JP2021004302A - コークスの製造方法 - Google Patents
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Description
本発明者は、乾燥炭若しくは予熱炭(以下、特に断らない限り「乾燥炭等」と称する)を成型炭にする際に、超微粉石炭を添加することによって成型性が改善して、成型炭の見掛け密度及び落下強度指数が向上することを知見した。図1(a)は、乾燥炭等の粒子群を模式的に示す図である。図1(b)は、乾燥炭等の粒子群に超微粉石炭を添加した状態を模式的に示す図である。本明細書では、粒径が0.01mm以下の石炭粒子を超微粉石炭と定義する。
この様に、成型炭のサイズを大きくすることにより、コークス強度を向上させることもできる。その理由は、以下の通りである。
(1)有機高分子材自体は、コークス強度に大きな影響を及ぼすものではないが、有機高分子材が石炭の表面に存在すると、石炭粒子同士の接着性が損なわれるおそれがある。すなわち、石炭の表面に存在する有機高分子材は、石炭が軟化溶融する前に熱分解して消失するため、隣接する石炭粒子の間に微小な隙間が形成され、石炭粒子間の距離が遠くなる。したがって、有機高分子材を減らすことによって、有機高分子材の消失時に形成される隙間を小さくできるため、コークス強度が向上する。つまり、同一質量で比較した場合、成型炭のサイズが大きくなるほど表面積が小さくなり、有機高分子材の使用量が削減されるから、結果的にコークス強度を向上させることができる。
(2)また、大きな成型炭も増やせるため、結果的にコークス炉18に装入する配合炭17の粒径分布がブロードになり、コークス炉内の石炭の嵩密度を上昇させることができる。これにより、コークス強度を向上させることができる。
ここで、「粒径が0.01mm以下の超微粉石炭及び/又は粒径が6mm以上の粗粒石炭を除いた乾燥炭等6」とは、超微粉石炭及び粗粒石炭のうち超微粉石炭のみが乾燥炭等6に含まれている場合には、超微粉石炭を除いた乾燥炭等6を意味し、超微粉石炭及び粗粒石炭のうち粗粒石炭のみが乾燥炭等6に含まれている場合には、粗粒石炭を除いた乾燥炭等6を意味し、超微粉石炭及び粗粒石炭の双方が乾燥炭等6に含まれている場合には、超微粉石炭及び粗粒石炭を除いた乾燥炭等6を意味し、乾燥炭等6に超微粉石炭及び粗粒石炭がいずれも含まれていない場合には、乾燥炭等6を意味する(他の実施形態及び変形例においても同様である)。乾燥炭等6には超微粉石炭が含まれるとともに、超微粉石炭ホッパー8aに貯留される添加炭9aには粒径が0.01mm超の石炭粒子も含まれているため、これらの点を考慮しながら、混合炭10に含まれる超微粉石炭の合計含有量が前記目標合計含有量を満足するように添加炭9aの添加量を調整する。
また、成型炭の亀裂の生成が抑制されることにより、有機高分子材13の吹き付け量を減らすことができる。さらに、成型炭14のサイズを従来サイズより大きくできるため、有機高分子材13の吹き付け量を減らすことができる。これにより、コストを削減することができる。
また、有機高分子材13が減ることで、乾留時に有機高分子材13が消失することにより形成される石炭粒子間の隙間を小さくできるため、コークス強度を向上させることができる。
本発明者は、乾燥炭等を成型炭にする際に、超微粉石炭とともに粗粒石炭を添加することにより、成型炭の見掛け密度及び落下強度指数がさらに向上することを発見した。本明細書では、粒径が6mm以上の石炭を粗粒石炭と定義する。粗粒石炭の粒径の上限値は特に限定しないが、好ましくは15mmである。粗粒石炭は、コークス製造に用いられる一般的な原料石炭の性状を有していればよい。具体的には、揮発分であるVM(volatile matter)が20〜35質量%で、かつ、粘結性を表す指標である全膨張率(JIS M 8801の膨張性試験方法により測定される全膨張率)が20%以上であればよい。
