JP5581630B2 - コークスケーキ押出し性の推定方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コークスケーキの押出し性を推定する方法に関する。
一般の室式コークス炉の操業において、炭化室内に装入された配合炭は、隣接する燃焼室からの加熱によって炉壁側の部分から順次に乾留され、コークスケーキを生成していく。そして、乾留終了後、生成したコークスケーキは、押出し機によりコークス炉外へ排出される。このとき、コークスケーキ自体は、通常、乾留によって収縮するので炉壁と該コークスケーキ外面との間には隙間が生じ、この隙間の存在によって、該コークスケーキの炉外への排出(押し出し)が容易になる。しかし、時として、該コークスケーキの収縮が不十分となって、炉外への排出ができなくなる“押詰まり”の現象を招くことがある。この押詰まりが発生すると、生産スケジュールの変更に伴う生産量の減少や、炉体の損傷を招くなど、コークス製造工程上の重大なトラブルとなる。なお、この押詰まりトラブルを引き起こす主な原因は、コークスケーキと炉壁や炉床との間の抵抗と考えられている。即ち、コークスケーキの押出し性は、コークスケーキ自体の形状と炉壁や炉底の状態に依存すると考えられる。
ここで、コークスケーキの押出し性を支配するコークスケーキ自体の問題としては、主に二つあると考えられている。その一つは、乾留後コークスケーキの炉幅方向の収縮量、もう一つは、コークスケーキが内包する亀裂の存在である。
乾留終了後のコークスケーキは、一般に、炉幅方向(水平方向)に収縮する。その収縮量が大きくなるのに従い、炉壁とコークスケーキの間に生じる隙間は大きくなり、コークスケーキの押出しは容易になる。
そのコークスケーキ自身は、乾留の際に、炉幅方向に収縮較差が生じるため、コークスケーキ内に応力が発生し、該コークスケーキ内部には多数の亀裂が発生する。そして、そのケーキ内亀裂は、これが増大するのに伴い、次第に細かなコークス塊に分断されていく。その結果、室炉からコークスケーキを押出す際、押出し機による押力のうちの炉壁に作用する割合が増大するようになること(非特許文献1)が知られている。
炭化室内でのコークスケーキの状態(構造)は、実炉での測定が困難なため、従来、小規模な試験炉を使って測定するのが普通である。例えば、特許文献1では、試験コークス炉で乾留したコークスケーキの収縮量ないし亀裂量を、該コークスケーキの透過放射線像から求め、その値に基づいて、実コークス炉におけるコークスケーキの押出し性を推定する方法を提案している。
その他、コークスケーキの押出し性を推定する方法としては、原料炭を配合する段階で、配合炭を構成する各単味炭(特定銘柄の原料炭のこと)の膨張圧を予め測定し、その収縮率と配合率を加重平均することによって配合炭の膨張圧を求め、その値をもとに石炭配合を変更する方法が、例えば、特許文献2に開示されている。
また、特許文献3では、配合炭の収縮率を、原料炭を配合する段階で推定し、その推定収縮率に基づいて石炭配合を変更する方法を開示している。この推定方法は、配合炭を構成する各単味炭の収縮率と配合率に基づき加重平均して求めた単純平均膨張率と、配合炭を構成する各単味炭の、反射率測定方法(JIS M8816)により測定されたビトリニットの反射率分布と前記配合率に基づき求められる前記配合炭の反射率分布の幅(コークスケーキ中の亀裂量と関係のある数値)とを用いて、配合炭のコークス収縮率を推定する方法である。
また、この特許文献3には、前記の単純平均膨張率の代わりに、配合炭を構成する各単味炭の、ビトリニットの平均反射率(以下、「Ro」として略記する)と、前記配合率に基づいて求められる配合炭のRoから推定した平均品位配合炭のコークス収縮率を用いる方法も開示されている。
J.Tuckerら:Ironmaking Conference.Proc,AIME,Chicage,(1989),559 特許第4239753号公報 特許第2561211号公報 特開2006−249174号公報 特開2001−214167号公報
上述した従来の方法は、原料炭を実コークス炉内で実際に乾留する以前に、コークスケーキの押出し性を把握できる点で有効である。しかしながら、特許文献1の方法は、原料炭を配合する段階で、コークスケーキの押出し性を推定することができないため、推定した結果を基に、簡便かつ迅速に原料炭の配合方法を変更することが困難である。
