JP6413614B2 - コークス炉の操業方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コークス炉の押出し負荷を低減するコークス炉の操業方法に関し、特に、コークス炉の炉壁に凹凸が存在する老朽炉において、押出し負荷を低減するコークス炉の操業方法に関するものである。
近年のコークス炉の操業では、生産性や品質の向上を狙って炭化室内へ装入する石炭の水分を低減させる方法が多く取り入れられており、石炭の装入(充填)密度が上昇する傾向にある。その結果、コークスケーキを押出す際に炭化室の側壁(炉壁)にかかる荷重が上昇し、これにともないコークスケーキの押出しに必要な力(押出負荷)も増加する傾向にある。
また、長期間稼動のコークス炉も増えており、そのようなコークス炉の炭化室では、炉壁にカーボンが付着して突起部(凸部)が形成されている場合も多くなっている。炭化室の炉壁に突起部が存在すると、その分だけ炉壁間距離(炉幅)が狭くなる。炉幅が狭くなった狭窄部をコークスケーキが通過する際、炉壁面とコークスケーキ表面との間の相互作用が大きくなり、押出負荷や炉壁に作用する荷重(炉壁荷重)がさらに増加する。
このような状況の中で、押出負荷が押出し機の能力を上回って、押詰まりが発生したり、押出し中に炉壁煉瓦が破孔したりするなどの可能性が増大している。このため、石炭乾留後のコークスケーキをより低い押出負荷で炭化室から押出すことは、操業を安定化してコークスの生産量が確保できるだけでなく、炭化室の炉壁に対する負荷を低減して炉体寿命を長くする観点から非常に重要となっている。
乾留後のコークスケーキを炭化室から押出す際の押出負荷は、ランキン係数で評価される。このランキン係数は、押出し機でコークスを押した力が炉壁を押す力に転換する割合と定義されるもので、側圧転換率ともいわれているが、このランキン係数が小さいほどコークス押出し時の押出し側圧が小さくなり、より小さい押出し力(押出負荷)で押出しができることを示している。
従来から、コークスケーキと炉壁の間の隙間が大きいほどランキン係数が小さくなることが知られており、ランキン係数を小さくするために、コークスの配合を工夫して乾留による収縮量(焼減り量)を増加させ、それによってコークスと炉壁の間の隙間を増加させる方法が提案されている。
特許文献1には、配合石炭に粒度40〜200mmの塊コークスを0.5〜10重量%混合してコークス炉に装入して乾留することにより、コークス炉炭化室中心の石炭が再固化した後の炭化室中央部の隙間を減らし、コークス炉壁とコークスケーキ表面の間隙で定義される水平焼減り量を増加させ、コークスと炉壁の間の隙間を増加させる方法が開示されている。しかし、特許文献1に開示の方法では、特定の粒度のコークスを装入炭に対して添加するため、コークス生産量が低下するという問題があった。
一方、特許文献2には、内部に存在する全空隙量を考慮して、より精度よくコークス押出負荷を推定するために、揮発分含有量VMと装入嵩密度BDの値からコークスケーキの全空隙率を予測し、そのコークスケーキの全空隙率に基づき、コークス押出負荷を推定する技術が開示されている。
この特許文献2に開示の技術によれば、コークスケーキの全空隙率を上げて、コークス押出負荷を低下させるためには、揮発分含有量VMが高い原料石炭を用いるか、装入嵩密度BDを低くすればよい。しかし、揮発分含有量VMが高い原料石炭とするには、非微粘結炭比率を高くする必要があり、得られるコークスの強度が低下してしまい、また、装入嵩密度BDを低くしても、コークスの強度が低下してしまうという問題があった。
特開平11−228971号公報 特開2014−019749号公報 特開2005−060451号公報
そこで、本発明では、このような実情に鑑み、コークス生産量及びコークス強度を低下させることなく、コークスケーキの全空隙量を増加させて、コークスケーキの押出負荷を低減させ、安定的にコークス炉からのコークスケーキの押出しを可能とするコークス炉の操業方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決する方法について鋭意検討したところ、コークスケーキに空隙を形成する材料(空隙形成物)を、乾留前の原料石炭に混合することを考えた。まず、廃プラスチックを空隙形成物として、原料石炭と混合し、その混合物を乾留して、コークスケーキに空隙の形成を試みた。コークスケーキに、空隙は形成されたが、十分な量の空隙は形成されなかった。