第2実施形態では、超微粉石炭及び粗粒石炭を添加炭として添加したが、本発明はこれに限るものではなく、粗粒石炭のみを添加してもよい。粗粒石炭だけを添加しても、粒度分布をよりブロードにする効果が得られるため、成型炭の見掛け密度及び落下強度指数を増加させることができる。粗粒石炭の添加量などについては、第2実施形態と同様であるから詳細な説明を省略する。
乾燥炭等を成型炭にする際に、搬送中の衝撃(落下衝撃)が大きい場合は、超微粉石炭とともに固体ピッチを少量添加しても良い。これにより、成型炭落下強度指数が増加するため、搬送中の衝撃(落下衝撃)が大きい場合でも、成型炭の亀裂の生成が抑制され、微粉の発生が抑制されるため、コークス炉で乾留したときのカーボン付着厚みの増大を抑制できる。また、成型炭の亀裂の生成が抑制されることにより、有機高分子材の使用量が削減できる。
固体ピッチには、硬ピッチ(石炭系のピッチ)や石油重質残渣(例えば、ASP)等の常温で固相状態の固体ピッチを用いることができる。
固体ピッチは可塑性があり、第1混合機7による混合工程及び圧縮成型機11による成型工程において、石炭粒子の接触面の凹凸により生じる微小な隙間にも浸透する効果があるため、成型炭の落下強度指数を増加することができると考えられる。この充填効果を高めるために、固体ピッチは、粉砕しておくことが好ましい。固体ピッチの粒度は、好ましくは、1mm以下である。
第3実施形態では、乾燥炭等6に超微粉石炭及び固体ピッチを添加したが、本発明はこれに限るものではなく、超微粉石炭及び固体ピッチとともに第2実施形態の粗粒石炭を添加してもよい。また、超微粉石炭を添加せずに、粗粒石炭及び固体ピッチを乾燥炭等6に添加してもよい。超微粉石炭、粗粒石炭及び固体ピッチを添加することによる効果は、説明が重複するため省略する。
実施例を示して、本発明についてより具体的に説明する。
図3〜4のブロック線図に示す通り、原料石炭1は、まず乾燥装置2で水分が5質量%以上となるように乾燥した。乾燥装置2で乾燥された原料石炭を調湿炭と称する。調湿炭の一部3は乾燥装置5で加熱し、水分が5質量%未満の乾燥炭6とした。乾燥炭6は第1混合機7で超微粉石炭および/または粗粒石炭や、さらに固体ピッチを混合し、混合炭10とした。混合炭10は圧縮成型機11で成型するとともに、その表面を有機高分子材で被覆した。これを成型炭14と称する。成型炭14と調湿炭の残部4を混合したものを配合炭17と称し、配合炭17をコークス炉に装入した。
表1に示す各種試料について、成型炭の見掛け密度、落下強度指数、コークス炉におけるカーボン付着厚み、コークス強度(DI150 15)等に与える影響を評価した。
なお、カーボン付着厚みは、石炭装入直後にコークス炉炉頂空間に煉瓦試料を吊り下げ、コークス押出し後に煉瓦試料を回収し、煉瓦表面に付着したカーボンの厚みを実測することにより求めた。
また、調湿炭の残部4と、乾燥炭6(ただし、粒径が0.01mm以下の超微粉石炭および/または粒径が6mm以上の粗粒石炭を除く)の配合割合(質量ベース)は7:3とした。なお、本実施例では、粒径が0.01mm以下の超微粉石炭及び/又は粒径が6mm以上の粗粒石炭を除いた乾燥炭を、便宜上、中粒乾燥炭と記載する場合がある。
超微粉石炭が添加される前の乾燥炭6には粒径が0.01mm以下の超微粉石炭が0.5質量%含まれていた。粗粒石炭が添加される前の乾燥炭6には粒径が6mm以上の粗粒石炭が2.0質量%含まれていた。