次に、特許文献2ないし特許文献3の方法は、特許文献1に記載の方法と比べると、配合段階で押出し性をある程度推定できるため、配合の変更が可能になるという点で有効である。しかし、特許文献2の方法は、乾留終了後のコークスケーキ構造に影響するような膨張以外の現象、即ち、コークスの収縮や亀裂については考慮されていないため、コークスケーキの実炉における押出し性を推定するという点において、正確さに欠け不十分であった。また、特許文献3の方法では、コークスケーキが内包する亀裂をコークスケーキの収縮量を求めるために使用しており、コークスケーキの押出し性の支配因子としての収縮量と亀裂の両方を評価するという点において、不十分であった。
そこで本発明は、乾留後のコークスケーキの押出し性を、各単味炭を配合して配合炭を得る段階において使えるよう精度よく推定するための方法を提案することを目的とする。
発明者らは、上記目的を達成するために鋭意研究を行ったところ、配合炭を乾留してコークス化処理する際に、乾留後のコークスケーキの構造に影響を及ぼす指標として、乾留中に起っている現象、即ち、「軟化溶融時の膨張」、「再固化後の収縮」および「再固化後に生成する亀裂」を考慮することが有効であることを突き止めた。例えば、石炭が軟化溶融する時に起こる膨張は、乾留後のコークスケーキの収縮量を減少させ、逆に、再固化後に起こる収縮は、乾留後のコークスケーキの収縮量を増加させる。一方、石炭の再固化後に生成する亀裂は、コークスケーキを分断する故に、押出し機の押出し抵抗の増大(炉壁への押し力の増大)を招き、押出し性を悪化させる。
従って、配合炭を構成している各単味炭毎の、乾留の最中に起こる現象を押出し性評価の指標として採用し、これを定量化すると共に、それらの値を予め測定しておき、押出し性を推定する際の因子としてこれらの値を使用すれば、配合炭の配合割合を決定する段階において利用することができるようになり、乾留後のコークスケーキの押出し性を精度よく推定できることがわかる。
即ち、本発明は、室式コークス炉における乾留後のコークスケーキの押出し性を推定するに当たり、コークスケーキの押出し性の指標として、コークスを押出し機で押出す際の押出し電流値を選択し、そのコークス炉内に装入される配合炭中に含まれる各単味炭についての、軟化溶融時における膨張因子として、所定量の石炭試料を容器内に充填すると共に、この石炭試料の上に多孔質材料を配置し、この多孔質材料の表面に一定の荷重を負荷しつつ前記石炭試料を加熱する際に、550℃におけるその石炭の体積変化の割合を測定することによって得られる550℃膨張率を用い、収縮因子として平均反射率(R)を用い、亀裂因子として、配合炭の反射率分布の標準偏差σRおよび最高流動度の常用対数置logMFを用い、これら膨張因子、収縮因子および亀裂因子を予め測定しておき、これらの測定値に基づいて下記式を用いてコークスを押出し機で押出す際の押出し電流値の推定計算を行うことを特徴とするコークスケーキの押出し性の推定方法:
押出し電流値)=
a1×[各単味炭の550℃膨張率の加重平均値]
+a2×[各単味炭のRの加重平均値]
+a3×[配合炭の反射率分布の標準偏差σR
+a4×[各単味炭のlogMFの加重平均値]
+b
ただし、a1、a2、a3、a4およびbは定数、である。
(1)以上説明したように構成される本発明によれば、原料炭を配合する段階において使用し得る、乾留後のコークスケーキの押出し性を精度よく推定できるため、コークス炉の安定操業ないし炉体の延命に寄与する。
(2)また、本発明によれば、押出し性に及ぼすコークスケーキ構造の影響を推定できることで、コークス炉の炉体状況を観測することが可能になる。
(3)また、本発明によれば、コークスケーキの推定した押出し性を基に、配合内容を変更するフィードバック制御を簡便かつ迅速に行うことができるようになるため、室炉の押詰まりを防止しつつ、コークスの製造が可能となる。
(4)本発明によれば、上記のようにして推定した押出し性をもとに、逆に、配合炭の銘柄選定や配合割合を調整し、その押出し性を、予め定めたコークス炉の許容限界値以下となるように管理することで、押詰まりを防止しつつ、円滑にコークスの製造を行うことが可能になる。
