JP4695244B2 - コークス製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、高炉用コークスの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
高炉用コークスとして強度の高い良質なコークスを製造するためには、原料炭として、多量の粘結炭を使用する必要がある。一方、粘結炭に比べて粘結性の劣る非微粘結炭は資源埋蔵量が多く、価格が安価であるという特徴を有している。
【0003】
そこで、石炭資源の有効利用およびコークス製造コストの削減を目的として、原料炭中の非微粘結炭の配合割合を増加させる方法の開発が検討されている。
【0004】
工業的なコークス製造プロセスでは、例えば、石炭化学と工業(三共出版(株)、昭和52年版、p.286)に掲載されているように、通常は原料炭の粒度を、3mm以下の割合が80〜90質量%程度になるように粉砕して調整している。
【0005】
これに対して、コークス製造用原料炭の粉砕粒度を制御することにより強度の高いコークスを製造する方法が提案されている。
【0006】
特開昭61−91286号公報には、0.25mm以下の粒度構成が80質量%以上となるように粒度を調整した後に、加圧成型して塊成炭とし、そのままあるいは塊砕した後、乾留することにより強度の高いコークスを製造する方法が開示されている。しかし、工業的に石炭を0.25mm以下の粒度構成が80質量%以上となるように微粉砕する運転を、連続的に行うと、2週間程度で粉砕機が顕著に摩耗するため、長期間、安定に石炭を粉砕する操業を行うことは非常に困難である。また、粉砕粒度が0.25mm以下の粒度構成が80質量%以上となるように微粉砕するには、粉砕処理に要する時間が従来に比べて数倍増加するため、多量の石炭を粉砕処理する場合には、粉砕処理能力が落ちる問題点がある。さらに、前記方法に従って、0.25mm以下の粒度構成が80質量%以上となるように粒度を調整した後に、加圧成型処理を行わずに乾留した場合には、コークス炉に装入する際、石炭の粒度が小さいため装入密度が低下し、強度の高いコークスを製造することはできない。
【0007】
特開平7−268349号公報では、成形コークス製造用原料炭を対象として、粘結力指数50〜80%未満、揮発分10〜25質量%の非微粘結炭を0.6mm以下割合が50〜100質量%、0.6〜3.0mm割合が50〜0質量%となるように粒度調整して成形コークス製造用の原料炭に対して10〜70質量%配合し、粘結力指数50〜80%未満、揮発分25〜35質量%の非微粘結炭を0.6mm以下割合が80〜100質量%、0.6〜1.0mm割合が20〜0質量%となるように粒度調整して成形コークス用の原料炭に対して50〜10質量%配合した粉炭に粘結材を添加して加圧成形した成形炭を竪型のシャフト炉で乾留し、成形コークスを製造する方法が開示されている。
【0008】
しかし、この方法は成形コークス製造用の原料炭を対象としているために、室炉式コークス炉で高炉用コークスを製造する際の原料炭の粉砕方法に適用した場合は石炭粒度が微粉砕されるために、該原料炭を成形しないでコークス炉内に装入する場合には装入密度が低下し、強度の高いコークスを製造することはできない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上のように、コークス製造コストの削減、およびコークス製造用原料炭として埋蔵量の多い非微粘結炭を多量に使用することを可能とするコークス製造方法の開発が必要とされている。
【0010】
本発明は、非微粘結炭を多量に含む原料炭をコークス炉で乾留して、強度の高いコークスを製造する方法を提示することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明は、高炉用コークスの製造方法に関するものである。すなわち、本発明は、
(1)非微粘結炭の割合が70質量%以上80質量%以下の石炭をコークス炉に装入して乾留し、コークスを製造する方法において、前記石炭は粒径1mm以下の石炭の割合が53.50質量%以上59.00質量%以下で、かつ、粒径6mm超の石炭の割合が5質量%以下となるように粉砕調整し、石炭中の水分を4質量%以下とすることを特徴とするコークス製造方法である。
【0012】
(2)粘結材を添加することを特徴とする(1)に記載のコークス製造方法。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、その具体的内容について説明する。
【0018】
本発明者は、コークス製造用原料炭として、非微粘結炭を多量に含む原料炭をコークス炉で乾留し、強度の高いコークスを製造する方法について鋭意検討した。
【0019】
強度の高いコークスを製造するためには、石炭をコークス炉に装入した際の嵩密度を高くすること、およびコークス粒子間の接着状況を良好にすることが必要である。
【0020】
石炭を乾留すると約400〜500℃の範囲で軟化溶融して膨張し、粒子間の空隙を埋めることにより石炭粒子同士が接着してセミコークス組織を形成し、さらに約500〜1000℃まで加熱することにより、炭化水素ガス、および水素ガスなどのガスを発生しながら再固化し、この時点で強固なコークス組織を形成する。
