確認しているが、使用する石炭種や、成型炭の成型条件が変わる場合には、図4のような関係を予め調べて、目標とする成型炭部コークス強度DIを得ることができる粘結補填材の量を選択するのが好ましい。
以上、本発明の実施の態様について説明したが、更に、実施例により本発明の実施可能性及び効果について説明する。
表1に示す全膨張量TDの異なる5種類の単味炭(A炭〜E炭)を用い、表2に示すように、ΣTDが40%未満となるように配合した配合炭1及び2を準備した。
配合炭1を、RD60%又は70%の粒度に粉砕した後、粘結補填材を7〜19質量%添加し、ブリケットマシンにより成型して、密度が1.12g/cmの実施例1〜3、6、比較例1及び2の成型炭を得た。この粘結補填材は、7質量%のタールと、0〜12質量%のASPから構成されている。また、配合炭2を、RD60%の粒度に粉砕した後、上記粘結補填材を9質量%又は12質量%添加し、実施例1〜3と同様の条件で成型炭を得て、実施例4及び5とした。
表3には、成型炭用の石炭のΣTD、RD、成型炭用の配合炭に対する粘結補填材の配合率を示す。次に、表4に示す条件の粉炭80質量%に対して、表3に示す成型炭20質量%の割合で混合し、コークス炉に装入して乾留し、成型炭部のコークスの強度DIを調べた。
結果を表5に示す。実施例1〜6は、成型炭用の石炭のΣTDが40%未満で、RDが75%未満であるが、粘結補填材が9〜17質量%添加されているため、十分なコークス強度が得られている。実施例4及び5は、それぞれ、実施例1及び2と比較して、成型炭用の石炭のΣTDの値を大きくした事例であり、高いコークス強度が得られている。実施例6は、実施例1と比較して、RDの値を大きくした事例であり、高いコークス強度が得られている。一方、比較例1及び2は、成型炭用の配合炭に対して、粘結補填材を7質量%又は19質量%添加したもので、本発明の範囲外であるため、十分なコークス強度が得られなかった。
以上のように、劣質炭を多く成型炭に含有させても、粘結補填材を添加した配合炭を用いて成型炭を作製すれば、十分なコークス強度を有するコークスが得られる。
本発明によれば、成型炭を粉炭とともにコークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、成型炭に劣質な石炭をより多量に使用することができる。よって、本発明は、産業上の利用可能性が高いものである。

Claims (1)

  1. 少なくとも劣質炭を含む成型炭用の配合炭を粉砕し、粉砕後の配合炭に粘結補填材を添加して混練した後、成型機で成型して成型炭とし、この成型炭を、粉炭用の別の配合炭を粉砕して調製した粉炭とともにコークス炉に装入して乾留するコークスの製造方法において、
    配合される石炭の全膨張率を加重平均した加重平均全膨張率をΣTDとし、配合炭を粉砕した後の粒径が3mm以下の石炭粒子の比率をRDとしたとき、
    成型炭用の配合炭として、ΣTDが40%未満で、RDが75質量%未満の配合炭を用い、
    更に、成型炭用の配合炭に対して、前記粘結補填材が9〜17質量%となるように添加して成型した成型炭を用いる
    ことを特徴とするコークスの製造方法。
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