そこで、本発明者らは、種々の形態、寸法、材質の材料を空隙形成物として、乾留前の原料石炭に混合し、その混合物を乾留して、コークスケーキに空隙の形成を試みた。その結果、中空有機材料を空隙形成物として、乾留前の原料石炭に混合することで、コークスケーキに十分な量の空隙が形成されることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、その要旨とするところは以下の通りである。
(1)石炭と、乾留後のコークスケーキに空隙を形成する空隙形成物を混合して、コークス炉の炭化室に装入して乾留するコークス炉の操業方法であって、空隙形成物が、強度が10kPa以上、最小長が10mm以上100mm以下、最大長がコークス炉幅未満、400℃での残渣率が20質量%以上の中空有機材料であり、石炭と、前記空隙形成物を混合して、コークス炉の炭化室に装入して乾留することを特徴とするコークス炉の押出負荷を低減するコークス炉の操業方法。
(2)前記空隙形成物を前記コークス炉の炭化室の炉高方向の下部に偏在させることを特徴とする前記(1)に記載のコークス炉の押出負荷を低減するコークス炉の操業方法。
(3)前記空隙形成物をコークスケーキが押出される出口近傍に偏在させることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載のコークス炉の押出負荷を低減するコークス炉の操業方法。
本発明では、特定粒度のコークスの装入炭への添加や、原料石炭の揮発分含有量VM及び装入嵩密度BDの限定をすることなく、コークスケーキの全空隙量を増加させ、コークスケーキの押出負荷を低減させることができるので、安定的にコークス炉からのコークスケーキの押出しをすることができる。
次に、本発明のコークス炉の操業方法(以下、「本発明の方法」という)について説明する。
本発明の方法は、石炭をコークス炉の炭化室に装入する際に、コークスケーキに空隙を形成する材料を混合して装入し、乾留することで、コークスケーキの押出負荷を低減させるコークス炉の操業方法である。
本発明者らは、コークス生産量の低下を招く、特定粒度のコークスを装入炭へ添加することなく、また、コークス強度の低下を招く、揮発分含有量VMを高くすること及び装入嵩密度BDを低くすることなく、十分な量の空隙をコークスケーキに形成する方法について検討したところ、コークスケーキに空隙を形成する材料(以下、「空隙形成物」という)を、乾留前の原料石炭に混合することを着想した。
そこで、コークスケーキの空隙の形成に関して、調査したところ、特許文献3に、廃プラスチックが原料石炭に混合された状態の装入炭を加熱すると、装入炭内の廃プラスチックが、ガス化して、廃プラスチックの存在していた場所に空隙部が形成されると記載されていた。一方で、この空隙部の周囲の石炭が、加熱されて膨張する際に、空隙部で自由膨張し、隣り合う石炭と接触しないので、脆弱なコークスが製造されると記載されていた。
まず、本発明者らは、原料石炭に廃プラスチックを混合した混合物を乾留して、試験コークスケーキを作成し、試験コークスケーキに形成される空隙及び空隙率について調査した。試験コークスケーキは、耐熱性に優れた金属性の材料からなる乾留缶に原料石炭及び廃プラスチックを充填し、試験コークス炉に乾留缶を入れ、乾留缶を側面から加熱して、作成した。
作製した試験コークスケーキの空隙は、試験コークスケーキを乾留缶に入れた状態で、X線CTを用いて断層画像を撮影し、確認した。試験コークスケーキには、炉壁に相当する乾留缶壁と試験コークスケーキの間、試験コークスケーキの炉幅方向中央、コークス塊とコークス塊の間、コークス塊の内部、及び、廃プラスチックが存在していた部分に空隙が形成されていた。
そして、試験コークスケーキの空隙率は、試験コークスケーキを乾留缶に入れた状態で、X線CTを用いて断層画像を試験コークスケーキの長手方向に所定ピッチで複数撮像し、各画像で解析領域を設定し、画像ごとに解析領域内の空隙の合計面積を画像解析して求め、それを解析領域の面積で割って画像ごとの空隙率を求め、それを平均して空隙率(%)とした。