【0021】
図1に一例を示すように、石炭は炭種によって軟化溶融する温度および再固化する温度が異なる。そのため、数種類以上の石炭を配合して、コークスを製造する場合には、炭種によって、コークス炉内での乾留により再固化してコークス組織を形成する温度に差があり、均一ではない。
【0022】
また、非微粘結炭は、揮発分の含有量が多いこと、および石炭組織の中に不活性物質であるイナートの含有量が多い特徴がある。揮発分が高い石炭を乾留すると、図2に一例を示すように、約400〜600℃のコークスの再固化温度域でのコークスの線収縮率が大きいために、コークス塊内に発生する熱応力が増加し、コークス塊内に多くの亀裂が発生する。
【0023】
石炭中に非微粘結炭の大きな粒子が存在すると、亀裂の発生量が多くなり、コークスの強度は低下する。
【0024】
そこで、本発明者は石炭の粉砕粒度を適正な範囲に調節することにより強度の高いコークスを製造する方法について、鋭意検討した。具体的には、石炭の粉砕粒度とコークス強度の関係について詳細に検討した。その結果、粒径1mm以下の石炭の割合が80質量%以下で、かつ、下記式(a)の係数Aが0.9以上となるように粉砕調整することにより、コークス粒子の接着強度が向上すると共に、コークス塊内の亀裂の発生量を低下させることが可能であり、強度の高いコークスを製造可能なことがわかった。
【0025】
【数3】
【0026】
(式中、Ovは篩上に残存する石炭の質量割合を、Pは篩目の目開きにより定義される石炭粒径(mm)を、Aは係数を、Cは定数をそれぞれ表すものである。)
コークス炉内に装入した石炭の嵩密度が低いと、石炭の粒子間距離が遠くなるために、コークス炉内で石炭を乾留して得られるコークスの強度が低下することが知られている。本発明者は、石炭の粉砕粒度とコークス炉に装入した場合の嵩密度の関係について実験を行い、鋭意検討した。その結果、石炭の粉砕粒度を細かくすると石炭の粒度分布が狭くなり、最密充填構造を取りにくい構造となるために、図3に一例を示すように粒径1mm以下の割合が80質量%超の場合には、嵩密度が著しく低下することがわかった。このため、粒径1mm以下の石炭の割合は80%質量以下に限定する。
【0027】
式(a)の係数Aは、石炭の粒径の対数値と篩上に残存する石炭の重量割合との関係を示す係数であり、石炭を細かく粉砕すると、式(a)の係数Aの値が大きくなる。本発明者が石炭粒径と篩上に残存する石炭の質量割合、およびコークス強度の関係について実験を行って、鋭意検討した。その結果、式(a)の係数Aが0.9以上となるように石炭の粒度を調整することにより、強度の高いコークスを製造できることがわかった。
【0028】
前記の検討の結果に基づいて、粒径1mm以下の石炭の割合を80質量%とし、かつ、式(a)の係数Aが0.9以上となるように粉砕調整した後、乾留してコークスを製造して得られたコークスを顕微鏡で観察したところ、コークス塊内の亀裂の発生量が減少しており、強度の高いコークスを製造することができた。
【0029】
式(a)の係数Aが0.9未満の場合は、係数Aが0.9以上の場合に比べてコークス塊内の亀裂の発生量が多くなるとともに、コークス粒子同士の接着強度が低くなるためにコークスの強度が低下するので、式(a)の係数Aを0.9以上に限定する。
【0030】
さらに、本発明者は、原料炭のうち、石炭中の最大粒径の割合とコークス強度の関係について検討した。この結果、6mm超の石炭割合が5質量%以下の場合には、コークス塊内の亀裂抑制効果が大きくなり、コークス強度が向上することがわかった。そこで、原料炭中の6mm超の割合を5質量%以下であることが好ましい。
【0031】
さらに、本発明者は石炭の水分と装入密度およびコークス強度の関係について鋭意検討した。石炭中に水分を多く含む場合には、粒径の小さな粒子が粒径の大きな石炭粒子の廻りに付着しており、いわゆる擬似粒子化した状態となる。石炭粒子が擬似粒子化した状態でコークス炉に装入すると、石炭粒子間の空隙が増加して粒子間距離が大きくなるために、装入時の嵩密度が低下する。装入時の嵩密度が低下すると、コークス炉内に装入した石炭粒子間の距離が増加するために、乾留後のコークス強度が低下する。
【0032】
本発明者が石炭水分と装入密度の関係について実験を行って調べた結果、図4に一例を示すように、石炭水分が4質量%以下の場合には、石炭の粉砕粒度を小さくしても装入時の嵩密度の低下に対する影響が小さくなり、コークス強度低下への影響が小さいことがわかった。
【0033】
そこで、本発明を実施する場合には、原料炭の水分が4質量%以下であることが望ましい。
【0034】
以上の検討の結果、図5に示すように、1mm以下の石炭の割合が80質量%以下で、かつ、式(a)の係数Aが0.9以上となるように粉砕調整することにより、強度の高いコークスを製造する方法を完成するに到った。
【0035】
コークス製造用の石炭の粒度調整方法に関しては多くの検討がなされており、前述の特開昭61−91286号公報、および特開平7−268349号公報に開示されている。しかし、これらの方法は一部の石炭粒径の範囲について規定する方法であり、実際に強度の高いコークスを製造する場合にはコークス塊内の亀裂を抑制するとともに、粒子同士の接着強度を向上させるために、本発明で提示するように石炭の粒度分布を調整可能とする方法を発明する必要があった。