(5)さらに、本発明によれば、配合段階で所望の配合組成にすることができるため、配合炭を構成する各単味炭の性状から強度を推定する方法と組み合わせることで、コークス品位を下げることなく、室炉コークスの押詰まりを容易に防止することが可能になる。
本発明に係るコークスケーキの押出し性を推定する際に使用する、石炭軟化溶融時の膨張因子を測定する装置である。 配合炭の膨張因子、収縮因子、亀裂因子から推定した押出し電流推定値と、実測した押出し電流測定値との関係を示した図である。
以下、配合炭がコークス化する際に、乾留後のコークスケーキ構造に影響を及ぼす「軟化溶融時の膨張を示す膨張因子」、「再固化後の収縮を示す収縮因子」および「再固化後に生成する亀裂を示す亀裂因子」の各指標を定量化する方法について説明する。
石炭の膨張は、通常、ジラトメータ法(JIS M8801)により測定されてきた。この試験は、石炭の粘結性を測定する試験としては有効な方法であるが、実コークス炉内における軟化溶融時の石炭の膨張現象を評価するためのものではない。その理由は、実コークス炉内において軟化溶融する時の石炭というは、隣接するコークス層ないし石炭層によって、強く拘束を受けていることに加え、周囲の欠陥構造部へ移動しやすい傾向があるにも拘らず、ジラトメータ法ではこれらの現象を考慮したものではないからである。
この点に関し、本発明では、実コークス炉内の現象を正確に模擬することを目指して、所定量の石炭を容器内に充填して石炭試料とし、その石炭試料の上に、上面〜下面の間に亘って貫通する孔を有する多孔質材料を配置し、その多孔質材料に一定の荷重を負荷しつつ、所定の加熱速度で該石炭試料を加熱し、このときに起る石炭の体積変化の割合を測定し、その測定値を、「軟化溶融時の膨張」の程度を示す指標として、これを膨張因子とすることにした。
次に、石炭の「再固化後の収縮」ならびに「再固化後に生成する亀裂」については、これらを定量化する方法として、再固化後の石炭は固体であるため、実コークス炉内現象を再現せずとも、配合炭自身の収縮、亀裂の指標を、「再固化後の収縮因子」、「再固化後の亀裂因子」として、そのまま使用するができる。
例えば、石炭の「再固化後の収縮因子」としては、従来、石炭の収縮性を示す指標としてよく知られている、揮発分量定量方法(JIS M8812)により測定された揮発分量(以下、「VM」と略記する)、ないし前記のRoを使用することができる。
また、「再固化後に生成する亀裂量」については、配合炭を構成する個々の石炭粒子の収縮率の較差、ならびに個々の石炭粒子を接着する強さに影響を受けるものと考えられる。そこで、配合炭を構成する各単味炭のビトリニットの反射率分布と配合率に基づいて、配合炭の反射率分布を求め、さらにその反射率分布の標準偏差であるσRoを求め、この値を収縮率の較差の指標として使用するのである。
例えば、単味炭A、Bからなる配合炭のσRoの標準偏差は、それぞれの単味炭の反射率の頻度分布(ヒストグラム)をP(Ro)、P(Ro)、配合割合をα、βとした場合、下記式に基づいて求めることができる。
Figure 0005581630
また、本発明においては、上記σRoに加えて、ギーセラープラストメータ法(JIS M8801)により測定された最高流動度(以下、「MF」と略記する)の常用対数値logMFを用いて、該亀裂量の指標として使用することもできる。
ここで、収縮因子として用いるσRoは、これの値が大きくなるに従い、配合炭を構成する各単味炭の収縮率の較差が増大し、結果的に亀裂量の増大を招く。一方、logMFについては、この値が大きくなるに従い、個々の石炭粒子を接着する強さが向上し、上記の亀裂量は逆に減少する。
上述した方法に従って、配合炭を構成する各単味炭毎の上記各因子(膨張因子、収縮因子、亀裂因子)を測定しておけば、各単味炭を配合して配合炭を形成する段階において使用可能な乾留後のコークスケーキの押出し性を精度よく推定できる。
次に、本発明に係るコークスケーキ押出し性の推定方法の一実施形態について、図面を参照しながら説明する。この実施形態において、膨張因子としては、膨張因子測定装置を使って測定した値、即ち、配合炭を構成する各単味炭の膨張率の加重平均値を用い、収縮因子としては、各単味炭のRoの加重平均値を用い、亀裂因子としては配合炭の反射率分布の標準偏差σRoおよび各単味炭のlogMFの加重平均値を使用する。そして、押出し性の指標としては、下記(1)式を計算して求められる押出し電流値を使い、その値を重回帰することによって推定値とする。