試験コークスケーキの空隙率は34%未満であり、コークス押出負荷を低減させるための空隙率としては、十分ではなかった。このように、空隙率が低い値となったのは、廃プラスチックが、表面から内部空間につながる空隙部を有しており、廃プラスチックと石炭の混合中又は乾留中に、廃プラスチックの内部空間にまで石炭が侵入して、廃プラスチックが揮発した後に形成された空隙が小さくなったと考えた。
そこで、本発明者らは、石炭との混合中や乾留中に、石炭が内部に侵入しない空隙形成物を検討したところ、中空有機材料に着目した。まず、表1に示す中空有機材料を用意した。これらの中空有機材料を、それぞれ原料石炭に対して内数で3体積%となるように混合し、混合物を乾留缶に充填し、試験コークス炉に乾留缶を入れ、乾留缶を側面から加熱して、No.1〜5の試験コークスを作成した。また、比較として、中空有機材料を混合させていない原料石炭、水分量を増加させた原料石炭、及び、非微粘結炭をNo.1〜5の原料石炭より20質量%多く含む原料石炭を、それぞれ、乾留缶に充填し、試験コークス炉に乾留缶を入れ、乾留缶を側面から加熱して、No.6〜8の試験コークスケーキを作成した。
Figure 0006413614
作成された試験コークスケーキの空隙率、突起乗越え力、及び、コークス強度を測定し、表2に示す。作成された試験コークスケーキの空隙率は、試験コークスケーキを乾留缶に入れた状態で、X線CTを用いて断層画像を複数撮影し、画像ごとの空隙率を求め、それを平均して全空隙率(%)を求めた。
突起乗越え力は、作製された試験コークスケーキを用いて押出負荷測定試験を実施し、測定した。押出負荷測定装置及び押出負荷測定試験方法は、たとえば、特許文献2に詳述されているので、以下に概略を説明する。押出負荷測定装置は、試験コークスケーキの前後に押出し側と受け側の当て板を配置し、それぞれの当て板を油圧シリンダに接続して、試験コークスケーキに対し押出し力と、コークス炉の炭化室の炉長方向の想定位置に応じた一定の反力を加えながら、試験コークスケーキを押し出すものである。
押出負荷測定装置を用いた押出負荷測定試験方法は、まず、測定装置の側面パネルのコークスケーキと対向する面に、突起(たとえば、長さ400mm、水平面の長さ220mm、突起の厚み30mm、斜面の角度9.5°)を取付ける。次に、作成した試験コークスケーキを所定サイズ(たとえば、長さ600×高さ370×幅430mm)として、測定装置の左右の側面パネル、押し側及び受け側の当て板で囲まれる空間に配置する。
この状態で、押出し用油圧シリンダ装置を作動させ、当て板を介して試験コークスケーキに押出し力を付与するとともに、反力付加用油圧シリンダによって当て板を介して一定の反力を作用させながら押出しを開始する。ロードセルにより、押出し力及び反力を連続的に測定する。試験コークスケーキが突起の斜面を乗り超え、突起の水平面と、それと対向する側面パネルとの間に形成された狭窄部を通過する。その際に、押出し力の値は最大値を示す。この最大値が、コークスケーキが炉幅狭窄部を通過するために必要な力、つまり、突起乗越え力であり、各試験コークスケーキの突起乗越え力を測定した。
コークス強度は、試験コークスをJIS K2151記載のドラム試験機により150回転した後、15mmふるい上のコークスの百分率DI150 15(以下、コークス強度DIという)を測定した。
Figure 0006413614
No.1〜5では、原料石炭に中空有機材料を混合させており、炉壁に相当する乾留缶壁と試験コークスケーキの間、試験コークスケーキの炉幅方向中央、コークス塊とコークス塊の間、コークス塊の内部、及び、中空有機材料が存在していた部分に空隙が形成されていた。そして、試験コークスケーキの全空隙率は、35%以上であり、突起乗越え力が41kN以下であった。
一方、No.6では、原料石炭に中空有機材料を混合させておらず、空隙率が33%であり、突起乗越え力も45kNであった。従って、No.1〜5の試験コークスケーキの空隙率は、コークス押出負荷を低減させるための空隙率として十分であることが確認された。No.7では、原料石炭に中空有機材料を混合させていないが、原料石炭の含有水分量を多くして、装入嵩密度を低くしたため、空隙率が35.0%で、突起乗越え力が41kNであった。しかし、装入嵩密度が低いため、コークス強度DIが83.5%で、No.1〜5のコークス強度DIと比べて、低くなった。No.8では、原料石炭に中空有機材料を混合させていないが、原料石炭の非微粘結炭の含有量を20質量%多くして、揮発分含有量を高くしたため、空隙率が35.2%で、突起乗越え力が41kNであった。しかし、揮発分含有量が高いため、コークス強度DIが83.1%で、No.1〜5のコークス強度DIと比べて、低くなった。