【0036】
前記原料炭にタール、ソフトピッチ、石油系重質油、アスファルトピッチ等の粘結材を添加することにより、コークスの接着強度が向上するため、コークス強度が向上する。粘結材の添加量が多すぎると、コークス炉に装入する石炭の嵩密度が低下するために、粘結材の添加量は1〜5質量%程度が好ましい。
【0037】
原料炭中の非微粘結炭の割合が80質量%超の場合は、粘結炭の割合が20質量%以下となり、原料炭の粘結炭性が不足するため、本発明を適用しても高炉用コークスとして必要な強度を維持しにくくなる。そこで、本発明で対象とする非微粘結炭の割合は80質量%以下が望ましい。
【0038】
本明細書でコークス強度(DI150 15)とは、JIS K 2151に記載されているドラム強度試験法により測定し、コークス試料を150回転後に15mm篩上の残存した質量比で表したものを示す。
【0039】
実操業で本発明の石炭粒度に調整する方法として、図6に概要を示す。原料炭槽1から石炭を石炭供給フィーダー2から切り出して、一次粉砕機3により石炭を粉砕する。一次分級機4で粒径6mm超の石炭を篩い分けした後、粒径6mm超の石炭を二次粉砕機5で粉砕する。二次粉砕機5で粉砕した石炭を二次篩6で篩い分けして、6mm超の石炭は二次粉砕機5に再度装入して粉砕することにより、石炭の粉砕粒度を調整する。
【0040】
実際の石炭の粉砕粒度については、石炭槽7の前後で石炭をサンプリングし、篩い分けすることにより粒度分布を測定し、粉砕粒度をチェックし、必要に応じて一次粉砕機3および/または二次粉砕機5の調整を行えば良い。
【0041】
石炭槽7に一旦貯蔵した石炭は乾燥機8で任意の水分に乾燥される。また、粘結材を粘結材タンク10から混炭機9に添加して該石炭と混合することができる。
【0042】
【実施例】
(実施例1)
本発明に従って、表1に示すように、非微粘結炭を20質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が2.88質量%で、1mm以下割合が59.11質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは0.9694となる。該原料炭を乾燥機で水分を3.5質量%まで乾燥させた後、コークス炉に嵩密度0.81t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0043】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は84.2と高く、強度の高い良質な高炉用コークスを製造することができた。
【0044】
(実施例2)
本発明に従って、表1に示すように、非微粘結炭を20質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が0.17質量%で、1mm以下割合が55.51質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは1.0328となる。該原料炭を乾燥機で水分を3.5質量%まで乾燥させた後、コークス炉に嵩密度0.81t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0045】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は84.3と高く、強度の高い良質な高炉用コークスを製造することができた。
【0046】
(実施例3)
本発明に従って、表1に示すように、非微粘結炭を20質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が0.17質量%で、1mm以下割合が55.51質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは1.0328となる。該原料炭を乾燥機で水分を3.5質量%まで乾燥させた後、原料炭に対して3.0質量%のタールを添加した後、コークス炉に嵩密度0.81t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0047】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は84.8と高く、強度の高い良質な高炉用コークスを製造することができた。
【0048】
(実施例4)
本発明に従って、表1に示すように、非微粘結炭を40質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が3.12質量%で、1mm以下割合が57.88質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは0.9229となる。該原料炭を乾燥機で水分を3.0質量%まで乾燥させた後、コークス炉に嵩密度0.81t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0049】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は84.6と高く、強度の高い良質な高炉用コークスを製造することができた。
