JP2018099943A - ウェビング巻取装置 - Google Patents
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Abstract
Description
図2に示すフレーム12は、車両の図示しないセンターピラーの車両下側部分に固定されている。また、フレーム12は、一例として、車両上下方向に見て四角筒状に形成されている。具体的には、フレーム12は、略車両前後方向に沿って対向する脚板12A及び脚板12Bと、略車幅方向に沿って対向する背板12C及び前板12Dとを有している。背板12C及び前板12Dは、脚板12Aの車幅方向の両側端部と脚板12Bの車幅方向の両側端部とを繋いでいる。
図3に示すスプール14は、フレーム12(図2参照)に設けられた状態において、軸方向が略車両前後方向に沿った中心軸線K周りに回転可能とされている。また、スプール14には、長尺帯状のウェビング16の長手方向基端部が係止されている。そして、スプール14が巻取方向(矢印A方向)へ回転されることによって、ウェビング16が長手方向基端側からスプール14に巻取られるようになっている。
図1に示すフレーム12よりも車両前側には、スプリングハウジング36が設けられている。スプリングハウジング36の内側には、図示しないぜんまいばね等のスプール付勢手段が設けられている。そして、スプール14は、スプール付勢手段の付勢力によってウェビング16の巻取方向(図3に示す矢印A方向)へ付勢されている。また、フレーム12よりも車両後側には、ロック機構37が設けられている。
図3に示すように、ロック機構37は、回転部材としてのロックベース38と、ロックベース38に設けられたロックパウル42と、車両衝突時等の車両緊急時に作動される図示しないセンサ機構とを有している。ロックベース38は、スプール14の軸方向一端側(車両後側)に設けられている。さらに詳しくは、図5に示すように、ロックベース38は、車両前側がピニオン24に繋がっている。また、ロックベース38は、ロックパウル42が装着される本体部38Aと、本体部38Aの外周に設けられたフランジ38Bとを有している。ここで、図示しないセンサ機構が作動されると、ロックパウル42が、ロックベース38の径方向の外側へ移動され、ロックパウル42が、後述するカバープレート26のラチェット孔26E(図2参照)のラチェット歯26Gに噛合うようになっている。この噛合いにより、ロックベース38は、車両緊急時にウェビング16の巻取方向とは反対方向となる引出方向(図3に示す矢印B方向)への回転が制限される。
スプール14の軸心部には、軸部としてのトーションシャフト18が収容されている。トーションシャフト18は、略車両前後方向を軸方向とする円柱状に形成されている。トーションシャフト18の軸方向の一端部(車両前側の部位)は、スプール14に対する相対回転が阻止された状態でスプール14に保持されている。トーションシャフト18の軸方向の他端部(車両後側の部位)は、後述するピニオン24を介してロックベース38に繋がっている。図5に示すように、ロックベース38は、ピニオン24及びトーションシャフト18によってスプール14に対する相対回転が阻止された状態で、スプール14に繋がっている。
ピニオン24は、フレーム12(図1参照)よりも車両後側でかつ後述するカバープレート26(図1参照)よりも車両前側に配置されている。また、ピニオン24は、略車両前後方向を軸方向として、トーションシャフト18及びロックベース38に繋がっている(図5参照)。さらに、図3に示すように、ピニオン24の外周には、歯部25が形成されている。歯部25は、複数の係合歯25Aにより構成されている。また、ピニオン24の外周であって、歯部25の車両前側に隣接してフランジ25Bが設けられている。ピニオン24は、ロックベース38と結合されており、ピニオン24及びロックベース38により回転部材を構成している。
図2に示すように、フレーム12の後面17には、外周体の一例としてのカバープレート26が取付けられている。カバープレート26は、リベット21A及びリベット21Bを用いて、フレーム12の脚板12Aに車両後側から重ねられ固定される。具体的には、カバープレート26は、後壁部26A、周壁部26B、パイプ取付部26C及びフランジ部26Dを有している。また、カバープレート26は、パイプ28から進出した後述するラック32を移動可能に収容する機能を有している。
図2に示すように、フレーム12の脚板12Aには、パイプ28が取付けられている。パイプ28は、円筒状に形成されている。パイプ28の内径は、後述するラック32を収容すると共にラック32が自軸方向に移動可能となるように、ラック32の外径よりも大きくなっている。また、パイプ28は、一例として、3箇所で屈曲されている。具体的には、パイプ28は、基端部28A、第1曲部28B、第2曲部28C、直線部28D、第3曲部28E及び装着部28Fを備えている。
図2に示す移動部材としてのラック32は、樹脂製の棒状部材である。詳しくは、ラック32は、合成樹脂製とされ、ロックベース38及びピニオン24(図3参照)よりも軟質の材料で円柱状(棒状)に形成されている。また、ラック32は、パイプ28の内側に自軸方向が移動方向となるように収容されている。なお、パイプ28の内側において、ラック32とマイクロガスジェネレータ34との間には、シールボール44が配置されている。ラック32は、移動方向(軸方向)と交差する断面の形状が円形となっている。
図2に示すマイクロガスジェネレータ34は、制御手段としてのECU(Electronic Control Unit)を介して車両に設けられた図示しない衝突検知センサに電気的に接続されている。そして、車両衝突時の衝撃が衝突検知センサによって検知されると、ECUによってマイクロガスジェネレータ34が作動され、マイクロガスジェネレータ34において発生されたガスが、パイプ28の内側へ供給されるようになっている。つまり、マイクロガスジェネレータ34は、流体供給手段の一態様であるガス発生手段である。