なお、落下強度指数(SI25)とは、JIS K 2151に記載された落下衝撃に対する強さを示す指数であり、JIS K 2151に規定された条件下で成型炭を落下させたのち25mmのふるいでふるい分けを行い、このときのふるい上収率を落下強度指数としている。固体ピッチには、硬ピッチを使用した。有機高分子材には、フェノール樹脂を使用した。
超微粉石炭の合計含有量は、中粒乾燥炭に対する外数で表した。同様に、粗粒石炭の合計含有量及び固体ピッチの添加量も、中粒乾燥炭に対する外数で表した。
比較例3では、超微粉石炭を6質量%添加して、超微粉石炭の合計含有量を6.5質量%とした。超微粉石炭の合計含有量が過剰であるため、発明例3及び4よりも成型炭見掛け密度及び成型炭落下強度指数が低下した。また、カーボン付着厚みも大きくなった。また、装入嵩密度が低下し、コークス強度が低下した。
発明例12は、発明例11に対して有機高分子材の使用量を減らしたため、カーボン付着厚みが増大したが、カーボン付着厚みが同一である比較例2と比較すると、有機高分子材の使用量が削減された。
5 乾燥若しくは予熱装置 6 乾燥炭等 7 第1混合機
8a 超微粉石炭ホッパー 8b 粗粒石炭ホッパー 8c 固体ピッチホッパー
9a 9b 添加炭 9c 固体ピッチ 10 混合炭
11 圧縮成型機 12 有機高分子材槽 13 有機高分子材
14 成型炭 15 硬化処理装置 16 第2混合機
17 配合炭 18 コークス炉
Claims (7)
- 乾燥炭若しくは予熱炭に超微粉石炭を含む第1の添加炭及び/又は粗粒石炭を含む第2の添加炭を添加,混合することにより、所定の条件を満足する混合炭を製造し、この混合炭を有機高分子材で被覆した成型炭を配合炭の一部としてコークスを製造し、
前記所定の条件は、超微粉石炭及び/又は粗粒石炭を除いた乾燥炭若しくは予熱炭に対して、超微粉石炭の合計含有量が外数で1.5質量%以上5.0質量%以下及び/又は粗粒石炭の合計含有量が外数で3.0質量%以上10.0質量%以下であることを特徴とするコークスの製造方法。 - 前記乾燥炭若しくは予熱炭に含まれる超微粉石炭の含有量を予め測定しておき、この測定値と前記超微粉石炭の合計含有量との差分に基づき前記第1の添加炭の添加量を決定することを特徴とする請求項1に記載のコークスの製造方法。
- 超微粉石炭は、粒径が0.01mm以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のコークスの製造方法。
- 前記乾燥炭若しくは予熱炭に含まれる粗粒石炭の含有量を予め測定しておき、この測定値と前記粗粒石炭の合計含有量との差分に基づき前記第2の添加炭の添加量を決定することを特徴とする請求項1に記載のコークスの製造方法。
- 粗粒石炭は、粒径が6mm以上であることを特徴とする請求項1または4に記載のコークスの製造方法。
- 前記第1の添加炭は、粒径が0.01mm以下の超微粉石炭を70質量%以上含み、前記第2の添加炭は、粒径が6mm以上の粗粒石炭を70質量%以上含むことを特徴とする請求項1乃至5のうちいずれか一つに記載のコークスの製造方法。
- 前記第1の添加炭及び/又は前記第2の添加炭とともに固体ピッチを添加、混合し、
前記固体ピッチの添加量は、前記超微粉石炭及び/又は粗粒石炭を除いた乾燥炭若しくは予熱炭に対して外数で2質量%以下であることを特徴とする請求項1乃至6のうちいずれか一つに記載のコークスの製造方法。
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