【0050】
(実施例5)
本発明に従って、表1に示すように、非微粘結炭を40質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が0.20質量%で、1mm以下割合が51.27質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは0.9715となる。該原料炭を乾燥機で水分を3.0質量%まで乾燥させた後、コークス炉に嵩密度0.81t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0051】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は84.0と高く、強度の高い良質な高炉用コークスを製造することができた。
【0052】
(実施例6)
本発明に従って、表1に示すように、非微粘結炭を40質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が0.20質量%で、1mm以下割合が51.27質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは0.9715となる。該原料炭を乾燥機で水分を3.0質量%まで乾燥させた後、原料炭に対して3.0質量%のタールを添加した後、コークス炉に嵩密度0.81t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0053】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は84.5と高く、強度の高い良質な高炉用コークスを製造することができた。
【0054】
(実施例7)
本発明に従って、表1に示すように、非微粘結炭を70質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が3.00質量%で、1mm以下割合が59.00質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは0.9884となる。該原料炭を乾燥機で水分を3.0質量%まで乾燥させた後、コークス炉に嵩密度0.81t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0055】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は84.8と高く、強度の高い良質な高炉用コークスを製造することができた。
【0056】
(実施例8)
本発明に従って、表1に示すように、非微粘結炭を70質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が0.30質量%で、1mm以下割合が53.50質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは1.0522となる。該原料炭を乾燥機で水分を3.0質量%まで乾燥させた後、原料炭に対して3.0質量%のソフトピッチを添加した後、コークス炉に嵩密度0.81t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0057】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は85.1と高く、強度の高い良質な高炉用コークスを製造することができた。
【0058】
(実施例9)
本発明に従って、表1に示すように、非微粘結炭を70質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が0.17質量%で、1mm以下割合が55.51質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは1.0328となる。該原料炭を乾燥機で水分を2.5質量%まで乾燥させた後、原料炭に対して4.0質量%のソフトピッチを添加した後、コークス炉に嵩密度0.81t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0059】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は84.9と高く、強度の高い良質な高炉用コークスを製造することができた。
【0060】
(比較例1)
表1に示すように、非微粘結炭を20質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が8.80質量%で、1mm以下割合が48.61質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは0.8643となる。該原料炭を乾燥機で水分を3.5質量%まで乾燥させた後、コークス炉に嵩密度0.81t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0061】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は82.5と低く、高炉用コークスとしての強度が不足であり、良質な高炉用コークスを製造することができなかった。