次に、本実施形態のウェビング巻取装置10の作用及び効果について説明する。
図1に示すウェビング巻取装置10では、図示しない車両の緊急時の一態様である車両衝突時において、ロックパウル42がラチェット孔26E(図2参照)のラチェット歯26Gに噛合った場合に、ロックベース38の引出方向への回転が制限される。また、車両衝突時にECUによってマイクロガスジェネレータ34(図2参照)が作動されると、マイクロガスジェネレータ34からパイプ28の内側へ高圧のガスが瞬時に供給される。このガスの圧力によって、図2に示すパイプ28の内側のラック32が移動し、パイプ28の軸方向先端側からラック32が排出される。そして、排出されたラック32が、図3に示すピニオン24の係合歯25Aに係合し、この係合歯25Aを車両下方に押圧すると、ピニオン24が巻取方向へ回転される。ピニオン24が巻取方向へ回転されると、スプール14が巻取方向(矢印A方向)へ回転される。これにより、ウェビング16がスプール14に巻取られて、ウェビング16による乗員の拘束力が増加される。
上述のように、車両衝突時において、マイクロガスジェネレータ34が作動してラック32がピニオン24の係合歯25Aと係合すると、ラック32は回転部材であるピニオン24及びロックベース38を回転させる。つまり、ウェビング16の矢印A方向への巻き取り動作が開始される。一方、ラック32がピニオン24の係合歯25Aに係合した際、樹脂製のラック32の弾性により、ラック32はピニオン24及びロックベース38を回転中心O側(図4の矢印C側)に押圧する。そして、ピニオン24及びロックベース38が押圧により偏心する場合、ロックベース38はガイド30により回転可能に支持され、ラチェット歯26Gとロックベース38の本体部38Aとの接触が制限される。
本実施形態のガイド30は、後壁部26Aに対して一対のリベット30Dで固定されているが、変形例のガイド30はカバープレート26と一体形成されたものである。ここで変形例のカバープレート26の外観を示す正面図を図7(A)に示す。図7(B)は、カバープレート26の底面図であり、図7(C)は図7(A)のY−Yを断面線とする断面図である。図7(B)及び(C)に示すように、ガイド30はカバープレート26の後壁部26Aを車両前側に向けて塑性変形させたものである。すなわち、カバープレート26は金属板材をプレス加工することにより形成されており、このプレス用の金型には予め、ガイド30を形成する部分が設けられている。このように、プレス加工によりカバープレート26と一体形成されたガイド30であっても、曲壁面30Aによりロックベース38を回転可能に支持することができる。そして、変形例のウェビング巻取装置10によれば、別部品で構成させるガイド30のように、後からカバープレート26に取付ける必要がないため、製造の工数及び部品点数を減らすことができる。すなわち、ウェビング巻取装置10の製造コストを低減させることが可能である。
本実施形態及びその変形例のウェビング巻取装置10では、回転部材であるロックベース38にロックパウル42が設けられ、カバープレート26にラチェット歯26Gが設けられているが、これに限らない。本発明では、ラチェット歯は、ロックベース38及びカバープレート26の一方に設けられ、ロックパウル42は、ロックベース38及びカバープレート26の他方に設けられていればよい。例えば、本実施形態とは逆にロックベース38にラチェット歯が設けられ、カバープレート26にロックパウルが設けられていてもよい。
14 スプール
16 ウェビング
24 ピニオン(回転部材)
25 歯部
26 カバープレート(外周体)
26B 周壁部(内壁面)
26G ラチェット歯
30 ガイド(支持部)
30A 曲壁面(接触面)
32 ラック(移動部材、樹脂製の棒状部材)
38 ロックベース(回転部材)
38B フランジ
38C 外壁面
42 ロックパウル
Claims (5)
- 巻取方向に回転してウェビングを巻取るスプールと、
外周に歯部が形成され、当該歯部に移動部材が接触することで前記スプールを回転させる回転部材と、
前記回転部材の外周を覆う外周体と、
前記回転部材及び前記外周体の一方に設けられたラチェット歯と、
前記回転部材及び前記外周体の他方に設けられ、かつ前記ラチェット歯と係合することにより、前記回転部材の前記巻取方向とは反対の引出方向への回転を規制するロックパウルと、
前記外周体に設けられ、前記回転部材を回転可能に支持することで、前記ラチェット歯と前記回転部材及び前記外周体の他方とが接触することを制限する支持部と、
を備えるウェビング巻取装置。 - 前記回転部材は、当該回転部材が前記外周体に対し軸方向に移動することを制限するフランジを備え、
前記フランジの外周が前記支持部に支持される請求項1に記載のウェビング巻取装置。 - 前記支持部は、前記歯部と前記移動部材との接触により前記回転部材が偏心する側に設けられている請求項1又は2に記載のウェビング巻取装置。
- 前記外周体は、前記回転部材の回転径方向と交差する内壁面を備え、
前記支持部は、前記内壁面に当接された状態で当該外周体に対して固定されている請求項1〜3の何れか1項に記載のウェビング巻取装置。 - 前記移動部材は樹脂製の棒状部材であって、
前記歯部が前記移動部材に噛込むことにより前記回転部材が前記支持部に向けて押付けられる請求項1〜4の何れか1項に記載のウェビング巻取装置。
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