さらに、種々の中空有機材料を用いて試験コークスケーキを作成したところ、中空有機材料において、原料石炭の自由膨張や原料石炭の荷重により押しつぶされ、コークス押出負荷を低減させるための空隙が、十分得られないものがあった。
この石炭の自由膨張や石炭の荷重による中空有機材料の押しつぶされは、中空有機材料の強度、寸法、400℃での残渣率に関係すると考え、調査した。試験コークスケーキは、上記同様に、乾留缶に原料石炭及び種々の強度、寸法、400℃での残渣率の中空有機材料を充填し、試験コークス炉で乾留缶を加熱して作成し。そして、試験コークスケーキの空隙率も、上記同様に、試験コークスケーキを乾留缶に入れた状態で、X線CTを用いて断層画像を複数撮影し、画像ごとの空隙率を求め、それを平均して全空隙率(%)を求めた。
その結果、強度が10kPa以上、最小長が10mm以上100mm以下、最大径がコークス炉幅未満、400℃での残渣率が20質量%以上の中空有機材料であれば、試験コークスケーキの空隙率は、35%以上となり、コークス押出負荷を低減させるための空隙率として、十分な空隙率となることを知見した。
本発明の方法は、以上のような検討過程を経て上記(1)に記載の発明に至ったものである。次に、本発明の製法について、さらに、必要な要件や好ましい要件について説明する。
本発明の方法は、コークスケーキの空隙率が増加するように、空隙形成物の寸法及び材質を選択し、また、空隙形成物の添加量を調整し、この空隙形成物と原料石炭を混合して、混合物をコークス炉の炭化室に装入し乾留する、コークス炉の操業方法である。
空隙形成物は、中空有機材料からなるものである。中空有機材料は、有機材料の内部に空間を有する材料である。中空有機材料の内部空間の形状は、特に限定されず、必要とする量の空隙が形成されれば、球形状、直方体状形状、多角体形状、不定形など、いかなる形状でもよい。また、中空有機材料は、原料石炭との混合中や乾留中に、内部空間に石炭が侵入しないように、表面から内部空間へつながる空隙部を有さないものである。ただし、石炭が内部空間にほとんど侵入できないような、たとえば、直径0.1mm未満の空隙部や、表面から内部空間までの深さが小さい空隙部であれば、中空有機材料が有していてもよい。
中空有機材料は、強度が10kPa以上のものとする。本発明の方法における強度とは、一軸圧縮試験で、壊れる(塑性変形する)、又は、圧縮方向に10%変形する際の力である。強度が10kPa未満であると、中空有機材料が装入時の衝撃及び上部に堆積する原料石炭の粉体圧に耐えることができず、中空形状を維持することができなくなる。
中空有機材料は、最小長が10mm以上100mm以下、最大長がコークス炉幅未満のものとする。最小長が10mm未満であると、コークス塊中に取り込まれ大きな気孔となり、コークス強度を低下させる。すなわち、最大長が10mm以上であっても、最小長が10mm未満であると、コークス塊と一体となりコークス強度が低下する。
また、最小長が100mm超であると、コークスケーキの構造が維持できなくなる。すなわち、中空有機材料の最小長が100mm超であると、最大長も100mm超であるため、コークスケーキに形成される1つの空隙が大きすぎて、コークスケーキの構造が維持できなくなる。そのため、最小長を100mm以下とする。一方、最大長は、コークス炉幅(たとえば、400mm)未満とする。コークス炉幅以上とすると、炭化室に接触してしまい、炭化室への装入が困難となる。なお、中空有機材料が、球の場合は、最小長と最大長は、同じとなり、直径10mm以上100mm以下とする。
中空有機材料は、400℃での残渣率が20質量%以上とする。400℃での残渣率とは、中空有機材料を400℃まで加熱したときに、加熱前の質量に対して残存している質量の割合をいう。400℃での残渣率が20質量%未満であると、石炭が軟化溶融する温度までに、中空有機材料が揮発してしまい、コークスケーキに空隙が形成されない。