【0062】
(比較例2)
表1に示すように、非微粘結炭を20質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が8.80質量%で、1mm以下割合が48.61質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは0.8643となる。該原料炭を乾燥機で水分を6.0質量%まで乾燥させた後、コークス炉に嵩密度0.72t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0063】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は81.8と低く、高炉用コークスとしての強度が不足であり、良質な高炉用コークスを製造することができなかった。
【0064】
(比較例3)
表1に示すように、非微粘結炭を40質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が7.88質量%で、1mm以下割合が49.60質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは0.8234となる。該原料炭を乾燥機で水分を6.0質量%まで乾燥させた後、コークス炉に嵩密度0.72t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0065】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は81.5と低く、高炉用コークスとしての強度が不足であり、良質な高炉用コークスを製造することができなかった。
【0066】
(比較例4)
表1に示すように、非微粘結炭を40質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が0.00質量%で、1mm以下割合が84.30質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは1.4938である。該原料炭を乾燥機で水分を3.0質量%まで乾燥させた後、コークス炉に嵩密度0.70t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0067】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は83.0と低く、高炉用コークスとしての強度が不足であり、良質な高炉用コークスを製造することができなかった。
【0068】
(比較例5)
表1に示すように、非微粘結炭を70質量%含む原料炭を粉砕機で粉砕し、6mm超割合が10.50質量%で、1mm以下割合が43.60質量%となるように粒度調整した。式(a)の係数Aは0.8490である。該原料炭を乾燥機で水分を3.0質量%まで乾燥させた後、コークス炉に嵩密度0.81t/m3で装入して、炉温1200℃で18.5時間乾留し、コークスを製造した。
【0069】
上記の方法によって得られたコークスのDI150 15は81.4と低く、高炉用コークスとしての強度が不足であり、良質な高炉用コークスを製造することができなかった。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】
以上のように、本発明により、非微粘結炭を多量に配合した原料炭を用いて強度の高いコークスを製造することが可能となった。本発明の技術的、経済的な効果は非常に大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】 石炭の軟化溶融温度と再固化温度を示す図である。
【図2】 コークスの温度と線収縮係数の関係を示す図である。
【図3】 原料炭中の粒径1mm以下の石炭割合と嵩密度の関係を示す図である。
【図4】 原料炭中の粒径3mm以下の石炭粉砕粒度および水分と嵩密度の関係を示す図である。
【図5】 本発明を実施例1〜9および比較例1〜5に適用した場合のコークス強度を示す図である。
【図6】 本発明を適用するフローの概要を示す図である。
【符号の説明】
1 原料炭槽
2 石炭供給フィーダー
3 一次粉砕機
4 一次分級機
5 二次粉砕機
6 二次篩
7 石炭槽
8 乾燥機
9 混炭機
10 粘結材タンク
Claims (2)
- 非微粘結炭の割合が70質量%以上80質量%以下の石炭をコークス炉に装入して乾留し、コークスを製造する方法において、前記石炭は粒径1mm以下の石炭の割合が53.50質量%以上59.00質量%以下で、かつ、粒径6mm超の石炭の割合が5質量%以下となるように粉砕調整し、石炭中の水分を4質量%以下とすることを特徴とするコークス製造方法。
- 粘結材を添加することを特徴とする請求項1に記載のコークス製造方法。
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