(押出し電流値)=a1×[各炭味炭の550℃膨張率の加重平均値]
+a2×[各炭味炭のRoの加重平均値]
+a3×[配合炭の反射率分布の標準偏差σRo]
+a4×[各炭味炭のlogMFの加重平均値]
+b (1)
ただし、a1、a2、a3、a4およびbは定数
なお、前記膨張因子は、上述したように、実コークス炉内で、軟化溶融した配合炭が置かれている環境を模擬した膨張率測定装置を用いて測定した膨張率の値を用いる。その膨張率測定装置は、図1に示すように、上下にガスの導入口11、排出口12を有するスリーブ5内に、容器3を介してその中に、石炭試料1と粒子を充填して少なくとも上下方向に貫通する多数の孔を有する多孔質材料2を重ねて収容し、そして、その多孔質材料2の上面に接するように膨張検出棒4を、さらにその上部には重り13を配置し、さらにスリーブ5の上部には変位計6を配置してなるものである。なお、図示の7は温度計、8は発熱体、9は温度検出器、10は温度調節器である。
上記の測定装置において、加熱の速度は、実コークス炉内の石炭軟化溶融挙動を模擬する観点から、コークス炉内での石炭の平均的な加熱速度である3℃/minとした。また、測定の温度域は、石炭が軟化溶融を終了する温度(約550℃)までが含まれていればよいことから、0℃(室温)〜550℃とした。そして、荷重の値としては、実コークス炉内において作用する圧力を設定することが望ましい。従って、コークスケーキが乾留時に、炉壁に作用する膨張圧の値を設定した。
また、上記測定装置において、多孔質材料2の透過係数は、配合炭が実コークス炉内で軟化溶融する時、その配合炭に隣接するコークス層に存在する粗大欠陥の透過係数を類推して設定するものである。例えば、好ましい実施形態として、コークス層の透過係数と同等の透過係数を有する上記多孔質材料2として、直径2mmのガラスビーズの充填層を使用する。
本発明において、膨張因子として用いる値は、上述した装置によって測定された膨張率を、上記式(1)に基づき、各単味炭についての550℃膨張率の加重平均値である。ここで、膨張率は、初期充填時の高さに対する変位の変化率である。なお、石炭の膨張因子として、各単味炭の550℃における初期充填高さに対する変位の変化率、即ち、膨張率を用いるが、軟化溶融した石炭周辺の環境を模擬した状態で、該石炭が示す膨張を定量化した値であれば、例えば、温度を変更した値を用いてもよい。
次に、収縮因子および亀裂因子である「Ro」、「logMF」の値について説明する。これらは、JIS−M8816に規定された方法に準拠した測定方法で得られた値を使用する。また、「σRo」の値は、配合炭を構成する各単味炭のビトリニットの反射率分布と配合率に基づいて、配合炭の反射率分布を求め、その反射率分布の標準偏差を算出した値である。
なお、収縮因子としては、Roの代わりにVMの値を使用することも可能である。また、亀裂因子としては、σRoの変わりに、例えば、配合炭を構成する各単味炭のVMと配合率から計算した標準偏差σVMを、接着強度の値として用いてもよいし、logMFの代わりに、石炭の流動性を示す他の指標を使用しても差し支えない。
また、押出し性の指標についても、上述した押出し電流値だけでなく、例えば、押出しをする際の押出し機にかかる圧力の値や、一定期間内の押詰まり回数等を指標として用いてもよい。
上述した方法で測定した3つの因子を使用することにより、配合炭を製造する段階で利用し得る、コークスケーキの押出し性を精度よく推定できるようになる。
(発明例)
この実施例は、性状の異なる単味銘柄の原料炭を7〜14種類配合してなる配合炭を、実コークス炉において乾留した後、押出し機で押し出す際の押出し電流値を測定し、測定値と推定値との比較を行ったものである。ここで、押出し電流値は、コークス炉の状態や移動率によって変わることが一般的に知られている。従って、測定は同一の窯で、稼働率を120〜130%の範囲に制限した条件下で行った。一方、配合炭の膨張因子、収縮因子、亀裂因子を前記の方法(式(1’))によって求めた。それらの結果を表1にまとめて示す。
Figure 0005581630
ここで、表1に示す、膨張率、Ro、σRoおよびlogMFの各測定値に基づき、下記(1’)式により計算した押出し電流値の推定値を、表1に示した。

Figure 0005581630