以上のような中空有機材料としては、ピンポン球、中空プラスチック容器、ゴム製のテニスボール、紙箱、木箱などが例示される。
原料石炭に対する空隙形成物の添加率は、特に限定されるものでなく、コークスケーキの押出負荷、コークス生成量などを考慮して選択すればよい。原料石炭に対して空隙形成物を内数で10体積%以下添加することが好ましい。
空隙形成物は、コークス炉の炭化室の炉高方向の下部、コークスケーキが押出される出口近傍、又は、コークス炉の炭化室の炉高方向の下部とコークスケーキが押出される出口近傍に偏在することが好ましい。コークス炉の炉壁の突起は、コークス炉の炭化室の炉高方向の下部又はコークスケーキが押出される出口近傍の領域に形成されることが多いため、これらの領域のコークスケーキの空隙量を増加させることで、効果的にコークス押出負荷を低減することができる。コークス炉の炭化室の炉高方向の下部は、炉高方向の炉底から、たとえば、2m以下の領域とすることが好ましい。また、コークスケーキが押出される出口近傍は、出口から入口側へ、たとえば、0.5mの領域とすることが好ましい。但し、実際のコークス炉では、原料石炭と空隙形成物の混合物を、コークスケーキが押出される最も出口側の装入口から装入することになるため、出口近傍の領域は、上記の0.5mよりも広い領域となることが現実的である。
次に、本発明の実施例について説明するが、実施例での条件は、本発明の実施可能性及び効果を確認するために採用した一条件例であり、本発明は、この一条件例に限定されるものではない。本発明は、本発明の要旨を逸脱せず、本発明の目的を達成する限りにおいて、種々の条件を採用し得るものである。
実施例1として、配合炭に対して中空プラスチック容器を内数で3体積%添加した混合物を、実コークス炉の炭化室の炉高方向の下部(炉底から1m以下の領域)に装入し、続いて、配合炭を6mの高さまで装入した。実施例2として、上記混合物を、実コークス炉の炭化室のコークスケーキが押出される出口側に最も近い装入口を通じて、6mの高さまで装入し、一方、配合炭は、コークスケーキが押出される出口側に最も近い装入口以外の4つの装入口から、6mの高さまで装入した。また、比較例1として、配合炭のみを炭化室に6mの高さまで装入した。この配合炭として、その性状が、全膨張率(ΣTD)=51、揮発分含有量(ΣVM(dry))=28.1%となるように原料石炭を配合し、混合したものを用いた。
以上のそれぞれの場合について、乾留した後に炭化室からコークスケーキを押出す際、押出機ラムにロードセルを取り付けて押出し力を測定した。また、得られたコークスのコークス強度DIを測定した。
比較例1では、コークス強度DI:85.0、押出負荷:36.4tであった。一方、実施例1は、コークス強度DI:85.0、押出負荷:32.2tであり、実施例2は、コークス強度DI:84.9、押出負荷:32.4tであり、コークス強度DIの低下を抑制しつつ、コークスケーキの押出負荷を低減させることができた。
本発明によれば、特定粒度のコークスの装入炭への添加や、原料石炭の揮発分含有量VM及び装入嵩密度BDの限定をすることなく、コークスケーキの全空隙量を増加させ、コークスケーキの押出負荷を低減させることができるので、安定的にコークス炉からのコークスケーキの押出しをすることができる。よって、本発明は、産業上の利用可能性が大きいものである。

Claims (3)

  1. 石炭と、乾留後のコークスケーキに空隙を形成する空隙形成物を混合して、コークス炉の炭化室に装入して乾留するコークス炉の操業方法であって、空隙形成物が、強度が10kPa以上、最小長が10mm以上100mm以下、最大長がコークス炉幅未満、400℃での残渣率が20質量%以上の中空有機材料であり、石炭と、前記空隙形成物を混合して、コークス炉の炭化室に装入して乾留することを特徴とするコークス炉の押出負荷を低減するコークス炉の操業方法。
  2. 前記空隙形成物を前記コークス炉の炭化室の炉高方向の下部に偏在させることを特徴とする請求項1に記載のコークス炉の押出負荷を低減するコークス炉の操業方法。
  3. 前記空隙形成物をコークスケーキが押出される出口近傍に偏在させることを特徴とする請求項1又は2に記載のコークス炉の押出負荷を低減するコークス炉の操業方法。
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