ここで、式中のal、a2、a3、a4、bは定数であり、コークス炉の仕様や、炉稼働率等の操業条件によって異なるが、数水準のケースで実験を行えば算出可能な値である。この発明では、a1=9.60、a2=2610、a3=248、a4=−269、b=−1630とした。なお、X、Y、Zは配合割合を、P(Roi)、P(Roi)、P(Roi)は反射率の頻度分布を示すものである。ここでは、3種を例としたが、これよりも数の多い配合でも同じである。
図2は、上記(1)式に基づいて推定した押出し電流値の推定値と測定値との関係を示す図である。この図から明らかなように、本発明に係る推定方法によって、コークスケーキ押出し時の押出し性、即ち、押出し電流値を精度よく推定することが可能であることが判る。
(比較例)
比較例1として、「特許文献3」に記載の推定方法の下で、コークスの収縮量を推定する際に用いている配合炭のRoとσRoを用いて、この実施例の押出し性を推定した場合の推定精度、すなわち推定値と実測値との間の相関係数と、この比較例1の相関係数を表2に示す。また、比較例2として、「特許文献1」の実施例で示されている、「特許文献1」による押出し電流の推定精度を、表2に併せて示す。
比較例1の推定方法は、押出し性を支配する因子の一部であるコークスケーキの収縮量を推定しているため、押出し性を直接推定すると、推定精度が高くない。一方、この発明による推定方法は、コークスケーキの押出し性を精度よく推定できていることがわかる。また、この発明による推定精度は、比較例2と比べても、全く遜色がなく高いことが確認できた。このことからこの発明による推定は、比較例2と比べて、コークス製造用原料炭の配合の段階で、該配合炭を乾留後のコークスケーキの押出し性を高い精度で推定することが可能である。従って、本発明による推定方法が、先行技術に比較して非常に有効であることが確められた。
Figure 0005581630
本発明は、配合炭の乾留によって生成するコークスケーキの押出し性を推定する方法に関する提案であるが、この方法はまた、
(1)上記のようにして推定したコークスケーキの押出し性をもとに、配合時においてその配合炭の銘柄選定や配合割合を決定し、上記押出し性が、予め定めたコークス炉の許容限界値以下となるように管理することで、押詰まりを防止し、円滑にコークスの製造を行う方法、
(2)さらには、配合段階で所望の配合組成にすることができるようになるため、配合炭を構成する各単味炭の性状から強度推定する方法と組み合わせることで、コークス品位を下げることなく、室炉コークスの押詰まりを容易に防止する方法、
に適用した場合に有効である。
1 石炭試料
2 多孔質材料
3 容器
4 膨張検出棒
5 スリーブ
6 変位計
7 温度計
8 発熱体
9 温度検出器
10 温度調節器
11 ガス導入口
12 ガス排出口
13 重り

Claims (1)

  1. 室式コークス炉における乾留後のコークスケーキの押出し性を推定するに当たり、コークスケーキの押出し性の指標として、コークスを押出し機で押出す際の押出し電流値を選択し、そのコークス炉内に装入される配合炭中に含まれる各単味炭についての、軟化溶融時における膨張因子として、所定量の石炭試料を容器内に充填すると共に、この石炭試料の上に多孔質材料を配置し、この多孔質材料の表面に一定の荷重を負荷しつつ前記石炭試料を加熱する際に、550℃におけるその石炭の体積変化の割合を測定することによって得られる550℃膨張率を用い、収縮因子として平均反射率(R)を用い、亀裂因子として、配合炭の反射率分布の標準偏差σRおよび最高流動度の常用対数置logMFを用い、これら膨張因子、収縮因子および亀裂因子を予め測定しておき、これらの測定値に基づいて下記式を用いてコークスを押出し機で押出す際の押出し電流値の推定計算を行うことを特徴とするコークスケーキの押出し性の推定方法:
    押出し電流値)=
    a1×[各単味炭の550℃膨張率の加重平均値]
    +a2×[各単味炭のRの加重平均値]
    +a3×[配合炭の反射率分布の標準偏差σR
    +a4×[各単味炭のlogMFの加重平均値]
    +b
    ただし、a1、a2、a3、a4およびbは定数。
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